JP2005163870A - 管継手構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 下水道用の配管だけでなく、上水道用の配管や地中線ケーブル保護管の接続においても確実な伸縮代を得ることができる管継手構造を提供する。
【解決手段】 一方の配管部材(合成樹脂管12)の端部に設けられた拡径受口11内に他方の配管部材(接続用短管13)の差口17を挿入し、拡径受口の内周に装着したゴムリング16により両配管部材を伸縮可能な状態で密に接続する管継手構造において、差口の外周に、水溶性樹脂又は生分解性樹脂からなるストッパー20を、該ストッパーの端面20aと拡径受口の先端11aとが当接したときに、拡径受口への差口の挿入量があらかじめ設定された規定挿入量となる位置に装着する。
【選択図】 図1
【解決手段】 一方の配管部材(合成樹脂管12)の端部に設けられた拡径受口11内に他方の配管部材(接続用短管13)の差口17を挿入し、拡径受口の内周に装着したゴムリング16により両配管部材を伸縮可能な状態で密に接続する管継手構造において、差口の外周に、水溶性樹脂又は生分解性樹脂からなるストッパー20を、該ストッパーの端面20aと拡径受口の先端11aとが当接したときに、拡径受口への差口の挿入量があらかじめ設定された規定挿入量となる位置に装着する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、管継手構造に関し、詳しくは、拡径受口の内周に装着したゴムリングによって拡径受口と差口とを伸縮可能な状態で接続する管継手構造に関する。
従来から、地中線ケーブル保護管や水道管等で使用されている硬質塩化ビニル管を接続する際の管継手構造として、内周にシール用のゴムリングを装着した拡径受口内に他方の配管部材の差口を挿入することにより、両配管部材をゴムリングを介して伸縮可能な状態で接続することが行われている。このような継手構造は、地震の際の配管部材の移動や、温度変化による配管部材の伸縮を考慮した伸縮代を持たせるためのものであって、拡径受口と差口とを接続するときには、拡径受口内への差口の挿入量を差口外周面に設けた標線を基準にして行い、配管部材間に所定の伸縮代が得られるようにしていた。
このような管継手構造において、差口が拡径受口の奥まで挿入されてしまい、所定の伸縮代が得られなくなることを防止するため、拡径受口の奥部にストッパー段部を設けるとともに、差口の先端に水溶性樹脂からなるストッパーリングを介在させることが提案されている。この構造によれば、接続後に管内に水等の液体が流れることにより、ストッパーリングが溶解して両者の間に所定の伸縮代が形成されることになる(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−82837号公報
上述の特許文献1記載の構造において、ストッパーリングとして水溶性樹脂を用いているため、下水道では全く問題がないが、上水道では溶解した樹脂が上水中に混入するという問題があり、また、地中線ケーブル保護管では、内部に水が流れないので水溶性樹脂を溶解させることができないという問題がある。
そこで本発明は、下水道用の配管だけでなく、上水道用の配管や地中線ケーブル保護管の接続においても確実な伸縮代を得ることができる管継手構造を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の管継手構造は、一方の配管部材の端部に設けられた拡径受口内に他方の配管部材の差口を挿入し、前記拡径受口の内周に装着したゴムリングにより両配管部材を伸縮可能な状態で密に接続する管継手構造において、前記差口の外周に、水溶性樹脂又は生分解性樹脂からなるストッパーを、該ストッパーと拡径受口先端とが当接したときに、拡径受口への差口の挿入量があらかじめ設定された規定挿入量となる位置に装着したことを特徴としている。
本発明の管継手構造によれば、差口が拡径受口の奥部まで過剰に挿入されてしまうことを確実に防止することができる。また、ストッパーに生分解性樹脂を用いることにより、管内に水が流れない地中線ケーブル保護管においても、所定の伸縮代を確実に得ることができる。
図1は、本発明の管継手構造の第1形態例を示す一部断面正面図である。この管継手構造は、端部に拡径受口11を形成した一方の配管部材(合成樹脂管)12に、他方の配管部材となる接続用短管13を介して合成樹脂管14を伸縮可能に接続するものであって、拡径受口11の内周に形成された環状溝15にはゴムリング16があらかじめ装着されている。
接続用短管13は、拡径受口11内に挿入される差口17と、合成樹脂管14の端部が挿入される受口18とからなるものであって、差口17の基部外周にはストッパー段部19が設けられている。ストッパー段部19から差口17の先端までの長さLは、前記拡径受口11の奥行き寸法Dに対応して設定されている。また、受口18は、合成樹脂管14の端部を挿入して接着接合可能な形状に形成されている。
そして、差口17の基部外周には、水溶性樹脂又は生分解性樹脂からなるストッパー20が装着されている。このストッパー20は、ストッパー20の端面20aと拡径受口11の先端11aとが当接したときに、拡径受口11への差口17の挿入量があらかじめ設定された規定挿入量となるように設けられるもので、その幅寸法W、すなわち、ストッパー段部19とストッパー20の端面20aとの寸法をあらかじめ設定された寸法に設定することにより、拡径受口11への差口17の挿入量を規定挿入量に対応した長さにすることができる。例えば、合成樹脂管12,14の長さが5000mmの場合は、幅寸法Wを25〜75mm程度に設定することにより、地震時の伸縮代を確保することができる。
ストッパー20は、差口17の外周に装着されるため、管内に水等が流れない地中線ケーブル保護管や樹脂の溶解が好ましくない上水用配管の場合でも、水溶性樹脂を使用することができる。水溶性樹脂としては、適当な強度を有していれば各種のものを使用可能であり、例えば、水溶性アルキド樹脂、水溶性−変性アルキド樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性−変性ポリエステル樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性−変性アクリル樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性−変性エポキシ樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性−変性メラミン樹脂、水溶性塩素化オレフィン樹脂、水溶性−変性塩素化オレフィン樹脂等を用いることができる。
また、生分解性樹脂も、各種のものを使用可能であり、例えば、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸(PHB)を構成成分とする脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂や、1,4−ブタンジオール等のポリオール類とコハク酸やアジピン酸のような脂肪族ジカルボン酸を主原料として縮合重合により得られた生分解性樹脂等を用いることができ、その他、ポリエステル系、ポリアミド系、多糖系、PVA系でんぷんのような天然高分子系等を用いることができる。
このように、差口17の基部外周に水溶性樹脂又は生分解性樹脂からなるストッパー20を装着した接続用短管13は、通常は、合成樹脂管14の端部を受口18に挿入して接着接合し、合成樹脂管14と一体化した状態で一方の合成樹脂管12の拡径受口11に挿入される。このとき、図1に想像線で示すように、ストッパー20の端面20aが拡径受口11の先端11aに当接した状態になるように確認しながら差口17を拡径受口11内に挿入することにより、従来の標線を基準とした規定挿入量と同等の位置まで差口17が挿入された状態となる。そして、ストッパー20が水に溶解したり、微生物や水、酵素等の作用によって分解したりした後は、差口挿入方向(伸び方向)への規制が解除されるので、差口17がゴムリング16を介して拡径受口11内で伸縮可能な状態で密に接続された状態となる。なお、ストッパー20を拡径受口11の先端11aにあらかじめ装着しておき、差口17を、このストッパー20を通して拡径受口11内に挿入し、ストッパー20をストッパー段部19に当接させることによっても、拡径受口11内への差口17の挿入量を規定挿入量とすることができる。
図2乃至図4は、本発明の管継手構造の第2形態例を示すもので、図2は配管接続前の状態を示す一部断面正面図、図3は配管接続時の状態を示す一部断面正面図、図4はストッパーが溶解又は分解した後に配管が伸張した状態を示す一部断面正面図である。なお、以下の説明において、前記第1形態例で示した管継手構造における構成要素と同一の構成要素には、それぞれ同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本形態例は、一方の配管部材である合成樹脂管12の拡径受口11に、他方の配管部材である接続用短管31をあらかじめ装着してから合成樹脂管14を接続用短管31内に挿入して接続するようにしている。接続用短管31は、通常よりも僅かに大径に形成された拡径受口11内に挿入される外径を有するとともに、合成樹脂管14を挿入可能な内径を有するものであって、挿入方向先端の外周面にはゴムリング16に係止する抜止爪32が設けられ、内周面には合成樹脂管14の先端面14aが当接する規制爪33が設けられている。また、合成樹脂管14側には、ゴムリング34を装着するための環状溝35が設けられており、環状溝35の外周部分が外周面から突出してストッパー段部36を形成している。なお、本形態例に示すストッパー20は、接続用短管31の円周方向に120度間隔で3個に分割して貼り付けられている。
接続用短管31は、所定位置にストッパー20を装着した状態で拡径受口11内に挿入され、抜止爪32がゴムリング16に係止することによって拡径受口11内からの抜けが防止される。また、合成樹脂管14は、その先端面14aが規制爪33に当接するまで接続用短管31内に挿入される。この接続時の状態では、ストッパー20の端面20aが拡径受口11の先端11aに当接することによって拡径受口11への接続用短管31の挿入量が規制され、合成樹脂管14の先端面14aが規制爪33に当接することによって合成樹脂管14の挿入量が規制された状態、すなわち、標線14bの位置まで挿入された状態となる。したがって、この接続直後の状態では、縮み方向は接続用短管31内を合成樹脂管14が移動することによって吸収可能な状態となっており、ストッパー20が溶解又は分解した後には、接続用短管31が拡径受口11内を奥方向に移動することによって伸び方向も吸収可能な状態となる。
図5乃至図7は、本発明の管継手構造の第3形態例を示すもので、図5は配管接続前の状態を示す一部断面正面図、図6は配管接続時の状態を示す一部断面正面図、図7はストッパーが溶解又は分解した後に配管が伸張した状態を示す一部断面正面図である。
本形態例は、接続用短管を使用せずに、一方の配管部材である合成樹脂管12の拡径受口11に、他方の配管部材となる合成樹脂管14を接続するようにしている。合成樹脂管14の端部、すなわち、拡径受口11に挿入される差口となる部分には、ストッパー40が装着されている。このストッパー40は、外周方向にリング状に突出したストッパー部41と、内周方向にリング状に突出した規制部42とを、薄肉のフィルムからなる筒状部43で接続一体化したものであって、筒状部43は、合成樹脂管14の外周と拡径受口11の内周との間に介在可能な厚さ及び径を有するとともに、筒状部43内に合成樹脂管14の端部を挿入して先端面14aを規制部42に当接させたときに、ストッパー部41が標線14bの位置に達する長さに形成されている。
このようなストッパー40を装着した合成樹脂管14の端部を合成樹脂管12の拡径受口11に挿入すると、ストッパー部41が拡径受口11の先端11aに当接することによって挿入量が規制されることになる。そして、ストッパー40の少なくともストッパー部41を水溶性樹脂又は生分解性樹脂で形成しておくことにより、ストッパー部41が溶解又は分解した後、拡径受口11に装着されたゴムリング16を介して両合成樹脂管12,14が伸縮可能に接続された状態となる。また、規制部42や筒状部43を水溶性樹脂又は生分解性樹脂で形成しても同じ作用効果が得られる。また、ストッパー40にある程度の剛性がある場合は、このストッパー40を先に拡径受口11に挿入しておき、後から合成樹脂管14の端部をストッパー40内に挿入することもできる。
なお、各形態例では、ストッパー20,40を、ストッパー段部19,36、あるいは、規制部42を設けた筒状部43によって位置決めしており、挿入方向にある程度強い力が加わっても挿入量を確実に規制できるようにしているが、接続用短管13,31や合成樹脂管14とストッパー20,40とを接着剤等によって所定位置に固定できれば、あるいは、ストッパー自体に伸縮性があって自身の収縮力で差口外周所定位置に嵌着可能なものであれば、これらの段部や規制部を省略することができる。また、ストッパー段部19,36を設けた場合は、接続作業時に差口の上面所定位置に円弧状に形成したストッパー20を載置するだけでも、差口の挿入量を規定位置までとすることが可能である。さらに、本発明の管継手構造は、合成樹脂管同士の接続だけではなく、他の汎用の継手との接続やマンホール等の構造物への接続にも適用可能である。
本発明の管継手構造は、下水道用の配管だけでなく、上水道用の配管や地中線ケーブル保護管の接続にも対応することができる。
11…拡径受口、12…合成樹脂管、13…接続用短管、14…合成樹脂管、15…環状溝、16…ゴムリング、17…差口、18…受口、19…ストッパー段部、20…ストッパー、31…接続用短管、32…抜止爪、33…規制爪、34…ゴムリング、35…環状溝、36…ストッパー段部、40…ストッパー、41…ストッパー部、42…規制部、43…筒状部、44…、45…、…、…、
Claims (1)
- 一方の配管部材の端部に設けられた拡径受口内に他方の配管部材の差口を挿入し、前記拡径受口の内周に装着したゴムリングにより両配管部材を伸縮可能な状態で密に接続する管継手構造において、前記差口の外周に、水溶性樹脂又は生分解性樹脂からなるストッパーを、該ストッパーと拡径受口先端とが当接したときに、拡径受口への差口の挿入量があらかじめ設定された規定挿入量となる位置に装着したことを特徴とする管継手構造。
Priority Applications (1)
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JP2003401837A JP2005163870A (ja) | 2003-12-01 | 2003-12-01 | 管継手構造 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101607825B1 (ko) * | 2014-12-17 | 2016-04-01 | 하준수 | 필라멘트 와인딩용 파이프의 연결장치 및 이를 이용한 연결방법 |
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2003
- 2003-12-01 JP JP2003401837A patent/JP2005163870A/ja active Pending
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KR101607825B1 (ko) * | 2014-12-17 | 2016-04-01 | 하준수 | 필라멘트 와인딩용 파이프의 연결장치 및 이를 이용한 연결방법 |
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