JPH09209626A - ロック付蓋体 - Google Patents

ロック付蓋体

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JPH09209626A
JPH09209626A JP8038747A JP3874796A JPH09209626A JP H09209626 A JPH09209626 A JP H09209626A JP 8038747 A JP8038747 A JP 8038747A JP 3874796 A JP3874796 A JP 3874796A JP H09209626 A JPH09209626 A JP H09209626A
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Toyohiro Osada
豊弘 長田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 暗証番号を任意に変更できるようにロックリ
ングをダイヤルリングとこれに摺動可能に嵌合する掛止
リングより構成したものにおいては、暗証番号が使用者
の意思に係わらず変更されてしまう可能性があって、ロ
ック機構自体若しくはこのロック機構を利用した容器等
全体が使用不能となってしまう。 【解決手段】 ダイヤルリングとこれに摺動可能に嵌め
込まれ下端部の掛止壁の一部に解錠用切欠が設けられた
掛止リングより成るロックリングを複数同心円状に回動
可能に配設され、該ロックリングの下方に放射方向に移
動可能に支持され各掛止リングの該掛止壁に周面に接当
し該解錠用切欠部分で通過するロック部材に複数設けら
れたロック部が、少なくとも解錠位置と施錠位置で各該
掛止リングの回動を妨げるものではなく、且つ該ロック
部材に各該掛止壁の該解錠用切欠部に側端部に掛合させ
る複数の掛止リング保持体を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、文字合わせ錠機構を内
蔵した蓋に関するものである。文字合わせ錠とは、文
字、数字、記号等が表示された複数の文字盤を所定の組
み合わせにすることによって解錠することができる錠で
あり、Keyless combination lockと呼ばれるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】文字合わせ錠機構は、南京錠や自転車用
チェーンロックなどの錠として利用されている他、貯金
箱など鍵を使わずに簡単に施錠・解錠できるようにする
ための手段として広く利用されている。文字合わせ錠の
原理は、文字盤の所定の記号を一定の場所に合わせるこ
とによって解錠用の切欠を揃わせ、揃った切欠部から爪
などの突起状のものを抜き出させることによって解錠す
る構造のものである。
【0003】従来の文字合わせ錠機構を利用した蓋体と
しては、本発明者が発明した特開昭7−215356号
公報として開示されたものがある。この蓋体は、下端部
の一部に解錠用切欠が設けられたロックリングを同心円
状に複数配し、該解錠用切欠に嵌まり込んで放射方向に
移動可能に支持されたロック部材より構成されたもので
ある。該ロック部材には複数のロック溝が設けられてお
り、このロック溝を各ロックリングの解錠用切欠以外の
部分に掛合させて該ロック部材を施錠位置に保持させる
構造のものである。解錠は前述したように各ロックリン
グを回動して所定の記号を並べ、各解錠用切欠を直線状
に並ばせロック溝による掛合を解除させて該ロック部材
を施錠位置から移動させることによって行なう。
【0004】また、この発明にはロックリングをダイヤ
ルリングと掛止リングに分割したものが開示されてお
り、分割したことによって解錠するときのロックリング
の記号の並べ方を変更することができる。このため、使
用者が任意に暗証番号を設定できることとなり、他人に
暗証番号を覚えられてしまったり、その恐れがある場合
には、新たに設定し直すことができ、ロック機能の消滅
を防止することが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】暗証番号を任意に変更
するための構造としては、ダイヤルリングと掛止リング
を新たに位置を変えて嵌め直す方法がある。しかしなが
ら、この方法ではロック機構を分解しなければならず、
暗証番号の変更が極めて面倒となり、折角の機能が使わ
れなくなってしまう。また、この点を解消するものとし
て、ダイヤルリングと掛止リングを摺動可能に嵌め合わ
せる構造とすることにより、ロック機構を分解すること
なく暗証番号を変更させる方法がある。しかし、この方
法では暗証番号が簡単に変更されてしまう欠点があっ
た。これは、掛止リングに対してダイヤルリングを回動
させることで暗証番号の変更を行なう構造であるため、
掛止リングに対するダイヤルリングの回動をある程度軽
くしなければならないからである。このため、暗証番号
が不用意に変わってしまった状態で施錠してしまえば、
使用者でも解錠できなくなる。
【0006】一般的に、ロック部材をロックリング部分
から抜き出さずにその部分で往復移動させて、施錠・解
錠を行なう構造のロック機構の場合には、ロックリング
は施錠時には当然のことながら回動可能な状態にあるも
のの、解錠時には回動できない固定された状態にある。
つまり、解錠した状態からロック部材を移動させて施錠
するためには、ロックリングを暗証番号通りに並べた状
態にしておく必要があることと、敢えて解錠時にロック
リングを回動させるようにする必要もないからである。
このため、暗証番号の変更は掛止リングの回動が固定さ
れる解錠状態のときに行なう構造とされている。従っ
て、解錠時には単に蓋を開けるために解錠するだけで暗
証番号を変更する意思が無い場合でも、解錠位置と暗証
番号変更位置が同じであるため、暗証番号が不用意に変
わってしまう可能性が高なる。暗証番号が変わってしま
っても、解錠用切欠の位置は変わらないことから、今ま
でと同じように施錠でき、その状態で各ロックリングを
ランダムに回してしまえば、解錠が不可能となり、ロッ
ク機構自体或いはこのロック機構を利用したもの全体が
使用不能となってしまう。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は上記
問題に鑑み鋭意研究の結果、本発明を成し得たものであ
りその特徴とするところは、開口部に嵌め込むことによ
って該開口部を文字合わせ錠機構を利用したロック機構
で掛止させる蓋体において、上面に複数の記号が付され
たダイヤルリングとこれに摺動可能に嵌め込まれ下端部
の掛止壁の一部に解錠用切欠が設けられた掛止リングよ
り構成され同心円状に回動可能に複数配設されたロック
リングと、該ロックリングの下方に放射方向に移動可能
に支持され各該掛止リングの該掛止壁の周面に接当し該
解錠用切欠部分で通過する複数のロック部が設けられた
ロック部材と、該ロック部材を放射方向に往復移動させ
るツマミより成るものであって、該ロック部材は、少な
くとも解錠位置と施錠位置のときその各該ロック部が各
該掛止リングの回動を妨げるものではなく、且つ該解錠
位置と該施錠位置以外の所定の位置において、各該掛止
リングの該掛止壁の該解錠用切欠部の側端部に掛合させ
る複数の掛止リング保持体が設けられたことにある。
【0008】ここで、本明細書中でいう「ロック機構」
とは、文字合わせ錠機構を利用して施錠及び解錠できる
構造のものをいう。本発明では、ロック機構として同心
円状に複数配設されるロックリング、ロック部材及び該
ロック部材をロックリングの放射方向に往復移動させる
ツマミより構成される。これらの材質は、一般的なプラ
スチックであればよいが、こじ開けようとしたときに割
れにくいポリカーボネート、ジュラコン、ABS樹脂な
ど物理的強度が高いものが好ましい。
【0009】「ロックリング」とは、上面に多種の文
字、数字、記号等(以下「記号等」という)が付された
ダイヤルリングと、該ダイヤルリングと相対的に回動可
能に嵌め込まれ下端部の掛止壁の一部に解錠用切欠が設
けられた掛止リングより構成されたものをいう。通常、
これらは一体となって一つのロックリングとして、複数
同心円状に回動可能に配設される。各ロックリングを個
々に回動させることによって、各々の掛止リングの解錠
用切欠を一列に揃わせ、一列に並んだ該解錠用切欠部分
で、放射方向に往復移動可能となったロック部材によっ
て施錠、解錠が行なわれる。解錠用切欠を一列に揃わせ
るための手段は、ダイヤルリングの上面に付された記号
等を所定の順番に並ばせることによって行なわれ、この
記号等の順番が暗証番号である。
【0010】解錠用切欠が設けられた掛止リングと記号
等が付されたダイヤルリングの2つに分割することによ
って、解錠するための記号等の組み合わせ(暗証番号)
を新たに任意に設定することができる。本発明において
は、分解することなく即ち掛止リングとダイヤルリング
を離反させることなく相対的に回動させなければならな
いが、この回動は一体となったロックリングの回動より
固くする必要がある。このため、ダイヤルリングと掛止
リングの嵌合部の摩擦抵抗を高くしたり、バネ構造で押
圧させる他、ダイヤルリングと掛止リングの嵌合部に位
置決め部を設けるようにしてもよい。位置決め部は容易
に回転させないようにすると共に、ダイヤルリングの各
記号等を掛止リングの解錠用切欠に対して一定の位置に
位置させることができる。位置決め部としては、例えば
ダイヤルリングの上面部に設けられた記号等毎に嵌合部
に凹部を設け、バネ効果のある凸部を掛止リングに設け
て該凹部に係合させるようにする。凸部と凹部の組み合
わせの場合、凸部は凹部と同数設ける必要はなく、数ヶ
所設けるだけでもよい。
【0011】ロックリングとしては、リング状でなくて
もリングの一部である円弧状としてもよく、この場合に
は往復回動させる構造となる。ロックリングを回転させ
る場合、ダイヤルリングに設けられた記号等が所定の位
置に停止するように位置決めさせるようにしておくのが
好ましい。例えば、ロックリング(ダイヤルリング又は
掛止リング)にバネ効果のある突起を数ヶ所設け、該ロ
ックリングを可回転に支持する部材にロックリングに設
けられた記号等と同数設けた穴や溝に該突起を嵌まり込
ませることによって、そのときの音や感触で判断させる
ようにする。
【0012】「ロック部材」とは、同心円状に可回動に
配設された複数の掛止リングの解錠用切欠が一列に揃っ
たときに該切欠に一部が嵌まり込んだ状態で放射方向に
往復移動可能とした部材をいう。ロック部材を放射方向
に往復移動させることによって開口部に掛止させたり開
口部から離反させることで施錠・解錠が行なわれる。こ
れの施錠位置と解錠位置は、通常ツマミの移動や回動の
始点と終点に設定されるが、当然夫々の手前に設定して
もよい。この場合には前述した凹部と凸部の組合せなど
による位置決めをするのが好ましい。
【0013】開口部とは、ある物に設けられている孔の
ことであって、例えば容器やパイプの孔、壁面等に設け
られている孔などである。容器等の開口部の場合には、
該開口部の裏面側や途中の内壁面に設けられた孔にロッ
ク部材を突き出して施錠させたり、開口部の周囲に設け
られた鍔部にロック部材を引っ掛けることによって施錠
させる。
【0014】ロック部材には、複数の掛止リングの掛止
壁の周面に夫々接当すると共に、掛止壁に設けられた解
錠用切欠部分で通過するロック部が設けられている。つ
まり、ロック部は、これを掛止壁の周面に接当させるこ
とによってロック部材を施錠状態に保持させるためのも
のである。ただ、本発明においてはこのロック部はロッ
ク部材を解錠位置に位置させたときに、ロックリングの
回動に支障を来さないようにする必要がある。この手段
としては、解錠位置で各掛止リングの掛止壁の回動位置
に位置させないようにするか、或いは回動位置に位置し
ても掛止リングが回動するときに掛止壁の解錠用切欠部
の側端部によって回動位置から移動させる構造でもよ
い。ロック部としては、突起や溝など掛止壁に掛合する
ものであればよい。
【0015】「掛止リング保持体」とは、ロック部材に
設けられたもので、該ロック部材が施錠位置と解錠位置
以外の位置にあるときに、解錠用切欠の側端部に掛合し
て掛止リングの回動を阻止させるための部材をいう。つ
まり、ロック部材のこの位置が暗証番号を変更させるた
めの位置である。変更位置としては、施錠位置と解錠位
置との間に設けるのが一般的であるが、これらの外方に
設けるようにしてもよい。また、この掛止リング保持体
は、ロック部と別体でもよく一体としたものでもよい。
【0016】「ツマミ」とは、ロック部材を放射方向に
往復移動させるための部材をいう。ツマミとしては、例
えば回転させたり挟み付けたりすることによって、ロッ
ク部材を連動させるものであればよい。この場合、ツマ
ミ若しくはロック部材をバネで付勢させ、該ロック部材
を施錠若しくは解錠方向に引張若しくは押圧させておく
ようにしてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す発明の
実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0018】図1は本発明に係るロック付蓋体1の実施
の形態の一例を示すもので、天キャップ2と下キャップ
3より成る蓋体本体4の内部にロック機構5を収納した
ものである。ロック機構5は、同心円状に3つ並べられ
たロックリング6、該ロックリング6の中心部に可回転
に設けられたツマミ7及び該ツマミ7の回転に連動して
放射方向に移動するロック部材8より構成される。ロッ
クリング6は、ダイヤルリング61と該ダイヤルリング
61に対して回動可能に嵌合された掛止リング62より
成るもので、該掛止リング61を下キャップ3の底面に
同心円状に設けられたレール9に回動可能に支持させて
いる。ロック部材8は該レール9を横切るように該底面
に放射方向に摺動可能に支持されている。また、天キャ
ップ2の上面の一部に、各ロックリング6の上面に付さ
れた記号10が露出するように窓11が設けられてい
る。
【0019】各掛止リング62の下端部には掛止壁12
が設けられ、該掛止壁12の一部に解錠用切欠13が設
けられている。各掛止リング62の該解錠用切欠13が
放射方向に揃ったときに、ロック部材8が放射方向に往
復移動できることとなる。このため、各ダイヤルリング
61の上面に連続的に付された記号10の並べ方によっ
て該解錠用切欠13が揃うことになる。解錠用切欠13
が揃って移動可能となったロック部材8の移動は、ツマ
ミ7を回転させることによって行なわれる。
【0020】本図では、図の左側が施錠状態、右側が解
錠状態を示し、ロック部材8を開口部11の裏面側に突
き出させることによって、ロック付蓋体1を該開口部1
1に掛止させて施錠させる構造である。ロック部材8の
上面には3つのロック部81が突出した状態に設けられ
ている。該ロック部材8を蓋体本体4から突き出させて
各ロックリング6をランダムに回動させることによっ
て、掛止リング62の掛止壁12に該ロック部81を掛
合させることで施錠できる。この施錠位置では当然のこ
とながら各ロックリング6は回動自在であるが、本発明
においては解錠位置でもロック部81やその他の部材を
各ロックリング6の回動部分に存在させないようにし
て、各ロックリング6が回動できるようにしている。暗
証番号の変更は、ロック部材8を移動させてそのロック
部81を解錠用切欠13の内部に位置させ、掛止リング
62を固定した状態でダイヤルリング61を回動させる
ことによって行なう。
【0021】ツマミ7には、図2に示すようにツマミ本
体71の下部にロック部材8の駆動溝14を有する作動
板15を設ける。このツマミ本体13を回転させること
により該作動板15が回転し、該駆動溝14に掛合され
たロック部材8の突起82が該駆動溝14に案内されて
放射方向に往復移動することになる。本例では、作動板
15の周囲に凹部16を設け、施錠位置、解錠位置及び
暗証番号変更位置の3ヶ所で位置決めさせるようにして
いる。
【0022】ロックリング6は、図3に示すようにダイ
ヤルリング61と掛止リング62より構成され、ダイヤ
ルリング61の掛止リング62に嵌まり込む部分に記号
10と同じ数の溝17を設け、掛止リング62に設けら
れたバネ突起18で位置決めさせるようにしている。こ
の場合、ダイヤルリング61と掛止リング62より成る
ロックリング6としての回動固さを軟らかく、ダイヤル
リング61と掛止リング62の間における相対的な回動
固さを固くして、容易に記号の組み合わせが変わらない
ようにしておくのが好ましい。例えば図4(a)(b)
(c)に示すように掛止リング62がダイヤルリング6
1に挿通さている部分と、掛止リング62と天キャップ
2の壁面や仕切壁との間に設けられた位置決め用として
のバネ突起18と凹部16の、該バネ突起18のバネ部
分の太さを変えたり、凹部16の深さを変えるようにす
ればよい。ただ、ダイヤルリング61と掛止リング62
との回動固さをあまり固くすると、暗証番号の変更がし
にくくなる問題がある。
【0023】図5はロック付蓋体1の施錠状態を示すも
ので、ロック部材8を作動板15の回動によって蓋体本
体4から突出させている。この状態では、ロック部材8
の各ロック部81は各ロックリング6が回動するレール
9の外方側に位置し、掛止リング62の掛止壁12と掛
合してツマミ7を回そうとしても回せないロック状態と
なる。
【0024】図6はロック付蓋体1の解錠状態を示すも
ので、各ロックリング6の記号10を暗証番号通りに並
べ、各掛止リング62の解錠用切欠13を揃わせること
によって、ロック部81と掛止壁12との掛合を解き、
作動板15を回動させてロック部材8を蓋体本体4に引
っ込めたものである。この場合、各ロック部81はレー
ル9の内方側に位置し各ロックリング6の回動を妨げな
いようにしている。
【0025】暗証番号の変更は、図7に示すようにツマ
ミ7を番号変更位置に位置させることによって行なう。
この位置も作動板15の周囲に設けられた凹部16をバ
ネ突起18に係合させて位置決めさせるようにしてい
る。この位置では、ロック部81がレール9部分に位置
すると共に、各解錠用切欠13に内部に位置する。この
状態でロックリング6を回動させると、該ロック部81
が解錠用切欠13部分に側端部と掛合して、掛止リング
62の回動が阻止され、ダイヤルリング61のみが回動
して、任意の番号(記号10)に変更することが可能と
なる。
【0026】前述した実施の形態では、ロック部81で
掛止リング62の回動を阻止させるようにしているが、
図8に示すようにロック部81と別体の掛止リング保持
体83をロック部材8に設けてもよい。同図(a)は施
錠状態であり、ロック部81は各レール9の外方に位置
し、掛止リング保持体83は各ロック部81に外方側に
掛止壁12が通過できる間隔を開けて設けられる。
【0027】解錠状態は同図(b)のようにロック部8
1が各レール9に内方に位置して、各掛止壁12は夫々
ロック部81と掛止リング保持体83の間を通過して回
動可能となる。暗証番号の変更は、同図(c)のように
さらにロック部8を引っ込めさせ、掛止リング保持体8
3を各解錠用切欠13の内部に位置させることによって
行なう。従って、番号変更位置を施錠位置と解錠位置の
間の常時使用される部分以外に設けることができる。
【0028】また、掛止リング保持体83は図9のよう
に各ロック部81に内方側に掛止壁12が通過できる間
隔を開けて設けてもよい。施錠状態を同図(a)、解錠
状態を同図(b)、番号変更状態を同図(c)に示す。
本例の場合も、番号変更位置は施錠位置と解錠位置の間
になく、ロック部材8を施錠位置からさらに突出させた
位置となる。ロック部81で掛止リング62に回動を阻
止させずに掛止リング保持体83で阻止させる場合に
は、ロック部81と解錠用切欠13に側端部が掛合しに
くくなるように、両者の掛合部分に丸みを付けたり尖ら
せたりするのが好ましい。
【0029】解錠位置でロックリング6を回動可能とす
るのは、解錠した状態でロックリング6を不用意に回動
させても暗証番号が変更されないようにするためであ
る。この目的のため前述した各実施の形態では、解錠位
置でロック部81や掛止リング保持体83を掛止リング
62に回動位置に位置させないようにしていた。本発明
においては、解錠位置で掛止リング62が回動不能とな
らないようにするものであればどのような手段でもよ
く、図10に示すようにロック部81や掛止リング保持
体83が掛止リング62の回動位置に位置しても、解錠
用切欠13部分に引っ掛かることなく回動位置から排除
される形状としてもよい。このような形状にすれば、ロ
ック部材8が解錠位置に確実に位置していない場合で
も、掛止リング62の回動を妨げない上で極めて有効で
ある。
【0030】ロック付蓋体1を開口部19に掛止させる
手段としては、前述した各実施例のように開口部19の
裏面側にロック部材8を突出させる場合の他、図11
(a)のように開口部19の周囲に設けられた鍔部20
にロック部材8を引っ掛けるようにしてもよく、同図
(b)のように開口部19の途中の内壁面に設けられた
孔21にロック部材8の先端を挿通させて掛止させるよ
うにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明に係るロック付蓋体
は、同心円状に複数配設させるロックリングを記号が付
されたダイヤルリングとこれに回動可能に嵌合される掛
止リングより構成し、中央部に設けられたツマミでロッ
ク部材を放射方向に往復移動させることによって、施錠
・解錠を行なわせるものであって、該ロック部材の施錠
位置と解錠位置ではロックリングを回動可能とし、施錠
位置と解錠位置以外の位置で掛止リングの掛止壁の解錠
用切欠の側端部に掛合させる掛止リング保持体をロック
部材に設けたことにより、解錠位置においてロックリン
グに回動が阻止されることがないので、不用意に暗証番
号が変わってしまうという危険性を無くすことができ
る。
【0032】また、暗証番号を変更する番号変更位置を
施錠位置と解錠位置以外の位置、すなわち常時は通過し
て停止させることがない位置、若しくは通常の使用範囲
外である施錠と解錠の間以外の位置であるため、使用者
が暗証番号の変更を意識して行なうことができ、しかも
意図しない番号変更をほぼ確実に阻止するこが可能とな
り、ロック機構やこれを利用した容器などが使用不能と
なるのを防止できるという極めて有益な効果を有するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るロック付蓋体の実施の形態の一例
を示す断面図である。
【図2】図1に示したツマミ部分の分解斜視図である。
【図3】ロックリングをダイヤルリングと掛止リングに
分割した状態を示す斜視図である。
【図4】ダイヤルリングと掛止リングの位置決め手段の
一例を示すもので(a)は斜視図、(b)は横断面図、
(c)は斜視図である。
【図5】ロック部材の施錠状態を示す概略平面図であ
る。
【図6】ロック部材の解錠状態を示す概略平面図であ
る。
【図7】ロック部材が番号変更位置に位置する状態を示
す概略平面図である。
【図8】掛止リング保持体が設けられたロック部材の他
の例を示すもので、(a)は施錠状態、(b)は解錠状
態、(c)は番号変更状態を示す夫々概略部分平面図で
ある。
【図9】掛止リング保持体が設けられたロック部材のさ
らに他の例を示すもので、(a)は施錠状態、(b)は
解錠状態、(c)は番号変更状態を示す夫々概略部分平
面図である。
【図10】ロック部材のさらに他の例を示すもので、ロ
ック部と掛止リング保持体一体にしたものの概略部分平
面図である。
【図11】本発明に係るロック付蓋体の使用状態を示す
もので、(a)は側面図、(b)は断面図である。
【符号の説明】
1 ロック付蓋体 2 天キャップ 3 下キャップ 4 蓋体本体 61
ダイヤルリング 5 ロック機構 6 ロックリング 62
掛止リング 7 ツマミ 8 ロック部材 81
ロック部 9 レール 10 記号 82
突起 11 窓 12 掛止壁 83
掛止リング保持体 13 解錠用切欠 14 駆動溝 15 作動板 16 凹部 17 溝 18 バネ突起 19 開口部 20 鍔部 21 孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部に嵌め込むことによって該開口部
    を文字合わせ錠機構を利用したロック機構で掛止させる
    蓋体において、上面に複数の記号が付されたダイヤルリ
    ングとこれに摺動可能に嵌め込まれ下端部の掛止壁の一
    部に解錠用切欠が設けられた掛止リングより構成され同
    心円状に回動可能に複数配設されたロックリングと、該
    ロックリングの下方に放射方向に移動可能に支持され各
    該掛止リングの該掛止壁の周面に接当し該解錠用切欠部
    分で通過する複数のロック部が設けられたロック部材
    と、該ロック部材を放射方向に往復移動させるツマミよ
    り成るものであって、該ロック部材は、少なくとも解錠
    位置と施錠位置のときその各該ロック部が各該掛止リン
    グの回動を妨げるものではなく、且つ該解錠位置と該施
    錠位置以外の所定の位置において、各該掛止リングの該
    掛止壁の該解錠用切欠部の側端部に掛合させる複数の掛
    止リング保持体が設けられたものであることを特徴とす
    るロック付蓋体。
  2. 【請求項2】 ロック部と掛止リング保持体は一体であ
    る請求項1記載のロック付蓋体。
JP8038747A 1996-01-31 1996-01-31 ロック付蓋体 Pending JPH09209626A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6737956B1 (en) 1998-05-11 2004-05-18 Shimano, Inc. Password registration device for a bicycle
JP2007241058A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Ricoh Co Ltd 粉体貯留ユニット、収納ユニット、粉体補給装置及び画像形成装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6737956B1 (en) 1998-05-11 2004-05-18 Shimano, Inc. Password registration device for a bicycle
JP2007241058A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Ricoh Co Ltd 粉体貯留ユニット、収納ユニット、粉体補給装置及び画像形成装置

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