JP2005158147A - 磁気記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 非磁性支持体上に放射線照射により重合可能な化合物を含む層を放射線照射により硬化させた放射線硬化層を有し、その上に必要に応じ非磁性粉末及び結合剤を含む非磁性層を介し、平均板径が5〜40nmの強磁性六方晶フェライト粉末または平均長軸長20〜100nmの強磁性金属微粉末および結合剤を分散した少なくとも一層の磁性層を有する磁気記録媒体において、該非磁性支持体の表面十点平均粗さRzが100〜300nmの範囲にあり、かつ、放射線硬化層厚みが非磁性支持体表面に存在する最大突起高さの1〜10倍の範囲であることを特徴とする磁気記録媒体。
Description
塗布型磁気記録媒体は、一般に非磁性支持体上に磁性層を設け、あるいは非磁性支持体上に非磁性層、さらにその上に磁性層を設けた構造を有する。上記磁気記録媒体の薄層化のためには磁性層のみならず磁気記録媒体を構成する層全体を薄くすることが求められる。磁気記録媒体の厚さを薄くするために、従来は非磁性支持体を薄くしたり、あるいは非磁性層を薄くすることが行われていた。しかしながら、ある範囲以下に非磁性支持体を薄くすると走行耐久性が低下し、また非磁性層を薄くすると出力低下、エラーレートの上昇及びドロップアウトの増加を招いてしまう。
しかし、これらの磁気記録媒体の放射線硬化層に使用される結合剤又は樹脂は溶剤可溶性の樹脂であるため、磁性層等を塗設した場合、溶剤による溶解、膨潤が起こり、磁気記録媒体の表面性が劣化してしまうという問題があった。
(1)非磁性支持体上に放射線照射により重合可能な化合物を含む層を放射線照射により硬化させた放射線硬化層を有し、その上に必要に応じ非磁性粉末及び結合剤を含む非磁性層を介し、平均板径が5〜40nmの強磁性六方晶フェライト粉末または平均長軸長20〜100nmの強磁性金属微粉末および結合剤を分散した少なくとも一層の磁性層を有する磁気記録媒体において、該非磁性支持体の表面十点平均粗さRzが100〜300nmの範囲にあり、かつ、放射線硬化層厚みが非磁性支持体表面に存在する最大突起高さの1〜10倍の範囲であることを特徴とする磁気記録媒体、
(2)該非磁性支持体厚みが8μm以下であり、放射線硬化層厚みまたは放射線硬化層および非磁性層を合計した厚みが0.3〜2.0μmであり、磁性層厚みが0.01〜0.20μmである(1)に記載の磁気記録媒体、
(3)該放射線照射により重合可能な化合物が分子内にエーテル結合および放射線照射により重合可能な官能基を1分子中に2個以上有し、分子量が1,000以下の化合物である(1)または(2)に記載の磁気記録媒体、
(4)コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理、および電子線照射処理からなる群より選ばれる易接着処理を行った前記非磁性支持体に放射線硬化層を塗設した(1)〜(3)いずれか1つに記載の磁気記録媒体。
すなわち、非磁性層の無い場合には、非磁性支持体上に、順次、重合可能な化合物を含む層を放射線照射により硬化させた放射線硬化層、並びに平均板径5〜40nmの強磁性六方晶フェライト粉末または平均長軸長20〜100nmの強磁性金属微粉末および結合剤を分散した少なくとも一層の磁性層を有する磁気記録材料において、非磁性支持体の表面十点平均粗さRzが100〜300nmの範囲にあり、かつ、放射線硬化層厚みが非磁性支持体表面に存在する最大突起高さの1〜10倍の範囲にある磁気記録媒体となる。
一方、下層を有する場合には、非磁性支持体上に、順次、重合可能な化合物を含む層を放射線照射により硬化させた放射線硬化層、非磁性粉末及び結合剤を含む非磁性層、並びに平均板径5〜40nmの強磁性六方晶フェライト粉末または平均長軸長20〜100nmの強磁性金属微粉末および結合剤を分散した少なくとも一層の磁性層を有する磁気記録材料において、非磁性支持体の表面十点平均粗さRzが100〜300nmの範囲にあり、かつ、放射線硬化層厚みが非磁性支持体表面に存在する最大突起高さの1〜10倍の範囲にある磁気記録媒体となる。
本発明の磁気記録媒体には、表面十点平均粗さRzが100〜300nmにある非磁性支持体を使用する。
本発明に用いられる非磁性支持体としては、例えば、二軸延伸を行ったポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド、ポリベンズオキシダゾール等を挙げることができる。好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、芳香族ポリアミドなどが挙げられる。
ここで、本発明において、「表面十点平均粗さ(Rz)」とは、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から縦倍率の方向に測定した、最も高い山頂から5番目までの山頂の標高の絶対値の平均値と、最も低い谷底から5番目までの谷底の標高の絶対値の平均値との和を求め、この値をナノメートルで表したものをいう。
表面十点平均粗さ(Rz)は小坂研究所製触針式粗度計を用いJISB0601に準拠して測定した。
ここで、本発明において、非磁性支持体表面に存在する最大突起高さとは、小坂研究所製触針式粗度計の測定結果から山密度グラフを作成し、山密度グラフから求めた値である。
上記処理方法のうち、例えばコロナ処理の場合、例えば、気体中で10〜40kV程度の高電圧で発生するコロナ放電による表面処理であることができる。金属ロール等の導電性ロール(アース側)に沿って支持体に連続的に走行させ、ロールと平行に対設された一本のコロナ電極とロールとの間にコロナ放電を生じさせてもよく、また2本の平行な電極をロールと平行に対設し、両電極間に高電圧を印加し、電極−ロール−電極間に生ずる放電を利用してもよい。いずれの場合もロールに支持されない側、すなわち電極に面している側の支持体の表面が処理される。
本発明の磁気記録媒体は、重合可能な化合物(以下、「放射線硬化型化合物」という。)を含む層を放射線照射により硬化させた平滑化層を有する。
放射線硬化型化合物とは、紫外線または電子線などの放射線を照射すると重合または架橋を開始し、高分子化して硬化する性質を有する化合物をいう。放射線硬化型化合物は、外部からエネルギー(紫外線または放射線)を与えない限り反応が進行しない。このため、放射線硬化型化合物を含む塗布液は、紫外線または電子線を照射しない限り粘度が安定しており、高い塗膜平滑性を得ることができる。また、紫外線または電子線による高いエネルギーにより瞬時に反応が進むため、放射線硬化型化合物を含む塗布液では高い塗膜強度を得ることができる。
なお、本発明で用いられる放射線には、電子線(β線)、紫外線、X線、γ線、α線などの各種の放射線が含まれる。
本発明で使用される放射線硬化型化合物の分子量は、200〜1,000の範囲であることが好ましい。分子量が上記範囲であると、塗液が流動しやすく平滑な塗膜を実現することができる。
2官能の放射線硬化型化合物の具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートやポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールFやこれらのアルキレンオキサイド付加物に(メタ)アクリル酸、を付加させたものや、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の環状構造を有するものが挙げられる。
このような化合物の具体例としては、水素化ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、水素化ビスフェノールFアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート等が挙げられるが、特に好ましくは5−エチル−2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−(ヒドロキシメチル)−1,3−ジオキサンジアクリレートである。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンジル、ジアセチル等のα−ジケトン類;ベンゾイン等のアシロイン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロインエーテル類;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸等のチオキサントン類;ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;ミヒラーケトン類、アセトフェノン、2−(4−トルエンスルホニルオキシ)−2−フェニルアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α,α’−ジメトキシアセトキシベンゾフェノン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン類、アントラキノン、1,4−ナフトキノン等のキノン類、フェナシルクロライド、トリハロメチルフェニルスルホン、トリス(トリハロメチル)−s−トリアジン等のハロゲン化合物;アシルホスフィンオキシド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物などが挙げられる。
光カチオン重合開始剤の具体的な例としては、アデカウルトラセットPP−33、OPTMER SP−150、同170(旭電化工業(株)製)(ジアゾニウム塩)、OPTOMER SP−150、170(旭電化工業(株)製)(スルホニウム塩)、IRGACURE261(チバ−ガイギー(株)製)(メタロセン化合物)等の市販品を挙げることができる。
併用される樹脂の分子量については、質量平均分子量1,000〜100,000の範囲内にあるものを用いることができるが、特に5,000〜50,000の範囲のものが好ましい。1,000以上であれば、端面でのブロッキング等を生じることもなく、また質量平均分子量が100,000以下であれば、有機溶剤への溶解性も良好であり、放射線硬化層を塗布することも充分可能である。
本発明において、放射線硬化層の厚みは、非磁性支持体表面に存在する最大突起高さの1〜10倍の範囲であるが、1.5〜8倍の範囲であることがより好ましい。
本発明における放射線硬化層の厚さ、または非磁性層を設ける場合においては放射線硬化層および非磁性層を合計した厚さは、好ましくは0.3〜2.0μmの範囲であり、より好ましくは0.35〜2.0μmの範囲であり、さらに好ましくは0.4〜1.5μmの範囲である。
放射線硬化層の厚さは、放射線硬化層の構成成分等によるが、放射線硬化層の表面性、物理強度が確保されるのであれば、高容量化には薄い程好ましい。
本発明の磁気記録媒体は、平均板径5〜40nmの強磁性六方晶フェライト粉末又は平均長軸長20〜100nmの強磁性金属微粉末及び結合剤を分散した磁性層を有する。
本発明に使用する強磁性六方晶フェライト粉末には、例えば、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライトの各置換体、Co置換体等がある。より具体的には、マグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、さらに一部にスピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げられる。その他、所定の原子以外にAl、Si、S,Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。一般には、Co−Zn、Co−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加した物を使用できる。また原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。
板状比(板径/板厚)は1〜15が好ましく、1〜7であることがさらに好ましい。板状比が1〜15であれば、磁性層で高充填性を保持しながら充分な配向性が得られ、かつ、粒子間のスタッキングによりノイズ増大を抑えることができる。
また、上記粒子サイズの範囲内におけるBET法による比表面積は10〜200m2/gである。この比表面積は、概ね粒子板径と板厚からの計算値と符号する。
磁性体を分散する際に磁性体粒子表面を分散媒、ポリマーに合った物質で処理することも行われている。表面処理剤としては、無機化合物及び有機化合物が使用される。主な化合物としてはSi、Al、P等の酸化物又は水酸化物、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。添加量は磁性体の重量に対して0.1〜10重量%である。磁性体のpHも分散に重要である。通常4〜12程度で分散媒、ポリマーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保存性から6〜11程度が選択される。磁性体に含まれる水分も分散に影響する。分散媒、ポリマーにより最適値があるが通常0.01〜2.0%が選ばれる。
磁性層に用いられる強磁性金属粉末としては、平均長軸長が20〜100nmであって、Feを主成分とするもの(合金も含む)であれば特に限定されないが、α−Feを主成分とする強磁性合金粉末が好ましい。これらの強磁性粉末には所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。Al、Si、Ca、Y、Ba、La、Nd、Co、Ni、Bの少なくとも1つがα−Fe以外に含まれるものが好ましく、特に、Co、Al、Yが含まれるのが好ましい。さらに具体的には、CoがFeに対して10〜40原子%、Alが2〜20原子%、Yが1〜15原子%含まれるのが好ましい。
強磁性金属粉末のpHは、用いる結合剤との組合せにより最適化することが好ましい。その範囲は4〜12が好ましく、7〜10がより好ましい。強磁性金属粉末は必要に応じ、Al、Si、P又はこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性金属粉末に対し0.1〜10%であり表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m2以下になり好ましい。強磁性粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合があるが200ppm以下であれば特に特性に影響を与える事は少ない。また、本発明に用いられる強磁性金属粉末は、空孔が少ないほうが好ましく、その値は20容量%以下、さらに好ましくは5容量%以下である。
また、飽和磁束密度は、好ましくは150〜300mT(1,500〜3,000G)であり、さらに好ましくは160〜290mT(1,600〜2,900G)である。また飽和磁化(σs)は、好ましくは140〜170A・m2/kg(140〜170emu/g)であり、さらに好ましくは145〜160A・m2/kg(145〜160emu/g)である。
本発明の磁性層に用いられる結合剤は、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物である。
熱可塑性樹脂としては、例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテル等を構成単位として含む重合体又は共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂を挙げることができる。
本発明における磁性層には、分散効果、潤滑効果、帯電防止効果、可塑効果などを付与するために、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、研磨剤、潤滑剤、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、溶剤、カーボンブラックなどを挙げることができる。
本発明の磁性層で使用できるカーボンブラックは、例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編、を参考にすることができる。
次に非磁性層に関する詳細な内容について説明する。
本発明の磁気記録媒体は、放射線硬化層を設けた非磁性支持体上に結合剤及び非磁性粉末を含む非磁性層を有していてもよい。
<非磁性粉末>
非磁性層には、非磁性層が実質的に非磁性である範囲で磁性粉末を使用してもよいが、非磁性粉末を用いることが好ましい。
非磁性層に使用できる非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物などが挙げられる。
非磁性粉末の結晶子サイズは、4nm〜1μmが好ましく、40〜100nmがさらに好ましい。結晶子サイズが4nm〜1μmの範囲であれば、分散が困難になることもなく、また好適な表面粗さを有するため好ましい。
これら非磁性粉末の平均粒径は、5nm〜2μmが好ましいが、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くしたりして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましい非磁性粉末の平均粒径は、10〜200nmである。5nm〜2μmの範囲であれば、分散も良好で、かつ好適な表面粗さを有するため好ましい。
ジブチルフタレート(DBP)を用いた吸油量は、好ましくは5〜100ml/100g、より好ましくは10〜80ml/100g、さらに好ましくは20〜60ml/100gである。
比重は好ましくは1〜12、より好ましくは3〜6である。タップ密度は好ましくは0.05〜2g/ml、より好ましくは0.2〜1.5g/mlである。タップ密度が0.05〜2g/mlの範囲であれば、飛散する粒子が少なく操作が容易であり、また装置にも固着しにくくなる傾向がある。
非磁性粉末の含水率は、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.2〜3重量%、さらに好ましくは0.3〜1.5重量%である。含水量が0.1〜5重量%の範囲であれば、分散も良好で、分散後の塗料粘度も安定するため好ましい。
強熱減量は、20重量%以下であることが好ましく、強熱減量が小さいものが好ましい。
非磁性粉末の25℃での水への湿潤熱は、20〜60μJ/cm2(200〜600erg/cm2)の範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の範囲にある溶媒を使用することができる。
100〜400℃での表面の水分子の量は1〜10個/100Åが適当である。水中での等電点のpHは、3〜9の間にあることが好ましい。
一般に、コンピュータデータ記録用の磁気テープは、ビデオテープ、オーディオテープに比較して繰り返し走行性が強く要求される。このような高い走行耐久性を維持させるために、非磁性支持体の非磁性層及び磁性層が設けられた面とは反対の面にバックコート層を設けることもできる。バックコート層用塗料は、研磨剤、帯電防止剤などの粒子成分と結合剤とを有機溶媒に分散させる。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラックを使用することができる。また、結合剤としては、例えば、ニトロセルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独又はこれらを混合して使用することができる。
本発明の非磁性支持体は、さらに磁性層用塗料側及びバックコート層用塗料の塗布面に易接着層を設けてもよい。易接着層を設けることによって支持体と磁性層又は非磁性層との接着力を向上させることができる。易接着層としては、溶剤への可溶性のポリエステル樹脂を塗布してもよい。
本発明で用いられる磁気記録媒体の厚み構成は、非磁性支持体の好ましい厚みが8μm以下である。コンピュータテープの非磁性支持体は、3.5〜7.5μm、好ましくは3〜7μmの範囲の厚さのものが使用される。また、非磁性支持体と非磁性層又は磁性層の間に易接着層を設けた場合、易接着層の厚みは、好ましくは0.01〜0.8μm、より好ましくは0.02〜0.6μmである。また、非磁性支持体の非磁性層及び磁性層が設けられた面とは反対側の面に設けられたバックコート層の厚みは、好ましくは0.1〜1.0μm、より好ましくは0.2〜0.8μmである。
本発明で用いられる磁気記録媒体の磁性層塗布液を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、及びこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる六方晶フェライト強磁性粉末又は強磁性金属粉末、非磁性粉末、ベンゼンスルホン酸誘導体、π電子共役系の導電性高分子、結合剤、カーボンブラック、研磨材、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初又は途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。ニーダを用いる場合は磁性粉末又は非磁性粉末と結合剤のすべて又はその一部(但し、全結合剤の30%以上が好ましい)及び磁性体100重量部に対し15〜500重量部の範囲で混練処理される。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。また、磁性層用液及び非磁性層用液を分散させるには、ガラスビーズを用いることができる。このようなガラスビーズは、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。
本発明に用いられる磁気記録媒体の磁性層の飽和磁束密度は100〜300mT(1,000〜3,000G)である。また磁性層の抗磁力(Hr)は、143.3〜318.4kA/m(1,800〜4,000Oe)であるが、好ましくは159.2〜278.6kA/m(2,000〜3,500Oe)である。抗磁力の分布は狭い方が好ましく、SFD及びSFDrは0.6以下、さらに好ましくは0.2以下である。
1.表面十点平均粗さRzおよび最大突起高の測定
十点平均粗さRzは小坂研究所製触針式粗度計を用いJISB0601に準拠して測定した。最大突起高さは、小坂研究所製触針式粗度計の測定結果から山密度グラフを作成しグラフから最大の突起高さを求めた。
2.エラーレート(通常、高湿高温環境下)の測定
記録信号を25℃、50%RHにおいて8−10変換PR1等化方式、25℃、50%RH、50℃、80%RHの各環境下で再生しエラーレートを測定した。
3.面あれの発生
作製した磁気テープを目視観察し、面あれの発生の有無を評価した。
1.放射線硬化層用塗料液の調製
放射線硬化型樹脂(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート) 15部
メチルエチルケトン 50部
シクロヘキサノン 50部
上記組成物をディスパーで溶解し、放射線硬化層用塗料液とした。
強磁性板状六方晶フェライト粉末 100部
組成(モル比):Ba/Fe/Co/Zn=1/9.1/0.2/0.8、
抗磁力(Hc):195kA/m(2,450Oe)、
平均板径:30nm、板状比:3 BET比表面積(SBET):58m2/g、
飽和磁化(σs):50A・m2/kg(50emu/g)
ポリウレタン樹脂 12部
分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート系、
親水性極性基:−SO3Na=70eq/ton含有
フェニルホスホン酸 3部
α−Al2O3(粒子サイズ0.15μm) 2部
カーボンブラック(粒子サイズ20nm) 2部
シクロヘキサノン 110部
メチルエチルケトン 100部
トルエン 100部
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
非磁性無機質粉末 85部
α−酸化鉄 表面処理剤:Al2O3、SiO2、長軸径:0.15μm、
タップ密度:0.8g/ml、針状比:7、
BET比表面積(SBET):52m2/g、pH8、
DBP吸油量:33g/100g
カーボンブラック 20部
DBP吸油量:120ml/100g、pH:8、
BET比表面積(SBET):250m2/g、揮発分:1.5%、
ポリウレタン樹脂 12部
分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート系、
親水性極性基:−SO3Na=70eq/ton含有
アクリル樹脂 6部
ベンジルメタクリレート/ダイアセトンアクリルアミド系、
親水性極性基:−SO3Na=60eq/ton含有
フェニルホスホン酸 3部
α−Al2O3(平均粒径0.2μm) 1部
シクロヘキサノン 140部
メチルエチルケトン 170部
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
上記磁性層用塗料液および非磁性層用塗料組成物のそれぞれについて、各成分をオープンニーダで60分間混練した後、サンドミルで120分間分散した。得られた分散液に3官能性低分子量ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン製 コロネート3041)を6部加え、さらに20分間撹拌混合した後、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性層用塗料液および非磁性層用塗料液を調製した。
実施例1−1において、非磁性支持体の種類、放射線硬化層に使用する化合物および厚み、非磁性層厚みを表1に示したように変更した以外は、実施例1−1と同様の方法で実施例1−2、1−3を作成した。
実施例1−1において、非磁性支持体の種類、放射線硬化層に使用する化合物および厚み、非磁性層厚みを表1に示したように変更した以外は、実施例1−1と同様の方法で比較例1−1〜4を作成した。但し、比較例1−1、1−3は放射線硬化層への電子線照射は行わないで、放射線硬化層上に非磁性層および磁性層を形成した。また、比較例1−4は放射線硬化層を形成せず非磁性支持体の上に非磁性層および磁性層を形成した。
磁性層用塗料液の調製
強磁性針状金属粉末 100部
組成:Fe/Co/Al/Y=67/20/8/5、
表面処理剤:Al2O3、Y2O3、抗磁力(Hc):183kA/m、
結晶子サイズ:12.5nm、長軸径:45nm
針状比:6、BET比表面積(SBET):46m2/g、
飽和磁化(σs):140A・m2/kg(140emu/g)
ポリウレタン樹脂 12部
分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート系、
親水性極性基:−SO3Na=70eq/ton含有
フェニルホスホン酸 3部
α−Al2O3(粒子サイズ0.06μm) 2部
カーボンブラック(粒子サイズ 20nm) 2部
シクロヘキサノン 110部
メチルエチルケトン 100部
トルエン 100部
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
上記磁性層用塗料液の各成分を実施例1−1と同様の方法で磁性塗料を調製し、さらに実施例1−1と同様の方法で磁気テープを作成した。
実施例2−1において、非磁性支持体の種類、放射線硬化層に使用する化合物および厚み、非磁性層厚みを表2に示したように変更した以外は、実施例2−1と同様の方法で実施例2−2、2−3を作成した。
実施例2−1において、非磁性支持体の種類、放射線硬化層に使用する化合物および厚み、非磁性層厚みを表1に示したように変更した以外は、実施例2−1と同様の方法で比較例2−1〜2−4を作成した。但し、比較例2−1、2−3は放射線硬化層への電子線照射は行わないで、放射線硬化層上に非磁性層および磁性層を形成した。また、比較例2−4は放射線硬化層を形成せず非磁性支持体の上に非磁性層および磁性層を形成した。
Claims (4)
- 非磁性支持体上に
放射線照射により重合可能な化合物を含む層を放射線照射により硬化させた放射線硬化層を有し、
その上に必要に応じ非磁性粉末及び結合剤を含む非磁性層を介し、
平均板径が5〜40nmの強磁性六方晶フェライト粉末または平均長軸長20〜100nmの強磁性金属微粉末および結合剤を分散した少なくとも一層の磁性層を有する磁気記録媒体において、
該非磁性支持体の表面十点平均粗さRzが100〜300nmの範囲にあり、かつ、放射線硬化層厚みが非磁性支持体表面に存在する最大突起高さの1〜10倍の範囲であることを特徴とする磁気記録媒体。 - 該非磁性支持体厚みが8μm以下であり、
放射線硬化層厚みまたは放射線硬化層および非磁性層を合計した厚みが0.3〜2.0μmであり、
磁性層厚みが0.01〜0.20μmである請求項1に記載の磁気記録媒体。 - 該放射線照射により重合可能な化合物が分子内にエーテル結合および放射線照射により重合可能な官能基を1分子中に2個以上有し、
分子量が1,000以下の化合物である請求項1または2に記載の磁気記録媒体。 - コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理、および電子線照射処理からなる群より選ばれる易接着処理を行った前記非磁性支持体に放射線硬化層を塗設した請求項1〜3いずれか1つに記載の磁気記録媒体。
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