本発明は、物体認識システム、物体認識方法、及び物体認識装置に係り、特に、物体認識を迅速で高精度に行い、物体認識の作業効率を向上させるための物体認識システム、物体認識方法、及び物体認識装置に関する。
従来、配送システムや課金管理システム等において、ある物体を認識する1つの方法として、物体にバーコードを付与し、バーコードリーダにより物体に取付けられたバーコード情報を取得することにより物体を認識する手法が用いられている。
また、最近では認識したい物体に非接触で自動認識できるIC(Integrated Circuit)タグを取付け、ICタグの情報の授受が可能な読取り書込み装置によりICタグを取付けた物体に付随する情報を授受する物体認識設備が存在している。
ここで、上述する従来の物体認識システムの一例について図を用いて説明する。図1は、従来における物体認識システムの一構成例を示す図である。図1の物体認識システム10は、物体11と、読取り書込み装置(リーダライタ)12と、物体認識装置13とを有するよう構成されている。また、夫々の物体11には、物体を識別するために夫々固有の識別情報等が格納されているICタグ14が取付けられている。
また、図1における物体認識システム10は、複数の物体11−1〜11−n(n:2以上の自然数)に取付けられているタグを認識する複数の読取り書込み装置12−1〜12−nを有し、複数の読取り書込み装置12−1〜12−nから得られる読み取りデータに基づいて物体を一元管理する物体認識装置13を有する。
読取り書込み装置12は、ICタグ14に格納されている識別情報等の読取りを行う。また、必要に応じてICタグ14に対して情報の書込みを行う。このとき、ICタグ14と読取り書込み装置12との間は、無線を利用するため、基本的に非接触で情報授受を行うことができる。このため、バーコードのように、読取り書込み装置12にICタグ14を接触させたり、かざしたりする必要がなくICタグの情報を取得することができ、またデータを書込むことができる。これにより、例えば、食料品について製造元の所在や原材料の履歴情報等を遡って追跡するようなトレーサビリティ管理を実現することができる。
また、物体認識装置13は、読取り書込み装置12から得られるICタグ14に格納されている情報を取得し、夫々のICタグ14−1〜14−nの情報を蓄積・管理すると共に、必要に応じて蓄積されたデータの集計や照合を行う。更に、ICタグ14にデータを記録させるため読取り書込み装置12とのデータの授受を行う。
図1に示すように、認識したい物体にICタグを取付け、取付けたICタグとの間で非接触に情報の授受可能な読取り書込み装置を有することによってICタグを取付けた物体に付随する情報を授受する物体認識システム10において、従来は物体に1つのICタグを取付けることで物体に付随する情報を取得し管理することができる。また、上述のように、非接触で自動認識できるICタグを用いて物体認識を行うことによって、買い物かごや箱等に入れられた不特定多数の物品の夫々に取付けられた全てのタグの情報を短時間で読取り可能である。
なお、上述したようなタグを用いた従来技術として、商品保管棚に電子タグを取付け商品(物品)の管理する手法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、他の技術として、例えば、何れかの物体のタグが損傷や故障、異常等の状態にあるとき、そのタグが応答不能であってもその物体を見過ごさないように、タグ(ICカード)からの応答が無い場合に警告メッセージを発する手法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平11−343012号公報
特開平11−259606号公報
しかしながら、従来では、1つの物体に取付けられているタグの数は1つであり、そのタグが損傷や故障、異常等により読取り書込み装置とのタグ情報の授受が不可能になった場合、その状況が検知できなければ、物体を見過ごしてしまうことになる。また、特許文献2に示すように、その状況が検知して警告メッセージを発することができたとしても、物体の認識作業を一旦停止するか、その物体を取り除く作業、タグを付け替える作業等が必要になる。このため、タグ不良が発生した場合には、物体を認識する作業効率が低下してしまう。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、物体認識を迅速で高精度に行い、物体認識の作業効率を向上させるための物体認識システム、物体認識方法、及び物体認識装置を提供することを目的とする。具体的には、1つの物体に複数のタグを取付け、それらのタグからの情報を読取り、またタグに対して書込みをすることで物体の管理を行う。これにより、タグの損傷や、故障、異常等によるデータの授受不可能状態を回避することができ、迅速で高精度な物体認識を実現することができる。
上記課題を解決するために、本件発明は、以下の特徴を有する課題を解決するための手段を採用している。
請求項1に記載された発明は、ICタグが取付けられた物体に対して、読取り書込み装置により前記ICタグに蓄積されたタグ情報を受信し、物体認識装置により前記タグ情報と予め設定された物体情報とを照合して物体の認識を行うための物体認識システムにおいて、前記物体は、ICタグ毎に同一の物体情報及び同一もしくは異なるタグ識別情報を有するタグ情報が蓄積された複数のICタグが取付けられ、前記読取り書込み装置は、前記複数のICタグを読取る読取り手段と、前記複数のICタグに情報を書込む書込み手段とを有し、前記物体認識装置は、前記読取り手段により得られた前記複数のICタグからのタグ情報に基づいて前記物体を照合する照合手段を有することを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、物体認識を迅速で高精度に行い、物体認識の作業効率を向上させることができる。具体的には、1つの物体に同一の物体情報を持たせた複数のICタグを取付けることにより、全てのICタグに損傷や故障、異常等が発生しない限り情報の授受が可能となる。したがって、タグ不良により発生する物体認識作業の遅滞やシステム全体への悪影響を回遊することが可能となる。
請求項2に記載された発明は、前記物体認識装置は、前記タグ識別情報からICタグの不良の有無を識別する識別手段を有することを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、複数のICタグからICタグの不良を識別することにより、高精度な物体認識システムを実現することができる。
請求項3に記載された発明は、前記読取り手段は、前記複数のICタグのうち、特定のICタグを用いてタグ情報の授受を行うことを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、取得するICタグを特定することで、物体と読取り書込み装置との伝送量を削減することができる。更に、物体認識装置での処理対象データを削減することができるため、物体認識の作業効率を向上させることができる。
請求項4に記載された発明は、前記物体認識装置は、前記識別手段により得られた識別結果情報をタグ識別情報毎に蓄積する蓄積手段を有することを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、蓄積手段を有することにより、物体の管理を容易に行うことができる。更に、不良となっているICタグの情報も管理することで、作業を中断せずに継続させ、作業後に蓄積手段に蓄積された情報を参照し、修理等を行うことができる。
請求項5に記載された発明は、物体情報が同一である物体に対して、取付けられるICタグの数を同一にすることを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、容易にICタグの不良数の確認や管理を行うことができ、高精度な物体認証を実現することができる。
請求項6に記載された発明は、前記複数のICタグは、前記物体が形成する面に対して異なる面に取付けるか、物体表面上で均等に分布するように取付けるか、同一面上において等間隔に取付けることを特徴とする。
請求項6記載の発明によれば、複数のICタグが同時に損傷や故障、異常等が発生することを回避することができる。更に読取り書込み装置と物体との位置関係から、読取り書込み装置からの要求信号を受信できないといった問題も回避することができる。
請求項7に記載された発明は、ICタグが取付けられた物体に対して、該ICタグに蓄積されたタグ情報を受信し、前記タグ情報と予め設定された物体情報とを照合して物体の認識を行うための物体認識方法において、前記物体に取付けられたICタグ毎に同一の物体情報及び同一もしくは異なるタグ識別情報を有するタグ情報が蓄積された複数のICタグを読取る読取り段階と、前記読取り段階により得られた前記複数のICタグからのタグ情報に基づいて、前記物体を照合する照合段階とを有することを特徴とする。
請求項7記載の発明によれば、物体認識を迅速で高精度に行い、物体認識の作業効率を向上させることができる。具体的には、1つの物体に同一の物体情報を持たせた複数のICタグを取付けることにより、全てのICタグに損傷や故障、異常等が発生しない限り情報の授受が可能となる。したがって、タグ不良により発生する物体認識作業の遅滞やシステム全体への悪影響を回遊することが可能となる。
請求項8に記載された発明は、前記タグ識別情報からICタグの不良の有無を識別する識別段階を有することを特徴とする。
請求項8記載の発明によれば、複数のICタグからICタグの不良を識別することにより、高精度な物体認識を実現することができる。
請求項9に記載された発明は、前記読取り段階は、前記複数のICタグのうち、特定のICタグを用いてタグ情報の授受を行うことを特徴とする。
請求項9記載の発明によれば、取得するICタグを特定することで、タグ情報の伝送量を削減することができる。更に、物体認識における対象データを削減することができるため、物体認識の作業効率を向上させることができる。
請求項10に記載された発明は、前記識別段階により得られた識別結果情報をタグ識別情報毎に蓄積する蓄積段階を有することを特徴とする。
請求項10記載の発明によれば、蓄積段階により、物体の管理を容易に行うことができる。更に、不良となっているICタグの情報も管理することで、作業を中断せずに継続させ、作業後に蓄積段階にて蓄積された情報を参照し、修理等を行うことができる。
請求項11に記載された発明は、前記複数のICタグのうち予め設定されるICタグについて読取り完了情報を書込むための書込み段階を有することを特徴とする。
請求項11記載の発明によれば、読取り完了情報を書込むことにより、そのICタグが既に読込まれたタグであるかを容易に把握することができる。ここで、読取り完了情報の書込みについては、読取り完了を示す所定のデータを書込んでもよく、また、読取り完了フラグをセットしてもよい。
請求項12に記載された発明は、ICタグが取付けられた物体に対して、該ICタグに蓄積されたタグ情報を取得し、前記タグ情報と予め設定された物体情報とを照合して物体の認識を行うための物体認識装置において、前記物体に取付けられた複数のICタグから得られるICタグ毎に同一の物体情報及び同一もしくは異なるタグ識別情報を有するタグ情報に基づいて、前記物体を照合する照合手段を有することを特徴とする。
請求項12記載の発明によれば、物体認識を迅速で高精度に行い、物体認識の作業効率を向上させることができる。具体的には、1つの物体に同一の物体情報を持たせた複数のICタグを取付けることにより、全てのICタグに損傷や故障、異常等が発生しない限り情報の授受が可能となる。したがって、タグ不良により発生する物体認識作業の遅滞やシステム全体への悪影響を回遊することが可能となる。
請求項13に記載された発明は、前記タグ識別情報からICタグの不良の有無を識別する識別手段とを有することを特徴とする。
請求項13記載の発明によれば、複数のICタグからICタグの不良を識別することにより、高精度な物体認識を実現することができる。
請求項14に記載された発明は、前記識別手段により得られた識別結果情報をタグ識別情報毎に蓄積する蓄積手段を有することを特徴とする。
請求項14記載の発明によれば、蓄積手段により、物体の管理を容易に行うことができる。更に、不良となっているICタグの情報も管理することで、作業を中断せずに継続させ、作業後に蓄積手段により蓄積された情報を参照し、修理等を行うことができる。
本発明によれば、物体認識を迅速で高精度に行い、物体認識の作業効率を向上させることができる。
次に、本発明における実施の形態について図を用いて説明する。図2は、本発明における物体認識システムの一構成例を示す図である。
図2の物体認識システム20は、物体21と、読取り書込み装置22と、物体認識装置23とを有するよう構成されており、物体21には、1つの物体21について複数のICタグ24が取付けられている。例えば、物体21−1には、物体21に関する同一の物体情報がタグ情報として複数のICタグ11〜1m(m:2以上の自然数)に蓄積されている。なお、物体毎にタグ数が異なる場合は、mの値は物体毎に異なる。タグ情報の蓄積内容については後述する。
読取り書込み装置22−1〜22−nは、夫々がICタグに対して応答要求を行い、ICタグからの応答によりタグ情報を読取る。読取ったタグ情報は、物体認識装置23に出力する。更に必要に応じてICタグ24に対してデータの書込みを行う。なお、図2において、読取り書込み装置22は複数ある必要はなく、1つであってもよい。また、物体認識装置23は、読取り書込み装置22からのタグ情報から物体の認識を行う。
ここで、読取り書込み装置22及び物体認識装置23における物体認識において、複数のICタグとの通信を確立するためのアンチコリジョン方式に対応しているものとする。アンチコリジョンとは、1つの読取り書込み装置により複数のICタグからのデータが混在することなく同時に読取ることができる機能であり、マルチリード機能ともいわれている。
ここで、アンチコリジョン方式について説明する。例えば、読取り書込み装置22は、ビット単位でICタグ毎に異なるタグ識別情報(ID)を指定して確認応答要求を送信し、受信したICタグは、自身のIDと一致すれば応答を行う。読取り書込み装置22では、確認応答要求信号が届く範囲における全てのICタグのIDが認識できるまで、IDのビットを1ビットずつ増加させ上述の処理を繰り返し行う。このように、複数回に及ぶ通信によって全てのタグのIDを認識し、最終的には全てのICタグに対して取得したIDを用いて個別に通信する方式をビットコリジョン方式という。
また、他の方式としては、読取り書込み装置22が送信する1つの応答要求に対して、複数のタグが時間をずらして応答できるように、予め設定された時間枠(タイムスロット)において読取り書込み装置22が応答要求を送信し、受信したICタグが、例えば自身の中に持つ乱数発生機能等により応答タイミングを任意のタイムスロットまでずらして応答するタイムスロット方式等がある。なお、タイムスロット方式では、読取り書込み装置22はコリジョンが発生しなくなるまで応答要求を繰り返し送信する。このような複数回に及ぶ通信によって全てのタグのIDを認識し、最終的には全てのタグに対して個別に通信できるようにしたものである。本発明では、上述のようなアンチコリジョン方式が適用されるものとする。
また、本発明においては、物体21に取付けられるICタグ24の取付け位置は、物体が形成する面において、異なる面に取付けるか、物体表面上で均等に分布するように取付けるか、又は1つの面上に等間隔で取付ける。これにより、複数のタグが同時に損傷や故障、異常等が発生することを回避することができる。更に、読取り書込み装置22と物体21との位置関係からICタグ24が読取り書込み装置22からの要求信号を受信できないといった問題も回避することができる。
また、本発明におけるICタグ24は、電源のないパッシブ型のICタグであり、読取り書込み装置22から要求信号(電波)を受信した時にこれを電気エネルギーとして使用し、メモリ等に記憶されているタグ情報を応答電波として送信する。なお、本発明におけるICタグについては、この限りではなく、電源があるアクティブ型のICタグを使用することもできる。
更に、ICタグ24と読取り書込み装置22の間での伝送媒体方式としては、例えば、交流磁界によるコイルの綜合誘導を利用する電磁結合型や、誘起電圧を利用して更新する電磁誘導型、2.45GHzのマイクロ波によりデータの送受信を行うマイクロ波型、近赤外線により、光による空間伝送を利用してタグとの交信を行う光交信型等がある。本発明では、上述の何れかが適用される。
次に、本発明における物体認識システムの機能構成について、図を用いて説明する。図3は、本発明における物体認識システムの機能構成の一例を示す図である。なお、図3では、説明を容易にするため1つの物体21−1と1つの読取り書込み装置22−1と物体認識装置23とを用いて説明する。
図3において、読取り書込み装置22−1は、タグ情報要求手段31と、読取り手段32と、書込み手段33とを有するよう構成されている。また、物体認識装置23は、入力手段34と、出力手段35と、照合手段36と、識別手段37と、蓄積手段38と、表示手段39とを有するよう構成されている。ここで、ICタグ24−1と、読取り書込み装置22−1が有するタグ情報要求手段31と、読取り手段32と、書込み手段33とにおける信号(信号)の授受は無線通信(電波)により実現される。具体的には、読取り書込み装置22−1が、電波が届く領域に対して定期的に質問要求の電波を発信し、ICタグ24−1が取付けられている物体21−1がその電波の領域内にあるとき、質問要求の電波を受信してタグ情報を送信する。これにより、読取り書込み装置22−1はICタグ24−1から送信されたタグ情報を取得することができる。
読取り書込み装置22−1において、タグ情報要求手段31は、物体21−1に取付けられているICタグ24−1について、タグ情報を取得するために要求信号を出力する。読取り手段32は、ICタグ24−1から送信されるタグ情報要求手段31の要求信号に対応したタグ情報を受信する。また、読取り手段32は、受信したタグ情報を物体認識装置23に出力する。書込み手段33は、ICタグ11〜1mのうち物体認識装置23により書込み指示のあったタグについて書込みを行う。
物体認識装置23では、入力手段34が、読取り書込み装置22からのタグ情報を入力する。また、入力手段34は、キーボードやポインティングデバイス、タッチパネル等を備え、使用者からの指示や情報の入力等を行うこともできる。
出力手段35は、タグ情報要求手段31に対して、どのようなタグ情報を要求させるかを設定したタグ情報要求条件を出力する。また、ICタグ24−1に対して書込みが必要である場合に、その書込み条件を書込み手段33に出力する。照合手段36は、IC24−1から取得したタグ情報と蓄積手段38に予め蓄積されている後述する管理テーブルの情報とを照合することで物体21−1の認識を行う。識別手段37は、1つの物体にある複数のタグ情報を識別したり、アンチコリジョン方式におけるデータの識別を行う。また、物体24−1が有する複数のICタグ11〜1mからタグの数をカウントする処理も行う。更に、識別手段37は、カウントしたタグ数と実際にその物体に取付けてあるはずのタグ数とを比較し、その結果(識別結果情報)を蓄積手段38に蓄積する処理を行う。
また、蓄積手段38は、上述したように物体21−1を認識するために必要な管理テーブルを備えている。更に表示装置39は、物体認識システムを使用するうえで必要となる情報を表示する。具体的には、使用者が入力手段34により入力された情報を表示したり、システムの稼動状態を表示したり、エラー表示を行うことで使用性を向上させている。
なお、本発明における物体認識システムにおいては、図3に示す手段以外にも、例えば、物体の料金を課金するための課金手段等を設けることもできる。
次に、本発明にて使用されるICタグが持つ情報の具体的な例について図を用いて説明する。図4は、ICタグが持つタグ情報の一例を示す図である。ここで、図4(a)〜図4(j)において、「タグID」は、1つの物体に取付けられた複数のICタグを識別するため、又は、夫々の物体を識別するためのIDを示し、「タグ追番」は、1つの物体について取付けられているICタグを識別するためにユニークでシーケンシャルに割当てられる情報を示している。また、「物体ID」は、1つの物体を識別するためのIDを示し、「物品ID」は、品名等を表すIDを示し、「タグ数」は、1つの物体に取付けられるICタグの総数を示し、「固有情報」は、物体に固有の属性等の情報を示している。このとき、本発明において、上述の「タグID」及び「タグ追番」がタグ識別情報であり、それ以外の情報が物体情報である。
ただし、タグ識別情報として「タグID」及び「タグ追番」等、複数項目を持っている場合でも、認識処理において「タグID」のみ使用したり、「タグID」+「タグ追番」を使用したりする等の設定は任意である。
また、図4(a)〜(e)に存在する「フラグ」は、物体認識装置23が、読取り書込み装置22−1から取得したタグ情報に対して、フラグを参照しフラグがセットされている場合(例えば、フラグ=1等)、そのタグ情報を使用しないよう制御を行うことができる。また、ICタグ24において、タグ情報の送信時にフラグを参照し、フラグがセットされているICタグについては、送信しない等の処理を行うことができる。
なお、フラグは、そのICタグの読取り完了情報を示すものであり、フラグがセットされている場合はデータの授受を完了したことも意味するため、フラグを参照することでタグ情報の授受が行われているかを容易に把握することができる。また、フラグの書込みは書込み手段33あるいはICタグ自身にて行い、例えば、読取り完了時には1を、読取り未完了時には0をセットする。また、適当なタイミングで全てに0をセットする。このようにフラグを有することで、物体認識処理が終了したICタグを再度読取ったり、書き取ったりしてしまう、誤認識処理を回避することができる。
なお、ICタグの持つ情報について、図4(a)〜図4(j)の例を示しているが、図4(g)又は図4(h)に示したように最低限のタグを識別するための情報あるいは物体を識別するための情報は必要となるが、図4に示すタグ情報の例以外にも必要に応じて設定することができる。例えば、複数のICタグとの通信確立のためのアンチコリジョン方式によっては、アンチコリジョン専用の情報(例えば、乱数コード等)をタグ毎に持つ必要が生じるため、使用するアンチコリジョン方式に対応したデータを設定する。この場合のデータは、必要に応じてタグ自身の内部情報とする。また、図4に示す項目の蓄積位置もこの限りではなく、他の位置や順序で蓄積することができる。
更に、同一の製品(物品)について取付けられるタグ数については、固定数(同一)であっても、異なる数であってもよいが、同一である方が望ましい。それは、物品によりタグ数を管理することができ、また、後述するICタグの不良数の確認を容易に行うことができるからである。
また、物体認識装置23の蓄積手段38にて蓄積されるデータ(テーブル)については、図4(a)〜(j)に示したデータ項目が少なくとも蓄積され、具体的には読取り書込み装置22−1により読取られたタグ情報を蓄積する。なお、蓄積手段38に蓄積されるデータについてはこの限りではなく、例えば、物品に関する情報を有する物品マスタ情報や、物品IDから物品名等を対応づけたデータを有する物体情報等がある。
ここで、物体認識装置23の蓄積手段38に蓄積されるテーブル例について図を用いて説明する。図5は、物体認識装置に蓄積されるテーブルの一例を示す図である。ここで、図5(a)は、物品マスタテーブルの一例を示し、図5(b)は、物体情報テーブルの一例を示している。
ここで、図5(a)の物品マスタテーブルのデータ項目としては、「物品ID」、「品名」、「製造元(メーカ)」、「価格」、及び「属性情報」等が蓄積されている。例えば、図5(a)では、“A001”の物品IDを持つ製造元が“A電気”で14型(属性情報)の“テレビ”(品名)の価格が“50,000円”という情報が蓄積されている。物体認識装置23の照合手段36は、ICタグから取得される物品IDに基づいて図5(a)のテーブルと比較することにより、A001という物品IDの詳細情報を容易に取得することができる。
また、図5(b)の物体情報テーブルとしては、「タグID」、「タグ追番」、「物体ID」、「物品ID」、「タグ数」、「不良タグ数」、「不良有無」、「属性情報」等が蓄積される。ここで、「タグ数」は、全ての物品毎に取付けられる予め設定されたICタグの総数を示し、「不良タグ数」は、タグ情報要求手段31からの要求信号に対して応答することができない不良のICタグ数を示す。また、「不良有無」は、当該タグの良・不良の有無を蓄積するための項目である。なお、ここに蓄積されるデータは、「“有”,“無”」、「“良”,“不”」、又は「“1”,“0”」等が設定される。
また、本発明では、1つの物品IDに関して複数のICタグが取付けられるため、図5(b)に示すようにタグID及びタグ追番をタグ識別情報として管理することも考えられる。なお、タグIDにICタグ固有の識別情報を含ませてもよい。
識別手段37は、1つの物体について複数あるICタグのうち、予めタグ数にセットされている数と応答のあったタグ数とを比較して、一致しなかった場合に「タグID」及び「タグ追番」毎に「不良タグ数」、「不良有無」をセットする。これにより、「不良有無」、「タグID」、「タグ追番」により、どのICタグが不良であったかを容易に把握することができる。
更に、ICタグからの応答がない場合や、ICタグの損傷等により正しく受信できないICタグがあった場合にも、同一の物体が有する他のICタグによりタグ情報を受信できるため、作業を停止させることなく効率的に作業を継続させることでき、物体認識の作業効率を向上させることができる。
例えば、図5(b)において、タグIDが“TG001”である物体IDが“TV555”である物体がある。この物体には、1つの物体あたりに5つのICタグが取付けられている。また、ICタグの損傷や故障等で応答のなかったICタグが2つあることを示している。このとき、タグ追番が“001”のICタグは応答がなかったために不良有無が“有”となる。しかしながら、タグ追番が“002”のICタグは応答が正常であったため、不良有無が“無”となる。これにより、応答がない不良タグを容易に把握することができる。このように、物体認識装置23は、図5(b)の物体情報テーブルにより、物体の応答状況を管理することにより、高精度な物体認識と管理を行うことができる。
上述したようなテーブルを用いて、タグから取得されるデータを蓄積したり、蓄積したデータを集計等の処理を行うことができる。更に、タグから取得された情報と、テーブルの情報とを照合する等の処理を行うことができる。
例えば、ICタグが図4(b)に示すタグ情報を持つ場合には、タグIDに基づいて、図5(b)に示す物体情報テーブルから物品IDを特定し、物品マスタ情報から物体の価格や属性情報等を取得することができる。また、ICタグが図4(a)に示すタグ情報を持つ場合には、物品IDにより図5(a)に示す物品マスタテーブルを直接参照して物体の価格や属性情報等を取得することができる。
次に、本発明における具体的な実施例について、以下に説明する。なお、後述する実施例は、1つの物体に2つ以上の固定数、又は1つの物体に2以上の任意個数のタグを取付け、それらのICタグの持つ物体情報は全て同一とする。
実施例1は、1つの物体に取付けられ、情報授受が可能な全てのタグに対して同一の物体情報の授受要求を行う。つまり、タグ情報要求手段31において、物体21に取付けられている全てのICタグ24から蓄積されているタグ情報を全て取得する要求信号を出力する。
ここで、実施例1における物体認識処理手順についてフローチャートを用いて説明する。図6は、実施例1における物体認識処理手順の一例を示すフローチャートである。実施例1における物体認識手順において、まず、読取り書込み装置22は、タグ情報要求手段31により物体21に対してタグ情報の要求を行う(S01)。読取り書込み装置22は、要求信号を受信したICタグから送信される全てのタグ情報を読取り手段32により取得する(S02)。
次に、識別手段37は、受信したタグ情報が、既に受信しているタグ情報であるかを判断する(S03)。ここで、S03における判断については、上述したタグ情報に含まれるタグID、タグ追番や物体ID等の一部を参照して、あるいは全てを参照して判断を行う。既に受信したタグ情報でない場合(S03において、NO)、照合手段37は、タグ情報と蓄積手段38に蓄積されているテーブルとを照合し、物体の認識を行う(S04)。なお、物体の認識では、例えば、取得したタグ情報に含まれるタグIDと、蓄積手段38に蓄積されているテーブルのタグIDとを比較することにより物体が何の製品であるか等を容易に取得することができる。また、取得した製品の情報を表示手段39に表示させることもできる。
更に、複数のタグから取得したタグ情報を照合することにより、タグ情報の正確性を向上させ、誤認識を回避して高精度な物体認識を実現することができる。この場合は、物体IDのみを照合してもよく、図4に示すようなタグ情報に含まれる項目のうち、複数の項目を用いて照合させてもよい。このときの照合条件は、照合手段36に予め設定しておき、その設定条件に基づいてICタグの照合を行う。
また、既受信のタグ情報である場合(S03において、YES)、あるいはS04の処理が終了後、物体認識装置23は、ICタグへの書込みが必要であるかを判断する(S05)。タグへの書込みの有無は、固有情報等の書込み要、不要の設定が予めされており、その設定された書込み情報に基づいて、出力手段35は書込み手段33にICタグへの書込み要求を行う。
S05において、書込みが必要な場合(S05において、YES)、書込み手段33により、物体に有する全てのタグに対して書込みを行い(S06)、処理を終了する。また、タグへの書込みが必要ない場合(S05において、NO)、そのまま処理を終了する。
このように、複数のICタグを用いることで物体認識を迅速で高精度に行うことができる。
ここで、同一の物体に取付けられた2以上のICタグから取得した情報は、物体に関連する物体情報については全て同一である。このため、一度取得したICタグに対して、蓄積されている情報を追加で取得したい場合は、複数あるICタグのうち、特定のICタグから情報を取得するようにする。この例を実施例2とする。
実施例2では、1つの物体に2以上の固定数のICタグを取付け、それらのICタグの持つタグ情報は、当該物体を認識するための必要な物体情報は全て同一ものが蓄積されている。また、タグ識別情報としては、タグID又はタグ追番にユニークな情報が蓄積されている。
ここで、物体情報の読取りのみの場合は、読取り書込み装置22が物体21に取付けられた複数のICタグに対して情報の取得を行い、取得に成功したICタグの中からICタグを特定し、そのICタグのみからのタグ情報を取得する。
この方法を実現させるため、特定のICタグ以外のICタグのフラグに読取り完了情報をセットしておく方法と、例えば最初に受信したタグに特定し、タグIDもしくはタグID+タグ追番等を指定して追加情報要求を行う方法と、一旦全てのタグ情報を取得して、特定のタグ以外のタグについてはタグ追番等の識別キーに基づいて、識別手段37が特定したタグID以外のタグIDのタグ情報を無視するようにする方法がある。
例えば、再読込みを行わないICタグについては、書込み手段33によりフラグをセットしておく。これにより、例えば、ICタグがタグ情報要求を受信した際に、複数のICタグの夫々に蓄積されているフラグを参照し、読取り完了フラグがセットされていない場合にタグ情報の送信を行う。あるいは、要求手段が特定したタグIDもしくはタグID+タグ追番等を指定して情報要求を行い、タグIDもしくはタグID+タグ追番の一致したタグのみが送信を行う。これにより、送信するICタグを制限することができる。また、照合等による物体認識処理のデータ量を削減することができ、作業効率を向上させることができる。
また、物体情報の書込みが必要な場合には、1つの物体に取付けられて情報授受可能な全てのICタグに対して同一の物体情報授受を行う。
ここで、実施例2における物体認識処理手順についてフローチャートを用いて説明する。図7は、実施例2における物体認識処理手順の一例を示すフローチャートである。実施例2における物体認識手順では、まず、読取り書込み装置22は、タグ情報要求手段31により物体21に対してタグ情報の要求を行う(S11)。読取り書込み装置22は、要求信号を受信したICタグから送信される全てのタグ情報を読取り手段32により取得する(S12)。このとき、ICタグ側では、タグ情報要求に対して複数のICタグの夫々に蓄積されているフラグが存在する場合はフラグを参照し、フラグがセットされていない場合にタグ情報の送信を行う。
次に、受信した物体の情報が、既に受信しているタグ情報であるかを判断する(S13)。ここで、既に受信したタグ情報でない場合(S13において、NO)、照合手段37は、タグ情報と蓄積手段38に蓄積されているテーブルとを照合し、物体の認識を行う(S14)。物体の認識では、取得したタグ情報に含まれるタグIDと、蓄積手段38に蓄積されているテーブルのタグIDとを比較することにより物体が何の製品であるか等を容易に取得することができる。また、取得した製品の情報を表示手段39に表示させることもできる。
次に、タグからの追加情報が必要であるか否かを判断する(S15)。ここで、追加情報とは、最初のタグ情報の送信においては、物体ID等の最低条件のタグ情報が送信され、更に、タグに固有情報等の詳細な情報が蓄積されている場合は、この情報を取得するために、タグ情報要求手段31により、再度、追加のタグ情報要求を出力する。
タグからの追加情報の取得が必要である場合(S15において、YES)、複数のタグの全てから更に同一の情報を取得してもよいが、実施例2では、タグを1つに特定し、その特定したタグから情報を取得する。そのため、特定タグを選定し(S16)、特定タグ以外のタグへのフラグに書込みを行う(S17)。
次に、タグの追加情報の要求を行う(S18)。この場合、タグ情報要求手段31は、タグに含まれる所定の情報について取得するための要求信号を送信する。ここで、ICタグは要求信号を受信するが、特定タグ以外のICタグには、フラグがセットされている。したがって、フラグがセットされているICタグは、タグ情報の送信を行わず、フラグがセットされていない特定のICタグのみが追加情報を送信する。あるいは、S17の処理によらず、例えば最初に受信したタグに特定して、そのタグの持つタグ識別情報であるタグIDもしくはタグID+タグ追番等を指定して要求手段が要求信号を送信し、タグIDもしくはタグID+タグ追番等の一致したタグのみが追加情報を送信する。
このため、読取り手段32は、特定のICタグのみから追加情報を取得する(S19)。
また、S13において、既受信のタグ情報である場合(S13において、YES)、S15において、タグからの追加情報の取得が必要でない場合(S15において、NO)、あるいはS19の処理が終了後、ICタグへの書込みが必要であるかを判断する(S20)。タグへの書込みの有無は、固有情報等の書込み要、不要の設定が予めされており、その設定された書込み情報に基づいて、出力手段35は書込み手段33にICタグへの書込み要求を行う。S20において、書込みが必要な場合(S20において、YES)、書込み手段33により物体に有する全てのICタグ、又は特定のICタグに対して書込みを行い(S21)、処理を終了する。また、ICタグへの書込みが必要ない場合(S20において、NO)、そのまま処理を終了する。
このように、実施例1と同様に複数のICタグを用いることで物体認識を迅速で高精度に行うことができる。更に、特定のICタグからのみ追加情報を取得することで、伝送されるデータ量や処理されるデータ量を削減することができ、作業効率を向上させることができる。
実施例3は、識別手段37において、物体毎に取付けられたICタグから応答のあったタグを把握することで、物体においてICタグの不良数を判断するものである。また、タグ追番等により不良なICタグを特定する。特定した情報は、蓄積手段38が有するテーブルに蓄積して管理する。
ここで、実施例3における物体認識処理手順についてフローチャートを用いて説明する。なお、本実施例3において、物体には同一のタグ情報又は物体情報が蓄積されたICタグが複数取付けられているものとする。図8は、実施例3における物体認識処理手順の一例を示すフローチャートである。実施例3における物体認識処理23では、まず、読取り書込み装置22は、タグ情報要求手段31により物体21に対してタグ情報の要求を行う(S31)。読取り書込み装置22は、要求信号を受信したICタグから送信される全てのタグ情報を読取り手段32により取得する(S32)。
次に、受信した物体の情報が、既に受信しているタグの情報であるかを判断する(S33)。ここで、既に受信したタグ情報でない場合(S33において、NO)、ICタグからの追加情報の取得が必要であるかを判断する(S34)。なお、この場合は、全てのICタグから追加情報を取得して、追加情報も含めて照合手段36にて照合を行うことができる。これにより、照合する項目数が増えるため、タグ情報の誤認識を回避し高精度な物体認識を実現することができる。
ICタグから追加情報の取得が必要な場合(S34において、YES)、ICタグの追加情報の要求を行う(S35)。この場合、タグ情報要求手段31は、ICタグに含まれる所定の情報について取得するための要求信号を送信する。読取り書込み装置22は、要求信号を受信したICタグから送信される追加情報を取得し、照合手段36において取得したタグ情報の照合を行い、蓄積手段38が有するテーブルを参照して物体の認識を行う(S36)。また、ICタグから追加情報の取得が必要でない場合(S34において、NO)、現時点で取得したタグ情報から物体の認識を行う。
次に、既受信のタグ情報である場合(S33において、YES)、あるいはS36の処理が終了後、ICタグへの書込みが必要であるかを判断する(S37)。S37において、書込みが必要な場合(S37において、YES)、書込み手段33により、物体に有する全てのタグに対して書込みを行う(S38)。
また、書込みが必要でない場合(S37において、NO)、あるいはS38の処理が終了後、識別手段37は、要求信号に対応する応答のあったICタグの数をカウントし(S39)、S39にてカウントして取得したタグ数と、予めテーブルに蓄積されているタグ数とを比較して一致しているかを判断する(S40)。なお、S39にて応答のあったタグ数をカウントする際に、そのタグIDやタグ追番も把握しておく。
ここで、予めテーブルに蓄積されているタグ数とカウントしたタグ数とが一致していた場合(S40において、YES)、図5(b)に示すテーブルのタグID及びタグ追番タグに対応した不良有無に“無”を設定して(S41)、処理を終了する。また、蓄積されたタグ数とカウントしたタグ数とが不一致であった場合(S40において、NO)、図5(b)に示すテーブルのタグID及びタグ追番タグに対応した不良タグ数に不良なICタグの数を蓄積する(S43)。なお、不良タグ数は、蓄積されているタグ数からカウントしたタグ数を減算することで算出される。なお、図5(b)のテーブルにおける不良タグ数は、同一のタグIDに対して設定される。
次に、タグ不良有無を“有”に設定する(S43)。このとき、“有”が設定されるのは、タグIDの中でもタグ追番にて特定されたICタグである。最後に、エラーがあった旨を示すエラー情報を表示手段39から出力し(S44)、処理を終了する。これにより、使用者はエラーを迅速に把握することができる。
エラーがあった場合は、そのまま継続して処理を行い、処理の合間のタイミングでそのタグを取り換える等の処理を行う。また、取り換えた際には、図5(b)に示すテーブルのICタグにおいて、エラー情報を初期状態(エラーのない状態)に書き換える。この書き換えは、例えば、入力手段34により使用者が蓄積手段38に設けられたテーブルの参照し、該当部分を修正することで行うことができる。
このように、物体認識装置23で、タグの数を認識して判断することにより、ICタグの損傷や故障、異常等による授受不可能状態を回避できると共に、タグの故障がある旨を迅速に把握することができる。これにより、物体認識を迅速で高精度に行うことができる。
また、1つの物体との複数のタグが同一のタグ識別情報を持つ場合でも、不良タグ数を認識することで、必要に応じて新規タグを追加する等の手段を講じることができる。更に、1つの物体において取付けられるICタグに対して個々のICタグを識別するためのタグ追番を設けることにより、どのICタグが不良なのかを容易に把握することができ、更に物体認識装置23に蓄積することにより、更に高精度に把握することができる。
また、上述の実施例においては、読取り書込み装置と物体認識装置とは別装置構成としているが、物体認識装置に読取り書込み装置の機能を有するよう構成させてもよい。更に本発明を適用した実施例についてはこの限りでHなく、上述の実施例1〜3を組み合わせて実施することもできる。
上述したように本発明によれば、物体認識を迅速で高精度に行い、作業効率を向上させることができる。具体的には、1つの物体に同一の物体情報を持たせた複数のICタグを取付けることにより、全てのICタグに損傷や故障、異常等が発生しない限り情報の授受が可能となる。したがって、本発明における物体認識設備を利用する物体認識作業システム等においては、タグ不良により発生する作業の遅滞やシステム全体への悪影響を回遊することが可能となる。
また、ICタグからの情報を複数回取得するような場合には、1つの物体に取付けられる複数のICタグのうち、タグ情報を取得するICタグを特定することで、伝送量を削減することができる。更に、処理対象データ量も削減することができるため、作業効率を向上させることができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
従来における物体認識システムの一構成例を示す図である。
本発明における物体認識システムの一構成例を示す図である。
本発明における物体認識システムの機能構成の一例を示す図である。
ICタグが持つタグ情報の一例を示す図である。
物体認識装置に蓄積されるテーブルの一例を示す図である。
実施例1における物体認識処理手順の一例を示すフローチャートである。
実施例2における物体認識処理手順の一例を示すフローチャートである。
実施例3における物体認識処理手順の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
10,20 物体認識システム
11,21 物体
12,22 読取り書込み装置
13,23 物体認識装置
14,24 ICタグ
31 タグ情報要求手段
32 読取り手段
33 書込み手段
34 入力手段
35 出力手段
36 照合手段
37 識別手段
38 蓄積手段
39 表示手段