JP2005156411A - 放射線画像変換パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】輝尽性蛍光体層の膜割れ、膜剥がれを防止した放射線画像変換パネルを提供する。
【解決手段】輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層を基板上に有する放射線画像変換パネルにおいて、基板と輝尽性蛍光体層との間に、輝尽性蛍光体の母体化合物よりも分子量の小さいアルカリハライド化合物を含む層を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、物理蒸着法(以下、「蒸着法」と称する)により形成された輝尽性蛍光体層を基板上に有する放射線画像変換パネルに関する。
従来、輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルを用いて放射線画像変換方法により、被写体からデジタル化した放射線画像を得る放射線画像読取装置(Computed Radiography:以下「CR」と略す)が普及してきている。
放射線画像変換方法とは、被写体を透過させた放射線を輝尽性蛍光体層に照射することによって、被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネルギーを輝尽性蛍光体に蓄積させた後、励起光によって輝尽性蛍光体に蓄積された放射線エネルギーを輝尽発光させ、この輝尽発光光の強弱を電気信号に変換し、この電気信号を、感光材料などの画像記録材料やCRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)などの画像表示装置を介して可視像とする方法である。
近年、臭化セシウム(CsBr)を母体化合物とする輝尽性蛍光体を用いて輝尽性蛍光体層を基板上に形成することにより、極めて感度の高い放射線画像変換パネルを得る技術が開発されている(例えば、特許文献1〜7参照。)。
特開2001−249198号公報 欧州特許第1065523号明細書 欧州特許第1065524号明細書 欧州特許第1065525号明細書 欧州特許第1065526号明細書 欧州特許第1065527号明細書 欧州特許第1065528号明細書
しかしながら、放射線画像変換パネルにおいて、必要とする放射線吸収能を達成するためには、輝尽性蛍光体層を200〜800μm程度の膜厚に形成しなければならない。母体化合物がCsBr等のアルカリハライド化合物からなるAX系の輝尽性蛍光体は熱膨張係数が大きいため、このような比較的厚い膜に形成すると膜割れしやすく、また、基板から剥離しやすくなる傾向にある。この傾向は成膜時の真空度が高くなるほど顕著になるが、成膜時の真空度を下げると、膜中に不純物が含まれやすくなり結晶性が低下し、その結果、X線吸収能の低下を招くことになる。
本発明の課題は、輝尽性蛍光体層の膜割れ、膜剥がれを防止した放射線画像変換パネルを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層を基板上に有する放射線画像変換パネルにおいて、前記基板と前記輝尽性蛍光体層との間に、前記輝尽性蛍光体の母体化合物よりも分子量の小さいアルカリハライド化合物を含む層を有することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、輝尽性蛍光体の母体化合物よりも分子量の小さいアルカリハライド化合物を含む層を基板と輝尽性蛍光体の層との間に設けることにより、このアルカリハライド化合物を含む層が基板と輝尽性蛍光体層とを接着する接着層として機能し、輝尽性蛍光体層の膜割れや膜剥がれを防止する。また、アルカリハライド化合物を含む層が接着層として機能することにより、膜割れや膜剥がれを防止した状態で輝尽性蛍光体層をより高真空下で成膜することができるので輝尽性蛍光体層中の輝尽性蛍光体の結晶性を高め、輝度を向上することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の放射線画像変換パネルにおいて、前記輝尽性蛍光体は、ユウロピウムを付活剤として含む臭化セシウムであり、前記アルカリハライド化合物は、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、塩化ルビジウム、臭化ルビジウム又は塩化セシウムであることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、輝尽性蛍光体層にCsBr:Euを含むことにより感度の極めて高い放射線画像変換パネルを得ることができ、CsBr:Euの母体化合物であるCsBrよりも分子量の低いアルカリハライド化合物を含む層を有することにより輝尽性蛍光体層の膜割れや膜剥がれを防止することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の放射線画像変換パネルにおいて、前記アルカリハライド化合物は臭化カリウムであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、放射線画像変換パネルに対して基板側(輝尽性蛍光体層に対して裏面側)から放射線を照射した場合であっても、KBrは放射線吸収量が少ないため、X線の減衰が防止される。このため、被写体の放射線画像を感度よく取得することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の放射線画像変換パネルにおいて、前記輝尽性蛍光体層を形成する際に必要とする圧力と、前記アルカリハライド化合物を含む層を形成する際に必要とする圧力との比が下記式(1)で表されることを特徴とする。
1>P1/P2>0・・・(1)
但し、上記式(1)においてP1は前記輝尽性蛍光体層を形成する際に必要とする圧力であり、P2は前記アルカリハライド化合物を含む層を形成する際に必要とする圧力である。
請求項4に記載の発明によれば、輝尽性蛍光体層を形成する際の圧力をアルカリハライド化合物を含む層を形成する際の圧力よりも低くすることにより、アルカリハライド化合物を含む層の接着層としての機能を高め、輝尽性蛍光体層の膜割れや膜剥がれを効率よく防止することができる。
本発明によれば、放射線画像変換パネルにおいて、輝尽性蛍光体層の膜割れ、膜剥がれを防止することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1に本発明に係る放射線画像変換パネル10を示す。図1に示すように、放射線画像変換パネル10は、基板11上に蒸着法により形成された輝尽性蛍光体層12を備えたものであり、基板11と輝尽性蛍光体層12との間には、輝尽性蛍光体層12の膜割れや膜剥がれを防止するためのアルカリハライド化合物層(以下、「接着層」という)13が設けられている。
基板11は、従来の放射線画像変換パネルの基板として公知の材料から任意に選ぶことができるが、蒸着法により輝尽性蛍光体層12を形成する観点から石英ガラスシート、アルミニウム、鉄、スズ、クロムなどからなる金属シート及び炭素繊維強化樹脂シートが好ましい。
輝尽性蛍光体層12は輝尽性蛍光体を含み、基板11上に接着層13を介して蒸着法により薄膜に形成されたものであることが好ましい。輝尽性蛍光体層12に含まれる輝尽性蛍光体は下記式(2)に示す蛍光体であることが好ましい。
1X・aM2X′2・bM3X″3:eA…(2)
〔式(2)中、M1はLi、Na、K、Rb及びCsの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属原子であり、M2はBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Cu及びNiの各原子から選ばれる少なくとも1種の二価金属原子であり、M3はSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInの各原子から選ばれる少なくとも1種の三価金属原子であり、X、X′、X″はF、Cl、Br及びIの各原子から選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子であり、AはEu、Tb、In、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMgの各原子から選ばれる少なくとも1種の金属原子であり、また、a、b、eはそれぞれ0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<e<1.0の範囲の数値を表す。〕
上記式(2)で表される輝尽性蛍光体において、M1は、Li、Na、K、Rb及びCs等の各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属原子を表すが、中でもRb及びCsの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属原子が好ましく、さらに好ましくはCs原子である。
2は、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Cu及びNi等の各原子から選ばれる少なくとも1種の二価の金属原子を表すが、中でも好ましく用いられるのは、Be、Mg、Ca、Sr及びBa等の各原子から選ばれる二価の金属原子である。
3は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びIn等の各原子から選ばれる少なくとも1種の三価の金属原子を表すが、中でも好ましく用いられるのはY、Ce、Sm、Eu、Al、La、Gd、Lu、Ga及びIn等の各原子から選ばれる三価の金属原子である。
Aは、Eu、Tb、In、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMgの各原子から選ばれる少なくとも1種の金属原子である。中でも好ましくはEu原子である。
輝尽性蛍光体の輝尽発光輝度向上の観点から、X、X’及びX”はF、Cl、Br及びIの各原子から選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子を表すが、F、Cl及びBrから選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子が好ましく、Br原子が更に好ましい。
また、上記式(2)において、b値は0≦b<0.5であるが、好ましくは、0≦b<10-2である。
上記(2)式で示される輝尽性蛍光体は、例えば、以下に述べる方法により製造される。
まず、製造する輝尽性蛍光体の組成式に応じて、下記(a)〜(c)の中から用いる蛍光体原料を適宜選択する。
(a)NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr、KI、RbF、RbCl、RbBr、RbI、CsF、CsCl、CsBr及びCsIから選ばれる少なくとも1種もしくは2種以上の化合物。
(b)MgF2、MgCl2、MgBr2、MgI2、CaF2、CaCl2、CaBr2、CaI2、SrF2、SrCl2、SrBr2、SrI2、BaF2、BaCI2、BaBr2、BaBr2・2H2O、BaI2、ZnF2、ZnCl2、ZnBr2、ZnI2、CdF2、CdCl2、CdBr2、CdI2、CuF2、CuCl2、CuBr2、CuI、NiF2、NiCl2、NiBr2及びNiI2の化合物から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の化合物。
(c)前記式(2)において、Eu、Tb、In、Cs、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMg等の各原子から選ばれる金属原子を有する化合物。
上記(a)〜(c)より選択した原料を蛍光体組成に応じて式(2)のa,b,eの範囲を満たすように秤量し、純水にて溶解する。この際、乳鉢、ボールミル、ミキサーミル等を用いて充分に混合しても良い。
次に、得られた水溶液のpH値Cを0<C<7に調整するように所定の酸を加えた後、水分を蒸発気化させる。
次に、得られた原料混合物を石英ルツボあるいはアルミナルツボ等の耐熱性容器に充填して電気炉中で焼成を行う。焼成温度は500〜1000℃が好ましい。焼成時間は原料混合物の充填量、焼成温度等によって異なるが、0.5〜6時間が好ましい。
焼成雰囲気としては少量の水素ガスを含む窒素ガス雰囲気、少量の一酸化炭素を含む炭酸ガス雰囲気等の弱還元性雰囲気、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気等の中性雰囲気あるいは少量の酸素ガスを含む弱酸化性雰囲気が好ましい。
なお、前記の焼成条件で一度焼成した後、焼成物を電気炉から取り出して粉砕し、しかる後、焼成物粉末を再び耐熱性容器に充填して電気炉に入れ、前記と同じ焼成条件で再焼成を行えば輝尽性蛍光体の発光輝度を更に高めることができ、また、焼成物を焼成温度より室温に冷却する際、焼成物を電気炉から取り出して空気中で放冷することによっても所望の輝尽性蛍光体を得ることができるが、焼成時と同じ、弱還元性雰囲気もしくは中性雰囲気のままで冷却しても良い。
また、焼成物を電気炉内で加熱部より冷却部へ移動させて、弱還元性雰囲気、中性雰囲気もしくは弱酸化性雰囲気で急冷することにより、得られた輝尽性蛍光体から発せられる輝尽光の輝度をより一層高めることができ好ましい。
本発明において輝尽性蛍光体層12は、上記式(2)で表される輝尽性蛍光体のいずれを含む層であればよいが、高感度性、高鮮鋭性の観点から、特に、CsBr:eEuを用いることが好ましい。
輝尽性蛍光体層12の層厚は、放射線像変換パネルの使用目的によって、また含有する輝尽性蛍光体の種類により異なるが、50μm〜2000μmに形成することが好ましく、100μm〜1000μmであることがより好ましく、200μm〜800μmであるとさらに好ましい。
輝尽性蛍光体層12の層厚が50μm未満と薄い場合には、放射線吸収量が少なく透過量が多くなり、得られた放射線画像の画質が低下してしまう。一方、膜厚が2000μmより厚い場合には、輝尽発光成分の散乱が大きくなるため、画質低下、特に鮮鋭性低下を招くこととなる。
接着層13は、輝尽性蛍光体層12に含まれる輝尽性蛍光体の母体化合物よりも分子量の小さいアルカリハライド化合物を含む層であり、輝尽性蛍光体層12と同様に蒸着法により基板11上に形成することができる。
輝尽性蛍光体層12が上記したCsBr:eEuから形成される場合、接着層13はCsBrの分子量よりも小さいアルカリハライド化合物から形成される。このとき、NaCl、NaBr、KCl、KBr、RbCl、RbBr又はCsClから接着層13を形成することが好ましい。中でも、KBrは放射線吸収能が低く、基板11の裏面側から放射線画像変換パネル10に放射線を照射した場合にも放射線の減衰が少なく好ましい。
すなわち、例えば、CR装置等において被写体を透過した放射線を基板11側から放射線画像変換パネル10に照射し、放射線画像の蓄積と略同時に輝尽性蛍光体層12側から放射線画像変換パネル10に励起光を照射して、放射線画像の高速読取を図るようにした場合にも、KBrを含む層により接着層13を形成することにより、放射線の減衰を防止した状態で放射線画像変換パネル10に画像を感度よく蓄積することができる。
接着層13の層厚は、1μm〜100μmであることが好ましく、20μm〜50μmであることが特に好ましい。接着層13が1μmよりも薄くなると、接着層としての機能を果たすことができず、100μmよりも厚くなると、接着層13による放射線吸収の影響が大きくなり、好ましくない。
本発明に係る放射線画像変換パネル10は、接着層13が形成された基板11上に蒸着法により輝尽性蛍光体層12を形成することにより製造される。蒸着法は、熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法等、いずれを用いてもよいが、特に、熱蒸着法を好ましく用いることができる。
以下、輝尽性蛍光体層12の製造方法について説明するが、下記において、基板11といった場合、基板11上に接着層13が既に形成されているものを指すものとする。
輝尽性蛍光体層12の形成に際して、蒸着法を適用するに当たり、例えば、図2に示す蒸着装置1を好適に用いることができる。
図2に示す蒸着装置1は、真空容器2と、真空容器2内に設けられて輝尽性蛍光体層12の原料となる輝尽性蛍光体を過熱して蒸発または昇華させ、その蒸気を基板11に蒸着させる蒸発源3と、基板11を保持する支持体ホルダ4と、支持体ホルダ4を蒸発源3に対して水平方向に往復移動させる支持体搬送機構5と、基板11と蒸発源3との間に設けられて蒸発源3から基板11に至る空間を遮断するようにスリット6が形成された防着板7と、真空容器2内の排気及び大気の導入を行う真空ポンプ8等とを備えている。なお、スリット6は、基板11の搬送方向Aと直交する方向に形成されている。
蒸発源3は、輝尽性蛍光体を収容して抵抗加熱法で加熱するため、ヒータを巻いたアルミナ製のるつぼから構成しても良いし、ボートや、高融点金属からなるヒータから構成しても良い。また、輝尽性蛍光体を加熱する方法は、抵抗加熱法以外に電子ビームによる加熱や、高周波誘導による加熱等の方法でも良いが、本発明では、比較的簡単な構成で取り扱いが容易、安価、かつ、非常に多くの物質に適用可能である点から抵抗加熱法が好ましい。また、蒸発源3は分子源エピタキシャル法による分子線源でも良い。
支持体搬送機構5は、例えば、支持体ホルダ4を水平方向に搬送する搬送用ワイヤ5aとガイドレール5b、駆動源であるモータ(図示略)等から構成されている。
支持体ホルダ4には、基板11を加熱する加熱ヒータ4aを備えることが好ましい。基板11を加熱することによって、基板11表面の吸着物を離脱・除去し、基板11表面(接着層13表面)と輝尽性蛍光体層12との間に不純物層の発生を防いだり、密着性の強化や輝尽性蛍光体層12の膜質調整を行うことができる。
このように構成された蒸着装置1を使用して、以下の手順により、基板11に輝尽性蛍光体層12を形成することができる。
まず、輝尽性蛍光体が収容された蒸発源3を真空容器2内に設置し、支持体ホルダ4に基板11を取り付ける。
次に、真空容器2内を真空排気し、所定の真空度となるように調整する。ここで、輝尽性蛍光体層12は高真空下で形成することが好ましい。具体的には、5×10-1Pa〜5×10-4Paの真空度であることが好ましく、1×10-1Pa〜1×10-2Paであることが好ましい。また、このとき、Arガス、Neガス等の不活性ガスを導入しても良い。
また、輝尽性蛍光体層12を形成する際に必要とする圧力と、接着層13を形成する際に必要とする圧力との比が下記式(1)で表される関係を有することが好ましい。
1>P1/P2>0・・・(1)
但し、上記式(1)においてP1は前記輝尽性蛍光体層を形成する際に必要とする圧力であり、P2は前記アルカリハライド化合物を含む層を形成する際に必要とする圧力である。
輝尽性蛍光体層12を形成する際の圧力を接着層13を形成する際の圧力よりも低くすることにより、接着層13の機能を高め、輝尽性蛍光体層12の膜割れや膜剥がれを効率よく防止することができる。
次いで、支持体搬送機構5により支持体ホルダ4を水平方向に往復移動させ、蒸着可能な真空度に真空容器2が達したら、加熱された蒸発源3から輝尽性蛍光体を蒸発させて、防着板7のスリット6を介して基板11表面に輝尽性蛍光体層12を所望の厚さに成長させる。
なお、蒸発源3に収容する輝尽性蛍光体は、加圧圧縮によりタブレットの形状に加工しておくことも可能である。また、蒸発源3には輝尽性蛍光体の原料もしくは原料混合物を収容させても構わない。
また、上記蒸着工程において、複数回に分けて輝尽性蛍光体層12を形成するようにしてもよい。さらに、前記蒸着工程では複数の抵抗加熱器あるいはエレクトロンビームを用いて共蒸着し、支持体上で目的とする輝尽性蛍光体を合成すると同時に輝尽性蛍光体層12を形成してもよい。
また、蒸着法においては、蒸着時、必要に応じて、被蒸着体(基板11等)を冷却あるいは加熱しても良い。さらに、蒸着終了後、輝尽性蛍光体層12を加熱処理してもよい。また、蒸着法においては必要に応じてO2、H2等のガスを導入して蒸着する反応性蒸着を行っても良い。
上記の蒸着法により輝尽性蛍光体層12を形成するにあたり、輝尽性蛍光体層12が形成される基板11の温度は、室温(rt)〜300℃に設定することが好ましく、さらに好ましくは50〜200℃である。
以上説明した蒸着法においては、蒸着装置1の真空度、基板11の温度、蒸着速度、基板11面に対する蒸発源3の蒸気流の方向等を適宜調整することにより、輝尽性蛍光体層12の膜厚や結晶性、透過率等を制御することが可能である。
接着層13についても、輝尽性蛍光体層12と同様に蒸着法により基板11上に形成することができる。図2に示す蒸着装置1を用いる場合、蒸発源3には、輝尽性蛍光体に代えて接着層13の原料となるアルカリハライド化合物を収容させればよい。このとき、真空容器2の真空度は、輝尽性蛍光体層12を形成する際の真空度よりも低く保つことが好ましい。輝尽性蛍光体層12よりも低い真空度の下で接着層13を形成することにより、基板11と輝尽性蛍光体層12を密着させるに優れた層を形成することができる。なお、接着層13の形成に際して、輝尽性蛍光体層と同様に、熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法等、いずれを用いてもよいのは勿論である
以上の様に製造した放射線画像変換パネル10において、輝尽性蛍光体層12を形成した後、必要に応じて、輝尽性蛍光体層12の基板11とは反対の側の面に、物理的にあるいは化学的に輝尽性蛍光体層12を保護するための保護層を設けてもよい。保護層は、保護層用の塗布液を輝尽性蛍光体層12の表面に直接塗布して形成もよいし、また、予め別途形成した保護層を輝尽性蛍光体層12に接着してもよい。
保護層の材料としては、酢酸セルロース、ニトロセルロース、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリ四フッ化エチレン、ポリ三フッ化−塩化エチレン、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体などの通常の保護層用材料が用いられる。他に透明なガラス基板を保護層として用いることもできる。
また、保護層は蒸着法、スパッタリング法等により、SiC、SiO2、SiN、Al23等の無機物質を積層して形成してもよい。保護層の層厚は0.1μm〜2000μmが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
(放射線画像変換パネルの作製)
(1)実施例1の作製
1mm厚の結晶化ガラス(日本電気ガラス社製)からなる基板11の表面に、図2に示す蒸着装置1を用いて、KBrを用いて接着層13を形成した。このとき、まず、KBrを蒸着材料として抵抗加熱ルツボに充填し、基板ホルダ4に基板11を設置した。蒸着装置1において、アルミニウム製の防着板7を用い、基板11と防着板7との距離を60cmに調節した。
続いて蒸着装置1内を一旦排気し、Arガスを導入して0.1Paに真空度を調整し、基板11の温度を約100℃に保持しながら、基板11を基板11と平行な方向に搬送しながら蒸着し、接着層13の層厚が30μmとなったところで蒸着を終了させた。
次に、接着層13の表面に輝尽性蛍光体層12を、同じく図2に示す蒸着装置1を使用して形成した。輝尽性蛍光体層12を形成する原料として、CsBr:0.0002Euを用いた。
輝尽性蛍光体層12は、蒸着装置1の真空度を0.05Paに調整した以外は、接着層13と同様にして、形成した。なお、輝尽性蛍光体層12の層厚が400μmとなったところで蒸着を終了させた。
(2)実施例2〜7の作製
次に、表1に示すように、接着層13をそれぞれNaCl、NaBr、KCl、RbCl、RbBr、CsClにより形成した以外は実施例1と同様にして放射線画像変換パネルを製造し、本発明に係る実施例2〜7とした。
(3)比較例1および2の作製
次に、接着層13を設けない放射線画像変換パネルを製造し、比較例1、2とした。比較例1および2の放射線画像変換パネルは、表1に示す様に、輝尽性蛍光体層12を形成する際の蒸着装置1内の真空度を0.1Paとした。比較例2については、実施例1と同様に0.05Paの真空度の下で輝尽性蛍光体層12を形成した。他の製造条件は実施例1と同様とした。
(4)比較例3の作製
接着層13を輝尽性蛍光体層12に含まれる輝尽性蛍光体の母体化合物(CsBr)と同一物質であるアルカリハライド化合物(CsBr)を用いて接着層13を形成した以外は、実施例1と同様にして放射線画像変換パネルを製造し、比較例3の放射線画像変換パネルとした。
〔評価〕
以上の様にして得られた実施例1〜7および比較例1〜3のそれぞれについて、放射線画像変換パネルの輝度、輝尽性蛍光体層の放射線の透過率、輝尽性蛍光体層の基板に対する密着性を評価した。
(1)輝度の測定
各放射線画像変換パネルについて、管電圧80kVPのX線を放射線画像変換パネルに対して、基板側11からした後、半導体レーザ光(発振波長:680nm)で走査して励起し、輝尽性蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の光電子増倍管)で受光して、その強度を測定してこれを輝度と定義した。輝度は高いほど良好であることを示し、実施例1の放射線画像変換パネルの値を100として、相対評価を行った。結果を表1に示す。
(2)透過率
各放射線画像変換パネルについて、輝尽性蛍光体層における輝尽発光の透過率を測定した。分光光度計として、HITACHI557型、Spectrophotometerを用いて、輝尽発光のピーク波長の440nmにおける輝尽性蛍光体層の透過率を、下記条件に基づいて測定した。
(透過率測定条件)
測定光の波長:680nm
スキャンスピード:120nm/min
繰り返し回数:10回
レスポンス:Auto
測定点数:30
次いで、各測定点における透過率の平均値を求め、実施例1の放射線画像変換パネルの透過率を1.0として、他の放射線画像変換パネルの透過率を相対値で表した。表1に結果を示す。なお、表1では、各パネルの透過率を○:透過率1.0以下、△:透過率0.5以下、×:透過率0.01以下として示している。
(3)密着性
各放射線画像変換パネルについて、引き倒し法により輝尽性蛍光体層の基板に対する付着力fを測定し、輝尽性蛍光体層の密着性として評価した。引き倒し法とは、薄膜(この場合は輝尽性蛍光体層)に円柱棒を垂直に接着し、円柱棒に薄膜と平行の力を加え、棒が倒れるときの力Fを測定する方法である。輝尽性蛍光体層にかかる最大の力が、輝尽性蛍光体層の基板に対する付着力fとなる。
付着力fは、下記式(3)により求めることができる。
f=(4h/πR3)×F・・・(3)
但し、上記式(3)において、R:円柱棒の半径、h:円柱棒の高さ、である。
実施例1の放射線画像変換パネルの密着性を1.0としたときの、他の放射線画像変換パネルの密着性を相対値で求めた。表1に結果を示す。
なお、表1では、密着性を○:密着性1.0以下、△:密着性0.5以下、×:密着性0.01以下として示している。
Figure 2005156411
表1に示すように、実施例1〜7の放射線画像変換パネルは、輝尽性蛍光体層に含まれる輝尽性蛍光体の母体化合物(CsBr)の分子量よりも小さな分子量のアルカリハライド化合物により形成された接着層を有することにより、いずれも比較例1〜3の放射線画像変換パネルに比べ、透過率、密着性において高い値を示している。また、基板側からX線を照射した場合における輝度も比較例に対して実施例の放射線画像変換パネルはいずれも優れた値を示している。特に、実施例1の放射線画像変換パネルは、透過率、密着性のいずれにおいても他の実施例2〜7と比較して高い値を示し、輝度においても比較例1〜3に対して優れ、放射線画像変換パネルとして優れた性能を示している。
本発明に係る放射線画像変換パネルの一例の概略構成を示す断面図である。 蒸着装置の一例の概略構成を示す断面図である。
符号の説明
1 蒸着装置
2 真空容器
3 蒸発源
4 支持体ホルダ
5 支持体搬送機構
6 スリット
7 防着板
8 真空ポンプ
10 放射線画像変換パネル
11 基板
12 輝尽性蛍光体層
13 接着層(アルカリハライド化合物を含む層)

Claims (4)

  1. 輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層を基板上に有する放射線画像変換パネルにおいて、
    前記基板と前記輝尽性蛍光体層との間に、前記輝尽性蛍光体の母体化合物よりも分子量の小さいアルカリハライド化合物を含む層を有することを特徴とする放射線画像変換パネル。
  2. 請求項1に記載の放射線画像変換パネルにおいて、
    前記輝尽性蛍光体は、ユウロピウムを付活剤として含む臭化セシウムであり、
    前記アルカリハライド化合物は、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、塩化ルビジウム、臭化ルビジウム又は塩化セシウムであることを特徴とする放射線画像変換パネル。
  3. 請求項2に記載の放射線画像変換パネルにおいて、
    前記アルカリハライド化合物は臭化カリウムであることを特徴とする放射線画像変換パネル。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の放射線画像変換パネルにおいて、
    前記輝尽性蛍光体層を形成する際に必要とする圧力と、前記アルカリハライド化合物を含む層を形成する際に必要とする圧力との比が下記式(1)で表されることを特徴とする放射線画像変換パネル。
    1>P1/P2>0・・・(1)
    但し、上記式(1)においてP1は前記輝尽性蛍光体層を形成する際に必要とする圧力であり、P2は前記アルカリハライド化合物を含む層を形成する際に必要とする圧力である。
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