JP2005161036A - ゴルフクラブ及びゴルフクラブの価格決定方法 - Google Patents

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享之 白石
Hiroshi Saegusa
宏 三枝
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Abstract

【課題】ゴルフクラブヘッドの亀裂や損傷、ゴルフクラブシャフトの破損などの破壊が現れる前に、ゴルフクラブヘッドやゴルフクラブシャフトの寿命を予測することができるゴルフクラブを提供する。
【解決手段】ゴルフクラブヘッド2、ゴルフクラブシャフト4およびグリップ部4aを有するゴルフクラブ1であって、ゴルフクラブヘッド2に与えられる衝撃を検出する衝撃センサー14と、ゴルフクラブシャフト4の軸方向の遠心力を検出する加速度センサー13を有し、ゴルフボールを打撃した時の衝撃によりゴルフボールの打撃回数を計数し、累積打撃回数の情報をゴルフクラブの外部に送信する。また、ゴルフクラブシャフト4の耐え得る限界値より小さい所定の値以上になったときに、ゴルフクラブヘッド2やゴルフクラブシャフト4の寿命が近いことを知らせる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゴルフクラブ及びゴルフクラブの価格決定方法に関し、特に、亀裂や損傷などの破壊が現れる前にゴルフクラブヘッドの寿命を予測したり、折損が起きる前にゴルフクラブシャフトの寿命を予測することができる、特にゴルフボールの累積打球回数の計測が可能なゴルフクラブ及びこのゴルフクラブの価格決定方法に関する。
近年、ゴルフクラブでゴルフボールをより遠くに飛ばすことのできる種々のゴルフクラブヘッドが提供されている。
例えば、ゴルフクラブヘッドのフェース部にチタン合金等の特殊な材料を用いたり、フェース部を有する部材の肉厚を薄くしてゴルフクラブヘッドのフェース部の反発係数を向上させている。さらに、ゴルフクラブヘッドのフェース部の肉厚を薄肉化するとともに、フェース部と接合される部分を薄肉化する極限設計が行われつつある。このようなゴルフクラブヘッドを備えるゴルフクラブは、特にゴルフボールを遠くに飛ばして飛距離を向上させ、さらにはスコアアップにつながるため、ゴルフ競技者にとって重要な道具となっている。
このようにゴルフボールの飛距離を稼ぐゴルフクラブヘッドは、上述したようにフェース部を有する部材を薄肉化する方向にあるため、ゴルフボールを打った際にゴルフクラブヘッドが前触れもなくいきなり全体が破壊することがないように、ゴルフクラブヘッドの耐久性を厳しく評価することが重要となっている。
また、ゴルフクラブシャフトについても、軽量化を目的とする極限設計や、部分的な剛性変化を備えるようにした極限設計がなされ、さらにゴルフクラブヘッドと同様に、構成部材の薄肉化が施されている。
ところで、ゴルフクラブヘッドの破壊に関する耐久性の評価方法は、一般に、エアキャノンを用いてゴルフクラブヘッドのフェース部に向けてゴルフボールによる打撃を与えるか、あるいは試打ロボットまたはゴルファーによるゴルフボールの試打等を行って、ゴルフクラブヘッドのフェース部に繰り返し打撃を与え、所定回数の打撃の後に、ゴルフクラブヘッドの亀裂または損傷の程度を目視によって確認する方法が用いられている。また、ゴルフクラブシャフトの耐久性の評価方法も上記ゴルフクラブヘッドと同様である。
しかし、従来のゴルフクラブヘッドの耐久性の評価方法は、ゴルフクラブヘッドが耐え得る限界を超えて破壊に至る打撃回数を求める破壊試験であり、試験用ゴルフクラブヘッドについて破壊が生じるまでゴルフボールを衝突させる方法である。そのため、特定のゴルフクラブ、例えば現在使用中のゴルフクラブのゴルフクラブヘッドの寿命がどの程度残っているかを予測することはできないという問題がある。
また、ゴルフクラブシャフトについては、現在FRP(繊維強化樹脂)製が主流であるが、特にFRP製のゴルフクラブシャフトの場合には、金属製のような繰り返し疲労的な要素よりも、特定箇所の衝撃による折損が考えられる。例えば、ゴルフクラブヘッドのヒール寄りの、ゴルフクラブシャフトとゴルフクラブヘッドとの連結部分に近い箇所でゴルフボールを打撃した場合や、ゴルフボール打撃時の衝撃によりゴルフクラブシャフトの先端部分に一定以上の衝撃が加わった場合に折損し易くなる傾向がある。そのため、ゴルフクラブシャフトの場合には、衝撃を受けると折損しやすい箇所を予め見出しておき、その部分に加わる衝撃を検出するようにするとよいと考えられる。
一方において、ボールを打撃する打撃具内に加速度センサーを埋設し、速度や打撃力や打撃されたボールの到達飛距離を計算する処理部と、各処理により出力される数値を表示する表示器とを備えた打撃具が下記特許文献1に提案されている。
しかし、速度や打撃力や到達飛距離を計算するだけでは、ゴルフクラブヘッドの寿命がどの程度残っているかを予測することはできない。
また、ゴルフクラブ、グリップ、ゴルフクラブシャフト、ゴルフクラブヘッド等のそれぞれの製造に関する情報、例えば製造工場名、製造ロット番号、製造年月日等の情報や修理を行った旨の情報を書き込んでおき、必要に応じてこれらの情報を取り出して取得できるゴルフクラブが下記特許文献2で開示されている。当該技術では、ゴルフクラブを購入後、品質や履歴等を管理することができるものの、このようなゴルフクラブの履歴の情報を取得しても、実際にゴルフクラブヘッドの寿命がどの程度残っているかを予測することはできない。
実開昭61−67768号公報 特開平9−135925号公報
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、ゴルフクラブヘッドの亀裂や損傷、ゴルフクラブシャフトの折損などの破壊が現れる前に、ゴルフクラブヘッドやゴルフクラブシャフトの疲労度を把握して寿命を予測することができるゴルフクラブを提供するとともに、この寿命を予測することができるゴルフクラブの価格決定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のゴルフクラブは、ゴルフクラブヘッド、ゴルフクラブシャフトおよびグリップ部を有するゴルフクラブであって、ゴルフボールを打撃した時に前記ゴルフクラブヘッドに与えられる衝撃を検出する打撃検出部と、前記衝撃からゴルフボールの打撃回数を計数して累積打撃回数を求める計数部と、前記求められた累積打撃回数の情報を外部へ送るための送信部と、を有することを特徴とする。
ここで、前記打撃検出部は、前記ゴルフクラブヘッド内に設けられていることが好ましい。
また、前記打撃検出部には、前記ゴルフクラブヘッドに与えられる衝撃を検出する衝撃センサーが設けられていることが好ましい。
また、前記衝撃センサーは、前記ゴルフクラブヘッドの内のクラウン部またはソール部に設けられた、打球移動方向の加速度を検出する加速度センサーであることが好ましい。
また、ゴルフスイングの状態を検出するスイング検出部を具備していてもよい。例えば、スイング動作状態に生じるゴルフクラブシャフトの軸方向の加速度を検出する。
また、前記計数部は、前記ゴルフクラブヘッドに与えられる衝撃をその大きさに応じて多段階に判別し、各段階ごとに累積打撃回数を求めることが好ましい。
さらに、前記打撃検出部、前記計数部及び前記送信部の他に、前記打撃検出部、前記計数部及び前記送信部を駆動する電力供給部が、前記ゴルフクラブヘッドに設けられている形態のゴルフクラブであってもよい。
さらに、本発明は、前記ゴルフクラブの前記累積打撃回数を取得するステップと、取得した前記累積打撃回数から、前記ゴルフクラブの打撃に対する現在の耐用度合いを求めるステップと、この耐用度合いに基づいて、現在の前記ゴルフクラブの価格を決定するステップと、を有することを特徴とするゴルフクラブの価格決定方法を提供する。
前記ゴルフクラブの価格は、前記耐用度合いの他に、ゴルフクラブの外観損傷の情報に基づいて決定することが好ましい。また、前記ゴルフクラブの価格は、前記耐用度合いの他に、ゴルフクラブの部品の取替えを含む履歴情報に基づいて決定することが好ましい。
ここで、耐用度合いとは、ゴルフクラブが寿命に到るまで、今後どの程度の耐用度が有るかを示す度合いである。例えば、ゴルフクラブの性能データによる新品時から寿命にいたるまでの耐用打撃回数と累積打撃回数との比率を耐用度合いとする。
本発明のゴルフクラブによれば、検出部で検出した衝撃から計数部が求めた累積打撃回数に基づいてゴルフクラブヘッドやゴルフクラブシャフトの疲労度を把握することができる。ゴルフクラブヘッドやゴルフクラブシャフトの疲労が進んでゴルフクラブヘッドの亀裂や破損、ゴルフクラブシャフトの折損などの破壊が現れる前に、ゴルフクラブヘッドやゴルフクラブシャフトの寿命を予測することができる。
さらに、本発明のゴルフクラブの価格決定方法によれば、現在の累積打撃回数の情報を取得することができるので、寿命にいたるまでにどの程度の耐用度を備えているかを知ることができ、中古ゴルフクラブの価格の決定に有効に用いることができる。
(第一の実施形態)
以下、本発明の一実施形態に係るゴルフクラブの例を図面を参照して説明する。図1は本実施形態に係るゴルフクラブ1の全体を示した斜視図であり、図2は同ゴルフクラブ1のゴルフクラブヘッド2を、図1に示したA−A線を通る平面で切断した断面を示す断面図である。
図1および図2において、ゴルフクラブ1は、本願の発明をウッド系ドライバーに適用したものである。図2に示すように、ゴルフクラブヘッド2の内部、具体的にはソール部5の内壁面に打撃検出部およびスイング検出部として機能する検出ユニット3が設けられている。この検出ユニット3では、検出ユニット3の外套を構成するハウジング10の内部に、スイング検出部31および打撃検出部33を備えている。
ここで「打撃検出部」とは、ゴルフクラブヘッドに与えられる衝撃、例えばゴルフボールをゴルフクラブヘッドで打撃したときの衝撃を検出する部分である。具体的には、「打撃検出部」では、ゴルフクラブヘッドに与えられた衝撃を加速度の変化によって検出する歪みゲージ型または圧電型の加速度センサー、ゴルフクラブヘッドに与えられた衝撃を、ゴルフクラブヘッドに発生する歪みによって検出する歪みゲージあるいはロゼットゲージ等が衝撃を検出する衝撃センサーとして用いられる。また、検出するべき衝撃の大きさ、即ち、どの程度の大きさの衝撃から検出されるようにするかは、後述する監視システム60を調節することにより適宜設定することが可能である。
また、「スイング検出部」とは、ゴルフクラブスイング状態を検出する部分である。具体的には、「スイング検出部」では、スイング動作時に生じるゴルフクラブシャフトの軸方向の加速度を検出する歪みゲージ型または圧電型の加速度センサーの他、スイング動作時に生じるゴルフクラブシャフトの変形を検出することで、加速度を検出する歪みゲージ、ロゼットゲージ等が用いられる。「スイング検出部」において加速度を検出する加速度センサーを用いる場合、「打撃検出部」の衝撃センサーとして併用することもできる。また、検出するべき加速度の大きさ、即ち、どの程度の大きさの加速度から検出されるようにするかは、後述する監視システム60を調節することにより適宜設定することが可能である。
図示例のゴルフクラブ1では、検出ユニット3の内部に、スイング検出部31および打撃検出部33を備えている。スイング検出部31には、ゴルフクラブ1のダウンスイング時に生じるゴルフクラブシャフト4の軸方向の遠心力を検出する加速度センサー13、および、同じくゴルフクラブシャフト4の軸方向の遠心力が生じたときに電源スイッチをオンする電源スイッチ7が収容されている。
また、打撃検出部33には、ゴルフクラブヘッド2に作用する衝撃を検出する衝撃センサー14が収容されている。
さらに、検出ユニット3内には、加速度センサー13で生じた電気信号を増幅する増幅器61、および衝撃センサー14で生じた電気信号を増幅する増幅器62が収容されている。
加速度センサー13は、ゴルフクラブ1をダウンスイングする時に生じるゴルフクラブシャフト4の軸方向の加速度を検出するセンサーであり、例えば圧電型や歪みゲージ型の加速度センサーが例示される。
電源スイッチ7は、固定電極および開閉電極(ともに図示省略)から構成され、開閉電極はゴルフクラブシャフト4の軸方向に弾性的に変位可能に設けられており、ゴルフクラブシャフト4の軸方向の遠心力が生じると、この遠心力によって変位して固定電極と接触することにより電源スイッチ7が投入される構造となっている。
なお、この電源スイッチ7としては、ゴルフクラブのスイング動作による開閉の他に、グリップ部を把持したことによる開閉、手動による開閉等、電源の開閉が可能な形態であればよく、特に限定されない。
衝撃センサー14は、ゴルフクラブヘッド2に与えられる衝撃、たとえばゴルフボールをゴルフクラブヘッド2で打撃したときの衝撃を検出するセンサーである。衝撃センサー14は、加速度を検出することで衝撃を検出する加速度センサーである。この衝撃センサー14は、ゴルフクラブヘッド2に衝撃が与えられると、この衝撃による加速度を検出して、衝撃の大きさに対応する電気信号を発する。衝撃センサー14は、加速度センサーの他に、衝撃を受けた際にゴルフクラブヘッドに発生する歪みを検出することで衝撃を検出する歪みゲージを衝撃センサーとして用いてもよい。
図2中の小円Bに示したように、ゴルフクラブ1のソール部5の下面51には開口部51aが設けられ、この開口部51aに検出ユニット3が着脱可能に設けられている。例えば、本実施形態では、検出ユニット3の底部がソール部5の一部を構成する形状を備えており、開口部51aに検出ユニット3をネジ止めして固定することにより、検出ユニット3の底部が開口部51aの蓋となり、ソール部5全体として連続的な曲面を形成する。
ゴルフクラブシャフト4のグリップ部4aには、後述する監視システム60を構成する監視ユニット22、監視ユニット22からの信号を発するアンテナ23、および電源を供給するバッテリー24が設けられている。検出ユニット3内に設けられた電源スイッチ7、センサー13、衝撃センサー14、増幅器61、および増幅器62、さらに、監視ユニット22、バッテリー24は、ゴルフクラブ1のゴルフクラブヘッド2の検出ユニット3と、ゴルフクラブシャフト4内を通ってグリップ部4aに至るリード線25で電気的に接続されている。
なお、監視システム60に電力を供給する電源としては、バッテリー24による供給の他に、電磁波による外部からの供給等、電力を供給できる形態であればよく、特に限定されない。
次に、本実施形態に係る監視システム60について説明する。図3は本実施形態に係る監視システム60の構造を模式的に示したブロック図である。本実施形態に係る監視システム60は、図3に示すように、スイング検出部31を構成する加速度センサー13、打撃検出部33を構成する衝撃センサー14、増幅器61、増幅器62、監視ユニット22、および受信ユニット30の全てを構成要素として構成されている。なお、図3中、電源スイッチ7とバッテリー24は省略してある。
監視ユニット22は、計数部としてのCPU63、送信部としての送信ユニット65を有して構成されている。加速度センサー13から入力される微弱な電気信号は増幅器61で増幅され、衝撃センサー14から入力される微弱な電気信号は増幅器62で増幅されて、リード線25を介してそれぞれCPU63に電気信号として送られる。
CPU63は、加速度センサー13および衝撃センサー14から入力される信号に基づいて、ゴルフボールの打撃の有無を判別し、ゴルフボールの打撃回数を計数し、計数した打撃回数を加算して累積打撃回数を求めて記憶し、さらにゴルフクラブヘッドの寿命を予測する。具体的には、加速度センサー13および衝撃センサー14から入力される信号により、ゴルフクラブヘッド2でゴルフボールを打撃したか否かを判別する。
すなわち、加速度センサー13が検出したゴルフクラブシャフト4の軸方向の遠心力および衝撃センサー14が検出した打球移動方向の加速度から、ゴルフクラブヘッド2のフェース部11で実際にゴルフボールが打撃されたか否かを判別する。衝撃センサー14のみが打球移動方向の所定値以上の加速度を検出し、加速度センサー13がゴルフクラブシャフト4の軸方向の所定値以上の遠心力を検出しない場合には、CPU63は、衝撃センサー14が検出した打球移動方向の加速度はゴルフボールを打撃したことにより生じた衝撃ではないと判別し、ゴルフボールの打撃回数として計数しない。
一方、加速度センサー13がゴルフクラブシャフト4の軸方向の所定値以上の遠心力を検出し、さらに衝撃センサー14が打球移動方向の所定値以上の加速度を検出した場合には、衝撃センサー14が検出した打球移動方向の加速度はゴルフボールを打撃したことによる加速度であるとCPU63は判別して、ゴルフボールの打撃回数として計数する。
また、CPU63は、打球移動方向の加速度を、大きさの異なる少なくとも二段階に識別するようになっており、衝撃センサー14がゴルフクラブヘッド2に作用した打球移動方向の加速度を検出しゴルフボールの打撃回数として計数する際、例えば、加速度の大小に応じて異なる二種類の衝撃レベルの加速度信号の一方に識別して計数する。
すなわち、衝撃センサー14が大きな衝撃(大きな打球移動方向の加速度)を検出した場合には、検出した衝撃の大きさに対応した大きな信号をCPU63に送る。信号を受け取ったCPU63は、受け取った信号の大きさから衝撃の大きさを識別する。例えば所定の閾値より大きい信号を受け取った場合は大きな衝撃、すなわち強い打撃であると識別して、強い打撃回数として一回の打撃が計数される。
一方、衝撃センサー14が小さい衝撃(小さな打球移動方向の加速度)を検出した場合、衝撃の大きさに対応した小さな信号をCPU63に送り、信号を受け取ったCPU63は、受け取った信号の大きさから、例えば所定の閾値より小さい信号を受け取った場合は小さな衝撃、すなわち弱い打撃であると識別して、弱い打撃回数として一回の打撃が計数される。
さらに、上記のように計数された打撃は、強い打撃、あるいは弱い打撃として、打撃のレベルに応じて累積打撃回数に一回が加算され、CPU63の記憶部に記憶される。
ここで、累積打撃回数とは、所定の開始時点からゴルフボールの打撃に使用された回数を累積的に加算した値である。所定の開始時点とは、ゴルフクラブが製品として製造された時点、さらに、その他に、製品として使用中にゴルフクラブヘッドを交換した時点、またはゴルフクラブヘッドのフェース面の肉厚を薄くする等ゴルフクラブヘッドを改造したり加工した時点等、ゴルフクラブヘッドの寿命を予測するにあたり、始期になり得る時点をいう。また、前記のようなゴルフクラブヘッドの交換、改造、加工等により、ゴルフクラブとして複数回の開始時点を経る可能性があるため、累積打撃回数をリセットする機能を備えていることが好ましい。また、リセットする機能と共に、監視システム、監視ユニット又は計数部自体が検出した累積打撃回数を記憶する機能を備えていても良い。
以下に、累積打撃回数とゴルフクラブヘッドの破壊との関係について説明する。図4は、累積打撃回数および一次共振周波数の関係を示したグラフであり、横軸に累積打撃回数をとり、縦軸に一次共振周波数をとって一次共振周波数の累積打撃回数に伴う変化の過程を模式的に示すグラフである。ここで一次共振周波数は、ゴルフクラブヘッド2に振動を与えてゴルフクラブヘッド2のフェース面11が振動膜のように凹凸の振動形態となって共振するときの周波数であり、この一次共振周波数の変化を観察することでゴルフクラブヘッドの疲労度を測ることができるものである。
図4に示すように、ゴルフクラブヘッドの一次共振周波数の変化の過程において、一次共振周波数が累積打撃回数が増加するに伴い、わずかに周波数が低下する領域Rと、打撃に伴う一次共振周波数の低下が大きくなる領域Rと、打撃に伴う一次共振周波数の低下がさらに大きくなる領域Rの三つの領域が存在する。
領域Rはゴルフクラブヘッドの金属材料の疲労によりゴルフクラブヘッドの一次共振周波数が累積打撃回数によって徐々に低下する領域である。領域Rは、ゴルフクラブヘッドのフェース部の裏面などに亀裂が入り、表面に向けて亀裂が伸展している状態である。領域Rは、亀裂がゴルフクラブヘッドのフェース部を貫通し、亀裂が急激に広がって座屈するような状態である。このことから、領域Rと領域Rとの境界領域aで、ゴルフクラブヘッドのフェース部の裏面などに亀裂が入り始めたと考えられる。
すなわち、領域aがゴルフクラブヘッドの破壊の開始領域と考えられる。一方、領域bにおいて、ゴルフクラブヘッドのフェース部を亀裂が貫通し、目視により亀裂が確認されている。このように、ゴルフクラブヘッドの破壊は累積打撃回数が、ある値を超えると急激に進行する。そのため、累積打撃回数を常に監視する必要がある。
CPU63は、以上のようにして求めた累積打撃回数を記憶する記憶部を有する。また、CPU63は、上記のようにして求めた累積打撃回数が所定値、すなわちゴルフクラブヘッド2やゴルフクラブシャフト4が耐え得る限界値より幾分小さい値で、予め設定しておいた値以上となった場合に、送信ユニット65から受信ユニット30に信号を送信して累積打撃回数の値が所定値以上となったこと、したがってゴルフクラブヘッド2やゴルフクラブシャフト4の寿命が近いことを知らせる機能を有する。なお、この所定値としては、例えば、従来の評価方法で求めた耐久性試験の結果から、ゴルフクラブヘッド2やゴルフクラブシャフト4に亀裂や損傷などの目視できる破壊が現れるまでの累積打撃回数の平均値、例えば図4中のaの位置の平均値を求め、この平均値より幾分小さい値を用いることができる。例えば、平均値に対して標準偏差の一倍、二倍等の幅分低く設定する。また、上記平均値の50%を所定値として設定し、ゴルフクラブの買い替え時期やゴルフクラブヘッドの交換時期を前もって認識させるようにしてもよい。さらに、所定値を複数段階設定し、各所定値を越すごとにゴルファーに認識させるようにしてもよい。上記認識の段階は、上記平均値の50%、70%、90%等、耐久性の保証、買い替え時期の考え方等を参考にして当業者が適宜設定することができる。
受信ユニット30は、表示画面35と、受信ユニット30の本体に内蔵されたブザーやスピーカなどの警報機37と受信機(図示省略)からなる。この受信機が送信ユニット65からの信号を受信すると、表示画面35に累積打撃回数のデータが表示されると共に、累積打撃回数の値が所定値以上となって、ゴルフクラブヘッド2やゴルフクラブシャフト4の寿命が近づくと、ゴルフクラブヘッド2やゴルフクラブシャフト4の寿命が近い旨を知らせる表示が表示画面35上に表示され、さらにゴルフクラブヘッド2の寿命を超えたと判別される場合には、内蔵のブザーやスピーカーなどの警報機37から警報を発したり、ゴルフクラブヘッド2やゴルフクラブシャフト4の寿命を既に過ぎている旨を音声で知らせる。また、必要に応じて、受信ユニット30からの問い合わせに応じて累積打撃回数を送信する。表示画面35には、ゴルフクラブの買い替え又はゴルフクラブヘッドの交換時期を逐次認識させるための情報として、上記所定値の何%まで来ているかを表示させるようにしてもよいし、所定値までの打撃回数を表示するようにしてもよい。
なお、監視システム60、または受信ユニット30を除く監視システム60は、特に各ユニットが小型化、軽量化することによって、一体となってゴルフクラブヘッド内等に組み込まれていてもよい。監視システム60の軽量化は、ゴルフクラブの設計自由度の向上の点から好ましい。
ゴルフクラブ1は、打撃回数を多段階に分けて各段階ごとに判別し、各段階ごとに累積打撃回数を求めるものであるが、打撃による回数を、多段階に分けることなく計数するものであってもよい。この場合、ゴルフスウィングによる打球による打撃か否かを判別する機能があるとよいが、上述のように加速度センサー13の信号を用いてゴルフスウィングによる打撃か否かを判別する方法のほか、衝撃センサー14による衝撃レベルの大小を、設定された閾値と比較して打撃か否かを判別する方法を用いることもできる。
次に本実施形態に係るゴルフクラブ1の動作について説明する。
本実施形態に係るゴルフクラブ1を用いてゴルフボールを打撃する場合には、先ず、ゴルフクラブ1をテイクバックし、次いでダウンスイングを開始すると、検出ユニット3内の電源スイッチ7の開閉電極にはゴルフクラブシャフト4の軸方向の遠心力が作用し、この遠心力により開閉電極が固定電極と接触して電源スイッチ7が投入される。さらにゴルフクラブ1を振り下ろしてゆくと、ゴルフクラブヘッド2に作用する、ゴルフクラブシャフト4の軸方向の遠心力はゴルフボールをゴルフクラブヘッド2のフェース部11で打撃する打撃位置に近づくにつれて大きくなる。この遠心力は加速度センサー13によって検出される。
さらにゴルフクラブ1を振り下ろしてゴルフボールを打撃すると、このゴルフボールの打撃による衝撃、すなわち打球移動方向の加速度がゴルフクラブヘッド2内の衝撃センサー14により検出される。
このようにして、CPU63には加速度センサー13で検出した遠心力の信号と、衝撃センサー14により検出された衝撃、すなわち打球移動方向の加速度による信号とが送られる。CPU63は加速度センサー13からの遠心力の信号と衝撃センサー14からの衝撃による信号の二つの信号を受け取ることにより、衝撃センサー14からの信号がゴルフボールの打撃による信号であるか否かを判別し、この判定で肯定する所定の衝撃のレベルの信号である一回の打撃回数として計数し、記憶部に記憶されている累積打撃回数に加算して累積打撃回数を記憶する。
また、それと同時に累積打撃回数が所定値を越えたか否かを判別する。このとき、累積打撃回数の値がゴルフクラブヘッド2やゴルフクラブシャフト4の耐え得る限界値より小さい値で予め設定した所定の値以上である場合には、ゴルフクラブヘッド2やゴルフクラブシャフト4の寿命が近づいている旨を表示させる信号を送信ユニット65に送り、受信ユニット30の表示画面35にゴルフクラブヘッド2やゴルフクラブシャフト4の寿命が近づいている旨を表示させる。
累積打撃回数の加算の仕方としては、打撃の強弱に応じて多段階に分けて加算する。すなわち、CPU63では、ゴルフクラブヘッド2に作用した加速度の大きさに基づいて、ゴルフボールの打撃による衝撃を多段階、例えば二段階のレベルで識別し、衝撃の大きさに応じて打撃回数を計数する。例えば、強い打撃として、あるいは弱い(標準的な)打撃として計数される。こうして計数された打撃回数は、打撃のたびに累積打撃回数として一回が加算される。すなわち、強い打撃が行われたときは強い打撃の累積打撃回数が一回加算され、弱い打撃が行われたときは弱い打撃の累積打撃回数が一回加算される。
さらに、上記のようにして求めた累積打撃回数については打撃の強さごとにゴルフクラブヘッドやゴルフクラブシャフトの寿命を予測する。例えば、強い打撃の累積打撃回数が10,000回となったときにゴルフクラブヘッドやゴルフクラブシャフトの寿命が近いと判別する。一方、弱い打撃の累積打撃回数では累積打撃回数が例えば50,000回となったときにゴルフクラブヘッドやゴルフクラブシャフトの寿命が近いと判別する。このように打撃の強弱に応じて累積打撃回数を別々に加算し、それぞれの累積打撃回数に基づいてゴルフクラブヘッドやゴルフクラブシャフトの寿命を予測するので、より高精度にゴルフクラブヘッドやゴルフクラブシャフトの疲労度を把握することができ、ひいてはより高精度にゴルフクラブヘッドやゴルフクラブシャフトの寿命を予測することができる。
なお、衝撃の大きさの識別は、打撃検出部により衝撃の大きさを検知する識別手段、スイング検出部によりスイング速度を検知する識別手段が考えられる。衝撃の大きさは、ゴルフクラブヘッドやゴルフクラブシャフトの寿命に直接関わるものである。また、スイング速度は、速ければゴルフボールの打撃時に大きな衝撃を与える可能性が高い。以上より、両方法ともに寿命に関する衝撃を識別するための十分な要素となる。
また、累積打撃回数の計数方法については、例えば累積打撃回数の寿命を50,000回と設定し、強い打撃については1回毎に5を加算し、弱い打撃については一回毎に1を加算するようにして、強い打撃と弱い打撃とを纏めて累積してもよい。また、累積打撃回数の寿命を50,000回と設定し、打撃の強さに応じて、一回ごとに5、3または1を加算する等、打撃レベルを3段階以上に設定してもよい。
以上説明したように、本発明によれば、ゴルフクラブに、ゴルフボールを打撃した時にゴルフクラブヘッドに与えられる衝撃を検出するセンサーを設け、検出した衝撃の回数を計数して累積打撃回数として加算し、累積打撃回数がゴルフクラブヘッドやゴルフクラブシャフトが耐え得る限界値より小さい所定値以上になったときに知らせるので、ゴルフクラブヘッドやゴルフクラブシャフトに亀裂や損傷などの破壊が現れる前にゴルフクラブヘッドやゴルフクラブシャフトの寿命を予測し、ゴルフクラブヘッドやゴルフクラブシャフトの寿命が近いことを知らせることができる。また、累積打撃回数の情報を外部に送信することができるので、ゴルファーにとって有益な情報を得ることができる。
また、上記実施形態では、ゴルフクラブヘッドやゴルフクラブシャフトの寿命が近づいている旨を知らせる信号を受信ユニットに向けて発信させる構成にしたので、ゴルフクラブ自体の外観を損なうことなく、ゴルフクラブヘッドやゴルフクラブシャフトの寿命が近づいていることを知らせることができる。
さらに、上記実施形態では、センサーとしてゴルフクラブシャフトの軸方向の加速度を検出する加速度センサー、および打球移動方向の加速度を検出する衝撃センサーの二つのセンサーを設け、ゴルフクラブシャフトの軸方向の加速度を検出する遠心力の信号、および打球移動方向の加速度を検出する衝撃センサーで検出する打球移動方向の加速度の信号を受け取ったときに初めてゴルフボールを打撃した打撃回数として計数する構成としたので、ゴルフボールの打撃以外により生じた衝撃をゴルフボールの打撃であると誤って計数するおそれが低下し、ゴルフボールの打撃回数を高い精度で計数でき、累積打撃回数の精度が向上し、ひいてはゴルフクラブヘッドやゴルフクラブシャフトの寿命を高い精度で予測することができる。
また、上記実施形態のように、ゴルフクラブヘッドのソール部に歪みセンサーを設けることにより高い精度で衝撃を検出することができる。
さらに、上記実施形態のように送信ユニットをゴルフクラブヘッド内に設けることにより、外観を損なうことなく高機能のゴルフクラブを提供することができる。
さらに、本実施形態のように、ダウンスイング時の遠心力により開閉する開閉電極によりダウンスイング時にのみ電源が入る構造の電源スイッチを設けたので、電力消費量が抑えられ、長期間バッテリーを交換することなく衝撃および遠心力の検出を行うことができる。
また、上記実施形態のように、加速度センサーを含む検出ユニットをゴルフクラブヘッドのソール部に対して着脱可能に設けたので、加速度センサーや電源スイッチ、あるいは監視システムが故障したときに容易に修理したり、新しいものに交換することができる。
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、亀裂や損傷などのゴルフクラブヘッドの破壊、折損などのゴルフクラブシャフトの破壊が現れるようになる前に、ゴルフクラブヘッドやゴルフクラブシャフトの疲労度を予測することができ、ひいては、ゴルフクラブの寿命を予測することができる。
なお、本発明は上記実施形態に記載された内容に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、加速度センサーとしてゴルフクラブシャフトの軸方向の遠心力を検出する加速度センサーをゴルフクラブヘッド内に設けてゴルフボールの打撃の有無を判別する構成としたが、フィルム状の歪みセンサーをクラウン部、サイド、ソール部の各フェース部に近い位置に貼り付けて、これら複数のセンサーで検出した衝撃の大きさから総合的に判別してゴルフクラブヘッドに与えられた衝撃の大きさを把握する構造にしてもよい。
また、上記実施形態では、電源としてのバッテリーをグリップ部に内蔵した構造にしたが、ゴルフクラブの外部から電磁波の形で電源を供給する構造にしてもよい。
さらに、電源スイッチの開閉はグリップ部を握ったときにグリップ部に作用する圧力により行われる構造にすることも可能である。
また、CPU63は衝撃センサー13から供給される信号を用いて電気的に打撃回数を計数する計数部として機能するが、本発明において計数部の計数方法は特に限定されず、機械的に計数してもよい。
また、送信部は、無線または有線等による累積打撃回数の情報の送信のほか、累積打撃回数の情報が認識可能なように電気的に、また機械的に表示等を行なうようにしてもよい。
(変形例)
次に、本発明の変形例について説明する。図5は本発明の一変形例に係るゴルフクラブを、そのゴルフクラブシャフト4の中心軸を通り、フェース部11に略平行な平面で切断した状態を示した概略構成図である。図5に示したように、本変形例に係るゴルフクラブでは、打撃検出部と衝撃検出部とを備えた検出ユニット3aをゴルフクラブヘッド2の内部のヒール部に設けた。このような構成にすることにより、ゴルフクラブのダウンスイング時のゴルフクラブシャフト4の軸方向の遠心力をより正確に検出することができる。なお、検出ユニット3aをゴルフクラブヘッド2内に二つ設け、一つはソール部に設けてその内部に打撃検出部を設け、もう一つはヒール部に設けてその内部にスイング検出部を設けてもよい。
(第二の実施形態)
次に本発明の第二の実施の形態について説明する。本実施形態では、ゴルフクラブヘッド内に衝撃検出部のみを有するゴルフクラブについて例示する。本実施形態に係るゴルフクラブは、ゴルフクラブヘッド2内にスイング検出部を備えていない点、および、計数部のCPUは衝撃検出部からの信号のみに基づいてゴルフクラブの寿命を予測する点以外は上記第一の実施形態に係るゴルフクラブと同じである。
本実施形態に係るゴルフクラブでは、衝撃検出部としての衝撃センサーが検出したゴルフボール打撃時の衝撃に基づいて、ゴルフクラブの寿命を予測する。
本実施形態に係るゴルフクラブによれば、ゴルフボール打撃時の衝撃のみによりゴルフクラブの寿命を予測するので、簡単な構造にすることができる。
(第三の実施形態)
次に本発明の第三の実施の形態のゴルフクラブについて説明する。
第三の実施の形態のゴルフクラブは、第一の実施の形態における検出ユニット3と、シート状のICタグ70とを有して構成されたものである。ICタグ70は、第一の実施の形態の監視ユニット22と同様の機能を有する。
ICタグ70は、ゴルフクラブヘッド2の外表面にシール状に貼り付けられており、ゴルフクラブヘッドに与えられる衝撃からゴルフボールの打撃回数を計数して累積打撃回数を求め、この累積打撃回数の情報をゴルフクラブ1の外部へ送信する通信デバイスである。
ICタグ70は、図7に示すように、AD変換器71,CPU72,送信ユニット73,電力供給部74及び記憶部75等からなるICチップ76とアンテナ78とを有する。ゴルフクラブヘッド2のサイド部のトウ側部分には孔があけられ、検出ユニット3からの信号線が、この孔を通ってゴルフクラブヘッド2の表面に貼り付けられたICタグ70に接続されている。
AD変換器71は、検出ユニットのセンサーからの信号をAD変換し、CPU72に供給する。CPU72は、上記CPU63と同様に検出ユニットのセンサーからの信号を用いて打撃回数を計数する機能を有する。送信ユニット73は、記憶部75に記憶された累積打撃回数の情報を無線で送信するための信号を生成する機能を有する。
ICタグ70は、ゴルフクラブヘッド2のサイド部のトウ側部分に設けられているが、この他に、ヒール側部分に設けられてもよいし、クラウン部に設けられてもよい。特に、CFRP(カーボン繊維強化樹脂)等の非金属からなるクラウン部材上に設けることで、電波の反射を防止して送受信性能を向上させることができる。ICタグ70は、AD変換器71,CPU72,送信ユニット73,電力供給部74,記憶部75等を構成するICチップ76とアンテナ78が一体となって構成されているが、アンテナ78はICチップ76と別構成となってゴルフクラブ1に設けられてもよく、アンテナ78による送信が良好な所望な部分に設けられてもよい。例えばゴルフクラブシャフトの部分に設けられてもよい。
電力供給部74は、バッテリーによって構成され、検出ユニット3及びICタグ70に必要な電力を供給する。この他に、ゴルフスウィングの測定時及び累積打撃回数の情報の送信時のみ外部から供給される電磁波を利用して駆動電力を生成する整流器を有して構成してもよい。
検出ユニット3は、ゴルフクラブヘッド2の空洞内面のソール部に設けられるほか、サイド部のトウ側部分やヒール側部分に設けられてもよいし、さらにはフェース部の内面側に設けてもよい。
このようにICタグ70を用いて累積打撃回数の情報をゴルフクラブの外部へ送信する簡易な構成を実現することができる。
以上が本発明のゴルフクラブについての説明である。
上記第一〜三の実施形態のゴルフクラブを、本発明のゴルフクラブの価格決定方法に用いることによって、中古ゴルフクラブとしての価格を決定する際に、効果的に価格を決定することができる。すなわち、ゴルフクラブの現在の累積打撃回数の情報を取得することができるので、ゴルフクラブの現在の耐用度合いを定めて、価格を効果的に決定することができる。特に、価格を設定して市場に提供するゴルフクラブ販売業者にとって有効な方法である。
図8は、本発明のゴルフクラブの価格決定方法の一例を示すフローチャートである。
この価格決定方法はコンピュータ等を用いて実行される。
まず、ゴルフクラブの累積打撃回数が取得される(ステップS100)。
累積打撃回数の加算の仕方は、上述したように、衝撃の強弱に応じて多段階に分けて加算する。
次に、コンピュータに記憶されたゴルフクラブの製品、型式毎のゴルフクラブ性能データを用いて、得られた累積打撃回数からゴルフクラブの現在の耐用度の度合いが求められる(ステップS102)。
ここで、ゴルフクラブ性能データとは、新品時のゴルフクラブがどの程度の耐久性能を持っているかを示すデータであって、ゴルフクラブ固有、もしくはゴルフクラブの型式における固有のデータである。ゴルフクラブ性能データには、新品時のゴルフクラブの耐用打撃回数が示されているとよい。また、特定のヘッドスピードレベル毎に、耐用打撃回数が設定され、特定の衝撃における耐用回数を用いて、その衝撃値と打撃回数の積算値の形で示されていてもよい。
耐用度合いとは、ゴルフクラブにどの程度の耐用度があるかを示す数値化された度合いであって、例えば、ゴルフクラブ性能データによる耐用打撃回数と累積打撃回数との比率によって直接表すことができる。より具体的には、耐用度合い=((耐用打撃回数−累積打撃回数)/耐用打撃回数)=1−(累積打撃回数/耐用打撃回数)とし、耐用度合いが大きい程、耐久性が良いことを示すように表すことができる。
また、ゴルフクラブ性能データは、特定のヘッドスピードレベル毎に耐用打撃回数を設定し、特定のレベルの衝撃値における耐用打撃回数を、その衝撃値と乗算した積算値の形で示してもよい。一方、この場合、ゴルフクラブヘッドの累積打撃回数は、衝撃値の大きさに応じて多段階毎に識別されて記憶され、その回数が各段階ごとに取得され、衝撃値と各段階の累積打撃回数とを乗算した累積値を算出する。そして、この累積値と上記積算値とから耐用度合いを求めることができる。
また、顧客データ等を利用してゴルフクラブの使用者のヘッドスピードのデータより、1回の打撃における衝撃値を算出して累積打撃回数とから累積値を求め、この累積値と、上記ゴルフクラブ固有の上記積算値とから耐用度合いを求めてもよい。本発明において耐用度合いは大小で表され、大きい程、耐久性がよいことを示す。
次に、ゴルフクラブ価値データを参照して、ゴルフクラブの現在の価格を決定する(ステップS104)。
ここで、ゴルフクラブ価値データとは、ゴルフクラブが現在どの程度の価値、価格を持っているかを示すデータであって、新品時のゴルフクラブ固有のデータ、もしくは新品時のゴルフクラブの型式における固有のデータである。ゴルフクラブ価値データは、ゴルフクラブの定価、販売時の価格情報(定価から値下げされているもしくはオープンプライスの場合等を考慮した情報)、製造年月日、未使用状態における現在の価格情報、等を基にしてゴルフクラブの現在の価値、価格を算出するデータである。これにより、現在の市場におけるゴルフクラブの価値、価格を知ることができる。
ゴルフクラブの価格の決定は、ゴルフクラブ価値データと上記耐用度合いとに基づいて決定され、例えば同一の型式のゴルフクラブであっても、耐用度合いが大きいほど価格が高くなるように決定される。さらに、必要に応じて、ゴルフクラブの傷等の外観損傷の情報に基づいて決定してもよい。この場合、ゴルフクラブ価値データにはゴルフクラブの外観損傷等に関する外観データを含むことが好ましい。ゴルフクラブの外観データはゴルフクラブが現在どの程度の外観を保っているかを示す数値化されたデータであって、主にゴルフクラブの使用によって傷等が付いたことによる外観の変化の度合いを示す。例えば同一の型式のゴルフクラブであっても、より外観を損ねているほど価値が低くなるように判定される。また、ゴルフクラブの外観データは、ゴルフクラブヘッド、ゴルフクラブシャフト、グリップを含む部品毎に上記判定の寄与率を変化させてもよい。例えばゴルフクラブヘッドの外観の数値の寄与率を大きく、ゴルフクラブシャフト、グリップの外観の数値の寄与率を小さくして、ゴルフクラブシャフト、グリップの外観を損ねていてゴルフクラブヘッドの外観が良好なゴルフクラブの方が、ゴルフクラブシャフト、グリップの外観が良好でゴルフクラブヘッドの外観を損ねているゴルフクラブよりも価値、価格が高くなるように判定されてもよい。
さらに、上記ゴルフクラブ価値データには、ゴルフクラブヘッド、ゴルフクラブシャフト、グリップ等を含む部品のデータを含むことが好ましい。ゴルフクラブの部品のデータは未使用時と比較して現在のゴルフクラブの各部品の取替え等の変更の有無を示すデータである。ゴルフクラブの場合には主にゴルフクラブシャフト、グリップが取り替えられる場合が有る。例えば取り替えられているゴルフクラブシャフト、グリップの価値、価格を参考にして価値、価格が判定されるとよい。
すなわち、ゴルフクラブの価値、価格は、ゴルフクラブヘッドの耐用度合いの他に、ゴルフクラブの部品(ゴルフクラブシャフト、グリップ)の取替えを含む履歴情報に基づいて決定することが好ましい。
以上、本発明のゴルフクラブ及びゴルフクラブの価格決定方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明の一実施形態に係るゴルフクラブの概略構成を示した斜視図である。 本発明の一実施形態に係るゴルフクラブヘッドの断面図である。 本発明の一実施形態に係る監視システムのブロック図である。 累積打撃回数および一次共振周波数の関係を示すグラフである。 本発明の一変形例に係るゴルフクラブを、そのゴルフクラブシャフト4の中心軸を通り、フェース部11に略平行な平面で切断した状態を示した概略構成図である。 本発明の他の実施形態に係るゴルフクラブの概略構成を示した斜視図である。 図6に示すICタグを説明する構成図である。 本発明のゴルフクラブの価格決定方法の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ゴルフクラブ
2 ゴルフクラブヘッド
3 検出ユニット(打撃検出部、スイング検出部)
4 ゴルフクラブシャフト
5 ソール部
11 フェース部
13 加速度センサー
14 衝撃センサー
22 監視ユニット
30 受信ユニット
31 スイング検出部
33 打撃検出部
60 監視システム
61 増幅器
62 増幅器
63 CPU
65 送信ユニット
70 ICタグ
71 AD変換器
72 CPU
73 送信ユニット
74 電力供給部
75 記憶部75
76 ICチップ
78 アンテナ

Claims (10)

  1. ゴルフクラブヘッド、ゴルフクラブシャフトおよびグリップ部を有するゴルフクラブであって、
    ゴルフボールを打撃した時に前記ゴルフクラブヘッドに与えられる衝撃を検出する打撃検出部と、
    前記衝撃からゴルフボールの打撃回数を計数して累積打撃回数を求める計数部と、
    前記求められた累積打撃回数の情報を外部へ送るための送信部と、
    を有することを特徴とするゴルフクラブ。
  2. 前記打撃検出部は、前記ゴルフクラブヘッド内に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブ。
  3. 前記打撃検出部には、前記ゴルフクラブヘッドに与えられる衝撃を検出する衝撃センサーが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のゴルフクラブ。
  4. 前記衝撃センサーは、前記ゴルフクラブヘッドの内のクラウン部またはソール部に設けられた、打球移動方向の加速度を検出する加速度センサーであることを特徴とする請求項3に記載のゴルフクラブ。
  5. さらに、ゴルフスイングの状態を検出するスイング検出部を具備することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のゴルフクラブ。
  6. 前記計数部は、前記ゴルフクラブヘッドに与えられる衝撃をその大きさに応じて多段階に判別し、各段階ごとに累積打撃回数を求めることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のゴルフクラブ。
  7. 前記打撃検出部、前記計数部及び前記送信部の他に、前記打撃検出部、前記計数部及び前記送信部を駆動する電力供給部が、前記ゴルフクラブヘッドに設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のゴルフクラブ。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のゴルフクラブの前記累積打撃回数を取得するステップと、
    取得した前記累積打撃回数から、前記ゴルフクラブの打撃に対する現在の耐用度合いを求めるステップと、
    この耐用度合いに基づいて、現在の前記ゴルフクラブの価格を決定するステップと、を有することを特徴とするゴルフクラブの価格決定方法。
  9. 前記ゴルフクラブの価格は、前記耐用度合いの他に、ゴルフクラブの外観損傷の情報に基づいて決定する請求項8に記載のゴルフクラブの価格決定方法。
  10. 前記ゴルフクラブの価格は、前記耐用度合いの他に、ゴルフクラブの部品の取替えを含む履歴情報に基づいて決定する請求項8又は9に記載のゴルフクラブの価格決定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013192756A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Yamaha Corp ゴルフクラブヘッド、ゴルフクラブ及び軌道算出システム
JP2016123838A (ja) * 2014-12-29 2016-07-11 明安國際企業股▲分▼有限公司 ゴルフクラブヘッド
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WO2023157983A1 (ja) * 2022-02-21 2023-08-24 有限会社渥美文次商店 ゴルフクラブ及びゴルフクラブ用インサート

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