JP2005156508A - 水中探知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水中探知装置がプロペラノイズの影響を受けないようにする。
【解決手段】Y軸の負方向にあるプロペラを回転させた状態で送受波器5の振動子6からの送信を停止させる。まず、A群の振動子6A1〜6A7の受信信号(B群の振動子6B1〜6B7の受信信号)からプロペラ方向に主軸を有する受信ビーム信号である参照信号A(参照信号B)を生成する。次に、X軸の正側(負側)の各振動子6からの受信信号の時系列データと参照信号A(参照信号B)の時系列データとに対して数値演算を行うことにより、X軸の正側(負側)の各振動子6の受信信号からプロペラノイズを除去するために使用する調整係数を算出する。そして、超音波を送信して水中探知を行うときには、X軸の正側(負側)の各振動子6からの受信信号から参照信号A(参照信号B)に上記調整係数を乗算した結果を減算する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プロペラノイズの影響を除去するようにした水中探知装置に関するものである。
図20は、このような水中探知装置を用いて、魚群などの水中情報を探知する態様を示している。図において、80は船舶81に搭載された水中探知装置、82は水中探知装置80に備えられた超音波送受波器、83は船舶81のプロペラ、84は水面である。Btは超音波送受波器82から発射される送信ビーム、Brは送信ビームBtが水中で反射して帰来するエコー信号を受信する受信ビーム、αは送信ビームBtの俯角である。送信ビームBtは水中の全方位へ向けて一斉に発射され、傘形のビームを形成する。一方、受信ビームBrは、超音波送受波器82が円周方向に電気的に走査されて形成される所定の指向性をもったビームである。そして、受信ビームBrによって受信されたエコー信号を解析することによって、魚群などに関する水中情報が求められる。また、後記の特許文献2および特許文献3には、円筒形をした本体の表面に多数の振動子が円周方向に沿って多段に配列された超音波送受波器の送信ビームの俯角の制御方法および受信ビームの形成方法が示されている。特許文献4には、水中探知機であるスキャニングソナーの電気的構成のブロック図が示されている。
この超音波の送受信は、船舶81の航行中に行われるため、プロペラ83の回転によって生じる波動がエコー信号に対するノイズとなる。図21は、送信ビームの俯角αが0度、探知範囲が400mであるときに、水中探知装置80の表示部に表示されたプロペラノイズによる偽像90〜92を示す図である。偽像とは、エコー信号以外の信号(例えば、プロペラノイズ)によって表示部に表示される画像のことである。図の中央が船舶81の位置であり、図の上方が船舶81の進行方向であり、船舶の後方には濃い偽像90が、斜め後方には淡い偽像91、92が表示されている。船舶81の斜め後方に偽像91,92が生じるのは、当該方位において、プロペラノイズの方向と当該方位の受信ビームのサイドローブの方向が近似しているためと考えられる。この偽像90〜92は、魚群などから得られたエコー信号の画像を覆い隠してしまう。また、乗員が船舶81の斜め後方の偽像91,92と本来のエコー信号の画像とを判別することは一般的に難しい。このため、水中探知機80の探知性能が低下するという問題がある。尚、このプロペラノイズの影響は、その性質上、送信ビームの俯角αが小さいときに大きく、超音波送受波器82とプロペラ83との距離の短い小型船舶において顕著である。
上記問題を解決するために、特許文献1には以下のことが示されている。鉛直下方に向けられた探知用振動子の周囲を囲むように円環状のプロペラノイズ受信専用の振動子を設ける。そして、探知用振動子の受信信号に含まれるプロペラノイズの振幅およびタイミングと同じになるように、プロペラノイズ受信専用の振動子で受信されたプロペラノイズを遅延させ、且つゲインの制御を行う。そして、探知用振動子の受信信号から当該遅延およびゲイン制御された信号を減算することにより、探知用振動子の受信信号からプロペラノイズを除去する。
特開平3−017583号公報(第2頁右上欄第17行〜第3頁右上欄第9行、第1図〜第4図) 特開2001−343450号公報(段落0002〜段落0004、図15〜図17) 特開2003−202370号公報(段落0018〜段落0023、図1〜図4) 特開2003−084060号公報(段落0003〜段落0005、図10)
しかしながら、上記特許文献1のものにおいては、プロペラノイズ受信専用の振動子を探知用振動子の周囲を囲むように円環状に設けなければならない。このため、例えば、円筒形をした本体の表面に多数の振動子が円周方向に沿って多段に配列された超音波送受波器を用いる水中探知装置においては、送信ビームおよび受信ビームがプロペラノイズ受信専用の振動子によって妨げられ、水中探知を行うことができないという問題がある。また、プロペラノイズ受信専用の振動子を設けなければならないので、部品点数が増加してコストが高くなるという問題もある。
本発明は、上記問題点を解決するものであって、その課題とするところは、プロペラノイズ受信専用の振動子を設けることなく、プロペラノイズの影響を除去することのできる水中探知装置を提供することにある。
第1の発明にかかる水中探知装置は、プロペラノイズを除去するノイズ除去部を備え、ノイズ除去部は、略プロペラ方向に主軸を有するいずれかの振動子の受信信号である参照受信信号または複数の振動子の内のいくつかの振動子の受信信号から生成されたプロペラ方向に主軸を有する参照ビーム信号をプロペラノイズの参照信号として出力する参照信号生成部と、受信信号(または複数の受信信号の内のいくつかの受信信号から生成された受信ビーム信号)ごとの調整係数に基づいて参照信号を調整してノイズ補償信号を出力するノイズ補償信号生成部と、各受信信号(または各受信ビーム信号)と各ノイズ補償信号とを合成することにより各受信信号(または各受信ビーム信号)からプロペラノイズを除去する信号合成部と、を備える。
ここで、「略プロペラ方向」とは、送受波器の中心からプロペラの位置へ向かう方向のみならず、当該方向とのなす角が90度以内である方向をも含む。また、「受信ビーム信号」を括弧内に記しているのは、単に請求項を読みやすくするためである。
このようにすることで、受信信号(または受信ビーム信号)ごとの調整係数に基づいて参照信号が調整され、この調整された参照信号中のプロペラノイズは当該受信信号(または、受信ビーム信号)中のプロペラノイズと略等しい値となる。そして、調整された参照信号と当該受信信号(または受信ビーム信号)とを合成することにより当該受信信号(または、受信ビーム信号)中のプロペラノイズが除去される。これにより、水中探知装置の表示部にプロペラノイズによる偽像が表示されなくなると共に、偽像が魚群等のエコー信号を覆い隠してしまうといった問題も解決される。つまり、プロペラノイズに起因する探知性能の低下が防止される。また、プロペラノイズ受信専用の振動子を設ける必要がないので、当該振動子によって超音波の送受信が妨げられるという問題が発生しない。さらに、部品点数が増加しないので、送受波器のコストが高くなるという問題も生じない。
第1の発明においては、参照信号生成部は互いに異なる複数の参照信号を出力し、ノイズ補償信号生成部は、各受信信号(または各受信ビーム信号)と強い相関を持つ複数の参照信号のいずれかを調整してノイズ補償信号を出力する。
このようにすることで、船舶の左舷側と右舷側とでプロペラノイズの影響が異なるような場合や、プロペラが複数本あるような場合でも、受信信号(または受信ビーム信号)からプロペラノイズを確実に除去することができる。尚、受信信号(または受信ビーム信号)に強い相関を持つ参照信号とは、例えば、右舷側にある振動子の受信信号から第1の参照信号が生成され、左舷側にある振動子の受信信号から第2の参照信号が生成される場合においては、右舷側にある振動子の受信信号(または右舷側に主軸を有する受信ビーム信号)については第1参照信号であり、左舷側にある振動子の受信信号(または左舷側に主軸を有する受信ビーム信号)については第2参照信号である。
第2の発明にかかる水中探知装置は、プロペラノイズを除去するノイズ除去部を備え、ノイズ除去部は、略プロペラ方向に主軸を有するいずれかの振動子の受信信号である第1参照受信信号または第1開口を形成する複数の振動子の内のいくつかの振動子の受信信号から生成されたプロペラ方向に主軸を有する第1参照ビーム信号をプロペラノイズの第1参照信号として出力する第1参照信号生成部と、略プロペラ方向に主軸を有するいずれかの振動子の受信信号である第2参照受信信号または第2開口を形成する複数の振動子の内のいくつかの振動子の受信信号から生成されたプロペラ方向に主軸を有する第2参照ビーム信号をプロペラノイズの第2参照信号として出力する第2参照信号生成部と、受信信号(または複数の受信信号の内のいくつかの受信信号から生成された受信ビーム信号)ごとの調整係数に基づいて当該受信信号(または当該受信ビーム信号)と強い相関を持つ第1参照信号または第2参照信号のいずれかを調整してノイズ補償信号を出力するノイズ補償信号生成部と、各受信信号(または各受信ビーム信号)と各ノイズ補償信号とを合成することにより各受信信号(または各受信ビーム信号)からプロペラノイズを除去する信号合成部と、を備える。
ここで、「略プロペラ方向」とは、送受波器の中心からプロペラの位置へ向かう方向のみならず、当該方向とのなす角が90度以内である方向をも含む。また、「受信ビーム信号」を括弧内に記しているのは、単に請求項を読みやすくするためである。
このようにすることで、第1の発明と同様の作用効果が得られる。さらに、第1参照信号または第2参照信号の内で各受信信号(または各受信ビーム信号)と強い相関を持つ参照信号を受信信号(または受信ビーム信号)ごとの調整係数に基づいて調整してノイズ補償信号が生成されるので、船舶の左舷側と右舷側とでプロペラノイズの影響が異なるような場合や、プロペラが複数本あるような場合でも、受信信号(または受信ビーム信号)からプロペラノイズを確実に除去することができる。尚、本発明は、第3、第4等の参照信号を使用することを排除するものではない。
第1または第2の発明においては、調整係数は、プロペラを回転しているときの参照信号または第1および第2参照信号ならびに各受信信号(または各受信ビーム信号)の受信データを用いて算出される値である。
このようにすることで、調整される参照信号中のプロペラノイズが各受信信号(または、各受信ビーム信号)中のプロペラノイズと略等しい値となるように、受信データを用いて調整係数が算出されるので、プロペラノイズを除去するのに最適な調整係数が得られる。
また、第1または第2の発明においては、調整係数は、プロペラと各振動子との位置関係、各振動子の指向特性、および超音波の波長を用いて算出される。
このようにすることで、実際に水中探知装置を船舶に搭載して航行しなくとも調整係数が得られる。
さらに、第1または第2の発明においては、調整係数は、プロペラノイズを超音波の周波数と同一の周波数の正弦波で近似したときの参照信号または第1もしくは第2参照信号の複素振幅に対する各受信信号(または各受信ビーム信号)の複素振幅の比である。
このようにすることで、受信信号をサンプリングした時系列データから調整係数をデジタル的に算出することが可能となり、微調整を必要とするアナログ電子回路を水中探知装置に設ける必要がなくなる。この結果、手間のかかる微調整をしなくても調整係数を求めることができる。
第3の発明にかかる水中探知装置は、プロペラノイズを除去するノイズ除去部を備え、ノイズ除去部は、略プロペラ方向に主軸を有するいずれかの振動子の受信信号である第1参照受信信号または第1開口を形成する複数の振動子の内のいくつかの振動子の受信信号から生成されたプロペラ方向に主軸を有する第1参照ビーム信号をプロペラノイズの第1参照信号として出力する第1参照信号生成部と、略プロペラ方向に主軸を有するいずれかの振動子の受信信号である第2参照受信信号または第2開口を形成する複数の振動子の内のいくつかの振動子の受信信号から生成されたプロペラ方向に主軸を有する第2参照ビーム信号をプロペラノイズの第2参照信号として出力する第2参照信号生成部と、受信信号(または複数の受信信号から生成された受信ビーム)ごとに設けられ、当該受信信号(または当該受信ビーム信号)と強い相関を持つ第1参照信号または第2参照信号のいずれかを処理してノイズ補償信号を出力するフィルタと、各受信信号(または各受信ビーム信号)と各ノイズ補償信号とを合成することにより各受信信号(または各受信ビーム信号)からプロペラノイズを除去する信号合成部と、を備える。
ここで、「略プロペラ方向」とは、送受波器の中心からプロペラの位置へ向かう方向のみならず、当該方向とのなす角が90度以内である方向をも含む。また、「受信ビーム信号」を括弧内に記しているのは、単に請求項を読みやすくするためである。
このようにすることで、受信信号(または受信ビーム信号)ごとに設けられ、当該受信信号(または、受信ビーム信号)と強い相関を持つ第1参照信号または第2参照信号のいずれかを処理するフィルタの出力であるノイズ補償信号中のプロペラノイズは当該受信信号(または、受信ビーム信号)中のプロペラノイズと略等しい値となる。そして、ノイズ補償信号と当該受信信号(または受信ビーム信号)とを合成することにより当該受信信号(または、受信ビーム信号)中のプロペラノイズが除去される。これにより、水中探知装置の表示部にプロペラノイズによる偽像が表示されなくなると共に、偽像が魚群等のエコー信号を覆い隠してしまうといった問題も解決される。つまり、プロペラノイズに起因する探知性能の低下が防止される。また、プロペラノイズ受信専用の振動子を設ける必要がないので、当該振動子によって超音波の送受信が妨げられるという問題が発生しない。さらに、部品点数が増加しないので、送受波器のコストが高くなるという問題も生じない。さらに、第1参照信号または第2参照信号の内で各受信信号(または各受信ビーム信号)と強い相関を持つ参照信号からフィルタによってノイズ補償信号が生成されるので、船舶の左舷側と右舷側とでプロペラノイズの影響が異なるような場合や、プロペラが複数本あるような場合でも、受信信号(または受信ビーム信号)からプロペラノイズを確実に除去することができる。尚、本発明は、第3、第4等の参照信号を使用することを排除するものではない。
第3の発明においては、フィルタの係数は、プロペラを回転しているときの第1および第2参照信号ならびに各受信信号(または各受信ビーム信号)の受信データを用いて算出される値である。
このようにすることで、フィルタから出力されるノイズ補償信号中のプロペラノイズが各受信信号(または、各受信ビーム信号)中のプロペラノイズと略等しい値となるように、受信データを用いてフィルタの係数が算出されるので、プロペラノイズを除去するのに最適なフィルタの係数が得られる。
尚、上記の第1および第2の発明は調整係数に基づいて参照信号を調整したものをノイズ補償信号とし、第3の発明は参照信号をフィルタに入力し、その出力をノイズ補償信号とするが、参照信号を調整した信号をノイズ補償信号とする点は、いずれの発明にも共通する。
本発明によれば、プロペラノイズ受信専用の振動子を設けることなく、水中探知装置の表示部にプロペラノイズによる偽像が表示されなくなると共に、偽像が魚群等のエコー信号を覆い隠してしまうといった問題も解決され、プロペラノイズに起因する探知性能の低下が防止される。
図1〜図5を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。まず、図1を参照して送受波器5ついて説明する。図1(a)は、超音波を送受信する送受波器5の斜視図である。円筒形をした本体8の表面には、多数の振動子6が所定の方位を向いて円周方向に多段に配列されている。例えば、円周方向には40個の、鉛直方向には5個の振動子6が配列されている。各振動子6に送信駆動部19(図2参照)から正弦波の送信信号が印加されると、各振動子6が振動して送受波器5から送信ビームが水中に発射されるとともに、水中で反射して帰来するエコー信号が振動子6で受信される。ここで、送信ビームの俯角が0度である場合は、全ての振動子6に対して同一振幅で同一位相の送信信号が印加される。それに対し、各振動子6の鉛直方向の位置に応じて位相を少しずつずらした同一振幅の送信信号を各振動子6に印加することにより送信ビームに俯角をもたせることができる。
図1(b)は、中央で水平に切断された送受波器5の横断面図である。実際の形状とは異なるが、各振動子6は円で図示されている。座標の原点が送受波器5の中心、Y軸の正方向が船首方向、Y軸の負方向がプロペラのある方向であり、プロペラはY軸上にあるものとしている。また、X軸の正方向が右舷側、X軸の負方向が左舷側である。そして、送受波器5は船舶の幅方向の中央に設けられているので、Y軸が船舶の長手方向の中心線となる。A,B,Rは振動子6の群の範囲を示し、A群には6A1〜6A7の7個の振動子が属し、B群には6B1〜6B7の7個の振動子が属し、R群には6R1〜6R26の26個の振動子が属する。また、振動子6R7から出る矢印は、その主軸の方向、つまり、送信信号(または、受信信号)の指向性の高い方向を示す。ここで、振動子6A1,6B1の主軸の方向は、プロペラの方向ではないがプロペラのあるY軸の負方向となす角が90度以内であるので、略プロペラ方向ということになる。
図2を参照して水中探知装置1の構成について説明する。上述のように各振動子6で受信された受信信号は、第1フィルタ11、A/D変換器12等で構成された各チャンネルで処理される。図では、送受波器5の3段目以外の振動子6(図1(a)参照)のチャンネルの図示は省略されている。また、A/D変換器12等は制御部20によって制御される。制御部20は、CPU、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、メモリー等からなる。メモリーに格納されたプログラムが実行されることにより、水中探知装置1の各部が制御される。また、メモリーは制御データ等の記憶領域およびCPUの演算作業領域として使用される。
バンドパスフィルタである第1フィルタ11は、各振動子6の受信信号を増幅すると共に受信信号中の必要な周波数帯域の信号のみを取り出す。必要な周波数帯域とは、送信周波数を中心とする所定の周波数帯域である。従って、プロペラノイズの内、上記の必要な周波数帯域以外の周波数成分は第1フィルタ11によって除去される。しかし、プロペラノイズは広い周波数帯域を持っているので、第1フィルタ11で除去されないプロペラノイズは、後述のノイズ除去部3で除去される。
A/D変換器12は、内部的な送信信号の所定の位相(以下、「第1位相」という)と第1位相と90度だけ位相の異なる位相(以下、「第2位相」という)とで第1フィルタ11の出力信号をサンプリングすることによって当該信号をデジタル信号に変換する。図4は、受信信号中のエコー信号をサンプリングする態様を示す図である。図4(a)では、第1位相(○印の付された位相)と第2位相(×印の付された位相)とで送信信号の1周期Tに1回ずつサンプリングされている。図4(b)では、第1位相(○印の付された位相)と第2位相(×印の付された位相)とで送信信号の1.5周期に1回ずつサンプリングされている。このサンプリングは内部的な送信信号の所定の位相で行われるが、エコー信号が実際にサンプリングされる位相は送受波器5と水中の反射物との距離によって変動する。但し、第1位相と第2位相との位相差は常に90度である。
ここで、第1位相でサンプリングされたデータをI、第2位相でサンプリングされたデータをQとし、両位相でサンプリングされたデータを1組として複素数I+jQで表す。また、第1位相と第2位相との位相差は90度であるので、オイラーの定理により、I+jQ=(I+Q1/2exp(j2πft)(fは送信信号の周波数、tはサンプリング時刻)となる。また、上記複素数にexp(jθ)を乗算することによって上記複素数から位相がθだけ遅れた信号を表すことができ、数値演算を容易に行うことができるので、サンプリングされた時系列データを複素数として扱っている。
このA/D変換器12は、送信ビームを発射してから探知範囲の最も遠い距離(例えば、400m)からのエコー信号が振動子6で受信されるまでの期間に渡って受信信号を継続的にサンプリングする。図5は送受信信号を示す図である。図5(a)は送信信号を示し、図5(b)はプロペラノイズがない場合のエコー信号ECを含む受信信号を示し、図5(c)はプロペラノイズがある場合のエコー信号ECを含む受信信号を示す。各A/D変換器12の出力信号(受信信号をサンプリングした時系列データ)はノイズ除去部3に送られる。ノイズ除去部3でプロペラノイズが除去された(より正確には、実用上問題がない程度までプロペラノイズのレベルが小さくなった)時系列データはゲイン調整部13に送られる。ノイズ除去部3の構成および動作については後述する。
ゲイン調整部13は、水中の同一の反射物(例えば、魚群)からのエコー信号の振幅が送受波器5と反射物との距離に依存することなく一定となるようにノイズ除去部3の出力信号の振幅を調整する。具体的には、送信ビームを発射してしてからの経過時間に応じてエコー信号の振幅を調整する。つまり、発射してから短時間後に受信された当該信号の増幅率を小さくし、長時間後に受信された当該信号の増幅率を大きくする。このゲインの調整は、各受信信号の時系列データに送信ビームを発射してからの経過時間に応じた増幅率を乗算することによって実現される。
受信ビーム生成部14は、各ゲイン調整部13の出力信号から公知の方法により受信ビーム信号を生成する。まず、各方位に対して鉛直方向に多段に配置された各振動子6からの信号が同位相となるように振動子6の鉛直方向の位置に応じて位相調整され、それらが加算されることによって各方位の信号が生成される。次に、隣接する数個の各方位の信号の位相がその中心位置の信号と同じ位相になるように送受波器5の円周方向の位置に応じて位相を調整した後に加算することによって指向性の高い受信ビーム信号を生成する。図2では、円周上の振動子6の数と受信ビームの数とが等しくなっているが、一般的には振動子6の数よりも多数の受信ビームが生成される。
第2フィルタ15は、受信ビーム生成部14の出力信号(受信ビーム信号)から船舶の航行によるドプラー効果を考慮して必要周波数成分のみを抽出する。送信信号の周波数がfであるので、受信ビーム信号中のエコー信号の中心周波数成分は、船首側のチャンネルから生成される受信ビーム信号ではf+Δfであり、船尾側のチャンネルから生成される受信ビーム信号ではf−Δfであり、それ以外の受信ビーム信号ではf−Δf〜f+Δfの範囲となる。そして、制御部20は、航行速度に基づいて各方位のエコー信号の中心周波数を算出し、当該中心周波数近傍の所定の周波数帯域の信号のみを通過させるように各第2フィルタ15の特性を設定する。
振幅検出部16は、第2フィルタ15の出力信号の振幅を求める。この振幅の大きさは、例えば、魚群の粗密の度合いに比例する。画像処理部17は、振幅検出部16からの振幅データに対して所定の画像処理を施し、魚群の粗密、方位、距離に応じて魚群の画像を表示部18に表示する。
図3を参照してノイズ除去部3の構成について説明する。各チャンネルのA/D変換器12の出力信号は、ノイズ除去部3に送られ、そこで当該信号中のプロペラノイズが除去される。それに対し、A群およびB群のA/D変換器12の出力信号は、それぞれ参照ビーム生成部31,32にも送られ、上述の受信ビーム信号の生成と同様な方法により、それぞれ振動子6A1〜6A7(開口Aを形成する振動子)および振動子6B1〜6B7(開口Bを形成する振動子)のチャンネルの信号から、それぞれプロペラの方向に主軸をもつ2つの受信ビーム信号(参照ビーム信号)が生成される。この参照ビーム信号をそれぞれ参照信号A、参照信号Bと呼ぶ。この参照信号A,Bは、プロペラノイズの発生源であるプロペラの方向に主軸をもつ指向性の高い受信ビーム信号であるので、プロペラノイズに対する感度が高い。従って、この参照信号A、Bを使用することによって、後述の調整係数を正確に算出することが可能となる。
次に、ノイズ処理部33について説明する。マルチプレクサ34は、参照信号A,Bを受け、制御部20からの信号に従っていずれか一方の信号を出力する。参照信号A,Bのいずれが出力されるかは、ノイズ処理部33ごとに個別に制御される。本実施形態では、船舶の幅方向の中央にプロペラがあること、プロペラノイズの伝播方向等を考慮して、A群のチャンネルの信号およびR群の右舷側のチャンネルの信号に対しては参照信号Aを選択し、B群のチャンネルの信号およびR群の左舷側のチャンネルの信号に対しては参照信号Bを選択している。つまり、各チャンネルの信号に対して強い相関をもつ参照信号A、Bのいずれかを選択する。尚、送受波器5とプロペラとの位置関係等に変動があっても対応できるように各ノイズ処理部33にマルチプレクサ34を設けているが、各チャンネルの信号に対して参照信号A、Bのいずれかを固定できるならば、マルチプレクサ34は不要となる。また、参照ビーム生成部31,32に入力される各チャンネルの信号を選択できる回路を付加すれば汎用性は一層高まる。
マルチプレクサ34から出力された参照信号Aまたは参照信号Bに対して調整係数設定部35に設定されている調整係数が信号乗算部36で乗算され、この積の信号(ノイズ補償信号)が信号合成部37で各チャンネルの受信信号から減算される。この調整係数は、上記の減算によって各チャンネルの受信信号からプロペラノイズが除去されるような数値の複素数であり、ノイズ処理部33ごとに異なった値である。例えば、船首側のチャンネルに対しては小さな値、船尾側のチャンネルに対しては大きな値である。上記の調整係数設定部35として、例えば、ノイズ処理部33に設けられたレジスタ、制御部20のメモリーの記憶領域等が使用される。
次に、調整係数の算出方法について説明する。まず、受信信号中にエコー信号が混入するのを防止するために、プロペラを回転させた状態で超音波の送信を停止させる。そして、操作部(不図示)のキーを操作して、制御部20を調整係数算出モードに設定する。このモードでは、水中探知装置1は以下のように動作する。航行中に所定時間(例えば、2秒程度)に渡って各チャンネルの受信信号を図4(a)、(b)に示されるように第1及び第2位相でA/D変換器12によってサンプリングし、受信信号および参照信号A,Bの複素数の時系列データを得る。所定時間でサンプリングされた時系列データの個数をN、右舷側の1つのチャンネルの時系列データをR[k](k=0〜N−1)、左舷側の1つのチャンネルの時系列データをL[k](k=0〜N−1)、参照信号Aの時系列データをA[k](k=0〜N−1)、参照信号Bの時系列データをB[k](k=0〜N−1)とする。
右舷側のチャンネルの調整係数Cは下記の式(1)によって算出され、左舷側のチャンネルの調整係数Cは下記の式(2)によって算出される。
=Σ(R[k]・A[k])/Σ|A[k]| (k=0〜N−1) (1)
=Σ(L[k]・B[k])/Σ|B[k]| (k=0〜N−1) (2)
ここで、A[k]およびB[k]は、それぞれA[k]およびB[k]の共役複素数である。各時系列データを複素数として扱っているので、プロペラノイズを除去することのできる調整係数を式(1)、(2)によって算出することが可能となる。そして、全てのチャンネルの調整係数を算出し、それを制御部20のメモリーに記憶させる。そして、この調整係数は、上述のように通常の動作モードにおいてノイズ補償信号を求めるための係数として使用される。
ここで、式(1)、(2)の物理的意味を説明する。プロペラノイズを送信信号と同一の周波数の正弦波で近似し、各チャンネルには当該正弦波の信号だけが含まれると仮定する。この仮定が成立するのは、プロペラノイズの内、送信信号の周波数を中心とする所定の帯域幅の成分のみが第1フィルタ11を通過してA/D変換されるからである。このとき、|A[k]|=A[k]・A[k]であるので、上記の式(1)、(2)はそれぞれ下記の式(3)、(4)で表される。
=Σ(R[k]/A[k])/N (k=0〜N−1) (3)
=Σ(L[k]/B[k])/N (k=0〜N−1) (4)
すなわち、調整係数は参照信号の複素振幅に対する受信信号の複素振幅の比に一致する。ここで、N個の比の平均値を調整係数としているのは、平均化することによって調整係数の精度を高めるためである。
上述のように、超音波の送信を停止し、プロペラを回転させた状態で、式(1)、(2)によって算出された各チャンネルの調整係数は、参照信号AまたはB中のプロペラノイズに対する各チャンネルの受信信号中のプロペラノイズの相対的な値(厳密には複素振幅の比)である。そして、プロペラノイズに関しては、超音波を送信していないときと送信しているときとで、参照信号AまたはBに対する各受信信号の相対的な値は同じである。従って、通常の動作時において、受信信号ごとの調整係数に基づいてプロペラノイズの参照信号を調整する(ここでは、信号乗算部36で参照信号に調整係数を乗算する)ことにより求められたノイズ補償信号を各受信信号に合成する(ここでは、信号合成部37で各受信信号からノイズ補償信号を減算する)ことによって、各受信信号からプロペラノイズを除去することができる。また、複素数である調整係数は、Cexp(jθ)と表されるので、上記の参照信号の調整は、参照信号に調整係数を乗算する方法のみならず、参照信号の振幅に調整係数の絶対値Cを乗算し、調整係数の偏角θに相当する時間量θ/2πfだけ受信信号あるいは参照信号をシフトする方法をも含む。
上記の式(1)、(2)で算出された調整係数を使用して通常の動作モードにおいて航行中に実験したところ、図21の偽像90〜92は、図7に示されるように略消滅した。また、航行速度を変えても偽像90〜92が生じないことも確認された。
尚、プロペラノイズの内、送信周波数fから離れた周波数成分はA/D変換器12の前段に設けられた第1フィルタ11によって予め除去されているので、上記の式(1)、(2)によって正しい調整係数を算出することが可能となる。また、上記の説明では、調整係数の算出時には超音波の送信を停止するようにしていたが、魚群や海底からのエコー信号の大きさがプロペラノイズの大きさに比べて十分に小さい場合には超音波を送信していてもよいし、極小出力の超音波であれば送信していてもよい。
以上述べた実施形態においては、各チャンネルの受信信号をプロペラノイズが除去される信号(ノイズ除去対象信号)とし、複数のチャンネルの受信信号から生成されたプロペラ方向に主軸を有する受信ビーム信号を参照信号とした。これに代えて、複数のチャンネルの受信信号から生成された受信ビーム信号をノイズ除去対象信号とし、上記プロペラ方向に主軸を有する受信ビーム信号を参照信号としてもよい。また、各チャンネルの受信信号をノイズ除去対象信号とし、略プロペラ方向に主軸を有する振動子(例えば、振動子6A1、6B1)の受信信号を参照信号としてもよい。さらに、複数のチャンネルの受信信号から生成された受信ビーム信号をノイズ除去対象信号とし、上記振動子の受信信号を参照信号としてもよい。尚、受信ビーム信号をノイズ除去対象信号とする場合には、図2の受信ビーム生成部14はノイズ除去部3の前段に設けられ、受信ビーム信号ごとの調整係数によって参照信号が調整される。
また、上記実施形態では、参照信号A,Bを調整係数に基づいて調整した信号によって、それぞれ右舷側および左舷側のチャンネルの受信信号からプロペラノイズを除去するようにしたが、参照信号の個数は1つまたは3つ以上であってもよい。例えば、図1(b)のA群およびB群のチャンネルの受信信号から1つの参照信号(参照ビーム信号)を生成し、この参照信号を使用して右舷側および左舷側のチャンネルの受信信号からプロペラノイズを除去するようにする。また、図6(a)(振動子6を示す円の図示は省略されている)の範囲A,BおよびCのチャンネルの受信信号から生成された3つの参照信号を使用して、それぞれ範囲R,SおよびTのチャンネルの受信信号からプロペラノイズを除去するようにする。
さらに、上記実施形態では、参照信号A,Bを生成するために使用されるチャンネルの受信信号は両者間で重複していなかったが、図6(b)に示されるように、共通するチャンネルを含む範囲AおよびBのチャンネルの受信信号から参照信号を生成するようにしてもよい。この場合、範囲AおよびBのチャンネルの受信信号から生成された2つの参照信号を使用して、それぞれ範囲RおよびSのチャンネルの受信信号からプロペラノイズを除去するようにする。
さらに、上記実施形態では、全てのチャンネルの受信信号からプロペラノイズを除去しているが、プロペラノイズの影響を殆ど受けない振動子6(例えば、その主軸の方向がプロペラと反対方向であるもの)の受信信号からはプロペラノイズを除去しなくてもよい。さらに、上記実施形態では、第1位相および第2位相でサンプリングを実行するA/D変換器12によって複素数の時系列データを得るようにしたが、これに代えてヒルベルト変換器や直交検波器をA/D変換器と併用することもできる。さらに、上記実施形態では、送受波器5の本体8が円筒形である場合について説明したが、球形の本体の表面に多数の振動子が配列された送受波器、円筒部の下面が半球形となっている本体の円筒部の側面および半球部の表面に多数の振動子が配列された送受波器等に対しても本発明を適用することができる。
図8〜図18を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では実際にプロペラを回転させ、参照信号および受信信号の受信データから受信信号ごとの調整係数を算出したが、本実施形態では送信信号と同一の周波数をもつ正弦波源がプロペラ7(図9参照)の位置にあるとしたときの調整係数をプロペラ7と各振動子6の幾何学的配置から算出する。つまり、調整係数の算出方法が異なるだけであり、本実施形態でも図1〜図3に示されるものと同様な水中探知装置1が使用される。尚、プロペラノイズを正弦波で近似し、参照信号の複素振幅に対する受信信号または受信ビーム信号(ノイズ除去対象信号)の複素振幅の比を調整係数として用いるという点では第1の実施形態と共通する。
ここでは、「各振動子(あるいは各チャンネル)の受信信号」と「受信ビーム信号」とを明確に区別するために、必要に応じて前者を「受信チャンネル信号」と呼ぶ。ここで説明する参照信号およびノイズ除去対象信号(参照信号を調整係数に基づいて調整したノイズ補償信号によってプロペラノイズが除去される受信チャンネル信号または受信ビーム信号のこと)は、それぞれ受信チャンネル信号または受信ビーム信号であり、4つの組み合わせがある。各組み合わせについて以下に順番に説明する。また、以下の説明では、送信信号の波長をλで、振動子6の指向性関数をD(φ)(φは振動子6の放射面の法線方向(主軸方向)を基準とする角である)で表す。図8は本実施形態で使用する指向性関数の一例を示す。この指向性関数は、上記法線方向の関数値を1に規格化した関数である。
まず、第1の組み合わせについて説明する。この組み合わせでは、参照信号が受信ビーム信号であり、ノイズ除去対象信号が受信チャンネル信号である。調整係数計算の対象とするチャンネルを他のチャンネルと区別して対象チャンネルと呼び、対象チャンネルの振動子6を対象振動子と呼ぶ。また、参照信号のビーム形成に寄与するチャンネルの総数をKとし、これらの各チャンネルに番号(k=0〜 K−1)を付与し, k番目のチャンネルの振動子6を第k振動子と呼ぶ。制御部20(図2参照)は、下記の式(5)にしたがって対象チャンネルの調整係数Cを計算する。また、図9はプロペラ7と振動子6との位置関係を示す図であり、図9(a)はプロペラ7と参照信号のビーム形成に寄与する振動子6群との位置関係を、図9(b)はプロペラ7と対象振動子との位置関係を示す。図では、プロペラ7と送受波器5間の距離と送受波器5の直径とが同程度に示されているが、実際には前者は後者よりも十分に長い。
Figure 2005156508
:対象振動子とプロペラ7間の距離
φ:対象振動子とプロペラ7を結ぶ直線が対象振動子の放射面の法線となす角
r[k]:第k振動子とプロペラ7間の距離
φ[k]:第k振動子とプロペラ7を結ぶ直線が第k振動子の放射面の法線となす角
W[k]:参照信号のビーム形成において、第k振動子の受信信号に乗じられるウェイト
θ[k]:参照信号のビーム形成において、第k振動子の受信信号に施される移相量
つまり、式(5)では、プロペラ7と振動子6との位置関係、振動子6の指向特性および送信信号(超音波)の波長から調整係数を算出する。ここで、式(5)の右辺の分母は、送信信号と同一の周波数をもつ正弦波源がプロペラ7の位置にあるとしたときの参照信号の複素振幅であり、式(5)の右辺の分子は、そのときの対象チャンネルの受信信号の複素振幅である。
上記のウェイトW[k]は、最適な参照信号を得るためのパラメータである。サイドローブを抑制するには、図10(a)に示すように、開口の中心に位置する振動子6Aに大きな値を付与し、開口の端に位置する振動子6Bには小さな値を付与すればよい。また、プロペラノイズを良好なS/N比で受信するには、図10(b)に示すように、プロペラ方向に主軸を有する振動子6Bに大きな値を付与し、プロペラ方向と主軸のなす角が大きい振動子6Cには小さな値を付与すればよい。W[k]の値は、例えば、図10(a)、(b)に示すように、適当な幅を有するガウス関数に基づいて決めることができる。
また、参照信号を生成するビーム形成処理には従来から知られている整相加算方式を用いる。すなわち、各振動子6の位置での受信信号の位相が特定の仮想平面上での受信信号の位相と一致するように移相量θ[k]を決定する。この仮想平面と第k振動子との距離をd[k]とすると(図11参照)、移相量θ[k]は(−2π・d[k]/λ)となる。
尚、プロペラ7と送受波器5との距離が大きい場合には、正弦波源から各振動子6に入射する波動を平面波とみなすことができるので、式(5)の近似式である下記の式(6)を用いて、比較的簡単に調整係数を計算できる。式(6)中のdは、上記仮想平面と対象振動子との距離である(図11参照)。
Figure 2005156508
同様にして、送受波器5の右側にある他の振動子6の受信チャンネル信号についても調整係数を計算する。また、振動子6は送受波器5の表面の円周上に等間隔に配置されているので、送受波器5の左側にある振動子6の受信チャンネル信号の調整係数は、左右対称の位置にある右側の振動子6の受信チャンネル信号の調整係数と同じ値になる。尚、指向性関数(図8参照)から分かるように、プロペラ7と振動子6とを結ぶ直線と振動子6の放射面の法線とのなす角が90度以上となる振動子6の受信チャンネル信号の調整係数は0となる。つまり、その受信チャンネル信号についてはプロペラノイズの除去は行われないことになる。
次に、第2の組み合わせについて説明する。この組み合わせでは、参照信号が受信ビーム信号であり、ノイズ除去対象信号も受信ビーム信号である。調整係数計算の対象とする受信ビーム信号を、他の受信ビーム信号と区別して対象ビームと呼ぶ。対象ビームのビーム形成に寄与するチャンネルの総数をSとし、これらの各チャンネルに番号(s=0〜S−1)を付与し,s番目のチャンネルの振動子を第s振動子と呼ぶ。制御部20は、下記の式(7)にしたがって対象ビームの調整係数Cを計算する(図12参照)。
Figure 2005156508
ra[s]:第s振動子とプロペラ7間の距離
φa[s]:第s振動子とプロペラ7を結ぶ直線が第s振動子の放射面の法線となす角
Wa[s]:対象ビームのビーム形成において, 第s振動子の受信信号に乗じられるウェイト
θa[s]:対象ビームのビーム形成において, 第s振動子の受信信号に施される移相量
r[k]:第k振動子とプロペラ7間の距離
φ[k]:第k振動子とプロペラ7を結ぶ直線が第k振動子の放射面の法線となす角
W[k]:参照信号のビーム形成において, 第k振動子の受信信号に乗じられるウェイト
θ[k]:参照信号のビーム形成において, 第k振動子の受信信号に施される移相量
ここで、式(7)の右辺の分母は、送信信号と同一の周波数をもつ正弦波源がプロペラの位置にあるとしたときの参照信号の複素振幅であり、式(7)の右辺の分子は、そのときの対象ビームの複素振幅である。上記のウェイトWa[s]はサイドローブを抑制するためのパラメータであり、図13に示すように、開口の中心に位置する振動子6Dに大きな値を付与し、開口の端に位置する振動子6Eに小さな値を付与する。Wa[s]の値は、例えば、図13に示すように、適当な幅を有するガウス関数に基づいて決めることができる。また、移相量θa[s]を決めるための仮想平面は、対象ビームの形成に寄与する振動子6群のなす開口の中央と送受波器5の中心とを結ぶ線に垂直な平面である(図12(b)参照)。
尚、プロペラ7と送受波器5との距離が大きい場合には、正弦波源から各振動子6に入射する波動を平面波とみなすことができるので、式(7)の近似式である下記の式(8)を用いて、比較的簡単に調整係数を計算できる。式(8)中のda[s]は、参照信号の形成に用いられる仮想平面と第s振動子との距離である(図14参照)。
Figure 2005156508
次に、第3の組み合わせについて説明する。この組み合わせでは、参照信号が受信チャンネル信号であり、ノイズ除去対象信号も受信チャンネル信号である。参照信号として用いるチャンネルを, 他のチャンネルと区別して参照チャンネルと呼び、参照チャンネルの振動子を参照振動子と呼ぶ。制御部20は、下記の式(9)にしたがって各チャンネルの調整係数Cを計算する(図15参照)。ここで、式(9)の右辺の分母は、送信信号と同一の周波数をもつ正弦波源がプロペラの位置にあるとしたときの参照信号の複素振幅であり、式(9)の右辺の分子は、そのときの対象チャンネルの受信信号の複素振幅である。
Figure 2005156508
:対象振動子とプロペラ7間の距離
φ:対象振動子とプロペラ7を結ぶ直線が対象振動子の放射面の法線となす角
:参照振動子とプロペラ7間の距離
φ:参照振動子とプロペラ7を結ぶ直線が参照振動子の放射面の法線となす角
尚、プロペラ7と送受波器5との距離が大きい場合には、正弦波源から各振動子6に入射する波動を平面波とみなすことができるので、式(9)の近似式である下記の式(10)を用いて、比較的簡単に調整係数を計算できる。式(10)中のΔrは、参照振動子と対象振動子とのプロペラ方向における距離である(図16参照)。
Figure 2005156508
次に、第4の組み合わせについて説明する。この組み合わせでは、参照信号が受信チャンネル信号であり、ノイズ除去対象信号が受信ビーム信号である。制御部20は, 下記の式(11)にしたがって対象ビームの調整係数Cを計算する(図17参照)。ここで、式(11)の右辺の分母は、送信信号と同一の周波数をもつ正弦波源がプロペラの位置にあるとしたときの参照信号の複素振幅であり、式(11)の右辺の分子は、そのときの対象ビームの複素振幅である。
Figure 2005156508
ra[s]:第s振動子とプロペラ7間の距離
φa[s]:第s振動子とプロペラ7を結ぶ直線が第s振動子の放射面の法線となす角
Wa[s]:対象ビームのビーム形成において、第s振動子の受信信号に乗じられるウェイト
θa[s]:対象ビームのビーム形成において、第s振動子の受信信号に施される移相量
:参照振動子とプロペラ7間の距離
φ:参照振動子とプロペラ7を結ぶ直線が参照振動子の放射面の法線となす角
尚、プロペラ7と送受波器5との距離が大きい場合には、正弦波源から各振動子6に入射する波動を平面波とみなすことができるので、式(11)の近似式である下記の式(12)を用いて、比較的簡単に調整係数を計算できる。式(12)中のd[s]は、参照振動子と第s振動子とのプロペラ方向における距離である(図18参照)。
Figure 2005156508
上記の4つの組み合わせにおいて算出された調整係数は、調整係数設定部35(図3参照)に設定される。魚群探知が行われる場合には、参照信号AまたはBと調整係数との積であるノイズ補償信号によって、ノイズ除去対象信号(受信チャンネル信号または受信ビーム信号)からプロペラノイズが除去される。また、上記の調整係数は、送受波器5から送信される超音波の周波数(波長λ)に依存するので、別の周波数の超音波を使用して魚群探知を行う場合には、当該周波数での調整係数の算出を再び行う。さらに、参照信号のビーム形成に寄与する振動子6として、図9に示されるものに代えて、図6(a)の範囲A、B、Cの振動子6または図6(b)の範囲A、Bの振動子6を使用しても本実施形態の発明を実施することができる。
図19を参照して本発明の第3の実施形態について説明する。第1および第2の実施形態では、ノイズ処理部33(図3参照)で参照信号AまたはBに調整係数を乗算することによってノイズ補償信号を生成していたが、本実施形態では、参照信号AまたはBを入力してノイズ補償信号を出力するフィルタ38をノイズ処理部33A(第1および第2の実施形態のノイズ処理部33に相当)に設ける。その他の点においては、水中探知装置1の構成は第1および第2の実施形態と同じである。
まず、通常時(魚群を探知しているとき)のノイズ処理部33Aの動作について説明する。制御部20(図2参照)からの信号によってマルチプレクサ34で選択された参照信号AまたはBのいずれかは、フィルタ38を通過してノイズ補償信号となる。このノイズ補償信号が信号合成部37で受信信号から減算されることによって、受信信号中のプロペラノイズが除去される。フィルタ38は、例えば、M次(例えば、2次)のFIRフィルタ(有限インパルス応答フィルタ)であり、その特性はフィルタ係数設定部39に設定されているM+1個の複素数のフィルタ係数によって定まる。
ここで、フィルタ係数をc[m](m=0〜M)で、受信信号の複素数の時系列データをx[k](k=0,1,・・・)で、参照信号(フィルタ38入力信号)の複素数の時系列データをy[k]で、ノイズ補償信号(フィルタ38出力信号)の複素数の時系列データをw[k]で、受信信号とノイズ補償信号の差分信号(信号合成部37の出力信号)をe[k]で表す。そうすると、ノイズ補償信号w[k]は下記の式(13)で表される。
w[k]=Σc[m]・y[k−m] (m=0〜M) (13)
上記のフィルタ係数c[m]は、ノイズ受信部33Aごと(受信信号ごと)に、ノイズ補償信号によって受信信号中のプロペラノイズが除去される値に後述の方法で決められている。
次に、フィルタ係数を算出するときのノイズ処理部33Aの動作について説明する。フィルタ係数の算出は、プロペラを回転させた状態で超音波の送信を停止して行われる。そして、操作部(不図示)のキーを操作して、制御部20をフィルタ係数算出モードに設定する。このモードでは、フィルタ38の特性はフィルタ係数算出部40から出力されるフィルタ係数(これを仮フィルタ係数という)によって定まる。フィルタ係数算出部40は、参照信号y[k]および差分信号e[k]の新たな時系列データが入力されるたびに、仮フィルタ係数を算出し、所定の回数だけ仮フィルタ係数を繰り返し算出(更新)する。そして、所定の回数だけ仮フィルタ係数を更新したときの仮フィルタ係数が最終的なフィルタ係数となる。このフィルタ係数は、制御部20によってフィルタ係数設定部39に設定され、または制御部20のメモリーに記憶される。
尚、フィルタ係数の算出が行われる期間の受信信号x[k]および参照信号y[k]はプロペラノイズの信号である。また、上述のように、仮フィルタ係数は参照信号y[k]および差分信号e[k]の新たな時系列データの発生のたびに更新されるので、仮フィルタ係数をc[m,k](m=0〜M)で表す。そうすると、ノイズ補償信号w[k]と差分信号e[k]とは、それぞれ下記の式(14)、(15)で表される。
w[k]=Σc[m,k]・y[k−m] (m=0〜M) (14)
e[k]=x[k]−w[k] (15)
次に、フィルタ係数の算出手順を説明する。最初に、M+1個の仮フィルタ係数の初期値0をフィルタ係数算出部40に設定する。そして、フィルタ係数算出部40は、参照信号y[k] および差分信号e[k]の新たな時系列データの発生のたびに、式(14)、(15)にしたがってw[k]およびe[k]を算出すると共に、下記の式(16)にしたがって仮フィルタ係数を更新する。
c[m,k+1]=c[m,k]+μ・y[k−m]・e[k] (16)
ここで、y[k−m]はy[k−m]の共役複素数である。μは、式(16)で繰り返し算出されるc[m,k+1]の収束具合を決める収束係数であって、例えば、下記の式(17)で表される。
Figure 2005156508
上記の式(14)〜(16)の計算は、所定の回数(例えば、200回)だけ繰り返し行われる。所定の回数だけ仮フィルタ係数を更新したときの仮フィルタ係数が最終的な(通常の動作時に使用される)フィルタ係数となる。上記のフィルタ係数の算出は、全てのノイズ除去部33Aで同時並行的に行われる。このようにして算出されたフィルタ係数を使用することによって、受信信号中のプロペラノイズは略除去されることになる。
また、上記の説明では、調整係数の算出時には超音波の送信を停止するようにしていたが、魚群や海底からのエコー信号の大きさがプロペラノイズの大きさに比べて十分に小さい場合には超音波を送信していてもよいし、極小出力の超音波であれば送信していてもよい。
以上述べた実施形態においては、各チャンネルの受信信号をプロペラノイズが除去される信号(ノイズ除去対象信号)とし、複数のチャンネルの受信信号から生成された受信ビーム信号を参照信号とした。これに代えて、複数のチャンネルの受信信号から生成された受信ビーム信号をノイズ除去対象信号とし、上記プロペラ方向に主軸を有する受信ビーム信号を参照信号としてもよい。また、各チャンネルの受信信号をノイズ除去対象信号とし、略プロペラ方向に主軸を有する振動子の受信信号を参照信号としてもよい。さらに、複数のチャンネルの受信信号から生成された受信ビーム信号をノイズ除去対象信号とし、上記振動子の受信信号を参照信号としてもよい。
また、上記実施形態では、参照信号A,Bを調整した信号によって、それぞれ右舷側および左舷側のチャンネルの受信信号からプロペラノイズを除去するようにしたが、参照信号の個数は1つまたは3つ以上であってもよい。さらに、上記実施形態では、参照信号A,Bを生成するために使用されるチャンネルの受信信号は両者間で重複していなかったが、共通するチャンネルの受信信号を含む受信信号から参照信号A,Bを生成するようにしてもよい。さらに、上記実施形態では、全てのチャンネルの受信信号からプロペラノイズを除去しているが、プロペラノイズの影響を殆ど受けない振動子6の受信信号からはプロペラノイズを除去しなくてもよい。
送受波器を示す図である。 第1の実施形態の水中探知装置のブロック図である。 第1の実施形態のノイズ除去部のブロック図である。 エコー信号のサンプリングを示す図である。 送受信信号を示す図である。 参照信号の他の生成形態を示す図である。 プロペラノイズによる偽像が略消滅したことを示す図である。 第2の実施形態の指向性関数を示す図である。 第2の実施形態の第1の組み合わせを説明する図である。 第2の実施形態の第1の組み合わせを説明する図である。 第2の実施形態の第1の組み合わせを説明する図である。 第2の実施形態の第2の組み合わせを説明する図である。 第2の実施形態の第2の組み合わせを説明する図である。 第2の実施形態の第2の組み合わせを説明する図である。 第2の実施形態の第3の組み合わせを説明する図である。 第2の実施形態の第3の組み合わせを説明する図である。 第2の実施形態の第4の組み合わせを説明する図である。 第2の実施形態の第4の組み合わせを説明する図である。 第3の実施形態のノイズ処理部のブロック図である。 水中探知装置を用いて水中情報を探知する態様を示す図である。 プロペラノイズによる偽像を示す図である。
符号の説明
1 水中探知装置
3 ノイズ除去部
5 送受波器
6、6R1〜6R26、6A1〜6A7、6B1〜6B7 振動子
7 プロペラ
12 A/D変換器
14 受信ビーム生成部
20 制御部
31,32 参照ビーム生成部(参照信号生成部)
33,33A ノイズ処理部
34 マルチプレクサ
35 調整係数設定部
36 信号乗算部(ノイズ補償信号生成部)
37 信号合成部
38 フィルタ(ノイズ補償信号生成部)
39 フィルタ係数設定部
40 フィルタ係数算出部
90〜92 偽像

Claims (8)

  1. 複数の振動子で形成される送受波器から超音波を送信し、各振動子で受信された受信信号を解析することにより水中情報を求める水中探知装置であって、プロペラノイズを除去するノイズ除去部を備えた水中探知装置において、
    前記ノイズ除去部は、
    略プロペラ方向に主軸を有する前記いずれかの振動子の受信信号である参照受信信号または前記複数の振動子の内のいくつかの振動子の受信信号から生成されたプロペラ方向に主軸を有する参照ビーム信号をプロペラノイズの参照信号として出力する参照信号生成部と、
    前記受信信号(または前記複数の受信信号の内のいくつかの受信信号から生成された受信ビーム信号)ごとの調整係数に基づいて前記参照信号を調整してノイズ補償信号を出力するノイズ補償信号生成部と、
    前記各受信信号(または前記各受信ビーム信号)と前記各ノイズ補償信号とを合成することにより前記各受信信号(または前記各受信ビーム信号)からプロペラノイズを除去する信号合成部と、を備えたことを特徴とする水中探知装置。
  2. 請求項1に記載の水中探知装置において、
    前記参照信号生成部は互いに異なる複数の前記参照信号を出力し、
    前記ノイズ補償信号生成部は、前記各受信信号(または前記各受信ビーム信号)と強い相関を持つ前記複数の参照信号のいずれかを調整して前記ノイズ補償信号を出力することを特徴とする水中探知装置。
  3. 複数の振動子で形成される送受波器から超音波を送信し、各振動子で受信された受信信号を解析することにより水中情報を求める水中探知装置であって、プロペラノイズを除去するノイズ除去部を備えた水中探知装置において、
    前記ノイズ除去部は、
    略プロペラ方向に主軸を有する前記いずれかの振動子の受信信号である第1参照受信信号または第1開口を形成する前記複数の振動子の内のいくつかの振動子の受信信号から生成されたプロペラ方向に主軸を有する第1参照ビーム信号をプロペラノイズの第1参照信号として出力する第1参照信号生成部と、
    略プロペラ方向に主軸を有する前記いずれかの振動子の受信信号である第2参照受信信号または第2開口を形成する前記複数の振動子の内のいくつかの振動子の受信信号から生成されたプロペラ方向に主軸を有する第2参照ビーム信号をプロペラノイズの第2参照信号として出力する第2参照信号生成部と、
    前記受信信号(または前記複数の受信信号の内のいくつかの受信信号から生成された受信ビーム信号)ごとの調整係数に基づいて当該受信信号(または当該受信ビーム信号)と強い相関を持つ前記第1参照信号または前記第2参照信号のいずれかを調整してノイズ補償信号を出力するノイズ補償信号生成部と、
    前記各受信信号(または前記各受信ビーム信号)と前記各ノイズ補償信号とを合成することにより前記各受信信号(または前記各受信ビーム信号)からプロペラノイズを除去する信号合成部と、を備えたことを特徴とする水中探知装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の水中探知装置において、
    前記調整係数は、プロペラを回転しているときの前記参照信号または第1および第2参照信号ならびに前記各受信信号(または前記各受信ビーム信号)の受信データを用いて算出される値であることを特徴とする水中探知装置。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の水中探知装置において、
    前記調整係数は、プロペラと前記各振動子との位置関係、前記各振動子の指向特性、および前記超音波の波長を用いて算出される値であることを特徴とする水中探知装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の水中探知装置において、
    前記調整係数は、前記プロペラノイズを前記超音波の周波数と同一の周波数の正弦波で近似したときの前記参照信号または第1もしくは第2参照信号の複素振幅に対する前記各受信信号(または前記各受信ビーム信号)の複素振幅の比であることを特徴とする水中探知装置。
  7. 複数の振動子で形成される送受波器から超音波を送信し、各振動子で受信された受信信号を解析することにより水中情報を求める水中探知装置であって、プロペラノイズを除去するノイズ除去部を備えた水中探知装置において、
    前記ノイズ除去部は、
    略プロペラ方向に主軸を有する前記いずれかの振動子の受信信号である第1参照受信信号または第1開口を形成する前記複数の振動子の内のいくつかの振動子の受信信号から生成されたプロペラ方向に主軸を有する第1参照ビーム信号をプロペラノイズの第1参照信号として出力する第1参照信号生成部と、
    略プロペラ方向に主軸を有する前記いずれかの振動子の受信信号である第2参照受信信号または第2開口を形成する前記複数の振動子の内のいくつかの振動子の受信信号から生成されたプロペラ方向に主軸を有する第2参照ビーム信号をプロペラノイズの第2参照信号として出力する第2参照信号生成部と、
    前記受信信号(または前記複数の受信信号から生成された受信ビーム)ごとに設けられ、当該受信信号(または当該受信ビーム信号)と強い相関を持つ前記第1参照信号または前記第2参照信号のいずれかを処理してノイズ補償信号を出力するフィルタと、
    前記各受信信号(または前記各受信ビーム信号)と前記各ノイズ補償信号とを合成することにより前記各受信信号(または前記各受信ビーム信号)からプロペラノイズを除去する信号合成部と、を備えたことを特徴とする水中探知装置。
  8. 請求項7に記載の水中探知装置において、
    前記フィルタの係数は、プロペラを回転しているときの前記第1および第2参照信号ならびに前記各受信信号(または前記各受信ビーム信号)の受信データを用いて算出される値であることを特徴とする水中探知装置。
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