JP4074215B2 - 摩擦試験装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は摩擦試験機、特に詳しくは工作機械のすべり案内面の潤滑性能評価を行う試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高速化の要求から直動ガイドにはリニアガイドを使用することが増えてはいるものの、工作機械においては剛性や減衰性が優れているすべり案内面がよく使用される。すべり案内面はリニアガイドに比べ摩擦抵抗が大きく、ロストモーションやスティックスリップが問題となる場合が多いことから、特に工作機械のすべり案内面に使用される潤滑油は、すべり案内面に特化した潤滑油が使用されている。
【0003】
このようなすべり案内面用潤滑油の性能を評価することは、油剤設計だけでなくそれを使う工作機械の制御特性を決める上でも必要となる。このため、従来は実際の工作機械或いはこれを改造した摩擦試験機を使用して潤滑油の性能評価を行ってきた。
【0004】
しかしながら四球試験機などの一般な摩擦試験機ではすべり案内面用潤滑油の性能評価が困難なことが多い。これは、一般の摩擦試験機が磨耗を伴う厳しい摩擦を主な対象としているのに対し、工作機械すべり案内面は高精度ななじみが達成された摺動面であり、極めて穏やかな接触となっているためと思われる。また、摺動面の摺動性能を表す重要な測定項目の一つとしてロストモーションが挙げられるが、ロストモーションの測定は上述のように摩擦方向を反転させて試験を行う必要がある。工作機械のすべり案内面はその案内面のガイド長さを長くしているため、テーブルなどの被駆動体が逆向きに送られても摩擦面内の面圧変化が非常に小さいのに対し、回転する円盤上にピンを押付け摩擦を行うような一般的な摩擦試験機では、摩擦方向が一方向のみの場合ピンが摩耗していくうちに均一な分布の摩擦面面圧となりうるが、回転方向を反転させると摩擦面面圧の分布が大きく違ってしまうなどの欠点がある。
【0005】
このような理由から工作機械のすべり案内面の穏やかな接触を実現するため工作機械と同程度の精度と剛性を持つ試験機が必要となり、現にすべり案内面の性能評価では工作機械実機あるいはそれを改造して試験に利用せざるをえなかった。
【0006】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【非特許文献1】
弟子丸順一、田中信廣、武居正彦“工作機械案内面の摩擦特性に関する研究(第1報)”, トライボロジスト(社団法人日本潤滑学会発行)第36巻第12号983から989頁
【0007】
この非特許文献1には、工作機械案内面の摩擦特性に関する研究が発表されているが、この発表においても実際の工作機械を改造して試験を行っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
工作機械実機あるいはそれを改造して性能評価を行うことは、装置が大掛かりで簡便には行えない。また、別の潤滑油を評価するためにはすべての潤滑油を入れ替える必要があり、正確に試験をしようとすると摺動部に付着している試験する潤滑油特有の吸着膜や化学反応してできた生成物が除去されるまで評価ができないため多大な労力と時間を要する。また、摺動面の材質や表面荒さなどによる摺動性能を評価する場合は機械ごと作り直す必要があり非常に困難である。また、使用した工作機械の潤滑性能以外の特性を含んだ測定結果となっており、他の工作機械を使用して得られたデータと容易に比較できない。このようなことから試験に用いるすべり面の製作、および油剤の変更が容易でかつ汎用性のある結果が得られる試験装置が必要とされている。
【0009】
そこで、本発明は、実際の工作機械のすべり案内面での摺動状態を的確に実験可能な潤滑性能評価装置を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために本発明の請求項1の摩擦試験装置は、リング形状の摩擦面をもつ試片を上下に対向させて配し、前記試片の一方を固定し他方をモータにより回転運動させることにより摩擦試験を行う摩擦試験装置であって、基台(5、6、7、11、12)と、基台に固定されたサーボモータ(4)と、一端でサーボモータの回転が伝達され、他端に第一の試片(1)を取り付けた軸(2)と、第一の試片(1)の摩擦面と対向する位置で基台に対し昇降可能に設けられた可動ベース(10)と、可動ベース(10)に固定され摩擦面が第一の試片の摩擦面と対向する第二の試片(8)と、第一および第二の試片の間に潤滑油を供給する手段(13)と、軸(2)に形成された重錘載置部と、第一の試片(1)と第二の試片(8)を接触させた状態でサーボモータを回転させたときに第二の試片にかかる摩擦力を検出する検出手段とからなり、可動ベース(10)を下降させたとき軸(2)に設けたフランジ部によって軸(2)と重錘載置部上の重錘との荷重を基台上で支持し、可動ベース(10)を上昇させ第二の試片及びこれの取り付く可動ベース(10)で軸(2)、重錘、及び第一の試片(1)の荷重を受けた状態でサーボモータを回転させたときの摩擦力を検出するものである。
【0011】
このとき、第二の試片が可動ベース(10)に形成された複数の貫通穴が回転軸に対称に設けられて形成された薄肉状の梁を介して固定されており、検出手段をこの梁のひずみを検出するものとするのが望ましい。また、サーボモータ(4)の駆動軸と軸(2)とが、薄肉の円盤をサーボモータ(4)の駆動軸と軸(2)に固定し、2枚の薄肉円盤の間に所望のねじり剛性となる弾性体のブロックを円周上に等分に配置し円盤に固定したカップリングを介して連結することができる。更には、第一の試片の回転変位を検出する手段を設けるようにしても良い。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の試験装置を実施した形態について図面に基づき説明する。図1は本発明の試験装置を示す一部断面を示した斜視図であって、ベース7上に4本の支柱11を介してベース6が固定され、ベース7とベース6の間には支柱11を案内として上下動可能に可動ベース10が設けられている。ベース6上には支柱12を介してベース5が固定され、ベース5上にサーボモータ4が固定されている。
【0013】
サーボモータ4の回転軸4aはベース5に設けられた穴を貫通して下方に突出して設けられており、ベース6には、回転軸4aと同心の穴6aが貫通して設けられ、軸2が入れられている。軸2は下部の穴6aより僅かに小さい大径円筒部2aと上部の回転軸4aと略同サイズの小径円筒部2bと、小径円筒部2bと大径円筒部2aとの間に穴6aより大径円筒状のフランジ部2cとを同心に有しており、フランジ部2cによってベース6上に載置され、ベース6から抜け落ちないようになっている。ベース6には軸2の回転精度を向上させるためにエア静圧軸受を内蔵することもできる。
【0014】
軸2の大径円筒部2aの下面には上試片1が取り付けられている。上試片1は下面に円筒状の突起部を有し、この突起部の下面が摩擦面となる。このとき、工作機械のすべり案内面と同様に油溝を設けても良い。回転軸4aと軸2の小径円筒部2bとは後に詳述するカップリング3により結合可能とされている。
【0015】
可動ベース10には、回転軸4の回転中心と同心に有底円筒穴10aが設けられ、この有底円筒穴10aの底面に下試片8が固定されている。下試片8は上部に円筒状の突起部を回転軸4aの回転中心と同心に有し、この突起部の上面が摩擦面となる。
【0016】
有底円筒穴10aには給油パイプ13、排油パイプ14がベースの裏面から取り付けられて、有底円筒穴10a内へ潤滑油の供給・排出が可能とされている。
【0017】
下試片8は上下方向に貫通穴を有しており、給油パイプ13より有底円筒穴10aに供給された潤滑油は上試片1と下試片8の間に供給される。
【0018】
可動ベース10の有底円筒穴10aの周囲は可動ベース10本体に複数の貫通穴が回転軸に対称に設けられた結果形成された薄肉状の梁を介して可動ベース10本体に固定されており、この梁には動力計9が取り付けられている。動力計9としてはひずみゲージを用いることができる。動力はホイートストンブリッジ回路を利用して歪量を測定して摩擦力に換算し摩擦係数を得る。なお、可動ベースは図示しない駆動源により昇降可能とされている。
【0019】
次にカップリング3について図2を用いて説明する。カップリング3は、サーボモータの軸や上試片固定用軸2に固定するためのリング15と薄肉の円盤16、弾性体17から構成される。リング15と各軸の固定は、くさび形状のリングを締め上げる締結方法や、リング15にすり割をいれてリングの径を小さくして締結する方法などがある。リング15と薄肉の円盤16はボルトなどで固定し、薄肉の円盤16の間に樹脂などで作成された弾性体17を接着などで固定した構造となっている。薄肉の円盤16により軸方向の剛性を極力小さくすることにより死荷重での摩擦試験の荷重を実現するとともに、弾性体17の材質や形状、個数を適宜選択することによりカップリングのねじり剛性を所望の値に変化させることができる。
【0020】
ここで、摩擦試験装置の各部の材質、寸法、形状については、例えば以下のように決定することができる。工作機械の位置決め精度やロストモーションやスティックスリップなどの現象はボールねじの軸方向剛性が大きく影響していると考えられるため、想定している工作機械の移動体の質量とボールねじの軸方向剛性から共振周波数を求め、この共振周波数と摩擦試験装置の共振周波数が同等となるように各部の材質、寸法、形状を決定するものである。
【0021】
工作機械の移動体質量をM、送りボールねじの軸方向剛性をKとすると共振周波数ωは次式で求められる。
【式1】
一方、本発明の摩擦試験装置の共振周波数ωは、摩擦試験機の回転部分の慣性モーメントをIs、カップリングのねじり剛性(剛性)をkpとすると次のように求めることができる。
【式2】
したがって、式1と式2で求められる共振周波数ωが同じとなるように各部の材質、寸法、形状を決定すればよい。
【0022】
次に弾性体17の材質や形状、個数を選択する手法の一例について述べる。弾性体17のねじり剛性kpは次式で表される。
【式3】
ここで、Gは弾性体の横弾性係数、Ipは弾性体の慣性2次極モーメント、tは弾性体の厚みを表す。また、Ipは次式で表される。
【式4】
【0023】
図3で示すような形状の弾性体を例に挙げて説明する。まず,中心から半径rの微小面積dAは次式で表される。
【式5】
よって式4より慣性2次極モーメントIpは次式で表される。
【式6】
よって、この形状の厚さtの弾性体を薄肉の円板16の間にn個貼り合わせる場合,カップリングの剛性kpは式3、式6より次式で表される。
【式7】
【0024】
本試験機では弾性体として横弾性係数が18.1MPaのポリウレタンを使用し、r2=50mm、r1=40mm、t=10mm、θ=15度の弾性体17を9個用いて、これを薄肉の円盤16にエポキシ系の接着剤で貼り合わせた。
【0025】
続いて、本発明の試験装置による試験方法について説明する。カップリング3を取り外した状態で、可動ベース10を最下位置に位置させる。このとき、軸2はフランジ部2cがベース6に載置することにより、大径円筒部2aがベース6の穴6aから突出した状態で支持され、サーボモータ4の回転軸4aと軸2の小径円筒部2bとの間および軸2と可動ベースの有底円筒穴10aとの間には充分なスペースが確保される。
【0026】
この状態で、軸2の円筒大径部2aの下面に上試片1を、可動ベース10の有底円筒穴10aに下試片8をそれぞれ取り付ける。次に、軸2の小径円筒部2bに中空円筒状の重錘を同心に載せる。重錘は試験時にかける荷重に合わせた重さのものとしておく必要がある。次に図示しない動力により可動ベース10を上昇させる。可動ベース10の上昇により、上試片1と下試片8とが接触する。さらに可動ベースを上昇させると、可動ベース10は上試片1、下試片8を介して軸2および重錘を持ち上げ支持する。この状態でカップリング3によりサーボモータ4の回転軸4aと軸2の小径円筒部2bとを結合する。この状態で可動ベース10とベース7の間にブロックを介在させるなどして可動ベース10を固定する。
【0027】
次に給油パイプ13より下試片の貫通穴を介して潤滑油を上試片1と下試片8との間に供給することにより、工作機械の摺動面を想定した状態を作り出す。試験する潤滑油は使用後、可動ベース10に取付けられたドレンパイプ14より潤滑油タンクへ回収される。潤滑油タンクから供給パイプ13への供給は潤滑油ポンプなどにより行う。
【0028】
この後サーボモータの回転を開始するとその回転はサーボモータ4の回転軸4a、カップリング3、軸2、上試片1の順に伝達され、上試片と下試片の接触部に摩擦が発生する。このときサーボモータの回転は上試片と下試片の接触部が所望のすべり速度となるように回転数を調節する。回転する上試片1と固定の下試片8には摩擦が発生し、この摩擦抵抗により、可動ベース10の有底円筒部10aはサーボモータ4の回転方向に回ろうとする。このとき薄肉部に設けられたひずみゲージなどの動力計9が薄肉部の変形を計り、これを用いて測定を行う。回転数を様々に変化させて測定することによって摺動面潤滑油および摺動面自身の性能評価項目のひとつであるストライベック曲線を得ることができる。
【0029】
図4は、摺動面潤滑油あるいは摺動面自身の性能を評価する項目のロストモーション量を測定するための実施形態を示す。 上試片固定用軸2にターゲット用プレート18を取付け、ベース6などに固定したレーザー測長器19によりターゲット用プレート18の変位を測定することができる。NC装置からサーボモータ4に位置を指令しその位置に対する上試片固定用軸2の回転変位を測定することにより上試片1のロストモーション量の測定が行われる。尚、回転変位を検出する手段としては先に挙げたレーザを用いる他に、磁気エンコーダ、光学式エンコーダ等を用いてサーボモータ4の回転軸4a、カップリング3、軸2、上試片1のいずれかを検出するようにしても良い。
【0030】
次に上記の試験装置を使用して行った実験結果について説明する。図5に本装置で得られたストライベック曲線と従来の直動式摩擦試験機(バウデン式摩擦試験機)により得られた試験結果を示す。ここでは、境界潤滑領域部のみ取り出して図示した。図5に三角印で示されているように本装置で得られたストライベック曲線は速度増加に伴い摩擦係数が増加する傾向が見られる。この結果は先に挙げた非特許文献1において実際の工作機械を改造して行われた実験結果(非特許文献の図4から図8)と同様の傾向を示しており、実際の工作機械での試験と同様の結果を得られていることが判る。一方、同図に丸印で示されるように直動式摩擦試験機の結果は非特許文献1に記載された実際の工作機械を改造した試験装置とは逆の傾向となっており、潤滑油の性能評価に適していないことが判る。
【0031】
次に、図6に本装置で得られた各油剤のストライベック曲線の一例を示す。記号はそれぞれηは粘度(単位はPa・s)、uは速度(単位はm/s)、σは面圧(単位はPa),bは接触部周長(単位はm)である。この図からも非特許文献1の実験結果と同様の傾向が確認できる。
【0032】
以上のように、実際の工作機械と同等の共振周波数を持つ試験装置とすることにより、本発明の試験装置が実際の工作機械に準じた試験が可能であることを示している。このことから、実際の工作機械の共振周波数に基づいてカップリングを制作するのではなく、事前に予め多様な共振周波数のカップリングを作成して試験を行えば、実際の工作機械の設計時に有用なデータとなることも明らかである。
【0033】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、例えば摩擦力を検出する検出手段としてはひずみゲージに代えてレーザ変位計により梁の変位を直接測定したり、水晶などを用いた圧電素子を使用しても良い。また、弾性体の材質、個数など適宜変更可能なのは言うまでもない。その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。
【0034】
【発明の効果】
本発明の請求項1の摩擦試験装置によれば、試片の摩擦面をリング状とし一方をモータにより回転させる構造としたので、面圧分布が常に均一な状態での摩擦を可能とし、実際の工作機械の状態に近い面圧とするなど接触状態の再現・変更が容易である。また、荷重を重錘により死荷重としているので、荷重変動が少なく、安定した荷重状態での試験が可能となる。
【0035】
本発明の請求項2の摩擦試験装置によれば、摩擦の検出を、可動ベース(10)に形成された複数の貫通穴が設けられ薄肉状の梁に取り付けられたひずみゲージで行い、この梁は回転軸に対称となる構造としているので、ここでも面圧のアンバランスが起きない摩擦状態の実現を可能としている。このように摩擦面の面圧分布を均一となる構造としたことにより純粋な面でのすべり摩擦を実現し、実際の工作機械や工作機械を改造した摩擦試験装置にくらべ、汎用性のあるデータが取得でき、かつ、簡易に試験が行え、装置の大きさも小さくてすむという効果を奏する。
【0036】
本発明の請求項3の摩擦試験装置によれば、サーボモータの駆動軸と、上試片を取り付ける軸とを2枚の薄肉円盤の間に所望のねじり剛性となる弾性体のブロックを円周上に等分に配置し円盤に固定したカップリングを介して連結したので、駆動系にバックラッシュなどの機械的ガタを排除し回転方向の剛性を十分に確保でき、精度良くロストモーションの測定が可能である。
【0037】
本発明の請求項1の摩擦試験装置によれば、可動ベースを下降させたときに軸(2)を基台上にフランジ部で支持するようになしたので、重錘の着脱交換が容易に可能となる。
【0038】
本発明の請求項4の摩擦試験装置によれば、ロストモーション、スティックスリップの測定が可能となり、1台の簡易な試験装置で工作機械摺動面の潤滑性の評価が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の試験装置の斜視図である。
【図2】本発明の試験装置に使用するカップリングの斜視図である。
【図3】本発明の試験装置に使用するカップリングの剛性の計算手法を説明する模式図である。
【図4】本発明の試験装置でのロストモーションの測定を説明する斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態の試験装置による試験結果であって、すべり速度と動摩擦係数の関係を示したものである。
【図6】本発明の一実施形態の試験装置による試験結果であって、無次元数と動摩擦の関係を示したものである。
【符号の説明】
1・・上試片、2・・軸、2a・・大径円筒部、2b・・小径円筒部、2c・・フランジ部、3・・カップリング、4・・サーボモータ、4a・・回転軸、5,6,7・・ベース、8・・下試片、9・・動力計、10・・可動ベース、11,12・・支柱、13・・給油パイプ、14・・排油パイプ、15・・リング、16・・円盤、17・・樹脂製弾性体
Claims (4)
- リング形状の摩擦面をもつ試片を上下に対向させて配し、前記試片の一方を固定し他方をモータにより回転運動させることにより摩擦試験を行う摩擦試験装置であって、基台(5、6、7、11、12)と、基台に固定されたサーボモータ(4)と、一端でサーボモータの回転が伝達され、他端に第一の試片(1)を取り付けた軸(2)と、第一の試片(1)の摩擦面と対向する位置で基台に対し昇降可能に設けられた可動ベース(10)と、可動ベース(10)に固定され摩擦面が第一の試片の摩擦面と対向する第二の試片(8)と、第一および第二の試片の間に潤滑油を供給する手段(13)と、軸(2)に形成された重錘載置部と、第一の試片(1)と第二の試片(8)を接触させた状態でサーボモータを回転させたときに第二の試片にかかる摩擦力を検出する検出手段とからなり、可動ベース(10)を下降させたとき軸(2)に設けたフランジ部によって軸(2)と重錘載置部上の重錘との荷重を基台上で支持し、可動ベース(10)を上昇させ第二の試片及びこれの取り付く可動ベース(10)で軸(2)、重錘、及び第一の試片(1)の荷重を受けた状態でサーボモータを回転させたときの摩擦力を検出する摩擦試験装置。
- 第二の試片が、可動ベース(10)に形成された複数の貫通穴が回転軸に対称に設けられて形成された薄肉状の梁を介して固定されており、検出手段がこの梁に取り付けられひずみを検出する手段である請求項1記載の摩擦試験装置。
- サーボモータ(4)の駆動軸と軸(2)とが、薄肉の円盤をサーボモータ(4)の駆動軸と軸(2)に固定し、2枚の薄肉円盤の間に所望のねじり剛性となる弾性体のブロックを円周上に等分に配置し円盤に固定したカップリングを介して連結されている請求項1又は2記載の摩擦試験装置。
- 第一の試片の回転変位を検出する手段を設けた請求項1から3のいずれか一項に記載の摩擦試験装置。
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