JP2005156844A - 放電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 放電電極1に付着した放電生成物や、あるいは異物などを従来に比べてより確実に清掃、除去することができる放電装置を提供する。
【解決手段】 清掃部材2、2を放電電極1の長さ方向に移動させた際に、当該清掃部材2、2を移動方向と交差する方向に振動させる加振手段Vb、Vbを設けた放電装置である。加振手段Vb、Vbは、多数の凹凸を有するガイド4、4と、先端部32a、32aをガイド4、4の凹凸に当接させた状態で清掃部材2、2を移動させた際に、先端部32a、32aがガイド4、4の凹凸に応じて往復動することで振動する弾性部材32、32とで構成した。
【選択図】 図2

Description

この発明は、電子写真法を利用した画像形成装置などに使用される放電装置に関するものである。
電子写真法を利用した静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、レーザープリンタおよびこれらの複合機などの画像形成装置においては、例えばドラム状の電子写真感光体の表面を一様に帯電させ、次いで露光して静電潜像を形成し、それをトナー像に現像したのち紙等の被転写体の表面に転写し、転写後の被転写体を電子写真感光体から分離して定着処理することで一連の画像形成工程が終了する。また、トナー像を転写後の電子写真感光体は、表面に残留するトナーを清掃、除去し、必要に応じて露光して除電したのち、次の画像形成に備える。
上記画像形成工程のうち、電子写真感光体の表面を一様に帯電させる帯電工程や、トナー像を静電気的に被転写体の表面に転写する転写工程、転写後の被転写体を電子写真感光体から静電気的に分離させる分離工程などには、電子写真感光体の幅方向に直線状に配設した放電電極に高電圧を印加してコロナ放電させる放電装置を用いるのが一般的である。
また放電電極としては、微細な金属製のワイヤーや、長尺帯状でかつその片側の縁部、詳しくは電子写真感光体の表面に対向する縁部を鋸歯状とした金属板、あるいは多数の針状突起(ピン電極)を、その先端を電子写真感光体の表面に対向させた状態で略直線状に配列したもの、などが一般的である。
放電電極には、コロナ放電によって発生する放電生成物や、あるいは画像形成装置内を浮遊している埃、トナー粉、紙粉などの異物が付着しやすく、しかも放電生成物や異物が付着すると放電特性が不均一になったり低下したりしやすいという問題がある。とくに鋸歯状の放電電極やピン電極式の放電電極などにおいては、鋸歯の先端や針状突起の先端などの、放電の起点となる先端部に放電生成物が付着しやすいため、放電特性の低下が著しい。
このため放電装置には、放電電極を清掃して放電生成物や異物を除去するための清掃部材を設けるのが一般的である。例えば特許文献1には、起毛ブラシや植毛部材、あるいは弾性を有する曲面部材などからなる一対の清掃部材を、鋸歯状の放電電極の長さ方向に移動可能な状態で、当該放電電極を両面から挟持するように対向配置しておき、かかる一対の清掃部材を、清掃時に放電電極の長さ方向に移動させることで、付着した放電生成物や異物を清掃、除去することが記載されている。
しかし放電生成物は、とくに電位が集中する鋸歯の先端や針状突起の先端などに、他の部分に付着した放電生成物や異物などよりもより強固に、あるいは他の部分の放電生成物よりも厚めに付着する傾向がある。このため発明者の検討によると、前記従来の清掃部材を用いた場合には、かかる強固に付着したり厚めに付着したりした放電生成物を確実に清掃、除去できないおそれがある。
そこで特許文献2においては、清掃部材を、放電電極の長さ方向に移動中に、同方向に小刻みに前後動させたり、あるいは放電電極の長さ方向に移動中に、同方向と交差する方向に振動させることによって、放電電極に付着した放電生成物をより確実に清掃除去することが提案されている。
特開平9−190051号公報(請求項1、2、第0013欄〜第0020欄、第0021欄〜第0022欄、図4、5) 特開平5−333669号公報(請求項4、請求項5、第0027欄〜第0030欄、第0034欄〜第0035欄、図5、図6)
ところが特許文献2のうち前者の、清掃部材を、放電電極の長さ方向に移動中に、同方向に小刻みに前後動させるものにおいては、当該清掃部材の、放電電極への接触距離、つまり清掃距離が実質的に増加することになるため、フェルトなどで形成される清掃部材の摩耗量が多くなってその寿命が短くなり、清掃部材を頻繁に交換しなければならないという問題がある。
また清掃部材に、上記のように複雑な動きをさせるためには、引用文献2に記載されているように清掃部材をモータで駆動させるとともに、当該モータを、制御信号の入力によって加逆回転させるための回路などが必要である。より簡便な、手動による清掃部材に、上記のような複雑な動きを導入するのは難しい。
また特許文献2のうち後者の、清掃部材を、放電電極の長さ方向に移動中に、同方向と交差する方向に振動させるために、複雑なソレノイド機構を採用しており、放電装置の構造が複雑化するという問題がある。
特に、引用文献2には記載されていないもののソレノイド機構は、放電装置のシールドケース内を、清掃部材とともに放電電極の長さ方向に移動させる必要があり、かかる移動するソレノイド機構にソレノイド駆動のための電圧を印加する配線を、放電電極に高電圧を印加して放電させる際に、当該放電電極に接触して高電圧がリークしたりすることのないように収納するための構造などが複雑になるおそれがある。
この発明の目的は、放電電極に付着した放電生成物や、あるいは異物などを従来に比べてより簡単な構造で、しかもより確実に清掃、除去することができる新規な放電装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、略直線状に配設した放電電極と、
放電電極を間に挟むように配設した、当該放電電極の長さ方向に移動可能な一対の清掃部材と、
放電電極と平行に配設した、当該放電電極の長さ方向に沿って多数の凹凸を有するガイドと、先端部を上記ガイドの凹凸に当接させてなり、清掃部材を放電電極の長さ方向に移動させた際に、上記先端部がガイドの凹凸に応じて移動方向と交差する方向に往復動することで振動して、清掃部材に、上記方向の振動を発生させるための弾性部材とからなる加振手段と、
を備えることを特徴とする放電装置である。
請求項2記載の発明は、放電電極を、長尺帯状でかつその片側の縁部を鋸歯状とした金属板にて形成した請求項1記載の放電装置である。
請求項1記載の発明によれば、清掃部材を放電電極の長さ方向に移動させた際に、当該清掃部材を、加振手段の機能によって、移動方向と交差する方向に振動させることができる。このため、清掃部材を単に一定の圧力で放電電極に圧接させつつ、長さ方向に移動させる従来のものに比べて、放電電極に付着した放電生成物や異物をより確実に清掃、除去することが可能となる。
しかも加振手段は、多数の凹凸を有するガイドと、先端部を上記ガイドの凹凸に当接させた弾性部材とで構成してあるため、従来の可逆モータやソレノイドなどを動力源として用いたものに比べてその構造を簡略化しつつ、しかもより確実に、清掃部材を振動させることができる。
またこの発明の構成を、請求項2に記載したように、長尺帯状でかつその片側の縁部を鋸歯状とした金属板にて形成した放電電極に適用した場合には、当該放電電極の鋸歯の先端により強固に、あるいは厚めに付着した放電生成物を、これまでよりも確実に清掃、除去できるという利点がある。
図1は、この発明の放電装置の、実施の形態の一例における要部としての、清掃部材2、2とその周辺を示す斜視図である。また図2(a)(b)は、上記図1の清掃部材2、2とその周辺の平面図である。
これらの図に見るように、この例の放電装置は、長尺帯状でかつその片側(図1では下側)の縁部を鋸歯状とした金属板にて形成した放電電極1と、当該放電電極1を間に挟むように一対の清掃部材2、2を保持した状態で、図中に白抜きの矢印で示すように放電電極1の長さ方向に移動可能な保持部材3と、放電電極1と平行に配設した、当該放電電極1の長さ方向に沿って多数の丸みのある凸部を並べた平面形状の凹凸を有するガイド4とを備えている。
なおガイド4は、図1では図面奥側の1つのみ記載しているが、実際には図2(a)(b)に示すように放電電極1の両側に、一対の清掃部材2、2に対応して2つのガイド4、4を設けてある。ガイド4、4は、樹脂や金属等で形成することができる。また清掃部材2としてはフェルトや、あるいは起毛ブラシ、植毛部材などを挙げることができる。
保持部材3は、
・ 放電電極1の、図1において上方の位置で、その一端部に接続した棒5によって保持された状態で、上記のように図中に白抜きの矢印で示す放電電極1の長さ方向に移動可能な基部30と、
・ この基部30の、棒5を固定した側と反対側から放電電極1の長さ方向に、次いで図1において下方、すなわち放電電極1の方向に延設してなり、それぞれの先端(下端)に清掃部材2、2を保持した一対のアーム31、31と、
・ 両アーム31、31の基部付近から図において左右方向に延設してなり、その先端部32a、32aを、それぞれガイド4、4の凹凸に当接させた一対の弾性部材32、32とを備えている。また先端部32a、32aは、その平面形状を、ガイド4、4の凹凸の方へ向けて膨出する略半円状に形成してある。
そしてこの例では上記各部を、樹脂等によって一体成形することで保持部材3を形成してある。また、上記保持部材3のうち先端部32a、32aを含む弾性部材32、32と、ガイド4、4とで、前記のように清掃部材2、2を放電電極1の長さ方向と交差する方向に振動させるための加振手段Vb、Vbを構成してある。
上記各部を備えたこの例の放電装置において、清掃部材2、2を用いて放電電極1を清掃する際には、各図中に白抜きの矢印で示すように棒5を、放電電極1の長さ方向に沿って動かして、保持部材3を同方向に移動させる。そうすると、当該放電電極1を間に挟むように、アーム31、31の先端に保持した一対の清掃部材2、2によって、放電電極1の表面に付着した放電生成物や異物などを清掃、除去することができる。
またこの際、ガイド4、4の凹凸に当接させた弾性部材32、32の先端部32a、32aが、ガイド4、4の1つの凸部を越えるたびに、図2(a)(b)に黒矢印で示すように放電電極1の長さ方向と交差する方向に往復動し、それによって弾性部材32、32が同方向に振動する。そしてその振動が、アーム31、31を介して清掃部材2、2に伝えられて、当該清掃部材2、2が同方向に振動するため、放電電極1の鋸歯の先端などに強固に、あるいは厚めに付着した放電生成物などをも、これまでよりも確実に清掃、除去することができる。
なお図の例では、前記のように弾性部材32、32の先端部32a、32aの平面形状を略半円状に形成するとともに、ガイド4の凹凸を、放電電極1の長さ方向に沿って多数の丸みのある凸部を並べた平面形状に形成していたが、これらの部材の平面形状は、図の例のものには限定されない。例えばガイド4の凹凸は三角波状、矩形波状、台形波状等の任意の形状にすることができる。また弾性部材32の先端部32aの平面形状も、例えば三角形等の任意の形状に形成することができる。
また図の例では、放電電極1として鋸歯状のものを用いていたが、放電電極は微細な金属製のワイヤーや、あるいは多数の針状突起(ピン電極)を略直線状に配列したものであっても構わない。要するに、この発明の要旨を変更しない範囲で任意の設計変更を施すことができる。
この発明の放電装置の、実施の形態の一例における要部としての、清掃部材とその周辺を示す斜視図である。 同図(a)(b)は、上記図1の清掃部材とその周辺の平面図である。
符号の説明
1 放電電極
2 清掃部材
32a 先端部
32 弾性部材
4 ガイド
Vb 加振手段

Claims (2)

  1. 略直線状に配設した放電電極と、
    放電電極を間に挟むように配設した、当該放電電極の長さ方向に移動可能な一対の清掃部材と、
    放電電極と平行に配設した、当該放電電極の長さ方向に沿って多数の凹凸を有するガイドと、先端部を上記ガイドの凹凸に当接させてなり、清掃部材を放電電極の長さ方向に移動させた際に、上記先端部がガイドの凹凸に応じて移動方向と交差する方向に往復動することで振動して、清掃部材に、上記方向の振動を発生させるための弾性部材とからなる加振手段と、
    を備えることを特徴とする放電装置。
  2. 放電電極を、長尺帯状でかつその片側の縁部を鋸歯状とした金属板にて形成した請求項1記載の放電装置。
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