JP2010080270A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素で低コストな構造で、燃料電池から排出される酸化剤ガス(酸化剤ガスオフガス)からの動力回収ができる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料極に燃料ガスを供給し、酸化剤極に酸化剤ガスを供給することによって発電する燃料電池2と、燃料電池に供給される酸化剤ガスが流れる供給流路11と、燃料電池2から排出される酸化剤ガスオフガスが流れる排出流路12と、燃料電池2を冷却するために冷媒が流れる冷却水路41と、冷却水路41に設けられ、冷媒を循環させるための原動機により駆動される循環ポンプポンプである主ウォータポンプ42と、を備えた燃料電池システムにおいて、排出流路上に設けられ前記酸化剤ガスオフガスがもつエネルギーを動力として回収し、前記循環ポンプによる前記冷却水路内での冷媒の循環を補助する動力回収循環補助手段を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池システムの動力負荷の低減に関する。
燃料電池では、燃料には水素、酸化剤としては酸素を含む空気が用いられ、水素は燃料側電極の触媒の作用によって水素イオンと電子に分離され、分離された電子が外部負荷を移動し電力として取り出される。水素イオンは電解質膜を通して酸化剤極に移動し、酸化剤側電極の触媒の作用で水素イオンと外部の負荷を回ってきた電子と酸素が結合して水が生成される。
このような、燃料電池システムにおいては、制約されたスペースの中で効率的に発電を行なうために、酸化剤ガスとしての空気を空気圧縮機によって圧縮し、圧縮された空気が燃料電池に供給されるようになっているものが一般的に知られている。空気圧縮機は、燃料ガスの供給量又は発電量に基づいて必要空気量が算出され、この必要空気流量が供給されるように空気圧縮機を駆動するモータの回転速度が制御されている。そして空気の圧縮のために使用されたエネルギーの一部が燃料電池で電力に変換され、使用されなかったエネルギーの一部は、燃料電池の下流に排出される際に回収されて、システムのエネルギー消費の低減に充てられているものが一般的に知られている。
例えば特許文献1に記載されているものは、燃料電池スタック52の空気室55から排出される空気が、空気の排出用配管66に配置された圧縮機59と連結され、燃料電池スタック52の下流で配管66に配置された膨張機60に導入される。そして膨張機60で圧縮空気が膨張することによって動力の一部が回収され、圧縮機59を駆動する電動機62の消費電力が低減されるよう構成されている。また特許文献2に記載されているものは、燃料電池1から排出される空気が、空気の供給流路に配置された容積型圧縮機24と連結され燃料電池1の下流で排出流路に配置されたタービン27に導入される。そしてタービン27を回転させ、機械エネルギーに変換され動力の一部が回収されて、容積型圧縮機24の駆動力が低減されるよう構成されている。
特開2003−86224号公報 特開2001−351655号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来技術では、圧縮機59と膨張機60は連結されているため、燃料電池の空気排出ガス配管を膨張機60に接続するためには圧縮機59の本体近くに配管類を設置しなくてはならない。また特許文献2においても同様に、容積型圧縮機24とタービン27は連結されているため、燃料電池の空気排出ガスの配管をタービン27に接続するためには容積型圧縮機24の本体近くに配管類を設置しなくてはならず、特許文献1、特許文献2共に排出ガスの配管の場所が制約されてしまう。特に燃料電池車においては一般に空気の取り入れ口は車両の前部に、空気排出ガスの排出口は車の後部に設けられることが多く空気配管系が複雑になり、圧力損失増加や高コストを招く。また配管設置スペースも大きくなってしまう。さらに、高出力の燃料電池の場合には圧縮機に大出力が必要であり、よって圧縮機本体は大型で重くなり、動力回収機構も同等のトルク伝達が必要となり、大型で重くなるという問題がある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、簡素で低コストな構造で燃料電池から排出される酸化剤ガス(酸化剤ガスオフガス)からの動力回収ができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、燃料極に燃料ガスを供給し、酸化剤極に酸化剤ガスを供給することによって発電する燃料電池と、前記燃料電池に供給される酸化剤ガスが流れる供給流路と、前記燃料電池から排出される酸化剤ガスオフガスが流れる排出流路と、前記燃料電池を冷却するために冷媒が流れる冷却水路と、前記冷却水路に設けられ、前記冷媒を循環させるための原動機により駆動される循環ポンプと、を備えた燃料電池システムにおいて、前記排出流路上に設けられ前記酸化剤ガスオフガスがもつエネルギーを動力として回収し、前記循環ポンプによる前記冷却水路内での冷媒の循環を補助する動力回収循環補助手段を備えることである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、前記動力回収循環補助手段は、前記酸化剤ガスオフガスにより回転する羽根車を有し、前記羽根車の回転による回転エネルギーが前記循環ポンプまたは前記原動機に伝動されることである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、前記循環ポンプは前記冷媒を送り出す回転部材を有し、前記羽根車の回転する出力軸が前記循環ポンプの回転部材の回転軸に連結されていることである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、前記原動機が回転軸を有する電動機であり、前記羽根車の回転する出力軸が前記電動機の前記回転軸に連結されていることである。
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、前記動力回収循環補助手段が前記酸化剤ガスオフガスの流れにより回転する風車で構成されていることである。
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、前記動力回収循環補助手段が、前記酸化剤ガスオフガスの圧力により回転するタービンで構成されていることである。
請求項7に係る発明の構成上の特徴は、請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、前記冷却水路に前記循環ポンプと直列または並列に補助循環ポンプを配置し、前記補助循環ポンプが前記動力回収循環補助手段を備えることである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、酸化剤ガスオフガス排出流路上に動力回収循環補助手段を備えて動力回収を行なう。これによりシステム上使用頻度の低い循環ポンプの最大出力時には、動力回収循環補助手段で回収した動力を循環ポンプに付加し補助することによって最大出力を賄うことができる。よって循環ポンプは使用頻度の高い低出力時にあわせて低い定格で構成することが可能となり、小型、低コストとすることができる。また循環ポンプを小型化できるため、燃料電池周辺に自在に配置が可能であるためシステムが簡素化され、動力回収のための配管スペースも簡素化されシステムの小型化、低コスト化を図ることができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、動力回収循環補助手段は酸化剤ガスオフガスにより羽根車が回転することで酸化剤ガスオフガスのエネルギーを回転エネルギーに変えて回収し、回収した回転エネルギーを燃料電池周辺に配置できる循環ポンプまたは原動機に伝動することで循環ポンプまたは原動機の負荷を低減させ、スペースを取らずに簡易な構造で酸化剤ガスオフガスが持つエネルギーを効率よく利用できる。
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、循環ポンプは冷媒を送り出す回転部材を有し、羽根車の回転する出力軸が循環ポンプの回転部材の回転軸に連結されているため、酸化剤ガスオフガスにより回転する羽根車の回転エネルギーが効率よく循環ポンプの回転部材に伝わり酸化剤ガスオフガスが持つエネルギーを更に効率的に利用できる。
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、原動機が回転軸を有する電動機であり、羽根車の回転する出力軸が電動機の回転軸に連結されているために、酸化剤ガスオフガスにより回転する羽根車の回転エネルギーが効率よく電動機の回転する回転軸に伝わり酸化剤ガスオフガスが持つエネルギーを更に効率的に利用できる。
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、動力回収循環補助手段として排出流路を流れる酸化剤ガスオフガスによって風車が回転され動力が回収される。これにより簡素で低コストな構造で動力の回収が実現できる。
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、動力回収循環補助手段として排出流路上に圧力を利用して駆動されるタービンが配置され、排出流路を流れる酸化剤ガスオフガスの圧力によってタービンが回転され動力が回収される。タービンは高速で回転できるので高効率で動力の回収ができ、よって一層の循環ポンプの小型化が図られる。
上記のように構成した請求項7に係る発明においては、冷却水路に循環ポンプと直列または並列に補助循環ポンプを配置し、補助循環ポンプが動力回収循環補助手段を備える。これにより別体で構成される動力回収循環補助手段と循環ポンプとの間には接続機構や減速装置を設ける必要が無く簡素な構成とすることができる。さらに循環ポンプは動力回収循環補助手段とは別体であるため自在に配置することができ、搭載設計の自由度が増すため、システムの低コスト化にも寄与する。
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。図1は、燃料電池システム1の構成図である。本実施形態の燃料電池システム1は、燃料電池自動車(FCHV)、電気自動車、ハイブリッド自動車などの車両に適用できるが、車両のみならず各種移動体(例えば、船舶や飛行機、ロボットなど)や定置型電源にも適用可能である。
燃料電池システム1は、燃料電池2と、酸化剤ガスとしての空気(酸素)を燃料電池2に供給する酸化剤ガス配管系3と、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池2に供給する燃料ガス配管系4と、冷媒である水やオイル等を供給して燃料電池2と供給流路11上の圧縮機14を駆動するモータM1とを冷却する冷却水配管系5と、冷媒温度の検出データ等に基づいてシステムの運転条件を制御する制御装置7と、を備えている。
燃料電池2は、例えば固体高分子電解質型で構成され、多数の単セルを積層したスタック構造を備えている。単セルは、イオン交換膜(例えばフッ素樹脂系イオン交換膜等)からなる電解質の一方の面に酸化剤極(カソード)を有し、他方の面に燃料極(アノード)を有し、さらに酸化剤極及び燃料極を両側から挟みこむように一対のセパレータを有している。一方のセパレータの酸化剤ガス流路2aに酸化剤ガスが供給され、他方のセパレータの燃料ガス流路2bに燃料ガスが供給される。供給された燃料ガス及び酸化剤ガスの電気化学反応により、燃料電池2は電力を発生する。燃料電池2での電気化学反応は発熱反応であり、固体高分子電解質型の燃料電池2の温度は、およそ60〜80℃となる。
酸化剤ガス配管系3は、燃料電池2に供給される酸化剤ガスが流れる 供給流路11と、燃料電池2から排出された酸化剤ガスオフガスが流れる排出流路12とを有している。供給流路11の下流端は酸化剤ガス流路2aの上流端に連通し、排出流路12の上流端は酸化剤ガス流路2aの下流端に連通している。酸化剤ガスオフガスは、燃料電池2の電池反応により生成された水分を含むため高湿潤状態となっている。
供給流路11には、上流から順番にエアクリーナ13を介して酸化剤ガス(外気)を取り込む圧縮機14と、圧縮機14によって燃料電池2に圧送される酸化剤ガスを加湿する加湿器15と、が設けられている。加湿器15は、供給流路11を流れる低湿潤状態の酸化剤ガスと、排出流路12を流れる高湿潤状態の酸化剤ガスオフガスとの間で水分交換を行い、燃料電池2に供給される酸化剤ガスを適度に加湿する。
排出流路12には、上流から順番に燃料電池2内の酸化剤ガス圧力を検出する圧力センサP1と、燃料電池2に供給される酸化剤ガスの背圧を調圧する調圧弁16と、循環ポンプである主ウォータポンプ42の原動機であって回転軸を有する電動機である駆動用モータM2と出力軸38で連結され酸化剤ガスオフガスがもつエネルギーの一部を動力として回収するための動力回収循環補助手段である風車40と、加湿器15と、が設けられている。
調圧弁16は、例えばステップモータで駆動されるバタフライ弁等で構成され、制御装置7に電気的に接続されている。調圧弁16の弁開度は、制御装置7によって、任意の範囲で調整可能に構成されている。酸化剤ガスオフガスは排出流路12を通過後、排ガスとしてシステム外の大気中に排気される。
風車40は、気密に形成されたケーシング34と、ケーシング34に収容され回転支持されて酸化剤ガスオフガスの流れを受け回転される羽根車である回転翼31と、回転翼31の回転中心に連結される回転軸である出力軸38とから構成される。回転翼31は排出流路12を通って、ケーシング34内に流入する酸化剤ガスオフガスの流速に応じて力を受け出力軸38周りに出力軸38と一体で回転するよう形成される。出力軸38はケーシング34の隔壁を回動可能に気密に貫通される。貫通された出力軸38は延在され、電動機である主ウォータポンプ42の駆動用モータM2の回転軸を構成する。また出力軸38は駆動用モータM2からさらに延在され、冷却水路41に配置される主ウォータポンプ42の後述する羽根車36の回転軸を構成し、風車40は、駆動用モータM2と主ウォータポンプ42とに連結される。これにより風車40を構成する回転翼31の回転による回転エネルギーは駆動用モータM2と主ウォータポンプ42に伝動される。なお、風車40の回転翼31は、主ウォータポンプ42または主ウォータポンプ42の駆動用モータM2と直接連結されなくてもよい。
燃料ガス配管系4は図1乃至図3に示すように、水素供給源21と、水素供給源21から燃料電池2に供給される燃料ガスである水素ガスが流れる供給流路22と、供給流路22に設けられている上流から順番に元弁26と、調圧弁27と、遮断弁28と、燃料電池2の燃料ガス流路2bと、水素オフガスが排出される排出流路23とから構成されている。元弁26を開くことで水素供給源21から供給流路22に流出した水素ガスは、調圧弁27で減圧され、遮断弁28を経て、燃料電池2の燃料ガス流路2bに供給されたのち、未使用の水素ガスは水素オフガス排出流路23を通り、図略の水素希釈器を介して大気に排出される。
冷却水配管系5は、燃料電池2内の冷却流路2cと、冷却流路2cの一端から圧縮機14の駆動用モータM1内の図示しない冷却水経路を経過して冷却流路2cの他端に繋がる冷却水路41と、冷却水路41に配置され冷媒を送出するための主ウォータポンプ42と、燃料電池2から排出される冷媒を冷却するラジエータ43と、ラジエータ43をバイパスするバイパス流路44と、ラジエータ43及びバイパス流路44への冷媒の通流を設定する切替え弁45と、を有している。
冷却水路41は、燃料電池2の冷却流路2cの入口近傍に設けられた温度センサ46と、燃料電池2の冷却流路2cの出口近傍に設けられた温度センサ47と、を有している。温度センサ47が検出する冷媒温度は、燃料電池2の内部温度(以下、燃料電池2の温度という。)を反映する。なお、本実施形態においては冷却水配管系5において、燃料電池2と、酸化剤ガスの圧縮機14の駆動用モータM1とを、冷却水路41内で直列に設けて冷却しているが、ラジエータをもう1つ設け、圧縮機14を駆動するモータM1の専用の冷却用としての冷却水路を冷却水路41とは別に設けてもよい。
循環ポンプである、例えば容積形の回転ポンプである主ウォータポンプ42は、液密に形成されたケーシング35と、ケーシング35に収容され回転支持されて冷媒を送り出すための回転部材である羽根車36と、上述した風車40の羽根車である回転翼31と、羽根車36の回転軸であり回転翼31の出力軸と兼用される出力軸38とによって構成され、主ウォータポンプ42の羽根車36は出力軸38によって連結される例えばDCモータである駆動用モータM2によって回転駆動される。
出力軸38はケーシング35の隔壁を回動可能に液密に貫通されている。駆動用モータM2は制御装置7に電気的に接続されている。主ウォータポンプ42の羽根車36の回転速度は、制御装置7によって駆動用モータM2の回転速度を変えることによって任意に調整可能に構成されている。主ウォータポンプ42は、冷却水路41内の冷媒を、燃料電池2と圧縮機14の駆動用モータM1とラジエータ43との間で循環供給する。
制御装置7は、内部にCPU,ROM,RAMを備えたマイクロコンピュータとして構成される。CPUは、制御プラグラムに従って所望の演算を実行して、運転の制御など、種々の処理や制御を行う。ROMは、CPUで処理する制御プログラムや制御データを記憶する。RAMは、主として制御処理のための各種作業領域として使用される。
制御装置7は、酸化剤ガス配管系3に用いられる圧力センサP1、冷却水系統5に用いられる温度センサ(46,47)、燃料電池システム1が置かれる環境の外気温を検出する外気温センサ51、並びに、車両のアクセル開度を検出するアクセル開度センサ(図略)などの各種センサからの検出信号を入力し、燃料電池システム1の各構成要素(圧縮機14の駆動用モータM1及び主ウォータポンプ42の駆動用モータM2など)に制御信号を出力する。
次に第1の実施形態に係る通常運転時、即ち低負荷運転時におけるシステムの動作について、図1を参照しながら説明する。図1に示すように本燃料電池システム1を用いた車両において、図示しない電源が投入され、運転者が図示しないアクセルを踏むことにより、踏んだアクセル開度が図略のアクセル開度センサによって検出され、検出された値が制御装置7に送信される。
制御装置7は送信された検出データに基づき、燃料電池2での必要な発電量を導出し、導出された発電量に基づいて燃料電池2に供給すべき酸化剤ガスの供給量が導出される。
制御装置7は、導出された必要酸化剤ガス量データに基づき、圧縮機14のモータM1の回転数を制御し、エアクリーナ13を介して必要量の酸化剤ガスを燃料電池2の酸化剤極に供給する。そして酸化剤ガスは加湿器15に導入され加湿されたのち燃料電池2の酸化剤極に供給される。供給流路11を通って、燃料電池2の酸化剤極に供給された酸化剤ガスは水素極に供給された水素と交換膜を介して反応し発電される。
発電される燃料電池2内の温度は、図1に示す冷却水配管系5において、冷媒の流路である冷却水路41の燃料電池2の出口近傍に設けられた温度センサ47によって検出され、検出された信号が制御装置7に送信される。
制御装置7は送信された温度が所定温度(例えば80℃)より低いときは、冷却水路41上に設けられた三方弁である切替え弁45を動作させてラジエータ43を通る通路を遮断してラジエータ43をバイパスするバイパス流路44を開放し冷媒を燃料電池2に流し、循環のみさせる。
燃料電池2で反応され排出される酸化剤ガスオフガスは、燃料電池2内の酸化剤ガス流路2aにおいては排出流路12上に設けられた圧力センサP1で圧力を検出しながら調圧弁16によって、通常運転に応じた比較的低い圧力で制御されている。そして調圧弁16を通過したのち酸化剤ガスオフガスは排出流路12上に設けられた風車40の回転翼31に作用して回転翼31に回転力(回転エネルギー)を付加する。回転翼31の出力軸38は主ウォータポンプ42を駆動させるモータM2の回転軸を構成しているためモータM2は酸化剤ガスオフガスから付与された回転力に相当する分の負荷が低減する。つまり風車40は酸化剤ガスオフガスが持つ運動エネルギーから回転力(回転エネルギー)として動力を回収し、モータM2に与えることになる。
次に例えば車両が急な坂道を登るときなどのように使用頻度が比較的低い高負荷環境で走行を続けた場合、即ち、燃料電池2が高出力発電を行なう場合の第1の実施形態の作動について説明する。車両が高負荷環境で運転を行なうときは、通常運転時に比べ、より多くの酸化剤ガスを燃料電池2に圧送する必要があり、制御装置7によって圧縮機14の回転数を上げて制御を行なう。
制御装置7は、導出された必要酸化剤ガス量データに基づき、圧縮機14の駆動用モータM1の回転数を通常運転時より上げて制御し、エアクリーナ13を介して必要量の酸化剤ガスを燃料電池2の酸化剤極に供給する。圧縮機14から吐出された高圧縮の酸化剤ガスは、通常運転時より高い温度、例えば130℃を超える温度まで上昇する恐れがある。そして圧縮機14から圧送された高温の酸化剤ガスは加湿器15を介して若干降温され、燃料電池2の酸化剤極に導入される。
燃料電池2に導入された高温の酸化剤ガスによって発電される燃料電池2内の温度は、図1に示す冷却水配管系5において、冷媒の流路である冷却水路41の燃料電池2出口近傍に設けられた温度センサ47によって検出され、検出された信号が制御装置7に送信される。
制御装置7は送信された温度が所定温度(例えば80℃)以上になったときには、燃料電池2を冷却する必要があると判定し、冷却水路41上に設けられた三方弁である切替え弁45を動作させてラジエータ43を通る通路を開弁し、ラジエータ43をバイパスするバイパス流路44を遮断する。制御装置7は送信された温度に応じて主ウォータポンプ42に連結される駆動用モータM2の回転数を上げて制御し、冷媒の流速を上げて冷却水路41に流す。昇温された冷媒はラジエータ43によって冷却され循環されて燃料電池2および圧縮機14のモータM1を積極的に冷却する。
このとき燃料電池2で反応され排出される酸化剤ガスオフガスは、燃料電池2内の酸化剤ガス流路2aにおいては調圧弁16によって大出力運転に応じた比較的高い圧力で制御されている。そして酸化剤ガスオフガスは調圧弁16を通過後に減圧され、減圧前の圧力に応じた通常運転時よりも高い流速で排出流路12を通過する。これにより排出流路12上で調圧弁16の下流に設けられた風車40の回転翼31は、高い流速の酸化剤ガスオフガスの流れを受け、酸化剤ガスオフガスの流速に応じた回転力が風車40の回転翼31に与えられる。そして回転翼31の出力軸38と連結される主ウォータポンプ42の駆動用モータM2を回転補助する。風車40の回転翼31の回転によって主ウォータポンプ42の駆動力の一部が担われるため、主ウォータポンプ42は通常より少ない電力で所望の回転数を得ることができる。このようにして酸化剤ガスオフガスから動力が回収され、低電力でも高定格のモータと同等の性能での運転を可能にする。
なお流速が大きくなることによるエネルギーの増加量は流速の3乗に比例するため、酸化剤ガスオフガスの流速が増す高出力運転時は高い効果が期待できる。ここで回収される動力について説明する。燃料電池2が最大出力の発電をする場合に必要な主ウォータポンプ42の最大出力をWmaxとして、酸化剤ガスオフガスから回収できる動力回収エネルギーをWa、主ウォータポンプ42を駆動するモータM2の出力をWmとすると、風車40と主ウォータポンプ42を駆動するモータM2が連結されているため最大出力Wmaxは、下記(数1)式となる。
(数1)
Wmax=Wm+Wa
したがって酸化剤ガスオフガスより得られる動力回収エネルギーWaを必要な最大出力Wmaxより差し引いた出力Wmが発生できるモータM2を備えた主ウォータポンプ42を配置すればよいことになる。
上記の計算に基づいて実際の設計に当てはめてみる。燃料電池車等のように50kW〜100kWの高出力発電の場合には、酸化剤ガスオフガスの動力はおよそ0.5〜1kWであり、それらの約30%を回収すれば、200〜300W程度の動力回収となる。最大出力500Wの主ウォータポンプ42が必要な場合には200〜300Wのモータ出力で済み、主ウォータポンプ42を小型化できる。
なお、第1の実施形態においては、動力回収循環補助手段である風車40を排出流路12上において調圧弁16の下流側に配置したが、調圧弁16の上流側に配置してもよい。この場合、それぞれの配置位置においての酸化剤ガスオフガスの流速は異なるため、所望の回転数が得られる位置に配置してやればよい。
また、第1の実施形態においては、主ウォータポンプ42と風車40との間に駆動用モータM2を配置したが、これに限らず、主ウォータポンプ42と風車40とを連結し、主ウォータポンプ42を中心として風車40の対向側に駆動用モータM2を連結してもよい。これによっても第1の実施形態と同様の効果が得られる。
さらに、第1の実施形態においては、主ウォータポンプ42は容積形の回転ポンプとし羽根車36によって構成したが、これに限らず歯車を利用したギヤポンプや可動式のベーン(翼)を利用したベーンポンプを用いてもよい。また回転ポンプに限らず往復動によるポンプである、例えばピストンポンプ、プランジャポンプまたはダイアフラムポンプを用いてもよく、その際は、風車40の羽根車である回転翼31の回転運動を往復運動に変換して各ポンプと連結してやればよい。
また、駆動用モータM2は本実施形態のようにDCモータとは限らず、ACモータや、ステッピングモータ等を用いてもよい。
上述の説明から明らかなように第1の実施形態においては、動力回収循環補助手段として、酸化剤ガスオフガスの排出流路12上に風車40を備えた。これによりシステム上使用頻度の低い最大出力時には、動力回収循環補助手段で回収した動力を主ウォータポンプ42に付加し補助することによって賄うことができるため、主ウォータポンプ42は使用頻度の高い低出力時にあわせた低定格で構成することが可能となり、小型、低コスト化を図ることができる。また小型化できるため、燃料電池周辺に自在に配置が可能である。よってシステムが簡素化され、動力回収のための配管スペースも簡素化されるためシステムの小型化、低コスト化を図ることができる。
また第1の実施形態においては、動力回収循環補助手段として、比較的回転速度がモータM2の回転と近似する風車40によって動力回収を行なう。これにより主ウォータポンプ42を駆動する駆動モータM2の回転制御に対して影響を及ぼす恐れがないため駆動モータM2と風車40を出力軸38で直結することが可能である。よって主ウォータポンプ42と駆動モータM2との間に減速機や、クラッチ等を設ける必要がないので簡素な構成とすることができ、コスト低減を図ることができる。ただし仕様によっては出力軸38の中間にクラッチ機構を設け、所望のときだけ連結する断続制御を行なってもよい。
次に本発明に係る第2の実施形態について図2に基づき説明する。第2の実施形態は、動力回収循環補助手段が酸化剤ガスオフガスの流れを利用して駆動される風車40によって構成された第1の実施形態に対し、酸化剤ガスオフガスの圧力を利用して駆動され高速で回転されるタービン50で構成される点が異なる。
第2の実施形態においては、排出流路12を流通する酸化剤ガスオフガスの圧力エネルギーがタービン50内で速度エネルギーに変換され、変換された速度エネルギーがタービン50の羽根車であるタービン翼32に作用しタービン翼32を回転させ回転エネルギーとして動力回収するものである。以上の点が第1の実施形態との相違点であり、その他は第1の実施形態と同様であるため、同一部品については同一符号を付し説明は省略する。また作用についても同様部分についての説明は省略し変更点のみ説明する。
第2の実施形態においては、排出流路12には、上流から順番に燃料電池2内の酸化剤ガス圧力を検出する圧力センサP1と、動力回収循環補助手段であるタービン50と、燃料電池2に供給される酸化剤ガスの背圧を調圧する調圧弁16と、加湿器15と、が設けられている。
タービン50は気密に形成されたケーシング49と、ケーシング49に収容され、回転支持され酸化剤ガスオフガスの圧力により回転される羽根車であるタービン翼32と、タービン翼32の回転中心と連結される回転軸である出力軸56aとによって構成されている。タービン翼32の出力軸56aは、ケーシング49の隔壁を回動可能に気密に貫通され、減速機30の入力側30aと連結されている。なお、減速機30は、高速回転が可能であるタービン翼32の回転数が駆動用モータM3の最高回転数を超え、制御に影響を与える恐れがあるため配置するものであり、その恐れがないよう構成すれば設けなくてもよい。
第1の実施形態と同様の構成の循環ポンプである主ウォータポンプ52は、液密に形成されたケーシング63と、ケーシング63に収容され回転支持される冷媒を送り出すための回転部材である羽根車64と、羽根車64の回転中心に連結される回転軸である出力軸56bとによって構成されている。羽根車64の出力軸56bはケーシング63の隔壁を回動可能に液密に貫通され、延在されて減速機30の出力側30bに連結されている。
主ウォータポンプ52を駆動するための原動機であって回転軸を有する電動機である駆動モータM3は主ウォータポンプ52をはさんで減速機30と対向側に配置され、出力軸56a、56bと同軸である回転軸60によって主ウォータポンプ52と液密に連結されている。これによりタービン50を構成する羽根車であるタービン翼32の回転による回転エネルギーは駆動用モータM3と主ウォータポンプ52に減速機30を介して伝動される。
次に例えば車両が急な坂道を登るときなどのように使用頻度が比較的低い高負荷環境で走行を続けた場合、即ち、燃料電池2が高出力発電を行なう場合の第2の実施形態の作動について説明する。第1の実施形態と同様に、高負荷環境においては、検出された燃料電池2の温度が所定温度(例えば80℃)以上になったときには、制御装置7は、燃料電池2を冷却する必要があると判定する。そして制御装置7は冷却水路41上に設けられた三方弁である切替え弁45を動作させてラジエータ43を通る通路を開弁し、ラジエータ43をバイパスするバイパス流路44を遮断する。制御装置7は送信された温度に応じて主ウォータポンプ52の回転数を上げて制御し、冷媒の流速を上げて流して、ラジエータ43によって冷却された大流量の冷媒によって燃料電池2および圧縮機14のモータM1を積極的に冷却する。
このとき燃料電池2で反応され排出された酸化剤ガスオフガスは、大出力運転に応じた高い圧力で排出流路12においてタービン50の下流側に設けられた調圧弁16によって制御されている。これによりタービン50は酸化剤ガスオフガスの高い圧力を受け出力軸56a周りにタービン翼32が高速回転される。高速回転された出力軸56aは減速機30によって減速されて出力軸56bに出力され、主ウォータポンプ52の羽根車64に回転力を付加させる。これにより主ウォータポンプ52をはさんで減速機30と対向側に配置される主ウォータポンプ52の駆動用モータM3を回転補助し負荷を軽減する。タービン50のタービン翼32の回転によって主ウォータポンプ52の駆動力の一部が担われるため、主ウォータポンプ52は通常より少ない電力で所望の回転数を得ることができる。このようにして酸化剤ガスオフガスから動力が回収され、低電力でも高定格のモータと同等の性能での運転を可能にする。
なお、第2の実施形態においては、動力回収循環補助手段であるタービン50を排出流路12上において調圧弁16の上流側に配置したが、調圧弁16の下流側に配置してもよい。この場合、それぞれの配置位置においての酸化剤ガスオフガスの圧力が異なり、それによってタービン翼32の回転数も異なるため所望の回転数が得られるいずれかの位置に配置してやればよい。
また、第2の実施形態においては、第1の実施形態と同様に主ウォータポンプ52には容積形の回転ポンプではなく歯車を利用したギヤポンプや可動式のベーン(翼)を利用したベーンポンプを用いてもよい。また回転ポンプに限らず往復動によるポンプ、例えばピストンポンプ、プランジャポンプまたはダイアフラムポンプを用いてもよく、その際は、タービン50の羽根車であるタービン翼32の回転運動を往復運動に変換して各ポンプと連結してやればよい。
さらに駆動用モータM3はDCモータとは限らず、ACモータや、ステッピングモータ等を用いてもよい。
上述の説明から明らかなように第2の実施形態においては、動力回収循環補助手段として、酸化剤ガスオフガスの排出流路12上に高速回転可能なタービン50を備えた。これにより、より高効率に動力の回収が可能となる。そしてシステム上使用頻度の低い最大出力時には、動力回収循環補助手段で回収した動力を主ウォータポンプ52に付加して補助することによって賄うことができるため、主ウォータポンプ52の駆動用モータM3は使用頻度の高い低出力時にあわせた低定格で構成することが可能となり、小型、低コスト化を図ることができる。また小型化できるため、燃料電池周辺に自在に配置が可能である。よってシステムが簡素化され、動力回収のための配管スペースも簡素化されシステムの小型化、低コスト化を図ることができる。
次に本発明に係る第3の実施形態について図3に基づき説明する。第3の実施形態においては、動力回収循環補助手段は、排出流路12上に配置された風車59と、冷却水路41上に配置された補助循環ポンプである補助ウォータポンプ58とが回転軸である出力軸61で連結され構成されて、循環ポンプである主ウォータポンプ53とは別体で設けられる。冷却水路41において動力回収循環補助手段を構成する補助ウォータポンプ58は、例えばDCモータである駆動用モータM4によって駆動される主ウォータポンプ53と、直列または並列に並んで配置されている。なお主ウォータポンプ53は第1の実施形態における主ウォータポンプ42と同様の構造であり冷媒を送り出すための図略の羽根車によって構成される。以上の点が第1の実施形態との相違点であり、その他は第1の実施形態と同様であるため、同一部品については同一符号を付し説明は省略する。また作用についても同様部分についての説明は省略する。
第3の実施形態においては、排出流路12には、上流から順番に燃料電池2内の酸化剤ガス圧力を検出する圧力センサP1と、燃料電池2に供給される酸化剤ガスの背圧を調圧する調圧弁16と、動力回収循環補助手段を構成する風車59と、加湿器15と、が設けられている。
風車59は、気密に形成されたケーシング65と、ケーシング65に収容され回転支持される羽根車である回転翼33と、回転翼33の回転中心に固定された回転軸である出力軸61とによって構成される。出力軸61は延在され冷却水路41上に配置された補助循環ポンプである補助ウォータポンプ58と連結されている。
補助ウォータポンプ58は液密に形成されたケーシング68と、ケーシング68に収容され回転支持される冷媒を送り出すための回転部材である羽根車67と、によって構成され、羽根車67の回転中心と風車59の出力軸61とが連結されている。つまり出力軸61は一端が風車59のケーシング65の隔壁を回動可能に気密に貫通され回転翼33と連結され、他端が補助ウォータポンプ58のケーシング68の隔壁を回動可能に液密に貫通され羽根車67と連結されている。これにより風車59を構成する羽根車である回転翼33の回転による回転エネルギーは補助ウォータポンプ58の羽根車67に伝動する。なお、風車59の回転翼33は、補助ウォータポンプ58の羽根車67と直接連結されなくてもよい。
次に燃料電池2が高出力発電を行なう場合の第3の実施形態の作動について説明する。第1、第2の実施形態と同様に、高負荷環境においては、制御装置7は検出された燃料電池2の温度が所定温度(例えば80℃)以上になったときには、燃料電池2を冷却する必要があると判定する。そして制御装置7は冷却水路41上に設けられた三方弁である切替え弁45を動作させてラジエータ43を通る通路を開弁し、ラジエータ43をバイパスするバイパス流路44を遮断する。制御装置7は送信された温度に応じて主ウォータポンプ53に連結される駆動用モータM4の回転数を上げて制御し、冷媒の流速を上げて冷却水路41に流す。大流量の昇温された冷媒はラジエータ43によって冷却され循環されて燃料電池2および圧縮機14のモータM1を積極的に冷却する。
このとき燃料電池2で反応され排出される酸化剤ガスオフガスは、燃料電池2内の酸化剤ガス流路2aにおいては調圧弁16によって大出力運転に応じた比較的高い圧力で制御されている。そして酸化剤ガスオフガスは調圧弁16を通過後に減圧され、減圧前の圧力に応じた通常運転時よりも高い流速で排出流路12を通過する。これにより排出流路12上の調圧弁16の下流に設けられた風車59の回転翼33は、高い流速の酸化剤ガスオフガスの流れを受け、酸化剤ガスオフガスの流速に応じた低負荷運転時に比べて高い回転数で回転されて風車59の出力軸61と連結される補助ウォータポンプ58の羽根車67を回転させ冷媒を送出し循環する。従って、運転時の負荷状況に応じて羽根車67の回転数は変化し、負荷が大きくなるほど回転数は増加して冷媒の循環を促進する。これによって冷却水路41において補助ウォータポンプ58と直列または並列に配置された主ウォータポンプ53の冷媒の循環を補助する。風車59の回転翼33の回転によって主ウォータポンプ53の駆動力の一部が担われるため、主ウォータポンプ53は通常より少ない電力で所望の回転数を得ることができる。このようにして酸化剤ガスオフガスから動力が回収され、低電力でも高定格のモータと同等の性能での運転を可能にする。
なお、第3の実施形態においては、動力回収循環補助手段である風車59を排出流路12上において調圧弁16の下流側に配置したが、調圧弁16の上流側に配置してもよい。この場合、それぞれの配置位置においての酸化剤ガスオフガスの流速が異なるため、所望の回転数が得られるいずれかの位置に配置してやればよい。
また、第3の実施形態においては、動力回収循環補助手段として風車59を備えたが、これに限らず補助ウォータポンプ58との間に減速機を介してタービン50を備えてもよい。これにより、より高効率に動力の回収ができ一層の主ウォータポンプ53の小型化が図られる。
さらに、第3の実施形態においては、補助ウォータポンプ58は容積形の回転ポンプとし羽根車67によって構成したが、これに限らず歯車を利用したギヤポンプや可動式のベーン(翼)を利用したベーンポンプを用いてもよい。また回転ポンプに限らず往復動によるポンプである、例えばピストンポンプ、プランジャポンプまたはダイアフラムポンプを用いてもよく、その際は、風車59の羽根車である回転翼33の回転運動を往復運動に変換して各ポンプと連結してやればよい。
また主ウォータポンプ53も補助ウォータポンプ58と同様にギヤポンプやベーンポンプ等を用いてもよい。
上述の説明から明らかなように第3の実施形態においては、動力回収循環補助手段として主ウォータポンプ53とは別体で酸化剤ガスオフガスの排出流路12上に風車59を設けた。このように風車59で回収した動力を用いて風車59に回転連結される補助ウォータポンプ58を回転させ冷媒を循環させ、循環させる動力を負担することで、主ウォータポンプ53の負荷を軽減し動力を回収した。これによりシステム上使用頻度の低い最大出力時には、動力回収循環補助手段で回収した動力を主ウォータポンプ53に付加することによって賄うことができるため、主ウォータポンプ53は使用頻度の高い低出力時にあわせた低定格で構成することが可能となり、小型、低コスト化を図ることができる。また小型化できるため、燃料電池周辺に自在に配置が可能である。よってシステムが簡素化され、動力回収のための配管スペースも簡素化されシステムの小型化、低コスト化を図ることができる。
また、第3の実施形態においては、動力回収循環補助手段を、主ウォータポンプ53と別体にて設けたことにより動力回収循環補助手段と主ウォータポンプ53との間には複雑な接続機構や減速装置を設ける必要が無く低コストな構成とすることができる。また主ウォータポンプ53を自在に配置することができ、搭載設計の自由度が増すため、システムの低コスト化にも寄与する。
なお、第1乃至第3の実施形態においては冷媒として水を使用したが、これに限らずシリコンオイルなどのオイル等を使用してもよい。
また、第1乃至第3の実施形態においては各主ウォータポンプ42、52、53を駆動する原動機として回転軸を有する電動機である各駆動モータM2、M3、M4を用いた。しかし、これに限らず圧縮空気を利用し回転駆動する空気エンジンや、油圧を利用し回転駆動する油圧モータ等を用いてもよく、第1乃至第3の実施形態と同様の効果が期待できる。
第1の実施形態にかかる燃料電池システムの構成図である。 第2の実施形態にかかる燃料電池システムの構成図である。 第3の実施形態にかかる燃料電池システムの構成図である。
符号の説明
1…燃料電池システム、2…燃料電池、3…酸化剤ガス配管系、4…燃
料ガス配管系、5…冷却水配管系、7…制御装置、11…供給流路、12…排出流路、14…圧縮機、15…加湿器、16…調圧弁、30…減速機、31…回転翼、32…タービン翼、33…回転翼、40…風車、41…冷却水路、42、52、53…主ウォータポンプ(循環ポンプ)、43…ラジエータ、46…温度センサ、47…温度センサ、50…タービン、58…補助ウォータポンプ(補助循環ポンプ)、59…風車、M1…圧縮機の駆動モータ、M2、M3、M4…主ウォータポンプのモータ。

Claims (7)

  1. 燃料極に燃料ガスを供給し、酸化剤極に酸化剤ガスを供給することによって発電する燃料電池と、
    前記燃料電池に供給される酸化剤ガスが流れる供給流路と、
    前記燃料電池から排出される酸化剤ガスオフガスが流れる排出流路と、
    前記燃料電池を冷却するために冷媒が流れる冷却水路と、
    前記冷却水路に設けられ、前記冷媒を循環させるための原動機により駆動される循環ポンプと、を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記排出流路上に設けられ前記酸化剤ガスオフガスがもつエネルギーを動力として回収し、前記循環ポンプによる前記冷却水路内での冷媒の循環を補助する動力回収循環補助手段を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、前記動力回収循環補助手段は、前記酸化剤ガスオフガスにより回転する羽根車を有し、前記羽根車の回転による回転エネルギーが前記循環ポンプまたは前記原動機に伝動されることを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、前記循環ポンプは前記冷媒を送り出す回転部材を有し、前記羽根車の回転する出力軸が前記循環ポンプの回転部材の回転軸に連結されていることを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、前記原動機が回転軸を有する電動機であり、前記羽根車の回転する出力軸が前記電動機の前記回転軸に連結されていることを特徴とする燃料電池システム。
  5. 請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、前記動力回収循環補助手段が前記酸化剤ガスオフガスの流れによ
    り回転する風車で構成されていることを特徴とする燃料電池システム。
  6. 請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、前記動力回収循環補助手段が、前記酸化剤ガスオフガスの圧力により回転するタービンで構成されていることを特徴とする燃料電池システム。
  7. 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、前記冷却水路に前記循環ポンプと直列または並列に補助循環ポンプを配置し、前記補助循環ポンプが前記動力回収循環補助手段を備えることを特徴とする燃料電池システム。
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