JP2005154749A - 導電性フィルム - Google Patents

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【課題】 積層体となす場合に他の層との密着性に優れるとともに、可撓性、導電性にも優れた導電性フィルムを提供する。
【解決手段】 バインダマトリックスと、導電性微粒子とを含有する導電性フィルムであって、前記バインダマトリックスは、一般式(I)RSi(OR)4−x(但し、式中Rはアルキル基を示し、xは0≦x≦3を満たす整数である)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物と、一般式(II)R’Si(OR)4−y(但し、式中Rはアルキル基を示し、R’は親水性反応性官能基を示し、yは1≦y≦3を満たす整数である)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物とを含む。
【選択図】 なし

Description

本発明は、例えば、ディスプレイ(液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、プロジェクションディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等)の表示画面に用いられる積層体において好適な導電性フィルムに関する。
多くのディスプレイは、室内外を問わず外光などが入射するような環境下で使用される。この外光などの入射光は、ディスプレイ表面等において正反射され、反射像が表示光と混合し表示品質を低下させ、表示画像を見にくくしている。このため、反射防止機能を付与するために、金属酸化物の透明薄膜からなる反射防止層を有する多層膜が従来用いられている。この際、ディスプレイ表面に用いられる反射防止多層膜では、表面硬度を付与する為にアクリル多官能化合物の重合体からなるハードコート層を設け、その上に反射防止層を形成するという手法がなされる。
上記のハードコート層は、アクリル樹脂特有の性質である高い表面硬度、光沢性、透明性、耐擦傷性を有する。
しかし、このようなハードコート層は絶縁特性が高いので帯電しやすく、ハードコート層を設けた製品表面への埃等の付着による汚れや、精密機械に使用された場合に、帯電してしまうことにより障害が発生するといった問題を抱えていた。
そこで、帯電を防止するためにハードコート層に導電剤を練りこむ(例えば、特許文献1参照)か、基材とハードコート層の間やハードコート層と反射防止層の間に表面硬度を落とさない程度に極めて薄く導電層を設ける手法がなされている。
用いられる導電剤としては、金属酸化物微粒子や、導電性ポリマー、各種活性剤、親水性モノマー、イオン導電性モノマーがあげられる。
導電層を設ける場合、主としてアクリル系樹脂と導電剤からなる導電層が用いられている(例えば、特許文献2、3参照。)。
特開平11−92750号公報 特開平11−326602号公報 特開平11−115087号公報
しかしながら、従来は、導電剤を含む導電層を設けた積層体において、導電層と他の層との密着性、特に反射防止層との密着性が不十分であり、剥離しやすいという問題があった。
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、積層体となす場合に他の層との密着性に優れるとともに可撓性にも優れ、クラックが生じず、しかも導電性も良好な導電性フィルムを提供することを目的とする。
本発明の導電性フィルムは、バインダマトリックスと、導電性微粒子とを含有する導電性フィルムであって、前記バインダマトリックスは、一般式(I)RSi(OR)4−x(但し、式中Rはアルキル基を示し、xは1≦x≦3を満たす整数である)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物と、一般式(II)R’Si(OR)4−y(但し、式中Rはアルキル基を示し、R’は親水性反応性官能基を示し、yは1≦y≦3を満たす整数である)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物とを含むことを特徴とする。
前記親水性反応性官能基は、エポキシ基またはイソシアネート基の少なくとも一方を有することが好ましい。
前記一般式(II)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物は、前記一般式(I)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物99〜84mol%に対して、1〜16mol%の比率で含まれることが好ましい。
前記導電性微粒子は、イオン導電性微粒子であることが好ましい。
前記イオン導電性微粒子は、五酸化アンチモン微粒子であることがさらに好ましい。
本発明によれば、積層体と成すときに、他の層との密着性に優れるとともに可撓性にも優れ、クラックが生じず、しかも導電性も良好な導電性フィルムを提供できる。
また、導電性フィルムのバインダマトリックスに含まれる、一般式(II)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物が、親水性反応性官能基としてエポキシ基またはイソシアネート基の少なくとも一方を有すると、より密着性、可撓性に優れ、クラックが生じず、導電性にも優れた導電性フィルムを提供できる。
また、その際、一般式(II)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物が、一般式(I)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物99〜84mol%に対して1〜16mol%の比率で含まれると、より効果的である。
さらに、導電性微粒子としてイオン導電性微粒子を用いると、さらにコストを抑え、導電性フィルムの透明性を良好に保ち、また屈折率を容易に制御することができる。
さらに、イオン導電性微粒子として五酸化アンチモン微粒子を用いると、さらに湿度環境の影響を受けにくく、さらに安定な導電性を発現し、屈折率をさらに容易に制御することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の導電性フィルムは、バインダマトリックスと、導電性微粒子とを含有し、バインダマトリックスは、一般式(I)RSi(OR)4−x(但し、式中Rはアルキル基を示し、xは1≦x≦3を満たす整数である)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物と、一般式(II)R’Si(OR)4−y(但し、式中Rはアルキル基を示し、R’は親水性反応性官能基を示し、yは1≦y≦3を満たす整数である)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物とを含む。
以下、一般式(I)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物を(I)成分、一般式(II)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物を(II)成分という場合もある。
(I)成分の原料であるケイ素アルコキシドは、一般式(I)RSi(OR)4−x(但し、式中Rはアルキル基を示し、xは1≦x≦3を満たす整数である)で示されるものであればよい。
このようなケイ素アルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また、その加水分解物は、一般式(I)で示されるケイ素アルコキシドを原料として得られるものであればよく、例えば塩酸にて加水分解することで得られるものである。このような加水分解物は、導電性フィルム中において導電性微粒子を分散させて保持することができ、導電性微粒子の伝導性を損なわないものであればよい。
なお、バインダマトリックスには、一般式(I)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物が少なくとも含まれていることが必要で、その原料であるケイ素アルコキシドが加水分解せずに含まれていても構わない。
(II)成分の原料であるケイ素アルコキシドは、一般式(II)R’Si(OR)4−y(但し、式中Rはアルキル基を示し、R’は親水性反応性官能基を示し、yは1≦y≦3を満たす整数である)で示されるものであればよい。このように親水性反応性官能基R’を有する(II)成分の加水分解物を使用することによって、得られる導電性フィルムの導電性を良好に維持したまま、密着性、可撓性を向上させることができ、導電性フィルムが厚膜化した場合であってもクラックが生じにくい。
ここで親水性反応性官能基としては、エポキシ基、イソシアネート基、エチレンオキサイド基、アミノ基などを有するものが挙げられ、これらのなかでも、エポキシ基、イソシアネート基を有するものを使用すると、上述の効果が得られやすい。
このようなケイ素アルコキシドとしては、例えば、エポキシ基を有する3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、イソシアネート基を有する3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また、その加水分解物は、一般式(II)で示されるケイ素アルコキシドを原料として得られるものであればよく、例えば塩酸にて加水分解することで得られるものである。このような加水分解物は、導電性フィルム中において導電性微粒子を分散させて保持することができ、導電性微粒子の伝導性を損なわないものであればよい。
なお、バインダマトリックスには、一般式(II)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物が少なくとも含まれていることが必要で、その原料であるケイ素アルコキシドが加水分解せずに含まれていても構わない。
このように導電性フィルムのバインダマトリックスに、(I)成分と(II)成分とを併用することにより得られる導電性フィルムは、密着性と可撓性とを有してクラックが生じにくく、導電性にも優れたものとなる。また、一般にアクリル系樹脂からなるハードコート層に対する密着性と、一般に無機酸化物からなる反射防止層に対する密着性とのバランスにも優れる。
ここでバインダマトリックスに(I)成分が含まれない場合には、密着性が低下し、(II)成分が含まれない場合には、可撓性が低下してクラックが生じ、導電性が低下しやすくなる。
(I)成分と(II)成分との比率には特に制限はないが、(II)成分が(I)成分99〜84mol%に対して1〜16mol%の比率で含まれることが好ましい((I)成分と(II)成分の合計を100mol%とする。)。ここで(II)成分が1mol%未満では、導電性フィルムの可撓性が不十分となり、クラックが生じたり、導電性が低下したりする傾向があり、16mol%を超えると、導電性フィルムの硬度が低下する傾向がある。より好ましくは2〜8mol%である。
前記導電性微粒子としては、例えば、電子導電性微粒子、イオン導電性微粒子等が挙げられる。
電子導電性微粒子としては、例えば、酸化アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、酸化スズ等が挙げられる。
イオン導電性微粒子としては、五酸化アンチモンからなる微粒子(五酸化アンチモン微粒子)、酸化タングステン微粒子等が挙げられる。
前記導電性微粒子の粒径は、1〜100nmであることが、得られる導電性フィルムにおいて光透過率の低下や着色を起こさず、透明性を実現できるために好ましい。
粒径が100nmを越えるとレイリー散乱によって光が著しく反射され、導電性フィルムが白くなって透明性の低下が認められる。また1nm未満では導電性が低下することや、微粒子の凝集によるフィルムの不均一性等の問題が生じる。
前記導電性微粒子は、イオン導電性微粒子であることが好ましい。
電子導電性微粒子は、導電性を発揮するためには、互いに極めて近傍に分布している、すなわち極めて高密度に分布している必要があるのに対し、イオン導電性微粒子は電子導電性微粒子よりも低密度の状態で導電性を示すことができることから、イオン導電性微粒子は、より少量で十分な導電性を発揮することができる。したがって、イオン導電性微粒子を用いることによって、コストを抑えることができる。さらに、導電性フィルムにおける透明性を良好に保持させ、また屈折率を容易に制御することができる。
前記イオン導電性微粒子は、五酸化アンチモン微粒子であることがさらに好ましい。
五酸化アンチモンはイオン導電性の物質であり、なおかつ結晶水を有するため、電子導電性微粒子と比較して少ない配合量で導電性を発現すると共に、湿度環境による影響を受けにくい。したがって、永久導電性を発現することができる。
また、他の金属酸化物よりも比較的屈折率の低い材料である五酸化アンチモン微粒子(屈折率:n=1.64)を用いることで、配合量を調整することにより導電性フィルムの屈折率制御を容易に行うことができ、本発明の導電性フィルムをハードコート層等と積層する場合に、それらの層との光干渉を抑えた導電層を形成し、透明性に優れ、色ムラの生じにくい積層体を可能ならしめることができる。
導電性微粒子の添加量は特に制限はないが、導電性と屈折率調整の面から、導電性微粒子とバインダマトリックスとの合計100質量%に対して20〜80質量%の範囲が好ましく、特に30〜70質量%の範囲が好適である。また、導電性微粒子のバインダマトリックス中における分散性を向上するために、バインダマトリックスに分散剤を添加することができる。
分散剤としては、特に制限はなく、シリコーン系の分散剤を用いることが好ましい。
なお、前記バインダマトリックスには、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の反応硬化性樹脂をさらに含有させることもできるが、これらの樹脂を含有させると、得られる導電性フィルムを導電層とする積層体において、導電性フィルムと他の層との密着性が減少したり、導電性フィルムの導電性が低下したりすることから好ましくない。
前記バインダマトリックスには、導電性フィルムの屈折率の制御を目的として、金属酸化物微粒子等をさらに含有させることもできる。金属酸化物微粒子としては、たとえば、TiO、SiO等が挙げられる。
本発明の導電性フィルムの形成方法としては、例えば、前記バインダマトリックスと、前記イオン導電性微粒子とを溶媒に分散させて塗布液を調製し、この塗布液をポリエチレンテレフタレート等からなる基材に塗工して乾燥させることにより、導電性フィルムを得ることができる。
但し、導電性フィルムからなる導電層を有する積層体を構成する場合は、目的の積層体を構成する層に上記の塗布液を塗工することにより、導電性フィルムを成すと同時に、積層体における導電層を成すように製造することが、取扱いの容易性の面で好ましい。
塗工方法としては、特に制限はなく、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法等を用いることができる。
形成される導電性フィルムの膜厚は、塗布液の固形分濃度および硬化後における導電層の密度から必要な塗工量を算出することにより制御し、硬化後の膜厚が所望の大きさとなるように塗工することができる。硬化後の膜厚は、例えば要求される透明性の程度等に応じて、適宜設定することができる。
以上説明したように、本発明の導電性フィルムは、バインダマトリックスが、一般式(I)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物と、一般式(II)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物とを含むので、他の層との密着性、特に、一般に無機酸化物からなるものである反射防止層との密着性が優れるとともに可撓性も良好で、クラックが生じにくく、かつ、導電性にも優れる。
なお、導電性フィルムの密着性の評価は、例えば、碁盤目試験による剥離性の試験によって行うことができる
本発明の導電性フィルムを、積層体の導電層を構成するために用いる場合、その積層体の層構成は特に限定されず、例えば、基材、ハードコート層、本発明からなる導電層、反射防止層を用いて、これらを上記の順に積層してもよいし、基材、本発明からなる導電層、ハードコート層、反射防止層をこれらの順に積層してもよい。
このとき、基材としては、例えば、ディスプレイ等における光学部材に通常使用される材料からなるものを使用することができる。
ハードコート層としては、例えば、紫外線硬化型樹脂化合物、電子線硬化型樹脂化合物からなるものを用いることができる。
反射防止層としては、例えば、ケイ素アルコキシド等からなるものを用いることができる。
透明支持体(基材)、ハードコート層、導電性フィルムからなる導電層、及び反射防止層を、これらの順に積層した積層体において、導電性フィルムと他の層との密着性を評価した。
<実施例1>
(ハードコート層の形成)
透明支持体として厚み80μmのトリアセチルセルロースフィルム(全光線透過率:93%、ヘイズ値:0.1%)を用いた。また、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、およびウレタンアクリレートを用いてハードコート層用の塗布液を調製した。
このハードコート層用塗布液を透明支持体上に乾燥膜厚5μmになるように塗布し、120Wのメタルハライドランプを20cmの距離から10秒間照射することにより、ハードコート層を形成した。
(表面処理)
上記のハードコート層を形成したトリアセチルセルロースフィルムを、50℃に加熱した1.5N−NaOH水溶液に2分間浸漬しアルカリ処理を行い、水洗後、0.5質量%−HSO水溶液に室温で30秒間浸漬し中和させ、水洗、乾燥処理を行った。
(導電層の形成)
テトラエトキシシラン(一般式(I)のケイ素アルコキシドに相当)96mol%と、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(一般式(II)のケイ素アルコキシドに相当)4mol%の混合物を原料とし、これを1mol/L塩酸により加水分解して得られたオリゴマーからなるケイ素アルコキシドの加水分解物を得た。この加水分解物からなるバインダマトリックス5質量部と、五酸化アンチモン微粒子からなる導電性微粒子5質量部とを30質量部のイソプロパノールで希釈して、導電層用のコーティング液を調製した。上記の表面処理を行ったハードコート層に乾燥膜厚が0.5μmになるようにこのコーティング液を塗布し、乾燥させて導電性フィルムと成し、すなわち導電層を形成させた。
(反射防止層の形成)
テトラエトキシシランと、有機官能基としてパーフルオロオクタン基を有するトリメトキシシランを原料とし、1mol/L塩酸により加水分解して得られたオリゴマー5質量部と低屈折率シリカ微粒子5質量部を190質量部のイソプロパノールで希釈した反射防止層用のコーティング液を調製した。上記の導電層を積層したフィルムに乾燥膜厚が0.1μmになるようにこのコーティング液を塗布し、乾燥させた。
以上により、透明支持体、ハードコート層、導電性フィルムからなる導電層、及び反射防止層が、これらの順に積層された積層体を得た。
(密着性の評価)
上記で得られた積層体において、導電性フィルムからなる導電層と反射防止層との密着性、及び該導電層とハードコート層との密着性を評価した。
密着性:反射防止層に積層された導電性フィルムからなる導電層の表面を1mm角で100点カットした後、粘着テープ(ニチバン(株)製、工業用24mm巾セロテープ(登録商標))を用いて反射防止層側からの剥離試験を行い、100点カット部の残存率で評価した。100点全てが剥離せず導電層に残存したときを100/100とした。
同様に、ハードコート層に積層された導電層の表面を100点カットした後、ハードコート層側から剥離試験を行い、同様に評価した。評価結果を表1に示す。
(導電性の評価)
上記で得られた積層体の表面抵抗値をJIS K6911に準拠して測定することにより、導電性を評価した。評価結果を表1に示す。
(クラックの評価)
上記で得られた導電性フィルムの表面を光学顕微鏡により観察し、クラックの有無を確認した。
<実施例2>
実施例1(導電層の形成)において、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの代わりに、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランを使用した以外は、実施例1と同様に積層体を作成して評価した。評価結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1(導電層の形成)において、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの代わりに、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランを使用した以外は、実施例1と同様に積層体を作成して評価した。評価結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例1(導電層の形成)において、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを使用せず、テトラエトキシシランのみを原料として使用した以外は、実施例1と同様に積層体を作成して評価した。評価結果を表1に示す。
<比較例3>
実施例1(導電層の形成)において、バインダマトリックスの原料として、ペンタエリスリトールトリアクリレートを用いた以外は、実施例1と同様に積層体を作成して評価した。なお、ペンタエリスリトールトリアクリレートは、乾燥後、120Wのメタルハライドランプを20cmの距離から10秒間照射することにより、硬化させた。評価結果を表1に示す。
Figure 2005154749
表1から明らかなように、実施例1、2では、導電性フィルムからなる導電層が、良好な導電性を示すとともに、可撓性を有するためにクラックが発生せずに、反射防止層及びハードコート層に対して良好な密着性を示した。
一方、バインダマトリックスの原料に、親水性反応性官能基R’を持たない3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランを使用した比較例1では、クラックが発生せずに密着性が良好であるが、表面抵抗値が上昇し、導電性が低下した。また、バインダマトリックスの原料に、(II)成分を使用しない比較例2では、密着性は良好であるが、可撓性が不十分なことからクラックが発生し、導電性が低下した。さらに、バインダマトリックスの原料に、(I)成分および(II)成分をいずれも使用しない比較例3では、導電層が、反射防止層、ハードコート層との密着性を示さなかった。
本発明の導電性フィルムは、これを導電層として用い、反射防止層、ハードコート層等をさらに用いて構成した積層体の形態で、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、プロジェクションディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイに好適に用いられる。

Claims (5)

  1. バインダマトリックスと、導電性微粒子とを含有する導電性フィルムであって、
    前記バインダマトリックスは、一般式(I)RSi(OR)4−x(但し、式中Rはアルキル基を示し、xは1≦x≦3を満たす整数である)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物と、一般式(II)R’Si(OR)4−y(但し、式中Rはアルキル基を示し、R’は親水性反応性官能基を示し、yは1≦y≦3を満たす整数である)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物とを含むことを特徴とする導電性フィルム。
  2. 前記親水性反応性官能基は、エポキシ基またはイソシアネート基の少なくとも一方を有することを特徴とする請求項1に記載の導電性フィルム。
  3. 前記一般式(II)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物は、前記一般式(I)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物99〜84mol%に対して、1〜16mol%の比率で含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性フィルム。
  4. 前記導電性微粒子は、イオン導電性微粒子であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の導電性フィルム。
  5. 前記イオン導電性微粒子は、五酸化アンチモン微粒子であることを特徴とする請求項4に記載の導電性フィルム。
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