JP2005154971A - 皮革様シート基体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 平均単繊維繊度が0.5デシテックス以下のポリオレフィン系ポリマーからなる極細繊維(A)と平均単繊維繊度が0.5デシテックス以下でポリオレフィン系ポリマーとは異なるポリマーからなる極細繊維(B)が混綿されてなる絡合不織布と、その内部に含有された高分子弾性体から構成された皮革様シート基体。
【選択図】 なし
Description
そして、本発明は上記皮革様シート基体を用いて得られるスエード調人工皮革または銀付調人工皮革である。
また、皮革様シート基体を製造するに際し、少なくとも以下の(1)〜(4)の工程を行う皮革様シート基体の製造方法である。
(1)平均単繊維繊度が0.5デシテックス以下のポリオレフィン系ポリマーからなる極細繊維束(A)を発生させる極細繊維発生型繊維(A’)及び平均単繊維繊度が0.5デシテックス以下のポリオレフィン系ポリマーとは異なるポリマーからなる極細繊維束(B)を発生させる極細繊維発生型繊維(B’)を製造する工程、
(2)極細繊維発生型繊維(A’)および極細繊維発生型繊維(B’)を混綿してウェブを形成し、三次元絡合させて絡合不織布とした後、該絡合不織布を100℃以上200℃以下で厚み方向に加圧する工程、
(3)絡合不織布の内部に高分子弾性体を含有させる工程、
(4)極細繊維発生型繊維(A’)および極細繊維発生型繊維(B’)から、極細繊維束(A)および極細繊維束(B)を発生させる工程、
本発明に用いられる極細繊維とは、いずれも相溶性の小さい少なくとも2種類のポリマーからなり、断面において少なくとも1種類のポリマーが島成分、そしてそれ以外の少なくとも1種類のポリマーが海成分となっている海島構造の極細繊維発生型繊維から海成分ポリマーを溶解又は分解除去することによって得られた繊維のことであり、本発明においては、極細繊維束(A)および極細繊維束(B)を発生する極細繊維発生型繊維(A’)および極細繊維発生型繊維(B’)の島成分樹脂にそれぞれポリオレフィン系ポリマーおよびポリオレフィン系ポリマーとは異なるポリマーを用いる。
このようなポリオレフィン系ポリマーとは異なるポリマーからなる極細繊維を発生させるための極細繊維発生型繊維を得る方法としては、公知の海島型複合紡糸や、海島型混合紡糸が用いられ、両者とも好適に用いられる。
極細繊維発生型繊維(A’)については、島成分にはポリオレフィン系ポリマーを用い、海成分には先述したように好ましくは熱可塑性ポリビニルアルコール系共重合体を用い、複合紡糸ノズルを用いて複合紡糸方法で紡糸することがより好ましい。海成分と島成分の質量比率に関しては、特に限定されないが、通常、島成分/海成分=90/10〜30/70、より好ましくは80/20〜50/50の範囲で用いられる場合が多い。
また、カーボンブラックを用いて繊維を原着する場合には、紡糸原料である樹脂ペレットにドライブレンドしても良いし、原料樹脂あるいは紡糸性を損なわない範囲の他樹脂をベースとするマスターバッチを作製し、それをブレンドする方法も好ましく用いられる。
ポリプロピレン(Y−6005GM:出光石油化学株式会社製)を島成分、熱可塑性ポリビニルアルコール(エクセバールCP−4104B2:株式会社クラレ製)を海成分とし、ニードルパイプ方式のノズルを用いた海島型複合紡糸によって、極細繊維発生型繊維(海成分/島成分=40/60,島数36)を得た。これを80℃の乾熱で3.2倍に延伸し、繊維油剤を付与し、機械捲縮をかけて乾燥後、51mmにカットして4.9デシテックスのステープルとした。また、島成分の平均単糸繊度は0.08デシテックスであった。
ナイロン6(1011:宇部興産株式会社製)を島成分、熱可塑性ポリビニルアルコールを海成分とし、紡糸例1と同じノズルを用いて極細繊維発生型繊維(海成分/島成分=35/65、島数36)を得た。これを80℃の乾熱で3.8倍に延伸した後は紡糸例1と同様の工程を通して、5.1デシテックスのステープルを得た。また、島成分の平均単糸繊度は0.09デシテックスであった。
紡糸例2で得られたステープルのみを用いた以外は、実施例1と同様にして絡合不織布を得た。絡合不織布の厚みは3.1mmであった。その後、実施例1と同じ厚みになるように170℃の乾熱処理、150℃での加圧処理を行った。しかしながら、得られた絡合不織布の表面は多少平滑化されたものの、処理前の凹凸がそのまま反映されたような表面状態であり、処理前の外観とほとんど変化なかった。この絡合不織布の目付は550g/m2、厚みは1.8mm、見かけ比重は0.30g/cm3であった。この絡合不織布に、実施例1と同じポリウレタンエマルジョンを樹脂/繊維の質量比が同じになるように含浸/乾燥凝固させた後ポリビニルアルコールからなる海成分を除去した結果、樹脂/繊維の質量比が30/70、目付590g/m2、見かけ比重0.33g/cm3、厚さ1.8mmの皮革様シート基体を得た。得られた皮革様シート基体は、実施例1と比較して繊維密度が低く、充実感に劣るものであった。
紡糸例1で得られたステープルのみを用いた以外は、実施例1と同様にして絡合不織布を得た。絡合不織布の厚みは3.1mmであった。その後、実施例1と同じ加圧処理を行った結果、絡合不織布の表面は平滑性に優れたものであった。この絡合不織布の目付は505g/m2、厚みは1.3mm、見かけ比重は0.39g/cm3であった。この絡合不織布に、実施例1と同じポリウレタンエマルジョンを樹脂/繊維の質量比が同じになるように含浸/乾燥凝固させた後ポリビニルアルコールからなる海成分を除去した結果、樹脂/繊維の質量比が30/70、目付530g/m2、見かけ比重0.41g/cm3、厚さ1.3mmの皮革様シート基体を得た。得られた皮革様シート基体は硬く、紙のような風合であり、充実感はあまり感じられなかった。
実施例1により得られた皮革様シート基体の表面を400番手のペーパーにてバフィングして毛羽立てて立毛シートとした後、以下に示す染色処方により染色を施した。得られたスエード調人工皮革は、平滑性に優れ緻密な外観であり、濃茶の繊維と未染色の白い繊維が混ざったメランジ調の外観を有するものであった。
染色: ウインス染色機、90℃×40分、
染料: Irgalan Brown 2GL 3%owf
実施例1で得られた皮革様シート基体を用い、表面を軽くバフィングして毛羽長を整えた後、以下の処方によって作成した銀面層を貼り合わせる乾式造面法によって銀付調人工皮革を得た。得られた銀付調人工皮革はスムースで平滑性に富んだカーフ調の感性を有するものであった。
トップ層 ハイドランWLS−210(大日本インキ化学工業製) 100質量部
ハイドランアシスターW1(同上) 0.2質量部
ダイラック HS−9510(同上) 10質量部
ハイドランアシスターT3(同上) 0.6質量部
ハイドランアシスターC6(同上) 4.0質量部
接着層 ハイドランWLA−311(同上) 100質量部
ハイドランアシスターW1(同上) 0.2質量部
ハイドランアシスターT3(同上) 1.3質量部
ハイドランアシスターC5(同上) 10質量部
Claims (6)
- 平均単繊維繊度が0.5デシテックス以下のポリオレフィン系ポリマーからなる極細繊維束(A)と平均単繊維繊度が0.5デシテックス以下でポリオレフィン系ポリマーとは異なるポリマーからなる極細繊維束(B)が混綿されてなる絡合不織布と、その内部に含有された高分子弾性体から構成された皮革様シート基体。
- 絡合不織布が極細繊維束(A)と極細繊維束(B)の質量比率(A)/(B)=10/90〜70/30で混綿されている請求項1に記載の皮革様シート基体。
- 極細繊維束(A)および極細繊維束(B)が水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール系共重合体を海成分とする海島型の極細繊維発生型繊維(A’)および極細繊維発生型繊維(B’)から得られたものである請求項1または2に記載の皮革様シート基体。
- 請求項1〜3いずれか1項に記載の皮革様シート基体を用いて得られるスエード調人工皮革。
- 請求項1〜3いずれか1項に記載の皮革様シート基体を用いて得られる銀付調人工皮革。
- 皮革様シート基体を製造するに際し、少なくとも以下の(1)〜(4)の工程を行うことを特徴とする皮革様シート基体の製造方法。
(1)平均単繊維繊度が0.5デシテックス以下のポリオレフィン系ポリマーからなる極細繊維束(A)を発生させる極細繊維発生型繊維(A’)及び平均単繊維繊度が0.5デシテックス以下のポリオレフィン系ポリマーとは異なるポリマーからなる極細繊維束(B)を発生させる極細繊維発生型繊維(B’)を製造する工程、
(2)極細繊維発生型繊維(A’)および極細繊維発生型繊維(B’)を混綿してウェブを形成し、三次元絡合させて絡合不織布とした後、該絡合不織布を100℃以上200℃以下で厚み方向に加圧する工程、
(3)絡合不織布の内部に高分子弾性体を含有させる工程、
(4)極細繊維発生型繊維(A’)および極細繊維発生型繊維(B’)から、極細繊維束(A)および極細繊維束(B)を発生させる工程、
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