JP2005161235A - 排気ガス浄化触媒及びその製造方法 - Google Patents

排気ガス浄化触媒及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】NOx転化率の優れた排気ガス浄化触媒及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】多孔質無機酸化物基材と貴金属とNOx吸着材を含有して成り、リーン時にNOxを吸着し、リッチないしストイキ時にNOxを脱離・浄化する排気ガス浄化触媒。排気ガス浄化触媒は、貴金属担持NOx吸着材を含み、該貴金属担持NOx吸着材上の貴金属粒子がほぼ均一に分布しており、該触媒中のNOx吸着材が、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の一方又は双方の炭酸塩である。
排気ガス浄化触媒の製造方法である。アルカリ金属及びアルカリ土類金属の一方又は双方の炭酸塩粒子に、アルカリ性塩に由来する貴金属を担持することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、排気ガス浄化触媒及びその製造方法に係り、更に詳細には、リーン時に窒素酸化物(NOx)を吸着し、リッチないしストイキ時にNOxを脱離・浄化する排気ガス浄化触媒及びその製造方法に関する。
従来から、NOxを吸着・浄化する排気ガス浄化触媒には、NOx吸着材としてアルカリ金属やアルカリ土類金属を含む化合物が用いられている。
この触媒におけるNOxの浄化作用は、リーン制御時に貴金属により排気ガス中の一酸化窒素(NO)を酸化してNOとする段階(第1段階)、生じたNOをNOx吸着材により炭酸塩又は硝酸塩として吸着する段階(第2段階)、及びリッチないしストイキ制御時にNOxを脱離し、貴金属により浄化する段階(第3段階)に分けられる。
上記第1段階と第2段階を速やかに進行させるためには、酸化したNOxを速やかにNOx吸着材が化合物として吸着することが必要となる。このため、貴金属とNOx吸着材であるアルカリ金属やアルカリ土類金属を含む化合物とが相互に近接した状態であることがNOx吸着においては望ましい。
このような、アルカリ金属やアルカリ土類金属を含む化合物に直接貴金属を担持する方法を用い、炭酸バリウムや硫酸バリウム粒子に貴金属を担持した触媒が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−232208号公報
しかしながら、特許文献1の従来技術では、炭酸バリウムや硫酸バリウムは、アルミナと比較して比表面積が著しく小さいため十分な触媒活性が得られず、また、耐熱性に劣るなどの問題点があった。
また、製造工程において、ジニトロジアミン白金塩溶液等の酸性溶液を用いると、アルカリ金属やアルカリ土類金属を含む化合物が溶解してNOx吸着性能が低下する問題があった。
一方で、本発明者らは、触媒中の全ての貴金属をNOx吸着材上に担持する、もしくは多孔質無機酸化物上に担持した場合、かえってリッチないしストイキ制御時にNOx脱離が阻害され、結果としてNOx転化率が低下することを見出した。
本発明は、このような従来技術の有する課題や知見に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、NOx転化率の優れた排気ガス浄化触媒及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、アルカリ性塩に由来する貴金属を担持したNOx吸着材を用いることなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の排気ガス浄化触媒は、多孔質無機酸化物基材と貴金属とNOx吸着材を含有して成り、リーン時にNOxを吸着し、リッチないしストイキ時にNOxを脱離・浄化する。
かかる排気ガス浄化触媒は、貴金属担持NOx吸着材を含み、該貴金属担持NOx吸着材上の貴金属粒子がほぼ均一に分布しており、該触媒中のNOx吸着材は、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の炭酸塩である。
また、本発明の排気ガス浄化触媒の製造方法は、上記本発明の排気ガス浄化触媒を製造するに当たり、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の炭酸塩粒子に、アルカリ性塩に由来する貴金属を担持することを特徴とする。
本発明によれば、アルカリ性塩に由来する貴金属を担持したNOx吸着材を用いることなどとしたため、NOx転化率の優れた排気ガス浄化触媒及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の排気ガス浄化触媒について詳細に説明する。なお、明細書及び特許請求の範囲において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
上述の如く、本発明の排気ガス浄化触媒は、多孔質無機酸化物基材と貴金属とNOx吸着材を含有して成り、リーン時にNOxを吸着し、リッチないしストイキ時にNOxを脱離・浄化する。かかる排気ガス浄化触媒は、貴金属担持NOx吸着材を含み、該貴金属担持NOx吸着材上の貴金属粒子はほぼ均一に分散しており、NOx吸着材は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の一方又は双方の炭酸塩である。
NOx吸着材に直接担持した貴金属が存在することにより、貴金属とNOx吸着材の接触面が増加して、NOx吸着性能を向上させることができる。
また、NOx吸着材に直接担持した貴金属粒子が、偏在せずに、ほぼ均一に分散(例えば、担持、乾燥後、更には焼成後も3nm以下の粒径を保持し、NOx吸着材の粒子1個当り20〜300個のPt粒子が存在)していることにより、NOx吸着性能の低下を抑制することができる。
本発明に用いる貴金属は、排気ガス中のNOを酸化してNOxとすることができればよく、代表的には、白金(Pt)、パラジウム(Pd)及びロジウム(Rh)等の貴金属を挙げることができるが、NOx吸着材に直接担持した貴金属に関しては、アルカリ性塩に由来することを要し、現時点ではPtが特に望ましい。詳細については後述する。
また、用いるNOx吸着材は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の一方又は双方の炭酸塩等従来公知のものを用いることができる。代表的には、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム又は炭酸カルシウム及びこれらの任意の混合物、更にはこれらの任意の組合せに係る複合炭酸塩を挙げることができる。
また、排気ガス浄化触媒の触媒活性を向上させるためには、NOx吸着材は高比表面積であることが好ましく、具体的には、比表面積が20m/g以上であることが好ましい。
特に、貴金属を直接担持したNOx吸着材は、比表面積を維持して触媒活性を維持するために、粒径の分散は小さいことが好ましく、例えば、NOx吸着材粒子の総数の80%以上が粒径150nm以下であることが好ましい。
また、貴金属を直接担持したNOx吸着材は、比表面積を維持して触媒活性を維持するために、そのNOx吸着材の平均粒径が200nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることが更に好ましい。
NOx吸着材は、平均粒径が200nmを超えて粗大である場合には、NOx吸着性能が低下する場合があり好ましくない。
更に、用いる多孔質無機酸化物は、高比表面積を有すれば特に限定されるものではなく、代表的にはアルミナ等を挙げることができる。また、従来公知のセリア等を含有したアルミナ等を適宜用いることができる。
本発明の排気ガス浄化触媒は、貴金属及びNOx吸着材を担持した多孔質無機酸化物基材を含むことが望ましい。
貴金属を直接担持しないNOx吸着材が存在することにより、NOx吸着性能とNOx脱離性能のバランスを好適化し、NOx転化率を向上させることが可能となる。
なお、本発明の排気ガス浄化触媒は、スラリーを作製して一体構造型担体に担持することもできる。一体構造型担体としては、例えばコージェライトなどのセラミックスやフェライト系ステンレスなどの金属等の耐熱性材料から成るモノリス担体やハニカム担体が用いられる。
次に、本発明の排気ガス浄化触媒の製造方法について更に詳細に説明する。
上述の如く、本発明の排気ガス浄化触媒の製造方法は、上記本発明の排気ガス浄化触媒を製造するに当たり、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の一方又は双方の炭酸塩粒子に、アルカリ性塩に由来する貴金属を担持することを特徴とする。
アルカリ性を示す貴金属塩を用いることによって、上記所定の排気ガス浄化触媒を得ることができる。
現時点においては、アルカリ性を示す貴金属の塩としては、トリアミン、テトラアミン及びヘキサアミン等のPt水酸塩が知られており、これらを用いることが望ましい。
また、NOx吸着材であるアルカリ金属やアルカリ土類金属の炭酸塩が溶解することを防ぐために、含浸担持する際のスラリーのpHは7〜10に調整することが好ましい。
以下、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、従来の排気ガス浄化触媒の製造方法(比較例1)の過程において得られたPt担持炭酸バリウムの透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。なお、(a)の倍率は10000倍、(b)の倍率は800000倍である。
例えば、従来のように酸性Pt塩(ここでは、ジニトロジアミンPt塩である。)をNOx吸着材(ここでは、炭酸バリウム粒子である。)に含浸担持する場合には、炭酸バリウムがジニトロジアミンPt塩により溶解され、同図(a)に示すように、凝集して粗大な粒子(代表的には、粒径が1μm程度。)が生成する。これによりNOx吸着性能が低下する可能性がある。
また、同図(b)に示すように、凝集した炭酸バリウム粒子上のPt粒子は偏在してPt粒子凝集群を形成している。このように均一に分散していないため、高温下において更に凝集が起こり、その結果、NOx吸着性能が低下する可能性がある。
図2は、本発明の排気ガス浄化触媒の製造方法(実施例1)の過程において得られたPt担持炭酸バリウムのTEM写真である。なお、倍率は(a)、(b)それぞれ図1と同様である。
例えば、アルカリ性Pt塩(ここでは、テトラアミンPt水酸塩である。)をNOx吸着材(ここでは、炭酸バリウム粒子である。)に含浸担持する場合には、炭酸バリウム粒子は、溶解や凝集が上記従来の場合と比較して格段に起こりにくいため、同図(a)に示すように、原料段階の初期粒径(代表的には、平均粒径100nm以下。)をほぼ保つことが可能となる。これにより、従来の場合と比較して、NOx吸着性能を向上させることができる。
また、同図(b)に示すように、初期粒径をほぼ保った炭酸バリウム粒子上のPtは粒径を保ち(代表的には、Pt粒径1〜3nm。)、ほぼ均一に分散している。
なお、本発明の排気ガス浄化触媒は、例えばハニカム担体に担持した後(更に焼成した後)においても、図2と同様な状態を保持したPt担持炭酸バリウムをTEM写真により観察することができる。
また、本発明の排気ガス浄化触媒の製造方法は、下記の(1)〜(3)工程を含むものであってもよい。
(1)アルカリ金属及びアルカリ土類金属一方又は双方の炭酸塩粒子に、アルカリ性塩に由来する貴金属を担持して、貴金属担持炭酸塩粒子を作製する工程。
(2)多孔質無機酸化物基材に、貴金属と、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の一方又は双方の炭酸塩を担持して、貴金属及び炭酸塩担持多孔質無機酸化物粒子を作製する工程。
(3)(1)及び(2)工程で得られた貴金属担持炭酸塩粒子と貴金属及び炭酸塩担持多孔質無機酸化物粒子を混合・焼成する工程。
上記工程(1)及び(2)のように、貴金属担持炭酸塩粒子と貴金属及び炭酸塩担持多孔質無機酸化物粒子を別個に作製することによって、工程(3)において、これらの混合比率を調整して、NOx吸着性能とNOx脱離性能を好適化することが可能となり、排気ガス浄化触媒のNOx転化率を向上させることができる。
また、上記工程(2)において、アルミナ等の多孔質無機酸化物に含浸担持するアルカリ金属やアルカリ土類金属の炭酸塩の原料は特に限定されるものではなく、硝酸塩や酢酸塩等を用いることができる。また、その担持方法は、多孔質無機酸化物基材にアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩の水溶液を含浸させてもよく、多孔質無機酸化物基材に貴金属を担持した後に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩の水溶液を含浸させてもよい。
更に、上記工程(3)の混合過程において、貴金属担持炭酸塩粒子に由来するアルカリ金属及びアルカリ土類金属の一方又は双方の炭酸塩と、多孔質無機酸化物粒子に由来するアルカリ金属及びアルカリ土類金属の一方又は双方の炭酸塩の混合比(貴金属担持炭酸塩粒子由来:貴金属及び炭酸塩担持多孔質無機酸化物粒子由来)が、酸化物質量換算で、20:80〜70:30であることが好ましい。
貴金属担持炭酸塩粒子由来のアルカリ金属やアルカリ土類金属の炭酸塩の割合が、酸化物質量換算で、70を超えるとNOx吸着性能は向上するものの、NOx脱離性能が低下し、結果としてNOx転化率が低下する場合があり好ましくない。
一方、貴金属担持炭酸塩粒子由来のアルカリ金属やアルカリ土類金属の炭酸塩の割合が、酸化物質量換算で、20未満の場合には要求されるNOx吸着性能が得られない可能性がある。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
堺化学工業(株)製炭酸バリウム(比表面積29.4m/g)10g当たり、Ptを1.955%含むテトラアミンPt水酸塩溶液16gと蒸留水4mlを混合して1時間撹拌した後、150℃にて20時間蒸発乾固させ、400℃にて1時間焼成して、Ptを3.03%担持した粉末を得た。これを触媒粉末1とした。
γ−アルミナ粉末10g当たり、蒸留水16mlと酢酸バリウム溶液(バリウムとして20%)4gとを混合して1時間撹拌した後、150℃にて20時間蒸発乾固させ、650℃にて2時間焼成して白色粉末を得た。この粉末にPtを1.955%含むテトラアミンPt水酸塩溶液7.4gと蒸留水13mlを混合して1時間撹拌した後、150℃にて20時間蒸発乾固させ、400℃にて1時間焼成して、Ptを1.43%担持した粉末を得た。これを触媒粉末2とした。
触媒粉末2を100g当たり、触媒粉末1を5g、アルミナゾルを10.4g、蒸留水を173ml、これらを磁性ボールミルに混合して1時間粉砕し、得られたスラリーをコージェライト質モノリス担体(1.3L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層300g/Lの本例の排気ガス浄化触媒を得た。
(実施例2)
γ−アルミナ粉末10g当たり、蒸留水19.5mlと酢酸バリウム溶液(バリウムとして20%)1.6gとを混合して1時間撹拌した後、150℃にて20時間蒸発乾固させ、650℃にて2時間焼成して白色粉末を得た。この粉末にPtを1.955%含むテトラアミンPt水酸塩溶液6.4gと蒸留水13.6mlを混合して1時間撹拌した後、150℃にて20時間蒸発乾固させ、400℃にて1時間焼成して、Ptを1.24%担持した粉末を得た。これを触媒粉末3とした。
触媒粉末3を100g当たり、触媒粉末1を11g、アルミナゾルを11g、蒸留水を183ml、これらを磁性ボールミルに混合して1時間粉砕し、得られたスラリーをコージェライト質モノリス担体(1.3L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層300g/Lの本例の排気ガス浄化触媒を得た。
(実施例3)
γ−アルミナ粉末10g当たり、蒸留水17.2mlと酢酸バリウム溶液(バリウムとして20%)2.8gとを混合して1時間撹拌した後、150℃にて20時間蒸発乾固させ、650℃にて2時間焼成して白色粉末を得た。この粉末にPtを1.955%含むテトラアミンPt水酸塩溶液6.9gと蒸留水13.1mlを混合して1時間撹拌した後、150℃にて20時間蒸発乾固させ、400℃にて1時間焼成して、Ptを1.33%担持した粉末を得た。これを触媒粉末4とした。
触媒粉末4を100g当たり、触媒粉末1を8g、アルミナゾルを12g、蒸留水を180ml、これらを磁性ボールミルに混合して1時間粉砕し、得られたスラリーをコージェライト質モノリス担体(1.3L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層300g/Lの本例の排気ガス浄化触媒を得た。
(実施例4)
γ−アルミナ粉末10g当たり、蒸留水15.3mlと酢酸バリウム溶液(バリウムとして20%)4.7gとを混合して1時間撹拌した後、150℃にて20時間蒸発乾固させ、650℃にて2時間焼成して白色粉末を得た。この粉末にPtを1.955%含むテトラアミンPt水酸塩溶液7.7gと蒸留水12.3mlを混合して1時間撹拌した後、150℃にて20時間蒸発乾固させ、400℃にて1時間焼成して、Ptを1.48%担持した粉末を得た。これを触媒粉末5とした。
触媒粉末5を100g当たり、触媒粉末1を3g、アルミナゾルを11.5g、蒸留水を171ml、これらを磁性ボールミルに混合して1時間粉砕し、得られたスラリーをコージェライト質モノリス担体(1.3L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃にて乾燥した後、400℃にて1時間焼成し、コート層300g/Lの本例の排気ガス浄化触媒を得た。
(比較例1)
堺化学工業(株)製炭酸バリウム(比表面積29.4m/g)10g当たり、Ptを8.51%含むジニトロジアミンPt溶液2.3gと蒸留水17.7mlを混合して1時間撹拌した後、150℃にて20時間蒸発乾固させた。
次に、この粉末を使用した炭酸バリウム10g当たり、30gのγ−アルミナと混合して24時間乾式粉砕した後、更にPtを8.51%含むジニトロジアミンPt溶液8.2gと蒸留水52mlとを投入・混合して1時間撹拌した後、150℃にて20時間蒸発乾固させ、400℃にて1時間焼成して、Ptを1.57%担持した粉末を得た。これを触媒粉末6とした。
触媒粉末6を100g当たり、アルミナゾルを11.2g、蒸留水を166ml、これらを磁性ボールミルに混合して1時間粉砕し、得られたスラリーをコージェライト質モノリス担体(1.3L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃にて1時間焼成し、コート層300g/Lの本例の排気ガス浄化触媒を得た。
(比較例2)
γ−アルミナ粉末10g当たり、蒸留水14mlと酢酸バリウム溶液(バリウムとして20%)6gとを混合して1時間撹拌した後、150℃にて20時間蒸発乾固させ、650℃にて2時間焼成して白色粉末を得た。この粉末にPtを1.955%含むテトラアミンPt水酸塩溶液8.2gと蒸留水11.8mlを混合して1時間撹拌した後、150℃にて20時間蒸発乾固させ、400℃にて1時間焼成して、Ptを1.58%担持した粉末を得た。これを触媒粉末7とした。
触媒粉末7を100g当たり、アルミナゾルを11.2g、蒸留水を166ml、これらを磁性ボールミルに混合して1時間粉砕し、得られたスラリーをコージェライト質モノリス担体(1.3L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層300g/Lの本例の排気ガス浄化触媒を得た。
[性能評価]
(耐久方法)
排気量4400ccのエンジンの排気系に上記各例の排気ガス浄化触媒を装着し、国内レギュラーガソリンを使用し、触媒入口温度を700℃とし、50時間運転して耐久させた。
(評価方法)
排気量2000ccのエンジンの排気系に、耐久後の上記各例の排気ガス浄化触媒を装着して、10−15モードを走行し、モードのNOx転化率を求めた。ここで、モード中、定常走行時はリーン(A/F=25)、減速時は燃料カット、加速時はリッチ(A/F=11、2秒間)→ストイキ(A/F=14.3)という運転を行った。なお、触媒入口温度は400℃であった。得られたNOx転化率を表1に示す。
Figure 2005161235
表1より、本発明の範囲に属する実施例1〜4は、本発明外の比較例1及び2よりもNOx転化率が優れていることが分かる。
また、NOx吸着材上に担持する貴金属の量などにより性能は変化するものの、一般的な評価結果から触媒中のNOx吸着材のうち貴金属を担持した炭酸バリウム由来のNOx吸着材の比率が70%を超えるとNOx脱離性能が低下し、結果としてNOx転化性能が低下する。また、同様の比率が10%以下では貴金属を担持した炭酸バリウム由来のNOx吸着材を全く加えない場合に対して大きな性能の向上が見られない点から、現時点では、実施例2又は3が最も良好な結果をもたらすものと思われる。
比較例1の製造方法で得られるPt担持炭酸バリウムのTEM写真((a)倍率:10000倍、(b)倍率:800000倍)である。 実施例1の製造方法で得られるPt担持炭酸バリウムのTEM写真((a)倍率:10000倍、(b)倍率:800000倍)である。

Claims (8)

  1. 多孔質無機酸化物基材と貴金属とNOx吸着材を含有して成り、リーン時にNOxを吸着し、リッチないしストイキ時にNOxを脱離・浄化する排気ガス浄化触媒であって、
    貴金属担持NOx吸着材を含み、該貴金属担持NOx吸着材上の貴金属粒子がほぼ均一に分散し、
    上記NOx吸着材が、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の炭酸塩であることを特徴とする排気ガス浄化触媒。
  2. 貴金属及びNOx吸着材を担持した多孔質無機酸化物基材を含むことを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化触媒。
  3. 上記貴金属担持NOx吸着材におけるNOx吸着材の平均粒径が200nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気ガス浄化触媒。
  4. 上記貴金属担持NOx吸着材におけるNOx吸着材の平均粒径が150nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化触媒。
  5. 上記貴金属担持NOx吸着材におけるNOx吸着材の平均粒径が100nm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化触媒。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化触媒を製造するに当たり、
    アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の炭酸塩粒子に、アルカリ性塩に由来する貴金属を担持することを特徴とする排気ガス浄化触媒の製造方法。
  7. 請求項2〜5のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化触媒を製造する方法であって、下記の(1)〜(3)工程
    (1)アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の炭酸塩粒子に、アルカリ性塩に由来する貴金属を担持して、貴金属担持炭酸塩粒子を作製する工程
    (2)多孔質無機酸化物基材に、貴金属と、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の炭酸塩を担持して、貴金属及び炭酸塩担持多孔質無機酸化物粒子を作製する工程
    (3)得られた貴金属担持炭酸塩粒子と貴金属及び炭酸塩担持多孔質無機酸化物粒子を混合・焼成する工程
    を含むことを特徴とする排気ガス浄化触媒の製造方法。
  8. 上記(3)工程の混合過程において、貴金属担持炭酸塩粒子のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属炭酸塩と、貴金属及び炭酸塩担持多孔質無機酸化物粒子のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属炭酸塩との混合比が、酸化物質量換算で、20:80〜70:30であることを特徴とする請求項7に記載の排気ガス浄化触媒の製造方法。
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