JP2005163858A - 動圧軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低コストの樹脂製軸受スリーブを使用しながらも、摩耗粉の発生が少なく、寿命の長い動圧軸受装置を提供する。
【解決手段】 樹脂製軸受スリーブ1の動圧溝1v部を除く内周面1aに、軸部材との接触面積を減じる多数の凸部1bを形成し、表面でのすべりを容易にする。この構成によって、起動・停止時に軸部材と軸受スリーブ1とが接触した場合でも、摩耗粉の発生を防止することができる。従って、本発明の動圧軸受装置は、この摩耗粉に起因するトラブルが防止され、その寿命が向上する。
【選択図】 図2
【解決手段】 樹脂製軸受スリーブ1の動圧溝1v部を除く内周面1aに、軸部材との接触面積を減じる多数の凸部1bを形成し、表面でのすべりを容易にする。この構成によって、起動・停止時に軸部材と軸受スリーブ1とが接触した場合でも、摩耗粉の発生を防止することができる。従って、本発明の動圧軸受装置は、この摩耗粉に起因するトラブルが防止され、その寿命が向上する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、スピンドルモータやファンモータ等に用いられる動圧軸受装置に関し、更に詳しくは、樹脂製軸受スリーブを備える動圧軸受装置に関する。
従来、ハードディスクドライブに用いられるスピンドルモータやファンモータ等に使用される動圧軸受装置には、ステンレス鋼製の軸部材と金属(合金)製のスリーブが使用されている。しかしながら、近年のコンピュータの低価格化に伴って、動圧軸受装置も低コスト化が求められており、軸受スリーブとして、動圧発生溝(動圧溝)等の機械加工が容易で、かつ、材料コストが安価な合成樹脂製の軸受スリーブが用いられ始めている。
この樹脂製軸受スリーブには、例えば、熱収縮が小さく成形性のよい熱可塑性のポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)または熱硬化性のフェノール樹脂やエポキシ樹脂等が使用されている(特許文献1〜特許文献2等を参照)。
なお、樹脂製動圧軸受スリーブは、動圧軸受の回転時に発生する熱に起因する軸受すきまの変動を避けるため、いわゆるスーパーエンプラ(スーパーエンジリニアリングプラスチック)等、その線膨張係数が軸部材の線膨張係数に近い材料の採用例が増えてきている。このスーパーエンプラを用いた軸受スリーブは、従来の汎用エンプラ製軸受スリーブより表面硬度が高く、軸部材との摩擦によっても軟化溶融を起こし難い、という特徴を有する。
ところで、動圧軸受装置が用いられるスピンドルモータ等は、断続的に回転と停止を繰り返すこともあり、十分な動圧力が得られない起動・停止時に、軸部材と軸受スリーブとが接触し、摩耗粉が生じてしまう場合がある。
また、前述のスーパーエンプラ等を使用した硬質な樹脂製軸受スリーブも増えつつあるが、このスーパーエンプラ製軸受スリーブでも、合金製軸受スリーブに比べ摩耗粉の発生量が多く、この摩耗粉が、軸部材と軸受スリーブとの間に充填される潤滑流体を汚染し、動圧軸受装置の寿命を縮めてしまう場合があった。
本発明は、上記する課題に対処するためになされたものであり、低コストの樹脂製軸受スリーブを使用しながらも、摩耗粉の発生が少なく、寿命の長い動圧軸受装置を提供することを目的としている。
前記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、樹脂製の軸受スリーブと、この軸受スリーブの内周に僅かのすき間を開けて配置された軸部材とを備え、前記軸受スリーブの内周面に形成された動圧溝で発生する動圧により、前記軸部材の回転を非接触に支持する動圧軸受装置において、前記動圧溝以外の軸受スリーブ内周面に、複数の微小な凸部が形成されていることを特徴とする。
従来、樹脂製軸受スリーブは、軸部材との摩擦を考慮して、合金製軸受スリーブと同様、軸部材と対向する動圧溝の丘部(すなわち動圧溝部を除くスリーブ内周面)に研磨加工等を施し、この丘部の表面粗さを出来る限り小さく(平滑に)するのが一般的であった。しかしながら、本発明者らは、この樹脂製軸受スリーブを用いた動圧軸受装置に関する試行を重ねた結果、スーパーエンプラ等の使用により表面硬度の向上した樹脂製軸受スリーブにおいては、軸部材との摩擦による溶融軟化はほとんど考慮する必要がなく、むしろ表面をある程度粗く形成した方が、摩耗量が減少することを見出した。
本発明は、以上のような知見に基づき行なわれたものであり、動圧溝部以外の樹脂製軸受スリーブの内周面に、軸部材との接触面積を減じる多数の凸形状部を形成し、表面でのすべりを容易にすることによって、所期の目的を達成しようとするものである。
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、スリーブ内周面に設けられたこれら微小な凸部により、本発明の動圧軸受装置は、起動・停止時に軸部材と軸受スリーブとが接触した場合でも、摩耗粉の発生を防止することができる。
ここで、スリーブ内周面に形成される前記凸部の形状としては、半球状(請求項2)あるいは線条形状(請求項3)等、軸部材との接触面積が少ない形状を好適に採用することができる。これらの形状は、例えば射出成形により樹脂製軸受スリーブを形成する場合などは、成形に用いる金型にこれらの形状を反転させた形状を設けておけば、容易に形成することが可能である。
また、前記動圧溝の底面の表面粗さRaは、0.2μm以下であることが好ましい(請求項4)。前述の微小凸部が形成されていない動圧溝部は、表面が粗くなると、潤滑流体の乱れを誘発してしまう恐れがある。従って、所要の動圧を維持するためには、出来るだけ平滑なことが望ましく、その底面の表面粗さRaは0.2μm以下であることが好ましい。
以上のように、本発明によれば、動圧軸受スリーブの材料に樹脂を使用しつつも、この軸受スリーブからの摩耗粉の発生が少ない。従って、本発明の動圧軸受装置は、この摩耗粉に起因するトラブルが防止され、その寿命が向上する。
以下、図面を参照しつつこの発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態における動圧軸受装置の構造を示す要部断面図であり、図2は、この動圧軸受装置に用いられている樹脂製軸受スリーブの内周面の状態を示す模式的展開図である。
図1は、本発明の実施形態における動圧軸受装置の構造を示す要部断面図であり、図2は、この動圧軸受装置に用いられている樹脂製軸受スリーブの内周面の状態を示す模式的展開図である。
本実施形態における動圧軸受装置は、動圧溝のポンピング作用によって発生する動圧により、ラジアル方向の荷重を負荷するタイプの動圧軸受であり、例えばステンレス鋼からなる円柱状のシャフト2と、このシャフト2の周囲に配置された樹脂製軸受スリーブ1(以下、単に「スリーブ」とする)とを主体として構成されている。
これらシャフト2とスリーブ1の周囲には、図示しない略筒状のハウジング(図示省略)が配置されており、これらシャフト2とスリーブ1との間の空間には、図示しない潤滑流体(潤滑剤)が充填されている。また、前記ハウジングの一端の開口は蓋部材等で密封され、他端の開口はキャピラリシール等によりシールされている。
スリーブ1は円筒状であり、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)等、線膨張係数の比較的小さい樹脂を、略円柱状の形状を有するオス型(金型)を用いてインサート成形(射出成形)することにより形成される。また、その内周面1aの直径は、嵌合されるシャフト2の径より僅かに大きく形成されており、周方向にV字状あるいはヘリングボーン状のラジアル動圧溝1vが形成されている。なお、動圧溝1vの底面は、表面が粗くなると潤滑流体の乱れを誘発してしまう恐れがあるため、その表面粗さRaが0.2μm以下になるように形成されている。また、シャフト2とスリーブ1との相対回転によってこの潤滑流体に発生する動圧により、シャフト2の回転が非接触に支持される。
本実施形態における動圧軸受装置の特徴は、図2に示すように、動圧溝1v領域を除くスリーブ1の内周面1aに、断面半球状の微小な凸部1bが多数形成されている点である。この凸部1bは、スリーブ内周面1aに相当する射出成形用オス型の凸面に、エッチングや電解加工等を用いて、該凸部1bを反転させた形状の凹部を形成しておけば、この射出成形時に、動圧溝1vと同時に形成することができる。
以上の構成によって、本実施形態における動圧軸受スリーブ1は、シャフト2と全面で接触することがなく、このスリーブ1の内周面1aに対するシャフト2のすべりが向上し、これらが接触した場合でも、摩耗粉の発生が抑制される。従って、本実施形態における動圧軸受装置は、この摩耗粉による潤滑流体の汚染が少なく、その寿命を向上させることができる。
なお、本発明の動圧軸受スリーブに使用する樹脂材料は、前述のPPSに限定されるものではない。しかしながら、シャフト2との摩擦による表面の軟化溶融を避けるためには、この樹脂材料の線膨張係数が、5×10−5/℃以下であることが望ましい。また、動圧軸受回転時に起こる温度上昇による軸受すきまの変動を避けるためには、その線膨張係数が、シャフト2を形成するステンレスの線膨張係数に近い樹脂材料がより好ましく、その代表としては、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK),ポリアミドイミド(PAI),ポリエーテルイミド(PEI)等のスーパーエンプラや、熱硬化性のフェノール樹脂やエポキシ樹脂等、あるいはこれらに強化繊維等を混合した樹脂材料などが挙げられる。これらの樹脂材料を用いた動圧軸受スリーブの形成手段は、射出成形に限られず、材料の性質や求められるスリーブの形状に合わせて、適宜選択すれば良い。
また、本発明においてスリーブ内周面1aに形成される凸部の形状や形成方法も、特に限定されるものではなく、このスリーブ内周面1aに後加工(切削加工、研削加工、研磨加工等)を実施して形成しても良い。例えば、図3の展開図のように、このスリーブ内周面1aに切削加工を施せば、動圧溝1vを除く領域に、周方向に連続する多数の線条形状1b’を形成することができる。
1 スリーブ
1a 内周面
1b,1b’ 凸部
1v 動圧溝
2 シャフト
1a 内周面
1b,1b’ 凸部
1v 動圧溝
2 シャフト
Claims (4)
- 樹脂製の軸受スリーブと、この軸受スリーブの内周に僅かのすき間を開けて配置された軸部材とを備え、前記軸受スリーブの内周面に形成された動圧溝で発生する動圧により、前記軸部材の回転を非接触に支持する動圧軸受装置において、
前記動圧溝以外の軸受スリーブ内周面に、複数の微小な凸部が形成されていることを特徴とする動圧軸受装置。 - 前記凸部が、半球状であることを特徴とする請求項1に記載の動圧軸受装置。
- 前記凸部が、線条形状であることを特徴とする請求項1に記載の動圧軸受装置。
- 前記動圧溝の底面の表面粗さRaが、0.2μm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の動圧軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003401169A JP2005163858A (ja) | 2003-12-01 | 2003-12-01 | 動圧軸受装置 |
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JP2003401169A JP2005163858A (ja) | 2003-12-01 | 2003-12-01 | 動圧軸受装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005163858A true JP2005163858A (ja) | 2005-06-23 |
Family
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Family Applications (1)
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JP2003401169A Pending JP2005163858A (ja) | 2003-12-01 | 2003-12-01 | 動圧軸受装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005163858A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007094401A1 (ja) * | 2006-02-16 | 2007-08-23 | Ntn Corporation | 軸受ユニット |
JP2007247806A (ja) * | 2006-03-16 | 2007-09-27 | Ntn Corp | 動圧発生部の形成方法 |
US8403565B2 (en) | 2006-03-20 | 2013-03-26 | Ntn Corporation | Fluid dynamic bearing device |
-
2003
- 2003-12-01 JP JP2003401169A patent/JP2005163858A/ja active Pending
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