JP2005163135A - 金属成分の処理液 - Google Patents

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Abstract

【課題】 銅等の溶解度が大きい処理液の提供。
【解決手段】 銅、ニッケル、鉄及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種を含有する金属成分の処理液であり、(a)アミンオキシド化合物、及び(b)有機酸、有機酸アンモニウム、アンモニア、アミン化合物から選ばれる化合物の少なくとも1種を含む溶液からなる金属成分の処理液。
【選択図】 なし

Description

本発明は、銅等の金属成分を溶解して除去する方法等に好適な金属成分の処理液、及びそれを用いた処理方法に関する。
化学工業分野では、化学反応で効率よく目的物を得るために、触媒を用いることが多いが、触媒として使用した金属が反応装置内に付着蓄積することにより、反応に悪影響を及ぼしたり、伝熱阻害等の問題を生じさせることがある。よって、付着量の程度や反応への影響の程度によって、反応装置内部の洗浄、つまり付着物の除去が必要となってくる。
銅系固体触媒の場合、触媒還元処理や反応において、高温、水素雰囲気下で用いられることがほとんどであり、170℃以上の水素雰囲気下では、酸化銅は還元されて金属として存在し、触媒作用を示す。しかし、この条件下では反応装置に付着した触媒成分も金属銅が主成分となるため、反応槽内部の付着物の除去をするには、銅を溶解することが重要であった。
銅の溶解法は、電子部品の製造過程等で用いられることから、いくつかの方法が知られている。
(1)酸化性を有する酸の使用
硝酸を用いて金属銅を溶解させる方法が知られているが、非特許文献1に開示されているとおり、硝酸と銅を反応させた場合、窒素酸化物(NOx)のガスを発生させるため、排気ガスの取り扱いを複雑化させる。他の強酸についても、設備構成材料の腐食等が問題となるため好ましくない。
(2)アンモニアの使用
アンモニアは銅イオンと錯体を形成しやすいため、銅の溶解に使用されているが、その前提として、酸素や過酸化水素等の酸化剤を用いて酸化して、金属銅を溶解させる必要がある。
しかし、反応槽内部の付着物を除去する場合には、付着物を酸化させることができない場合がある。例えば(i)洗浄したい反応槽に酸素を供給できる装置が付帯されておらず、設置する場合は経済的に不利になる場合、(ii)水素を使用する反応装置であり、安全性の面から酸素供給装置が設置できない場合である。
(3)炭酸アンモニウムの使用
特許文献1には、ボイラ蒸発管内部に付着している銅成分を含むスケールを、洗浄液として炭酸アンモニウムを含む溶液を用いて除去することが開示されている。
しかし、実施例1にも記載されているとおり、炭酸アンモニウムを用いた場合には、エアバブリングを行って酸素を供給することで溶解性が高められるものであるから、水素を使用する反応装置には適用できない。また、炭酸アンモニウムは、刺激臭が強く、仕込み操作性等が課題として挙げられ、特に洗浄しようとする設備及び設備の立地条件によっては、使用できないことも考えられる。
特開2003−14396号公報 「酸化と還元」(曽根興三著、培風館、1991年出版)
本発明の課題は、銅、ニッケル、鉄及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種を含有する金属成分を溶解処理等する際、金属成分の溶解能力が高く、作業性が良く、安全性も高い処理液、及び前記処理液を用いた処理方法を提供することである。
本発明者は、下記の(a)及び(b)成分の組み合わせによる相乗作用により、銅、ニッケル、鉄及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種を含有する金属成分の溶解度を大幅に向上できること、更には溶解処理時における雰囲気が制限されないので作業性が向上すること、溶解処理時にガスが発生しないので安全性が高いこと等を見出し、本発明を完成した。
本発明は、課題の解決手段として、銅、ニッケル、鉄及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種を含有する金属成分の処理液であり、
(a)アミンオキシド化合物、及び(b)有機酸、有機酸アンモニウム、アンモニア、アミン化合物から選ばれる化合物の少なくとも1種を含む溶液からなる、前記金属成分を溶解できる金属成分の処理液を提供する。
本発明において「金属成分」とは、銅、ニッケル、鉄及び亜鉛の単体であるが、前記金属を主として含むものであれば、それ以外に前記金属の酸化物等の化合物を含んでいても良い。
本発明の金属成分の処理液は、本発明の処理液と金属成分とを接触させて使用したとき、金属成分を溶解できるもので、金属成分の溶解剤、金属成分が付着した処理対象(固体表面)の洗浄剤、金属成分が付着した処理対象(固体表面)の改質剤、エッチング剤、化学的研磨剤等として使用できるほか、洗浄助剤としても使用できる。
また本発明は、他の課題の解決手段として、銅、ニッケル、鉄及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種を含有する金属成分が付着した処理対象に対して、上記の処理液を接触させる処理方法を提供する。
本発明の処理方法において「付着」とは、処理対象(固体表面)に、金属成分が物理的に結合している状態と化学的に結合している状態のいずれか一方又は両方を意味する。
本発明の処理液を用いた処理によれば、処理雰囲気が制限されず、処理時に酸素、NOx等のガスを発生することもなく、銅、ニッケル、鉄及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種を含有する金属成分に対して高い溶解性を示すので、前記金属成分の除去作業が容易になる。
<処理液>
本発明の処理液に含まれる(a)成分のアミンオキシド化合物としては、一般式(I)又は(II)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2005163135
(式中、R、R、Rは、同一又は異なる基であり、炭素数1〜22の飽和又は不飽和で、ヒドロキシル基で置換されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基(但し、前記アルキル基は、エーテル結合で分断されていてもよい。)を示し、好ましくは、R、R、Rの1つ又は2つが炭素数1〜4の炭化水素基を示す。)
Figure 2005163135
(式中、Rは炭素数6〜22の飽和又は不飽和で、直鎖又は分岐鎖の脂肪酸残基を示す;RとRは、同一又は異なる、炭素数1〜4の炭化水素基を示し、互いに結合して炭素環を形成していてもよい;nは0〜5を示す)。
その他の(a)成分として、ジアルキルピペラジンジ−N−オキシド、ジアルキルベンジルアミンオキシド、ジアミンジオキシド、トリアミントリオキシド等を挙げることができる。
(a)成分の好ましいものとして、金属の溶解性能や、購入価格、操作性等を考慮すると、一般式(I)で表されるものが好ましく、より好ましくは一般式(I)中のR、R、Rのいずれか1つ又は2つが炭素数1〜4のアルキル基であるトリアルキルアミンオキシドであり、更に好ましくは一般式(I)中のR、R、Rの1つがメチル基であるジアルキルメチルアミンオキシド、又は2つがメチル基であるアルキルジメチルアミンオキシドである。
(a)成分として特に好ましいものはアルキルジメチルアミンオキシドであり、具体的な例として、オクチルジメチルアミンオキシド、デシルジメチルアミンオキシド、ラウリルジメチルアミンオキシド、ヤシアルキルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、パルミチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、オレイルジメチルアミンオキシド、パーム核アルキルジメチルアミンオキシド等を挙げることができる。
本発明の処理液に含まれる(b)成分としては、有機酸、有機酸アンモニウム、アンモニア、アミン化合物から選ばれる少なくとも1つを使用目的に合わせて選択する。
有機酸としては、酢酸、グリコール酸、マロン酸、クエン酸等のカルボン酸;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のアミノポリカルボン酸;1−ヒドロキシエチリデン−1、1−ジホスホン酸等の有機ホスホン酸等を挙げることができる。
本発明の処理液により処理した後に生じる銅、ニッケル、鉄及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種を含有する廃液をアルカリで処理し、酸化銅スラッジを生成させて銅を回収する場合には、有機酸として酢酸を使用することが好ましい。
有機酸アンモニウムとしては、酢酸アンモニウムやクエン酸アンモニウム等を挙げることができる。
アミン化合物は、1級アミン、2級アミン、3級アミンのいずれでもよいが、本発明の処理液を反応槽の洗浄に使用する場合は、その反応槽で用いられるアミン原料や反応により生成するアミンと同じものを使用することが好ましい。
(b)成分は、酢酸単独、酢酸アンモニウム単独、又は酢酸及び酢酸アンモニウムの混合物、或いはこれらを(b)成分中に0.1質量%以上含むものが好ましい。
本発明の処理液において、(a)成分のアミンオキシド化合物の量は、溶解させる金属(銅、ニッケル、鉄及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種を含むもの)のモル数以上の量であることが好ましく、特に金属の溶解性の点から、溶解させる金属の1〜300モル倍量が好ましく、1.5〜100モル倍量がより好ましく、3〜50モル倍量が更に好ましい。
本発明の処理液において、(b)成分の有機酸、有機酸アンモニウム、アンモニア、アミンから選ばれる化合物の量は、(a)成分のアミンオキシド化合物のモル数以上であることが好ましい。特に金属の溶解性の点から、アミンオキシド化合物の量(モル数)に対して1〜30モル倍量が好ましく、2〜15モル倍量がより好ましく、4〜10モル倍量が更に好ましい。
本発明の処理液には、必要に応じて、本発明の課題を解決できる範囲で、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、スルホン酸型両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等の各種界面活性剤、溶剤、香料、ハイドロトロープ剤、増粘剤、研磨剤、再汚染防止剤、無機電解質、殺菌剤、酵素、色素、消泡剤、無機粉体、有機粉体等を含有させることができる。
本発明の処理液は、(a)成分及び(b)成分、更には必要に応じて含有させる他の成分を含む溶液(好ましくは水溶液)の形態にする。水溶液にしたときの水の含有量は、50〜99.9質量%が好ましく、75.0〜99.5質量%がより好ましく、90.0〜99.0質量%が更に好ましい。
本発明の処理液は、銅、ニッケル、鉄及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種を含有する金属成分を溶解させることできるため、金属成分の溶解剤、金属成分が付着した処理対象(固体表面)の洗浄剤、金属成分が付着した処理対象(固体表面)の改質剤、エッチング剤、化学的研磨剤等として使用できるほか、洗浄助剤としても使用できる。ここで洗浄助剤とは、金属成分の少なくとも一部を溶解することに伴い、金属成分の洗浄性(除去性)を向上させるものを意味する。
<処理方法>
次に、本発明の処理液を用いた処理方法について説明する。本発明の処理方法では、銅、ニッケル、鉄及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種を含有する金属成分が付着した処理対象に対して、処理液を接触させる方法を適用する。
処理液と処理対象(金属成分)との接触方法は特に制限されず、処理液中に処理対象を浸漬する方法、処理対象の金属成分が付着した個所が処理液中に浸漬されるようにする方法、処理液を処理対象に吹き付ける方法等が適用できる。浸漬法を適用した場合は、静置したままでも良いし、処理液を攪拌したり、循環させたりしても良いし、これらの方法を組み合わせても良い。処理液は、必要に応じて、2回以上に分けて使用することができる。
処理液と金属成分との接触時の雰囲気は特に制限されず、非酸素雰囲気(他の気体雰囲気、例えば窒素雰囲気)、貧酸素雰囲気、空気雰囲気、富酸素雰囲気等の雰囲気を選択することができ、いずれの雰囲気であっても同等の効果を得ることができる。
このように接触時の雰囲気に拘わらず安定した効果が得られるため、酸素や空気の供給装置を不要にできるので設備コストが低減されるほか、反応に水素を用いる設備では非酸素雰囲気にすることで安全が確保できる。更に、処理時(接触時)において処理液の使用に起因したガス(酸素ガス、NOxガス等)が発生しないので、処理系内を密閉系及び開放系のいずれにもすることができるため、設備コストを低減できるほか、反応に水素を用いる設備でも安全が確保できる。
接触時の温度は特に制限されないが、温度が高い方が金属成分の溶解性は向上するため、接触温度の下限値は、好ましくは35℃以上、より好ましくは45℃以上、最も好ましくは60℃以上である。また、(a)成分のアミンオキシド化合物の安定性の観点から、接触温度の上限値は、好ましくは95℃以下、より好ましくは90℃以下、最も好ましくは85℃以下である。
ここで接触時の温度調整は、処理液を上記温度範囲に調整する方法でも良いし、接触時に上記温度範囲内になるように、外部から加温手段により加温しても良い。
また、処理対象が、ゼオライト、シリカ、チタニア等の担体に銅等の金属成分が担持されたものや、これら担体成分と銅等の金属が物理的に混合されたものであるときは、上記と同様にして処理液と処理対象を接触させた後、外部から物理的な力を加えて、担体を処理対象から剥離して除去する。
銅等の金属成分が担持された担体が固体表面に付着しているとき、処理液による処理によって金属成分が溶解され、残部には、例えば金属成分が溶解した後の空隙を有するポーラス状の担体が残る場合がある。その場合は、水圧を加える、外部から叩く(振動を加える)、鋭利なもので剥離する等の方法で物理的な力を加えれば、担体は容易に剥離除去できる。銅等の金属成分が担持された担体が、本発明の処理液に対して不溶性のものであっても可溶性のものであっても、本発明の処理方法による効果は発現される。
本発明の処理方法を適用したとき、金属成分の処理状態を確認する方法として、目視による観察法のほかに、処理液の着色の状態を観察する方法を適用できる。
例えば、アミンオキシド化合物と酢酸からなる洗浄液により銅を処理したときは、洗浄液は緑〜青色に着色する。この着色の度合いは、銅が溶解した量に比例して大きくなるため、紫外線吸光光度計を用いて可視光領域の吸光度を測定することで、即座に処理状態を確認することができる。
処理対象となる金属成分が付着した個所が容易に視認できる位置であれば、処理状態を目視で観察できるが、直接視認が困難な位置である場合には、上記の観察方法を適用することで、処理状態を容易に確認できる。この方法を適用したときには、紫外線吸光光度計を用いて吸光度を測定し、吸光度が一定になったところ、即ち溶解度が一定になったところで終了とすると効果的な洗浄を行うことができる。
また、このような観察方法を適用することで、処理状態に応じて、適宜処理液の使用量を調整したり、複数回に分けて追加使用したりする場合の判断が容易になる。
<処理液及び処理方法の適用例>
本発明の処理液及び処理方法は、銅、ニッケル、鉄及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種を含有する金属成分を含む固体触媒を用いた反応装置又はそれに類するものの内部を処理するために使用できる。
固体触媒を用いて液体原料を反応させる場合において、反応の継続により、攪拌等により対流する反応液と反応装置壁面との衝突部位や熱負荷の高い部位等に触媒成分(銅、ニッケル、鉄及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種を含有する触媒成分)が付着蓄積する。
本発明の処理液及び処理方法は、このように反応装置内部に付着蓄積した触媒成分を溶解して除去する場合に好適である。より具体的には、エステルの水素化反応、各種アルコールの脱水素反応、アルコールを原料としたアミンの合成等に銅系触媒を用いた反応に使用した装置内部の処理(銅系触媒の除去処理)に好適である。
なお、反応装置に類するものとは、それ自体は反応は行わないものの、反応装置に連結されている等の理由により、触媒成分が付着する可能性のあるもの全てである。
本発明を適用できる装置としては、各種の反応槽、反応槽と反応槽を連結するパイプ、プラントボイラー等を挙げることができる。
また、本発明の処理液及び処理方法は、反応槽等の内部に付着した金属成分を溶解させるほかにも、電子部品の洗浄、エッチング、研磨、エッチングや研磨の工程で用いた製造設備の洗浄処理等にも適用できる。更に、処理後の銅を含有する廃水は、銅の抗菌性を利用する用途、例えば、木材防腐剤又は木材防腐剤の原料として再利用できる。
実施例1〜7、比較例1、2
表1に示す組成の実施例及び比較例の処理液を得た。残部は水(イオン交換水)である。実施例1〜4、7のアミンオキシド化合物は、ラウリルジメチルアミンオキシド(アンヒトール20N、花王製(35質量%水溶液);一般式(I)で表されるもの)を用いた。実施例5は、脂肪酸アミドアミンオキシド(製品名:ソフタゾリンLAO、川研ファインケミカル製)を用い、実施例6では、ピリジン−1−オキシド(試薬:関東化学(株)製)を用い、実施例7のアミンには、2−(メチルアミノ)エタノール(和光純薬製,1級)を用いた。
各処理液500mlを入れたガラス製フラスコ中に、銅粉〔試薬:45μm(325メッシュ),キシダ化学(株)製〕0.5gを添加し、攪拌しながら、銅濃度(ppm,質量基準)の経時変化を測定した。処理は開放系で行った。銅濃度(処理液中の銅溶解量)は、次の方法により測定した。結果を図1に示す。
(銅溶解量)
銅溶解量は、高感度蛍光X線装置(TREX-660、(株)テクノス製)を用いて分析をした。なお、処理液中に不溶解物を含む場合は、これをメンブランフィルターにて除去してから測定を行った。
図1から明らかなとおり、実施例1〜7の処理液は、いずれも比較例1、2と比べると溶解度が大きかった。特に、(a)成分として一般式(I)のアミンオキシド化合物を用いた実施例1〜7の処理液は、アミンオキシド化合物単独の比較例1の溶解度と酢酸単独の比較例2の溶解度の合計よりも溶解度が大幅に高く、(a)及び(b)成分の相乗作用により溶解度が顕著に向上したことが確認された。
Figure 2005163135
実施例8、9、比較例3
実施例1〜7と同様にして、表2に示す各処理液を得た。次に、各処理液500mlを入れたガラス製フラスコ中に、銅粉〔試薬:45μm(325メッシュ),キシダ化学(株)製〕0.2gを添加攪拌して、銅の全量が溶解するまでの時間を測定した。溶解状態は目視で判定した。但し、処理は密閉系で行い、空気バブリング又は窒素バブリングにより、空気又は窒素雰囲気とした。結果を表2に示す。
Figure 2005163135
表2から明らかなとおり、本発明の処理液及び処理方法は、空気雰囲気であっても、窒素雰囲気であっても銅の溶解度は高かった。一方、炭酸アンモニウムを用いた比較例3(特許文献1に相当する)は、窒素雰囲気では溶解度が小さかった。
実施例10
実施例1〜6と同様にして、表3に示す処理液を得た。次に、処理液800mlを入れたガラス製フラスコ中に、銅担持ゼオライト触媒4.0g(銅含有量2.0g)を添加攪拌して、銅の全量が溶解するまでの時間を測定した。溶解状態は目視で判定した。但し、処理は密閉系で行い、窒素バブリングにより窒素雰囲気とした。溶解処理時に発生した酸素ガスは系外へ排出し、排出した酸素は、酸素メーターにより酸素濃度として測定し、ガス発生量を算出した。結果を表3に示す。
Figure 2005163135
表3から明らかなとおり、過酸化水素を用いると、低温で銅成分は溶解するが酸素の発生量が多い。しかし、本発明の処理液及び処理方法では、処理温度を上げる必要はあるが、酸素は殆ど発生しないで銅を溶解できるので、安全性が高い。
実施例11〜14
銅以外の金属に対する本発明の効果を評価した。処理液として、アミンオキシド化合物2%、酢酸3%を含有する処理液(残部はイオン交換水)を用いた。
処理液500mlを入れたガラス製フラスコ中に、各金属粉0.5gを添加し、攪拌しながら、各金属が溶解するまでの時間を測定した。溶解状態は目視で判定した。但し、処理は密閉系で行い、空気バブリング又は窒素バブリングにより、空気又は窒素雰囲気とした。結果を表4に示す。
Figure 2005163135
Ni:粉末,関東化学製
Fe:粉末,関東化学製
Zn:粉末,平均粒径70〜150μm,純度99.9%,和光純薬製
実施例1〜7、比較例1、2の処理液に溶解する銅濃度の経時変化を示す図。

Claims (7)

  1. 銅、ニッケル、鉄及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種を含有する金属成分の処理液であり、
    (a)アミンオキシド化合物、及び(b)有機酸、有機酸アンモニウム、アンモニア、アミン化合物から選ばれる化合物の少なくとも1種を含む溶液からなる、前記金属成分を溶解できる金属成分の処理液。
  2. (a)成分として、一般式(I)で表されるアミンオキシド化合物を用いる請求項1記載の金属成分の処理液。
    Figure 2005163135
    (式中、R、R、Rは、同一又は異なる基であり、炭素数1〜22の飽和又は不飽和で、ヒドロキシル基で置換されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基(但し、前記アルキル基は、エーテル結合で分断されていてもよい。)を示す。)
  3. (b)成分として、酢酸及び/又は酢酸アンモニウムを含むものを用いる請求項1又は2記載の金属成分の処理液。
  4. 銅、ニッケル、鉄及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種を含有する金属成分を含む固体触媒を用いた反応装置又はそれに類するものの内部を処理するものである、請求項1〜3のいずれかに記載の金属成分の処理液。
  5. 銅、ニッケル、鉄及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種を含有する金属成分が付着した処理対象に対して、請求項1〜4のいずれかに記載の処理液を接触させる処理方法。
  6. 銅、ニッケル、鉄及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種を含有する金属成分が担持された担体が付着した処理対象に対して、請求項1〜4のいずれかに記載の処理液を接触させた後、前記担体に対して物理的な力を与える処理方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の処理液を、温度35〜95℃で接触させる請求項5又は6記載の処理方法。
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