JP2005158965A - 薄膜コンデンサおよび薄膜コンデンサ付き回路基板 - Google Patents

薄膜コンデンサおよび薄膜コンデンサ付き回路基板 Download PDF

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【課題】 薄膜コンデンサの特性および信頼性に優れ、しかも極薄化にも対応できる薄膜コンデンサおよびそれを設けた薄膜コンデンサ付き回路基板を提供すること。
【解決手段】 支持基板1上に、下部電極層2と上部電極層4との間に誘電体層3を挟持した静電容量領域を備えた薄膜コンデンサにおいて、支持基板1の少なくとも表面がR面のサファイアであり、誘電体層3の下に形成される下部電極層2の少なくとも表面が(111)面の白金からなり、且つ誘電体層3が、バリウム、ストロンチウムおよびチタンのうち1種以上の元素を含む金属酸化物からなる薄膜コンデンサとし、回路基板の表面および内部の少なくとも一方に、前記薄膜コンデンサを設けてなる薄膜コンデンサ付き回路基板とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、支持基板上に、一方極性の下部電極層と他方極性の上部電極層との間に誘電体層を挟持した静電容量領域を1以上設けてなる薄膜コンデンサおよび薄膜コンデンサ付き回路基板に関するものである。
近年、電子機器の小型化に伴い、電子機器内に設置される電子部品にも小型化の要求があり、コンデンサとしては、積層セラミックコンデンサなどを用いて既にハンドリング可能な程度の大きさまで小型化が実現されている。一方、電子機器の小型化についても、使いやすい大きさという点では下限に達しつつあり、軽量化、薄型化および高機能化の要求が強くなってきている。
こうした中で、薄膜技術を用いた薄膜コンデンサが、薄型化および高機能化に適したコンデンサとして注目されている。薄膜コンデンサは、薄膜材料から構成されるコンデンサ本体を、強度的に優れた基体で支持するものであり、このときに選択される基体材料が薄膜コンデンサの特性に大きな影響を及ぼすことが明らかになっている。また、基体材料だけでなく、コンデンサ本体を構成する電極および誘電体の材料の選択が薄膜コンデンサを作製するうえで重要な要素となっている。これら材料の組み合わせとしては、ガラス基体上に、Pt(白金)からなる下部電極、SrTiOからなる誘電体薄膜が順次形成された薄膜コンデンサ(例えば、特許文献1,2を参照。)や、シリコンからなる導電性基板上に、Ru(ルテニウム)からなる下部電極、BST(Ba(バリウム)、Sr(ストロンチウム)、Ti(チタン)を有する複合酸化物)からなる誘電体薄膜が順次形成された薄膜コンデンサ(例えば、特許文献3を参照。)などが開示されている。
特開2000−299248号公報 特開2003−218227号公報 特開平9−148528号公報
通常、薄膜プロセスにより形成された電極層や誘電体層は、形成する下地の影響を強く受ける。薄膜コンデンサの場合は誘電体薄膜が必要であるが、誘電体薄膜を形成する下地により、誘電体薄膜の特性が大きく左右され、比誘電率は勿論のこと、電圧リーク特性や高温負荷特性などの誘電体薄膜の信頼性も左右される。今後、薄膜コンデンサに要求される機能が高くなることは明らかであり、その中でも、薄膜コンデンサの極薄化や高容量化が必要である。
極薄化を実現するためには、支持基板の硬度が高いものを用いればよい。また、高容量化を実現するためには、1)電極面積を大きくする、2)誘電体薄膜の膜厚を薄くする、3)誘電体薄膜の比誘電率を大きくする、などの3つの方法が考えられる。上記1)の方法ではチップサイズが大きくなり、電子部品の小型化の観点から不適当である。また、上記2)の方法では、薄膜コンデンサの信頼性の観点から不適当である。
したがって、静電容量を大きくするためには、上記3)の方法が適当であると考える。さらに、誘電体薄膜の比誘電率を大きくするためには、誘電体材料の組成を調整するか、誘電体薄膜の形成時における支持基板の温度を高くする、などの方法があるが、誘電体材料の組成の調整については、薄膜コンデンサに要求される様々な特性を満足するために主に決定されるものであるため、誘電体薄膜の形成時における支持基板の温度を高くすることがよいと考える。
しかしながら、上記特許文献1,2,3に開示されている薄膜コンデンサでは、ガラスやシリコンを支持基板材料に用いている。ガラスの場合は、基板の耐熱性の問題が有り、支持基板温度に上限が設けられ、比誘電率を高くすることに限界がある。また、シリコンの場合は、支持基板の厚みを薄くすることに限界があり、極薄化が要求された場合に対応が困難である。
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み提案されたものであり、その目的は薄膜コンデンサの特性および信頼性に優れ、しかも極薄化にも対応できる薄膜コンデンサおよびそれを設けた薄膜コンデンサ付き回路基板を提供することにある。
本発明の薄膜コンデンサは、1)支持基板上に、下部電極層、誘電体層および上部電極層が順次積層されてなる静電容量領域を備えた薄膜コンデンサにおいて、前記支持基板の少なくとも表面がR面のサファイアからなり、前記誘電体層の下に形成される電極層の少なくとも表面が(111)面の白金からなり、前記誘電体層がバリウム、ストロンチウムおよびチタンのいずれか1種以上の元素を有する金属酸化物からなることを特徴とする。
また、2)上記1)において、前記支持基板と前記下部電極層との間に、バリウム、ストロンチウムおよびチタンのいずれか1種以上の元素を有する金属酸化物層が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の回路基板は、3)回路基板の表面および内部の少なくとも一方に、上記1)または上記2)の薄膜コンデンサを設けてなることを特徴とする薄膜コンデンサ付き回路基板とする。
上記1)の薄膜コンデンサは、前記支持基板の少なくとも表面がR面のサファイアであり、前記誘電体層の下に形成される電極層の少なくとも表面が(111)面の白金からなり、且つ前記誘電体層が、バリウム、ストロンチウムおよびチタンのうち1種以上の元素を含む(111)面に配向した金属酸化物からなるので、前記支持基板にサファイア、前記電極層に白金を用いていることにより、前記誘電体層の形成時における高温プロセスにも十分耐えられるだけでなく、サファイアの高硬度により極薄化の実現も容易である。また、前記支持基板の少なくとも表面がR面に配向したサファイアからなり、前記電極層の少なくとも表面が(111)面に配向した白金であるため、その上に形成される前記誘電体層は格子ひずみの影響も小さいまま、例えば(111)面のように特定の面に配向して形成される。そのため、特性や信頼性の優れた例えばBSTからなる誘電体薄膜を用いることにより、(111)面に配向した優れた誘電体層を持つ薄膜コンデンサとすることができる。
また、上記2)の薄膜コンデンサは、前記支持基板と前記下部電極層との間に、例えば、酸化チタン、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムまたはチタン酸バリウムストロンチウムからなる膜などの、バリウム、ストロンチウムおよびチタンのいずれか1種以上の元素を有する金属酸化物層が形成されているので、このような材質の金属酸化物層が前記支持基板と前記最下層に位置する電極層との間に形成されているので、公知である密着層としての役割を果たすだけでなく、これらいずれかの層は、誘電体層として用いるバリウム、ストロンチウムおよびチタンのうちの1種以上の元素を有する金属酸化物に等しいか若しくは近い物性となる。
スパッタリング法などの薄膜プロセスにより形成される膜は、下地の結晶性に大きく影響することから、バリウム、ストロンチウムおよびチタンのうちの1種以上の元素を有する金属酸化物からなる誘電体層は、誘電体層の下の材料(電極)の結晶性に大きく影響する。また、電極層にも同様のことがいえ、電極層は、電極層の下の材料の結晶性に大きく影響する。したがって、誘電体層は、支持基板の結晶性の影響を受けた電極層上に誘電体層が形成されることが一般的であり、誘電体層の結晶性は、支持基板の影響を受けることとなる。しかしながら、上述しているように、誘電体層と類似の物性を持つ金属酸化物を、支持基板上と電極層とに介在させることで、より優れた結晶性を持つことが可能となる。これにより、優れた薄膜コンデンサを提供することができる。
さらに、上記3)の薄膜コンデンサ付き回路基板によれば、回路基板の表面および内部の少なくとも一方に、上記1)または上記2)の薄膜コンデンサを設けてなるので、信頼性にも優れた薄膜コンデンサ付き回路基板を提供でき、特に、回路基板の内部に薄膜コンデンサを設けたものでは、極薄化にも対応した超薄型の薄膜コンデンサ付き回路基板を実現することができる。
以下に、本発明の薄膜コンデンサおよび薄膜コンデンサ付き回路基板の実施形態について、模式的に示した図面を参照にしつつ詳細に説明する。図1は、本発明の薄膜コンデンサの一例の断面構造図を示したものである。
図1に示すように、本発明の基本的な薄膜コンデンサは、支持基板1上に、一方極性の電極層である下部電極層2、誘電体層3および他方極性の電極層である上部電極層4が順次積層されて静電容量領域が形成されている。また、この薄膜コンデンサは、下部電極層2に電気的に接続された外部端子5aと、上部電極層4に電気的に接続された外部端子5bとを形成した後、外部端子5a,5bが露出するように貫通孔6a,6bを設けた保護層7を形成したものである。なお、簡単のため、このように基本的な薄膜コンデンサについて説明するが、本発明の薄膜コンデンサはこれに限定されるものではなく、前記静電容量領域の複数を並設したものでも積層したものでもよく、支持基板1上に前記静電容量領域が1以上設けたものであればよい。
ここで、支持基板1の少なくとも表面はR面に配向したサファイアからなる。また、下部電極層2の表面は(111)面に配向した白金からなる。そして、誘電体層3は、バリウム、ストロンチウムおよびチタンのうちいずれか1種以上の元素を有する含む金属酸化物からなり、特に(111)面に配向した材料で構成されている。また、保護層7は耐湿性などの信頼性確保のために酸化シリコンや窒化シリコンで構成されている。
このように、支持基板1に高融点のサファイア、下部電極層2に高融点のPtを用いていることから、誘電体層3を形成するための高温プロセスに十分耐えることができる。また、支持基板1のサファイアがR面に配向しており、しかも下部電極層2のPtが(111)面に配向しているため、バリウム、ストロンチウムおよびチタンのうちいずれか1種以上を有する金属酸化物からなる誘電体層3は、格子ひずみの影響が小さい状態で形成され、(111)面に配向するため、比誘電率などの特性だけでなく信頼性にも優れた誘電体層3を得ることができる。ここで、誘電体層3は、例えば、酸化チタン、酸化バリウム、酸化ストロンチウムなどのバリウム、ストロンチウムおよびチタンのうちの1種を含む酸化物、チタン酸バリウムやチタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムストロンチウムなどのからなるバリウム、ストロンチウムおよびチタンのいずれか2種以上の元素を有する酸化物などの、バリウム、ストロンチウムおよびチタンのいずれか1種以上の元素を有する金属酸化物からなるが、チタン酸バリウムストロンチウムは特に高誘電率であるため最も望ましい材料として使用可能である。
次に、本発明の薄膜コンデンサの他の実施形態について説明する。図2はこの薄膜コンデンサの断面構造図である。図2に示すように、支持基板1と下部電極層3との間、すなわち、支持基板1と、最下層に位置する電極層との間に(複数の静電容量領域が互いに積層されている場合には、支持基板1とこれに最も近い位置の静電容量領域の電極層との間に)、バリウム、ストロンチウムおよびチタンのいずれか1種以上の元素を有する金属酸化物層8、すなわち、上記誘電体層3と同様に、例えば、酸化チタン、酸化バリウム、酸化ストロンチウムなどのバリウム、ストロンチウムおよびチタンのうちの1種を含む酸化物、チタン酸バリウムやチタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムストロンチウムなどのからなるバリウム、ストロンチウムおよびチタンのいずれか2種以上の元素を有する酸化物などの、バリウム、ストロンチウムおよびチタンのいずれか1種以上の元素を有する金属酸化物層8を形成していることが望ましく、特に、誘電体層3と同一材料とするのが望ましい。なぜなら、スパッタリング法などの薄膜プロセスにより形成される膜は、下地の結晶性に大きく影響することから、バリウム、ストロンチウムおよびチタンのうちの1種以上の元素を有する金属酸化物からなる誘電体層は、誘電体層の下の材料(電極)の結晶性に大きく影響する。また、電極層にも同様のことが言え、電極層は、電極層の下の材料の結晶性に大きく影響する。従って、誘電体層は、支持基板の結晶性の影響を受けた電極層上に誘電体層が形成されることが一般的であり、誘電体層の結晶性は、支持基板の影響を受けることとなる。しかしながら、上述しているように、誘電体層と類似の物性を持つ金属酸化物を、支持基板上と電極層とに介在させることで、より優れた結晶性を持つことが可能となるからである。
次に、本発明の薄膜コンデンサ付き回路基板の実施形態について説明する。図3は本発明の薄膜コンデンサ付き回路基板の一例を示す断面構造図である。本発明の薄膜コンデンサ付き回路基板は、回路基板である基体30の表面および内部の少なくとも一方に、図1や図2で示したような薄膜コンデンサを設けてなるものである。図3には、基体30の表面に薄膜コンデンサ32を設けた一例を示している。ここで、回路基板とは電気回路が形成された基板だけでなく、外部の電気回路に接続される配線が施された配線基板をも含むものとする。
薄膜コンデンサ32は、その外部端子5a,5b(図1を参照)が電極パッド形状である場合、半田バンプやワイヤボンディングなどのように、接続配線33a、33bを形成した後に、基体30の表面に形成された表面電極31a,31bに、接続配線33a,33bを位置決めして互いに接合することによって実装される。なお、外部端子5a,5bが半田バンプやワイヤボンディングから形成される場合は、上述したような接続配線33a,33bを形成する必要が無い。
なお、本発明の薄膜コンデンサは図1および図2に限定されるものではなく、支持基板は全ての材料がサファイアでなくともよく、少なくとも表面がR面に配向したサファイアであればよい。また、下部電極層は全てが白金でなくともよく、その表面が(111)面に配向した白金であればよい。また、一方極性の電極層、誘電体層および他方極性の電極層が順次積層されてなる静電容量領域の複数を並設したものでも積層したものでも上述した基本構成の薄膜コンデンサと同様な作用・効果を奏することができる。また、外部端子5a,5bおよび接続配線33a、33bの形状も図示の態様に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更し実施が可能である。
かくして、本発明の薄膜コンデンサによれば、支持基板1の少なくとも表面がR面のサファイアであり、誘電体層3の下に形成される電極層の少なくとも表面が(111)面のPtからなり、且つ誘電体層3が、バリウム、ストロンチウムおよびチタンのうち1種以上の元素を含む(111)面に配向した金属酸化物からなるので、支持基板1にサファイア、前記電極層にPtを用いていることにより、誘電体層3の形成時における高温プロセスにも十分耐えられるだけでなく、サファイアの高硬度により極薄化の実現も容易である。また、支持基板1の少なくとも表面がR面に配向したサファイアからなり、前記電極層の少なくとも表面が(111)面に配向したPtであるため、その上に形成される誘電体層3は格子ひずみの影響も小さいまま、例えば(111)面のように特定の面に配向して形成される。そのため、特性や信頼性の優れた例えばBSTからなる誘電体薄膜を用いることにより、(111)面に配向した優れた誘電体層3を持つ薄膜コンデンサとすることができる。
また、支持基板1と、前記電極層のうち最下層に位置する電極層との間に、例えば、Ba−Ti−O系の膜、Sr−Ti−O系の膜、または(Ba,Sr)−Ti−O系の膜などの、バリウム、ストロンチウムおよびチタンのいずれか1種以上の元素を有する金属酸化物層を形成することにより、このような材質の金属酸化物層が支持基板1と前記最下層に位置する電極層との間に形成されているので、密着層としての役割を果たすだけでなく、これらいずれかの層は、誘電体層3として用いるバリウム、ストロンチウムおよびチタンのうちの1種以上の元素を有する金属酸化物に等しいか若しくは近い物性となるため、前記電極層上に形成する誘電体層3の金属酸化物の結晶性がより優れたものとなる。これにより、優れた薄膜コンデンサを提供することができる。
また、本発明の薄膜コンデンサ付き回路基板によれば、回路基板である基体30の表面および内部の少なくとも一方に、図1や図2に示すような薄膜コンデンサを設けてなるので、信頼性にも優れた薄膜コンデンサ付き回路基板を提供でき、特に、回路基板の内部に薄膜コンデンサを設けたものでは、極薄化にも対応した超薄型の薄膜コンデンサ付き回路基板を実現することができる。
次に、本発明をより具体化した実施例について説明する。
図4は本発明に係る薄膜コンデンサの実施例を説明する薄膜コンデンサの断面構造図である。
下部電極層42、上部電極層44および半田拡散防止層45のそれぞれの形成はDCスパッタ法により行なった。また、誘電体層43の形成はRFスパッタ法により行なった。
まず、R面に配向したサファイアからなる支持基板41上に、膜厚60nm程度のPt膜を形成し下部電極層42とした。この時、Ptからなる下部電極層42は(111)面に配向していたことをX線回折により確認した。
次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、下部電極層42をパターニング加工を施した。このようにして加工された下部電極層42に、RFスパッタ法にて膜厚0.3μm程度のBa0.5Sr0.5TiOからなる誘電体層43を形成した。その後フォトリソグラフィ技術を用いて、誘電体層43に貫通孔を形成した。この時、Ba0.5Sr0.5TiOからなる誘電体層43は(111)面に主配向していた。この配向についても上記Pt膜の配向の確認と同様にして行なった。
次に、誘電体層43の上面および貫通孔の内面に、膜厚300nm程度のAu膜の形成を行い、フォトリソグラフィ技術を用いたパターニング加工により上部電極層44を得た。
次に、この上部電極層44上に膜厚1.0μm程度のNiからなる半田拡散防止層45a,45bと、膜厚0.1μm程度のAuからなる半田密着層46とを順次形成した。その後、フォトリソグラフィ技術を用いて、まず、半田密着層46を直径100μm程度の形状に加工し、その後、半田拡散防止層45a,45bを直径200μm程度の形状に加工した。
この後、CVD法を用いて、厚さ約1.5μmのSiOを形成し、Auからなる半田密着層46が露出するように、直径約120μm、深さ約1.5μmの貫通孔48a,48bを有する保護層47を形成した。
最後に、スクリーン印刷法を用いて、貫通孔48a,48b内の半田密着層46の上に、Snが96.5質量%、Agが3.0質量%およびCuが0.5質量%からなる鉛フリー半田ペーストを転写し、リフローを行ない、半田バンプ49a,49bを形成した。ここで、半田バンプ49aは、半田密着層46および半田拡散防止層45aを介して上部電極層43に電気的接続されていて、また、半田バンプ49bは、半田密着層46および半田拡散防止層45bを介して下部電極層42に電気的接続されている。
以上のようにして、図4に示したような薄膜コンデンサを得た。得られた薄膜コンデンサの有効電極面積は1.89mmであり、周波数1kHzでの静電容量は約33nFであった。
また、本発明の薄膜コンデンサの他の実施形態として図2を示したが、図2に基づいて実施した薄膜コンデンサの断面図を図5に示す。なお、図中の符号は、図4と同じ部位を指し示す場合は図4と同一符合を用い、詳細な説明を省略する。図5に示す薄膜コンデンサが図4の薄膜コンデンサと異なる点は、支持基板41と下部電極層42の間に、RFスパッタリングにより、Ba0.5Sr0.5TiOからなる金属酸化物層50を形成したことであり、それ以外は、上述と同じ作製方法を用いた。得られた薄膜コンデンサの有効電極面積は1.89mmであり、周波数1kHzでの静電容量は約33nFであった。
また、比較サンプル用として、図4に示す構成と同様なサンプル構造にして、支持基板41の材料を、単結晶のシリコンやガラスに変更するだけで、その他は上述と同じ作製方法を用いて、2種類の比較用薄膜コンデンサを作製した。
支持基板41に(100)面を主面とする単結晶のシリコンを用いた比較用薄膜コンデンサは、下部電極42はPtからなり(111)面に配向しており、また、誘電体層43はBa0.5Sr0.5TiOからなり(111)面に主配向していた。静電容量は本発明の薄膜コンデンサと同様、周波数1kHzで33nFであった。
支持基板41にガラスを用いた比較用薄膜コンデンサは、下部電極42はPtからなり(111)面に配向しており、また、誘電体層43はBa0.5Sr0.5TiOからなり(111)面に主配向していたが、他に(110)面や(100)面、(200)面の配向も確認され、本発明の薄膜コンデンサや、単結晶のシリコンを用いた比較用薄膜コンデンサと比べて、誘電体層43の結晶性がよくなかった。静電容量は本発明の薄膜コンデンサと同様、周波数1kHzで33nFであった。
これら、本発明の薄膜コンデンサを2種、および比較用薄膜コンデンサを2種について、槽内温度125℃の試験槽内にて、印加電圧3.75Vを連続負荷したときの絶縁抵抗値の時間変化を比較観測した。その結果を図6に示す。図6には試験投入前の絶縁抵抗値を1として、得られた絶縁抵抗値の時間変化を示した。図6から明らかなように、試験時間が経過するに伴い、絶縁抵抗値が初期値に対して劣化しているのがわかる。
また、支持基板41の材料の影響をみると、ガラスを支持基板41に用いた比較用薄膜コンデンサは、3つの薄膜コンデンサのうち、もっとも絶縁抵抗値の劣化が激しく、50時間経過後、既に劣化が見られ、1000時間後には絶縁抵抗値の初期値に対して、3桁ほど劣化している。単結晶のシリコンを支持基板41に用いた比較用薄膜コンデンサは500時間ほどで劣化が見られ、1000時間後には初期値に対して2桁ほども劣化している。これら比較用薄膜コンデンサに対して、本発明の薄膜コンデンサでは、1000時間経過しても絶縁抵抗値は初期値から殆ど変化せず、本発明により優れた誘電体薄膜が得られていることがわかる。
また、図5に示したような、支持基板41下部電極層42との間に金属酸化物60を介在させた本発明の薄膜コンデンサでは、図4に示した本発明の薄膜コンデンサよりもさらに絶縁抵抗劣化が小さく、優れた薄膜コンデンサを提供できることが判明した。
なお、この金属酸化物60を介在させるか否かは、プロセスコストと要求される信頼性のレベルとの兼ね合いで用いればよく、図2に示す本発明の薄膜コンデンサでも十分に信頼性の高い薄膜コンデンサを得ることができる。
本発明の薄膜コンデンサの実施形態を示す断面構造図である。 本発明の薄膜コンデンサの他の実施形態を示す断面構造図である。 本発明の薄膜コンデンサ付き回路基板の実施形態を示す断面構造図である。 本発明の薄膜コンデンサの実施例を示す断面構造図である。 本発明の薄膜コンデンサの他の実施例を示す断面構造図である。 薄膜コンデンサの試験環境における絶縁抵抗値の時間変化を示した線図である。
符号の説明
1・・・支持基板
2・・・下部電極層
3・・・誘電体層
4・・・上部電極層
5a,5b・・・外部端子
6a,6b・・・貫通孔
7・・・保護層
8・・・金属酸化物層
30・・・基体(回路基板)

Claims (3)

  1. 支持基板上に、下部電極層、誘電体層および上部電極層が順次積層されてなる静電容量領域を備えた薄膜コンデンサにおいて、前記支持基板の表面がR面のサファイアからなり、前記下部電極層の表面が(111)面の白金からなり、前記誘電体層がバリウム、ストロンチウムおよびチタンのいずれか1種以上の元素を有する金属酸化物からなることを特徴とする薄膜コンデンサ。
  2. 前記支持基板と前記下部電極層との間に、バリウム、ストロンチウムおよびチタンのいずれか1種以上の元素を有する金属酸化物層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜コンデンサ。
  3. 回路基板の表面および内部の少なくとも一方に、請求項1または2に記載の薄膜コンデンサを設けてなることを特徴とする薄膜コンデンサ付き回路基板。
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