JP2005155743A - 密封装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧条件で高周波の圧力変動が与えられる使用環境において、耐久性を高めて優れた密封性能を発揮し得る密封装置を提供する。
【解決手段】内周部材61の外周面611に形成された取付溝612内に、ゴム状弾性材料からなるシールリング10が装着され、このシールリング10は、軸方向両端近傍で径方向のつぶし代が最大となる厚肉部11,12を有すると共に、軸方向両端面10c,10dのうち少なくとも密封対象燃料加圧室1bと反対側の端面10dが平坦面をなし、両厚肉部11,12間の径方向最小肉厚tが、溝底612aと外周部材1との距離dの最大値dMAX以上であり、厚肉部11,12の径方向肉厚tが、
30%≧(t−dMAX)÷t×100≧8%
を満足するものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、外周部材とその内面に挿入された内周部材との間を密封する密封装置に関し、特に、高圧でかつ繰り返し圧力変動が与えられる流体を密封対象とするものに関する。
高圧でかつ繰り返し圧力変動が与えられる流体を密封対象とする密封装置の典型的な従来技術としては、下記の特許文献1,2に記載されたものがある。
特開平10−184927号公報(第1図) 特開平2003−83451号公報(第1図)
図15は、上記特許文献1に記載されたものと同種の密封装置100の装着状態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。すなわち、この種の密封装置100は、図15に示されるように、例えば直噴エンジン用燃料ポンプにおけるハウジング110とその内周に挿入されたバルブボディの筒部120との間を密封するものであって、筒部120の外周面に円周方向に連続して形成された取付溝121内に装着されたOリング101及びバックアップリング102からなる。Oリング101は、ゴム状弾性材料で成形されたものであって、未装着状態の断面形状が円形をなすものである。また、バックアップリング102は合成樹脂材料で成形されたものであって、密封対象空間である燃料通路側の燃料加圧室Sに対して、取付溝121内におけるOリング101の背面側の位置、すなわち図中左側に位置して装着されている。
上記構成の密封装置100は、直噴エンジン用燃料ポンプの駆動によって、燃料加圧室S側から加圧された燃料による圧力Pが作用した場合には、Oリング101は、バックアップリング102との間の内外周に形成された隙間G1,G2を埋めるように、軸方向(図15における左方向)への圧縮変形・変位を受け、圧力Pが低下すると、復元方向へ変位する。このため、直噴エンジン用燃料ポンプのように、高圧でしかも200Hzもの高い周波数で圧力変動を生じる使用環境では、Oリング101は、きわめて短い周期で繰り返し変形・変位を受けることになり、このため、特に相手部材と接触−非接触が繰り返される部分では、フレッティング摩耗を生じる。
図16は、Oリング101にフレッティング摩耗Fを生じた状態を、軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。フレッティング摩耗Fは、ハウジング110の内周面及び筒部120の取付溝121の溝底に対する接触面積の増減を伴いながら、Oリング101が短い周期で軸方向への圧縮と膨張を繰り返されることによって生じるものと考えられる。そして、このようなフレッティング摩耗Fによって、Oリング101の密封性能が経時的に低下して行く。また、Oリング101における燃料加圧室Sと反対側では、取付溝121の溝底に対する接触面積の増減のほか、バックアップリング102との接触面積の増減も生じるため、フレッティング摩耗Fは、バックアップリング102を向いた側で特に大きくなる。
図17は、図15におけるOリング101に代えて、特許文献2の第1図に開示されたような、断面が略D字形をなすDリング103を採用した他の従来技術による密封装置100の装着状態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。すなわち、図17の密封装置100によれば、燃料加圧室Sと反対側(バックアップリング102側)を向いた端面103aが、略平坦に形成されているため、燃料加圧室S側の圧力Pの変動によるDリング103の繰り返し軸方向変形・変位は、Oリング101に比較して小さくなる。
しかし、このようなDリング103を用いた場合も、ハウジング110の内周面と取付溝121の溝底面との間で径方向のつぶしを与えることによって、軸方向への逃げ変形を生じ、図15におけるOリング101の場合よりは小さいが、Dリング103におけるバックアップリング102側の内外周の角部103b,103cとバックアップリング102との間に隙間G1,G2を生じる。そして、直噴エンジン用燃料ポンプの駆動によって、燃料加圧室S側から加圧された燃料による圧力Pが作用すると、Dリング103は隙間G1,G2を埋めるような圧縮変形・変位を受け、圧力Pが低下すると、復元方向へ変位する。したがって、このような繰り返し変形によって相手部材と接触−非接触が繰り返される部分に、図15におけるOリング101ほどではないが、結局、フレッティング摩耗を生じることがあった。
また、このDリング103には、燃料加圧室S側のフレッティング摩耗の発生箇所と対応する箇所に、クラックを発生することがある。図18は、Dリング103にクラックCを生じた状態を、軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。このようなクラックCは、局部疲労によって、ある時点で一気に破壊を生じたものであり、この場合、Dリング103による密封性能は、クラックCを生じた時点で急激に低下することになる。
更に図19は、上述のOリング101やDリング103に代えて、特許文献2における第3図のような角リング104を用いた状態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。この図19に示されるように、未装着状態では断面形状が略正方形あるいは略長方形を呈する角リング104も、装着状態では、やはり径方向圧縮に対するゴム材質の軸方向逃げによって両端面が大きく膨らむように変形するので、図17と近似した断面形状となる。したがってバックアップリング102との間の内外周にある程度大きな隙間G1,G2が形成されることは避けられず、上述と同様の作用によってフレッティング摩耗を生じていた。
上述のように、高圧条件で繰り返し圧力変動が与えられる環境では、従来技術による密封装置100は、いずれもフレッティング摩耗が発生し、耐久性に問題があった。したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、直噴エンジン用燃料ポンプ等のように、特に高圧条件で繰り返し圧力変動が与えられる使用環境において、耐久性を高めて優れた密封性能を発揮し得る密封装置を提供することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る密封装置は、互いに同心的に組み付けられる外周部材の内周面及び内周部材の外周面のうちの一方に円周方向に連続して形成された取付溝内に、ゴム状弾性材料からなるシールリングが装着される密封装置において、前記シールリングは、前記取付溝の溝底と、前記外周部材の内周面、もしくは前記内周部材の外周面のうちのいずれかと所要のつぶし代をもって密接される外周面及び内周面の軸方向両端近傍で径方向のつぶし代が最大となる厚肉部を有すると共に、軸方向両端面のうち少なくとも密封対象空間と反対側の端面が略平坦な面をなすものである。
請求項2の発明に係る密封装置は、請求項1に記載された構成において、シールリングの両厚肉部の間の径方向最小肉厚tを、取付溝の溝底及びこれに対向する外周部材又は内周部材との距離dの最大値dMAX以上とするものである。
請求項3の発明に係る密封装置は、請求項1に記載された構成において、シールリングの厚肉部の径方向肉厚tが、取付溝の溝底及びこれに対向する外周部材又は内周部材との距離dの最大値dMAXに対して、次式
30%≧(t−dMAX)÷t×100≧8%
を満足するものである。
請求項4の発明に係る密封装置は、請求項1〜3のいずれかに記載された構成において、取付溝内に、シールリングと共にバックアップリングが配置され、このバックアップリングは、前記シールリングに対して密封対象空間と反対側に位置するものである。
請求項5の発明に係る密封装置は、請求項1〜4のいずれかに記載された構成において、外周部材が直噴エンジン用燃料ポンプのハウジングであり、内周部材が前記ハウジングの内周に挿入されたバルブボディである。
請求項1の発明に係る密封装置によれば、取付溝の溝底と、これに対向する部材との間に、所要のつぶし代をもって装着した時に、厚肉部の径方向のつぶしに対する軸方向逃げ変形が、相対的に薄肉の軸方向中間部において有効に吸収されるので、密封対象空間と反対側の端面が軸方向へ膨らむような変形が抑えられる。このため、密封対象空間と反対側の溝内面との間に形成される隙間を可及的に小さくすることができ、密封対象の流体圧力の変化によるシールリングの軸方向変位が小さく抑えられ、その結果、高圧条件で繰り返し圧力変動が与えられる使用環境でも、接触面積の増減に起因するフレッティング摩耗や、疲労破壊によるクラック等の発生を有効に防止し、耐久性を向上することができる。
請求項2の発明に係る密封装置によれば、請求項1に記載されたシールリングの軸方向中間部の径方向肉厚tを、取付溝の溝底及びこれに対向する面との距離dの最大値dMAX以上とすることによって、シールリングの外周面及び内周面の全域が、取付溝の溝底及びこれに対向する部材と密接されるので、密封対象空間の流体圧力の変化によるシールリングの軸方向圧縮に対する径方向逃げ変形が規制されると共に、軸方向の圧縮変位が小さく抑えられ、請求項1の発明による効果を一層確実に実現することができる。
請求項3の発明に係る密封装置によれば、請求項1に記載されたシールリングの厚肉部におけるつぶし率を8%以上とし、かつ30%を超えないこととしたため、非加圧状態での所要の密封性能を確保すると共に、装着状態の初期断面形状を略長方形又は略正方形に保持して、請求項1の発明による効果を一層確実に実現することができる。
請求項4の発明に係る密封装置によれば、シールリングを密封対象空間と反対側からバックアップリングで支承するものであるため、シールリングが流体圧力を受けた時のはみ出し隙間を小さくして、シールリングのはみ出しによる損傷を有効に防止することができる。
請求項5の発明に係る密封装置によれば、直噴エンジン用燃料ポンプにおいて、高圧で高周波の圧力変動が与えられる燃料に対する優れた密封機能を、長期間にわたって維持することができる。
以下、本発明に係る密封装置の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。まず図1は、本発明に係る密封装置が用いられる直噴エンジン用燃料ポンプを示す断面図である。
すなわち、図1に示される燃料ポンプは、内周にプランジャ挿通孔1aが形成されたハウジング1と、プランジャ挿通孔1aに軸方向往復動可能に挿通されたプランジャ2と、プランジャ挿通孔1aの端部開口から突出したプランジャ2の外端に取り付けられたタペット3と、内燃機関の吸気バルブ及び排気バルブを駆動させるカムシャフト(不図示)に取り付けられると共にタペット3に当接されたポンプカム4と、ハウジング1とタペット3の間に圧縮状態に介装されて、タペット3をポンプカム4に当接させると共にプランジャ2をプランジャ挿通孔1aからの抜き出し方向へ付勢するコイルスプリング5と、電磁弁装置6を備える。プランジャ挿通孔1aの上方は、プランジャ2の往復動により燃料が加圧される燃料加圧室1bとなっており、その上部が、電磁弁装置6の弁体62により開閉される弁孔61bを介して燃料流入路1cと連通又は遮断されるようになっている。また、燃料加圧室1bの下部は、デリバリバルブ7により開閉される燃料吐出路71aへ分岐して延びている。
電磁弁装置6は、プランジャ挿通孔1aの上方でハウジング1の内周に密封装置8を介して設けられたバルブボディ61と、このバルブボディ61におけるハウジング1のプランジャ挿通孔1aと同軸の弁体保持孔61aに軸方向移動可能に挿通され、下端円盤部62aが前記弁体保持孔61aの下方に位置してバルブボディ61に形成した弁孔61bを開閉する弁体62と、バルブボディ61の上部外周に位置してハウジング1に固定されたカバー部材63と、弁体62の上端に取り付けられた強磁性体からなる可動体64と、その外周にあってカバー部材63に固定され、バルブボディ61の上部を押さえると共に可動体64の移動を案内するガイド部材63aと、可動体64の上側に配置され弁ハウジング63bに固定された固定鉄心65と、可動体64を固定鉄心65から離間させるように常時下方へ付勢する弁スプリング66と、固定鉄心65の周囲に配置された励磁コイル67と、この励磁コイル67に通電するためのコネクタ68で構成される。
一方、デリバリバルブ7は、ハウジング1の側部にプランジャ2の軸心と直交する方向に螺合され燃料吐出路71aを形成するバルブボディ71と、燃料吐出路71aを開閉する弁体72と、この弁体72を常時閉弁方向へ付勢する弁スプリング73とを備え、燃料加圧室1bの燃料圧力が所定値に上昇した時点で、弁体72が弁スプリング73を圧縮する方向へ開弁動作するものである。
上述の構造を備える燃料供給装置は、内燃機関のカムシャフトによってポンプカム4が回転すると、これに当接しているタペット3を介して、プランジャ2がプランジャ挿通孔1a内を軸方向(図1における上下方向)に往復動する。そして、プランジャ2がコイルスプリング5の付勢力によって下方移動するのに伴い燃料加圧室1bの容積が拡大する過程では、デリバリバルブ7は、その弁体72が弁スプリング73の付勢力によって燃料加圧室1bと燃料吐出路71aの間を遮断している一方、電磁弁装置6は励磁コイル67が非通電状態にあって、弁体62が弁スプリング66の付勢力によって燃料加圧室1bと燃料流入路1cとの間を連通するので、燃料流入路1cから燃料加圧室1bへ燃料が流入する。
次に、タペット3がポンプカム4のカム山に押し上げられることによって、プランジャ2がコイルスプリング5の付勢力に抗して燃料加圧室1bの容積を縮小するように上方移動している過程では、電磁弁装置6は所定のタイミングで励磁コイル67が通電されることによって、可動体64が弁スプリング66の付勢力に抗して固定鉄心65に磁気吸引され、これと一体の弁体62が燃料加圧室1bと燃料流入路1cとの間を遮断する。そして、燃料加圧室1bの燃料圧力が所定の高圧値に昇圧した時点でデリバリバルブ7の弁体72が弁スプリング73の付勢力に抗して開弁動作し、高圧の燃料を吐出する。
図2は、上述の直噴エンジン用燃料ポンプにおけるハウジング1の上部内周面と、電磁弁装置6のバルブボディ61との間に介在する密封装置8に、本発明を実施した好ましい第一の形態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図、図3は、この形態におけるシールリングを一部切断して示す斜視図である。
図2において、参照符号1は、図1におけるハウジング1と同一部材であって、請求項1における外周部材に相当するものであり、参照符号610はハウジング1の内周に挿入されたバルブボディ61の下部の筒部であって、バルブボディ61は、請求項1における内周部材に相当するものである。ハウジング1とバルブボディ61(筒部610)は、互いに略同心的に組み付けられており、ハウジング1の内周空間のうち、筒部610の鍔部610aが向いた側(図2における右側)の空間1bは燃料加圧室であって、請求項1における密封対象空間に相当する。径方向に対向するハウジング1の内周面1Aと筒部610の外周面611との間を密封する本形態の密封装置は、筒部610の外周面611に円周方向へ連続して形成された取付溝612内に装着されたシールリング10及びバックアップリング20からなる。
シールリング10及びバックアップリング20は、筒部610の内端の鍔部610a側から取付溝612に装着されるため、鍔部610aの外径は、その反対側のバルブボディ61の外周面611の外径よりも適宜小径に形成されている。また、取付溝612の溝底は、鍔部610a寄りの部分、すなわちシールリング10の装着位置と対応する部分が円筒面状に形成され(以下、円筒面状溝底612aという)、その反対側の端部寄りの部分、すなわちバックアップリング20の装着位置と対応する部分が、燃料加圧室1bと反対側へ向けて漸次溝深さを減少するテーパ状に形成されている(以下、テーパ状溝底612bという)。
シールリング10は、例えばフッ素ゴム等のゴム状弾性材料で成形されたものであって、軸心Oを通る平面で切断した断面形状が近似長方形をなす。詳しくは図3の斜視図にも示されるように、未装着状態では、外周面10a及び内周面10bが、緩やかに湾曲した凹面をなす。言い換えれば、軸方向両端近傍は、径方向の肉厚が最大となる厚肉部11,12となっており、軸方向中間部分は、相対的に径方向の肉厚が小さい薄肉部13となっている。また、軸方向両端面10c,10dは、軸心Oと直交する方向の略平坦な面をなすように形成されている。
シールリング10における外周面10aの軸方向両端の角部10e,10e及び内周面10bの軸方向両端の角部10f,10fは、角丸め形状、すなわちR状に形成されている。これら角部10e,10fの曲率半径は、大きすぎると先に説明した図15におけるOリング101に近似することになるので、フレッティング摩耗を生じるおそれがあり、逆に小さすぎると、取付溝612への挿入性が悪化して、組付け時に損傷を受けやすくなるため、角部10e,10fの曲率半径は、これらを考慮して適切な大きさに決定される。具体的には、前記曲率半径はR0.15〜R0.3とすることが好ましい。
先に説明したように、軸方向両端近傍は、径方向の肉厚が最大となる厚肉部11,12となっているため、図2に二点鎖線で示されるように、ハウジング1の内周面1Aに対するシールリング10のつぶし代は、軸方向両端の角部10e,10e近傍で最も大きくなり、筒部610における取付溝612の円筒面状溝底612aに対するつぶし代も同様に、軸方向両端の角部10f,10f近傍で最も大きくなる。ここで、未装着状態におけるシールリング10の径方向肉厚の最小値t及び最大値tは、ハウジング1の内周面1Aと円筒面状溝底612aとの間で径方向のつぶしを受けることによる軸方向肉厚の増大を吸収し得るように、次のように設定される。
まず、未装着状態におけるシールリング10の径方向肉厚の最小値、すなわち軸方向中間の薄肉部13における最小肉厚tは、ハウジング1の内周面1Aと円筒面状溝底612aとの間の距離dの最大値dMAX以上とする(t≧dMAX)。なお、ここでいう「最大値dMAX」について説明すると、ハウジング1と筒部610が僅かに偏心した状態に組み付けられた場合、距離dは円周方向において僅かに不均一となるが、dMAXは、このような偏心において想定し得る最大値である。そして、上述のように、t≧dMAXとすることによって、図2に示される装着状態では、シールリング10の薄肉部13も、ハウジング1の内周面1A及び取付溝612の円筒面状溝底612aに対して、適当なつぶし代をもって密接されるか、あるいは軽く密接される。
また、未装着状態におけるシールリング10の径方向肉厚の最大値、すなわち厚肉部11,12における角部10e,10f間の径方向肉厚tは、ハウジング1の内周面1A及び筒部610における取付溝612の円筒面状溝底612aに対して所要のつぶし代が与えられるように、ハウジング1の内周面1Aと円筒面状溝底612aとの間の距離dの最大値dMAXよりも大きいものとする。またこの場合、好ましくは次式を満足するものとする。
30%≧(t−dMAX)÷t×100≧8%
なお、上記式において、(t−dMAX)÷t×100は、角部10e,10f間の径方向のつぶし率を表すものである。そして、このつぶし率を8%(例えば実寸で0.1mm)以上としたのは、8%未満では、非加圧状態での燃料加圧室1b内の流体(燃料)に対する所要の密封性能が得られなくなるからであり、30%以下としたのは、30%を超えるつぶし率では圧縮割れを生じるからである。また、つぶし率を抑えることは、装着状態での初期歪(非加圧状態での歪)を抑えることを意味するから、後で詳述するように、圧力変化による繰り返し歪変化に対する耐久性の向上にも有利である。
上述のように寸法を規定することによって、シールリング10は、ハウジング1の内周面1Aと円筒面状溝底612aとの間で径方向のつぶしを受けた状態に装着されることによる軸方向への逃げ変形が有効に吸収され、軸方向両端面10c,10dの膨らみが小さく抑えられる。したがって、図2に示されるように、シールリング10の装着状態の初期形状が、図示の断面において、近似長方形又は近似正方形をなし、その結果、バックアップリング20と端面10d側の角部10e,10fとの間に生じる隙間G1,G2を可及的に小さくすることができる。
一方、バックアップリング20は、PTFE(polytetrafluoroethylene)等の低摩擦合成樹脂材料で成形されたものであって、シールリング10に対して密封対象の燃料加圧室1bと反対側に位置するように、取付溝612内に配置されている。バックアップリング20と取付溝612における燃料加圧室1bと反対側の立ち上がり面612cとの間には、明確には図示されていないが、無負荷状態では僅かな隙間が存在している。
バックアップリング20の内周面20aは、取付溝612におけるテーパ状溝底612bと対応するテーパ状に形成されており、このテーパ状内周面20aとテーパ状溝底612bは、互いに密接可能となっている。また、バックアップリング20の外周面20bは、円筒面状に形成されており、ハウジング1の内周面1Aと密接可能に近接対向している。
以上の構成を備える密封装置において、直噴エンジン用燃料ポンプの駆動によって、燃料加圧室1b内で図1に示されるプランジャ2の上方移動により加圧された燃料の圧力は、シールリング10における燃料加圧室1b側の端面10cに作用する。しかし、このシールリング10は、燃料加圧室1bが加圧されていない初期状態において、ハウジング1の内周面1Aと円筒面状溝底612aとの間で厚肉部11,12が径方向につぶされることによる軸方向への膨らみが、軸方向中間の薄肉部13への逃げによって吸収されるため、燃料加圧室1bと反対側の端面10dは、バックアップリング20に、ほぼ全面が密接した状態で支承され、バックアップリング20と端面10d側の角部10e,10fとの間の隙間G1,G2が小さくなっている。また、外周面10aの全域が適当なつぶし代をもってハウジング1の内周面1Aに密接し、内周面10bの全域が適当なつぶし代をもって取付溝612の円筒面状溝底612aに密接されている。したがって、燃料加圧室1bの圧力によるシールリング10の軸方向圧縮に対する逃げ変形が規制されると共に、隙間G1,G2を埋めるような変形も小さく抑えられる。
したがって、燃料加圧室1b側から作用する圧力の変動を受けても、上述のように、シールリング10の軸方向の圧縮‐膨張変位が小さく、しかも、ハウジング1の内周面1A及び取付溝612の円筒面状溝底612aに対して、シールリング10の外周面10a及び内周面10bは、当初からほぼ全域が密接しているため、圧縮‐膨張変位に伴う接触面積の増減を殆ど生じない。その結果、燃料加圧室1bにおける燃料の圧力が高圧かつ高周波数で変化する場合でも、シールリング10の繰り返し変形によるフレッティング摩耗や、疲労破壊によるクラック等の発生を有効に防止することができる。
また、燃料加圧室1b側からの圧力による軸方向荷重が、シールリング10を介してバックアップリング20に作用すると、このバックアップリング20におけるテーパ状内周面20aが、取付溝612のテーパ状溝底612bの最浅部側へ向けて乗り上がり、言い換えれば前記軸方向荷重が外径方向の分力を生じるので、バックアップリング20は、その外周面20bがハウジング1の内周面1Aとの隙間を縮小し、かつ密接するように拡径変形を受ける。このため、シールリング10の端部が、ハウジング1とバックアップリング20の隙間から密封対象の燃料加圧室1bと反対側へはみ出して損傷するのを、確実に防止することができる。
なお、上述の形態においては、シールリング10の軸方向両端面10c,10dが、軸心Oと直交する方向の略平坦な面をなすものとしたが、密封対象の燃料加圧室1bと反対側の端面10dのみを、軸心Oと直交する方向の略平坦な面に形成しても、上述の効果を実現することができる。
図4は、第一の形態に対する比較形態1としての密封装置を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。この比較形態1のように、シールリング10’は、未装着状態において外周面10a’及び内周面10b’が、図4に二点鎖線で示されるような凸面をなし、軸方向両端面10c’,10d’が軸心Oと直交する方向の略平坦な面をなすものであっても、つぶし代をある程度小さいものとすることによって、径方向のつぶしによる軸方向逃げ変形が軸方向両端近傍で吸収されるので、装着状態の初期形状を、略長方形又は略正方形をなす断面形状に保持されるようにすることは可能である。したがってこの場合も、燃料加圧室1b側の圧力変動によるシールリング10の軸方向の圧縮‐膨張変位を小さくし、接触面積の増減を小さくして、フレッティング摩耗やクラック等の発生を防止することができるものと考えられる。しかしながらこの場合は、ハウジング1の内周面1A及び円筒面状溝底612aに対するつぶし代(言い換えれば面圧)が、ハウジング内周面及び溝底との接触−非接触境界部から軸方向中央部に向かって緩やかに増大する分布となるため、高圧流体がクサビのように侵入しやすくなると考えられ、したがってシール性に問題がある。
図5は、第一の形態に対する比較形態2としての密封装置を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。この比較形態2のように、シールリング10”は、未装着状態において外周面10a”及び内周面10b”が円筒面をなし、軸方向両端面10c”,10d”が図5に二点鎖線で示されるような凹面をなすものであっても、径方向のつぶしによる軸方向両側への膨出変形を吸収することは可能である。ところがこの場合は、径方向のつぶしによって、逆に図5に実線で示されるような座屈を生じ、バックアップリング20と、これに対向する端面10d”の径方向中間付近との間に隙間G3が形成されるので、燃料加圧室1b側から加圧された燃料による圧力が作用すると、シールリング10”は隙間G3を埋めるような圧縮変形・変位を受け、圧力が低下すると、復元方向へ変位することになる。したがって、結局、図5のような形態においても、フレッティング摩耗の発生を抑えることができない。
これに対し、図2の形態によるシールリング10の場合は、面圧のピークが軸方向両端近傍に存在し、ハウジング1の内周面1A及び溝底面612aとの接触−非接触境界部から面圧が鋭く立ち上がるように分布するため、フレッティング摩耗やクラック等の発生を防止しつつ、優れたシール性を奏することができる。また、先に説明したように、燃料加圧室1bの圧力によるシールリング10の軸方向圧縮に対する逃げ変形が規制されると共に、隙間G1,G2を埋めるような変形も小さく抑えられるので、フレッティング摩耗等の発生を有効に防止することができるのである。
図6は、直噴エンジン(筒内直接噴射式エンジン)における高圧燃料ポンプ用の密封装置に従来から用いられているフッ素ゴム(ゴム硬さHs=80)製のOリングを比較例1とし、図2及び図3に示される形態のシールリングを実施例1として、それぞれ溝内に装着し、非加圧時と軸方向加圧時の歪を、FEM解析により確認した結果を示すものである。但し、比較例1及び実施例1は、密封対象流体(ガソリン)による膨潤によって体積変化した状態で解析した。
図6に記入された矢印は、流体圧力の作用方向である。流体圧力が0MPaの状態では、比較例1ではOリングの反加圧側(図6における左側)には、溝内面との間に比較的大きな隙間が存在していることがわかる。ここで流体圧力を6MPaに加圧した場合には、Oリングが低圧側へ押し付けられて移動し、前記隙間を埋めるように変形され、加圧側(図6における右側)の接触−非接触境界部の近傍は、見かけの形状とは違って反加圧側と同様の変形を生じていることがわかる。そして、この加圧状態から再び0MPaまで除荷すると、反加圧側に再び隙間を生じる。したがって、このような変形の繰り返しによって、溝内面との接触−非接触境界部近傍で、先に説明した図16に示されるようなフレッティング摩耗Fを生じることが推定される。
これに対し、実施例1においては、溝内面との間の隙間が比較例1のOリングの場合に比較して著しく小さく、0MPaの非加圧状態と6MPaの加圧状態でのシールリングの変形状態に殆ど変化がなく、移動量も小さいことがわかる。このため、繰り返し圧力変化に対する耐久性が向上する。
図7は、直噴エンジンにおける高圧燃料ポンプ用の密封装置に従来から用いられているフッ素ゴム(ゴム硬さHs=80)製のDリングを比較例2とし、図2及び図3に示される形態のシールリングを実施例1として、それぞれ溝内に装着し、非加圧時と軸方向加圧時の歪を、FEM解析により確認した結果を示すものである。但し、比較例2及び実施例1は、密封対象流体(ガソリン)による膨潤によって体積変化した状態で解析した。
図7に記入された矢印は、流体圧力の作用方向である。流体圧力が0MPaの状態から6MPaに加圧すると、比較例2ではDリングと溝内面との接触−非接触境界部に発生している歪が減少することがわかる(74%→49%)。したがって、流体圧力の繰り返し変化によって、Dリングと溝内面との接触−非接触境界部に局所的な繰り返し歪が発生し、その結果、疲労破壊によって、フレッティング摩耗や、先に説明した図18に示されるようなクラックCの発生に到ることが推定される。
一方、実施例1においても、圧力変化によって、シールリングには繰り返し歪変化を生じるが、その変化量は、比較例2においては74%−49%=25%であるのに対し、実施例1においては30%−16%=14%であり、すなわち比較例2に対して歪変化量が1/2程度に減少していることがわかる。また、初期歪も、比較例2が74%であるのに対し、実施例1では30%である。破壊に到る歪変化の繰り返し回数は、加圧前の初期歪の大きさに依存し、初期歪が大きいほど、破壊に到るまでの歪変化(圧力変化)の繰り返し回数が少なくなり、すなわち寿命が短くなるから、実施例1のシールリングは、比較例2よりも寿命が向上することがわかる。
また、バックアップリング20は、断面が略長方形をなすものとしても良い。図8は、断面が略長方形をなすバックアップリング20を用いた第二の形態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図、図9は、この形態におけるバックアップリング20を示す斜視図である。
図8に示されるように、この形態において、シールリング10は、先に説明した図2及び図3に示される第一の形態と同様、軸方向両端近傍に、径方向のつぶし代が最大となる厚肉部11,12を有し、軸方向両端面10c,10dが、軸心Oと直交する方向の略平坦な面をなしているのに対し、バックアップリング20は、その軸心Oを通る平面で切断した断面形状が略長方形を呈するものであって、図9に示されるように、円周方向一箇所が切断され、その切断部20cが、軸心Oと斜交する平面状をなしている。また、バックアップリング20の外径は、ハウジング1の内径よりも僅かに小さく成形されており、このため、無負荷状態では、図8に二点鎖線で示されるように、ハウジング1の内周面1Aとの間に隙間Gが形成される。
一方、バルブボディ61の筒部610における取付溝612の溝底612dは、バックアップリング20の装着位置と対応する部分も、シールリング10の装着位置と連続した円筒面状に形成されている。
以上の構成によれば、バックアップリング20は、円周方向一箇所が切断されているので、その切断部20cを開くようにして筒部610の取付溝612に装着することができ、このため、筒部610の鍔部610aによる溝肩613に干渉して損傷するのを防止することができる。
また、燃料加圧室1b側からの圧力による軸方向荷重が、シールリング10を介してバックアップリング20に作用すると、シールリング10と取付溝612の立ち上がり面612cの間で軸方向圧縮力を受けることによって、このバックアップリング20に生じる円周方向の応力が内周側ほど大きくなるため、バックアップリング20は、切断部20cを開くように拡径変形し、その外周面20bがハウジング1の内周面1Aとの隙間を縮小し、密接する。したがって、シールリング10の端部が、ハウジング1とバックアップリング20の隙間から低圧側へはみ出して損傷するのを、確実に防止するといった、第一の形態と同様の効果を奏することができる。
ここで、先に図2において説明したように、シールリング10及びバックアップリング20は、筒部610の内端の鍔部610a側から取付溝612に装着されるため、装着性を考慮して、鍔部610aの外径は、その反対側の筒部610の外径よりも適宜小径に形成されているが、装着過程でシールリング10及びバックアップリング20が鍔部610aとの干渉によって損傷するのを確実に防止し得るようにすることが望ましい。このため、鍔部610aを筒部610の内端に一体的に設ける場合は、シールリング10及びバックアップリング20の装着後に、筒部610の内端を塑性加工によって鍔状に形成する方法を採用することが有効である。
また、図10及び図11は、本発明に係る密封装置において、それぞれ鍔部610aを筒部610と別部材で構成した第三及び第四の形態を、軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。
すなわち、図10に示される形態においては、バルブボディ61の筒部610の鍔部610aを、別部材の鍔部材614として、その内周の筒状嵌合部614aを、筒部610の端部内周面に形成した嵌合段差部610bに圧入嵌合したものである。このようにすれば、バックアップリング20及びシールリング10を筒部610の外周に順次外挿した後で、鍔部材614を筒部610の嵌合段差部610bに圧入嵌合して固定すれば良い。また、鍔部材614の筒状嵌合部610aを筒部610の端部内周に螺合させる構造とすることもできる。
また、図11に示される形態においては、バルブボディ61の筒部610の鍔部610aを、筒部610の端部外周面に円周方向へ連続して形成した嵌合溝610cに嵌め込んだ、円周方向一箇所が切断された形状の弾性リング(スナップリング)615で形成したものである。このようにすれば、バックアップリング20及びシールリング10を筒部610の外周に順次外挿した後で、弾性リング615を筒部610の嵌合溝610cに嵌合して固定すれば良い。
ここで、先の図1に示されるように、バルブボディ61の装着部が、燃料加圧室1bより大径であって、両者間に段差部1dが形成されているような場合は、シールリング10及びバックアップリング20はこの段差部1dによって抜け止めされるので、筒部610の鍔部610aの形成を不要とすることもできる。図12は、このように構成した実施の形態を、軸心を通る平面で切断して示す半断面図で、すなわちバルブボディ61の筒部610における燃料加圧室1b側の端部610fが、単純な円筒状に形成され、したがって、取付溝612は、鍔部による溝肩が存在しない形状となっている。
なお、上述した各形態では、シールリング10及びバックアップリング20が、内周部材である筒部610の外周面に形成した取付溝612に装着されているが、逆に、ハウジング1の内周面1Aに取付溝を形成して、この取付溝にシールリング10を装着する場合でも、本発明を同様に実施することができる。図13は、このように構成した第六の形態を、軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。
すなわち、図13の形態においては、バルブボディ61の筒部610における燃料加圧室1b側の端部610fが、単純な円筒状に形成され、シールリング10及びバックアップリング20が、筒部610の外周面と径方向に対向するハウジング1の内周面1Aに円周方向に連続して形成した取付溝1Bに装着されている。取付溝1Bの溝底は、燃料加圧室1b寄りの部分、すなわちシールリング10の装着位置と対応する部分が円筒面状に形成され(以下、円筒面状溝底1Baという)、その反対側の端部寄りの部分、すなわちバックアップリング20の装着位置と対応する部分が、燃料加圧室1bと反対側へ向けて漸次小径になるテーパ状に形成されている(以下、テーパ状溝底1Bbという)。
シールリング10は、上述の各形態と同様の断面形状を有し、すなわち軸方向両端近傍に、径方向のつぶし代が最大となる厚肉部11,12を有し、軸方向両端面10c,10dが、軸心Oと直交する方向の略平坦な面をなすものである。一方、バックアップリング20は、上述の各形態とは逆に、内周面20aが円筒面状に形成されて、筒部610の外周面と密接可能に近接対向している一方、外周面20bは、取付溝1Bにおけるテーパ状溝底1Bbと対応するテーパ状に形成されており、このテーパ状外周面20bとテーパ状溝底1Bbは、互いに密接可能となっている。したがって、この形態においても、図2の形態と同様の効果を奏することができる。
なお、上述の各形態は、図1に示される直噴エンジン用燃料ポンプにおけるハウジング1の上部内周面と、電磁弁装置6のバルブボディ61との間に介在する密封装置8に、本発明を実施したものとして説明したが、高圧でかつ繰り返し圧力変動が与えられる流体を密封対象とする他の部分に装着される密封装置にも、本発明は同様に実施することができる。図14は、このような例を示す断面図である。
この例においては、直噴エンジン用燃料ポンプのハウジング1と、このハウジング1に、プランジャ2の軸心と直交する方向に螺合されて、燃料加圧室1bからの燃料吐出路71aを形成するデリバリバルブ7のバルブボディ71との間に装着される密封装置9に本発明を実施したものである。この場合、デリバリバルブ7のバルブボディ71は請求項1における内周部材に相当し、このバルブボディ71が螺合されたハウジング1の吐出ポート部1Cが、請求項1における外周部材に相当する。そして、図示の例では、密封装置9を、先に説明した図12に示される形態と同様に構成したものである。
本発明に係る密封装置が用いられる直噴エンジン用燃料ポンプを示す断面図である。 本発明に係る密封装置の好ましい第一の形態を、その軸心を通る平面で切断して示す半断面図である。 図2の形態におけるシールリングを一部切断して示す斜視図である。 図2の形態に対する比較形態1としての密封装置を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。 図2の形態に対する比較形態2としての密封装置を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。 Oリングを比較例1とし、図2の形態におけるシールリングを実施例1として、非加圧時及び軸方向加圧時の状態を、FEM解析により確認した結果を示す説明図である。 Dリングを比較例2とし、図2の形態におけるシールリングを実施例1として、非加圧時及び軸方向加圧時の歪を、FEM解析により確認した結果を示す説明図である。 断面が略長方形をなすバックアップリングを用いた第二の形態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。 図8におけるバックアップリングを単体で示す斜視図である。 本発明に係る密封装置において、取付溝の鍔部の構造を変更した第三の形態を、軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。 本発明に係る密封装置において、取付溝の鍔部の構造を変更した第四の形態を、軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。 本発明に係る密封装置において、筒部の鍔部を不要とした第五の形態を、軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。 本発明に係る密封装置において、ハウジングの内周面に形成した取付溝にシールリングを装着した第六の形態を、軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。 本発明に係る密封装置が図1と異なる他の箇所に用いられた直噴エンジン用燃料ポンプを示す断面図である。 従来技術としてOリングを用いた密封装置の装着状態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。 従来技術による密封装置のOリングにフレッティング摩耗を生じた状態を、軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。 他の従来技術としてDリングを用いた密封装置の装着状態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。 他の従来技術による密封装置のDリングにクラックを生じた状態を、軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。 他の従来技術として角リングを用いた密封装置を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。
符号の説明
1 ハウジング(外周部材)
1A 内周面
1B,612 取付溝
1Ba,612a 円筒面状溝底
1Bb,612b テーパ状溝底
1b 燃料加圧室(密封対象空間)
2 プランジャ
6 電磁弁装置
61,71 バルブボディ(内周部材)
610 筒部(内周部材)
610a 鍔部
611 外周面
614 鍔部材
615 弾性リング
7 デリバリバルブ
8,9 密封装置
10 シールリング
10a 外周面
10b 内周面
10c,10d 端面
10e,10f 角部
11,12 厚肉部
13 薄肉部
20 バックアップリング

Claims (5)

  1. 互いに同心的に組み付けられる外周部材(1,1C)の内周面及び内周部材(61,71)の外周面のうちの一方に円周方向に連続して形成された取付溝(612,1B)内に、ゴム状弾性材料からなるシールリング(10)が装着される密封装置において、前記シールリング(10)は、前記取付溝(612,1B)の溝底(612a,1Ba)と、前記外周部材(1,1C)の内周面もしくは前記内周部材(61,71)の外周面のうちのいずれかと所要のつぶし代をもって密接される外周面(10a)及び内周面(10b)の軸方向両端近傍で径方向のつぶし代が最大となる厚肉部(11,12)を有すると共に、軸方向両端面(10c,10d)のうち少なくとも密封対象空間(1b)と反対側の端面(10d)が略平坦な面をなすことを特徴とする密封装置。
  2. シールリング(10)の両厚肉部(11,12)の間の径方向最小肉厚tが、取付溝(612,1B)の溝底(612a,1Ba)及びこれに対向する外周部材(1,1C)又は内周部材(61,71)との距離dの最大値dMAX以上であることを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
  3. シールリング(10)の厚肉部(11,12)の径方向肉厚tが、取付溝(612,1B)の溝底(612a,1Ba)及びこれに対向する外周部材(1,1C)又は内周部材(61,71)との距離dの最大値dMAXに対して、次式
    30%≧(t−dMAX)÷t×100≧8%
    を満足することを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
  4. 取付溝(612,1B)内に、シールリング(10)と共にバックアップリング(20)が配置され、このバックアップリング(20)は、前記シールリング(10)に対して密封対象空間(1b)と反対側に位置することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の密封装置。
  5. 外周部材(1,1C)が直噴エンジン用燃料ポンプにおけるハウジングであり、内周部材(61,71)が前記ハウジングの内周に挿入されたバルブボディであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の密封装置。
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