JP2005155212A - 長繊維補強材緊張システム - Google Patents

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晴樹 秋山
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Abstract

【課題】 建築物の柱や橋脚をするために既存のコンクリート構造体に外側から巻き付けて耐震補強し、PCや構造材同士を接合する部材として用いられる長繊維補強材に有効に適用できる緊張システムを提供する。
【解決手段】 複数の柔軟性長繊維を束ねて成る芯材とこの芯材を被覆して保護する浸透性外皮材から成る長繊維補強材1の一端を構造材11の一方側に固定12し、構造材11を貫通させた長繊維補強材1の他端を構造材の他方側に設置した逆転防止ラチェット14−2を備えたローラ14−1に定着して、長繊維補強材を該ローラで緊張定着させて、長繊維補強材の施工操作を容易にしてプレテンション方式もしくはポストテンション方式のいずれにも確実に対応できるPCを提供している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、長繊維補強材緊張システムに関し、特に、合成樹脂を含浸せずに柔軟性を備えて成る長繊維補強材を有効利に緊張させる長繊維補強材緊張システムに関する。
従来のコンクリート構造体等に適用している長繊維補強材は、合成樹脂を含浸してFRP化するために工場等で所定の形状に予め曲げたものを硬化する必要があり、施工現場で微調整を必要とする場合には、状況に合わせた形態に簡単には曲げられないために調節に手間が係りその施工が容易でなかった。しかして、一般的なFRP補強材は、大部分の繊維を軸方向に引き揃えているので、軸方向の強度は非常に高いが、局部的な支圧応力等の横方向の力に対しては極めて弱いという欠点があった。
一方、長繊維補強材を従来のプレストレストコンクリート(以下、PCと称する)やグラウンドアンカー等に緊張材として使用する場合には、複数の柔軟性長繊維を合成樹脂に含浸しながら、より線状、組紐状、板状等に成形硬化してFRP化しているが、やはり合成樹脂で固められていることから、鋼材のように容易に曲げることが困難であるために、建築物の柱や橋脚の耐震補強に際して、既存のコンクリート構造体を外側から巻き付けたり、プレキャストコンクリート(以下、PCaと称する)や構造材同士を接合する部材として用いることは不可能であった。
又、現場に運搬する場合においても、そのままの形状もしくは非常に大きな直径で巻きながら運搬する必要があるために、表面化しないがその不便さにおいて大きな問題であった。
そこで、これらの問題点を改良するとして、施工現場における主筋や緊張材等との相対位置を微調整できるようにする提案がされているが、本提案は、常温では硬化しない樹脂を予め長繊維強化材に含浸させ、この樹脂を増粘することで取扱いを容易にしながら、紐状もしくは帯状に形成したプリプレグ状態の未硬化FRPを用意するものであって、この未硬化FRPを剪断補強筋として複数の主筋の周囲に配設した後に、加熱、紫外線照射もしくは通電等によって未硬化FRPを硬化させるものである。(例えば、特許文献1を参照)
しかしながら、このようにプリプレグ状態の未硬化FRPを構成するためには、長尺の強化用繊維束を流動状態にある樹脂中に浸して強化用繊維束に樹脂をしみ込ませるものであるために、含浸させる樹脂は、現場での施工作業に適合させるように、樹脂に硬化剤や硬化助剤、増粘剤等を適宜添加して硬化条件や粘度を調整すると共に、未硬化の剪断補強筋を加熱、又は化学反応によって増粘させながら硬化状態を調節して柔軟性を持たせる必要があった。
加えて、硬化しない樹脂を予め含浸させた長繊維強化材にしても、特殊な形状の鋼製のくさびを使用する方法や合成樹脂、無収縮モルタル、膨張材等を定着具内に充填する等のFRP補強材を緊張することができる特殊な定着具を必要としていたが、長繊維強化材を相互に結合させたり、緊張させた状態で定着させることの問題点がいまだに解決されていないので、長繊維強化材に対する有効な緊張システムの出現が嘱望されていた。
特開2000−43043号公報(段落符号「0021」〜「0022」末行、図1〜3)
本発明は、従来の長繊維補強材が抱えている問題点に鑑みて、建築物の柱や橋脚を耐震補強するために既存のコンクリート構造体に外側から巻き付けたり、PCや構造材同士を接合する部材として用いられる長繊維補強材に有効に適用できる緊張システムを提案するものであり、従来と全く異なる技術思想に基づいて合成樹脂を含浸させない柔軟性長繊維材を以って構成しながらこれを確実に緊張定着できる長繊維補強材緊張システムを提供している。
請求項1に記載の発明である長繊維補強材緊張システムは、複数の柔軟性長繊維を束ねて成る芯材とこの芯材を被覆して保護する浸透性外皮材から成る長繊維補強材の一端を構造材の一方側に固定し、構造材を貫通させた長繊維補強材の他端を構造材の他方側に設置した緊張定着装置に定着して、長繊維補強材を緊張定着装置で緊張定着させており、長繊維補強材の施工操作を容易にしてプレテンション方式もしくはポストテンション方式のいずれにも確実に対応できるPCを提供している。
請求項2に記載の発明である長繊維補強材緊張システムは、複数の柔軟性長繊維を束ねて成る芯材とこの芯材を被覆して保護する浸透性外皮材から成る長繊維補強材の折り重ね開放端をコンクリート構造材の削孔に定着し、コンクリート構造材の表面に重ねて配置したコンクリートブロックの貫通孔に長繊維補強材の折り曲げ端を挿通させ、折り曲げ端とコンクリートブロック表面との間に伸長装置を配置して長繊維補強材を緊張定着させており、既設コンクリート部材の側面等に接合するコンクリートブロックの緊張材として提供できる。
請求項3に記載の発明である長繊維補強材緊張システムは、地盤の穿孔端に挿置された剛性シースに収納の複数の柔軟性長繊維を束ねて成る芯材とこの芯材を被覆して保護する浸透性外皮材から成る長繊維補強材と長繊維補強材の端部に形成されて穿孔端に固定される保持ブロック及び長繊維補強材の他端を把持して長繊維補強材を緊張定着させる緊張定着装置から構成されており、地盤等に対するグラウンドアンカーとして提供できる。
請求項4に記載の発明である長繊維補強材緊張システムは、既設コンクリート構造材の周囲に複数の柔軟性長繊維を束ねて成る芯材と該芯材を被覆して保護する浸透性外皮材から成る長繊維補強材を螺旋状に巻き付けて両側端に緊張定着させる既設コンクリート構造材の長繊維補強材緊張システムにおいて、長繊維補強材を相互に重畳させる長繊維補強材の接続端及び該接続端の間に配置される接続具から構成され、長繊維補強材同士を接続させて一本の長繊維補強材として緊張定着させる建築物の柱や橋脚に対する接続された長繊維補強材による耐震補強を提供できる。
請求項1に記載の長繊維補強材緊張システムは、複数の柔軟性長繊維を束ねて成る芯材とこの芯材を被覆して保護する浸透性外皮材から成る長繊維補強材の一端を構造材の一方側に固定し、構造材を貫通させた長繊維補強材の他端を構造材の他方側に設置した緊張定着装置に定着して、長繊維補強材を緊張定着装置で緊張定着させているので、長繊維補強材の施工操作を容易にしてプレテンション方式もしくはポストテンション方式のいずれにも確実に対応できるPCを提供できる効果を奏している。
請求項2に記載の長繊維補強材緊張システムは、複数の柔軟性長繊維を束ねて成る芯材とこの芯材を被覆して保護する浸透性外皮材から成る長繊維補強材の折り重ね開放端をコンクリート構造材の削孔に定着し、コンクリート構造材の表面に重ねて配置したコンクリートブロックの貫通孔に長繊維補強材の折り曲げ端を挿通させ、折り曲げ端とコンクリートブロック表面との間に伸長装置を配置して長繊維補強材を緊張定着させているので、既設コンクリート部材の側面等に接合するコンクリートブロックの緊張材として提供できる効果を奏している。
請求項3に記載の長繊維補強材緊張システムは、地盤の穿孔端に挿置された剛性シースに収納の複数の柔軟性長繊維を束ねて成る芯材とこの芯材を被覆して保護する浸透性外皮材から成る長繊維補強材と長繊維補強材の端部に形成されて穿孔端に固定される保持ブロック及び長繊維補強材の他端を把持して長繊維補強材を緊張定着させる緊張定着装置から構成されているので、地盤等に対するグラウンドアンカーとして提供できる効果を奏している。
請求項4に記載の長繊維補強材緊張システムは、既設コンクリート構造材の周囲に複数の柔軟性長繊維を束ねて成る芯材と該芯材を被覆して保護する浸透性外皮材から成る長繊維補強材を螺旋状に巻き付けて両側端に緊張定着させる既設コンクリート構造材の長繊維補強材緊張システムにおいて、長繊維補強材を相互に重畳させる長繊維補強材の接続端及び接続端の間に配置される接続具から構成されているので、長繊維補強材同士を接続させて一本の長繊維補強材として緊張定着させる建築物の柱や橋脚に対する長繊維補強材による耐震補強を提供できる効果を奏している。
本発明による長繊維補強材緊張システムは、複数の柔軟性長繊維を束ねて成る芯材とこの芯材を被覆して保護する浸透性外皮材から成る長繊維補強材を適宜に活用することによって、従来と全く異なる技術思想に基づいた各種用途の緊張システムを提供するものであり、夫々の用途に対応した機能を発揮させて確実に緊張定着させている。
ところで、本発明による長繊維補強材緊張システムに用いる長繊維補強材は、発明者等が既に提案している「コンクリート構造材用長繊維材」(特願2003−209227号)を適用しているものであることから、以下に、長繊維補強材緊張システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明に用いる長繊維補強材1は、図8(a)の斜視図で示すように、複数の柔軟性長繊維2を束ねて、紐状、より線状もしくは帯状に組成して成る芯材3とこの芯材3を被覆して保護する浸透性外皮材4から成る長繊維補強材1及び図8(b)のように、芯材3を浸透性外皮材4と遮水性シール材6とで被覆保護して成る長繊維補強材5で構成されている。
柔軟性長繊維2としては、ガラス繊維,アルミナ繊維等のセラミックス繊維、金属繊維,カ−ボン繊維及びアラミド繊維、ビニロン繊維等の有機繊維等から選択することが可能であり、カーボン繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等が特に好ましく、夫々の繊維を単独または2種以上に組み合わせてハイブリッド強化材として使用することもできる。
柔軟性長繊維2の応力一ひずみ特性は、長繊維補強材2が破断に至るまではほぼ直線であって、破断するまでのひずみは、鉄筋の降伏ひずみよりもはるかに大きい値を発揮しており、ガラス繊維やアラミド繊維の場合は、鉄筋よりかなり小さいヤング係数を備えている。
浸透性外皮材4は、上記柔軟性長繊維2を織布として編み上げ耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性及び耐候性を確保することで構成できる。又、柔軟性長繊維2の織布は、コンクリートが中部に浸透硬化することで織布を所定の位置に固定することを可能にしている。
又、遮水性シール材6は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の耐アルカリ性に優れた柔軟性樹脂が好ましく、これらの柔軟性樹脂中から適宜に選択することが可能であり、浸透性外皮材4を通じて浸透してくるコンクリートから芯材3を保護することでアンボンド状態を形成する機能を有している。
即ち、長繊維補強材5の場合は、コンクリートが浸透性外皮材4の中に浸透しながら硬化して柔軟性長繊維2の織布を所定の位置に固定したとしても、芯材3は、その伸縮作動を自由にしているから、加えられる応力に何らの拘束を受けること無く対応できるからである。
以上のように、本発明に用いる長繊維補強材は、コンクリート構造材等に有効利に適用することで、PCもしくはPCa構造材間を相互に連結する部材として多様性に対して容易に適応できるものであり、施工上の取扱を容易かつ確実にすると共に、施工後のコンクリートにひび割れが生じても浸入水による腐食や強度劣化を回避する機能も発揮するものである。
次に、上述した長繊維補強材を有効利に適用している本発明の長繊維補強材緊張システムについて説明する。
本発明による長繊維補強材緊張システムの第1は、複数の柔軟性長繊維を束ねて成る芯材とこの芯材を被覆して保護する浸透性外皮材から成る長繊維補強材の一端を構造材の一方側に固定し、構造材を貫通させた長繊維補強材の他端を構造材の他方側に設置した緊張定着装置に定着して、長繊維補強材を緊張定着装置で緊張定着させており、長繊維補強材の施工操作を容易にしてプレテンション方式もしくはポストテンション方式のいずれにも確実に対応できるPCを提供している。
以下に、本発明による第1の長繊維補強材緊張システムに関する実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、PCの実施の形態を概略的に示す側面図であり、PC10は、コンクリート構造体11の一方端に設置される長繊維補強材1、5の固定部12と他方端に定着板13に配置されている緊張定着装置14とから構成されており、緊張定着装置14によって長繊維補強材1に緊張力を付与している。
本実施の形態での長繊維補強材1、5の固定部12は、長繊維補強材1が従来例のように合成樹脂を含浸してFRP化していないことで柔軟に対処できることが可能なので、長繊維補強材1を一般的にスナグヒッチ結びと称される手法によって定着具12-1に固着することで構成されている。
長繊維補強材1の場合には、コンクリートが浸透性外皮材4を通じて芯材3の内部まで浸透することになり、芯材3とコンクリートとの付着が確保されることからプレテンション方式のPC構造材に適用することが最適である。一方、長繊維補強材5の場合には、遮水性シール材6が浸透性外皮材4を通じて浸透してくるコンクリートから芯材3が保護されることになるので、アンボンド状態を形成する機能を発揮することになり、ボストテンション方式の場合においては従来のようにダクトを形成するシースが不要になるので、この点においても効果的である。
又、緊張定着装置14は、図示のように長繊維補強材1、5を巻き付けるローラー14−1とローラー14−1が回転方向から逆転しないように配置されるラチェット14−2とから構成されている。
緊張定着装置14の操作は、長繊維補強材1、5をローラー14−1に巻き付けることで開始されるが、この際には、浸透性外皮材4と遮水性シール材6を剥がした芯材3の先端をローラーに引掛けるもので、長繊維補強材1、5は、ローラーの表面に2周以上巻き付けることによって長繊維補強材同士を互いに締め付け合わせながら摩擦力を生じさせるものであって、引張力が作用しても抜け出さないように固定されている。
ローラー14−1の回転は、高カボルトを締め付ける際に使用するレンチ等を利用するもので、長繊維補強材に導入する緊張力は、レンチ等のトルクによって管理できるものであり、長繊維補強材1、5を緊張した後は、所定の緊張力を維持できるようにローラー14−1の逆回転をラチェット14−2によって防止している。そして、緊張定着装置14は、導入した緊張力が低下した場合にも容易に再緊張させることが可能である。
尚、緊張定着装置14は、1個のローラーに複数本の長繊維補強材を巻き付けることも可能であり、ローラーを複数個設けることによってマルチ型に構成することも出来るものである。
上記実施の形態では、長繊維補強材1、5を単線で使用する場合について説明したが、長繊維補強材1、5を折り重ねる復線で使用する場合には、上記と異なる緊張定着装置を適用することができる。
図2は、この場合の実施の形態図であり、長繊維補強材1、5は、その折り曲げ端15を半円形のアダプター16に引掛けている。長繊維補強材の緊張は、アダプター16と定着板17との間に配置されるジャッキ等の牽引装置18を用いることで引張るものであり、長繊維補強材1、5を安定的に緊張させることが可能である。
そして、長繊維補強材1、5を緊張させた後は、アダプター16と定着板17の間に鋼材等を挟み込むことで、アダプター16が元に戻らないように確保しており、しかる後に牽引装置18を緩めることで長繊維補強材1、5から撤去している。
尚、牽引装置18としては、通常の油圧式ジャッキやパンタグラフ式のようなメカニカルジャッキも使用可能であり、特に、安価なメカニカルジャッキの場合には、そのまま定着具として使用することもできるものであり、鋼材等を省略して使用部材の数を減少させることが出来る。
本発明による長繊維補強材緊張システムの第2は、複数の柔軟性長繊維を束ねて成る芯材とこの芯材を被覆して保護する浸透性外皮材から成る長繊維補強材の折り重ね開放端をコンクリート構造材の削孔に定着し、コンクリート構造材の表面に重ねて配置したコンクリートブロックの貫通孔に長繊維補強材の折り曲げ端を挿通させ、折り曲げ端とコンクリートブロック表面との間に伸長装置を配置して長繊維補強材を緊張定着させているので、既設コンクリート部材の側面等に接合するコンクリートブロックの緊張材として提供している。
以下に、本発明による第2の長繊維補強材緊張システムに関する実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図3は、既設コンクリート部材の側面等に接合するコンクリートブロックの実施の形態を概略的に示す側面図であり、長繊維補強材1、5の折り重ね開放端19を既設コンクリート部材20の削孔21にグラウト22を注入して定着している。この際には、折り重ね開放端19側の長繊維補強材1、5から浸透性外皮材と遮水性シール材を剥がしており、芯材3とグラウトとの付着が低下しないように構成している。
コンクリートブロック23は、適宜の形態で製作可能であるが、本実施の形態では、既設コンクリート部材20の側面に型枠を組むことによって製造している。この場合には、長繊維補強材1、5をブロック用型枠の外部にまで配筋した状態で、ブロック用のコンクリートを打設している。次いで、所定の養生の下にコンクリートが硬化した後に、長繊維補強材1、5を緊張させるポストテンション方式でコンクリートブロック23を定着している。
長繊維補強材1、5の緊張は、長繊維補強材1、5の折り曲げ端24とコンクリートブロック表面25との間に伸長装置等を配置することで図2の実施の形態と同様に行われるものであり、緊張させた後に定着具26によってコンクリートブロックの表面25に長繊維補強材1、5を定着させている。
定着具26の詳細を図4に示している。本実施の形態における定着具26は、ソケット27と楔28とから構成されており、図4(a)のように定着板29の上に設置されたソケット27に挿通させた長繊維補強材1、5の折り曲げ端24側の間に楔28を押し込んで長繊維補強材1、5を固定させている。又、本実施の形態では、ソケット27には楔状の溝30が形成されており、楔28の両側を図4(b)に示すように長繊維補強材1、5の形状に合わせる半円形28−1に加工されているので、長繊維補強材1、5と楔28との係合状態は緊密度を高めている。
本発明による長繊維補強材緊張システムの第3は、地盤の穿孔端に挿置された剛性シースに収納の複数の柔軟性長繊維を束ねて成る芯材とこの芯材を被覆して保護する浸透性外皮材から成る長繊維補強材と長繊維補強材の端部に形成されて穿孔端に固定される保持ブロック及び長繊維補強材の他端を把持して長繊維補強材を緊張定着させる緊張定着装置から構成されており、地盤等に対するグラウンドアンカーとして提供している。
以下に、本発明による第3の長繊維補強材緊張システムに関する実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図5は、地盤の穿孔端に挿置されたグラウンドアンカーの実施の形態を概略的に示す縦断面図(a)と縦断面図(a)を(b)−(b)矢視した横断面図(b)である。
図5(a)に示すように複数本の長繊維補強材1、5は、地盤31の穿孔端32に挿置された剛性シース33に収納されており、長繊維補強材1、5の端部には、保持ブロック34が形成されて穿孔端32に固定されている。又、長繊維補強材1、5の他端は、定着板35に設置された緊張定着装置14(図1を参照)に把持されており、長繊維補強材1、5を巻き付けたローラー14−1を回転させて、長繊維補強材1、5を緊張定着させることで地盤の安定化を図っている。
剛性シース33は、長繊維補強材1、5を地盤31の穿孔端32まで挿入するために、剛性が高く、耐久性に優れたガラス繊維強化プラスチック(GFRP)製が好ましく、併せて地盤のすべり面におけるせん断抵抗を増加させる機能も付加している。
又、剛性シース33は、ハンドリング的にその長さを2m以下にして図5(b)の断面図で明らかなように二つ割りにした剛性シース片33−1、33−2から構成されており、孔中に挿入する前の複数本の長繊維補強材1、5とモルタル注入用パイプ36を収納し易くしている。保持ブロック34は、長繊維補強材と同じ繊維で製作した袋にモルタル注入用パイプ36を通じてモルタルを注入することで形成させるものであり、複数本の長繊維補強材1、5を纏めた端部を穿孔端32に堅固に固定させている。
尚、保持ブロック34は、本実施の形態に限定されること無くモルタル等を注入して膨らませたものであれば使用可能であり、剛性シース33の内部は、アンボンド状態であることから、時間の経過につれて緊張力が低下した場合には、再緊張させることも可能である。
本発明による長繊維補強材緊張システムの第4は、既設コンクリート構造材の周囲に複数の柔軟性長繊維を束ねて成る芯材と該芯材を被覆して保護する浸透性外皮材から成る長繊維補強材を螺旋状に巻き付けて両側端に緊張定着させる既設コンクリート構造材の長繊維補強材緊張システムにおいて、長繊維補強材を相互に重畳させる長繊維補強材の接続端及び該接続端の間に配置される接続具から構成されており、長繊維補強材同士を接続させて一本の長繊維補強材として緊張定着させることで、建築物の柱や橋脚に対する長繊維補強材による耐震補強を提供している。
以下に、本発明による第4の長繊維補強材緊張システムに関する実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図6は、建築物の柱や橋脚に耐震補強した実施の形態を概略的に示す側面図(a)と側面図(a)を(b)−(b)矢視した断面図(b)である。
本実施の形態では、図示の鉄筋コンクリート橋脚37において、特に説明しないが長繊維補強材1、5は、鉄筋コンクリート橋脚37の周囲に螺旋状に巻き付けられており、上記実施の形態で説明した緊張定着装置14を用いるもしくはアダプター16と定着板17との間に配置されるジャッキ等の牽引装置18を用いて引張ることで、鉄筋コンクリート橋脚37の上端38側と下端39側とに緊張させた状態でその端部を定着させている。
しかして、上述したように長繊維補強材1、5は、合成樹脂を含浸することでFRP化せずに柔軟に対処できることから、上記の緊張と定着は、橋脚表面の下地処理を行うだけで容易に施工可能である。
本実施の形態では、長繊維補強材1、5が、上下両端側から鉄筋コンクリート橋脚37の周囲に緊張力を与えながら螺旋状に巻き付けることで耐震補強する際に、一本の長繊維補強材1、5のみで巻き付けられない場合を想定して、その接続形態を示すものである。
そして、長繊維補強材1、5の補強量は、長繊維補強材の径、巻き付けピッチ及び緊張力によって変化させることが可能であって任意に設定できるものであり、長繊維補強材1、5の接続端部は、相互に重畳させながらその間に配置される接続具40によって接続されている。
又、図7は、接続具40の実施の形態である。接続される2本の長繊維補強材1、5は、図7(a)に示すように互いに対峙する方向から鋼製等のソケット41に挿入されるものであり、各長繊維補強材1、5が引っ張られる方向から2個の楔42、42を打ち込むことで、長繊維補強材1、5を強固に緊定している。
図7(b)に示すように接続具40は、長繊維補強材を挿通させるために形成する2個の貫通孔41-1を設けたソケット41と楔42とから構成されている。貫通孔41-1は、一側を円形孔41−2にしながら他側には楔42に対応する楔状の溝41−3を形成しており、楔42の一側には、長繊維補強材1、5の形状に合わせた半円形42−1を形成して、長繊維補強材1、5と楔42とを係合させる緊密度を高めている。
以上のように、本実施の形態で示す接続具40は、長繊維補強材1、5が引張られると、各楔42がソケット41の中にめり込むことで各長繊維補強材が締め付けられることになり、付与した緊張力を伝達できるものである。
尚、接続具40において長繊維補強材1、5の摩擦力が低下する場合には、浸透性外皮材4と遮水性シール材6を剥がすことによって芯材3を露出させてその摩擦力を増加させてもよいものである。
以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明による長繊維補強材緊張システムは、上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、出願時において既に公知のものを適用することによる種々の変更が可能であることは、当然のことである。
本発明による長繊維補強材緊張システムをPCに適用した実施の形態を示す側面図 長繊維補強材を折り重ねて復線で使用する実施の形態図 本発明による長繊維補強材緊張システムをコンクリート部材に接合するコンクリートブロックに適用した実施の形態を示す側面図 長繊維補強材を緊張させる定着具の実施の形態図 本発明による長繊維補強材緊張システムをグラウンドアンカーに適用した実施の形態図 本発明による長繊維補強材緊張システムでコンクリート構造物を耐震補強した実施の形態図 本発明による長繊維補強材緊張システムの接続具を示す実施の形態図 本発明の長繊維補強材緊張システムに用いる長繊維補強材の斜視図
符号の説明
1、5長繊維補強材、 2 柔軟性長繊維、 3 芯材、
4 浸透性外皮材、 6 遮水性シール材、 10 PC、
11 コンクリート構造体、 12 固定部、 12-1 定着具、
13 定着板、 14 緊張定着装置、 14−1 ローラー、
14−2 ラチェット、 15 折り曲げ端、 16 アダプター、 17 定着板、
18 牽引装置、 19 折り重ね開放端、 20 既設コンクリート部材、
21 削孔、 22 グラウト、 23 コンクリートブロック、
24 折り曲げ端、 25 コンクリートブロック表面、 26 定着具、
27 ソケット、 28 楔、 28−1 半円形、 29 定着板、
30 溝、 31 地盤、 32 穿孔端、 33 剛性シース、
33−1、33−2 剛性シース片、 34 保持ブロック、 35 定着板、
36 モルタル注入用パイプ、 37 鉄筋コンクリート橋脚、 38 上端、
39 下端、 40 接続具、 41 ソケット、 41-1 貫通孔、
41−2 円形孔、 41−3 溝、 42 楔、 42−1 半円形、

Claims (4)

  1. 複数の柔軟性長繊維を束ねて成る芯材と該芯材を被覆して保護する浸透性外皮材から成る長繊維補強材の一端を構造材の一方側に固定し、該構造材を貫通させた長繊維補強材の他端を構造材の他方側に設置した緊張定着装置に定着して、該長繊維補強材を該緊張定着装置で緊張定着させる長繊維補強材緊張システム。
  2. 複数の柔軟性長繊維を束ねて成る芯材と該芯材を被覆して保護する浸透性外皮材から成る長繊維補強材の折り重ね開放端をコンクリート構造材の削孔に定着し、該コンクリート構造材の表面に重ねて配置したコンクリートブロックの貫通孔に長繊維補強材の折り曲げ端を挿通させ、該折り曲げ端とコンクリートブロック表面との間に伸長装置を配置して該長繊維補強材を緊張定着させる長繊維補強材緊張システム。
  3. 地盤の穿孔端に挿置された剛性シースに収納の複数の柔軟性長繊維を束ねて成る芯材と該芯材を被覆して保護する浸透性外皮材から成る長繊維補強材、該長繊維補強材の端部に形成されて穿孔端に固定される保持ブロック及び該長繊維補強材の他端を把持して該長繊維補強材を緊張定着させる緊張定着装置から構成される長繊維補強材緊張システム。
  4. 既設コンクリート構造材の周囲に複数の柔軟性長繊維を束ねて成る芯材と該芯材を被覆して保護する浸透性外皮材から成る長繊維補強材を螺旋状に巻き付けて両側端に緊張定着させる既設コンクリート構造材の長繊維補強材緊張システムにおいて、該長繊維補強材を相互に重畳させる長繊維補強材の接続端及び該接続端の間に配置される接続具から構成されることを特徴とする長繊維補強材緊張システム。
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