JP2009250219A - 駆動ロータと従動ロータとを備えるポンプ - Google Patents

駆動ロータと従動ロータとを備えるポンプ Download PDF

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Abstract

【課題】ギア等を用いた場合に必要なオイルやオイルシールを廃する。
【解決手段】水素ガスを昇圧する昇圧部材42,43が収容される昇圧部53と、駆動源31の駆動力を昇圧部53に伝達する従動ロータ67とを備えており、従動ロータ67は磁気カップリングにより駆動源31の駆動力を受けて回転するようになっている。従動ロータ67は、駆動源31の駆動ロータ34と隔壁41aを介して磁気カップリングした構造となっている。従動ロータ67と駆動ロータ34との距離をより小さくするための手段が設けられていることも好ましい。
【選択図】図4

Description

本発明は、駆動ロータと従動ロータとを備えるポンプに関する。さらに詳述すると、本発明は、水素ポンプとして好適な、駆動ロータと従動ロータとを備えるポンプの構造に関する。
例えば燃料電池システム等で使用されている水素ポンプ装置における課題の一つに、水素ガスの影響による脆化現象がある。これは、金属材料中に高圧水素雰囲気から水素が侵入して材料を腐食させ、場合によっては破壊に繋がる現象(水素脆化現象と呼ばれる)のことである。
このような水素脆化現象に関連した技術として、従来、ロータとステータ間に金属仕切りを設けた構造のキャンドモータが水素ポンプ用の駆動源として提案されている。
また、装置のモータ室に排気口を設けて水素を排出できるようにしておき、水素脆化しやすい希土類系磁石をモータ部にて用いるといった水素ポンプ装置も提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2007−24015号公報
しかしながら、上述のようなモータ(キャンドモータ)は、従動ロータは駆動ロータとギアで噛合連結されているため、ギアのためにオイルやオイルシールが必要である。
そこで、本発明は、ギア等を用いた場合に必要なオイルやオイルシールを廃することを可能とした、駆動ロータと従動ロータとを備えるポンプを提供することを目的とする。
本発明は、内部に吸気した水素ガスを外部へと送り出す駆動ロータと従動ロータとを備えるポンプにおいて、水素ガスを昇圧する昇圧部材が収容される昇圧部と、駆動源の駆動力を昇圧部に伝達する従動ロータと、を備え、従動ロータは磁気カップリングにより駆動源の駆動力を受けて回転するというものである。
このように、本発明にかかるポンプにおいては、磁気カップリングを用いて駆動力を伝達する構造とすることにより、駆動源から水素ガスを隔離させることが可能となる。したがって、例えば駆動源たるモータにおいて希土類系磁石(希土類元素を含む磁石)が用いられている場合に、当該希土類系磁石が水素によって脆化してしまうのを回避することが可能となる。
また、本発明にかかるポンプにおいては、駆動源の駆動力が磁気カップリングによって従動ロータへと伝えられ、これによって当該従動ロータが回転する構造となっているから、駆動力を伝達するためのシャフト等を用いる必要がない。このため、シャフト等を用いた場合に必要なオイルやオイルシールを廃することが可能である。
このようなポンプにおいて、従動ロータは、例えば駆動源の駆動ロータとの磁気カップリングにより回転するものである。また、例えば駆動源はモータであり、従動ロータは、当該モータの駆動ロータとの磁気カップリングにより回転するものである。さらに、本発明にかかるポンプにおける従動ロータは、モータの駆動ロータと隔壁を介して磁気カップリングした構造となっている。この場合の隔壁は、密閉容器の一部であってもよい。
さらに、このようなポンプにおいて、従動ロータとモータの駆動ロータとの距離をより小さくするための手段が設けられていることも好ましい。こうした場合、伝達トルクが大きくなる分だけより小型の磁石等を用いることが可能となるから、磁気カップリングを構成する駆動ロータや従動ロータをさらに小型軽量化し、イナーシャを小さくすることができるようになる。従動ロータとモータの駆動ロータとの距離をより小さくするための手段は、例えば従動ロータに設けられている磁石の一部を駆動ロータ側に向けて当該従動ロータの面よりも突出させることである。この場合には、一部が突出した磁石が接触しうる隔壁の表面に接触時の摩擦を軽減させるコーティングが施されていることが好ましい。
さらに、ポンプにおいて、磁気カップリングを構成する複数の磁石あるいは金属片が、駆動ロータおよび従動ロータの少なくとも一方に周方向(等間隔)に配置されていることが好ましい。このような構造のポンプでは、磁石や金属片がいわばタイミングギアの機能を兼ねる。
さらに本発明にかかるポンプは、例えば、複数の昇圧部材がそれぞれ従動ロータを備えているとともに、これら従動ロータのそれぞれが駆動ロータと磁気カップリングにより回転する構造となっている。
また、従動ロータは、歯車以外のロータからなっていてもよい。この場合、複数の当該従動ロータ間において互いに等速回転させるための歯を備えていない構造(連動歯車を備えていない構造)となる。
また、駆動ロータが、該駆動ロータよりも小径の従動ローラに対し同時に駆動力を伝達する構造であることも好ましい。例えば、大径の駆動ロータに埋設した磁石を利用する等し、小径の従動ローラに同時に駆動力を伝達して回転させることができる。
本発明によれば、ギア等を用いた場合に必要なオイルやオイルシールを廃することが可能となる。これにより、水素ガスによる脆化の影響を抑え、小型軽量化を図ることが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係る水素ポンプを燃料電池システムに適用した例について説明する。
図1に示すように、燃料電池システム1は、燃料電池2、酸化ガス配管系3及び燃料ガス配管系4を備える。燃料電池システム1は、車両に搭載することができるが、もちろん車両のみならず各種移動体(例えば、船舶や飛行機、ロボットなど)や定置型電源にも適用可能である。
燃料電池2は、多数の単セルを積層したスタック構造を備える。固体高分子電解質型の単セルは、電解質膜の一方の面に空気極を有し、他方の面に燃料極を有し、さらに空気極及び燃料極を両側から挟みこむように一対のセパレータを有する。電解質膜は、一般にフッ素系の膜が用いられる。一方のセパレータの酸化ガス流路2aに酸化ガスが供給され、他方のセパレータの燃料ガス流路2bに燃料ガスが供給される。供給された酸化ガス及び燃料ガスの電気化学反応により、燃料電池2は電力を発生する。また、電気化学反応により、燃料電池2は発熱すると共に空気極側に水を生成する。固体高分子電解質型の燃料電池2の温度は、およそ60〜80℃となる。
酸化ガス配管系3は、供給路11及び排出路12を有する。コンプレッサ14は、供給路11に設けられ、エアクリーナ13を介して酸化ガスとしての外気を取り込み、燃料電池2の酸化ガス流路2aに圧送する。圧送される酸化ガスは、加湿器15によって酸化オフガスとの間で水分交換がなされ、適度に加湿される。酸化オフガスは、酸化ガス流路2aから排出路12に排出され、エア調圧弁16及び加湿器15を経た後、図示省略したマフラーを経て最終的に排ガスとしてシステム外の大気中に排気される。
燃料ガス配管系4は、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池2に給排する。燃料ガス配管系4は、水素供給源21、供給路22、循環路23、水素ポンプ24及びパージ路25を有する。水素ガスは、元弁26を開くことで水素供給源21から供給路22に流出し、レギュレータ27及び遮断弁28を経て燃料ガス流路2bに供給される。その後、水素ガスは、燃料ガス流路2bから水素オフガスとして循環路23に排出される。水素オフガスは、循環路23と供給路22との合流点Aに水素ポンプ24によって圧送され、水素ガスに合流して再び燃料ガス流路2bに供給される。水素オフガスの一部は、パージ弁33の適宜の開弁により、循環路23からパージ路25へと排出され、図示省略した水素希釈器を経て外部に排出される。
続いて、本発明にかかる水素ポンプ24について説明する(図2等参照)。本発明にかかる水素ポンプ24は内部に吸気した水素ガスを外部へと送り出す例えばルーツ型のポンプであり、水素ガスを昇圧するポンプロータ42,43、これらポンプロータ42,43が収容されるロータ室(昇圧部)53、駆動源の駆動力をロータ室53のポンプロータ42,43へと伝達する従動ロータ67等を備えている。なお、以下では水素ポンプ24がルーツ型である場合を例示して説明するが、この他、スクリュー式ポンプ(駆動ロータと従動ロータとをタイミングギアで駆動するタイプのポンプ)等においても本発明を適用することはもちろん可能である。
図2は、水素ポンプ24の要部を示す断面図であり、図3は、水素ポンプ24の要部を示す斜視図である。また、図4は図3のIV-IV線における断面図である。本実施形態の水素ポンプ24は2つのロータ(回転子)が互いに接触しながら回転して流体を送り出すいわゆるルーツ型のポンプであり、ケーシング41と、昇圧部材たる一対のポンプロータ42,43と、を備えている。
ケーシング41には、吸気口51、排気口52及びロータ室53が形成されており、該ロータ室53には、昇圧部材を構成するポンプロータ42,43が収容されている。吸気口51と排気口52とは、ロータ室53を挟んで対向するように位置し、いずれもロータ室53に連通している。水素オフガスは、吸気口51からロータ室53へと吸入され、各ポンプロータ42,43とロータ室53の内面との間で移動し、排気口52から外部へと吐出される。
ケーシング41の内面は、ポンプロータ42に面する断面円弧形状の内面55と、ポンプロータ43に面する断面円弧形状の内面56と、を有する。また、ケーシング41の内面は、内面55,56に連なる吸気側内面57と排気側内面58とを有する。吸気側内面57によって吸気口51が画定され、排気側内面58によって排気口52を画定される。内面55及び内面56によってロータ室53が画定されており、内面55とポンプロータ42との間には互いに干渉しないように隙間が設定されている。また、内面56とポンプロータ43との間にも、干渉しないように隙間が設定されている。
なお、本実施形態では特に詳しく説明しないが、ケーシング41の内面やポンプロータ42,43の表面のうち水素オフガスが接触し得る面にイオン交換樹脂をコーティングしておくことが好ましい。本実施形態では、ケーシング41の内面55,56及びポンプロータ42,43の外周面を、イオン交換樹脂がコーティングされてなるイオン交換膜71で被覆している。イオン交換樹脂は、例えばカチオン交換樹脂及びアニオン交換樹脂を有する粒子状又は繊維状のものであり、イオン交換膜71は、水素オフガス及び生成水中の腐食生成イオンをイオン交換により吸着する。
一対のポンプロータ42,43はいわゆる瓢箪形(中央部がくびれた楕円形状)であり(図2参照)、ロータ室53において位相を約90度ずらした状態で配置されている。ポンプロータ42,43は、それぞれがロータシャフト61,62に接続されており、互いに逆向きに回転するように構成されている。ロータシャフト61,62は、互いに噛み合うギア63,64をそれぞれ備えるとともに、ボールベアリング装置65,66により軸受けされている(図4参照)。一方のロータシャフト61は、モータ31の出力軸32の軸延長上に配置されている(図4参照)。このロータシャフト61にモータ31の出力が伝達されると、ギア63,64を介してポンプロータ42とポンプロータ43とが互いに逆方向に回転し、ロータ室53内にて水素オフガスを昇圧して送り出す(図2等参照)。
ケーシング41は、水素ガスを漏らさずに圧送することを可能にする密閉容器である。ケーシング41の一部は、当該ケーシング41の内部と外部とを隔てる隔壁(図4中において符号41aで示す)として機能する。本実施形態における隔壁41aは、水素ポンプ24を流通する水素ガス(水素オフガス)がモータ31側へと流れ込まないように形成されている。
ロータシャフト61の一端には従動ロータ67が設けられている(図4参照)。この従動ロータ67は、隔壁41aを介してモータ31側の駆動ロータ34と磁気カップリングされており、モータ31の駆動力を受けて回転する。
モータ31は、ポンプロータ42,43を回転させるための駆動源である。本実施形態のモータ31は、その出力軸32が、水素ポンプ24のロータシャフト61と同軸となる位置に配置されている(図4参照)。また、出力軸32の先端には、隔壁41aを介して従動ロータ67と磁気カップリングされる駆動ロータ34が設けられている(図4参照)。従動ロータ34は、隔壁41aを介して当該駆動ロータ34と磁気カップリングされている従動ロータ67を回転させる。符号35はステータである。
ここで、上述したように、本実施形態ではモータ31側の駆動ロータ34と水素ポンプ24側の従動ロータ67とを磁気カップリングし、磁力を利用してモータ31の出力をポンプロータ42,43へと伝達するようにしている。このように磁力を利用して出力を伝達することとすれば、隔壁41aを超えて一方側から他方側へと出力を伝達することが可能となり、これにより、本実施形態ではケーシング(密閉容器)41内に収容された構造の水素ポンプ24を実現している(図4等参照)。なお、上述した隔壁41aは、磁力の伝達を妨げない部材により薄く形成されていることが好ましい。
また、駆動ロータ34と従動ロータ67とを磁気カップリングするための具体的な構造は特に限定されるものではないが、例えば本実施形態では磁気カップリングを構成する複数の磁石(あるいは金属片)81を駆動ロータ34および従動ロータ67の一部に配置した構成としている。これら磁石81は、駆動ロータ34あるいは従動ロータ67において周方向に等間隔に配置されていることが好ましい(図5参照)。
モータ31を構成する磁石81として好適なものに、希土類系磁石(希土類元素を含む磁石)がある。希土類系磁石は強い磁界を生じさせうるものであるため、当該磁石の小型化、ひいては水素ポンプ24の小型軽量化を可能とする。しかも、ケーシング41および隔壁41aによってモータ31が隔てられている限り、当該モータ31内に配置されている希土類系磁石が水素により脆化するおそれがない。したがって、モータ31においてNd(ネオジム)等の希土類系磁石81を利用することができる。
従来、例えば、モータ用磁石としての希土類系磁石(希土類元素を含む磁石)は、強い磁界を生じさせるという特徴を有するが、水素により脆化するという性質も併せ有していることから、水素ポンプにおいて使用することが一般に難しいものである。また、従来、ロータのシャフト材料に金属材料を用いざるを得ない構造が、機械効率の向上の妨げの一因となっていることもある。この点、以上説明したように、本実施形態にかかるルーツ型の水素ポンプ24においては、磁気カップリングを用いて駆動力を伝達する構造とすることにより、駆動源たるモータ31から水素ガスを隔離させることが可能となっている。したがって、例えばモータ31において希土類系磁石(希土類元素を含む磁石)が用いられている場合に、当該希土類系磁石が水素によって脆化してしまうのを回避することができる。
また、従来のごとくギア等を介して駆動力を伝達する構造であればオイルやオイルシールが必要となっていたが、磁気カップリングを用いた本実施形態の水素ポンプ24によればギア等が不要であり、オイルやオイルシールも必要ない。したがって、水素ポンプ24自体さらにはモータ31を含む装置全体の小型軽量化を図ることが可能である。
また、従来のモータ(例えばキャンドモータ)では、当該モータ内の金属仕切りによるロータとステータ間の隙間(エアギャップ)が大きくなる影響で出力効率が低下することがあったのに対し、本実施形態の水素ポンプ24によれば出力効率の低下を抑えることが可能である。さらに、従来は仕切りの構造によってはNd(ネオジム)等の希土類系磁石を用いることができず、このような場合には出力向上がさらに困難であったのに対し、本実施形態の水素ポンプ24においてはこのようなこともない。
さらに、従来の水素ポンプにおいては、モータ駆動力をシャフトで伝達する構造の場合、摺動部などにオイルを設け、さらに密封のためのオイルシールを設けなければならないなど、小型軽量化が図り難い場合があったが、本実施形態の水素ポンプ24では、このようなことに起因して小型軽量化が困難だというような問題はない。加えて、従来、水素ガスを昇圧させるポンプロータのシャフト材料には、モータシャフトと同じ金属材料(例えば磁性金属)を用いないと金属の熱膨張によりシール性能が保たれず、ところがその一方で、ロータのシャフト材料にモータシャフトと同種の金属を用いると重量が嵩張り機械効率に劣るという問題があった。この点、本実施形態の水素ポンプ24の場合には、上述したように当該水素ポンプ24自体さらにはモータ31を含む装置全体の小型軽量化を図ることが可能である。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば本実施形態ではギア63と一体化された従動ロータ67を例示したが(図4参照)、このほか、ギア63自体に磁石81(あるいは金属片82)を埋設する等して当該ギア63が従動ロータの機能を併せ有した構造とすることもできる(図6参照)。こうした場合、従動ロータ67とギア63とを別体とした構造よりも小型軽量化を図ってイナーシャをさらに小さくすることが可能である(図6、図7参照)。
また、上述した水素ポンプ24において、駆動ロータ34と従動ロータ67との距離をより小さくするための手段が設けられていることも好ましい。こうした場合、伝達トルクが大きくなる分だけより小型の磁石81および金属片82を用いることが可能となるから、磁気カップリングを構成する駆動ロータ34や従動ロータ67をさらに小型軽量化し、イナーシャを小さくすることができるようになる。このような手段の一例としては、駆動ロータ34(あるいは従動ロータ67)側に向けて突出した磁石81を採用することを挙げることができる。例えば本実施形態では、従動ロータ67(ギア63)に埋設される磁石81が当該従動ロータ67の面よりも突出させ、当該磁石81と隔壁41aとの隙間(エアギャップ)Gがより小さくなるようにしている(図6参照)。従動ロータ67の面から磁石81のみを突出させた構造とすれば、駆動時、隔壁41aとの接触が生じたとしても当該磁石81のみに抑えることができるから、従動ロータ67の全体が隔壁41aに接触するような事態を回避することができる。もちろん、磁石81と同様に金属片82を突出させるようにしてもよい。また、駆動ロータ34の磁石81あるいは金属片82を突出させても同様に伝達トルクを大きくして同様の効果を得ることができる。
さらに、この場合において、突出した磁石81(あるいは金属片82)が接触しうる隔壁41aの表面に符号83で示す低摩擦コーティング(低μコーティング)を施しておくことも好ましい(図6参照)。例えば駆動ロータ34等の回転中に磁石81(あるいは金属片82)の突出部分が隔壁41aに接触したとしても、このようなコーティング83が施されていれば当該隔壁41aを保護することができる。また、接触時に駆動力が減衰するのを抑えることも可能である。低摩擦コーティング83の具体例としては、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などを用いた表面処理がある。
また、上述のように突出させた磁石81の当該突出部分を覆った構造とすることも好ましい。例えば、従動ロータ67(ギア63)側の磁石81を金属板等の覆い84で覆って密閉した構造とすることにより、当該磁石81が流体により腐食する(水素ガスにより脆化する)のを回避することが可能である(図8参照)。したがって、このような構造によればNd(ネオジム)等の希土類系磁石を利用することもできる。
さらに、上述した構成の磁気カップリングにおいては、磁石81(あるいは金属片82)をタイミングギアのように機能させ、駆動ロータ34と従動ロータ67とを同期回転させることが可能である。こうした場合には、駆動ロータ34および従動ロータ67を歯車以外のロータ(例えば、ロータを互いに等速回転させるための歯を周囲に備えていない円形回転板)で構成することもできる(図9参照)。
さらには、駆動ロータ34として大径のロータを用いることも好ましい。例えば1つの大径駆動ロータ34によって、互いに噛み合っていない2つの従動ロータ67を同時に駆動して回転させることも可能である(図10、図11参照)。こうした場合には従動ロータ67としてタイミングギア以外のロータを採用しうるばかりでなく、伝達トルクを低減(例えば1/2程度にまで低減)させることも可能である。なお、図10および図11に例示する構造の場合、一対の従動ロータ67は互いに逆回転する。
また、必要に応じてモータ31に通気孔36を設けて大気開放することも好ましい(図4参照)。こうした場合には、特にモータ31においてNd等の希土類系磁石を利用している場合に空冷能力を強化しうるという点で好ましい。シャフトを介していない本実施形態の水素ポンプ24およびモータ31においては、このような通気孔36を設けること、あるいは空冷に好適な設計をすることが比較的容易だという利点もある。
また、上述の実施形態ではモータ31が水素ポンプ24の駆動源である場合について例示したがこれは一例にすぎない。例えば、他のシャフト等を利用してポンプ外から駆動力を得る構造であっても本発明を適用することが可能である。この場合には、従動ロータ67等に駆動力を伝達するポンプ外の駆動力発生源が駆動源ということになる。
本発明に係る水素ポンプを適用した燃料電池システムの構成図である。 本発明の一実施形態に係る水素ポンプの要部を示す断面図である。 水素ポンプの要部を示す斜視図である。 図2のIV-IV線における水素ポンプの断面と、該水素ポンプの駆動源たるモータとを示す図である。 磁石が周方向に等間隔に配置された従動ロータ(ギア)の一例を示す図である。 ギア自体に磁石を埋設し、尚かつ当該磁石の一部と突出させた構造のギア(従動ロータ)を示す拡大図である。 従動ロータとギアとを別体とした構造の一例を拡大して示す図である。 突出させた磁石の当該突出部分を覆った構造のギア(従動ロータ)の一例を示す図である。 磁石等により連動する従動ロータの一例示す図である。 大径の駆動ロータによって2つの従動ロータを同時に駆動して回転させる場合の構造例を示す図である。 大径の駆動ロータによって2つの従動ロータを同時に駆動して回転させる場合の構造例を示す側面図である。
符号の説明
24…水素ポンプ(ポンプ)、34…駆動ロータ、41a…隔壁、42,43…ポンプロータ(昇圧部材)、53…ロータ室(昇圧部)、67…従動ロータ、81…磁石、82…金属片、83…低摩擦コーティング

Claims (12)

  1. 内部に吸気した水素ガスを外部へと送り出す駆動ロータと従動ロータとを備えるポンプにおいて、
    前記水素ガスを昇圧する昇圧部材が収容される昇圧部と、
    駆動源の駆動力を前記昇圧部に伝達する前記従動ロータと、
    を備え、
    前記従動ロータは磁気カップリングにより前記駆動源の駆動力を受けて回転することを特徴とするポンプ。
  2. 前記従動ロータは、前記駆動源の駆動ロータとの磁気カップリングにより回転するものである請求項1に記載のポンプ。
  3. 前記駆動源がモータであり、前記従動ロータは、当該モータの駆動ロータとの磁気カップリングにより回転するものである請求項2に記載のポンプ。
  4. 前記従動ロータは、前記モータの駆動ロータと隔壁を介して磁気カップリングした構造となっている請求項3に記載のポンプ。
  5. 前記従動ロータと前記モータの駆動ロータとの距離をより小さくするための手段が設けられている請求項4に記載のポンプ。
  6. 前記磁気カップリングを構成する複数の磁石あるいは金属片が、前記駆動ロータおよび前記従動ロータの少なくとも一方に周方向(等間隔)に配置されている請求項2から5のいずれか一項に記載のポンプ。
  7. 複数の前記昇圧部材がそれぞれ前記従動ロータを備えているとともに、これら従動ロータのそれぞれが前記駆動ロータと磁気カップリングにより回転する構造である請求項6に記載のポンプ。
  8. 前記従動ロータは、歯車以外のロータからなることを特徴とする請求項2から7のいずれか一項に記載のポンプ。
  9. 前記駆動ロータが、該駆動ロータよりも小径の前記従動ローラに対し同時に駆動力を伝達する構造の請求項2から7のいずれか一項に記載のポンプ。
  10. 前記隔壁は、密閉容器の一部である請求項4または5に記載のポンプ。
  11. 前記従動ロータと前記モータの駆動ロータとの距離をより小さくするための手段は、前記従動ロータに設けられている前記磁石の一部を前記駆動ロータ側に向けて当該従動ロータの面よりも突出させることである請求項5に記載のポンプ。
  12. 一部が突出した前記磁石が接触しうる前記隔壁の表面に接触時の摩擦を軽減させるコーティングが施されている請求項11に記載のポンプ。
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