JP2005164006A - ベルト式無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃費を悪化させることなく、また、油圧サージの影響を抑制可能なベルト式無段変速機を提供する。
【解決手段】油圧に応じて溝幅が変化する入力側のプライマリプーリ及び出力側のセカンダリプーリと、プライマリプーリ及びセカンダリプーリとに巻き掛けられ、溝幅に応じてプーリ接触半径が変化するベルトとを備えたベルト式無段変速機であって、ベルトのトルク容量と現在のプーリ比とを達成可能な定常油圧をプーリ毎に算出する定常油圧算出手段と、目標変速速度を決定する目標変速速度決定手段と、目標変速速度を達成可能な過渡油圧を算出する過渡油圧算出手段と、アップシフト時には、セカンダリプーリに定常油圧を供給し、プライマリプーリに定常油圧に過渡油圧を増圧して供給する油圧制御手段と、アップシフトの終了を判定したら、セカンダリプーリに供給する定常油圧に対して増圧補正する増圧補正手段と、を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の発動機の回転を駆動輪に伝達する動力伝達システムに好適に使用されるベルト式無段変速機に関するものである。
自動車等に搭載する変速機としては、従来より、例えばベルト式無段変速機が知られている。このベルト式無段変速機は、エンジンの回転を入力するプライマリプーリと、駆動輪に回転を出力するセカンダリプーリと、プライマリプーリの回転をセカンダリプーリに伝達するにVベルトとを備えており、Vベルトのプライマリプーリ及びセカンダリプーリに対する接触半径(有効半径)の比率(プーリ比)を調整することで、入力と出力の回転数の比率(変速比)を調整する。このようなベルト式無段変速機としては、例えば特許文献1に記載のものがある。
特開平8−210449号公報
ところで、このようなベルト式無段変速機では、アップシフト時にセカンダリプーリのピストンが押し戻され、この押し戻しが終了するときにプーリに供給されている油圧が一時的に低下することが判明した。このように油圧が低下すると、プーリによるベルトの挟持力が不足してベルト滑りを生じてベルトの寿命を短くするおそれがあるので、ライン圧を常時必要以上に上昇させたり、変速時にのみライン圧を上昇させておくことで油圧低下を防止することが考えられるが、そのようにすると燃費の悪化を招くおそれがあった。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、燃費を悪化させることなく、変速開始から終了までベルト滑りを生じさせないベルト式無段変速機を提供することを目的としている。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。
本発明は、油圧に応じて溝幅が変化する入力側のプライマリプーリと、油圧に応じて溝幅が変化する出力側のセカンダリプーリと、前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとに巻き掛けられ、前記溝幅に応じてプーリ接触半径が変化するベルトとを備えたベルト式無段変速機であって、ベルトのトルク容量と現在のプーリ比とを達成可能な定常油圧をプーリ毎に算出する定常油圧算出手段と、目標変速速度を決定する目標変速速度決定手段と、目標変速速度を達成可能な過渡油圧を算出する過渡油圧算出手段と、アップシフト時には、前記セカンダリプーリに前記定常油圧を供給し、前記プライマリプーリに前記定常油圧に前記過渡油圧を増圧して供給する油圧制御手段と、前記アップシフトの終了を判定する判定手段と、前記判定手段がアップシフトの終了を判定したら、前記セカンダリプーリに供給する定常油圧に対して増圧補正する増圧補正手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、プーリ比をLO側からOD側へとアップシフトさせるとき、算出された目標変速速度に基づいて変速に必要な推力差分を推力補正量としてプライマリプーリ側のPRI定常推力に加算し、これをプライマリプーリの目標推力とすることで、変速に必要な油圧分をプライマリプーリ側に増圧する。この間、セカンダリプーリ圧は、定常用の推力から算出される油圧(定常用の圧力)のままである。つまり、変速中は、セカンダリプーリがトルク容量を確保したままプライマリプーリに対して定常用の油圧に過渡用の油圧を増圧してプーリ比を変化させるので、各プーリのトルク容量は常に確保した状態で変速が行われることとなり、過剰にセカンダリプーリの油圧を上げて燃費が悪化したり、変速中にプーリの油圧を低下させすぎてベルトが滑るといったことを防止できて、ベルトの耐久性の悪化を防止できる。また、アップシフト終了時にあっては、アップシフト開始後であって、そのアップシフトが終了する直前にセカンダリプーリに供給する油圧を補正増圧するので、油圧サージ等の影響を防止してプーリ圧の急激な低下を防止することができる。
以下では図面等を参照して本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明によるベルト式無段変速機を示す概略構成図である。
ベルト式無段変速機10は、プライマリプーリ11と、セカンダリプーリ12と、Vベルト13と、CVTコントロールユニット20と、油圧コントロールユニット30とを備える。
プライマリプーリ11は、このベルト式無段変速機10にエンジン1の回転を入力する入力軸側のプーリである。プライマリプーリ11は、入力軸11dと一体となって回転する固定円錐板11bと、この固定円錐板11bに対向配置されてV字状のプーリ溝を形成するとともに、プライマリプーリシリンダ室11cへ作用する油圧(以下「プライマリ圧」という)によって軸方向へ変位可能な可動円錐板11aとを備える。プライマリプーリ11は、前後進切り替え機構3、ロックアップクラッチを備えたトルクコンバータ2を介してエンジン1に連結され、そのエンジン1の回転を入力する。プライマリプーリ11の回転速度は、プライマリプーリ回転速度センサ26によって検出される。
Vベルト13は、プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12に巻き掛けられ、プライマリプーリ11の回転をセカンダリプーリ12に伝達する。
セカンダリプーリ12は、Vベルト13によって伝達された回転をディファレンシャル4に出力する。セカンダリプーリ12は、出力軸12dと一体となって回転する固定円錐板12bと、この固定円錐板12bに対向配置されてV字状のプーリ溝を形成するとともに、セカンダリプーリシリンダ室12cへ作用する油圧(以下「セカンダリ圧」という)に応じて軸方向へ変位可能な可動円錐板12aとを備える。なお、セカンダリプーリシリンダ室12cの受圧面積とプライマリプーリシリンダ室11cの受圧面積とは、同等又はほぼ同等に設定されている。
セカンダリプーリ12は、アイドラギア14及びアイドラシャフトを介してディファレンシャル4を連結しており、このディファレンシャル4に回転を出力する。セカンダリプーリ12の回転速度は、セカンダリプーリ回転速度センサ27によって検出される。なお、このセカンダリプーリ12の回転速度から車速を算出することができる。
CVTコントロールユニット20は、インヒビタスイッチ23、アクセルペダルストローク量センサ24、油温センサ25、プライマリプーリ回転速度センサ26、セカンダリプーリ回転速度センサ27等からの信号や、エンジンコントロールユニット21からの入力トルク情報に基づいて、変速比や接触摩擦力を決定し、さらにプライマリ圧の目標値(プライマリ圧目標値)及びセカンダリ圧の目標値(セカンダリ圧目標値)を計算し、油圧コントロールユニット30に指令を送信して、ベルト式無段変速機10を制御する。
油圧コントロールユニット30は、CVTコントロールユニット20からの指令に基づいて応動する。油圧コントロールユニット30は、プライマリ圧及びセカンダリ圧が目標圧通りになるように、プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12に対して油圧を供給し、可動円錐板11a及び可動円錐板12aを回転軸方向に往復移動させる。
可動円錐板11a及び可動円錐板12aが移動するとプーリ溝幅が変化する。すると、Vベルト13が、プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12上で移動する。これによって、Vベルト13のプライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12に対する接触半径が変わり、変速比及びVベルト13の接触摩擦力がコントロールされる。
エンジン1の回転が、トルクコンバータ2、前後進切り替え機構3を介してベルト式無段変速機10へ入力され、プライマリプーリ11からVベルト13、セカンダリプーリ12を介してディファレンシャル4へ伝達される。
アクセルペダルが踏み込まれたり、マニュアルモードでシフトチェンジされると、プライマリプーリ11の可動円錐板11a及びセカンダリプーリ12の可動円錐板12aを軸方向へ変位させて、Vベルト13との接触半径を変更することにより、変速比を連続的に変化させる。
図2は本発明によるベルト式無段変速機の油圧コントロールユニット及びCVTコントロールユニットの概念図である。
油圧コントロールユニット30は、レギュレータバルブ31と、変速制御弁32と、減圧弁33とを備え、油圧ポンプ34から供給される油圧を制御してプライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12に供給する。
レギュレータバルブ31は、ソレノイドを有し、油圧ポンプ34から圧送された油の圧力を、CVTコントロールユニット20からの指令(例えば、デューティ信号など)に応じて運転状態に応じて所定のライン圧PLに調圧する調圧弁である。
変速制御弁32は、プライマリ圧を制御する制御弁である。変速制御弁32は、メカニカルフィードバック機構を構成するサーボリンク50に連結され、サーボリンク50の一端に連結されたステップモータ40によって駆動されるとともに、サーボリンク50の他端に連結したプライマリプーリ11の可動円錐板11aから溝幅、つまり実変速比のフィードバックを受ける。変速制御弁32は、スプール32aの変位によってプライマリプーリシリンダ室11cへの油圧の吸排を行って、ステップモータ40の駆動位置で指令された目標変速比となるようにプライマリ圧を調整し、実際に変速が終了するとサーボリンク50からの変位を受けてスプール32aを閉弁位置に保持する。
減圧弁33は、ソレノイドを備え、セカンダリ圧を制御する制御弁である。
油圧ポンプ34から供給され、レギュレータバルブ31によって調圧されたライン圧PLは、変速制御弁32と、減圧弁33にそれぞれ供給される。
プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12の変速比は、CVTコントロールユニット20からの変速指令信号に応じて駆動されるステップモータ40によって制御され、ステップモータ40に応動するサーボリンク50の変位に応じて変速制御弁32のスプール32aが駆動され、変速制御弁32に供給されたライン圧PLが調整されてプライマリ圧をプライマリプーリ11へ供給し、溝幅が可変制御されて所定の変速比に設定される。
CVTコントロールユニット20は、インヒビタースイッチ23からのセレクト位置、アクセルペダルストローク量センサ24からのアクセルペダルストローク量、油温センサ25からベルト式無段変速機10の油温や、プライマリプーリ速度センサ26、セカンダリプーリ速度センサ27、油圧センサ28からの信号等を読み込んで変速比やVベルト13の接触摩擦力を可変制御する。なお、油圧センサ28は、セカンダリプーリのシリンダ室12cにかかるセカンダリ圧を検出するセンサである。
CVTコントロールユニット20は、車速やアクセルペダルのストローク量等の運転状態に基づいて目標変速比を決定し、実変速比がその目標変速比になるように、ステップモータ40を駆動する変速比制御部201と、入力トルクや変速比、油温、変速速度などの運転状態に基づいて、プライマリプーリ11、セカンダリプーリ12に作用する油圧を決定し、必要に応じてその油圧を補正して制御するプーリ圧制御部202から構成される。
プーリ圧制御部202は、入力トルク情報、プライマリプーリとセカンダリプーリとの変速比、油温からライン圧の目標値(ライン圧目標値)を決定し、レギュレータバルブ31のソレノイドを駆動することでライン圧の制御を行い、さらにプライマリ圧目標値、セカンダリ圧目標値を設定し、必要に応じて目標値の補正を行って、油圧センサ28の検出値と目標値とに応じて減圧弁33のソレノイドを駆動して、フィードバック制御することによってプライマリ圧及びセカンダリ圧を制御する。
ところで本発明では以下のようにしてセカンダリ圧目標値を算出してベルト式無段変速機10を制御している。以下に、特に本発明でのポイントとなるコントローラの制御動作の概要を説明する。
図3はCVTコントロールユニットによって実行されるベルト式無段変速機の制御を説明するメインフローチャートである。
まず、ステップS1では、定常時(一定のプーリ比を保持するとき)のプライマリプーリの推力(PRI定常推力)及びセカンダリプーリの推力(SECD定常推力)を求める。具体的な内容は後述する。
ステップS2では、過渡時(プーリ比を変更するとき)のプライマリプーリの推力補正量及びセカンダリプーリの推力補正量を計算する。具体的な計算方法については後述する。
次に、ステップS3においてアップシフトかダウンシフトかを判断する。なお、この判断は、ステップS2(より具体的には後述するステップS21)で求めた目標変速速度によって判断する。
ここで、アップシフトであればステップS4に進み、PRI定常推力にPRI推力補正量を加算した値を、プライマリプーリ目標推力(PRI目標推力)とする。さらに、ステップS5においてセカンダリプーリ目標推力(SECD目標推力)を算出する。具体的な計算方法については後述する。
一方、ダウンシフトのときはステップS6に進み、SECD定常推力にSECD推力補正量を加算した値を、セカンダリプーリ目標推力(SECD目標推力)とする。さらに、ステップS7において、PRI定常推力を、プライマリプーリ目標推力(PRI目標推力)とする。
そして、ステップS8において、PRI目標推力をプライマリプーリの受圧面積(PRI面積)で除算した値を、プライマリプーリ目標圧(PRI目標圧)とし、ステップS9において、SECD目標推力をセカンダリプーリの受圧面積(SECD面積)で除算した値を、セカンダリプーリ目標圧(SECD目標圧)とする。
そして、ステップS10において、PRI目標圧及びSECD目標圧のいずれか大きい方をライン目標圧(PL目標圧)とし、ライン圧がこのPL目標圧を満足するように、レギュレータバルブ31を調整する。
図4は、定常時(一定プーリ比保持時)のプライマリプーリ及びセカンダリプーリの推力を計算するサブルーチンのフローチャートである。また、図5はプーリ比とプーリの推力との関係を示す推力マップであり、図5(A)はプライマリプーリ用の推力マップ、図5(B)はセカンダリプーリ用の推力マップである。
ステップS11において、入力トルクを計算する。
ステップS12において、プライマリプーリ11とセカンダリプーリ12とのプーリ比を計算する。
ステップS13において、プライマリプーリ用推力マップ(図5(A))から定常時のプライマリプーリの推力(PRI定常推力)を求め、セカンダリプーリ用推力マップ(図5(B))から定常時のセカンダリプーリの推力(SECD定常推力)を求める。
なお、図5(A)(B)の推力マップは、横軸がプーリ比、縦軸が推力を示す。プーリ比は、図中の右側ほど大きくロー側である。このプーリ比と推力との関係は入力トルクによって変わり、プーリ比が同じでも入力トルクが大きいほど推力が大きい。
また、プライマリプーリの推力とセカンダリプーリの推力とを比較すると、図5(A)(B)からわかるように、プーリ比が小さいときはプライマリプーリの方が推力が大きく、プーリ比が大きいときはセカンダリプーリの方が推力が大きい。したがって、図5(A)のプライマリプーリの線図の方が図5(B)のセカンダリプーリの線図よりも傾斜が緩い。
図6は過渡時(プーリ比変更時)のプライマリプーリ及びセカンダリプーリの推力補正量を算出するサブルーチンのフローチャートである。図7は変速速度マップ、図8は変速速度に対するプーリストローク速度倍率マップ、図9はプーリストローク速度に対するプーリ推力補正量を示すマップであり、図9(A)はプライマリプーリ用マップ、図9(B)はセカンダリプーリ用マップである。
ステップS21において、変速速度マップ(図7)から目標変速速度を計算する。図7の変速速度マップには、アクセルペダルを踏み込み量、プライマリプーリの回転数、マップ上の到達プーリ比、目標変速速度が示されており、これらより、アクセルペダルを踏み込んだときの目標変速速度が計算される。
ステップS22において、変速速度に対するプーリストローク速度倍率マップ(図8)から変速速度に対するプーリのストローク速度の倍率を求め、ステップS23において、その倍率に変速速度を乗算してプーリのストローク速度を算出する。
そして、ステップS24において、プライマリプーリ用マップ(図9(A))及びセカンダリプーリ用マップ(図9(B))からプーリストローク速度に応じたプーリ推力補正量を求める。
図10は、セカンダリプーリ目標推力(SECD目標推力)を算出するサブルーチンのフローチャートである。
ステップS501において、タイマが起動中であるか否かを判定し、起動中でなければステップS502に進み、起動中であればステップS506に進む。
ステップS502において、実変速速度が開始判定値より小さいか否かを判定する。なおこの開始判定値は、本実施形態では実験によって求めておいた一定値であり、例えば本実施形態では−0.5[変速比/sec]としている。なおアップシフトの変速速度は負値で与える。したがって、アップシフトの変速速度が小さくなるほど絶対値としては大きくなるため、変速速度が速いことを意味し、アップシフトの変速速度が大きいほど絶対値としては小さくなるため、変速速度が遅いことを意味する。実変速速度が開始判定値よりも小さければステップS503へ進んでF(フラグ)=1とし、実変速速度が開始判定値以上のときはステップS504へ進む。
ステップS504において、実変速速度が終了判定値より小さいか否かを判定する。なおこの終了判定値は、本実施形態では実験によって求めておいた一定値であり、例えば本実施形態では−0.05[変速比/sec]としている。実変速速度が終了判定値以上のときはステップS505へ進み、実変速速度が終了判定値よりも小さければステップS506へ進む。
ステップS505において、F=1が成立しているか否かを判定し、成立していなければステップS506へ進み、成立していればステップS507へ進む。
ステップS506において、SECD定常推力をSECD目標推力とする。
ステップS507において、タイマを起動する。
ステップS508において、SECD定常推力に補正量を加算してSECD目標推力とする。なおこの補正量は、実験的にアップシフト時のセカンダリ圧の最大油圧低下量を求めておき、この最大低下量に対応する推力を補正量として与えたものである。
ステップS509においてタイマをカウントダウンし、タイマ=0になったら(ステップS510)、ステップS511へ進んでタイマを終了するとともにF=0とする。
図11の本発明によるアップシフト時の制御動作を説明するタイムチャートを参照しながら作用を説明する。
時刻t1で踏み込まれていたアクセルペダルが戻されて、時刻t1から時刻t3までの間にLO側からOD側にアップシフトする場合を想定して説明する。
アップシフトが開始すると、変速の進行に伴い、セカンダリプーリが必要とする定常推力は低下するため、セカンダリ圧を低下させる。
実変速速度が開始判定値を下回り、さらに、終了判定値を上回ったら、アップシフトが終了する直前であり、そのときが時刻t2である。このとき、セカンダリ圧を実線で示す定常油圧に対して斜線で示す補正油圧で増圧すると同時にタイマを起動し、タイマのカウント値に初期値を与えてカウントダウンしていく。アップシフトが時刻t3で終了した後も、タイマカウント値がゼロになるまで(時刻t4まで)セカンダリ圧の増圧を維持する。
図12は変速比とセカンダリの変速流量との関係を示す線図である。
変速比を変えアップシフトすると、セカンダリプーリのシリンダ室からは油が流出する状態となり、変速流量が流出側になる。アップシフトが終了すると、シリンダ室からの油の流出が止まるが、さらに、油のイナーシャにより油圧サージが発生し、セカンダリ圧が急激に低下する。
しかし、本実施形態では、図12中の一点鎖線で示すように油圧が下がらないようにアップシフトが終了する直前の時刻t2からセカンダリ圧を算出された定常油圧に対し補正増圧しておくので、油圧サージが発生しても、セカンダリ圧の急激なベルト容量以下への低下によるベルト滑りを防止することができる。したがって、ベルト滑りを防止でき、ベルトの長寿命化を図ることができるのである。
本実施形態によれば、アップシフト終了時に油圧サージが発生してもベルト容量以下に油圧が下がらないようにセカンダリ圧を、算出された定常油圧に対して補正増圧しておくので油圧サージの影響を受けず、セカンダリ圧の急激なベルト容量以下への低下を防止することができる。したがって、ベルト滑りを防止でき、ベルトの高寿命化を図ることができる(請求項1に対応する効果)。
また、プライマリプーリの受圧面積は、セカンダリプーリの受圧面積と同等又はほぼ同等であり、変速制御弁32、減圧弁33、油圧ポンプ34を備え、プライマリ圧、セカンダリ圧をそれぞれ制御することができ、アップシフト変速中にはセカンダリ圧を定常油圧に維持し、プライマリ圧及びセカンダリ圧の増圧を必要なときにのみ行い、ライン圧を常時上昇させることがない。したがって、ライン圧を上げることによるポンプの駆動負荷を高めることを防止でき、燃費を悪化させることがない(請求項1に対応する効果)。
さらに、所定変速速度以上のアップシフトの終了時にだけ、算出された定常油圧に対して増圧補正を行うようにしたので、比較的油圧サージの発生しやすいアップシフトのときだけ増圧補正を行うようにしたので、さらに燃費の悪化を防止することができる(請求項4に対応する効果)。
変速速度に応じて増圧補正の開始を判断するようにしたので、アップシフト終了を正確に判断することができ、本制御を遅れることなく適切に行うことができる(請求項2に対応する効果)。
(第2実施形態)
図13は本発明の第2実施形態を示す図であり、セカンダリプーリ目標推力(SECD目標推力)を算出するサブルーチンのフローチャートである。なお、このサブルーチン以外については、第1実施形態のものと同一であるため省略する。また、以下の各実施形態においても、前述の実施形態と同様の内容については重複する説明を適宜省略する。
第1実施形態では開始判定値及び終了判定値を予め実験によって求めておいた一定値としていたが、本実施形態では、ステップS521においてマップ(図14)に基づいて算出するようにした。
図14は変速速度の開始判定値及び終了判定値の算出マップである。
変速速度の開始判定値及び終了判定値の算出マップは、図14に示すように、変速比をパラメータにして設定されており、開始判定値及び終了判定値は、変速比が大(LO側)の方が小(OD側)に比べて小さな値(絶対値としては大きいので、変速速度としては速い)に設定されている。これは、変速流量はプーリのストローク速度に比例するのに対して、ストローク変化に対する変速比の変化は、変速比が大(LO側)ほど大きくなる特性を持っているため、同じ流量に対する変速速度は変速比が大(LO側)ほど大きくなるためである。
本実施形態によれば、変速速度の開始判定値は、変速比をパラメータにして設定するとともに、開始判定値は、変速比が大(LO側)の方が小(OD側)に比べて小さな値(絶対値としては大きいので、変速速度としては速い)に設定しているため、変速比に応じてサージ油圧の発生しやすい変速のみを適切に設定でき、さらに燃費の悪化を防止できる。変速速度の終了判定値は、変速比をパラメータにして設定するとともに、終了判定値は、変速比が大(LO側)の方が小(OD側)に比べて大きな値(絶対値としては大きいので、変速速度としては速い)に設定しているため、定常油圧に対する増圧補正の開始タイミングを適切に設定でき、制御の開始遅れを防止しつつ、燃費の悪化も防止できる(請求項3に対応する効果)。
(第3実施形態)
図15は本発明の第3実施形態を示す図であり、セカンダリプーリ目標推力(SECD目標推力)を算出するサブルーチンのフローチャートである。なお、このサブルーチン以外については、第1実施形態のものと同一であるため省略する。第1実施形態では実変速速度に基づいて制御していたが(図10のステップS502、ステップS503)、本実施形態ではプーリ移動速度に基づいて制御する。具体的には以下である。なお図10と共通する説明については省略する。
ステップS531において、実変速比から変速速度とプーリ移動速度との係数を算出する。
ステップS532において、その係数を実変速速度に乗算してプーリ移動速度を求める。
ステップS533において、プーリ移動速度が開始判定値より小さいか(判定値より速いか)否かを判定し、開始判定値よりも小さければ(速ければ)ステップS503へ進んでF(フラグ)=1とし、開始判定値以上のとき(遅いとき)は、ステップS534へ進む。
ステップS534において、プーリ移動速度が終了判定値より小さいか(判定値より速いか)否かを判定し、終了判定値以上のときはステップS505へ進み、終了判定値よりも小さければステップS506へ進む。
本実施形態によれば、変速比と変速速度から変速流量に比例するプーリ移動速度に基づいて開始判定及び終了判定を行うので、正確な判定を行うことができる(請求項2に対応する効果)。本実施形態によっても、変速比に応じてサージ油圧の発生しやすい変速のみを適切に設定でき、さらに燃費の悪化を防止できたり、定常油圧に対する増圧補正の開始タイミングを適切に設定でき、制御の開始遅れを防止しつつ、燃費の悪化も防止できる(請求項4に対応する効果)。
(その他の実施形態)
変速速度が開始判定値よりも速い間はタイマを作動させるが、その途中で変速速度が開始判定値よりも遅くなってしまったら誤判定である可能性が高いので再び最初から処理をやり直す。
また、変速速度が終了判定値よりも遅い間はタイマを作動させるが、その途中で変速速度が終了判定値よりも速くなってしまったら誤判定である可能性が高いので再び最初から処理をやり直す。
このように、変速速度が所定時間継続して開始判定値よりも速い場合にアップシフトが開始したと判断するので、誤判定を防止して正確な判断を行うことができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明と均等であることは明白である。
本発明によるベルト式無段変速機を示す概略構成図である。 本発明によるベルト式無段変速機の油圧コントロールユニット及びCVTコントロールユニットの概念図である。 CVTコントロールユニットによって実行されるベルト式無段変速機の制御を説明するメインフローチャートである。 定常時(一定プーリ比保持時)のプライマリプーリ及びセカンダリプーリの推力を計算するサブルーチンのフローチャートである。 プーリ比とプーリの推力との関係を示す推力マップである。 過渡時(プーリ比変更時)のプライマリプーリ及びセカンダリプーリの推力補正量を算出するサブルーチンのフローチャートである。 変速速度マップである。 変速速度に対するプーリストローク速度倍率マップである。 プーリストローク速度に対するプーリ推力補正量を示すマップである。 セカンダリプーリ目標推力(SECD目標推力)を算出するサブルーチンのフローチャートである。 本発明によるアップシフト時の制御動作を説明するタイムチャートである。 変速比とセカンダリの変速流量との関係を示す線図である。 本発明の第2実施形態のセカンダリプーリ目標推力(SECD目標推力)を算出するサブルーチンのフローチャートである。 変速速度の開始判定値及び終了判定値の算出マップである。 本発明の第3実施形態のセカンダリプーリ目標推力(SECD目標推力)を算出するサブルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 ベルト式無段変速機
11 プライマリプーリ
12 セカンダリプーリ
13 Vベルト
20 CVTコントロールユニット
30 油圧コントロールユニット

Claims (4)

  1. 油圧に応じて溝幅が変化する入力側のプライマリプーリと、
    油圧に応じて溝幅が変化する出力側のセカンダリプーリと、
    前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとに巻き掛けられ、前記溝幅に応じてプーリ接触半径が変化するベルトとを備えたベルト式無段変速機であって、
    ベルトのトルク容量と現在のプーリ比とを達成可能な定常油圧をプーリ毎に算出する定常油圧算出手段と、
    目標変速速度を決定する目標変速速度決定手段と、
    目標変速速度を達成可能な過渡油圧を算出する過渡油圧算出手段と、
    アップシフト時には、前記セカンダリプーリに前記定常油圧を供給し、前記プライマリプーリに前記定常油圧に前記過渡油圧を増圧して供給する油圧制御手段と、
    前記アップシフトの終了を判定する判定手段と、
    前記判定手段がアップシフトの終了を判定したら、前記セカンダリプーリに供給する定常油圧に対して増圧補正する増圧補正手段と、
    を備えたことを特徴とするペルト式無段変速機。
  2. 前記判定手段は、変速比の変化速度又はプーリの移動速度が予め設定された第1基準値よりも遅くなったときに変速終了と判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のベルト式無段変速機。
  3. 前記第1基準値は、変比比が大きくなるほど変速比の変化速度が速くなる方向に設定されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載のベルト式無段変速機。
  4. 変速比の変化速度又はプーリの移動速度が前記第1基準値よりも速い方向に設定された第2基準値を有し、
    前記増圧補正手段は、アップシフトにおける変速比の変化速度又はプーリの移動速度が弟2基準値よりも速くなった場合であって、そのアップシフトにおける変速比の変化速度又はプーリの移動速度が前記1基準値より遅くなったときに増圧補正を行うようにした、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のベルト式無段変速機。
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