JP2005162516A - 多孔質シリカガラス - Google Patents

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護 山門
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    • C03B19/01Other methods of shaping glass by progressive fusion or sintering of powdered glass onto a shaping substrate, i.e. accretion, e.g. plasma oxidation deposition

Abstract

【課題】 従来のシリカガラス多孔体よりも、耐熱性、耐薬品性、断熱性等において優れた特性を発揮し、しかも、高純度かつ高強度である多孔質シリカガラスを提供する。
【解決手段】 第1の方向から見た断面が直径2.5mm以下の円形状であり、かつ、前記第1の方向と直交する第2の方向から見た断面が短径1.5mm以下、長径/短径比1.4以上の楕円形状である扁平球状の複数の気泡が、配向性を有し、閉気孔として存在し、気孔率が50%以上80%以下である多孔質シリカガラスを用いる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば、半導体製造プロセスで用いられる保温材、耐熱断熱材等として、また、高純度、耐熱性、化学的安定性が要求される流体用フィルタ、流体用ミキサー、ガス発生装置用部材等の母材として、好適に利用することができる多孔質シリカガラスに関する。
シリカガラス多孔体(発泡シリカガラス、不透明シリカガラスともいう。)は、従来から、耐熱性、断熱性に優れた特性を有していることから、半導体製造プロセスにおいて、耐熱性の保温材等として用いられている。
従来、このようなシリカガラス多孔体は、例えば、特許文献1、2等に記載されているように、天然のケイ石原料や水晶粉末に、窒化ケイ素や炭素前駆体等を発泡剤として添加し、加熱発泡させることにより製造されていた。
図3に、上記のような従来のシリカガラス多孔体の概略断面図を示す。図3に示すように、従来のシリカガラス多孔体においては、通常、気泡形態は、真円度が約1.0、すなわち、ほぼ球状であり、直径がμmオーダーである微小な気泡1’が独立した閉気孔として存在していた。
また、シリカガラス多孔体においては、含有される気泡の大きさ、形状、数等の気泡形態が、シリカガラスの均熱性、耐熱性、寸法安定性に影響を及ぼすことが知られていた。
例えば、特許文献3には、アーク溶融により製造した球状の気泡を包含するシリカガラスを加熱軟化させた後、所定方向に延伸することにより、該方向に配位した楕円球状の気泡を含有するシリカガラスが得られ、このように、気泡を楕円球状とすることにより、均熱効果を高めることができることが記載されている。
特開平10−152332号公報 特開平11−21139号公報 特開昭62−259434号公報
ところで、シリカガラス多孔体を、半導体製造プロセス、特に、高温プロセスにおいて使用するためには、耐熱性、断熱性のみならず、高純度かつ高強度であることが求められる。
しかしながら、上記のような従来のシリカガラス多孔体においては、気泡がほぼ球状であり、特に、50%を超える高い気孔率の場合には、十分な強度を得ることが困難であった。
また、このようなシリカガラス多孔体を、上記特許文献2に記載されたように、加熱し、加圧、延伸等することにより、球状気泡を楕円球状とした場合、加熱により気泡が破裂するため、目的とする多孔体を得ることは困難であり、たとえ多孔体を得ることができたとしても、高気孔率および十分な強度のものを得ることはできなかった。
さらに、上記のようなシリカガラス多孔体を可能な範囲で高気孔率で製造し、これを例えば、フッ酸液に浸漬して、開気孔を有する多孔体を製造する試みも検討されているが、このような方法によっても、高強度の多孔体を得ることは困難であった。
また、上記特許文献1、2に記載されたような発泡剤を用いて、高純度のシリカガラス多孔体を製造するためには、天然のシリカ原料のみならず、発泡剤として添加される窒化ケイ素や炭素前駆体等までも高純度に精製しなければならず、製造設備・工程が煩雑となり、コストも要するものであった。
このように、従来のシリカガラス多孔体の製造方法において、耐熱性、断熱性のみならず、高純度かつ高強度という特性を備えたものを得ることは困難であり、また、前記目的に応じた気泡形態の制御も困難であった。
本発明者らは、上記技術課題に対して検討重ねた結果、シリカガラス多孔体を製造するにあたり、何ら特別な発泡剤等を用いることなく、気泡の形成を再現性よく制御することができ、しかも、気泡含有量を広範囲で簡便に調整することができる方法を見出し、既に、特願2003−103582号において、気泡含有シリカガラス多孔体の製造方法として提案している。
本発明は、上記気泡含有シリカガラスの製造方法を用いて、特徴ある気泡形態により、従来のシリカガラス多孔体よりも、耐熱性、耐薬品性、断熱性等において優れた特性を発揮し、しかも、高純度かつ高強度である多孔質シリカガラスを提供することを目的とするものである。
本発明に係る多孔質シリカガラスは、第1の方向から見た断面が直径2.5mm以下の円形状であり、かつ、前記第1の方向と直交する第2の方向から見た断面が短径1.5mm以下、長径/短径比1.4以上の楕円形状である扁平球状の複数の気泡が、配向性を有し、閉気孔として存在し、気孔率が50%以上80%以下であることを特徴とする。
前記多孔質シリカガラスは、従来のシリカガラス多孔体よりも大きなmmオーダーの気泡を含有し、かつ、高気孔率であるにもかかわらず、気泡が扁平球状であり、配向性を有していることにより、断熱材等として用いるのに十分な強度を有している。さらに、合成シリカガラスとしての特徴である優れた耐熱性、耐薬品性だけでなく、軽量で、高純度であるという特徴をも備えているものである。
また、本発明に係る他の態様の多孔質シリカガラスは、第1の方向から見た断面が直径2.5mm以下の円形状であり、かつ、前記第1の方向と直交する第2の方向から見た断面が、短径1.5mm以下、長径/短径比1.4以上の楕円形状である扁平球状の複数の気泡が、配向性を有し、三次元的に連通して開気孔を形成し、気孔率が50%以上80%以下であることを特徴とする。
前記気泡含有シリカガラスは、上記のような連通開気孔を有していることにより、高温プロセスにおいて使用する際にも、気泡内部に存在するガスが排出されることもなく、さらに、真空状態で使用される場合においても、気泡破裂による真空破壊のおそれがなく、高温真空プロセスにおいても、耐熱性断熱材等として好適に使用することができる。
前記多孔質シリカガラスにおいては、前記第1の方向におけるガス透過量が0.8m3/cm3・hr・atm以上9m3/cm3・hr・atm以下であり、前記第2の方向におけるガス透過量が2m3/cm3・hr・atm以上10m3/cm3・hr・atm以下であり、前記第1の方向と第2の方向とでは、ガス透過量の差が10%以上であることが好ましい。
このように、配向性を有する気泡による連通開気孔を利用して、ガスまたは液体等の流通量において、異方性を発揮させることが可能であり、本発明に係る気泡含有石英ガラスは、高純度、耐熱性、化学的安定性が要求されるガスや液体のフィルタやミキサー、ガス発生装置用部材等の母材としても、好適に用いることができる。
上述のとおり、本発明に係る多孔質シリカガラスは、合成シリカガラスとしての特徴である耐熱性、耐薬品性はもちろん、配向性を有する扁平球状の気泡を含有していることにより、断熱性、特に、均一断熱性にも優れており、しかも、高純度かつ高強度である。
したがって、前記多孔質シリカガラスは、半導体製造プロセスで用いられる保温材、耐熱断熱材等として、また、高純度、耐熱性、化学的安定性が要求されるガスや液体のフィルタやミキサー、ガス発生装置用部材等の母材として、好適に利用することができる。
以下、本発明について、一部図面を参照して、より詳細に説明する。
図1に、本発明に係る多孔質シリカガラスを第1の方向から見た断面図を示す。また、図2に、前記多孔質シリカガラスを前記第1の方向と直交する第2の方向から見た断面図を示す。
本発明に係る多孔質シリカガラスに含まれる気泡1は、図1に示した第1の方向から見た断面においては、直径2.5mm以下の円形状であり、図2に示した第2の方向から見た断面においては、短径1.5mm以下、長径/短径比1.4以上(好ましくは、1.6以上)の楕円形状である扁平球状の気泡である。そして、前記複数の気泡1は、図1および図2に示したように、配向性を有する閉気孔として存在しており、該多孔質シリカガラスの気孔率は50%以上80%以下である。
ここでいう配向性とは、扁平球状の気泡の長径軸方向および短径軸方向が、いずれの気泡もほぼ同じ方向を向いていることを意味する。
また、前記気泡の形状における円形状、楕円形状とは、図1および図2に示したように、おおよその形状であり、精密な真円状、楕円状に限定されない。
このように、本発明に係る多孔質シリカガラスは、従来よりも大きなmmオーダーの気泡を含有しており、かつ、高気孔率のシリカガラス多孔体であるにもかかわらず、気泡が扁平球状であり、配向性を有していることにより、断熱材等として用いるのに十分な強度を有しており、しかも、軽量であるという優れた特徴を備えている。
多孔質シリカガラスにおいては、気孔率および気泡径が小さいほど、強度は高くなるが、断熱性は低下する。
一方、気孔率および気泡径が大きいほど、断熱性は向上するが、強度が低くなる。
したがって、本発明においては、気孔率および気泡径は、断熱性および強度等の観点から、上記範囲内であることが好ましい。
上記のような本発明に係る多孔質シリカガラスは、シリカガラス粒子を主原料として、火炎溶融法により融着させることにより得ることができる。
具体的な製造方法は、本発明者らによる特願2003−103582号に記載されている。
例えば、軟化点が1300℃以上1700℃以下のシリカガラスからなり、平均粒子径が50μm以上500μm以下、かつ、粒子の平均円形度(粒子の像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を粒子投影像周囲長で除した値)が0.9以上であるシリカガラス粒子を原料として、火炎溶融法により溶融部を1500℃以上に加熱し、前記シリカガラス粒子原料を0.5〜4.0kg/hr程度で供給しながら、ターゲット上に溶融堆積させる。
このような製造方法により、扁平球状の気泡が、配向性を有して形成され、本発明に係る多孔質シリカガラスを得ることができる。
上記製造方法により得られる多孔質シリカガラスは、発泡剤等を添加することなく、シリカガラス粒子を融着させることによりシリカガラス中に気泡を含有させたものであるため、高純度である。
さらに、上記製造過程において、ターゲット上に溶融堆積された多孔質シリカガラスを、溶融ガラス状態のうちに、外周部から延伸することにより、扁平球状の気泡の長径/短径比を大きくし、また、その配向性を向上させることも可能である。
前記多孔質シリカガラスは、各気泡間に薄膜状のシリカガラスの隔壁を介して、複数の気泡が配向性を有して存在している点に特徴を有しており、図5に示すような従来のシリカガラス多孔体のように、気泡1’が、μmオーダーと微小であり、ほぼ真球状で厚い隔壁を有する独立気泡の形態となっているのとは異なる。
なお、本発明に係る多孔質シリカガラス2を、前記第1の方向から見た断面において、気孔以外の部分、すなわち、シリカガラスが占める中実部分が、該断面積の19〜26%を占め、かつ、前記第2の方向からみた断面における同中実部分が、該断面積の9〜17%を占めていることがより好ましい。
このような気孔の構成により、より高強度の多孔質シリカガラスとすることができる。
図3および図4に、本発明に係る他の態様の多孔質シリカガラスの断面を示す。図3は、前記多孔質シリカガラスを第1の方向から見た断面図であり、図4は、前記第1の方向と直交する第2の方向から見た断面図である。
図3および図4に示す多孔質シリカガラスは、図1および図2に示したような扁平球状の各気泡1間の薄膜状のシリカガラスの隔壁2部を開口させ、連通孔3を形成させたものである。そして、前記連通孔3は、シリカガラス表面にまで通じる開気孔として形成されている。
上記のような連通開気孔は、上記図1に示したような多孔質シリカガラスを、フッ化水素酸等を用いてエッチング処理することにより、容易に形成することができる。
すなわち、前記エッチング処理により、各気泡間の薄膜状の隔壁2が除去され、開口することにより、連通開気孔が形成される。
なお、前記薄膜状の隔壁2の厚さは、4〜10μm程度であることが好ましい。
気泡間の隔壁2の厚さが上記範囲内であれば、フッ化水素酸等を用いたエッチング処理により、容易に連通する開気孔を形成することができる。
上記のように連通開気孔を形成することにより、該多孔質シリカガラスを高温プロセスにおいて使用する際にも、気泡内部に存在するガスが排出されることもなく、さらに、真空状態で使用される場合においても、気泡破裂による真空破壊のおそれがなく、かつ、高強度であるため、高温真空プロセスにおいても、耐熱性断熱材等として好適に使用することができる。
上記のような連通開気孔を有する多孔質シリカガラスにおいては、前記第1の方向におけるガス透過量が0.8m3/cm3・hr・atm以上9m3/cm3・hr・atm以下であり、前記第2の方向におけるガス透過量が2m3/cm3・hr・atm以上10m3/cm3・hr・atm以下であり、前記第1の方向と第2の方向とでは、ガス透過量の差が10%以上であることが好ましい。
このように、配向性を有する気泡による連通開気孔を利用して、ガスまたは液体等の流通量の異方性を発揮させることが可能であり、本発明に係る多孔質石英ガラスは、高純度、耐熱性、化学的安定性が要求されるガスや液体のフィルタやミキサー、ガス発生装置用部材等の母材としても、好適に用いることができる。
さらに、上記のような連通開気孔を有する多孔質シリカガラスは、その表層を、他のセラミックス材で容易に被覆することができる。
前記多孔質シリカガラスの表面は、無数の開気孔が形成されており、その気孔を形成する薄層の隔壁が連続した組織構造となっている。このため、熱膨張係数の異なる他のセラミックス材により被覆した場合であっても、接着面積が大きく、しかも、熱膨張係数の差異による応力を分散させることができる。
したがって、繰り返して加熱・冷却を長時間受けた場合であっても、被膜の剥離は生じ難い。
例えば、前記多孔質シリカガラスを炭化ケイ素により被覆したものは、被膜が剥離し難いことに加えて、母材が多孔質シリカガラスであるため、軽量かつ断熱性に優れ、しかも、被膜が炭化ケイ素であるため、耐食性かつ強度に優れており、さらに、不純物拡散抑止性にも優れた材料として用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
気相溶融法によって製造したシリカガラス粒子20kgを、原料供給用テーブルフィーダを用いて、供給速度1kg/hrで、水素ガス流量15.0m3/hr、酸素ガス流量7.5m3/hrの酸水素火炎中に投入し、カーボン製ターゲット上に溶融堆積させ、18kg(収率90%)のシリカガラスインゴットを得た。
前記シリカガラスインゴットは、白色で、気泡を含有していた。その密度は0.78g/cm3であった。
前記インゴットをスライスして、光学顕微鏡で観察したところ、含まれる気泡は、第1の方向から見た断面が直径0.48mm以上2.10mm以下の円形状であり、かつ、前記第1の方向と直交する第2の方向から見た断面が短径0.25mm以上0.97mm以下、長径/短径比1.47〜4.6(平均2.23)の楕円形状である扁平球状であり、これらの複数の気泡は、配向性を有して、閉気孔として存在していた。
また、前記インゴットの一部をフッ硝酸に溶解させた後、蒸発乾固してシリカ分を揮散させ、その残渣を硝酸で溶解させた液について、ICP−AES装置を用いて、同定および定量分析を行ったところ、下記の表1に示すような結果が得られ、高純度の多孔質シリカガラスが生成していることが認められた。
上記により得られた多孔質シリカガラスを厚さ5mmにスライスし、49%フッ化水素酸で20分間エッチング処理を行ったところ、90%以上の気泡が連通し、連通開気孔が形成されていることが認められた。
この多孔質シリカガラスについて、酸素ガスにより、ガス透過量を測定したところ、前記第1の方向におけるガス透過量は7.4m3/cm3・hr・atmであり、前記第2の方向におけるガス透過量は5.7m3/cm3・hr・atmであり、第1の方向の方が、第2の方向よりもガス透過量が大きいという異方性が認められた。
なお、前記製造過程において、ターゲット上の溶融状態の多孔質シリカガラスを外周方向に速度90mm/hrで延伸したところ、該延伸方向を長径として、長径1.5mm、長径/短径比3.0の気泡を含有するシリカガラスが得られた。
[実施例2]
原料の供給速度を3kg/hrとし、それ以外については、実施例1と同様にして、シリカガラスインゴットを製造した。
得られたシリカガラスインゴットは、白色で、気泡を含有していた。その密度は1.5g/cm3であった。
前記インゴットをスライスして、光学顕微鏡で観察したところ、含まれる気泡は、第1の方向から見た断面が直径0.31mm以上0.89mm以下の円形状であり、かつ、前記第1の方向と直交する第2の方向から見た断面が短径0.21mm以上0.60mm以下、長径/短径比平均2.23の楕円形状である扁平球状であり、これらの複数の気泡は、配向性を有して、閉気孔として存在していた。
[実施例3]
実施例1と同じシリカガラス粒子を下記の湿式法により高純度化処理した。
すなわち、前記シリカガラス粒子をポリエチレン製の容器に充填し、王水(濃塩酸と濃硝酸を容積比3:1で混合したもの)を加えて、PTFEコートした撹拌羽根で数時間撹拌した。これを静置した後、沈殿の上澄み液を系外に排出した。
そして、純水を加えて、撹拌、静置、上澄み液の排出を繰り返した後、シリカガラス粒子を純水で洗浄した。洗浄水のpHが4を超えた時点で洗浄を中止した。
シリカガラス粒子をろ過した後、200℃で乾燥して、高純度のシリカガラス粒子を得た。
上記のようにして得られた高純度シリカガラス粒子を用いて、それ以外については、実施例1と同様にして、酸水素火炎を用いた火炎溶融法によりシリカガラスインゴットを製造した。
得られたシリカガラスインゴットは、白色で、気泡を含有していた。その密度は0.8g/cm3であった。
前記インゴットをスライスして、光学顕微鏡で観察したところ、含まれる気泡は、第1の方向から見た断面が直径0.45mm以上2.07mm以下の円形状であり、かつ、前記第1の方向と直交する第2の方向から見た断面が短径0.24mm以上0.95mm以下、長径/短径比平均2.1の楕円形状である扁平球状であり、これらの複数の気泡は、配向性を有して、閉気孔として存在していた。
さらに、実施例1と同様にして、前記インゴットの化学分析を行ったところ、下記の表1に示すような結果が得られた。高純度化処理したシリカガラス粒子原料を用いたため、実施例1に比べてはるかに高純度の多孔質シリカガラスが得られた。
[比較例1]
天然のケイ石原料に窒化ケイ素を添加して加熱発泡させて、多孔質シリカガラスを製造した(特許文献1参照)。
得られたシリカガラスをスライスして、光学顕微鏡で観察したところ、含まれる気泡は、直径28〜209μmであり、長径/短径比1.15とほぼ真球状であり、各気泡は厚い隔壁に囲まれて、独立した状態であった。
また、実施例1と同様にして、前記インゴットの化学分析を行ったところ、下記の表1に示すような結果が得られ、特に、Al、Na、K、Li、Caの不純物濃度が高かった。
さらに、前記シリカガラスについて、実施例1と同様にして、フッ化水素酸によりエッチング処理を行ったが、気泡間の隔壁が厚く、長時間処理しても、一部の隔壁を残したままの状態で、連通孔を形成することは困難であった。
Figure 2005162516
[実施例4]
実施例1と同様にして、製造およびエッチング処理を施した厚さ10mmの多孔質シリカガラス板を、熱CVD法により、炉内温度1170℃、流入ガスSiCl42g/min.、C380.6g/min.、H2250g/min.、処理時間60min.の条件で、炭化ケイ素で被覆したところ、厚さ10μmの炭化ケイ素被膜が形成された。
この炭化ケイ素により被覆した多孔質シリカガラスについて、200℃/min.で昇降温し、常温〜1000℃の熱サイクルテストを10回連続して行った。
その結果、炭化ケイ素被膜の剥離、組成の変化は認められず、耐熱衝撃性にも優れていることが認められた。
本発明に係る多孔質シリカガラスを第1の方向から見た断面図である。 図1に示した多孔質シリカガラスを第2の方向から見た断面図である。 本発明に係る他の態様の多孔質シリカガラスを第1の方向から見た断面図である。 図2に示した多孔質シリカガラスを第2の方向から見た断面図である。 従来のシリカガラス多孔体の断面図である。
符号の説明
1、1’ 気泡
2 隔壁
3 連通孔

Claims (3)

  1. 第1の方向から見た断面が直径2.5mm以下の円形状であり、かつ、前記第1の方向と直交する第2の方向から見た断面が短径1.5mm以下、長径/短径比1.4以上の楕円形状である扁平球状の複数の気泡が、配向性を有し、閉気孔として存在し、気孔率が50%以上80%以下であることを特徴とする多孔質シリカガラス。
  2. 第1の方向から見た断面が直径2.5mm以下の円形状であり、かつ、前記第1の方向と直交する第2の方向から見た断面が、短径1.5mm以下、長径/短径比1.4以上の楕円形状である扁平球状の複数の気泡が、配向性を有し、三次元的に連通して開気孔を形成し、気孔率が50%以上80%以下であることを特徴とする多孔質シリカガラス。
  3. 前記第1の方向におけるガス透過量が0.8m3/cm3・hr・atm以上9m3/cm3・hr・atm以下であり、前記第2の方向におけるガス透過量が2m3/cm3・hr・atm以上10m3/cm3・hr・atm以下であり、前記第1の方向と第2の方向とでは、ガス透過量の差が10%以上であることを特徴とする請求項2記載の多孔質シリカガラス。
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