JP2005163327A - シリンダ錠 - Google Patents
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Abstract
【課題】鍵が完全に挿入された場合のみ、シリンダを回動させることができるようにする。
【解決手段】内周シリンダ203に設けられた完全挿入確認用レバー312は、バネ311により付勢され凸部312bが外周シリンダ201の溝201cに掛止されている場合、内周シリンダ203は、外周シリンダ201の内周面を回動することができない。鍵K4の挿入の際、鍵K4が完全に内周シリンダ203に挿入された場合、完全挿入確認用レバー312の凸部312bは外周シリンダ201の溝201cから外れる。内周シリンダ203は、外周シリンダ201の内周面を回動可能になり、180°回動させることで、新たなキーコードが設定される。本発明は、キーコードを変更できるシリンダ錠に適用することができる。
【選択図】図32
【解決手段】内周シリンダ203に設けられた完全挿入確認用レバー312は、バネ311により付勢され凸部312bが外周シリンダ201の溝201cに掛止されている場合、内周シリンダ203は、外周シリンダ201の内周面を回動することができない。鍵K4の挿入の際、鍵K4が完全に内周シリンダ203に挿入された場合、完全挿入確認用レバー312の凸部312bは外周シリンダ201の溝201cから外れる。内周シリンダ203は、外周シリンダ201の内周面を回動可能になり、180°回動させることで、新たなキーコードが設定される。本発明は、キーコードを変更できるシリンダ錠に適用することができる。
【選択図】図32
Description
本発明は、シリンダ錠に関し、特に、鍵が完全に挿入された場合のみ施錠または開錠できるようにしたシリンダ錠に関する。
遊技場の遊技機、いわゆる、パチンコ店のパチンコ台などには、第三者による、不正な操作を防止するためにシリンダ錠が用いられている。一方、遊技場側が遊技機を容易に管理することができるようにするため、1つの遊技場においては、1つの鍵で、それぞれの遊技機に設けられたシリンダ錠を施錠または開錠(解錠)できることが要求される。
シリンダ錠の鍵を紛失したり、不正に合鍵を作成された場合、または、不正に開錠される恐れが生じた場合、シリンダ錠を他の鍵で施錠または開錠できるものに取り替えなければならなかった。この場合、1つの鍵で施錠または開錠できるシリンダ錠を新たに多数準備すると、多額の費用がかかってしまう。また、シリンダ錠の取替え作業にも手間と時間がかかってしまっていた。
また、遊技機を新たに購入した場合、遊技機に設けられたシリンダ錠を、既に使用されている鍵で、施錠または開錠(解錠)できるようにすることが必要である。
このため、施錠または開錠できる鍵を自由に変更可能なシリンダ錠が提案されている。
図1乃至図10を参照して、従来の施錠または開錠できる鍵を自由に変更可能なシリンダ錠1について説明する。図1乃至図10は、従来のシリンダ錠1の縦断面図である。シリンダ錠1のケース10は、略筒状に形成される。ケース10の後端部(図1中の右側)に取り付けフランジ11が設けられている。
取り付けフランジ11に対して取り付け面が一致するように背面カバー12が設けられている。ケース10の図中の上側の外周には、カバー13が設けられている。ケース10の図中の下側の外周には、カバー14が設けられている。
中間シリンダ21は、ケース10の内側に回動可能に設けられている。中間シリンダ21の図中の右端の軸21aは、背面カバー12を貫通して、ケース10の外部に露出し、図示せぬ施錠カムが装着される。
中間シリンダ21の内側には、さらに、内周シリンダ22が回動可能に設けられている。内周シリンダ22の、ケース10の前端部(図1中の左側)には、鍵が挿入される鍵孔22aが設けられている。
中間シリンダ21および内周シリンダ22は、施錠または開錠されるとき、鍵とともに回動し、軸21aに取り付けられた施錠カムを回動させる。
取り付けフランジ11には、さらに、リセットピン孔30が設けられている。リセットピン孔30には、図中の上下方向に移動可能に、リセットボタン31が配置されている。リセットピン32、補助ピン33、ドライバピン34、およびバネ35は、ケース10、中間シリンダ21、および内周シリンダ22の円筒状の孔に連通するように配置されている。リセットピン32の上端は、リセットボタン31の凸部31aに当接する。バネ35は、リセットピン32、補助ピン33、およびドライバピン34を図中の上方向に付勢する。
リセットボタン31が図中の下方向に押圧されたとき、リセットボタン31の凸部31aに当接するリセットピン32は、図中の下方向に移動し、リセットピン32によって押圧される、補助ピン33およびドライバピン34が、図中の下方向に移動する。
ドライバピン孔41−1乃至41−8のそれぞれは、ケース10の図中の上下方向の円筒状の孔、中間シリンダ21の図中の上下方向の円筒状の孔、および内周シリンダ22の図中の上下方向の円筒状の孔からなる。ドライバピン孔41−1乃至41−8は、ケース10の軸方向(鍵が挿入される方向と一致する方向)に配列されている。
一方、ドライバピン孔51−1乃至51−8のそれぞれは、ケース10の図中の上下方向の円筒状の孔および中間シリンダ21の図中の上下方向の円筒状の孔からなり、ドライバピン孔41−1乃至41−8のそれぞれに対向する位置であって、ケース10の軸方向に配列されている。
カバー13は、ドライバピン孔41−1乃至41−8のケース10側の開口部を被覆し、カバー14は、ドライバピン孔51−1乃至51−8のケース10側の開口部を被覆する。
図1で示される状態において、ドライバピン孔51−1乃至51−8の他方の開口部は、内周シリンダ22によって閉じられている。
ドライバピン孔41−1には、図中の上側から順に、バネ60、ドライバピン61、補助ピン62、およびタンブラ63が挿入され、連通し、ドライバピン61、補助ピン62、およびタンブラ63は、バネ60によって図1の下方向に付勢されている。内周シリンダ22の円筒状の孔は、内側が細く形成され、タンブラ63は、先端側(図1中の下側)が細く、ドライバピン61と当接する側が太く形成されている。従って、タンブラ63は、内周シリンダ22の円筒状の孔の細くなった部分に当接して、位置決めされる。
また、ドライバピン孔41−1に対向する位置に配置されているドライバピン孔51−1には、図中の上から順に、5つの可変ピン64、ドライバピン65、およびバネ66が挿入され、連通し、5つの可変ピン64、ドライバピン65は、バネ66によって図1の上方向に付勢されている。
ドライバピン孔41−2乃至41−4、およびドライバピン孔51−2乃至51−4には、同様の各種ピンおよびバネが挿入されている。
重複して説明するが、例えば、ドライバピン孔41−5には、バネ70、ドライバピン71、補助ピン72、タンブラ73、および2つの可変ピン74aが挿入され、連通し、ドライバピン71、補助ピン72、タンブラ73、および2つの可変ピン74aは、バネ70によって図1の下方向に付勢されている。
なお、2つの可変ピン74aは、補助ピン72およびタンブラ73の間に配置される。
ドライバピン孔51−5には、3つの可変ピン74b、ドライバピン75、およびバネ76が挿入され、連通し、3つの可変ピン74bおよびドライバピン75は、バネ76によって図1の上方向に付勢されている。
補助ピン62(補助ピン72を含む)の長さは、中間シリンダ21の筒状部の肉厚と同等とされている。
図2は、シリンダ錠1に正規の鍵K1を矢印80の方向に挿入した状態を表している。鍵K1には、シリンダ錠1における、個々のタンブラ63(タンブラ73を含む)の図中の上下方向の位置を決める、位置決め面81−1乃至81−8が設けられている。
以下、1つの鍵によって決まる、タンブラの位置の組み合わせを、その鍵のキーコードとも称する。また、開錠または施錠を許可するタンブラの位置の組み合わせを、その錠のキーコードとも称する。
鍵K1が挿入されると、ドライバピン孔41−1乃至41−8に挿入されているタンブラ63(タンブラ73を含む)が、鍵K1の位置決め面81−1乃至81−8(図2では81−4乃至81−6の符号を省略している)に当接することにより、各タンブラ63(タンブラ73を含む)は図2の上方向に移動する。
タンブラ63の図中の上方向の移動によって、ドライバピン孔41−1乃至41−8において、ケース10の内周面、および中間シリンダ21の外周面と、全ての補助ピン62の上側の面が一致するとともに、補助ピン33の上側の面とが一致して、ラインL1が形成される。ドライバピン孔51−1乃至51−8において、ケース10の内周面、および中間シリンダ21の外周面と、可変ピン64の下側の面が一致する。
この場合、中間シリンダ21の内周面と、全ての補助ピン62の下側の面が一致する。
一方、中間シリンダ21の内周面と、ドライバピン34の上面とは一致しない。
従って、ケース10に対して、中間シリンダ21および内周シリンダ22が、一体に、回動可能になる。
図3で示されるように、矢印91の方向にリセットボタン31を押圧すると、リセットピン32、補助ピン33、およびドライバピン34が図中の下側に移動して、ケース10の内周面、および中間シリンダ21の外周面と、補助ピン33の上側の面とが一致せず、中間シリンダ21の内周面と、全ての補助ピン62の下側の面とが一致すると共に、ドライバピン34の上側の面が一致することによりラインL2が形成される。
その結果、ケース10に対して、中間シリンダ21は固定されると共に、中間シリンダ21に対して、内周シリンダ22は回動可能になる。
従って、図4で示されるように矢印92の方向(時計回り、または反時計回りの方向)に鍵K1を180°回動させることで内周シリンダ22だけが180°回動し、図4に示す状態になる(ケース10および中間シリンダ21に対して、内周シリンダ22が反転した状態になる)。
図4で示される状態において、ドライバピン孔51−1乃至51−8のそれぞれには、図中の上から順に、タンブラ63、5つの可変ピン64、ドライバピン65、およびバネ66が配置されることになる。
図5は、鍵K1を矢印101の方向に引き抜く様子を表している。
図6は、鍵K1を引き抜いたシリンダ錠1の状態を表している。すなわち、図6で示されるように鍵K1を引き抜くとドライバピン孔51−1乃至51−8において、バネ66の付勢力により、タンブラ63、5つの可変ピン64、およびドライバピン65は、図中の上側に移動し、タンブラ63が、内周シリンダ22の円筒状の孔の細くなった部分に当接することによって、位置決めされる。すなわち、タンブラ63、5つの可変ピン64、およびドライバピン65は、ドライバピン孔51−1乃至51−8のそれぞれに対して、同じ位置に配置されることになる。
図7で示されるように、図6で示される状態のシリンダ錠1のキーコードを変更するため、新たな鍵K2が、矢印111の方向に移動されシリンダ錠1に挿入される。これにより、各タンブラ63は、鍵K2の位置決め面121−1乃至121−8(図7では、位置決め面121−3乃至121−6の符号を省略している)のいずれかに当接することによって、内周シリンダ22に対する、各タンブラ63の位置が変化する。
この状態で、図8で示されるように鍵K2を矢印131の方向(時計回り、または反時計回りの方向)に180°回動させることで、ケース10および中間シリンダ21に対して、内周シリンダ22のみが180°回動し、反転する。このとき、5つの可変ピン64のうち、図7のラインL2に対して、内側に位置している(内周シリンダ22側に位置している)可変ピン64だけが内周シリンダ22とともに、回動し、図8に示す状態に移行する。
さらに、図8における、矢印132で示される方向にリセットボタン31がバネ35の付勢力によって戻されることで、ラインL2とドライバピン34の上面とが一致しなくなるので、中間シリンダ21と内周シリンダ22とが固定される。
図9は、矢印141で示される方向に鍵K2が引き抜かれる、シリンダ錠1を表している。
図10は、鍵K2が引き抜かれ、キーコードが変更されたシリンダ錠1を表している。
図1で示される、ドライバピン孔41−1乃至41−8のそれぞれにおける可変ピンの数と、図10で示される、ドライバピン孔41−1乃至41−8のそれぞれにおける可変ピンの数とが異なり、シリンダ錠1のキーコードが変更されることになる。
以上にようにして、図10に示されるように従来のシリンダ錠1のキーコードは変更されていた。
また、筒状に形成され内周面に傾斜面で接続する係合凹部が形成されるケースと、ケースに回動可能に挿入され、前面に開口する鍵孔と、鍵孔に交叉するタンブラ孔と、タンブラ孔の一方の内壁面を貫通するサイドバー収容孔と、タンブラ孔の他方の内壁面を貫通するレトラクタ収容孔と、後部に形成される小径部に設けられるリセットピン挿入孔とを有するプラグと、ケースと小径部との間に回動可能に挿入される筒部にリセットピン挿入孔と重なる切欠部が形成され、後端部に形成される軸部に施錠カムを有するジョイントカムと、リセットピン挿入孔に挿入され、ジョイントカムの切欠部に突出する方向に付勢され、外部から操作可能なリセットボタンに当接するリセットピンと、レトラクタ収容孔に挿入され、端部に形成された係合突起が係合凹部に係合するレトラクタと、サイドバー収容孔に挿入され、先端部が係合凹部に係合する方向にばねにより付勢されるサイドバーと、タンブラ孔に挿入され、一方にキーに係合するキー係合溝と、鋸歯状の噛合部が設けられ、他方の面がレトラクタに滑り接触する可変タンブラと、タンブラ孔に挿入され、一方にサイドバー係合溝が設けられ、他方に噛合部に係脱する被噛合部が設けられるタンブラプレートとにより構成されるシリンダ錠もある(例えば、特許文献1参照)。このシリンダ錠においては、キーコード変更時に、初期設定キーによりプラグのみを180度回動した際に、レトラクタの係合突起がケースの係合凹部に一致し、レトラクタはばねにより係合突起が係合凹部に係入する方向に移動する。
また、キーコードを変更可能なシリンダ錠では、鍵の不完全挿入によって、誤ったキーコードが設定され、不具合が発生することがあった。
鍵の不完全挿入によって誤ったキーコードが設定されることを防ぐために、複数あるキーコードのうち一つを利用し、鍵が不完全に挿入されることを防ぐことが提案されている(例えば、特許文献2)。
特開平7−269189号公報
特開平7−324531号公報
しかしながら、先の提案では、鍵の不完全挿入を防ぐために、キーコードのうち1つを利用することが出来なくなってしまう。従って、キーコードの設定数が減少し、セキュリティ性が低下してしまう課題があった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、キーコードの設定数を減少させること無く、セキュリティ性が低下することを防ぎ、鍵の不完全な挿入によって、誤ったキーコードが設定されてしまうことを防ぐことができるようにするものである。
本発明におけるシリンダ錠は、内周面に凹部を有する第1のシリンダと、第1のシリンダに挿入され、正規の鍵が挿入された場合、回動自在となる第2のシリンダと、第1のシリンダの凹部に対応する、第2のシリンダの部位に回動自在に設けられ、第2のシリンダに鍵が完全に挿入されていない場合、凹部に掛止し、第2のシリンダに鍵が完全に挿入された場合、鍵の押圧による回動により、凹部との掛止が解除されるレバーとを含むことを特徴とする。
正規の鍵が挿入された場合、回動自在となる第2のシリンダが、内周面に凹部を有する第1のシリンダに挿入され、第1のシリンダの凹部に対応する、第2のシリンダの部位に回動自在に設けられるレバーによって、第2のシリンダに鍵が完全に挿入されていない場合、凹部に掛止され、第2のシリンダに鍵が完全に挿入された場合、鍵の押圧による回動により、凹部との掛止が解除される。
従って、キーコードの設定数を減少させることが無く、セキュリティ性が低下することを防ぐことができる。鍵の不完全な挿入によって、誤ったキーコードが設定されてしまうことを防ぐことができる。
レバーは、第2のシリンダに鍵が完全に挿入された場合、鍵の先端部によって、第2のシリンダに回動自在に固定される軸を基準とした一方の部位が押圧されると、軸を中心に回動して、軸を基準とした他方の部位と凹部との掛止が解除されるようにすることができる。
レバーは、鍵とタンブラとからなる平面に対し垂直の軸を中心に回動するようにすることができる。
キーコードが変更可能とされているようにすることができる。
従って、誤ったキーコードが設定されることを防ぐことができる。
本発明によれば、施錠することができる。特に、鍵が完全に挿入された場合のみ、シリンダを回動させることができる。また、施錠または開錠できる鍵を変更可能な錠において、セキュリティ性を低下させることなく、鍵の不完全な挿入によってキーコードが設定されてしまうことを防ぐことができる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図11および図12は、本発明を適用したシリンダ錠191の外観の例を示している。図11は、シリンダ錠191の前端部側の外観の斜視図である。図12は、シリンダ錠191の後端部側の外観の斜視図である。
シリンダ錠191の、外周シリンダ201の内側には、正規の鍵が挿入された場合に、鍵と共に回動する内周シリンダ203が設けられている。内周シリンダ203が外周シリンダ201に配置された状態において、内周シリンダ203に設けられた、鍵が挿入される鍵穴203aは、外周シリンダ201から外部に露出する。
また、外周シリンダ201の後部には、シリンダ錠191を固定するための取り付けフランジ201aが設けられている。取り付けフランジ201aの上側および下側にそれぞれ、取り付け用のネジなどを貫通させる取り付け用孔202−1および202−2が設けられている。
外周シリンダ201の背面には、背面カバー213が嵌着されている。リセットボタン211を押圧できるように、外周シリンダ201の背面からリセットボタン211、およびジョイントカム212の一部が露出するように、リセットボタン211、およびジョイントカム212が設けられている。ジョイントカム212は、背面カバー213のジョイントカム用孔213aを貫通している。また、ジョイントカム212には、図示せぬ施錠カムが取り付けられる軸部212a、および図24を参照して後述する凸部212bが設けられている。すなわち、外周シリンダ201は、内周シリンダ203、および各構成部品を保持するケースである。
次に、図13乃至図16を参照して、シリンダ錠191の構造を説明する。図13は、シリンダ錠191の構成を示す斜視図である。図14は、シリンダ錠191の縦断面図である。図15は、図14のA−A線におけるシリンダ錠191の縦断面図である。図16は、図14のB−B線におけるシリンダ錠191の横断面図である。
タンブラ231−1乃至231−8のそれぞれは、その内周シリンダ203に対する位置によって、内周シリンダ203の回動を可能にするか、または回動を抑制するように動作する。タンブラ231−1乃至231−8のそれぞれには、凹部231−1a乃至231−8aのそれぞれ、および噛合部231−1b乃至231−8bのそれぞれが設けられている。
タンブラ231−1乃至231−8の噛合部231−1b乃至231−8bのそれぞれには、可変タンブラ234−1乃至234−8のそれぞれの尖端部が、噛合される。これによって、図15中の上下方向の、タンブラ231−1乃至231−8のそれぞれの位置に対する、可変タンブラ234−1乃至234−8のそれぞれの位置が決まる。
可変タンブラ234−1乃至234−8のそれぞれは、可変タンブラ233−1乃至233−8のそれぞれのほぼ中央に設けられた孔を貫通する。
タンブラ231−1乃至231−8の噛合部231−1b乃至231−8bのそれぞれと、可変タンブラ234−1乃至234−8のそれぞれの尖端部とが噛合している場合、可変タンブラ233−1乃至233−8の位置によって、タンブラ231−1乃至231−8の位置が決まる。
可変タンブラ233−1乃至233−8のそれぞれは、いわゆる、ピンタンブラであり、挿入された鍵の位置決め面のそれぞれに当接する。すなわち、内周シリンダ203に対する、可変タンブラ233−1乃至233−8のそれぞれの位置は、挿入された鍵によって決まる。
従って、タンブラ231−1乃至231−8の噛合部231−1b乃至231−8bのそれぞれと、可変タンブラ234−1乃至234−8のそれぞれの尖端部とが噛合している場合、タンブラ231−1乃至231−8のそれぞれの位置は、可変タンブラ233−1乃至233−8の位置、すなわち、挿入された鍵によって決まることになる。
可変タンブラ用バネ232−1乃至232−8のそれぞれは、一方の端部が可変タンブラ233−1乃至233−8に当接し、他方の端部がバネカバー235に当接するように設けられ、可変タンブラ233−1乃至233−8をシリンダ錠191に挿入された鍵の位置決め面に当接するように、付勢する。図14で示されるように、可変タンブラ233−1乃至233−8および可変タンブラ用バネ232−1乃至232−8は、それぞれ、内周シリンダ203のタンブラ用孔281a乃至281hのそれぞれに挿入される。
バネカバー235の孔235aは、内周シリンダ203の凸部291aに嵌合され、バネカバー235の孔235bは、内周シリンダ203の凸部291bに嵌合されることにより、バネカバー235は、内周シリンダ203に固定される(図14)。
また、可変タンブラ234−1乃至234−8のそれぞれの尖端部とは逆側の端部(後部)には、凸部が設けられ、凸部を含む後部は、ホルダ261の規制突起用溝261a乃至261hのそれぞれに挿入される。
図15で示されるように、可変タンブラ234−1乃至234−8のそれぞれの後端が、ホルダ261の規制突起用溝261a乃至261hのそれぞれに沿って、図中の上下方向に移動でき、図中の左右方向に移動しないように、ホルダ261は、可変タンブラ234−1乃至234−8を保持する。
また、図16に示されるように、ホルダ用バネ262−1および262−2のそれぞれは、内周シリンダ203の孔271aおよび271bのそれぞれに配置され、ホルダ261を、外周シリンダ201の内面に押圧する。
ホルダ261の外周シリンダ201の内面に接する側には、傾斜面を有する凸部261jが設けられている。
一方、サイドバー251は、サイドバー用バネ252−1および252−2によって、外周シリンダ201の内面に押圧される。サイドバー251は、外周シリンダ201の凹部201dと噛み合うか、またはその噛み合いが外れることにより、外周シリンダ201に対する内周シリンダ203の回動を規制する。
より詳細には、サイドバー251には、凸部251aおよび傾斜面を有する凸部251b(以下、単に凸部251bと称する)が設けられている。図16で示されるように、凸部251aの両端にある2つの凸部に、サイドバー用バネ252−1および252−2の一方の端部が嵌められ、サイドバー用バネ252−1および252−2の他の端部が、内周シリンダ203に当接する。
図15で示されるように、シリンダ錠191が施錠されている状態において、外周シリンダ201の傾斜面を有する凹部201d(以下、単に凹部201dと称する)とサイドバー251の凸部251bとが嵌合すると共に、サイドバー251の凸部251aは、サイドバー用孔274を貫通し(図15左側)、タンブラ231−1乃至231−8いずれかの、凹部231−1a乃至231−8aの以外の側面(図15中の左側の側面)に当接する。
なお、サイドバー251の凸部251bの傾斜面と、外周シリンダ201の凹部201dの傾斜面とは、施錠されている状態においては嵌合し、後述する開錠される場合においては、嵌合が解除されるように、対応する形状とされている。
また、ホルダ261の凸部261jの傾斜面は、サイドバー251の凸部251bの傾斜面と同様に、外周シリンダ201の凹部201dの傾斜面に対応する形状とされている。
すなわち、図15で示されるように、シリンダ錠191が施錠されている状態において、サイドバー251がタンブラ231−1乃至231−8のいずれかの側面に当接するので、サイドバー251は、図中の右側に移動することができず、その結果、外周シリンダ201の凹部201dとサイドバー251の凸部251bとの嵌合が外れることがないので、内周シリンダ203は、外周シリンダ201に対して、回動することができない。
これに対して、鍵が挿入されると、可変タンブラ233−1乃至233−8が図15中の上下方向に移動する。可変タンブラ233−1乃至233−8のそれぞれに、可変タンブラ234−1乃至234−8のそれぞれが貫通し、可変タンブラ234−1乃至234−8の尖端部のそれぞれが、タンブラ231−1乃至231−8の噛合部231−1b乃至231−8bのそれぞれと噛合しているので、可変タンブラ233−1乃至233−8が図15中の上下方向の移動に対応して、タンブラ231−1乃至231−8が図15中の上下方向に移動する。
正規の鍵が挿入された場合、サイドバー251の凸部251aの位置と、タンブラ231−1乃至231−8の凹部231−1a乃至231−8aの全ての位置とが一致する。
これにより、サイドバー251は、図中の右側に移動することができるようになり、正規の鍵によって、内周シリンダ203の回動が開始されると、外周シリンダ201の凹部201dに沿ってサイドバー251が内周シリンダ203側に移動し、外周シリンダ201の凹部201dと、内周シリンダ203側の凸部251bとの嵌合が外れ、内周シリンダ203は、外周シリンダ201に対して、回動することができるようになる。
なお、図13において、タンブラ231−3乃至231−6、凹部231−3a乃至231−6a、噛合部231−3b乃至231−7b、可変タンブラ用バネ232−4乃至232−6、可変タンブラ233−3乃至233−6、可変タンブラ234−3乃至234−6、およびタンブラ用孔281c乃至281fの符号は省略している。
図14で示されるように、リセットボタン211は、図中の上下方向に移動可能に設けられている。リセットボタン211の凸部211aは、リセットピン241の一端に当接する。リセットピン241の他の一端に当接するジョイントブロック242、およびジョイントブロック242に当接するリセット用バネ243は、内周シリンダ203の孔281jに配置される。リセット用バネ243は、ジョイントブロック242、リセットピン241、およびリセットボタン211を図中の上側に付勢する。
リセットボタン211が図中の下方向に押圧されていない状態においては、図13で示されるように、ジョイントブロック242が、内周シリンダ203の孔281jに挿入され、嵌合されると共に、ジョイントブロック242の凸部242aは、ジョイントカム212の凹部212cと嵌合する。従って、リセットボタン211が図中の下方向に押圧されていない状態においては、内周シリンダ203にジョイントカム212が固定される。
一方、リセットボタン211が図中の下方向に押圧された場合、ジョイントブロック242が、図14中の下方向に移動し、リセットピン241がジョイントカム212に嵌合すると共に、ジョイントブロック242の上側の面と、ジョイントカム212の内周の面とが一致することにより、外周シリンダ201に対して、内周シリンダ203は回動自在となると共に、ジョイントカム212は、外周シリンダ201に固定される。
完全挿入確認レバー312は、レバー用ピン313によって、内周シリンダ203に回動自在に装着される。図14で示されるように、レバー用バネ311は、完全挿入確認レバー312が外周シリンダ201の溝201bに嵌るように、所定の回動方向に付勢する。
完全挿入確認レバー312の詳細は図19を参照して後述する。
以上のように、正規の鍵が挿入された場合、ジョイントカム212と共に内周シリンダ203の回動が可能となり、正規の鍵が挿入されていない場合、内周シリンダ203の回動ができないように、シリンダ錠191は、構成されている。
また、正規の鍵が挿入され、リセットボタン211が押圧された場合、ジョイントカム212が外周シリンダ201に対して固定されたままで、内周シリンダ203の回動が可能になる。
次に図17を参照して、シリンダ錠191に挿入される鍵K3の例を説明する。図17は、鍵K3の外観の例を示す斜視図である。鍵K3は、ユーザが鍵K3を回動させる場合に、保持する保持部411、およびシリンダ錠191に挿入する挿入部412により構成されている。挿入部412には、3段階の深さ(高さ)を有するすり鉢形状の孔として位置決め面421乃至428が設けられている。
なお、位置決め面421乃至428は、シリンダ錠191に挿入された場合、内周シリンダ203に対する、可変タンブラ233−1乃至233−8のそれぞれの位置を決めることができれば足り、すり鉢形状に限られない。
図18乃至図20を参照して、正規の鍵K3が挿入されたシリンダ錠191について説明する。図18は、鍵K3が挿入されたシリンダ錠191の縦断面図である。図19は、鍵K3の挿入の際における完全挿入確認レバー312を説明する図である。図20の図20A、図20B、および図20Cのそれぞれは、図18のC−C線、D−D線、およびE−E線におけるシリンダ錠191の縦断面図である。
図18で示されるように、シリンダ錠191に鍵K3が挿入されると、可変タンブラ233−1乃至233−8のそれぞれは、位置決め面421乃至428のそれぞれに当接することによって、可変タンブラ233−1乃至233−8は、3段階の位置(高さ(図18中の縦方向))のうちの1つの位置に移動する。
また、上述したように、内周シリンダ203の孔314(図19)に、レバー用ピン313を介して完全挿入確認用レバー312が回動自在に装着されている。完全挿入確認用レバー312は、レバー用バネ311によって、外周シリンダ201の溝201bに嵌るように、所定の回動方向に付勢されている。
従って、正規の鍵K3が内周シリンダ203に、中途半端に挿入された場合、図19Aで示されるように、完全挿入確認用レバー312の凸部312bは、外周シリンダ201の溝201bに掛止されたままとなるので、内周シリンダ203は、外周シリンダ201に対して回動不能となる。
これによって、いずれかの可変タンブラ233−1乃至233−8が、鍵K3の位置決め面421乃至428のいずれかに当接しない状態で、内周シリンダ203が回動されてしまうことを防止することができる。
また、ピッキングなどにより、可変タンブラ233−1乃至233−8を開錠可能な位置(高さ)に合わせることが出来たとしても、完全挿入確認用レバー312の凸部312bが外周シリンダ201の溝201bに掛止されていることで内周シリンダ203の回動、および開錠を防ぐことができる。
一方、図19Bで示されるように、鍵K3が完全に挿入された場合、すなわち、全ての可変タンブラ233−1乃至233−8が、鍵K3の位置決め面421乃至428のいずれかに当接するように鍵K3が挿入された場合、鍵K3の挿入部412のテーパ面412aが、完全挿入確認用レバー312のテーパ面312aに当接するので、完全挿入確認用レバー312は、レバー用ピン313を軸に時計方向に回動する。すなわち、完全挿入確認用レバー312は、鍵K3と可変タンブラ233−1乃至233−8とからなる平面(図18のような断面)に対して、垂直の軸であるレバー用ピン313を中心に回動する。内周シリンダ203は、外周シリンダ201に対して回動可能とされるとも言える。これによって、鍵K3が完全に挿入された場合、凸部312bは、内周シリンダ203の孔314に格納され、溝201bとの掛止が解除される。
重複して説明するが、完全挿入確認レバー312は、外周シリンダ201の溝201bに対応する、内周シリンダ203の孔314に回動自在に設けられ、内周シリンダ203に鍵K3が完全に挿入されていない場合、溝201bに掛止され、内周シリンダ203に鍵K3が完全に挿入された場合、鍵K3の押圧による回動により、溝201bとの掛止が解除される。
さらに、詳細に説明すれば、完全挿入確認レバー312は、内周シリンダ203に鍵K3が完全に挿入された場合、鍵K3の先端のテーパ面412aによって、内周シリンダ203に回動自在に固定される軸であるレバー用ピン313を基準とした一方の部位(テーパ面312a)が押圧されると、レバー用ピン313を中心に回動して、レバー用ピン313を基準とした他方の部位(凸部312b)と溝201bとの掛止が解除される。
以上のように、完全挿入確認用レバー312によって、鍵K3が完全に挿入された場合にのみ、内周シリンダ203は、外周シリンダ201に対して回動可能となる。また、シリンダ錠191においては、ピッキングによる不正開錠が防止され、セキュリティ性を向上することが可能となる。
図20Aで示されるように、可変タンブラ233−2が鍵K3の挿入部412の位置決め面422に当接されることで、可変タンブラ233−2と共に、可変タンブラ234−2と噛合しているタンブラ231−2も位置決めされる。すなわち、可変タンブラ233−2は、鍵K3に応じて位置決め面422の位置が変化する方向である図20の上下方向の位置が特定されるように設けられている。また、可変タンブラ234−2は、可変タンブラ233−2の上下方向の位置を追従し、図20の上下方向および鍵K3の挿入の方向に直交する方向の位置として図20の左方向の位置または図20の右方向の位置に移動可能に設けられている。
また、タンブラ231−2は、可変タンブラ234−2が上述した図20の左方向の位置に移動している場合、図20の上下方向に並ぶ3つの噛合溝(例えば、図34を参照して後述する噛合溝583a乃至583c)を有する噛合部231−2bと、可変タンブラ234−2の尖端部とが接する(噛合する)ことによって、可変タンブラ234−2を介して、可変タンブラ233−2の図20の上下方向の動きが伝達され、図20の上下方向の位置が特定され、図20の上下方向の位置によって、施錠するか、または開錠する動作を決定する。
可変タンブラ233−2は、鍵K3の挿入部412の最も低い位置決め面422に当接するが、タンブラ231−2は、噛合部231−2bのうち、最も低い位置に噛合しているので、タンブラ231−2は、位置決め面422に対してより高い位置に配置される。
その結果、凹部231−2aの図中の上下方向の位置がサイドバー251の凸部251aの図中の上下方向の位置に一致する。
また、図20Bで示されるように、可変タンブラ233−4が鍵K3の挿入部412の位置決め面424に当接して、図中の上方向に移動されることで、可変タンブラ233−4と共に、可変タンブラ234−4と噛合しているタンブラ231−4も上方向に移動される。
可変タンブラ233−4は、鍵K3の挿入部412の中間の高さの位置決め面424に当接するが、タンブラ231−4は、噛合部231−4bのうち、中間の高さに噛合しているので、タンブラ231−4は、位置決め面424に対して中間の高さの位置に配置される。
その結果、凹部231−4aの図中の上下方向の位置がサイドバー251の凸部251aの図中の上下方向の位置に一致する。
さらに、図20Cで示されるように、可変タンブラ233−6が鍵K3の挿入部412の位置決め面426に当接して、図中の上方向に移動されることで、可変タンブラ233−6と共に、可変タンブラ234−6と噛合しているタンブラ231−6も上方向に移動される。
可変タンブラ233−6は、鍵K3の挿入部412の最も高い位置決め面426に当接するが、タンブラ231−6は、噛合部231−6bのうち、最も高い位置に噛合しているので、タンブラ231−6は、位置決め面426に対してより低い位置に配置される。
その結果、凹部231−6aの図中の上下方向の位置がサイドバー251の凸部251aの図中の上下方向の位置に一致する。
以上、タンブラ231−2,231−4および231−6について説明したが、タンブラ231−1,231−3,231−5,231−7、および231−8も同様に、その凹部231−1a,231−3a,231−5a,231−7a、および231−8aの位置がサイドバー251の凸部251aの位置に一致する。従って、サイドバー251の凸部251aは、図22を参照して後述するように、内周シリンダ203の回動の際には、タンブラ231−1乃至231−8の凹部231−1a乃至231−8aに挿入されることになる。
次に、図21乃至図24を参照してシリンダ錠191の開錠の詳細について説明する。図21は、施錠されている場合の図14のA−A線におけるシリンダ錠191の縦断面図である。図22および図23は、開錠を説明する図18のD−D線におけるシリンダ錠191の縦断面図である。図24は、ジョイントカム212を説明する図である。
鍵K3が挿入されていない場合、図21で示されるように、例えば、サイドバー251の凸部251aとタンブラ231−4の凹部231−4aの高さが一致しない。このため、例えば、矢印452の方向に内周シリンダ203を回動させようとしても、サイドバー251の凸部251aとタンブラ231−4の側面が当接し、矢印451の方向にサイドバー251は移動することができない。従って、外周シリンダ201の凹部201dとサイドバー251の凸部251bとの嵌合が外れることがないため内周シリンダ203は外周シリンダ201に対して回動することができないことになる。
また、正規の鍵K3とは異なる鍵がシリンダ錠191に挿入された場合も同様に、少なくともタンブラ231−1乃至タンブラ231−8の凹部231−1a乃至231−8aいずれか1つの位置が凸部251aの位置に移動されず、サイドバー251は矢印451の方向に移動することは不可能となり、正規の鍵K3とは異なる鍵では、シリンダ錠191は開錠されない。
これに対し、正規の鍵K3が挿入された場合、サイドバー251の凸部251aとタンブラ231−1の凹部231−1a乃至タンブラ231−8の凹部231−8aの全ての位置(高さ)が一致するため、例えば、図22で示されるようにサイドバー251aとタンブラ231−4の凹部231−4aの高さが一致するため、ユーザが鍵K3を矢印462の方向に回動させることで、サイドバー251は、矢印461の方向に移動し、その凸部251aがタンブラ231−4の凹部231−4aに挿入される(凸部251aが全てのタンブラの凹部231−1a乃至231−8aに挿入される)。
すなわち、図23で示されるように、さらに矢印471の方向(矢印462と同一方向)に鍵K3が回動されることで、外周シリンダ201の凹部201dとサイドバー251の凸部251bとの嵌合が解除されることになる(内周シリンダ203が外周シリンダ201に対して回動する)。また、図22、図23では内周シリンダ203は矢印462方向(または矢印471方向)に、すなわち図上では、時計回りに回動されているが、反時計回り(矢印462方向(または矢印471方向)とは逆方向)にも回動可能である。
内周シリンダ203が回動することで、ジョイントブロック242を介し、内周シリンダ203と固定されているジョイントカム212、軸212a、および凸部212bが回動する。すなわち、図24で示されるように、凸部212bも時計回り、および反時計回りに回動する。ただし、背面カバー213のジョイントカム用孔213aに設けられている凸部213b,213cは、ジョイントカム212の凸部212bに対して、ストッパーの役割を果たすため、ジョイントカム212の回動が制限される。凸部212bは、凸部213bまたは213cに当接するまで、回動することができる。すなわち、例えば、時計回りの方向、または反時計回りの方向に120°まで回動可能にされる。
次に、図25乃至図31を参照してシリンダ錠191のリセット状態への移行について説明する。図25は、リセットボタン211を説明する図である。図26および図27は、リセット状態への移行を説明する図18のD−D線におけるシリンダ錠191の縦断面図である。図28は、図27の領域501の拡大図である。図29は、図27の領域502の拡大図である。図30は、リセット状態のシリンダ錠191の縦断面図である。図31は、図30のF−F線におけるシリンダ錠191の縦断面図である。
図25Aで示されるように、リセットボタン211は、凸部211aでリセットピン241と当接する。リセットピン241の他の一端に当接するジョイントブロック242、およびジョイントブロック242に当接するリセット用バネ243は、内周シリンダ203に配置される。また、このとき、図13を参照して上述したように、ジョイントカム212はジョイントブロック242を介し内周シリンダ203に固定されている。
図25Bで示されるように、ユーザにより矢印481の方向にリセットボタン211が押圧されると、凸部211aと当接しているリセットピン241が図25の下方向に移動されると共に、リセットピン241に当接されているジョイントブロック242も図25の下方向に移動される。したがって、ジョイントブロック242を介して固定されていた内周シリンダ203とジョイントカム212の固定が解除される。すなわちジョイントブロック242の上側の面と、ジョイントカム212の内周の面とが一致することにより、ジョイントブロック242の凸部242a(図13参照)とジョイントカム212の凹部212cとの嵌合が解除される。
内周シリンダ203とジョイントカム212との固定が解除されたことで、外周シリンダ201の内周面に沿って、内周シリンダ203だけが回動可能となる。
図26で示されるように、内周シリンダ203とジョイントカム212との固定が解除されたため、正規の鍵K3が回動されることで、内周シリンダ203だけが矢印481の方向に回動する。図26および図27は、内周シリンダ203を180°回動させたシリンダ錠191を示す。
図27の矢印491は、内周シリンダ203を180°回動させたことを示している。
図27および図28で示されるように、内周シリンダ203を180°回動させたことで、ホルダ261は、ホルダ用バネ262−1および262−2(図13および図16参照)の付勢力によって、外周シリンダ201の凹部201dに嵌るように図中の左側に移動する。その結果、傾斜面を有する凸部261j(以下、単に凸部261jと称する)が凹部201dに嵌る。
ホルダ261が図中の左側にズレ幅511の長さだけ移動するので、ホルダ261の規制突起用溝261dに挿入されている可変タンブラ234−4は、ホルダ261と共に、矢印492の方向に移動する。
なお、サイドバー251の凸部251aが、タンブラ231−1の凹部231−1a乃至タンブラ231−8の凹部231−8aに挿入されているので、サイドバー251に対するタンブラ231−1乃至231−8の位置が保持される。
従って、図29で示されるように、可変タンブラ234−1乃至234−8の尖端部は、ズレ幅512(=ズレ幅511)の長さだけ矢印513の方向に移動し、可変タンブラ234−1乃至234−8の尖端部のそれぞれと、タンブラ231−1の噛合部231−1b乃至タンブラ231−8の噛合部231−8bのそれぞれとの噛合が解除される。
その後、シリンダ錠191から鍵K3を引き抜くことにより、図30で示されるようにキーコードはリセット状態になる。このリセット状態では、可変タンブラ233−1乃至233−8は同一の高さに揃っている。すなわち、例えば、図31で示されるように、可変タンブラ234−2は、タンブラ231−2の噛合部231−2bから解除され、可変タンブラ233−2が可変タンブラ用バネ232−2によって図31の上方向に付勢される。同様に、可変タンブラ233−1乃至233−8のそれぞれも、可変タンブラ用バネ232−1乃至232−8のそれぞれによって、図30の上方向に付勢され、可変タンブラ234−1乃至234−8のそれぞれが内周シリンダ203に当接する、同一の高さで揃うこととなる。また、このとき可変タンブラ233−2に挿入されている可変タンブラ234−2も、図31の上方向に付勢される。他の可変タンブラ233−1,233−3乃至233−8も同様である。
また、このとき完全挿入確認レバー312の凸部312bは、外周シリンダ201の溝201cに掛止される(図30)。
次に、図32乃至図37を参照してシリンダ錠191のキーコード変更について説明する。図32は、図30で示される状態のシリンダ錠191に、新しいキーコードを設定するために鍵K3と異なる鍵K4を挿入したシリンダ錠191の縦断面図である。図33A、図33B、および図33Cは、それぞれ、図32のG−G線、H−H線、およびJ−J線の縦断面図である。図34は、図33Bの領域571の拡大図である。図35は、キーコード変更時の内周シリンダ203の状態を説明するための図32のH−H線の縦断面図である。図36は、図35の領域601の拡大図である。図37は、図35の領域602の拡大図である。
図32で示されるように、シリンダ錠191に鍵K3とは異なる鍵K4の挿入部541が挿入されている。図30で示したように完全挿入確認レバー312の凸部312bが外周シリンダ201の溝201cに掛止されることで、図19を参照して説明したように、鍵が完全に内周シリンダ203の内部に挿入されていない場合は、内周シリンダ203は外周シリンダ201に対して回動不能とされる。
従って、鍵K4がシリンダ錠191に中途まで挿入された状態(完全に挿入されていない状態)で回動されることによって、誤ったキーコードが設定されることを防ぐことができる。例えば、鍵K4の挿入部541の位置決め面558が可変タンブラ233−7の位置まで挿入された状態で内周シリンダ203を回動することを防ぐことができる。
可変タンブラ233−1乃至233−8のそれぞれは、鍵K4の挿入部541の孔である位置決め面551乃至558のそれぞれに当接し、位置決め面551乃至558のそれぞれによって、図30で示した位置から図30の下方向に押圧される。
図33Aで示されるように、可変タンブラ233−2は、挿入部541の位置決め面552によって、図33の下方向に押圧され、可変タンブラ233−2と共に、可変タンブラ234−2が図33の下方向に移動する。
図33Bで示されるように、可変タンブラ233−4は、挿入部541の位置決め面554によって、図33の下方向に押圧され、可変タンブラ233−4と共に可変タンブラ234−4も移動する。すなわち、図34で示されるように、最初の設定(図15で示される設定)では、場所581に位置し、3つの噛合溝583a乃至583cの内、噛合溝583bに噛合していた可変タンブラ234−4は、鍵K4の位置決め面554によって、矢印582の方向に移動し、タンブラ231−4の噛合部231−4bの噛合溝583cに噛合する位置に移動することになる。
図33Cで示されるように、可変タンブラ233−6も、挿入部541の位置決め面556によって、図33の下方向に押圧され、可変タンブラ233−6と共に可変タンブラ234−6が移動する。
以上、可変タンブラ233−2,233−4および233−6について説明したが、可変タンブラ233−1,233−3,233−5,233−7、および233−8も同様に、鍵K4によって可変タンブラ234−1,234−3,234−5,234−7、および234−8が移動される。
このとき、サイドバー251の凸部251aが、タンブラ231−1の凹部231−1a乃至タンブラ231−8の凹部231−8aに挿入されているので、サイドバー251に対するタンブラ231−1乃至231−8の位置が保持され、変化しない。すなわち、内周シリンダ203に対するタンブラ231−1乃至231−8の位置は変化しない。
図35で示されるように、その後、矢印603の方向にさらに鍵K4を回動させることで、内周シリンダ203が回動し、図36で示されるように外周シリンダ201の凹部201dとホルダ261の凸部261jとの嵌合が解除される。外周シリンダ201の内周面とホルダ261との当接によって、ホルダ261が矢印611の方向に移動する(図28のズレ幅511の長さだけ移動する)。これと同時に、図37で示されるように矢印621の方向(矢印611と同方向)に可変タンブラ234−1乃至可変タンブラ234−8が移動し(図29のズレ幅512の長さだけ移動する)、可変タンブラ234−1乃至可変タンブラ234−8のそれぞれは、噛合部231−1b乃至噛合部231−8bの噛合溝(噛合溝583a乃至583cのいずれか)のそれぞれに噛合する。
すなわち、図27において、可変タンブラ234−4は、図27の右方向に移動している場合、タンブラ231−4の噛合部231−4bから離れ、図35において、鍵K4が挿入されたとき、可変タンブラ233−4に追従することにより、挿入されている鍵K4のキーコードに対応する位置決め面554で定まる位置であって、タンブラ231−4の噛合部231−4bのうちの、1つの噛合溝と接することができる位置に移動する。
これにより、シリンダ錠191のキーコードが、鍵K4に対応した新しいキーコードに変更される。
すなわち、シリンダ錠191のキーコードが、鍵K4に対応した新しいキーコードに設定される。
その後、リセット用バネ243の付勢力によってリセットボタン211が図32の上方向に戻り、内周シリンダ203とジョイントカム212がジョイントブロック242を介して固定される。
以上のように、可変タンブラ234−1乃至234−8の尖端部は、タンブラ231−1乃至231−8のそれぞれの噛合部231−1b乃至231−8bのそれぞれの3つの噛合溝(噛合溝583a乃至583c)のうちのいずれか1つの噛合溝(例えば、噛合溝583cなど)に噛合させることができるので、シリンダ錠191のキーコードの種類は38種類=6561種類である。
なお、可変タンブラ234−1乃至234−8のそれぞれが、可変タンブラ233−1乃至233−8のそれぞれに設けられた孔を貫通することによって、可変タンブラ234−1乃至234−8のそれぞれと、可変タンブラ233−1乃至233−8のそれぞれとの位置関係が決まると説明したが、これに限ることなく、逆に、可変タンブラ234−1乃至234−8側に長穴を設けて、可変タンブラ233−1乃至233−8を通したり、いずれかの側面に溝を設けてこれに沿って摺動されるようにするなど、所望の方式で、互いの位置を決めるようにしてもよい。
また、タンブラ231−1乃至231−8の噛合部231−1b乃至231−8bのそれぞれと、可変タンブラ234−1乃至234−8のそれぞれの尖端部とが噛合すると説明したが、これに限ることなく、タンブラ231−1乃至231−8側に複数の穴を設けたりするなど、所望の方式で、互いの位置を決めるようにしてもよい。
さらに、ホルダ261の規制突起用溝261a乃至261hおよび可変タンブラ234−1乃至234−8の後部の凸部の形状は、これに限ることなく、可変タンブラ234−1乃至234−8の後部に溝を設けるなど、図15中の上下方向に移動でき、図15中の左右方向に移動しない形状であればよい。
さらに、バネとして、コイルバネを例に説明したが、これに限らず、付勢力を与えることができれば足り、板バネまたは樹脂などの弾性体とすることができる。
191 シリンダ錠,
201 外周シリンダ,
201b 溝,
201c 溝,
201d 凹部,
203 内周シリンダ,
203a 鍵穴,
211 リセットボタン,
212 ジョイントカム,
231−1乃至231−8 タンブラ,
231−1a乃至231−8a 凹部,
231−1b乃至231−8b 噛合部,
233−1乃至233−8 可変タンブラ,
234−1乃至234−8 可変タンブラ,
251 サイドバー,
261 ホルダ,
312 完全挿入確認レバー,
312a テーパ面,
312b 凸部,
313 レバー用ピン,
K3 鍵,
K4 鍵
201 外周シリンダ,
201b 溝,
201c 溝,
201d 凹部,
203 内周シリンダ,
203a 鍵穴,
211 リセットボタン,
212 ジョイントカム,
231−1乃至231−8 タンブラ,
231−1a乃至231−8a 凹部,
231−1b乃至231−8b 噛合部,
233−1乃至233−8 可変タンブラ,
234−1乃至234−8 可変タンブラ,
251 サイドバー,
261 ホルダ,
312 完全挿入確認レバー,
312a テーパ面,
312b 凸部,
313 レバー用ピン,
K3 鍵,
K4 鍵
Claims (4)
- 内周面に凹部を有する第1のシリンダと、
前記第1のシリンダに挿入され、正規の鍵が挿入された場合、回動自在となる第2のシリンダと、
前記第1のシリンダの前記凹部に対応する、前記第2のシリンダの部位に回動自在に設けられ、前記第2のシリンダに前記鍵が完全に挿入されていない場合、前記凹部に掛止し、前記第2のシリンダに前記鍵が完全に挿入された場合、前記鍵の押圧による回動により、前記凹部との掛止が解除されるレバーと
を含むことを特徴とするシリンダ錠。 - 前記レバーは、前記第2のシリンダに前記鍵が完全に挿入された場合、前記鍵の先端部によって、前記第2のシリンダに回動自在に固定される軸を基準とした一方の部位が押圧されると、前記軸を中心に回動して、前記軸を基準とした他方の部位と前記凹部との掛止が解除される
ことを特徴とする請求項1に記載のシリンダ錠。 - 前記レバーは、前記鍵とタンブラとからなる平面に対し垂直の軸を中心に回動する
ことを特徴とする請求項1に記載のシリンダ錠。 - キーコードが変更可能とされている
ことを特徴とする請求項1に記載のシリンダ錠。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003401749A JP2005163327A (ja) | 2003-12-01 | 2003-12-01 | シリンダ錠 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003401749A JP2005163327A (ja) | 2003-12-01 | 2003-12-01 | シリンダ錠 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005163327A true JP2005163327A (ja) | 2005-06-23 |
Family
ID=34725571
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003401749A Withdrawn JP2005163327A (ja) | 2003-12-01 | 2003-12-01 | シリンダ錠 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005163327A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101691825B (zh) * | 2009-08-10 | 2011-12-07 | 雷先鸣 | 采用单排弹子空转锁芯的锁 |
-
2003
- 2003-12-01 JP JP2003401749A patent/JP2005163327A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101691825B (zh) * | 2009-08-10 | 2011-12-07 | 雷先鸣 | 采用单排弹子空转锁芯的锁 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070206 |