JP2005161341A - はんだインク組成物 - Google Patents

はんだインク組成物

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Abstract

【課題】 インクジェット方式に用いることができる接合用はんだ材料を提供することである。
【解決手段】 インクジェット方式に用いることができる接合用はんだ材料を提供することである。はんだインクは、インクジェット方式に用いられる。はんだインクは、所望の径を有するはんだ粒子13と、分散剤15とを含む。分散剤15は、はんだインクに含まれるはんだ粒子の凝集を防ぐために添加される。分散剤15は、はんだ粒子13に吸着し、はんだ粒子13をはんだインク内に分散させる。以上のような成分を含むはんだインクは、インクジェット方式により、被印刷体に噴霧される。
【選択図】 図4


Description

本発明は、回路基板における配線パターンと電子部品とを接合するための接合材料に関し、より特定的にははんだ材料を含む接合材料に関する。
従来、電子機器などに用いられる電子回路基板の製造プロセスにおいて、電子部品を基板に実装するために用いられる方法の1つにリフローはんだ付けがある。リフローはんだ付けは、電子部品における所定の箇所(例えば電極やリード、端子、ターミナル)と、基板に形成された配線パターンにおける所定の箇所(例えばランドやランドパターン)とを電気的および物理的に接合する方法である。リフローはんだ付けは、まず、基板に形成された配線パターンのランド上に、はんだを含む接合材料を供給することによって行われる。その後、電子部品をランド上に適切に配置し、基板を熱処理することによって、電子部品の電極と配線パターンとを接合する。
リフローはんだ付けに用いられる接合材料は、一般的にはクリームはんだである。クリームはんだを配線パターンの所定の箇所に供給する方法として、スクリーン印刷法が代表的である。スクリーン印刷法において用いられるクリームはんだは、例えば、スズおよび鉛を主成分とするはんだ粉末(直径約10〜40μm)と、ロジン、活性剤および溶剤から成るフラックスとを混合することによって作製される。
以下、スクリーン印刷法によるクリームはんだの印刷手順について説明する。まず、印刷するパターンに対応するメタルマスク(またはスクリーン版)が作製される。メタルマスク(厚み約80〜150μm)には、所定の形状を有する開口部が設けられる。開口部は、基板上のランドに対応するようにメタルマスクの所定の箇所に設けられる。
次に、メタルマスクの開口部が基板上のランドに合致するように位置合わせを行い、メタルマスクを基板に接触させて配置する。そして、基板に乗せたメタルマスク上にクリームはんだを供給する。次に、スキージを基板面に対して平行移動させ、メタルマスク上のクリームはんだをならす(スキージングする)ことによって、クリームはんだは開口部を経て、すなわち「版抜け」して、基板上に(残留)印刷される。
その後、メタルマスクを基板から離して、メタルマスクとその上にあるクリームはんだとを基板から除去する。一般的に、クリームはんだが供給されるべきランドは、基板上に複数存在して所定のランドパターンを構成している。クリームはんだは、当該ランドパターンに対応した接合パターンとしてランドパターン上に供給される。
また、近年、携帯電話などの携帯用電子機器の小型化および高機能化に伴って、電子回路基板の更なる高集積化を図るべく、基板に実装される電子部品の小型化や、電子部品における電極間の狭ピッチ化が進められている。これにより、電子部品が実装される基板上のランドサイズも微小化されるため、スクリーン印刷法によるクリームはんだの印刷パターンも、さらに微細化される必要がある。
特開2001−035255号公報 特開2002−299833号公報
しかしながら、メタルマスクを用いる従来のスクリーン印刷法によって、微小なランドの上にクリームはんだを供給すると、クリームはんだが版抜けせずにメタルマスクの開口部に残留してしまう場合がある。この場合、ランド上にクリームはんだが正しく印刷されない。この問題を解決する方法として、例えば、メタルマスクの厚みを薄くする方法が考えられる。しかしながら、メタルマスクを薄くすることによって、印刷されるはんだ量が少なくなるため、リフロー後のはんだ付け強度が確保できないという新たな問題が生じ得る。従って、スクリーン印刷法では、印刷するパターンの微細化に伴って、印刷の信頼性が低下するという問題がある。
また、近年、同一品種を大量に生産する従来の生産方式から、多数の品種を少量ずつ生産する多品種少量生産へと移り変わる傾向にある。スクリーン印刷法では、基板に形成すべき接合パターンを切り替える毎に、メタルマスクの交換や洗浄などの作業を行わなければならない。このため、スクリーン印刷法を用いて多品種少量生産する場合、生産効率が低下してしまう。
さらに、スクリーン印刷法で用いられるクリームはんだについても課題が存在する。通常、クリームはんだには、印刷性を向上させる目的でチキソ剤が添加される。このチキソ剤の物性は、応力に対して変化しやすいため、クリームはんだの流動特性が変化しやすくなる。従って、印刷時におけるクリームはんだの取扱いが難しく、基板への印刷状態の制御が困難であり、高い再現性が得られないという問題がある。
基板上に微細な配線パターンを形成する方法として、特開2001−035255号公報(特許文献1)に提案されているものがある。同方法においては、粒子径0.01μm以下の微細な金属粒子を含む超微粒子独立分散液を用いて基板上に形成した薄膜を、エッチング法によりパターニングする。超微粒子独立分散液に含まれる金属粒子は微細であり、また、超微粒子独立分散液の粘度は室温で0.05Pa・s以下と低いため、配線パターンの微細な溝部分であっても金属粒子が入り込み、配線パターンを形成することができる。
しかしながら、同方法による配線パターンの形成法は、基板をスピンコータ上に設置し、当該スピンコータを回転させ、その上方から超微粒子独立分散液を滴下するため、基板全面に超微粒子独立分散液の薄膜が形成される。従って、所望の配線パターンを得るためには、薄膜のエッチングを行わなければならないため、処理工程が増加するという問題がある。
ここで、微細なパターンを形成することができる方法として、インクジェット方式がある。インクジェット方式は、例えばインクジェットプリンタに用いられる技術であって、一般的には、液状のインクを被印刷体に吹き付けることによって印刷を行う方法である。
インクジェット方式として、特開2002−299833号公報(特許文献2)に提案されているものがある。同方法においては、粒径1〜100nmの微細な金属粒子と有機溶媒とを混合したナノペーストをインクジェット方式によって基板に吹き付け、配線パターンを形成する。ナノペーストは、平均粒径1〜100nmの金や銀、銅などの金属微粒子の表面を、金属元素と配位可能な分散剤(アミン、アルコール、チオールなど)で被覆することによって、有機溶媒中に安定に分散させている。
しかしながら、前述の金や銀からなる液体インクは配線パターンを形成するために開発されたものであって、配線パターンと電子部品とを接合することができない。インクジェット方式に適用することができ、かつ配線パターンと電子部品とを接合することができるはんだ材料を用いたインクは現時点では存在しない。また、従来のスクリーン印刷法において、接合材料として用いられて来たクリームはんだは、粒子径が最小でも10μmと大きく、また常温(代表的には25℃)で200Pa・s程度の高粘度である。従って、クリームはんだを液体インクとしてインクジェット方式に適用した場合、ノズルが目詰まりしてしまう。
それゆえに、本発明の目的は、インクジェット方式に用いることができる接合用はんだ材料を提供することである。
本発明は、インクジェット方式に用いられるはんだインクであって、
所望の径を有するはんだ粒子と、
はんだ粒子に吸着し、はんだ粒子をはんだインク内に分散させる分散剤とを含む。
本発明によれば、インクジェット方式によってはんだ粒子を含むはんだインクを被印刷体に噴霧することによって、はんだ粒子を印刷することができる。また、分散剤を添加しているため、はんだインク内ではんだ粒子を凝集せずに均一に分散させることができる。従って、はんだインクを用いて、微細なパターンを精度よく印刷することができる。
まず、本発明の実施形態に係るはんだインクについて具体的に説明する前に、本発明の基本概念について説明する。従来の技術に係るスクリーン印刷法では、印刷するパターンの微細化に対応できないという問題点がある。本発明者らは、基板上に形成された配線パターンと電子部品とを電気的および物理的に接合する接合材料を印刷するために、インクジェット方式の原理を利用することについて検討した。
一般的に、インクジェット方式に用いられるインクには、着色剤(例えば顔料や染料)や金や銀などの金属粒子が含まれる。例えば、着色剤を含むインクは、紙に文字や画像を印刷するために用いられ、金属粒子を含むインクは、基板上に配線パターンを印刷するために用いられる。配線パターンと電子部品とを接合するためには、インクには接合材料であるはんだ材料から生成された粒子(以下、はんだ粒子)が含まれている必要がある。
しかしながら、従来のスクリーン印刷法において、接合材料として用いられていたクリームはんだは高粘度であり、また、はんだ粒子の粒子径が大きいため、ノズルから液体のインクを吐出するインクジェット方式に適用することができない。また、金属粒子を含むインクは、回路形成材料として開発されたものであって、配線パターンと電子部品とを接合することができない。従って、インクジェット方式によって印刷することができ、かつ、配線パターンと部品とを接合することができるインクを開発する必要がある。
はんだ粒子を含むインク(以下、はんだインク)をインクジェット方式で印刷するためには、はんだインクの粘度をインクジェット方式に適した粘度とすることが必要である。さらに、はんだ粒子を配線上に確実に供給するために、はんだ粒子は、はんだインク中で凝集することなく、一様に分散していることが望ましい。
粒子と液体とを混合した場合、一般的に、粒子の沈降速度は粒子(分散質)の粒径および分散媒に対する粒子の比重(または密度)に依存することが知られている。このことから、本発明者らは、はんだ粒子の粒径を分散媒に分散可能な程度に十分小さくすること、および、はんだ粒子の比重を分散媒の比重に対して減少させることの少なくとも一方を実現することによって、はんだ粒子の分散性を向上させることができると考えた。
次に、本発明者らは、はんだインクに適したはんだ粒子の粒子径について検討した。単体の金属を粉末にする方法としては、例えばガス中蒸発法がある。ガス中蒸発法は、希ガス(Ar、Heなど)中で金属を蒸発させ、蒸発した金属をガスで急激に冷やすことにより凝集させて微粒子を形成する方法である。しかしながら、はんだ材料は複数の金属からなる合金であるため、ガス中蒸発法によって微細なはんだ粒子を作製することができない。
はんだ粒子は、一般的に、遠心噴霧法によって製造される。遠心噴霧法は、溶融状態のはんだ材料を高速に回転するディスクから遠心力によってはじき飛ばすことによって、はんだ粒子を製造する方法である。また、はんだ粒子は、ガスアトマイズ法(ガス噴霧法)によって製造することもできる。ガスアトマイズ法は、溶融状態のはんだ材料を噴霧し、噴霧した溶滴をそのまま凝固させることによってはんだ粒子を製造する方法である。これらの方法によって粒子径10μm未満であるようなはんだ粒子を効率的に得ることは困難であることから、一般的に市販されているクリームはんだ用のはんだ粒子の平均粒径は、最小でも約10μmである。
前述の方法によって粒子径が10μmよりも小さい微細なはんだ粒子を製造することは可能である。しかしながら、微細なはんだ粒子の製造には歩留まりが低い、表面積が大きくなるため酸化しやすいなどの欠点がある。従って、微細なはんだ粒子のニーズがないため、市販のはんだ粉末は、分級によって粒径に上限と下限とが設けられ、この範囲外の粒子はカットされる。このため、金属粒子の代わりにはんだ粒子を用いて微細な粒子を作製する場合、金属粒子を用いる場合に比べて、利用できるはんだ粒子の粒径が限られている。
本発明者らは、種々のサイズのはんだ粒子を用いてテストした結果、はんだインクの製造、印刷精度(または画質)、および接合部の製造精度の観点から、好ましいはんだ粒子の粒子径を見出した。
さらに、本発明者らは、はんだ粒子を微粒子化し、はんだインク中のはんだ粒子を分散させる分散剤の選択、検討、評価を行うことによって、新規なはんだインクを作製した。しかし、得られたはんだインクを用いて、インクジェット方式による印刷は可能であるが、印刷されたはんだインクは、配線パターンと電子部品とを接合するという点において必ずしも十分ではないことが判明した。これは、はんだインクに含まれるはんだ粒子の微粒子化に伴い、はんだ粒子の表面積に対する酸化被膜の割合が増大することによって、表面酸化が急激に進むことに一因があると考えられる。
そこで、本発明者らは更なる検討の結果、上記のような問題を解決し、インクジェット方式の原理を利用して、例えば基板等の被印刷体に所望のパターンで正確に印刷することができる新規な接合材料を実現するに至った。
以下、本発明に係るはんだインクについて説明する。はんだインクは、はんだ粒子と、活性剤と、分散剤と、粘度調整剤とを含み、インクジェット方式によって基板上に吹き付けるために用いられる。以下、はんだインクに含まれる成分について詳細に説明する。
はんだ粒子は、例えばSnを含有するはんだ合金から生成され、典型的にはガスアトマイズ法によって作製される。はんだ粒子はリフロー時の加熱によって溶融させるため、融点が350℃以下であるものが好ましい。はんだ粒子の融点は、180〜250℃であるものが特に好ましい。なお、本明細書において「融点」とは、材料が少なくとも部分的に溶融し始める温度をいう。
はんだ材料は、鉛を含んでいても、鉛を含んでいなくてもよい。鉛を含有するはんだ材料は、例えばSn−Pb系材料である。しかしながら、環境への影響を考慮した場合においては、鉛を含まない鉛フリーはんだ材料が好ましい。鉛フリーはんだ材料は、例えばSn−Ag系材料やSn−Ag−Cu系材料、Sn−Bi系材料、Sn−Cu系材料、Sn−Ag−Ni系材料、Sn−Ag−Bi系材料、Sn−Ag−Bi−In系材料、Sn−Ag−Bi−Cu系材料、Sn−Zn系材料、Sn−Zn−Bi系材料である。なお、本明細書において、「〜系材料」とは、その材料系についての共晶組成およびその近傍の組成を有し、該共晶組成から大幅にずれない程度に微量の他の成分を含み得る材料をいう。
図1に示すSEM写真を参照して、はんだ粒子の粒子径について説明する。はんだ粒子の平均粒子径は0.5〜2.0μmであって、特に0.5μmが好ましい。はんだ粒子の平均粒子径が0.5μmよりも小さい場合、粉末自体が極めて活性となるために、吐出あるいは印刷の過程で粒子同士が固結し、はんだインクの流動が阻害される場合がある。一方、はんだ粉末の平均粒子径が2.0μmよりも大きい場合、はんだ粉末が沈降、分離してしまうため、微細なパターンへの安定した供給が困難となる。
なお、本明細書において、粒子とは、例えば球形、回転楕円体形状および不定形などの任意の形状を有し得る粒状物をいう。また、粒径とは、粒子が球形を有するとの仮定に基づいて得られる粒子の寸法を言い、粒子から成る粒状材料の平均粒径により代表され得る。粒子の集合物である粒状材料の粒径分布は、レーザ回折・散乱法により求めることができ、例えばMicrotrac FRA(日機装株式会社製)を用いて求めることができる。粒子の平均粒径は、そのようにして得られる粒状材料の粒径分布から求められる体積平均の粒径である。
以下、はんだ粒子の製造方法について説明する。まず、ガスアトマイズ法によってはんだ粉末を作製する。次に、気流分級装置(遠心力型風力分級機)を用いて、不活性ガス雰囲気中で回収したはんだ粉末を所望の粒子径に分級する。これにより、粒子径0.5〜2.0μmの低酸素なはんだ粒子が生成される。
図2および図3を参照して、分級されたはんだ粒子の粒径分布の一例について説明する。図2は、分級されたはんだ粒子の粒度分布を測定した値であであり、図3は、図2の値をグラフ化したものである。粒度測定器として、Microtrac HRA(日機装株式会社)を用いて、はんだ粒子の粒度分布を測定した。また、酸素分析器としてEMGA−523(堀場製作所)を用いて、はんだ粉末に含まれる酸素の定量分析を行った。はんだ粉末に含まれる酸素量は、2000ppmであった。
図3に示す模式図を参照して、はんだインク中に存在する、はんだ粒子および分散剤について説明する。はんだインク11に存在するはんだ粒子13は、分散剤13によって被覆されている。分散剤15は、典型的には共重合ポリマーであって、はんだ粒子13がはんだインク中で凝集することなく分散させるために添加される。はんだインクにおいて、極性基を有する共重合ポリマーの分子が、非溶解物質(ここでははんだ粒子13)に吸着してミセルを形成することによって、はんだ粒子13を溶剤に分散させたり、はんだ粒子13が沈積したりするのを防止する。ここで、ミセルとは、数個あるいは百数十個の分子やイオンが、お互いに引き合って寄り集まり、小さなボール状となっているものをいう。
共重合ポリマーの平均分子量は、350〜450の範囲に限定される。分子量が350未満の場合、はんだインクにおけるはんだ粉末の均一分散が維持されずに沈降、分離してしまう。一方、共重合ポリマーの分子量が550以上の場合、はんだインクが高粘度になるため、ノズルからの吐出や、印刷が困難となる。具体的には、共重合ポリマーは、例えばイソブチレンやノルマルブチレン、メタアクリル酸アルキル、アルキレングリコールであって、これらののいずれか1種あるいは2種以上からなる。
次に、活性剤について説明する。はんだ粒子13が空気に触れると、はんだ粒子13の表面には酸化被膜が形成される。はんだ粒子13の表面に形成される酸化被膜は、リフロー加熱時のはんだの濡れ性を阻害する要因となる。また、クリームはんだに用いられるはんだ粒子13の粒子径(最小でも10μm)に比べ、はんだインクに用いられるはんだ粒子13の粒子径は0.5〜2.0μmと小さい。はんだ粒子13の粒径が小さくなると、粒子体積に対する表面積の割合が増大する。従って、はんだ粒子13の粒子径が小さい場合には、酸化被膜量は粒子径が大きい場合に比べて相対的に増加することとなる。そこで、リフロー加熱時にはこの酸化被膜を還元させるために、活性剤を予め付与しておく必要がある。
活性剤は、例えば2エチルアミン塩酸塩であって、リフロー加熱時におけるはんだの濡れ性を確保するために添加される。活性剤は、2エチルアミン塩酸塩に限られず、有機酸、有機アミンあるいは有機アミン塩類のいずれか1種あるいは2種以上からなるものであってもよい。また、活性剤は、はんだインクに含まれるはんだ材料の融点よりも100℃以下の温度で融解し、さらに、はんだ材料の融点よりも30℃以下の温度で解離または分解するものが好ましい。
なお、例えば、はんだインクに含まれるはんだ粒子13が無酸化状態である場合、または、還元雰囲気中やプラズマ雰囲気中でリフローはんだ付けを行う場合においては、活性剤ははんだインクに添加されなくてもよい。この場合においては、はんだ粒子13の表面に酸化被膜が形成されないため、活性剤を添加せずに、リフローはんだ付け時に必要な濡れ性を確保することができるからである。さらに、活性剤は、少なくとも分散剤に均一に溶解するものであって、インク中で分離/沈殿することによってはんだ粒子の均一分散に悪影響を及ぼすものでなければ、従来のはんだ付けに用いられている活性剤を適用することもできる。
次に、粘度調整剤について説明する。粘度調整剤は、典型的には炭化水素系溶剤であって、粘度を調整するためにはんだインクに配合される。はんだインクの粘度は、0.05Pa・s以下であることが好ましい。
炭化水素系溶剤は、例えば、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ナフテンのいずれか1種あるいは2種以上からなる。炭化水素系溶剤は、沸点範囲が80〜300℃、炭素数が6〜15の範囲から選択された1種もしくは2種以上からなるものであっても構わない。炭化水素系溶剤は、リフロー加熱時のはんだの濡れ性の妨げとならないものが好ましい。なお、はんだインクの粘度を調整する必要がない場合、炭化水素系溶剤は添加されなくてもよい。
次に、はんだインクに含まれる組成物(はんだ粒子13、活性剤、分散剤15および粘度調整剤)の配合比について説明する。はんだインクにおいて、100重量部のはんだ粒子13に対して、共重合ポリマーを約100〜500重量部、粘度調整剤を約0〜20重量部、活性剤を約0〜20重量部配合する。好ましくは、100重量部のはんだ粒子13に対して、共重合ポリマーを約100〜200重量部、粘度調整剤を約5〜10重量部、活性剤を約2〜5重量部配合する。
はんだ粒子13に対する共重合ポリマーの割合が100重量部より小さい場合、十分な分散効果が得られずに、はんだ粒子13が沈殿してしまう。一方、はんだ粒子13に対する共重合ポリマーの割合が500重量部より大きい場合、はんだインクの粘度が上昇してしまうため、好ましくない。
また、はんだ粒子13に対する粘度調整剤の割合が小さい場合、粘度を下げることができないため、好ましくない。一方、はんだ粒子13に対する粘度調整剤の割合が20重量部より大きい場合、はんだインク中におけはんだ粒子の分散効果が低下してしまう。
また、はんだ粒子13に対する活性剤の割合が小さい場合、はんだ粒子13の表面に形成された酸化膜を除去することができず、リフローはんだ付け時に、はんだが濡れ広がらなくなるため好ましくない。一方、はんだ粒子13に対する活性剤の割合が20重量部より大きい場合、はんだ付け後に吸湿や酸化により腐食し、絶縁破壊を起こす要因となってしまう。
以上のような組成比で生成されたはんだインクを用いれば、インクジェット方式の原理によってはんだ粒子13を均一に分散させつつ被印刷体へ印刷することができる。印刷は、例えば、インクジェット方式を利用した印刷機構を備える装置、例えばインクジェット方式の分野において一般的に使用されるプリンタや、また、プリンタと同様の原理を利用した装置等を用いて行うことができる。
また、はんだインクは、比較的低融点のはんだ粒子13を含むため、被印刷体(例えば基板)に形成された配線パターンと電子部品とを接合するための接合材料として用いることができる。具体的には、まず、基板に所定のパターンではんだインクを印刷する。そして、電子部品をはんだインク(接合材料)を印刷したパターンと接触するようにして配置し、はんだインクに含まれるはんだ粒子13の融点以上の温度に基板を加熱してはんだ材料を溶融させる。その後、基体を放冷または冷却し、溶融させたはんだを凝固させると、凝固したはんだ材料によって電子部品が配線パターン上に、電気的および物理的に接合される。
従って、被印刷体として配線基板を用いる場合、本発明のはんだインクを用いて電子部品が配線基板に接合された電子回路基板もまた本発明により提供される。
以下に、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本実施例は、本発明の最良の実施形態の一例であり、本発明はこの実施例によって限定されるものではない。
はんだ材料として、純度99.9%のSnとAgの地金を用いてSn−Ag2元共晶合金(融点221℃)を作製した。当該はんだ材料を、溶融温度350℃、ガス圧力300kPa、噴霧室内O2濃度10ppmにコントロールしたガス噴霧装置にて溶融噴霧し、粒子径10μm以下のはんだ粉末を得た。そして、気流分級装置を用いて、回収したはんだ粉末を分級した。分級は、平均酸素濃度200ppmの不活性雰囲気中で行った。その結果、平均粒子径1.0〜2.0μmのはんだ粒子を得た。
気流分級装置によって分級された平均粒子径1.0〜2.0μmのはんだ粒子を100重量部として、イソブチレンとノルマルブチレンとよりなる分子量300〜450の共重合ポリマーを200重量部、炭素数8〜10で沸点が150℃のイソパラフィンからなる炭化水素系溶剤を5重量部、さらには融点92℃の2エチルアミン塩酸塩を2重量部秤量、混合し、これを超音波式ホモジナイザー装置に掛けてはんだ微粒子を分散させ、はんだインクを調整した。調整したはんだインクの粘度は0.01Pa・sであった。
以上のように調整したはんだインクを用い、インクジェット方式の原理によって0603タイプの基板上のチップパターン位置に膜厚10μmのはんだインクを印刷した。はんだインクの印刷後、当該チップ部品を基板上にマウントし、これを窒素雰囲気式リフローはんだ付け装置にて245℃のリフロー温度ではんだ付けを行った。
はんだ付け後、マイクロスコープを用いてチップ部品におけるはんだ付け部の外観観察を行った。また、X線透過装置を用いてはんだボールや、ボイド等の発生数を測定することにより、濡れ性の評価を行った。その結果、印刷後のはんだインクにおいて、はんだボールやボイドの発生数はゼロであり、配線パターンの所定の箇所上にチップ部品が正確にはんだ接合されていた。
本発明にかかるはんだインクは、インクジェット方式に用いることができる接合用はんだ材料等として有用である。
本発明の一実施形態におけるはんだインクに含まれるはんだ粒子を撮影したSEM写真 はんだ粒子の粒度分布測定値 図2の粒度分布測定値に基づくグラフ はんだ粒子および分散剤の概略断面図
符号の説明
13 はんだ粒子
15 分散剤

Claims (12)

  1. インクジェット方式に用いられるはんだインクであって、
    所望の径を有するはんだ粒子と、
    前記はんだ粒子に吸着し、当該はんだ粒子をはんだインク内に分散させる分散剤とを含む、はんだインク。
  2. 前記はんだインクは、前記はんだ粒子の酸化被膜を除去する活性剤をさらに含む、請求項1に記載のはんだインク。
  3. 前記はんだインクは、当該はんだインクの粘度を調整する粘度調整剤をさらに含む、請求項1および請求項2に記載のはんだインク。
  4. 前記所望の径は2.0μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のはんだインク。
  5. 前記所望の径は0.5μm以上であることを特徴とする、請求項4に記載のはんだインク。
  6. 前記活性剤は、前記はんだ粒子の融点よりも100℃以下の温度で融解し、さらには30℃以下の温度で解離または分解する有機酸、有機アミン、有機アミン塩類の群から選ばれることを特徴とする、請求項2に記載のはんだインク。
  7. 前記活性剤は、2エチルアミン塩酸塩であることを特徴とする、請求項6に記載のはんだインク。
  8. 前記分散剤は、平均分子量350〜550であり、かつ少なくとも1種以上の共重合ポリマーからなることを特徴とする、請求項1に記載のはんだインク。
  9. 前記分散剤は、イソブチレン、ノルマルブチレン、メタアクリル酸アルキル、アルキレングリコールの群から選ばれることを特徴とする、請求項8に記載のはんだインク。
  10. 前記粘度調整剤は、炭素数6〜15であり、かつ沸点が80〜300℃である炭化水素系容剤であることを特徴とする、請求項3に記載のはんだインク。
  11. 前記粘度調整剤は、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ナフテンの群から選ばれることを特徴とする、請求項10に記載のはんだインク。
  12. 前記はんだインクの粘度は0.05Pa・s以下であることを特徴とする、請求項1に記載のはんだインク。
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