JP2005155586A - 流体圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポンプ室内外を連通する流体通路中に介装した流体フィルタの残留水分が凍結してしまい当該フィルタが氷結状態となった場合でも、その氷結状態を簡易迅速に解消することができる流体圧縮機を提供する。
【解決手段】交流電動モータ49を収納したモータハウジング31の外周面上にはポンプ室37内外を連通するための吐出通路67を内部に形成した隆起部62が一体成形されている。前記吐出通路67中には流体フィルタ66が介装されており、この流体フィルタ66を通過して水素オフガスが水素圧縮機13から吐出される。寒冷条件の下で流体フィルタ66が凍結により氷結状態になっている場合には、交流電動モータ49に直流電流を印加することで当該モータ49を発熱させ、その熱がモータハウジング31を介して流体フィルタ66に伝わることで前記氷結状態を解消する。
【選択図】 図1
【解決手段】交流電動モータ49を収納したモータハウジング31の外周面上にはポンプ室37内外を連通するための吐出通路67を内部に形成した隆起部62が一体成形されている。前記吐出通路67中には流体フィルタ66が介装されており、この流体フィルタ66を通過して水素オフガスが水素圧縮機13から吐出される。寒冷条件の下で流体フィルタ66が凍結により氷結状態になっている場合には、交流電動モータ49に直流電流を印加することで当該モータ49を発熱させ、その熱がモータハウジング31を介して流体フィルタ66に伝わることで前記氷結状態を解消する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ポンプ室内に取り込んだ流体をロータの回転に基づき圧縮して吐出する流体圧縮機に関する。
近時、水素ガスと酸化剤ガス(空気)とを反応ガスとして発電する燃料電池システムが注目を浴びている。燃料電池システムでは発電に伴い水が生成されるので、この生成水を燃料電池内から排出するために、通常、水素ガス及び酸化剤ガス(空気)を発電に必要な消費量よりも多く供給するようにしている。そのため、燃料電池のアノード側からの排出ガス(=水素オフガス)中には未反応の水素ガスが多く含まれることになり、これをそのまま放出したのでは燃料電池システムの燃費が悪化してしまうことになる。そこで、この水素オフガスを循環させて再び燃料電池へ供給することにより、燃料電池システムの燃費向上を図るために、従来から、燃料電池システムには水素オフガスを強制的に循環させるための手段として流体圧縮機が使用されている(特許文献1参照)。
即ち、特許文献1の燃料電池システムでは燃料電池から排出された水素オフガスを気液分離を行う凝縮器を介して流体圧縮機に取り込み、当該圧縮機のポンプ室で圧縮した後、水素タンクから新たに供給される新鮮な水素ガスに混合して再び燃料電池のアノード側へ供給するようにしている。また、燃料電池のカソード側へは酸化剤ガスとなる周辺空気が別の流体圧縮機を介して供給されるようになっている。ところで、このような流体圧縮機では、流体(水素オフガス、周辺空気等)と共にポンプ室内へ流入する異物やポンプ室内で発生する摩耗粉等を流体中から除去するために、通常、流体の吸入通路又は吐出通路にフィルタが介装されている(特許文献2参照)。例えば、特許文献2の燃料電池システムでは、燃料電池へ酸化剤ガス(空気)を圧縮して供給する流体圧縮機の吸入通路中に空気フィルタが介装されている。
特開2003−151592号公報(請求項1、図1) 特開平7−170613号公報(段落番号[0009]、図1)
ところが、燃料電池システムで水素オフガスを圧縮して循環させる流体圧縮機の場合、吸入側では凝縮器により気液分離が一応行われるものの、前記水素オフガス中に含まれる生成水が完全に分離回収されるとは限らず、ポンプ室内へ流入する水素オフガス中にある程度の水分が残留していることもあり得た。また、周辺空気を酸化剤ガスとして吸入して燃料電池へ圧縮供給する流体圧縮機の場合は、前記凝縮器により分離回収された生成水をポンプ室内へ加湿のために空気に混合して供給するようなこともあった。そのため、このような流体圧縮機が寒冷条件下で放置された場合は、当該流体圧縮機のポンプ室への流体の吸入通路中又はポンプ室からの流体の吐出通路中に設けられたフィルタ内の残留水分が凍結するということもあり得た。
従って、そのような寒冷条件下で流体圧縮機を起動しようとした場合には、前記フィルタの残留水分の凍結により、前記流体(水素オフガス、周辺空気等)の吸入通路又は吐出通路が遮断されてしまい、流体圧縮機を起動することができず、結果として燃料電池システムを起動できないという問題を招いていた。なお、このような問題に対しては、ヒータを別途に設けるということも考えられるが、それではヒータの設置コストが嵩んでしまうため、コスト高になるという新たな問題を招いていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ポンプ室内外を連通する流体通路中に介装した流体フィルタの残留水分が凍結してしまい当該フィルタが氷結状態となった場合でも、その氷結状態を簡易迅速に解消することができる流体圧縮機を提供することにある。
上記目的を達成するために、流体圧縮機に係る請求項1に記載の発明は、モータが収納されたモータハウジングと前記モータの回転駆動に基づき回転するロータが収納されたポンプ室を内部に有するポンプハウジングとを一体組み付けし、前記ポンプ室内外を連通する流体通路中には流体フィルタを介装し、当該流体フィルタを前記モータからの熱伝導可能な配置態様にして設けたことを要旨とする。従って、請求項1に記載の発明では、寒冷条件下での起動時において、たとえ流体フィルタが残留水分の凍結により氷結状態になっていたとしても、モータからの熱伝導により前記氷結状態が容易迅速に解消される。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の流体圧縮機において、前記流体通路は、前記モータハウジング内に形成されたモータ部側通路と前記ポンプハウジング内に連通されたポンプ部側通路とが連絡されてなる通路構成とされ、前記流体フィルタは、前記モータ部側通路中に介装されていることを要旨とする。従って、請求項2に記載の発明では、モータが発熱すると、その熱がモータハウジング内のモータ部側通路中に設けられた流体フィルタに効率よく伝わる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の流体圧縮機において、前記モータハウジングの外面には取付ブロックが前記モータハウジングからの熱伝導可能に取付固定されており、前記流体通路は、前記取付ブロック内に形成されたモータ部側通路と前記ポンプハウジング内に連通されたポンプ部側通路とが連絡されてなる通路構成とされ、前記流体フィルタは、前記モータ部側通路中に介装されていることを要旨とする。従って、請求項3に記載の発明では、モータが発熱すると、その熱がモータハウジングを介して取付ブロックに伝わり、当該取付ブロック内のモータ部側通路中に設けられた流体フィルタに伝わる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の流体圧縮機において、前記モータ部側通路は、モータの径方向外側に設けられていることを要旨とする。従って、請求項4に記載の発明では、モータハウジングが軸方向へ大型化することを回避でき、流体圧縮機のコンパクト化に寄与できる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の流体圧縮機において、前記モータは交流電動モータであって、当該モータはインバータ機能を有するモータ駆動回路を介して直流電源に接続されていることを要旨とする。従って、請求項5に記載の発明では、起動時においてモータ駆動回路から交流電動モータに直流電流を流すことにより、当該モータを回転させない状態で発熱させることが可能となる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の流体圧縮機において、前記流体通路は、前記ロータの回転に基づき圧縮された流体をポンプ室内から吐出するための吐出通路、又は前記ロータの回転に基づきポンプ室外から流体をポンプ室内へ吸入するための吸入通路であることを要旨とする。従って、請求項6に記載の発明では、モータの発熱に基づき流体フィルタの氷結状態を半解氷状態とした後、前記モータを低回転で駆動すると、前記流体通路が吐出通路である場合は、前記ポンプ室と流体フィルタとの間の流体通路中の圧力が昇圧し、その昇圧に基づき前記半解氷状態の氷を外部へ飛散させることが可能となる。その一方、前記流体通路が吸入通路である場合は、前記ポンプ室と流体フィルタとの間の流体通路中の圧力が負圧となり、その負圧に基づき前記半解氷状態の氷を流体フィルタから除去することが可能となる。
本発明によれば、ポンプ室内外を連通する流体通路中に介装した流体フィルタが残留水分の凍結により氷結状態となった場合でも、その氷結状態を簡易迅速に解消することができる。
以下、本発明を燃料電池システムにて使用される流体圧縮機に具体化した一実施形態を図1〜図3に従って説明する。
まず、本実施形態の燃料電池システム10の概略構成を説明する。
まず、本実施形態の燃料電池システム10の概略構成を説明する。
図3に示すように、燃料電池システム10は、燃料電池11、当該燃料電池11に空気(酸化剤ガス)を供給する空気圧縮機(流体圧縮機)12、前記燃料電池11から排出された水素オフガスを循環させて新鮮な水素ガスと共に再び燃料電池11に供給する水素圧縮機(流体圧縮機)13とを備えている。燃料電池11は、例えば固体高分子型の燃料電池にて構成され、空気圧縮機12から供給される空気中の酸素と水素圧縮機13から供給される水素とを電気化学反応させることにより直流の電気エネルギー(直流電力)を発生(発電)するようになっている。そのため、燃料電池11の酸素極(カソード)側には空気供給口11aと空気排出口11bが設けられ、水素極(アノード)側には水素供給口11cと水素排出口11dが設けられている。
空気圧縮機12は、モータ部Mとポンプ部Pとを有してなり、ポンプ部Pの吸入側にはポンプ部P内へ外部から空気を取り込むための空気吸入通路(流体通路)14が接続されている。また、ポンプ部Pの吐出側にはポンプ部P内から圧縮した空気を燃料電池11へ供給するための空気吐出通路(流体通路)15が燃料電池11の空気供給口11aと連絡するように接続されている。一方、水素圧縮機13も、空気圧縮機12の場合と同様に、モータ部Mとポンプ部Pとを有している。そして、ポンプ部Pの吸入側にはポンプ部P内へ燃料電池11から排出された水素オフガスを取り込むための水素オフガス吸入通路(流体通路)16が前記燃料電池11の水素排出口11dと連絡するように接続されている。また、ポンプ部Pの吐出側からはポンプ部P内から圧縮した水素オフガスを吐出するための逆止弁17を介在させた水素オフガス吐出通路(流体通路)18が、外部からの新鮮な水素を前記燃料電池11へ水素供給口11cを介して供給するための水素供給通路19に対して合流するように接続されている。
前記空気圧縮機12及び水素圧縮機13の各モータ部Mは交流電動モータを備えた構成とされ、各モータ部Mには制御ユニット20にて制御駆動されるインバータ機能を有したモータ駆動回路21が接続されている。また、前記モータ駆動回路21にはバッテリからなる2次電池(直流電源)22と前記燃料電池(直流電源)11が夫々接続されている。そして、前記各モータ部Mの交流電動モータを回転駆動する際には、制御ユニット20の制御に基づき、モータ駆動回路21において前記燃料電池11又は2次電池22から出力された直流電流が交流電流に変換され、この交流電流が前記各モータ部Mへ出力されるようになっている。一方、制御ユニット20の制御に基づき、モータ駆動回路21において燃料電池11又は2次電池22から出力された直流電流が交流電流に変換されずに、そのままモータ駆動回路21から各モータ部Mへ出力された場合には、各モータ部Mにおいて各交流電動モータは回転駆動されることなく、直流電流の印加に基づき発熱することになる。
次に、本実施形態において流体圧縮機を構成する空気圧縮機12及び水素圧縮機13の具体的構造を説明する。但し、本実施形態では、空気圧縮機12と水素圧縮機13を同様の構造としているため、以下においては、水素オフガスを強制的に循環させる水素圧縮機13を代表例として説明することとし、空気圧縮機12については説明を省略する。
図1に示すように、水素圧縮機13はモータ部Mとポンプ部Pとから構成されている。モータ部Mは、一端側(図1では左端側)が閉塞し、他端側(図1では右端側)が開口した有底略筒状をなすモータハウジング31と、モータハウジング31に対して開口を閉塞するように印籠結合された仕切壁32とを備えてなり、モータハウジング31の内面と仕切壁32の内面とによりモータ室33が囲み形成されている。一方、ポンプ部Pは、一端側(図1では左端側)が開口した有底略楕円筒状をなすポンプハウジング34と、ポンプハウジング34に対して開口を閉塞するようにボルト35により締付け結合された軸受ブロック36とを備えてなり、ポンプハウジング34の内面と軸受ブロック36の内面とによりポンプ室37が囲み形成されている。
また、ポンプ部Pにおいて、ポンプハウジング34の他端側(図1では右端側)には、ポンプハウジング34よりも小サイズの有底略楕円筒状をなすギアハウジング38が接合固定され、ポンプハウジング34の他端側外面とギアハウジング38の内面とによりギア室39が囲み形成されている。そして、前記仕切壁32の外面と前記軸受ブロック36の外面とがボルト等からなる図示しない締結手段を介して接合固定されることにより、前記モータ部Mとポンプ部Pとが一体構成となるように組み付け結合されている。なお、前記モータハウジング31と仕切壁32との接合面、前記ポンプハウジング34と軸受ブロック36との接合面、前記ポンプハウジング34とギアハウジング38との接合面、及び前記仕切壁32と軸受ブロック36との接合面には、それぞれ気密確保のためのOリング40が介在されている。
前記モータハウジング31の底部41にはモータハウジング31の軸心と同軸上で且つモータ室33内に臨む位置にベアリング42が設けられ、該ベアリング42に対して駆動軸43の一端(図1では左端)が回動可能に軸支されている。この駆動軸43の他端側は前記仕切壁32と軸受ブロック36及びポンプハウジング34の底部44を貫通して前記ギア室39内まで延設されている。そして、当該駆動軸43は、その他端部が前記ポンプハウジング34の底部44に設けられたベアリング45に回動可能に軸支されると共に、その中間部分が前記軸受ブロック36に設けられたベアリング46に回動可能に挿通支持されている。また、モータ室33内において、前記駆動軸43にはモータ回転子47が取付固定されると共に、モータ固定子48が前記モータ回転子47の外周側に位置するようにモータハウジング31に取付固定されている。そして、本実施形態では、前記モータ回転子47とモータ固定子48とにより前記モータ駆動回路21から出力される交流電流に基づき回転駆動される交流電動モータ49が構成されている。
一方、前記ポンプ部Pのポンプ室37内には、前記駆動軸43と平行をなす従動軸50がポンプハウジング34の底部44に設けられたベアリング51と軸受ブロック36に設けられたベアリング52とに両端部をそれぞれ回動可能に支持された状態で配設されている。そして、ポンプ室37内において、前記駆動軸43及び従動軸50には双葉状をなすロータ53,54がそれぞれ取付固定されている。また、従動軸50の他端側は、駆動軸43の他端側と同様に、ポンプハウジング34の底部44を貫通して、前記ギア室39内まで延設されている。そして、ギア室39内において、駆動軸43の他端部に固定された駆動ギア55と従動軸50の他端部に固定された従動ギア56とが噛合連結されている。従って、前記交流電動モータ49の回転駆動に基づき駆動軸43が回転すると、駆動ギア55と従動ギア56との噛合連結を通じて従動軸50が所定の位相差をもって回転するようになっている。なお、前記軸受ブロック36内及びポンプハウジング34の底部44内において前記駆動軸43と従動軸50との各摺動部位にはシールリング57が設けられている。
また、ポンプハウジング34の一部には前記水素オフガス吸入通路16に接続される吸入ポート(図示略)が形成されており、当該吸入ポートを介してポンプ室37内へは前記燃料電池11から排出された水素オフガスが吸入されるようになっている。また、図1に示すように、ポンプハウジング34の側面部には、ポンプ室37内でロータ53,54の回転駆動に基づき圧縮した水素オフガスをポンプ室37内から吐出するための吐出口58が開口形成されている。そして、この吐出口58からはポンプハウジング34内及び軸受ブロック36内を屈曲経由して軸受ブロック36の外面側(図1では左端面側)に至って吐出側開口59を形成するポンプ部側通路(流体通路の一部)60が形成されている。
一方、図1に示すように、前記モータ部Mの仕切壁32には前記ポンプ部側通路60の吐出側開口59と対応する位置に連絡孔(流体通路の一部)61が貫通形成されている。また、この連絡孔61と位置対応するように前記モータハウジング31の外周面からは、モータハウジング31の軸方向に沿って延びるブロック状の隆起部62が隆起形成され、この隆起部62の一端面(図1では左端面)には前記水素オフガス吐出通路18に接続される吐出ポート63が開口形成されている。そして、この吐出ポート63と仕切壁32の連絡孔61との間を連絡するように前記隆起部62内には段差状をなすモータ部側通路(流体通路の一部)64が形成されている。従って、本実施形態では前記ポンプ部側通路60とモータ部側通路64とが連絡されることによりポンプ室37の内外を連通する流体通路が構成されている。
前記隆起部62内に形成されたモータ部側通路64は、図1に示すように、ポンプ部側通路60及び連絡孔61よりも大径に形成されている。そして、このモータ部側通路64内には、メッシュ部65を有する流体フィルタ66が、その一端部を前記吐出ポート63に嵌合支持された状態で収納されている。即ち、流体フィルタ66は、モータハウジング31に一体化された隆起部62に内装されているため、モータ室33内の交流電動モータ49からの熱伝導可能な配置態様に設けられていることになる。そして、前記交流電動モータ49の回転駆動に基づきロータ53,54が回転することによりポンプ室37内で圧縮された水素オフガス(流体)は前記モータ部側通路64中に介装された流体フィルタ66によりガス中の異物が除去されて前記水素オフガス吐出通路18に吐出される。従って、本実施形態では前記ポンプ部側通路60とモータ部側通路64とが連絡されてなる流体通路によりロータ53,54の回転に基づき圧縮された水素オフガス(流体)をポンプ室37内から吐出するための吐出通路67が構成されている。
そこで次に、上記のように構成された燃料電池システム10における水素圧縮機(流体圧縮機)13の作用に関し、特に、前記流体フィルタ66が氷結状態となった場合の対処に関わる作用を中心にして以下説明する。
さて、燃料電池システム10では周知のように水素ガスと酸化剤ガスたる空気中の酸素との反応により燃料電池11内で生成された水が排出ガス(空気、水素オフガス)と共に燃料電池11外へ排出されるため、水素オフガス吐出通路18から水素圧縮機13のポンプ室37内へ取り込まれた水素オフガス中には水分が含まれていることがある。従って、燃料電池システム10の停止時には、ポンプ室37内及びポンプ室37の吐出口58から隆起部62の吐出ポート63に至る吐出通路67内に滞留する水素オフガス中にも水分が含まれていることがある。そして、かかる状況にある燃料電池システム10が寒冷条件の下に長時間放置された場合には、吐出通路67の一部を構成するモータ部側通路64中に介装された流体フィルタ66のメッシュ部65が残留水分の凍結により氷結状態となり、吐出通路67を遮断してしまうため、これでは燃料電池システム10を迅速起動できないことになる。
そこで、このような流体フィルタ66の氷結状態に対し、本実施形態では、次のような手順に従って流体フィルタ66の氷結状態を解消するようにしている。
まず、制御ユニット20の制御に基づきモータ駆動回路21は水素圧縮機13のモータ部Mへ直流電源たる2次電池22から出力された直流電流を交流電流に変換することなく出力する。すると、モータ部Mではモータ室33内に収納配置された交流電動モータ49が直流電流の印加に従い回転駆動されることなく発熱し、その熱がモータハウジング31に一体形成された隆起部62に伝導される。そして、その伝導熱により、隆起部62内のモータ部側通路64中に介装された流体フィルタ66が暖められる結果、メッシュ部65の氷結状態も短時間で解氷される。従って、たとえ流体フィルタ66が残留水分の凍結により氷結状態になっていたとしても、交流電動モータ49からモータハウジング31(及び隆起部62)を介して伝わる熱によって前記氷結状態は容易迅速に解消される。
まず、制御ユニット20の制御に基づきモータ駆動回路21は水素圧縮機13のモータ部Mへ直流電源たる2次電池22から出力された直流電流を交流電流に変換することなく出力する。すると、モータ部Mではモータ室33内に収納配置された交流電動モータ49が直流電流の印加に従い回転駆動されることなく発熱し、その熱がモータハウジング31に一体形成された隆起部62に伝導される。そして、その伝導熱により、隆起部62内のモータ部側通路64中に介装された流体フィルタ66が暖められる結果、メッシュ部65の氷結状態も短時間で解氷される。従って、たとえ流体フィルタ66が残留水分の凍結により氷結状態になっていたとしても、交流電動モータ49からモータハウジング31(及び隆起部62)を介して伝わる熱によって前記氷結状態は容易迅速に解消される。
また、前記直流電流の印加に基づいた交流電動モータ49からの熱伝導により前記流体フィルタ66の氷結状態が半解氷状態となったときに、制御ユニット20の制御に基づきモータ駆動回路21が2次電池22からの直流電流を交流電流に変換し、その交流電流をモータ部Mへ出力した場合には次のようになる。即ち、その交流電流の印加により低回転で交流電動モータ49を回転駆動させると、ポンプ室37内のロータ53,54も低回転で回転することになり、ポンプ室37内からポンプ部側通路60を介してモータ部側通路64へ圧縮された水素オフガスが送り出される。
そのため、吐出通路67内の圧力が昇圧され、流体フィルタ66のメッシュ部65に付着している半解氷状態の氷が圧力差により吐出ポート63から水素オフガス吐出通路18に向けて吹き飛ばされる。また、その際には、吐出通路67内で昇圧される水素オフガスも昇温することになる。従って、交流電動モータ49に対する直流電流の印加と交流電流の少量印加とを組み合わせることにより、流体フィルタ66における氷結状態がより一層効率良く解消される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、燃料電池システム10及び水素圧縮機13の起動時において流体フィルタ66が残留水分の凍結により氷結状態になっていたとしても、モータハウジング31内の交流電動モータ49を発熱させれば、前記氷結状態に対して簡単に対処することができる。即ち、流体フィルタ66はモータハウジング31内に収納された交流電動モータ49からの熱伝導可能な配置態様とされているため、当該モータ49からの熱伝導により流体フィルタ66を暖めることができ、ヒータ等を別途に設けなくても、前記氷結状態を容易迅速に解消することができる。
(1)上記実施形態では、燃料電池システム10及び水素圧縮機13の起動時において流体フィルタ66が残留水分の凍結により氷結状態になっていたとしても、モータハウジング31内の交流電動モータ49を発熱させれば、前記氷結状態に対して簡単に対処することができる。即ち、流体フィルタ66はモータハウジング31内に収納された交流電動モータ49からの熱伝導可能な配置態様とされているため、当該モータ49からの熱伝導により流体フィルタ66を暖めることができ、ヒータ等を別途に設けなくても、前記氷結状態を容易迅速に解消することができる。
(2)上記実施形態では、モータハウジング31内に収納された交流電動モータ49が発熱した場合、その熱は、モータハウジング31及び該モータハウジング31と一体構成の隆起部62を介して該隆起部62内のモータ部側通路64中に介装された流体フィルタ66に伝わる。従って、交流電動モータ49で発熱した熱が効率良く流体フィルタ66に熱伝導されることになり、より一層、流体フィルタ66の氷結状態を速やかに解消することができる。
(3)上記実施形態では、燃料電池システム10の起動時の駆動電源とされる2次電池22から出力される直流電流をモータ駆動回路21において交流電流に変換することなく交流電動モータ49に印加することで該交流電動モータ49を回転させることなく発熱させるようにしている。従って、既設の電源構成(2次電池22)を利用して効率良く流体フィルタ66の氷結状態の解消を図ることができる。
(4)上記実施形態では、交流電動モータ49からの熱伝導に基づき流体フィルタ66の氷結状態が半解氷状態となったときにモータ駆動回路21から交流電流を少量出力することで交流電動モータ49を低回転で回転駆動させ、もって吐出通路67内を昇圧させるようにしている。従って、この吐出通路67内の昇圧した圧力に基づき流体フィルタ66に付着している半解氷状態の氷を飛散させることができる。また、吐出通路67内の昇圧により該吐出通路67内の水素オフガスも昇温するため、その昇温によっても流体フィルタ66に付着している半解氷状態の氷の解氷促進を図ることができる。
(5)上記実施形態では、流体フィルタ66を内装する隆起部62がモータハウジング31の外周面上(即ち、モータ部Mの径方向)に一体成形されているため、モータ部Mが軸方向へ大型化することを回避でき、水素圧縮機13のコンパクト化に寄与できる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態(別例)に変更してもよい。
○ 上記実施形態においてモータハウジング31に隆起部62を一体成形することなく、例えば図4に示すように、モータハウジング31の外周面に前記モータ部側通路64(及び吐出通路67)が形成された取付ブロック70を接合固定し、該取付ブロック70のモータ部側通路64をポンプ部側通路60に連絡するようにしてもよい。この場合、取付ブロック70の両側からモータハウジング31の外周面に沿って周方向へ延びるように接合片71を長く形成すれば、交流電動モータ49からの熱伝導がモータハウジング31から効率良く行われるようになる。
○ 上記実施形態においてモータハウジング31に隆起部62を一体成形することなく、例えば図4に示すように、モータハウジング31の外周面に前記モータ部側通路64(及び吐出通路67)が形成された取付ブロック70を接合固定し、該取付ブロック70のモータ部側通路64をポンプ部側通路60に連絡するようにしてもよい。この場合、取付ブロック70の両側からモータハウジング31の外周面に沿って周方向へ延びるように接合片71を長く形成すれば、交流電動モータ49からの熱伝導がモータハウジング31から効率良く行われるようになる。
○ 上記実施形態において、吐出口58を吸入口にすると共に吐出ポート63を吸入ポートとし、吐出口58から吐出ポート63に至るまでの吐出通路67を吸入通路として当該吸入通路(流体通路)中に流体フィルタ66が介装されるようにしてもよい。
○ 上記実施形態においてポンプ部側通路60はポンプハウジング34とは別体の通路構成としてもよい。例えば、ポンプハウジング34の外面に取付ブロックを接合し、当該取付ブロックに前記ポンプ室37の吐出口58と前記モータ部側通路64との間を連絡するポンプ部側通路を形成するようにしてもよい。
○ 上記実施形態においてバッテリからなる2次電池22に代えて他の直流電源をモータ駆動回路21に接続するようにしてもよい。また、交流電動モータ49には燃料電池11から出力される直流電流を印加して該モータ49を発熱させるようにしてもよい。
○ 上記実施形態において流体フィルタ66の氷結状態が半解氷状態になったときに交流電動モータ49を低回転で回転駆動させなくてもよい。即ち、吐出通路67内を必ずしも昇圧させなくてよい。
○ 上記実施形態において流体フィルタ66が介装される吐出通路(流体通路)67をポンプハウジング34内にのみ設け、交流電動モータ49を収納したモータハウジング31側から前記吐出通路67の流体フィルタ66が介装された部位に向けて熱伝導率の高い金属性部材等を配設するようにしてもよい。
○ 上記実施形態において流体フィルタ66を内装する隆起部62をモータハウジング31の外周面側(径方向外側)ではなく軸方向の先端側へ設けるようにしてもよい。
○ 上記実施形態では水素圧縮機13に具体化したが、同様の構造をなす空気圧縮機12に具体化してもよく、さらには燃料電池システム10以外の他のシステムに使用される流体圧縮機に具体化してもよい。
○ 上記実施形態では水素圧縮機13に具体化したが、同様の構造をなす空気圧縮機12に具体化してもよく、さらには燃料電池システム10以外の他のシステムに使用される流体圧縮機に具体化してもよい。
11…燃料電池(直流電源)、12…空気圧縮機(流体圧縮機)、13…水素圧縮機(流体圧縮機)、21…モータ駆動回路、22…2次電池(直流電源)、31…モータハウジング、34…ポンプハウジング、37…ポンプ室、49…モータとしての交流電動モータ、53,54…ロータ、60…ポンプ部側通路、64…モータ部側通路、66…流体フィルタ、67…吐出通路(流体通路)、70…取付ブロック。
Claims (6)
- モータが収納されたモータハウジングと前記モータの回転駆動に基づき回転するロータが収納されたポンプ室を内部に有するポンプハウジングとを一体組み付けし、前記ポンプ室内外を連通する流体通路中には流体フィルタを介装し、当該流体フィルタを前記モータからの熱伝導可能な配置態様にして設けた流体圧縮機。
- 前記流体通路は、前記モータハウジング内に形成されたモータ部側通路と前記ポンプハウジング内に連通されたポンプ部側通路とが連絡されてなる通路構成とされ、前記流体フィルタは、前記モータ部側通路中に介装されている請求項1に記載の流体圧縮機。
- 前記モータハウジングの外面には取付ブロックが前記モータハウジングからの熱伝導可能に取付固定されており、前記流体通路は、前記取付ブロック内に形成されたモータ部側通路と前記ポンプハウジング内に連通されたポンプ部側通路とが連絡されてなる通路構成とされ、前記流体フィルタは、前記モータ部側通路中に介装されている請求項1に記載の流体圧縮機。
- 前記モータ部側通路は、モータの径方向外側に設けられている請求項2又は請求項3に記載の流体圧縮機。
- 前記モータは交流電動モータであって、当該モータはインバータ機能を有するモータ駆動回路を介して直流電源に接続されている請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の流体圧縮機。
- 前記流体通路は、前記ロータの回転に基づき圧縮された流体をポンプ室内から吐出するための吐出通路、又は前記ロータの回転に基づきポンプ室外から流体をポンプ室内へ吸入するための吸入通路である請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の流体圧縮機。
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DE102022120860A1 (de) | 2022-08-18 | 2024-02-29 | Diehl Aviation Gilching Gmbh | Kühlsystem und Verfahren zum Betreiben eines Kühlsystems für wenigstens eine Komponente eines Brennstoffzellensystems |
-
2003
- 2003-11-24 JP JP2003435332A patent/JP2005155586A/ja active Pending
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