JP2005162259A - ティッシュペーパー用包装箱 - Google Patents
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Abstract
【課題】 空箱からフィルムを剥がすことなく、処理ができるティッシュペーパー用包装箱を提供する。
【解決手段】 ティッシュペーパーの取り出し口の開口部にスリットの入った生分解性ポリマーからなるフィルムが設けられていることを特徴とするティッシュペーパー用包装箱。生分解性ポリマーが、生分解性脂肪族ポリエステル、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、生分解性ポリエステルカーボネート共重合体から選ばれる1種類以上のポリマーであることを特徴とする上記ティッシュペーパー用包装箱。生分解性ポリマーが、ポリ乳酸とガラス転移温度が0℃以下の生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとからなることを特徴とする上記ティッシュペーパー用包装箱。
【選択図】 なし
【解決手段】 ティッシュペーパーの取り出し口の開口部にスリットの入った生分解性ポリマーからなるフィルムが設けられていることを特徴とするティッシュペーパー用包装箱。生分解性ポリマーが、生分解性脂肪族ポリエステル、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、生分解性ポリエステルカーボネート共重合体から選ばれる1種類以上のポリマーであることを特徴とする上記ティッシュペーパー用包装箱。生分解性ポリマーが、ポリ乳酸とガラス転移温度が0℃以下の生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとからなることを特徴とする上記ティッシュペーパー用包装箱。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ティッシュペーパー用包装箱に関するものである。
従来、ティッシュペーパーは直方体の形状をした紙製の包装箱に収納され、該箱の上面には、ティッシュペーパーを取り出すための開口部が設けられ、その開口部には、スリットの入ったポリエチレン等のプラスチックフィルムが貼着されているのが一般的である。そして、ティッシュペーパーが消費された後の空箱は、ゴミとして廃棄されているのが実情であるが、近年、資源の再利用(再生)は比較的容易で、かかる空箱も再利用の期待は大きい。しかし、かかる空箱には、上記の如くプラスチックフィルムが貼着されているため、再利用時にはフィルムを空箱から剥がしてプラスチックゴミとして分別する必要があった。
そこで、空箱の再生利用が簡単にできるように、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを用いたティッシュペーパー用包装箱が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、水溶性であるため、使用時の耐水性に問題があった。また、近年の環境保存に関する社会的要求の高まりに伴い、包装材料として使用されるフィルムは生分解性ポリマーにて形成されることが望まれている。
特開2001−171760号
本発明の課題は、上記のような問題を解決し、空箱からフィルムを剥がすことなく処理ができるティッシュペーパー用包装箱を提供することにある。
本発明者らは、ティッシュペーパーの取り出し口の開口部に設けるフィルムとして、生分解性ポリマーからなるフィルムを使用することで上記課題が解決できることを見出して、本発明を完成した。すなわち本発明はの要旨は下記のとおりである。
(1) ティッシュペーパーの取り出し口の開口部にスリットの入った生分解性ポリマーからなるフィルムが設けられていることを特徴とするティッシュペーパー用包装箱。
(2) 生分解性ポリマーが、生分解性脂肪族ポリエステル、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、生分解性ポリエステルカーボネート共重合体から選ばれる1種類以上のポリマーであることを特徴とする(1)記載のティッシュペーパー用包装箱。
(3) 生分解性ポリマーが、ポリ乳酸とガラス転移温度が0℃以下の生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとからなることを特徴とする(1)記載のティッシュペーパー用包装箱。
(1) ティッシュペーパーの取り出し口の開口部にスリットの入った生分解性ポリマーからなるフィルムが設けられていることを特徴とするティッシュペーパー用包装箱。
(2) 生分解性ポリマーが、生分解性脂肪族ポリエステル、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、生分解性ポリエステルカーボネート共重合体から選ばれる1種類以上のポリマーであることを特徴とする(1)記載のティッシュペーパー用包装箱。
(3) 生分解性ポリマーが、ポリ乳酸とガラス転移温度が0℃以下の生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとからなることを特徴とする(1)記載のティッシュペーパー用包装箱。
本発明のティッシュペーパー用包装箱は、ティッシュペーパーの取り出し開口部にスリットの入った生分解性ポリマーからなるフィルムを設けたので、使用済みの空箱からフィルムを剥がすことなく処理をすることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、ティッシュペーパー用包装箱にティッシュペーパーの取り出し口の開口部にスリットの入った生分解性ポリマーからなるフィルムが設けられていることを特徴とする。本発明に用いられる生分解性ポリマーは、フィルムとして成形加工でき、かつ生分解性を有していれば特に限定されるものではない。生分解性ポリマーとしては、例えばデンプン、セルロース、キチン、キトサン、タンパク質系ポリマーといった天然高分子やヒドロキシブチレート共重合体や微生物多糖類といった微生物分解性のもの、また、デンプンとのブレンド体などが挙げられる。また、生分解性合成高分子として、ポリ乳酸(PLA)やポリグリコール酸、ポリラクトン類といった脂肪族ポリエステル、脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、ポリエステルカーボネートやポリエステルエーテルなどの生分解性コポリマー、脂肪族ポリエステルとポリアミドの共重合体などが挙げられる。特に、フィルムとしての加工性や取扱いやすさから、生分解性脂肪族ポリエステル、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、生分解性ポリエステルカーボネート共重合体から選ばれる1種類以上のポリマーであることが好ましい。
生分解性脂肪族ポリエステルとしては、ポリ(α−ヒドロキシ酸)のようなポリグリコール酸やポリ乳酸からなる重合体またはこれらの共重合体、また、ポリ(ε−カプロラクトン、ポリ(β−プロキオラクトン)のようなポリラクトン類、さらに、ポリ−3−ヒドロキシプロピオネート、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリ−3−ヒドロキシカプロレート、ポリ−3−ヒドロキシヘプタノエート、ポリ−3−ヒドロキシオクタノエート、ポリ−3−ヒドロキシバリレート、ポリ−4−ヒドロキシブチレートまたは、これらの共重合体のようなポリ(α−ヒドキシアルカノエート)が挙げられる。また、グリコールとカルボン酸の縮重合体からなるポリマーも挙げられ、例えば、ポリエチレンオキサレート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリブチレンオキサレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンセバケート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリネオペンチルオキサレート、またはこれらの共重合体が挙げられる。これらの生分解性脂肪族ポリエステルには、生分解性に影響を与えない範囲で、ウレタン結合、アミド結合、エーテル結合などを導入することができる。
これらの生分解性脂肪族ポリエステルの中でも、融点が高いことから十分な耐熱性を有し、比較的安価であるポリ乳酸は、天然物から得られることもあって実用性に優れたポリマーとして期待されている。ポリ乳酸としては、乳酸の構造単位がL−乳酸であるポリL−乳酸、構造単位がD−乳酸であるポリD−乳酸、L−乳酸とD−乳酸との共重合体であるポリDL−乳酸、乳酸またはラクチドと他のヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸、ジオール、環状ラクトンとの共重合体、またはこれらの混合体が挙げられる。ポリ乳酸の数平均分子量は、5万から30万の範囲であることが好ましく、8万から15万であることがより好ましい。数平均分子量が5万未満の場合は、得られるフィルムの機械的強度が不十分となり、また、延伸や巻取の工程中での切断も頻繁に起こり、操業性の低下を招く。一方、数平均分子量が30万を超えると、加熱溶融時の流動性が乏しくなって製膜性が低下する。
本発明において生分解性ポリマーとして用いられる生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとしては、脂肪族成分と芳香族成分を有するものであればよく、例えば、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸類、カプロラクトン、ブチロラクトン、ラクチド、グリコリドなどの環状ラクトン類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビス−ヒドロキシメチルベンゼン、トルエンジオールなどのジオール類、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸類、環状酸無水物類、オキシラン類を成分とした脂肪族成分と芳香族成分とを有する共重合体が挙げられる。中でも脂肪族成分として1,4−ブタンジオールとアジピン酸、芳香族成分としてテレフタル酸を有する共重合ポリエステルが好ましい。また、これらにも、生分解性に影響を与えない範囲で、ウレタン結合、アミド結合、エーテル結合などを導入することができる。
上記脂肪族−芳香族共重合ポリエステルは、ガラス転移温度が0℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が0℃よりも高いと、フィルムに十分な柔軟性を付与できなくなる。
また、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルは、数平均分子量で2万以上あることが好ましく、10万から30万の高分子量であることがより好ましい。また、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの重合方法については、特に限定されないが、縮合重合法、開環重合法などが挙げられる。また、重合時もしくは重合直後に、他の重合体、モノマー、オリゴマー成分などの副成分を加え、さらに重合を進める方法も可能である。
本発明における生分解性ポリエステルカーボネート共重合体は、ジカルボン酸類、ジオール類、ヒドロキシカルボン酸類、酸無水物類等を反応させて得られるポリエステルとカーボネート化合物とを反応させて得られるものである。
ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などを適宜併用することができる。これらのジカルボン酸は、それらのエステルあるいは酸無水物であってもよい。
ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビス−ヒドロキシメチルベンゼン、トルエンジオールなどを適宜併用することができる。
ヒドロキシカルボン酸化合物としては、乳酸、グリコール酸、α−ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシピバリン酸、ヒドキシ吉草酸などが挙げられ、これらはエステル、環状エステルなどの誘導体でも使用できる。
これらのジカルボン酸、ジオールおよびヒドロキシカルボン酸化合物は、それぞれ単独であるいは混合物として用いることができ、任意の組合せが可能である。本発明においては、ジオールとして1,4−ブタンジオールを用い、ジカルボン酸としてコハク酸、アジピン酸を用いることが好ましい。
また、カーボネート化合物の具体的な例としては、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネートなどのジアリールカーボネートや、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジアミルカーボネート、ジオクチルカーボネートなどのカーボネート化合物が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、上記の同種のヒドロキシ化合物からなるカーボネート化合物のほかに、異種のヒドロキシ化合物からなる非対称カーボネート化合物や環状カーボネート化合物も使用できる。
本発明における生分解性ポリマーとしては、生分解性脂肪族ポリエステル、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、生分解性ポリエステルカーボネート共重合体をそれぞれ単独で使用してもよく、また2種以上のものを混合して使用してもよい。2種以上を混合する場合、生分解性脂肪族ポリエステルとしてポリ乳酸を用い、また生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとしてガラス転移温度が0℃以下のものを用いると、得られるフィルムに柔軟性を付与できるので好ましい。
本発明に使用されるフィルムにおいては、適度な柔軟性を付与して、ティッシュペーパーを取り出し易くすることが好ましい。フィルムに柔軟性を付与するための手段としては、柔軟なポリマーを用いる方法、このポリマーを添加する方法、他成分を共重合する方法、さらに、可塑剤を添加する方法がある。
添加する可塑剤としては、生分解性ポリマーに対して相溶し、かつ、不揮発性であり、環境問題などの観点から無毒性であるものが好ましい。具体的には、エーテルエステル系可塑剤、オキシ酸エステル系可塑剤が挙げられる。エーテルエステル系可塑剤としては、例えば、ビスメチルエチレングリコールアジペート、ビスブチルジエチレングリコールアジペートなどが挙げられる。また、オキシ酸エステル系可塑剤としては、アセチルクエン酸トリブチルなどが挙げられる。可塑剤は2種類以上を混合して使用することもできる。
本発明において、生分解性ポリマーに無機質充填材を配合してもよい。無機質充填材を配合すると、これが結晶核剤となり、生分解性ポリマーの製膜性が良好になる。また、製膜時のフィルムのブロッキングを抑制し、フィルムに滑り性を付与することができる。
無機質充填材は結晶核剤及び滑剤として作用するものであればよい。具体的には、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、マイカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、ゼオライト、クレー、ガラスビーズなどが挙げられるが、一般的な無機質充填材が使用できる。
無機質充填材を配合する場合に、有機滑剤を併用してもよい。有機滑剤の具体例としては、例えば、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、天然パラフィン、合成パラフィンなどの脂肪族炭化水素系滑剤、ステアリン酸、ラウリル酸、ヒドロキシステアリン酸、硬化ひまし油などの脂肪酸系滑剤、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスラウリル酸アミドなどの脂肪酸アミド系滑剤、ステアリン酸アルミ、ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどの炭素数12〜30の脂肪酸金属塩である金属石鹸系滑剤、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどの多価アルコールの脂肪酸(部分)エステル系滑剤、または、これらを複合した複合滑剤などが挙げられる。
本発明において、フィルムを構成する生分解性ポリマーには、製膜時の溶融張力の低下を抑制する目的で、必要に応じて有機過酸化物などの架橋剤及び架橋助剤を併用して、軽度の架橋を施してもよい。架橋剤としては、有機化酸化物、多価カルボン酸、金属錯体、エボキシ化合物、イソシアネート化合物が挙げられる。また、架橋助剤としては、グリシジルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレートなどが挙げられる。
本発明に用いられるフィルムには、本発明の効果を妨げない範囲で、紫外線防止剤、光安定剤、帯電防止剤、酸化防止剤などの上記以外の添加剤も添加できる。
本発明に用いられるフィルムの厚みは、特に限定されないが、10〜60μm、特には15〜50μmが好ましい。厚みが10μm未満では、機械的強度が低下し、また、包装箱の製造時の作業性も悪くなり、逆に60μmを超えると包装箱の製造時の作業性が悪くなる。
本発明において生分解性ポリマーからフィルムを製造する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用することができる。例えば、Tダイ法やインフレーション法といったエキストルージョン(溶融押出)法、キャスティング(溶液流延)法、カレンダー法など任意の方法を採用することができる。特に、フィルムの製造法としては、Tダイ法やインフレーション法が好ましい。
以下、フィルムの製造方法について、生分解性ポリマーとして、ポリ乳酸とガラス転移温度が0℃以下の生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとを用いる場合を一例に挙げて説明する。まず、ポリ乳酸と、ガラス転移温度が0℃以下の生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルと、可塑剤と、無機質充填材とを所定量配合して、2軸混練押出機にて溶融混練し、コンパウンドペレットを作成する。2軸混練押出機におけるポリマー溶融温度は、ポリ乳酸の溶融温度200℃から240℃の温度範囲で適時選択される。次にコンパウンドペレットを乾燥した後、インフレーション製膜法によりフィルム化する。すなわち、乾燥後のコンパウンドペレットを1軸混練押出機に投入し、溶融したポリマーを丸ダイからチューブ状に引き上げ、空冷しながら同時に風船状に膨らまして製膜・フィルム化する。1軸混練押出機におけるポリマーの溶融温度は、L−乳酸とD−乳酸の組成比、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの融点、その配合量、及び可塑剤の配合量を考慮して適時選択されるが、通常は160〜200℃の温度範囲である。
次に、実施例を挙げて本発明を説明する。ただし、必ずしもこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本発明における評価方法は、以下のとおりである。
(1)実用耐性:
ティッシュペーパーを充填したティッシュペーパー用包装箱を作成し、スリットが設けられた取り出し開口部から充填された全てのティッシュペーパーを2枚一組ずつ取り出した時の、フィルムの状態を以下のように判断した。
○:全く問題なく取り出せる。
△:若干のひっかかりやフィルムに破損があった。
×:最後まで取り出せない。
ティッシュペーパーを充填したティッシュペーパー用包装箱を作成し、スリットが設けられた取り出し開口部から充填された全てのティッシュペーパーを2枚一組ずつ取り出した時の、フィルムの状態を以下のように判断した。
○:全く問題なく取り出せる。
△:若干のひっかかりやフィルムに破損があった。
×:最後まで取り出せない。
(2)アルカリ加水分解性:
フィルムを50×50mmに切り出し、1N NaOH水溶液に50℃で24時間浸漬させた後のフィルムの状態を以下のように目視にて判断した。
○:完全に形状が分解。
△:ほぼ形状が分解。
×:ほとんど分解しない。
フィルムを50×50mmに切り出し、1N NaOH水溶液に50℃で24時間浸漬させた後のフィルムの状態を以下のように目視にて判断した。
○:完全に形状が分解。
△:ほぼ形状が分解。
×:ほとんど分解しない。
実施例1
ポリ乳酸として、D−乳酸の含有量が1.2モル%で質量平均分子量が20万の結晶性ポリ乳酸(カーギル・ダウ社製 Nature Works)70質量%とD−乳酸の含有量が10モル%で質量平均分子量が20万の非晶性ポリ乳酸(カーギル・ダウ社製 Nature Works)30質量%とを配合したものを用いた。
ポリ乳酸として、D−乳酸の含有量が1.2モル%で質量平均分子量が20万の結晶性ポリ乳酸(カーギル・ダウ社製 Nature Works)70質量%とD−乳酸の含有量が10モル%で質量平均分子量が20万の非晶性ポリ乳酸(カーギル・ダウ社製 Nature Works)30質量%とを配合したものを用いた。
ポリ乳酸配合物60質量部と、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとしてポリブチレンアジペートテレフタレート(BASF社製 エコフレックスF、ガラス転移温度−30℃)40質量部とからなる生分解性ポリマーに、可塑剤としてビスメチルジエチレングリコールアジペート(大八化学社製 MXA)と、無機質充填材として平均粒子径が2.75μmのタルク(林化成社製 Mw HST)とを配合し、2軸押出混練機を用いて溶融混練し、押出温度230℃にてポリ乳酸系コンパウンド原料を作製した。なお、ビスメチルジエチレングリコールアジペートとタルクは、コンパウンド原料における含有量がそれぞれ8質量%と15質量%になるように配合した。
次いで、このポリ乳酸系コンパウンド原料を、直径100mmの口径を有するサーキュラーダイを装着したスクリュー径50mmの一軸押出機を用いて、設定温度190℃にて溶融押出を行った。そしてダイより吐出された溶融物を、空気圧によって膨張させると同時にエアリングによる空冷をしながら、チューブ状のフィルムに形成した。なお、フィルム化は25〜30℃に温度調節された環境下で実施した。
得られたチューブ状のフィルムを、ダイ上部に設置された一組のピンチロールによって20m/minの速度で引き取り、約7秒の冷却時間を経た後、チューブ状のフィルムをピンチロールによってニップし、巻取り機によって100m巻取り、厚さが40μm、フィルム折り幅が250mmであるフィルムを作成した。
得られたフィルムにスリット部を設け、これを所望の展開形状に打ち抜かれた紙製カートンの取り出し口開口部の裏側に、天然ゴム系の接着剤を用いて貼着して、ティッシュペーパーを充填したティッシュペーパー用包装箱を得た。評価結果を表1に示す。
実施例2
生分解性ポリマーとして、ポリブチレンアジペートテレフタレート(BASF社製 エコフレックスF)のみを用い、押出機の設定温度を160℃とし、それ以外は実施例1と同様にして、厚さ40μmのフィルムを得た。また、実施例1と同様にティッシュペーパーを充填したティッシュペーパー用包装箱を得た。評価結果を表1に示す。
生分解性ポリマーとして、ポリブチレンアジペートテレフタレート(BASF社製 エコフレックスF)のみを用い、押出機の設定温度を160℃とし、それ以外は実施例1と同様にして、厚さ40μmのフィルムを得た。また、実施例1と同様にティッシュペーパーを充填したティッシュペーパー用包装箱を得た。評価結果を表1に示す。
実施例3
ポリ乳酸(カーギル・ダウ社製 Nature Works)80質量部と脂肪族ポリエステルであるポリブチレンサクシネートアジペート(昭和高分子社製 ビオノーレ#3001)20質量部をブレンドした生分解性ポリマーを用い、これに表面滑剤として平均粒子径1.8μmの凝集シリカを0.08質量部添加した以外は、実施例1と同様にして厚さ40μmのフィルムを得た。また、かかるフィルムを用いて実施例1と同様にして、ティッシュペーパーを充填したティッシュペーパー用包装箱を得た。評価結果を表1に示す。
ポリ乳酸(カーギル・ダウ社製 Nature Works)80質量部と脂肪族ポリエステルであるポリブチレンサクシネートアジペート(昭和高分子社製 ビオノーレ#3001)20質量部をブレンドした生分解性ポリマーを用い、これに表面滑剤として平均粒子径1.8μmの凝集シリカを0.08質量部添加した以外は、実施例1と同様にして厚さ40μmのフィルムを得た。また、かかるフィルムを用いて実施例1と同様にして、ティッシュペーパーを充填したティッシュペーパー用包装箱を得た。評価結果を表1に示す。
比較例1
市販の厚さ40μmのポリエチレンフィルム(東セロ社製 T.U.X−VC)を用い、実施例1と同様にして、ティッシュペーパーを充填したティッシュペーパー用包装箱を得た。評価結果を表1に示す。
市販の厚さ40μmのポリエチレンフィルム(東セロ社製 T.U.X−VC)を用い、実施例1と同様にして、ティッシュペーパーを充填したティッシュペーパー用包装箱を得た。評価結果を表1に示す。
実施例1から3のフィルムは、ティッシュペーパー用包装箱のフィルムとして、実用的に全く問題なく、また良好なアルカリ加水分解性を示した。比較例1のフィルムは、実用的には全く問題ないが、アルカリ加水分解性において劣っていた。
Claims (3)
- ティッシュペーパーの取り出し口の開口部にスリットの入った生分解性ポリマーからなるフィルムが設けられていることを特徴とするティッシュペーパー用包装箱。
- 生分解性ポリマーが、生分解性脂肪族ポリエステル、生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、生分解性ポリエステルカーボネート共重合体から選ばれる1種類以上のポリマーであることを特徴とする請求項1記載のティッシュペーパー用包装箱。
- 生分解性ポリマーが、ポリ乳酸とガラス転移温度が0℃以下の生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとからなることを特徴とする請求項1記載のティッシュペーパー用包装箱。
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Cited By (2)
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JP2010275010A (ja) * | 2009-06-01 | 2010-12-09 | Daio Paper Corp | 衛生薄葉紙収納製品 |
CN101328308B (zh) * | 2008-07-29 | 2011-05-11 | 武汉理工大学 | 高韧性可全生物降解聚乳酸薄膜及其制备方法 |
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- 2003-12-02 JP JP2003403105A patent/JP2005162259A/ja active Pending
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