JP2005161403A - 液体用容器およびその使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 容器内の溶融金属を外部へ排出する場合に、溶融金属の特性を悪化させず、取り扱いにおいて安全性の優れた取鍋等の液体用容器を提供する。
【解決手段】 溶融金属を搬送するための取鍋であり、溶融金属を貯蔵するための取鍋本体部10と、取鍋本体部から溶融金属を排出するためのサイフォン部本体30とを有している。サイフォン部本体30は、その中間に位置する中間容器と、入口管32と、出口管33とを有している。入口管32は、一端である開口部46が中間容器よりも低く、取鍋本体部10の内部である貯蔵部11に位置し、他端が中間容器に接続されている。また、出口管33は、一端である開口部45が中間容器よりも低く、取鍋本体部10の外部に位置し、他端が中間容器31に接続されている。さらに、中間容器には、自身内部の気体を吸引する真空ポンプが備えられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばアルミニウム等の溶融金属や薬液等の液体を搬送するための液体用容器およびその使用方法に関するものである。
従来から、アルミニウム精錬工場内においてアルミニウム等の溶融金属を炉から取り出し、溶融金属取鍋に入れ、フォークリフト等により工場内等を運搬している。運搬したアルミニウム等の溶融金属は、所定の形状になるように成型が行われる。溶融金属取鍋から、溶融金属を、直接鋳型に、もしくは、一旦小型の保持炉に移す。
溶融金属取鍋から他の容器等へ溶融金属を排出する場合、フォークリフトのフォーク部を回転させて、取鍋自体を大きく傾ける方法が一般的である。
しかし、このように、取鍋自体を大きく傾ける場合、溶融金属が所定の容器内からずれてこぼれたりすることがあった。特に、溶融金属は高温であり、非常に危険を伴う。
このため、例えば、特許文献1,2では、容器内に圧力を加えることで保持炉に溶融金属を排出する差圧式の溶融金属排出システム(以下、加圧方式とよぶ)が開示されている。
図12は、状来の溶融金属取鍋80の構成を示した断面図である。取鍋80は、溶融金属を貯蔵する貯蔵部84と、溶融金属を排出するための排出管81と、貯蔵部84内に大気圧よりも高圧の気体を送り込む配管83とを有している。また、排出管81の先端部には、溶融金属を放出する開放口82が形成されている。貯蔵部84には溶融金属が貯蔵されており、溶融金属の液面85は排出管81内に位置している。
図12で示されるように、配管83から高圧気体が貯蔵部84に送り込まれると、排出管81における溶融金属の液面85は上昇し、やがて、開放口82に到達する。これにより、溶融金属は開放口82から排出される。
特開2002−316258号公報(2002年10月29日公開) 特開2002−316256号公報(2002年10月29日公開)
しかしながら、図12に示されるような取鍋80では、以下のような問題があった。
溶融金属を開放口82から排出するためには、貯蔵部84に高圧の気体を送り続ける必要がある。そのため、貯蔵部84内では、高圧の気体と溶融金属とが共存し続けることとなり、溶融金属中に気泡が混入しやすくなる。これにより、溶融金属の密度が低下し、溶融金属の特性を悪化させる問題がある。溶融金属中に気泡が混入したまま、鋳型成型を行うと、気泡を取り込んだまま成型されてしまい、成型体の密度も低く、強度が弱くなる。
さらに、取鍋内の溶融金属の残量が少ない場合にも貯蔵部84内に高圧気体を送り続けると、高圧気体が高温の溶融金属とともに、開放口82から噴射されるおそれがあり、安全面から該噴射の防止対策が必要であった。例えば、噴射が生じる前に、相当量の溶融金属を残した状態で溶融金属の排出を停止したり、噴射される溶融金属の飛散防止用の板の設置等である。
また、溶融金属の取鍋に限らず、薬剤等の液体の容器であっても、加圧によって、容器内の液体を外部に排出する場合、上記と同様に、液体への気泡の混入による液体の特性悪化および液体の噴射の問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、容器内の液体を外部へ排出する場合に、液体の特性を悪化させず、液体の噴射のない液体用容器およびその使用方法を提供することにある。
本発明の液体用容器は、上記の課題を解決するために、液体を搬送するための液体用容器であって、液体を貯蔵するための容器本体部と、前記容器本体部から液体を排出するためのサイフォン部とを有しており、前記サイフォン部は、第1の管と、第2の管と、小容器とを備え、前記第1の管の第1開口部および前記第2の管の第1開口部は、小容器の内部と通じるように、小容器と接続されており、前記第1の管の第2開口部は、前記容器本体部の内部であり、かつ、小容器よりも低い位置にあり、前記第2の管の第2開口部は、前記容器本体部の外部であり、かつ、前記第1の管の第2開口部よりも低い位置にあり、前記小容器の内部の気体を吸引する吸引手段を備えていることを特徴としている。
ここで、サイフォンとは、大気圧を利用して、液体をいったん高所に上げて低所に移すために使う曲管のことである。また、サイフォン部が備える小容器とは、液体を排出するときに、該曲管の一部において、排出される液体をいったん溜めることができ、かつ、気体も溜めることのできる溜り部のことである。
上記の構成によれば、液体用容器は、サイフォン部を有しているため、該サイフォン部をサイフォンとして機能させ、大気圧を利用して、容器本体部に貯蔵された液体を液体用容器の外部へ排出することができる。このように、大気圧を利用して、容器本体部に貯蔵された液体を液体用容器の外部へ排出する状態をサイフォン状態とよぶ。
ここで、サイフォン部は、小容器と第1、第2の管とを有している。そして、第1、第2の管のそれぞれの第1開口部が、小容器の内部と通じるように、小容器と接続されている。よって、第1の管、小容器、および第2の管は、この順で、中空が連続しており、液体を流すことができる。
また、小容器と接続されていない側の第1の管の第2開口部は、小容器よりも低所に位置しており、かつ、容器本体部の内部に位置している。また、小容器と接続されていない側の第2の管の第2開口部は、容器本体部の外部に位置しており、かつ、第1の管の第2開口部よりも低い位置にある。そのため、サイフォン部は、大気圧を利用して、容器本体部に貯蔵された液体を、第1の管の第2開口部から該開口部よりも高所に位置する小容器に上げ、第2の管の第2開口部より排出させることができる。
このように、容器本体部に貯蔵されている液体は、大気圧を利用して容器本体部から外部に自然に排出されるため、加圧によって溶融金属を送り出す従来方式とは異なり、液体中に気泡が混入することはない。
さらに、小容器は、第1、第2の管における小容器と接続されていない側の一端よりも高所に位置しているため、容器本体部から液体を排出するときに、空気等の気体(気体層)が溜まる。該気体層は吸引手段により大気圧よりも低い気圧に設定されるため、小容器内を通過する液体に含まれる気泡(ガス)は、膨張し気体層に吸収されることで、液体から取り除かれる。つまり、小容器内が液体の脱ガス作用を有する。
また、液体排出時には、第1の管および第2の管は、液体に満たされることにより、第2の管の開口部からの空気の進入が抑えられる。この結果、第2の管の内部において、液体への気泡の混入を抑制できる。
また、上記のように、本発明では、大気圧を利用したサイフォンを用いて液体を排出しているため、従来の加圧方式のように、加圧気体と液体とが噴射されることがなく、気泡が混入することがない。
この結果、液体用容器内の液体を外部へ排出する場合に、液体の特性を悪化させずに、液体の噴射のない液体用容器を提供することができる。
さらに、本発明の液体用容器は、上記の構成に加えて、前記吸引手段の吸入圧を変更する吸入圧可変手段がさらに備えられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、容器本体部から液体を外部に排出するとき、吸入圧を変化することにより、小容器内の気体層の量が変化することができるので、小容器内の液面の高さを容易に制御することができる。これにより、液体の流れを穏やかにして、気泡の混入をより一層容易に抑制することができる。
例えば、小容器内の液面が低すぎる場合、第1の管から小容器内に流入する液体が噴水のようになり、気泡が混入するおそれがあるが、吸入圧可変手段により液面を高くすることで、該おそれを容易に回避できる。また、小容器の液面が高すぎる場合、前記吸引手段へ液体が吸入されるおそれがあるが、吸入圧可変手段により液面を低くすることで、該おそれを容易に回避できる。
また、小容器内の液面は、液体が有する粘度、液体と第1、第2の管との摩擦係数等によって変動するが、吸入圧可変手段により、該液面の高さを制御することができ、各種の液体が有する上記特性に柔軟に対応することができる。
さらに、本発明の液体用容器は、上記の構成に加えて、前記第1の管から前記小容器へと流入する前記液体の流れの勢いより発生する渦流または乱流を抑制する整流物が前記小容器に固定されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、容器本体部から液体を外部に排出するとき、第1の管から小容器に流入する液体の流れの勢いが抑制されて、小容器内での液体の波立ち等の発生を防止でき、この結果、液体への気泡の混入をより一層抑制できる。
さらに、本発明の液体用容器は、上記の構成に加えて、前記小容器は箱状であり、前記第1の管の第1開口部は、前記小容器の底面に接続されており、前記整流物は、前記底面における前記第1の管との接続部の上方に位置していることを特徴としている。
上記の構成によれば、容器本体部から液体を外部に排出する時において、第1の管から小容器に流入する液体の上方向への流れの勢いが抑制されて、第1の管から小容器に流入する液体が噴き上げられることがなく、小容器内での液体の波立ち等の発生を防止できる。これにより、液体への気泡の混入をより一層抑制できる。
特に、小容器内の液面が該整流物よりも上に位置している場合には、第1の管から小容器に流入する液体が液面に達する前に整流物にぶつかるため、より一層液面を波立たせることがない。
さらに、本発明の液体用容器は、上記の構成に加えて、前記小容器の内部の気圧を検出する気圧検出手段が備えられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、小容器内の気圧を瞬時に知ることができるため、小容器内の気体を吸入する吸引手段が正常に作動しているかを判断することができる。
また、小容器内の気圧Pは、容器本体部に貯蔵されている液体の液量に関係している。具体的には、次式を満たす。
=P−ρg[H−(1+A /A )h] 式(1)
ここで、Pは大気圧、ρは液体の密度、gは標準重力加速度を示している。また、Hは、第2の管の第2開口部の位置と小容器内の液面との高低差を、hは、第2の管の第2開口部の位置と容器本体部内の液面との高低差を、Aは、第2の管の断面積を表している。さらに、Aは、小容器内を流れる液体の断面積であり、該断面積は液体の流れ方向(つまり、小容器における第1の管との接続部および第2の管との接続部を結ぶ直線方向にあたる)に垂直な断面の面積である。
上述したように、上記吸入圧可変手段が備えられている場合、AおよびHを一定に保つことができる。このとき、関係式(1)において、変数はPとhとなる。hは、容器本体部内の液体量と比例関係にある。そのため、小容器内の気圧Pを知ることで、容器本体部の残液量を容易に見積もることができる。
さらに、本発明の液体用容器は、上記の構成に加えて、前記小容器は、自身の内部の気圧を大気圧に戻すための外部との連絡口と、該連絡口を開閉する開閉手段とを有していることを特徴としている。
上記の構成によれば、容器本体部から液体を外部に排出しているときに、小容器内を大気圧に戻すことができる。これにより、サイフォン部がサイフォン状態を維持しなくなり、液体の排出を停止させることができる。よって、液体の排出を所望の時点で停止させることができる。
また、小容器内と大気との気圧差が大きい場合において、第2の管から小容器内に液体が逆流するおそれがある。このとき、上記気圧検出手段を備えていると、該気圧検出手段による値に応じて、小容器内を容易に大気圧に戻すことができるため、該逆流を防止することができる。
さらに、本発明の液体用容器は、上記の構成に加えて、前記気圧検出手段によって検出された検出気圧が所定の値より小さいか否かを判断する判断手段と、前記検出気圧が所定の値よりも小さいと前記判断手段が判断した場合に、前記連絡口を開く制御手段とを備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、所定の値を第2の管から小容器内に液体が逆流するときの小容器内の気圧よりも大きい値に設定することで、制御手段は、小容器内の気圧が、第2の管から小容器内に液体が逆流するときの気圧に低下する前に、小容器内を大気圧にする。これにより、自動的に第2の管から小容器内への液体の逆流を防止することができる。
さらに、本発明の液体用容器は、上記の構成に加えて、前記第2の管の内径が、前記第1の管の内径よりも小さいことを特徴としている。
上記の構成によれば、管の内径が小さい第2の管では、液体が第1の管に比べて流れにくい。そのため、第2の管に液体が満たされやすく、小容器に液体が溜まりやすいため、サイフォン部をサイフォン状態にさせるのに要する時間をより一層短縮することができる。
さらに、本発明の液体用容器は、上記の構成に加えて、前記第2の管は、水平面に対して略45°の角度となるように、前記小容器に接続されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、第2の管を流れる液体に気体が混入することを一層防止することができる。
さらに、本発明の液体用容器は、上記の構成に加えて、小容器内の液量を検知する検知手段を備えており、前記吸入圧可変手段は、前記検知手段の検知した液量に基づいて、吸入圧を変更することを特徴としている。
上記の構成によれば、小容器内の液量に応じて、吸入圧を変更するので、例えば、小容器内の液量が減少してきた場合には、小容器内の気体の吸引量を多くし、逆に、小容器内の液量が増加してきた場合には、小容器内の気体の吸引量を少なくすることを自動で行うことができる。
この結果、小容器内の液体量を一定の範囲にすることができ、小容器内の液体が吸引手段により吸引されることを防止することができるとともに、安定した液流を維持することができる。
また、本発明の液体用容器の使用方法は、上記液体用容器の使用方法であって、前記第2の管の第2開口部を、排出先の排出容器に溜められた液体の中に浸けるとともに、前記容器本体部を密閉状態とする第1のステップと、前記第1のステップの後に、前記吸引手段により小容器内の気体を吸引し、前記容器本体部内の液体および前記排出容器に溜められた液体を小容器に引き上げる第2のステップと、前記第2のステップの後、前記小容器内に所定量の液体が入ったときに、前記容器本体部を大気開放させ、容器本体部から液体を排出させる第3のステップとを有することを特徴としている。
上記の構成によれば、従来の加圧方式のように、液体と高圧気体とを混在させることがないため、液体にガスが混入することを防止することができる。
また、第1のステップにおいて、容器本体部を密閉状態としているため、液体を小容器に引き上げると、容器本体部内の気体体積が増えるため、容器本体部内の気圧が大気圧よりも低くなる。そのため、容器本体部から小容器に液体を上げる力よりも、排出容器に溜められた液体を上昇させる力の方が大きくなる。これにより、排出容器内の液体が少量で、液面の高さが容器本体部内の液面の高さよりも低くても、容器本体部からの液体と、排出容器からの液体とが小容器に達する時間をほぼ同じにすることができ、第1の管および第2の管内に気体が残ることはない。
さらに、容器本体部内の気圧が大気圧よりも低くなるため、液体に対して脱ガス作用を有するとともに、サイフォン部に液体が存在していても、容器本体部から液体の排出は行われない。そのため、小容器内の液面を所望の高さとしてから、第3のステップを行うことで排出を開始することができる。
また、第1のステップにおいて、第2の管の第2開口部を排出先の排出容器に溜められた液体の中に浸けている。そのため、排出先の排出容器においても、排出された液体が排出容器の壁等に直接衝突することがなく、液体の中にガスが混入することを防止することができる。
さらに、本発明の液体用容器の使用方法は、上記の構成に加えて、前記第3のステップの後、前記小容器の液量を一定の範囲内にするために、前記小容器の液量に応じて、前記吸引手段の小容器に対する吸入圧を変更する第4のステップをさらに有することを特徴としている。
それゆえ、小容器内の液体が吸引手段により吸引されることを防止することができるとともに、安定した液流を維持することができる。
本発明の液体用容器は、以上のように、液体を搬送するための液体用容器であって、液体を貯蔵するための容器本体部と、前記容器本体部から液体を排出するためのサイフォン部とを有しており、前記サイフォン部は、第1の管と、第2の管と、小容器とを備え、前記第1の管の第1開口部および前記第2の管の第1開口部は、小容器の内部と通じるように、小容器と接続されており、前記第1の管の第2開口部は、前記容器本体部の内部であり、かつ、小容器よりも低い位置にあり、前記第2の管の第2開口部は、前記容器本体部の外部であり、かつ、前記第1の管の第2開口部よりも低い位置にあり、前記小容器の内部の気体を吸引する吸引手段を備えている。
それゆえ、液体用容器内の液体を外部へ排出する場合に、液体の特性を悪化させずに、液体の噴射のない液体用容器を提供することができる。
本発明の液体用容器には、アルミニウム、マグネシウム、銅等の溶融金属を貯蔵・搬送する取鍋や、有機物等の薬液用容器等が含まれるが、以下の実施の形態では、溶融金属用の取鍋について説明する。なお、薬液用容器であっても、下記取鍋と同じ構造であり、貯蔵・搬送する液体に侵食されない材質で形成すればよい。
〔実施形態1〕
本発明の液体用容器に関する実施の一形態であるアルミニウム、マグネシウム、および銅等の溶融金属用取鍋(以下単に取鍋と呼ぶ)について図1〜図11および図13に基づいて説明すれば以下のとおりである。
図4は、本実施形態の取鍋の上面図を示しており、図1は、図4におけるA−A線の矢視断面図を示している。取鍋は、取鍋本体部(容器本体部)10と、取鍋上部20とに分離することが可能であり、図1は、取鍋本体部10および取鍋上部20が正常な状態で組み合わさったときの状態を示している。図2は、取鍋における取鍋本体部10のみの概略構成を示した断面図であり、図3は、取鍋における取鍋上部20のみの概略構成を示した断面図である。
図2で示されるように、取鍋本体部10は、例えば、外径約1200mm、高さ約850mmのほぼ円筒状に形成されており、その底面は底壁によって閉じられている。その内側面および内底面によって囲まれた空間が液体の貯蔵部11となる。また、取鍋本体部10の側壁および底壁の厚みは、例えば、約150mmである。側壁の一部には、後述するサイフォン本体部(サイフォン部)30の入口管(第1の管)32を挿入することのできる概ね上下方向に沿った孔14が設けられており、該孔14は、連絡口15を介して貯蔵部11の底部と繋がっている。
また、取鍋本体部10の外壁の上部には、取鍋上部20と繋ぐためのフランジ部17が備えられている。フランジ部17の一部には、後述するサイフォン本体部30の出口管33を通すことのできる孔12が設けられている。取鍋本体部10に取鍋上部20が取り付けられたときに、貯蔵部11と外部との間で気体の漏れがないように、フランジ部17の上面には図示しないシール材が施されている。
さらに、取鍋本体部10の下面には、フォークリフトのフォークが挿入されるフォーク差込部材16が備えられている。これにより、取鍋をフォークリフトで搬送することができる。また、フォークリフトにより、取鍋を上下に移動させることができる。
図3は、取鍋上部20の概略構成を示した断面図である。取鍋本体部10の上面開放口を閉じる機能を有している。取鍋上部20は、フランジ部21と、上蓋22と、フランジ部21と一体に形成されているサイフォン部本体(サイフォン部)30とから構成されている。なお、図1,3では、簡略化のため、サイフォン部本体30は、その基本構成のみを示している。
サイフォン部本体30の基本構成は、図3で示されるように、サイフォン部本体30の中間であり、かつ、サイフォン部本体30の最高所に位置する中間容器(小容器)31と、中間容器31の底面に接続されている2本の配管(入口管(第1の管)32および出口管(第2の管)33)とからなる。言い換えると、2本の配管のそれぞれの一方の第1開口部が、中間容器31の内部と通じるように、中間容器31に接続されている。
中間容器31は、サイフォン部本体30の中間に位置し、該位置において、他の位置よりも管の太さが大きく、排出される溶融金属がいったん留まることができ、かつ、気体を溜めることのできる溜り部であるともいえる。なお、サイフォン部本体30に備えられる構成とその詳細な説明については後述する。
中間容器31は、フランジ部21と同一の高さの位置に形成されている。つまり、容器本体部10に容器上部20が取り付けられたときに、中間容器31は、貯蔵部11よりも高い位置にある。中間容器31は、本実施形態では、概ね直方体の箱状である。また、中間容器31の底面には、入口管32と接続するための開口部31aと、出口管33と接続するための開口部31bとが設けられている。
さらに、中間容器31の上面には、のぞき窓35が形成されている。のぞき窓35から、中間容器31の内部を観察することができる。中間容器31は、上記開口部31a、31bを除いて閉ざされた小容器である。
入口管32は、図3で示されるように、取鍋本体部10に取鍋上部20が取り付けられたときに、取鍋本体部10に設けられた孔14に嵌るようになっている。これにより、入口管32の下端部にある開口部46は、取鍋本体部10の連絡口15と孔14を介して繋がるようになっており、取鍋本体部10の内部に位置している。
また、出口管33の下端の開口部45は、取鍋本体部20の外部に位置しており、入口管32の下端にある開口部46よりも低い位置に設定されている。これにより、開口部45は、貯蔵部11に貯蔵される溶融金属の液面よりも低い位置に存在する。なお、出口管33の内径は、入口管32の内径よりも小さく設定されている。
以上から、溶融金属が貯蔵部11、入口管32、中間容器31、および出口管33に存在する場合、入口管32、中間容器31、および出口管33からなるサイフォン部本体30がサイフォンとして機能する。つまり、サイフォン部本体30は、大気圧を利用して、貯蔵部11に貯蔵されている溶融金属をいったん高所である中間容器31に上げて貯蔵部11より低所に位置する開口部45から溶融金属を排出するサイフォン状態を形成することができる。これにより、溶融金属は、大気圧を利用して貯蔵部11から外部に自然に排出されるため、加圧によって溶融金属を送り出す従来方式とは異なり、溶融金属中に気泡が混入することはない。このため、溶融金属の密度を下げることなく、溶融金属を取鍋から外部へ排出することができる。
なお、出口管33は、図3で示されるように、連結部34にて出口管上部33aと出口管下部33bとに分離可能である。出口管上部33aは、床面に対してほぼ垂直方向に形成されており、出口管下部33bは床面垂直方向に対して所定の角度で傾斜している。すなわち、出口管33は、中間容器31から斜め下方に向かっている。取鍋本体部10に取鍋上部20を取り付けるときには、まず、連結部34により出口管33を分離し、出口管上部33aを、図2で示した取鍋本体部10のフランジ部17に設けられた孔12に通す。その後、連結部34により出口管下部33bを接続する。また、出口管下部33bは、連結部34において、出口管上部33aに対して回動可能である。
さらに、出口管33は、水平面に対して略45°の角度をもつことが好ましい。これにより、溶融金属は、出口管33を流れる際に、空気と混入することがなく、安定して流れることができる。
図4に示されるように、出口管下部33bは、位置P1や位置P2のように、出口管上部33aに対してねじり方向に任意に回動することができる。これにより、取鍋を搬送するときには、出口管下部33bを位置P2で連結部34に連結し、取鍋から溶融金属を排出する場合には、出口管下部33bを位置P1で連結部34に連結することができる。これにより、搬送時に出口管下部33bが邪魔にならずにすむ。また、溶融金属を排出する場合には、取鍋本体部10を排出先に必要以上に近づける必要がない。
フランジ部21は、図1で示されるように、取鍋本体部10に取鍋上部20が取り付けられたときに、取鍋本体部10のフランジ部17と密着するように繋がれる。また、フランジ部21には上部開口部21aが形成されている。上部開口部21aは、溶融金属を貯蔵部11に注入する前に、取鍋を予備加熱するための予備加熱装置からの火炎を貯蔵部11に入れるためや、溶融金属を貯蔵部11に注入するためのものである。サイフォン部本体30を除いたフランジ部21の高さは例えば約300mmであり、上部開口部21aの内径は例えば約600mmである。
また、図3で示されるように、フランジ部21には、熱電対24と配管23aとが備えられている。熱電対24は、温度を測定する測定端と測定した温度を表示する表示部を備えている。熱電対24は、取鍋本体部10に取鍋上部20が取り付けられたときに、測定点が貯蔵部11の底部付近に位置し、表示部がフランジ部21の上方に位置するように、フランジ部21に取り付けられている。
配管23aは、フランジ部21を貫通するようにフランジ部21に取り付けられている。配管23aの一端は、取鍋本体部10に取鍋上部20が取り付けられたときに、貯蔵部11の内部に位置する。
また、配管23aの他端、つまり、貯蔵部11の外部に位置する他端は、三方弁23に接続されている。三方弁23には、加圧気体を送りこむための図示しない加圧ポンプに接続された配管23bが連結されている。三方弁23の残り1方は、大気中に開放されるようになっている。この結果、貯蔵部11の内部への加圧気体の注入と、貯蔵部11内部の大気開放とを三方弁23により切換えることができる。
三方弁23が配管23aと配管23bとを連絡するように設定されている場合、配管23b、三方弁23、および配管23aを介して、加圧ポンプから貯蔵部11に加圧気体が注入される。貯蔵部11に加圧気体が送り込まれると、貯蔵部11内の気圧が上昇し、サイフォン部本体30に溶融金属が流入し、サイフォン部本体30が上述のようにサイフォンとして機能することができる。サイフォン部本体30がサイフォンとして機能すると、加圧気体の注入は停止され、三方弁23により、貯蔵部11内は大気圧に戻される。つまり、加圧ポンプは、サイフォン部本体30をサイフォンとして機能させるための駆動源と言える。なお、加圧ポンプに限らず、気体の圧縮ボンベが配管23bに接続されていてもよい。また、加圧気体の種類は、窒素ガスやアルゴンガスが好ましい。これにより、溶融金属の酸化を防止することができる。
上蓋22は、フランジ部21に設けられた上部開口部21aの開閉を行うためのものであり、フランジ部21に開閉自在に取り付けられている。貯蔵部11の予備加熱や貯蔵部11への溶融金属の注入の場合に、上蓋22は上部開口部21aを開ける。
また、搬送や貯蔵部11から他の容器へ排出するときには、上蓋22は上部開口部21aを閉じる。上蓋22が上部開口部21aを閉じたときに、上蓋22とフランジ部21との間で隙間が生じることのないように、上蓋22とフランジ部21とが接触する上蓋22の下面において、シール材が施されている。
また、本実施の形態では、上蓋22が重いので、その開閉のために、上蓋22の上面には図示しないハンドルが設けられており、かつ、上蓋22を移動可能に支持するレール材がフランジ部21の上面に設けられている。
次に、サイフォン部本体30に備えられた構成とその機能の詳細について図5、図6を参照しながら説明する。
図5は、サイフォン部本体30の断面およびサイフォン部本体30に備えられる部材を示している。図6は、本実施形態の取鍋の断面を簡易的に示したものであり、サイフォン部本体30がサイフォンとして機能しており、貯蔵部11に貯蔵されている溶融金属が排出されているときの状態を示している。
貯蔵部11の溶融金属の液面を液面51、中間容器31内の溶融金属の液面を液面53としている。なお、上述のように、サイフォン部本体30がサイフォンとして機能している状態では、三方弁23により、貯蔵部11内は大気圧となっている。
図5に示されるように、中間容器31の上部には、圧力計(気圧検出手段)38、電動弁(開閉手段)37が備えられた配管47、真空ポンプ43に接続されている配管48とが接続されている。圧力計38、配管47、および配管48は、中間容器31の上面を貫通し、中間容器31の内部に達している。また、中間容器31の内部には、整流部材(整流物)36が固定されている。
配管48は、中間容器31内の気体を真空ポンプ43に送るためのものである。これにより、真空ポンプ43は、中間容器31内の気体を吸引することができる。なお、真空ポンプ43は、中間容器31内の気体を吸引するためのものであり、例えば、油回転式ポンプである。
図6において、中間容器31内の気圧が大気圧であると、中間容器31内の液面53が気体より受ける圧力、貯蔵部11内の液面51が気体から受ける圧力、および出口管33の開口部45において液体が気体より受ける圧力がすべて同じ大気圧であるため、貯蔵部11内の溶融金属が高所の中間容器31へと上昇することができず、サイフォン部本体30がサイフォン状態を維持できなくなる。しかし、該真空ポンプ43により、中間容器31内の気圧が大気圧よりも低くなると、サイフォン状態を維持することができ、溶融金属を外部へ排出することができる。また、真空ポンプ43により中間容器31内の気圧が低下しているため、中間容器31内にある溶融金属に含まれる微量の気泡(ガス)や水蒸気を取り除くことができる。
また、図5で示されるように、配管48には、中間容器31と真空ポンプ43との間に弁44が備えられている。弁44の開閉度により、真空ポンプ43の中間容器31内に対する吸入圧を所望の値に変更することができる。よって、弁44は、真空ポンプ43の中間容器31内に対する吸入圧可変手段である。
真空ポンプ43の中間容器31内に対する吸入圧が変動すると、中間容器31内の溶融金属の液量も変動する。すなわち、弁44の開閉度により、中間容器31内の溶融金属の液面53(図6参照)を制御することができ、液面53をほぼ一定の高さに保つことができる。これにより、液流を穏やかにして、気泡の混入をより一層容易に抑制することができる。
例えば、中間容器31内の液面53が低すぎる場合、入口管32から中間容器31内に流入する液体が噴水のようになり、中間容器31内で波立ってしまい気泡が混入するおそれがあるが、弁44により液面53を高く制御することで、該おそれを容易に回避できる。また、液面53が高すぎる場合、出口管33から排出される溶融金属の流速が大きくなり、開口部45において溶融金属の流れが安定せず、気泡が混入する可能性が生じるおそれがあるが、弁44により液面53を低く制御することで、該おそれを容易に回避できる。
また、中間容器31内の溶融金属の液面53は、溶融金属が有する粘度、溶融金属が入口管32および出口管33を流れるときの管との摩擦係数等によって変動する。また、これらは、溶融金属の温度や、密度等によって変化する。よって、真空ポンプ43の吸入圧を可変にする弁44が備えられていることにより、各種の液体や、液体の特性に応じて、液面53を所定の範囲内に容易におさめることができる。すなわち、弁44は各種の液体の特性に柔軟に対応することができる好ましい構成である。
整流部材36は、入口管32から中間容器31に流入する溶融金属の流れの勢いにより発生する渦流または乱流を抑制する機能をする板状物であり、中間容器31に固定されている。このように、中間容器31と整流部材36とは一体で形成することができるため、中間容器31および整流部材36の製造が容易である。
整流部材36は、入口管32を接続するために設けられた開口部31aの上方に位置している。これにより、入口管32からの中間容器31内に流れ入る溶融金属は整流部材36に一旦衝突する。そのため、入口管32からの中間容器31内に流れ入る溶融金属の上方向への運動エネルギーが整流部材36により減少する。つまり、入口管32からの中間容器31内に流れ入る溶融金属の上方向の勢いが減衰される。ここで、上述した弁44により、液面53の高さを整流部材36よりも高く設定すると、入口管32からの中間容器31内に流れ入る溶融金属が、液面53に達する前に整流部材36に衝突するため、中間容器31内の液面53を波立たせることがない。よって、中間容器31内の液面53はほぼ水平を保ち安定するため、中間容器31内において、波立ち等による気泡の混入をより一層抑制できる。
特に、溶融金属の排出速度が速い場合、つまり、入口管32から中間容器31内への溶融金属の流入速度が大きく、該流れの勢いが強い場合、整流部材36が備えられた中間容器31は好適な構成である。
配管47は、上記真空ポンプ43により減圧された中間容器31内の気圧を大気圧に戻すためのものであり、電動弁37が接続されている。該電動弁37が開状態になることで、中間容器31内の気圧が大気圧にもどされる。電動弁37は、後述する制御装置46によりその開閉が制御されている。中間容器31内の気圧が大気圧に戻されると、サイフォン状態が維持できなくなるため、排出を停止させることができる。つまり、電動弁37により、溶融金属の排出を所望の時点で停止させることができる。
圧力計38は、中間容器31内の気圧を測定し、測定した圧力値を表示するものである。圧力計38により、真空ポンプ43が正常に作動しているかどうかの確認や、真空ポンプ43と中間容器31とを繋ぐ配管内で配管詰まりの有無の確認を行うことができる。
また、液面53(図6参照)が一定の高さにあるとき、圧力計38により、貯蔵部11の溶融金属の残湯量を容易に見積もることができる。これは、中間容器31内の気圧Pが、次式(1)に従うことによる。
=P−ρg{H−(1+A /A )h} 式(1)
式(1)において、Pは大気圧、ρは溶融金属の密度、gは標準重力加速度を示している。また、図6に示されるように、Hは、出口管33の開口部45の位置と中間容器31内の液面53との高低差を、hは、出口管33の開口部45の位置と貯蔵部11内の液面51との高低差を、Aは、出口管33の断面積を表している。さらに、Aは、中間容器31内を流れる溶融金属の断面積であり、該断面積は溶融金属の流れ方向(中間容器31における開口部31aと開口部31bとを結ぶ直線方向にあたる)に垂直な断面の面積である。
上記式(1)から、出口管33の開口部45の位置と貯蔵部11内の液面51との高低差hは、大気圧Pと中間容器31内の気圧Pとの差P−Pに対して、負の勾配をもつ比例関係にある。なお、P−Pは、大気圧に対する中間容器31内の減圧量である。ここで、出口管33の開口部45の位置と排出前の初期の貯蔵部11における液面51との高低差をhとすると、排出量は、h−hに比例する。なお、通常、排出前の初期の貯蔵部11における液面51は、ほぼ一定であるため、hもほぼ一定値である。したがって、排出量は、大気圧に対する中間容器31内の減圧量に対して、正の勾配をもつ比例関係にある。
図13は、本実施形態の取鍋において、大気圧Pに対する中間容器31内の減圧量を電気信号である電圧値(ΔV)に変換したときの、該ΔVに対する排出量の実験結果を示すグラフである。図13に示されるように、排出量は、中間容器31内の減圧量に対して、正の勾配をもつ比例関係にあることが実験で確認された。なお、この実験は、液体として水を用いて行った結果であるが、排出量が中間容器31内の減圧量に対して正の勾配をもつ比例関係にあることは、溶融金属にも理論的に適用される。
これにより、従来のように、残湯量の確認のために、上蓋の開放等の煩わしい作業を行う必要がなくなる。
また、本実施の形態では、該残湯量を自動で換算する好ましい構成を有している。すなわち、図5で示されるように、圧力計38には、換算部40を有する圧力値読取部39が接続されている。圧力値読取部39は、圧力計38の測定値をデジタル形式で読み取り、該検出値を換算部40へ送る。換算部40は、上記式(1)にしたがって、残湯量を計算する。また、換算部40には図示しない表示部が備えられており、該換算結果を表示部に表示させる。これにより、取鍋の使用者は、瞬時に残湯量を知ることができる。
また、Pとhとは上記式(1)に従うため、貯蔵部11の残湯量がわずかとなると、中間容器31内の気圧Pは著しく低下する。このとき、中間容器31内の気圧と出口管33の開口部45との気圧(大気圧)との差が大きいために、出口管33を満たしている溶融金属が中間容器31内へ逆流する現象が生じる。該逆流が生じると、その衝撃により、逆流した溶融金属内に気泡が混入し、気泡の混入した溶融金属が再度外部へ流れ出る可能性がある。
そこで、本実施の形態では、残湯量がわずかであるときの上記逆流を防止する好ましい構成を有している。すなわち、図5で示されるように、上記圧力値読取部39に、比較部41が接続されており、該比較部41に上記電動弁37の開閉を制御する制御部(制御手段)42が備えられている。
圧力値読取部39は、読み出した圧力値を比較部(判断手段)41へ送る。比較部41は、圧力値読取部39から送られてきた検出値と所定の値とを比較し、その大小関係を判断する。ここで、所定の値は、上記逆流が生じる中間容器31内の圧力値よりも大きい値に設定されている。比較部41は、圧力値読取部39から送られてきた検出値が所定の値以下であると判断した場合、該検出値が所定の値以下である旨の信号を制御部42へ送信する。制御部42は、比較部から該信号を受信したときに、電動弁37を開放し、中間容器31内を大気圧にする。これにより、中間容器31内と開口部45との気圧差がなくなり、上記逆流を防止することができる。つまり、電動弁37は、該逆流防止の機能を有しており、上記圧力値読取部39、比較部41、および制御部42は、該逆流の自動防止機能を有している。
なお、上記圧力値読取部39、比較部41、換算部40、および制御部42は、制御装置46としてまとめられており、該制御装置46は、LSI等のマイクロコンピュータで構成されている。該マイクロコンピュータは中間容器31の上面に設けられていてもよい。さらに、図示しない上記表示部を構成する表示パネルが中間容器31の上面に設けられていてもよい。
上記取鍋本体部10および取鍋上部20は、溶融金属の温度に耐えることができるように、その材質が選定されている。本実施の形態では、図1に示すように、取鍋本体部10は、最も外側に外殻鉄皮10dが形成されている。また、取鍋本体部10の底部及び側壁には外殻鉄皮10dの内側に断熱材10cとセラミックペーパー(図示しない)と内張り耐火材10bとが順に形成されている。孔14は、内張り耐火材10bに設けられている。
一方、サイフォン部本体30を除く取鍋上部20は、フランジ部21の水平層について外殻鉄皮21dの内側に断熱材21cと内張り耐火材21bとが順に形成されている。また、フランジ部21の上部開口部21aを形成する垂直層は、外殻鉄皮21dの内側に内張り耐火材21bにて形成されている。さらに、サイフォン部本体30は、外殻鉄皮30dの内側に内張り耐火材30bとが順に形成されている。
また、上記上蓋22は、外殻鉄皮22dの内側に断熱材22cと内張り耐火材22bとが順に形成されている。
ここで、本実施の形態では、上記内張り耐火材10b、21b、22b、および30bの材質は、粉末状のボーキサイトベースの低セメントキャスタブル(Low Cement Castable) と粒子状のバブルアルミナとからなっている。したがって、粉末状のボーキサイトベースの低セメントキャスタブルは緻密質であるとともに、その粉末状の低セメントキャスタブルの中に中空粒子状のバブルアルミナが混入されているので、強度も強いものとなっている。酸化アルミニウム(Al)約82.0%に他の金属酸化物を含んだものを成分としている。ただし、本発明においては、必ずしもこれに限らず、例えば、酸化アルミニウム(Al)の配合量として約80%〜85%であれば足りる。この酸化アルミニウム(Al)を主成分とする粉末物質は、粒径が、3mm以下程度である。
内張り耐火材の形成方法を、取鍋本体部10の場合について簡単に説明する。上記粉末物質に、1kg当たり104〜128mlの水を添加して混練りし、取鍋本体部10の内側に成形型枠を施した後、図示しないセラミックペーパーとこの成形型枠との間に、該混練物を流し込み、固化後、成形型枠を脱枠することにより、上述した内張り耐火材10bが形成される。
また、サイフォン部本体30の中間容器31の上部に形成されたのぞき窓35は、耐火ガラスで形成されており、整流部材36は、内張り耐火材30bと同じ耐火材により形成されている。
次に、本実施形態の取鍋の使用方法について説明する。
まず、貯蔵部11に溶融金属を注入する方法は以下のとおりである。図1で示されるように、取鍋本体部10に取鍋上部20が取り付けられた状態で、上蓋22を開け、予備加熱装置を用いて上部開口部21aより火炎を放出し、液体用容器全体を加熱する。その後、上部開口部21aより、貯蔵・搬送すべき溶融金属を注入する。注入時には、溶融金属中に気泡が混入することがあるため、注入後に、通常、貯蔵部内に窒素ガスもしくはアルゴンガスを流入して、気泡を取り除く処理を施す。その後、所定の場所へ搬送する。
次に、貯蔵部11から外部の鋳型形成機等へ溶融金属を排出するときの上記取鍋の使用方法について、図6〜図11を参照しながら説明する。なお、図6〜図11は、本実施の形態に係る液体用容器の断面について簡易的に示している。また、貯蔵部11、入口管32、および中間容器31における溶融金属の液面は、それぞれ、液面51、液面52、および液面53である。
図7は、取鍋から溶融金属を外部に排出する前の状態を示している。図7に示されるように、貯蔵部11には液面51まで溶融金属が貯蔵されており、入口管32における溶融金属の液面52は液面51と同じ高さである。
ここで、三方弁23は、貯蔵部11と図示しない加圧ポンプとが連絡できるように設定されている。また、中間容器31の内部は、出口管33を介して大気と連絡されており、中間容器31の内部気圧は大気圧と同じである。そのため、制御部42により、電動弁37は閉じた状態にとなっている。
次に、加圧ポンプを始動させて、貯蔵部11に配管23a,23bを介して加圧気体を送り込む。貯蔵部11は、上述のように、シール材で密閉されているため、内部の気圧が上昇する。一方、入口管32の内部の気体は、中間容器31および出口管33を介して大気と連絡されているため、大気圧を有している。そのため、図8で示されるように、貯蔵部11内の加圧気体は、溶融金属の液面51を押し下げると同時に、入口管32の液面52が上昇する。
また、加圧ポンプ(図示しない)の始動とともに、真空ポンプ43を起動させる。ただし、図8における状態では、出口管33は溶融金属で満たされていないため、中間容器31には出口管33から大気が流入する。そのため、中間容器31内の気圧はほぼ大気圧を保つこととなる。
次に、貯蔵部11への加圧気体の送り込みをそのまま続けると、図9に示されるように、入口管32の液面52が中間容器31に達し、中間容器31に溶融金属が溜まり始めると同時に、出口管33に溶融金属が流れはじめ、開口部45から溶融金属が排出される。
このように、出口管33が溶融金属により満たされると、出口管33から中間容器31内に空気が流れ込まなくなる。よって、真空ポンプ43により、中間容器31内の気圧が低下し始める。つまり、中間容器31内では、減圧の気体と溶融金属とが共存することとなる。これにより、中間容器31内を通過する溶融金属に含まれる微量の水蒸気や気泡は、中間容器31内の減圧状態により、取り除かれることとなる。すなわち、中間容器31は、脱ガス効果を有している。
また、同時に、入口管32、中間容器31、および出口管33を基本構成とするサイフォン部本体30はサイフォンとして機能する。
サイフォン部本体30がサイフォンとして機能する時点で、貯蔵部11への加圧気体の送り込みを停止し、三方弁23により貯蔵部11の内部を大気開放にする。このように、加圧気体により、貯蔵部11の内部を加圧する時間は非常に短い。つまり、加圧気体と溶融金属とが貯蔵部11内で共存する時間が短い。よって、溶融金属への気泡の混入は、従来技術にくらべて、顕著に低減できる。
また、本実施の形態では、上記のように、出口管33の内径dが入口管32の内径Dよりも小さく設定されている。これにより、出口管33は、入口管32と比べて、溶融金属が流れにくくなり、即座に出口管33には溶融金属が満たされる。これにより、中間容器31内にも溶融金属が中間容器31内により一層溶融金属が溜まりやすくなり、つまりは、サイフォン部本体30がサイフォンとして機能し始めるのに要する時間をより一層短縮することができる。よって、加圧気体による溶融金属への気泡の混入を、より一層低減することができる。
また、貯蔵部11内の気圧を大気圧に戻しても、中間容器31内の気圧が大気圧よりも低く、かつ、出口管33の開口部45は、貯蔵部11に貯蔵されている液面53よりも低い位置に設定されているため、サイフォン部本体30がサイフォンとして機能し続ける。すなわち、貯蔵部11の溶融金属を外部へ排出し続ける。サイフォンを利用しているため、従来の加圧による排出に比べ、液流が穏やかであり、気泡の混入も抑制できる。また、貯蔵部11は大気圧に戻されているため、当然に、従来の加圧方式による排出に比べ、溶融金属への気泡の混入は防止できる。
次に、弁44の開閉度を調整することで、真空ポンプ43の中間容器31に対する吸入圧を変更し(すなわち、排気速度が変更される)、図6に示されるように、液面53を整流部材36の上の高さにまで制御する。これにより、入口管32からの溶融金属の流速が速くても、入口管32からの中間容器31内に流れ入る溶融金属は、中間容器31内の液面53に達する前に、整流部材36にぶつかるため、液面53を波立たせることなく、より一層気泡の混入を防止することができる。図6で示されるような、液面53が整流部材36の上の高さに維持されている状態において、貯蔵部11内の溶融金属の大部分を排出させる。なお、上記吸入圧の値は、溶融金属の種類や温度等により適当な値に設定されている。
続けて、排出を行っていると、図10で示されるように、貯蔵部11の液面51が低下する。この場合、上述したように、中間容器31内の気圧P1が低下する。この状態のまま排出をつづけると、ついには、出口管33に満たされた溶融金属が中間容器に逆流してしまう。
そこで、本実施形態の取鍋は、上述したように、該逆流を防止する好ましい構成を有している。すなわち、該逆流が生じる前に、中間容器31内の検出気圧が上記比較部41(図5参照)において設定された所定の値に達したときに、比較部41(図5参照)は、中間容器31内の検出気圧が所定の値以下であると判断し、該検出気圧が所定の値以下である旨の信号を上記制御部42(図5参照)へ送信する。
制御部42(図5参照)は、該信号を受信することで、電動弁37を自動で開放し、中間容器31内は、逆流の生じる気圧になる前に大気圧に戻る。これにより、中間容器31、入口管32、および出口管33に残っていた溶融金属は、貯蔵部11もしくは外部へと流れ出る。よって、出口管33に残る溶融金属が中間容器31に逆流することはなく、気泡の混入を防止できる。
また、加圧ポンプは、排出開始時の所定の時間だけ運転されているだけで、その後は、貯蔵部11は大気圧に戻されている。そのため、従来の高圧方式の排出方法のように、排出終了時に加圧気体により溶融金属が噴射されるようなことはない。
図11は、電動弁37により、中間容器31内の気圧が大気圧に戻されたあとの状態を示している。図11で示されるように、中間容器31、入口管32、および出口管33内の溶融金属は、貯蔵部11もしくは外部へと流れ出たため、溶融金属は残っておらず、貯蔵部11内に溶融金属がわずかに残存しているだけである。
以上のように、本実施の形態の取鍋は、溶融金属を搬送するためのものであり、溶融金属を貯蔵する貯蔵部11を備えた取鍋本体部10と、取鍋本体部10から溶融金属を排出するためのサイフォン部本体30とを有している。サイフォン部本体30は、中間容器31と、入口管32と、出口管33とを有している。入口管32および出口管33の一方の開口部は、中間容器31の内部と通じるように、中間容器31と接続されている。また、入口管32の他方の開口部(第2開口部)46が、中間容器31よりも低く、取鍋本体部10の内部に位置している。さらに、出口管33の他方の開口部(第2開口部)45が、入口管32の他方の開口部(第2開口部)46よりも低く、取鍋本体部10の外部に位置している。さらに、中間容器31の内部の気体を吸引する真空ポンプ43が備えられている。
上記の構成により、取鍋は、サイフォン部本体30を有しているため、サイフォン部本体30をサイフォンとして機能させ、大気圧を利用して、取鍋本体部10に貯蔵された溶融金属を取鍋の外部へ排出することができる。ここで、サイフォン部本体30は、中間容器31と、入口管32と、出口管33とを有しており、入口管32において、中間容器31と接続されていない側の端である開口部46は、中間容器31よりも低所に位置しており、かつ、取鍋本体部10の内部に位置している。また、出口管33において、中間容器31と接続されていない側の端である開口部45は、入口管32の開口部46よりも低所に位置しており、かつ、取鍋本体部10の外部に位置している。そのため、サイフォン部本体30は、大気圧を利用して、取鍋本体部10に貯蔵された溶融金属を、入口管32の開口部46から該開口部46よりも高所に位置する中間容器31に上げ、出口管33の開口部45から排出させることができる。
このように、溶融金属は、大気圧を利用して取鍋本体部10から外部に自然に排出されるため、加圧によって溶融金属を送り出す従来方式とは異なり、溶融金属中に気泡が混入することはない。
さらに、中間容器31は、開口部45、46よりも高所に位置しているため、取鍋本体部10から溶融金属を排出するときに、空気等の気体(気体層)が溜まる。該気体層は真空ポンプ43により大気圧よりも低い気圧に設定されるため、中間容器31内を通過する溶融金属に含まれる気泡は、膨張し気体層に吸収されることで、溶融金属から取り除かれる。つまり、中間容器31内が溶融金属の脱ガス作用を有する。
また、上記のように、本実施の形態では、大気圧を利用したサイフォン部本体30を用いて溶融金属を排出しているため、従来の高圧方式のように、加圧気体と溶融金属とが噴射されることはなく、気泡の混入を防ぐとともに、噴射の防止対策を行う必要がない。
この結果、取鍋内の溶融金属を外部へ排出する場合に、溶融金属の特性を悪化させることがない。
なお、上記実施の形態では、比較部41および制御部42により電動弁37を自動で開閉する構成としたが、弁を手動で開閉する構成であってもよい。この場合、使用者が、圧力計の数値を見ながら、弁を手動で開閉する。
また、上記実施の形態では、真空ポンプ43の吸入圧を弁44によって制御するとしたが、これに限られるものではない。すなわち、真空ポンプ43の回転子の回転数を変更するレバーが真空ポンプに設けられており、該レバーにより真空ポンプ43の吸入圧を制御してもよい。
また、上記実施の形態では、サイフォン部本体30は、取鍋上部20のフランジ部21に一体として形成されている構成としたが、これに限られるものではない。すなわち、サイフォン部本体30は、取鍋本体部10と一体に形成されていてもよい。
また、上記の実施の形態では、整流部材36を板状であるとしたが、これに限られるものではない。整流部材36は、入口管32から中間容器31に流入する溶融金属の流れの勢いを抑制する機能を有していれば、その形状は限定されない。
さらに、上記の実施の形態では、中間容器31は概ね直方体であるとしたが、これに限られない。例えば、球状であってもよい。自身から下方に向かっている入口管と出口管とを有しており、該入口管および出口管との接続箇所を除いて密閉された小型の容器であればよい。
また、上記の実施の形態では、中間容器31および出口管33に溶融金属を流入させるために、加圧ポンプを使用して貯蔵部11内部を加圧したが、これに限られるものではない。例えば、出口管33の開口部45から気体を吸入させてもよい。もしくは、排出開始時に出口管33の開口部45を閉じておき、真空ポンプ45により、入口管32の液面52を上昇させ、中間容器31および出口管33に溶融金属を流入させてもよい。
〔実施形態2〕
本発明の液体用容器である取鍋に関する他の実施形態について、図14に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態1にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本実施形態の取鍋は、中間容器31内の溶融金属の液面の高さを検知する検知手段を備えており、該検知手段に基づいて、中間容器31内の液面の高さを一定の範囲内にすることで、液流を安定させ、溶融金属中にガスが混入することをより一層抑制させる。
図14で示されるように、本実施形態の取鍋は、中間容器31内に下端が位置しており、それぞれ下端の高さが異なる3本の電極(下部電極(検知手段)141a,中間電極(検知手段)141b,上部電極(検知手段)141c)と、上記実施形態で説明した弁44の代わりの電磁弁(吸入圧可変手段)144と、中間電極検知部(検知手段)142と、上部電極検知部(検知手段)143と、弁駆動部(吸入圧可変手段)145とを備えている。なお、上記実施形態で説明したサイフォン部本体30が備える構成である圧力計38、電動弁37、制御装置46については、図示を省略している。
下部電極141aは、3本の電極の中で下端の位置が最も低い位置にある電極である。
中間電極141bは、3本の電極の中で下端の位置が中間の高さにある電極である。該下端の高さは、サイフォン部本体30を介して溶融金属を排出するときに液流が安定するときの液面53の高さ、すなわち、整流部材36の位置よりも高い位置に設けられている。
上部電極141cは、3本の電極の中で下端の位置が最も高い位置にある電極であり、真空ポンプ43に繋がる配管の下端よりも低い位置に設定されている。
上部電極検知部143は、下部電極141aと上部電極141cとの間が、電気的に導通状態であるか、遮断状態であるかを検知するためのものである。中間容器31内の溶融金属の液面53が、上部電極141cの下端位置まで達すると、下部電極141aと上部電極141cとが溶融金属を介して電気的に接続され、導通状態となる。これにより、中間容器31内の液面53が上部電極141cの下端よりも低いか否かを判断する。
上部電極検知部143は、下部電極141aと上部電極141cとが遮断状態から導通状態に変化したことを検知すると、ON信号を弁駆動部145に出力する。
中間電極検知部142は、下部電極141aと中間電極141bとの間が、電気的に導通状態であるか、遮断状態であるかを検知するためのものである。中間容器31内の溶融金属の液面53が、中間電極141bの下端位置まで達すると、下部電極141aと中間電極141bとが溶融金属を介して接続され、導通状態となる。これにより、中間容器31内の液面が中間電極141bの下端よりも低いか否かを判断する。
中間電極検知部142は、下部電極141aと中間電極141bとが導通状態から遮断状態に変化したことを検知すると、OFF信号を弁駆動部145に出力する。
弁駆動部145は、電磁弁144の開閉を駆動するためのものである。弁駆動部145は、上部電極検知部143からON信号を受けると、電磁弁144を閉じ、中間電極検知部142からOFF信号を受けると、電磁弁144を開く。
電磁弁144は、真空ポンプ43に接続されているため、電磁弁144が開くと、中間容器31内の気体が吸引される。また、電磁弁144が閉じると、中間容器31内の気体は吸引されない。
中間容器31内の液面53が上昇し、上部電極141cの下端に達すると、上部電極検知部143は、下部電極141aと上部電極141cとが遮断状態から導通状態に変化したことを検知し、ON信号を弁駆動部145に出力する。弁駆動部145は、ON信号を受けて、電磁弁144を閉じる。すなわち、電磁弁144および弁駆動部145は、真空ポンプ43の中間容器31の内部に対する吸入圧を可変とする吸入圧可変手段である。これにより、真空ポンプ43の吸引力が中間容器31内に及ばず、液面の上昇を抑えることができ、溶融金属が真空ポンプ43に吸い込まれることがない。
液面53が上部電極141cの下端に達して、電磁弁144が閉じられた場合でも、中間容器31が密閉されているので、中間容器31内は、大気圧よりも低い気圧状態を保つ。そのため、中間容器31内を流れる溶融金属に対して脱ガス作用が働き、溶融金属から取り除かれたガスが中間容器31内に溜まり、徐々に液面53が低下することがある。
中間容器31内の液面53が下降し、中間電極141bの下端より低い位置に達すると、中間電極検知部142は、下部電極141aと中間電極141cとが導通状態から遮断状態に変化したことを検知し、OFF信号を弁駆動部145に出力する。弁駆動部145は、該OFF信号を受けて、電磁弁144を開く。これにより、真空ポンプ43の吸引力が中間容器31内に及び、液面53の下降を抑えることができ、安定した液流を維持させることができる。
このように、本実施形態の取鍋では、中間容器31内の液面53を一定の範囲内におさめることができ、液流を常に安定させるとともに、真空ポンプ43に溶融金属が吸い込まれることを防止することができる。
なお、本実施形態では、3本の電極、中間電極検知部142、および上部電極検知部142を用いて、中間容器31内の液面53の高さを検知する構成としたが、これに限られない。液面53の高さを検知するものであればよい。例えば、液面53に照射した電磁波の反射時間から液面の高さを検知するような装置等を使用してもよい。
〔実施形態3〕
本発明の液体用容器である取鍋に関する他の実施形態について、図15〜18に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態1,2にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
上記実施形態において、図6〜11で示したように、貯蔵部11に高圧気体を注入して貯蔵部11内に貯蔵された溶融金属をサイフォン部本体30に送り込み、サイフォン部本体30がサイフォンとして機能しはじめると、高圧気体の注入を停止して取鍋内を大気圧に戻す取鍋の使用方法を説明した。これにより、従来のように、溶融金属の排出中、常に高圧の気体と溶融金属とを混在させる必要がないため、溶融金属へのガスの混入を抑制することができる。
本実施形態の取鍋では、さらに、溶融金属へのガスの混入を防止することのできる取鍋の使用方法について説明する。該使用方法は、排出先の保持炉に溶融金属が所定量残っている場合や、溶融金属の溜められている溶融金属溜り部が存在する場合に用いることができる。
図15は、本実施形態の取鍋を示す断面図である。本実施形態の取鍋は、図14で示した上記実施形態の取鍋の構成に加えて、弁駆動部146を備えており、さらに、三方弁23に代えて電磁三方弁123を備えている。また、溶融金属の排出先である保持炉(排出容器)61が配置されている。なお、参照符号62は、保持炉61の液面である。
中間電極検知部142は、下部電極141aと中間電極141bとが遮断状態から導通状態に変化したことを検知すると、ON信号を弁駆動部146に出力する。
弁駆動部146は、中間電極検知部142からON信号を受けると、電磁三方弁123を駆動して、貯蔵部11を大気開放とする。また、弁駆動部146は、図示しない操作入力部からの信号を受けて、電磁三方弁123を駆動することもできる。
溶融金属排出中に、真空ポンプ43の中間容器31の内部に対する吸入圧により、液面53が上昇することがある。このようなとき、本実施形態の取鍋は、以下のような作用を有する。
中間容器31内の液面53の高さが上部電極141cの下端の位置に達したとき、下部電極141aと上部電極141cとが溶融金属を介して電気的に接続され、上部電極検知部143は、上部電極141cと下部電極141aとが遮断状態から導通状態に変化したことを検知する。上部電極検知部143は、遮断状態から導通状態への変化を検知すると、ON信号を弁駆動部145に出力する。
ON信号が入力された弁駆動部145は、電動弁144を閉じる。これにより、中間容器31内の気体の吸引が停止されるため、液面53の上昇を抑えることができる。よって、溶融金属が真空ポンプ43に吸引されることはない。
電動弁144を閉じると、中間容器31内の気圧は減圧状態で一定に保たれる。しかしながら、溶融金属が減圧下の中間容器31内を通過することにより、脱ガス作用のため、溶融金属に元来含まれていたガスが中間容器31内に放出される。そのため、中間容器31内の気圧は徐々に上昇し、液面53の低下が生じる場合がある。
中間容器31内の液面53が、中間電極141bの下端より低い位置に達したとき、中間検知部142は、中間電極141bと下部電極141aとが導通状態から遮断状態に変化したことを検知する。そして、中間電極検知部142は、OFF信号を弁駆動部145に出力する。
OFF信号が入力された弁駆動部145は、電動弁144を開ける。これにより、中間容器31内の気体の吸引が再開されるため、液面53の下降を抑えることができる。よって、中間容器31内の液面53が整流部材36より低位置になることはない。
このように、中間電極検知部142および上部電極検知部143による検知に応じた電磁弁144の開閉制御によって、真空ポンプ43の中間容器31の内部に対する吸入圧を変更し、中間容器31内の液面53を中間電極141bの下端から上部電極141cの下端の範囲にすることができる。そのため、入口管32から中間容器31に流入した溶融金属は、整流部材36により、その勢いが抑制され、液流および液面が常に安定する。また、液面53が中間容器31の上面にまで達することがないので、溶融金属が真空ポンプ43に吸引されることもない。
次に、本実施形態における取鍋の使用方法について、図16から図18を参照しながら説明する。図18は、本実施形態の取鍋を用いて、液体を排出したときの実験結果である。なお、図18において、横軸は、経過時間を示しており、縦軸は、中間容器31内における大気圧Pから減圧量を電気的信号である電圧値に変換したときの該電圧値を示している。つまり、該電圧値が大きいほど、中間容器31内の圧力P1が小さいこととなる。また、図18は、液体として水を用いたときの結果を示すグラフであるが、液体が溶融金属である場合であっても理論的には同様のグラフとなる。
まず、出口管33の開口部45を、排出先の保持炉61内の溶融金属中に浸ける。また、貯蔵部11内を密閉状態とするため、操作入力部および弁駆動部146を用いて電磁三方弁123を閉じておく。
次に、電磁弁144を開いた状態で、真空ポンプ43を作動させ、中間容器31内の気圧を低下させる(図18の「T1:吸引開始」を参照)。中間容器31内の気圧と貯蔵部11内の気圧との差により、貯蔵部11内の溶融金属が入口管32を上昇しはじめる。同時に、中間容器31内の気圧と保持炉61における気圧(保持炉61は大気開放されているため、大気圧である)との差により、保持炉61に残存していた溶融金属も出口管33を上昇しはじめる。
そして、入口管32および出口管33が溶融金属で満たされ、中間容器31内に溶融金属が溜まることにより、サイフォン部本体30がサイフォンとして機能する状態となる。図16は、溶融金属が中間容器31に溜まり始めたときの状態における取鍋の断面図である。
ここで、貯蔵部11内が密閉状態でない場合、貯蔵部11内および保持炉61がともに大気圧であり、通常、貯蔵部11内の溶融金属の液面51は、保持炉61の液面62より高位置にあるため、保持炉61の溶融金属が中間容器31まで上昇するより先に、貯蔵部11内の溶融金属が中間容器31まで上昇する。そして、貯蔵部11から上昇された溶融金属が出口管33に流れ込み、出口管33内の一部に気体が残った状態が生じる。これにより、溶融金属にガスが混入するおそれが生じる。
また、貯蔵部11の溶融金属が中間容器31に達し、出口管33を流れはじめるや否や、サイフォン部本体30がサイフォンとして機能し、溶融金属の排出が始まる。このとき、中間容器31内の液面53は、まだ、整流部材36よりも低い位置にあるため、中間容器31内で液流が安定せず、溶融金属中にガスの混入が生じるおそれもある。
しかしながら、貯蔵部11内が密閉されているため、貯蔵部11内の溶融金属が入口管32を上昇するにつれ、貯蔵部11内の気体体積が増え、貯蔵部11内の気圧が大気圧よりも低くなる。そのため、貯蔵部11内の溶融金属を入口管32に上昇させる力よりも、保持炉61に溜められた溶融金属を出口管33に上昇させる力の方が大きくなる。これにより、保持炉61内の液面62の高さが、貯蔵部11内の液面51の高さよりも低くても、入口管32を上昇する溶融金属と、出口管33を上昇する溶融金属とが中間容器31に達する時間をほぼ同じにすることができ、出口管33内に気体が残ることはない。
また、貯蔵部11内の気圧が大気圧よりも低いため、サイフォン部本体30内に溶融金属が存在していても、貯蔵部11から保持炉61への溶融金属の排出は行われない。よって、真空ポンプ43による中間容器31内の気体の吸引を続けることにより、排出を開始する前に、中間容器31内の液面53を整流部材36の上までもっていくことができる。
中間容器31内の液面53が、中間電極141bの下端の位置に達したとき、下部電極141aと中間電極141bとが溶融金属を介して電気的に接続され、中間電極検知部142は、中間電極141bと下部電極141aとが遮断状態から導通状態に変化したことを検知する。中間電極検知部142は、遮断状態から導通状態への変化を検知すると、ON信号を弁駆動部146に出力する。
ON信号が入力された弁駆動部146は、電磁三方弁123を駆動して、貯蔵部11内を大気開放状態とする(図18の「T2:貯蔵部電磁弁開」を参照)。これにより、貯蔵部11内の気圧が大気圧となり、該大気圧に押された貯蔵部11内の溶融金属が、入口管32、中間容器31、出口管33を通って、保持炉61に排出されはじめる。
その後、中間容器31内が減圧され続け、中間容器31内の液面53が上部電極141cまで達すると、上部電極検知部143は、ON信号を弁駆動部145に出力する。そして、弁駆動部145は、電動弁144を閉じ、中間容器31内の気体の吸引が停止される(図18の「T3:高レベル到達吸引停止」を参照)。これにより、液面53の上昇を抑えることができる。その後、安定して排出される。
図17は、排出時の状態を示す取鍋の断面図を示す。溶融金属が排出されるとき、中間容器31内の液面53は、図17で示されるように、中間電極141bの下端よりも高い。そのため、入口管32から中間容器31に流入した溶融金属は、整流部材36により、その勢いが抑制され、渦流あるいは乱流を生じることなく、出口管33より排出される。そのため、溶融金属の排出開始時点から溶融金属へのガスの混入を抑制することができる。
また、予め出口管33の開口部45を排出先の保持炉61に溜められた溶融金属の中に浸けている。そのため、排出時に、排出された溶融金属が保持炉61の壁等に直接衝突することがなく、溶融金属の中にガスが混入することを防止することができる。
その後、排出量が増える(貯蔵部11内の残量が減る)に従って、中間容器31内の圧力は、減少していく。これは、上記実施形態1で説明した図13と同様に、排出量が中間容器31内の減圧量に対して比例関係にあることを示している。中間容器31内の圧力が所定の値まで低下したことを検知した比較部41は、その旨を制御部42へ送信する(図18の「T4:中間容器内の圧力低下」を参照)。そして、制御部42は、電動弁37を開放し、中間容器31内を大気圧にする(図18の「T5:エア流入」を参照)。これにより、排出が完了する。
以上のように、取鍋から溶融金属を排出させるときの取鍋の使用方法においては、高圧気体と溶融金属とが混在することがないため、気泡が溶融金属に混入することがない。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の液体用容器であれば、液体に空気等のガスを混入させることなく、液体を排出することができる。これにより、溶融金属等の液体や、有機物等の薬液の搬送用容器にも適用できる。
本発明に係る液体用容器の一構成例である溶融金属用取鍋を示す断面図である。 上記溶融金属用取鍋の取鍋本体部を示す断面図である。 上記溶融金属用取鍋の取鍋上部を示す断面図である。 上記溶融金属用取鍋を示す上面図である。 上記溶融金属用取鍋のサイフォン部を示す断面図である。 上記溶融金属用取鍋から溶融金属が排出されている状態の該取鍋を示す断面図である。 上記溶融金属用取鍋から溶融金属が排出される前の状態の該取鍋を示す断面図である。 加圧ポンプ運転開始直後の状態の取鍋を示す断面図である。 サイフォン部本体がサイフォンとして機能する状態の取鍋を示す断面図である。 排出終了直前の状態の取鍋を示す断面図である。 排出終了後の状態の取鍋を示す断面図である。 従来の溶融金属用取鍋の構成を示す断面図である。 大気圧と中間容器内の圧力との差に対する排出量を示すグラフである。 本発明に係る液体用容器の別の構成例である溶融金属用取鍋を示す断面図である。 本発明に係る液体用容器のさらに別の構成例である溶融金属用取鍋を示す断面図である。 溶融金属の排出開始前における上記溶融金属用取鍋の断面図である。 溶融金属が排出されるときの上記溶融金属用取鍋の断面図である。 中間容器内の大気圧からの減圧量に相当する電圧値の時間変化を示すグラフである。
符号の説明
10 取鍋本体部(容器本体部)
30 サイフォン部本体(サイフォン部)
31 中間容器(小容器)
32 入口管(第1の管)
33 出口管(第2の管)
36 整流部材(整流物)
37 電動弁(開閉手段)
38 圧力計(気圧検出手段)
41 比較部(判断手段)
42 制御部(制御手段)
43 真空ポンプ(吸引手段)
44 弁(吸入圧可変手段)
45 開口部(第2の管の第2開口部)
46 開口部(第1の管の第2開口部)
47 配管(連絡口)
61 保持炉(排出容器)
141a 下部電極(検知手段)
141b 中間電極(検知手段)
141c 上部電極(検知手段)
142 中間電極検知部(検知手段)
143 上部電極検知部(検知手段)
144 電磁弁(吸入圧可変手段)
145 弁駆動部(吸入圧可変手段)

Claims (12)

  1. 液体を搬送するための液体用容器であって、
    液体を貯蔵するための容器本体部と、
    前記容器本体部から液体を排出するためのサイフォン部とを有しており、
    前記サイフォン部は、第1の管と、第2の管と、小容器とを備え、
    前記第1の管の第1開口部および前記第2の管の第1開口部は、小容器の内部と通じるように、小容器と接続されており、
    前記第1の管の第2開口部は、前記容器本体部の内部であり、かつ、小容器よりも低い位置にあり、
    前記第2の管の第2開口部は、前記容器本体部の外部であり、かつ、前記第1の管の第2開口部よりも低い位置にあり、
    前記小容器の内部の気体を吸引する吸引手段を備えていることを特徴とする液体用容器。
  2. 前記吸引手段の吸入圧を変更する吸入圧可変手段がさらに備えられていることを特徴とする請求項1に記載の液体用容器。
  3. 前記第1の管から前記小容器へと流入する前記液体の流れの勢いより発生する渦流または乱流を抑制する整流物が前記小容器に固定されていることを特徴とする請求項2に記載の液体用容器。
  4. 前記小容器は箱状であり、
    前記第1の管の第1開口部は、前記小容器の底面に接続されており、
    前記整流物は、前記底面における前記第1の管との接続部の上方に位置していることを特徴とする請求項3に記載の液体用容器。
  5. 前記小容器の内部の気圧を検出する気圧検出手段が備えられていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体用容器。
  6. 前記小容器は、自身の内部の気圧を大気圧に戻すための外部との連絡口と、該連絡口を開閉する開閉手段とを有していることを特徴とする請求項1または5に記載の液体用容器。
  7. 前記気圧検出手段によって検出された検出気圧が所定の値より小さいか否かを判断する判断手段と、
    前記検出気圧が所定の値よりも小さいと前記判断手段が判断した場合に、前記連絡口を開く制御手段とを備えることを特徴とする請求項6に記載の液体用容器。
  8. 前記第2の管の内径が、前記第1の管の内径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の液体用容器。
  9. 前記第2の管は、水平面に対して略45°の角度となるように、前記小容器に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の液体用容器。
  10. 小容器内の液量を検知する検知手段を備えており、
    前記吸入圧可変手段は、前記検知手段の検知した液量に基づいて、吸入圧を変更することを特徴とする請求項2に記載の液体用容器。
  11. 請求項1から10の何れか1項に記載の液体用容器の使用方法であって、
    前記第2の管の第2開口部を、排出先の排出容器に溜められた液体の中に浸けるとともに、前記容器本体部を密閉状態とする第1のステップと、
    前記第1のステップの後に、前記吸引手段により小容器内の気体を吸引し、前記容器本体部内の液体および前記排出容器に溜められた液体を小容器に引き上げる第2のステップと、
    前記第2のステップの後、前記小容器内に所定量の液体が入ったときに、前記容器本体部を大気開放させ、容器本体部から液体を排出させる第3のステップとを有することを特徴とする液体用容器の使用方法。
  12. 請求項11に記載の液体用容器の使用方法であって、
    前記第3のステップの後、前記小容器の液量を一定の範囲内にするために、前記小容器の液量に応じて、前記吸引手段の小容器に対する吸入圧を変更する第4のステップをさらに有することを特徴とする液体用容器の使用方法。
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