JP2005154609A - 放射線硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】平滑性及びリコート性に優れた放射線硬化性組成物を提供することである。
【解決手段】一般式(1)で表されるシリコーン(a)を含有してなることを特徴とする放射線硬化性組成物を用いる。
【化1】

1及びR2は、それぞれ独立して水素原子、メチル基又はエチル基を示し、nは3〜6の整数を意味する。シリコーン(a)の含有量が放射線硬化性組成物の重量に基づいて0.05〜15重量%であることが好ましく、また、(メタ)アクリレート(b)及び/又は(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)を含有してなることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は放射線硬化性組成物に関する。さらに詳しくは平滑性及びリコート性に優れた放射線硬化性組成物に関する。
従来、硬化塗膜に平滑性及びリコート性を付与するために、トリメチルシリル基含有モノマーを重合してなる平滑剤を配合した放射線硬化性組成物が知られている(特許文献1)。
特開2003−226834号公報
しかし、従来の平滑剤を配合した放射線硬化性組成物では、リコート性が不充分なため2次加工用の塗料又は印刷インクをはじくという問題がある。すなわち、本発明の目的は、平滑性及びリコート性が良好な放射線硬化性組成物を提供することである。
本発明者等は、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のシリコーンが平滑性及びリコート性の両方を良好にすることを見いだし、本発明に到達した。すなわち、本発明の放射線硬化性組成物の特徴は、一般式(1)で表されるシリコーンを含有してなる点を要旨とする。
1及びR2は、それぞれ独立して水素原子、メチル基又はエチル基を示し、nは3〜6の整数を意味する。
本発明の放射線硬化性組成物は、硬化塗膜に極めて優れた平滑性及びリコート性を付与することができる。よって、本発明の放射線硬化性組成物によって表面処理された被覆体は2次加工性に優れており、2次加工用の塗料や印刷インクをはじくという弊害もない。
一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子、メチル基又はエチル基を表し、「それぞれ独立して」とは、n個のR1及びR2がすべて同じでも、すべて異なっても、また一部同じでもよいということを意味する。
1及びR2の組合せにおいて、R1及びR2がそれぞれ独立してメチル基及びエチル基であることが好ましく、さらに好ましくはR1及びR2の少なくとも1つがメチル基であること、特に好ましくはR1及びR2がメチル基であることである。
nは、3〜6の整数を表し、3〜5の整数が好ましく、さらに好ましくは4又は5、特に好ましくは4である。
なお、本発明の放射線硬化型組成物には複数種類のシリコーン(a)を含有してもよい。
シリコーン(a)としては、市場から入手できる商品名として、TSF404[GE東芝シリコーン製、R1及びR2がメチル基、nが4で表される化合物]、TSF405[GE東芝シリコーン製、R1及びR2がメチル基、nが5で表される化合物]及びDC246{東レ・ダウコーニングシリコーン製、R1及びR2がメチル基、nが6で表される化合物}等が挙げられる。
シリコーン(a)の含有量(重量%)は、放射線硬化性組成物の重量に基づいて、0.05〜15が好ましく、さらに好ましくは0.1〜10、特に好ましくは0.3〜8、最も好ましくは0.5〜5である。この範囲であると放射線硬化性組成物の硬化物の平滑性及びリコート性がさらに良好となる。
放射線硬化性組成物とは、(メタ)アクリレート(b)及び/又は(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)を必須成分としてなる組成物を意味する。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイルは、アクリロイル及び/又はメタクリロイルを意味する。
(メタ)アクリレート(b)及び/又は(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)は、特に限定されるものではなく、例えば市販の(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー等を使用することが出来る。
(メタ)アクリレート(b)としては、ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレート(b1)及びヒドロキシ基を含有しない(メタ)アクリレート(b2)等が含まれる。
ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレート(b1)としては、(メタ)アクリロイル基を1〜2個含有する(メタ)アクリレート(b11)及び(メタ)アクリロイル基を3〜14個含有する(メタ)アクリレート(b12)等が含まれる。
(メタ)アクリロイル基を1〜2個含有する(メタ)アクリレート(b11)としては、炭素数2〜27{(メタ)アクリロイル基の炭素数を除く}の(メタ)アクリレート等が使用でき、脂肪族(メタ)アクリレート{ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ノナンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート及びグリセリンジ(メタ)アクリレート等};脂環式(メタ)アクリレート{トリシクロデカンジメチロールモノ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールエチレンオキシド2〜4モル付加体のモノ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールプロピレンオキシド2〜4モル付加体のモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジオールエチレンオキシド2〜4モル付加体のモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジオールプロピレンオキシド2〜4モル付加体のモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメチロールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメチロールエチレンオキシド2〜4モル付加体のモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメチロールプロピレンオキシド2〜4モル付加体のモノ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAモノ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAエチレンオキシド2〜4モル付加体のモノ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAプロピレンオキシド2〜4モル付加体のモノ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFモノ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFエチレンオキシド2〜4モル付加体のモノ(メタ)アクリレート及び水添ビスフェノールFプロピレンオキシド2〜4モル付加体のモノ(メタ)アクリレート等};及び芳香族(メタ)アクリレート{ハイドロキノンエチレンオキシド2〜4モル付加体のモノ(メタ)アクリレート、ハイドロキノンプロピレンオキシド2〜4モル付加体のモノ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキシド2〜4モル付加体のモノ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキシド2〜4モル付加体のモノ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFエチレンオキシド2〜4モル付加体のモノ(メタ)アクリレート及びビスフェノールFプロピレンオキシド2〜4モル付加体のモノ(メタ)アクリレート等}等が用いられる。
以上の他に、(メタ)アクリレート(b11)として、炭素数3〜8のヒドロキシ基含有(メタ)アクリルアミド{N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド及びN−メチル−N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等}等が使用できる。
(メタ)アクリロイル基を3〜14個含有する(メタ)アクリレート(b12)としては、ポリオール(炭素数5〜15)の(メタ)アクリル酸エステル等が使用でき、脂肪族(メタ)アクリレート{ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジグリセリントリ(メタ)アクリレート、トリグリセリントリ(メタ)アクリレート、トリグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリストリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びトリストリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等};脂環式(メタ)アクリレート{シクロヘキサンテトラオールトリ(メタ)アクリレート、水添ピロメリット酸エチレンオキシド4モル付加物のトリ(メタ)アクリレート及び水添トリメリット酸プロピレンオキシド4モル付加体のトリ(メタ)アクリレート等};及び芳香族(メタ)アクリレート{ピロメリット酸エチレンオキシド4モル付加物のトリ(メタ)アクリレート及びピロメリット酸プロピレンオキシド4モル付加物のトリ(メタ)アクリレート等}等が用いられる。
以上の他に(メタ)アクリレート(b12)として、炭素数8〜10のヒドロキシ基含有(メタ)アクリルアミド{N−ヒドロキシエチル−N−(メタ)アクロイル(メタ)アクリルアミド等}等が使用できる。
ヒドロキシル基を含有しない(メタ)アクリレート(b2)としては、(メタ)アクリロイル基を1〜2個含有する(メタ)アクリレート(b21)及び(メタ)アクリロイル基を3〜15個含有する(メタ)アクリレート(b22)等が含まれる。
(メタ)アクリロイル基を1〜2個含有する(メタ)アクリレート(b21)としては、炭素数1〜27{(メタ)アクリロイル基の炭素数を除く}の(メタ)アクリレート等が使用でき、脂肪族(メタ)アクリレート{2−(メタ)アクリロキシエチルコハク酸モノエステル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールエチレンオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールプロピレンオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールエチレンオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールプロピレンオキシド2〜6モル付加体のジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールエチレンオキシド2〜6モル付加体のジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールプロピレンオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールエチレンオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールプロピレンオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチルー1,3−ジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−ジオールエチレンオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート及び2−ブチル−2−エチル−1,3−ジオールプロピレオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート等};脂環式(メタ)アクリレート{ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチレン(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールエチレンオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールプロピレンオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジオールエチレンオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジオールプロピレンオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメチロールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメチロールエチレンオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメチロールプロピレンオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAエチレンオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAプロピレンオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFエチレンオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート及び水添ビスフェノールFプロピレンオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート等};複素環式(メタ)アクリレート{テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等};及び芳香族(メタ)アクリレート{2−(メタ)アクリロオキシエチルフタル酸、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、ハイドロキノンエチレンオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート、ハイドロキノンプロピレンオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFエチレンオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート及びビスフェノールFプロピレンオキシド2〜4モル付加体のジ(メタ)アクリレート等}等が用いられる。
以上の他に、(メタ)アクリレート(b21)として、炭素数3〜8の(メタ)アクリルアミド{(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリロイルモルホリン等};(メタ)アクリル酸;炭素数5〜18の(メタ)アクリロキシアルキルリン酸エステル{2−(メタ)アクリロキシエチルフォスフェート、及びビス(2−(メタ)アクリルオキシエチル)フォスフェート及びトリ(2−(メタ)アクリルオキシエチル)フォスフェート等};炭素数7〜16のアミノ基含有(メタ)アクリレート{ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等}等も使用できる。
(メタ)アクリロイル基を3〜15個含有する(メタ)アクリレート(b22)としては、ポリオール(炭素数3〜36)の(メタ)アクリル酸フルエステル等が使用でき、脂肪族(メタ)アクリレート{グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド3モル付加体のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド6モル付加体のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド3モル付加体のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド6モル付加体のトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンエチレンオキシド4モル付加体のテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンエチレンオキシド8モル付加体のテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンプロピレンオキシド4モル付加体のテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンプロピレンオキシド8モル付加体のテトラ(メタ)アクリレート及びソルビタンテトラ(メタ)アクリレート等};及び芳香族(メタ)アクリレート{1,3,5−トリス((メタ)アクリロキシエトキシ)ベンゼン、N,N',N''−トリ((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌル酸、N,N'−ジ((メタ)アクリロキシエチル)−N''−((メタ)アクリロキシペンチルカルボニルオキシエチル)イソシアヌル酸等}等が用いられる。
これらの(メタ)アクリレート(b)は1種又は2種以上の混合物として用いることができる。(メタ)アクリレート(b)は、紫外線硬化性組成物の目的によって適宜使い分けることが出来る。
これらの(メタ)アクリレート(b)のうち、(メタ)アクリロイル基を3〜14個含有する(メタ)アクリレート(b12)及び(メタ)アクリロイル基を3〜15個含有する(メタ)アクリレート(b22)が好ましく、さらに好ましくはヒドロキシ基を含有し、(メタ)アクリロイル基を3〜14個含有する(メタ)アクリレート(b12)である。
なお、これらの好ましい(b12)及び(b22)を用いる場合でも、紫外線硬化性組成物としての性能(硬度、密着性及び耐硬化クラック性等)のバランスを得るために、(メタ)アクリロイル基を1〜2個含有する(メタ)アクリレート{(b11)及び(b21)}を併用することができる。
(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)としては、(メタ)アクリロイル基を含有していれば制限なく使用できる。(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)に含まれる(メタ)アクリロイル基の数(個)は、1分子あたり、1〜30が好ましく、さらに好ましくは2〜25、特に好ましくは3〜20、最も好ましくは4〜15である。
(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)としては、(メタ)アクリロイル基含有エステルオリゴマー(c1)、(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(c2)及び(メタ)アクリロイル基含有エポキシオリゴマー(c3)等が含まれる。
(メタ)アクリロイル基含有エステルオリゴマー(c1)としては、カルボキシル基含有エステルプレポリマーと、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(b1)とを反応させて製造され得るもの等が含まれる。
カルボキシル基含有エステルプレポリマーは、カルボキシル基を2個含有するエステルプレポリマー及びカルボキシル基を3〜6個含有するエステルプレポリマー等が含まれる。
カルボキシル基を2個含有するエステルプレポリマーとしては、ジカルボン酸及びグリコールを反応させて得られるもの等が含まれる。ジカルボン酸としては、カルボキシ基を2個有する化合物であれば制限なく使用でき、炭素数0〜8(カルボキシル基の炭素は含まない)のカルボン酸等が用いられ、シュウ酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸及びアゼライン酸等が挙げられる。グリコールとしては、ヒドロキシ基を2個有する化合物であれば制限なく使用でき、炭素数2〜10のジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールA及びシクロヘキサンジメチロール等)、及びジオールのアルキレンオキシド(炭素数2〜3)付加体(付加数1〜50)(エチレンオキシド変性ビスフェノールA及びプロピレンオキシド変性ビスフェノールA等)等が用いられる。
カルボキシル基を3〜6個含有するエステルプレポリマーとしては、末端ヒドロキシル基含有エステルオリゴマーとポリカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等)とを反応させて製造され得るカルボキシル基含有エステルプレポリマー等が含まれる。
ジカルボン酸とグリコールとの反応、ポリカルボン酸と末端ヒドロキシル基含有エステルとの反応、カルボキシル基含有エステルプレポリマーとヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(b1)との反応は、公知の方法等が適用できる。
(メタ)アクリロイル基含有エステルオリゴマー(c1)としては、放射線硬化性組成物の目的によって、カルボキシル基含有エステルプレポリマー及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(b1)の組み合わせを適宜使い分けることが出来る。
(メタ)アクリロイル基含有ポリエステルオリゴマー(c1)のうち、カルボキシル基含有エステルプレポリマーとしてカルボキシル基を3〜6個含有するエステルプレポリマーとヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(b1)との反応生成物が好ましく、さらに好ましくは(b1)が脂肪族(メタ)アクリレートである反応生成物である。
市場から入手できる(メタ)アクリロイル基含有エステルオリゴマー(c1)としては、アロニックスM−6100(東亞合成製)、アロニックスM−6250(東亞合成製)、アロニックスM−6500(東亞合成製)、アロニックスM−7100(東亞合成製)、アロニックスM−8030(東亞合成製)、アロニックスM−8100(東亞合成製)、アロニックスM−8530(東亞合成製)、アロニックスM−9050(東亞合成製)、EB770(ダイセル・UCB製)、EB770(ダイセル・UCB製)、EB81(ダイセル・UCB製)、EB675(ダイセル・UCB製)、EB800(ダイセル・UCB製)、EB1830(ダイセル・UCB製)、EB1870(ダイセル・UCB製)及びEB450(ダイセル・UCB製)等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(c2)としては、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(b1)とを反応させて製造され得るもの等が含まれる。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、イソシアネート基を2個含有するウレタンプレポリマー及びイソシアネート基を3〜16個含有するウレタンプレポリマー等が含まれる。
イソシアネート基を2個含有するウレタンプレポリマーとしては、ジイソシアネート及びグリコールを反応させて得られるもの等が含まれる。
ジイソシアネートとしては、炭素数6〜13(イソシアナト基の炭素を除く。)のジイソシアネート等が使用でき、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,4'−又は4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート及びα,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
グリコールとしては、(c1)に例示したグリコール以外に、ジオールとジカルボン酸とから製造され得るヒドロキシ基含有エステルプレポリマー等も使用することもできる。
イソシアネート基を3〜16個含有するウレタンプレポリマーとしては、ジイソシアネートとポリオールとを反応させて製造され得るイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー、及びジオールとイソシアヌール変性(ジイソシアネートの3分子環化反応)したトリイソシアネートとを反応させて製造され得るイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー等が含まれる。その他にも、イソシアヌール変性したトリイソシアネートをウレタンプレポリマーとして使用することも出来る。
ポリオールとしては、炭素数3〜15のポリオール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ジメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びトリペンタエリスリトール等)、及びアルキレンオキシド(炭素数2〜3)付加ポリオール(グリセリンのエチレンオキシド3〜12モル付加体、グリセリンのプロピレンオキシド3〜12モル付加体、トリメチロールプロパンのエチレンオキシド3〜12モル付加体、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド3〜12モル付加体、ジトリメチロールプロパンのエチレンオキシド4〜16モル付加体、ジメチロールプロパンのプロピレンオキシド4〜16モル付加体、ペンタエリスリトールのエチレンオキシド4〜16モル付加体、ペンタエリスリトールのプロピレンオキシド4〜16モル付加体、ジペンタエリスリトールのエチレンオキシド6〜24モル付加体、ジペンタエリスリトールのプロピレンオキシド4〜24モル付加体、トリペンタエリスリトールのエチレンオキシド8〜32モル付加体、トリペンタエリスリトールのプロピレンオキシド8〜32モル付加体、イソシアヌール酸のエチレンオキシド3〜12モル付加体及びイソシアヌール酸のプロピレンオキシド3〜12モル付加体)等が用いられる。
ジイソシアネートとグリコールとの反応及びイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(b1)との反応は、公知の方法等が適用できる。
(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(c2)としては、放射線硬化性組成物の目的によって、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(b1)の組み合わせを適宜使い分けることが出来る。
(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(c2)のうち、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとしてイソシアネート基を3〜16個有するウレタンプレポリマーとヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(b1)との反応生成物が好ましく、さらに好ましくは(b1)が脂肪族(メタ)アクリレートである反応生成物である。
市場から入手できるウレタンオリゴマー(c2)としては、商品名として、NKエステルU−4HA(新中村化学製)、NKエステルU−6HA(新中村化学製)、NKオリゴU−15HA(新中村化学製)及びフォトマー6008(コグニス製)、EB220(ダイセル・ユーシービー製)、アートレジンUN−3320HA(根上工業製)、アートレジンUN−3320HB(根上工業製)、アートレジンUN−3320HC(根上工業製)、アートレジンUN−3320HS(根上工業製)、アートレジンUN−330(根上工業製)、アートレジンUN−901T(根上工業製)、NKオリゴU−324A(新中村化学製)、紫光UV−1700B(日本合成化学製)、紫光UV−7550B(日本合成化学製)、紫光UV−7000B(日本合成化学製)、紫光UV−7210B(日本合成化学製)、EB210(ダイセル・ユーシービー製)、EB6700(ダイセル・ユーシービー製)、EB230(ダイセル・ユーシービー製)、EB270(ダイセル・ユーシービー製)、EB2000(ダイセル・ユーシービー製)、EB4858(ダイセル・ユーシービー製)、EB8402(ダイセル・ユーシービー製)及びEB8804(ダイセル・ユーシービー製)等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基含有エポキシオリゴマー(c3)としては、エポキシ基含有エポキシプレポリマーと、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(b1)とを反応させて製造され得るもの等が含まれる。
エポキシ基含有エポキシプレポリマーは、エポキシ基を2個含有するエポキシプレポリマー及びエポキシ基を3〜10個含有するエポキシプレポリマー等が含まれる。
エポキシ基を2個含有するエポキシプレポリマーとしては、ジエポキシドを重合させて得られるもの等が含まれる。
ジエポキシドとしては、エポキシ基を2個含有する化合物であれば制限なく使用でき、炭素数4〜32(エポキシ基の炭素は含まず)のエポキシ化合物等が用いられ、ポリエチレングリコール(n=1〜10)ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール(n=1〜10)ジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ノナンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルアニリン、(c1)に例示したジカルボン酸のジグリシジルエステル及び3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等が挙げられる。
エポキシ基を3〜10個含有するエポキシプレポリマーとしては、ノボラックフェノール(核体数3〜10)グリシジルエーテル、ビス(p−(N,N−ジグリシジルアミノ)フェニル)メタン、N,N−ジグリシジルアミノフェノールグリシジルエーテル、(c1)に例示したポリカルボン酸のポリグリシジルエステル、ポリカルボン酸エステルオリゴマーのポリグリシジルエステル及び、N,’N,’’N−トリグリシジルイソシアヌレート等が含まれる。
ジエポキシドの重合、エポキシ基含有エポキシプレポリマーとヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(b1)との反応は、公知の方法等が適用できる。
(メタ)アクリロイル基含有エポキシオリゴマー(c3)としては、放射線硬化性組成物の目的によって、末端エポキシ基エポキシプレポリマー及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(b1)の組み合わせを適宜使い分けることが出来る。
(メタ)アクリロイル基含有エポキシオリゴマー(c3)のうち、エポキシ基含有エポキシプレポリマーとしてエポキシ基を3〜10個含有するエポキシプレポリマーとヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(b1)との反応生成物が好ましく、さらに好ましくは(b1)が脂肪族(メタ)アクリレートである反応生成物である。
市場から入手できるエポキシオリゴマー(c3)としては、商品名として、リポキシSP−1506(昭和高分子製)、リポキシSP−1507(昭和高分子製)、リポキシSP−1509(昭和高分子製)、リポキシSP−4010(昭和高分子製)、リポキシSP−5003(昭和高分子製)、リポキシVR−60(昭和高分子製)、リポキシVR−90(昭和高分子製)、EB600(ダイセル・UCB製)、EB608(ダイセル・UCB製)、EB645(ダイセル・UCB製)、EB3600(ダイセル・UCB製)、EB3701(ダイセル・UCB製)、EB3200(ダイセル・UCB製)及びEB3500(ダイセル・UCB製)等が挙げられる。
(メタ)アクロイル基含有オリゴマー(c)の数平均分子量は特に制限されるものではないが、300〜20000が好ましく、さらに好ましくは400〜10000、特に好ましくは500〜5000である。なお、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより、分子量既知のポリスチレンを標準物質として測定される。
これらの(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)は、1種又は2種以上の混合物として用いることができる。(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)は、紫外線硬化性組成物の目的によって適宜使い分けることが出来る。
これらの(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)のうち、(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマー(c2)が好ましい。
なお、この好ましい(c2)を用いる場合でも、紫外線硬化性組成物としての性能(硬度、密着性及び耐硬化クラック性等)のバランスを得るために、(c1)及び(c2)を併用することができる。
紫外線放射性組成物として、(メタ)アクリレート(b)及び(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)は単独で使用することも可能ではあるが、(b)と(c)を併用することが望ましい。
(メタ)アクリレート(b)と(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)を併用する場合、この(b)の含有量(重量%)は、(b)及び(c)の合計重量に基づいて、10〜95が好ましく、さらに好ましくは15〜90、特に好ましくは20〜85、最も好ましくは25〜80である。また、(c)の含有量(重量%)は、(b)及び(c)の合計重量に基づいて、5〜90が好ましく、さらに好ましくは10〜85、特に好ましくは15〜80、最も好ましくは20〜75である。
特に、ハードコーティング用の場合、(メタ)アクリレート(b)及び(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)の合計重量に基づいて、(メタ)アクリロイル基を1〜2個含有する(メタ)アクリレート((b11)及び/又は(b21))が0〜30重量%、(メタ)アクリロイル基を3〜14個含有する(メタ)アクリレート(b12)及び/又は(メタ)アクリロイル基を3〜15個含有する(メタ)アクリレート(b22)が10〜90重量%、並びにアクリロイル基含有オリゴマー(c)が5〜90重量%からなる組成が好ましい。
本発明の放射線硬化組成物には、さらに紫外線開始剤(d)を含有させることが好ましい。
紫外線重合開始剤(d)としては、ラジカル開始剤(d1)及びカチオン開始剤(d2)等が含まれる。
ラジカル開始剤(d1)としては、紫外線(波長200〜400nm程度)を受けることによりラジカルを発生する化合物であれば制限なく使用でき、ベンゾイル基含有ラジカル開始剤、モルフォニル基含有ラジカル開始剤、リン原子含有ラジカル開始剤及びイオウ原子含有ラジカル開始剤等が使用できる。
ベンゾイル基含有ラジカル開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン及びベンゾフェノン等が挙げられる。
モルフォニル基含有ラジカル開始剤としては、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン等が挙げられる。
リン原子含有ラジカル開始剤としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド等が挙げられる。
イオウ原子含有ラジカル開始剤としては、2,4−ジエチルチオキサントン及びイソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
カチオン開始剤(d2)としては、紫外線(波長200〜400nm程度)を受けることによりカチオンを発生する化合物であれば制限なく使用でき、ヘキサフルオロリン酸塩及びヘキサフルオロアンチモン塩等が使用できる。
ヘキサフルオロリン酸塩としては、トリフェニルスルホニウムホスフェート、p−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−クロルフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルフォニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロフォスフェート及び(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe−ヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
ヘキサフルオロアンチモン酸塩としては、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、p−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−クロルフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルフォニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート及びジアリルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
これらの紫外線重合開始剤(d)は単独で用いてもよいし、また2種類以上を併用してもよい。
これらの紫外線重合開始剤(d)のうち、ラジカル開始剤(d1)が好ましく、さらに好ましくはベンゾイル基含有ラジカル開始剤、モルフォニル基含有ラジカル開始剤及びリン原子含有ラジカル開始剤、特に好ましくはモルフォニル基含有ラジカル開始剤及びリン原子含有ラジカル開始剤である。
紫外線重合開始剤(d)を含有する場合、この含有量(重量%)は、(メタ)アクリレート(b)及び(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)の合計重量に基づいて、1〜15が好ましく、さらに好ましくは2〜10、特に好ましくは3〜8である。すなわち、この場合、紫外線重合開始剤(d)の含有量(重量%)の下限は、(メタ)アクリレート(b)及び(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)の合計重量に基づいて、1が好ましく、さらに好ましくは2、特に好ましくは3であり、また同様に上限は、15が好ましく、さらに好ましくは10、特に好ましくは8である。この範囲であると放射線硬化性組成物の硬化性がさらに良好となる。
本発明の放射線硬化性組成物には、紫外線重合開始剤(d)と共に光増感剤(e)を併用してもよい。
光増感剤(e)としては、公知の光増感剤等が使用でき、アルキルアミノ光増感剤(e1)及びジアルキルアミノフェニル光増感剤(e2)等が含まれる。
アルキルアミノ光増感剤(e1)としては、モノアルキルアミン(n−ブチルアミン及び2−エチルヘキシルアミン等)、ジアルキルアミン(ジn−ブチルアミン、ジエタノールアミン及びメチルデシルアミン等)、トリアルキルアミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン及び2−ジメチルアミノエチル安息香酸等)が挙げられる。
ジアルキルアミノフェニル光増感剤(e2)としては、4,4'−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジメチルアミノ安息香酸2−(n−ブトキシ)エチル及びジメチルアミノ安息香酸イソアシル等が挙げられる。
これらの他に、トリn−ブチルホスフィン等のりん化合物も使用できる。
これらの光増感剤(e)のうち、トリアルキリアミン及びジアルキルアミノフェニル光増感剤(e2)が好ましく、さらに好ましくはジアルキルアミノフェニル増感剤、特に好ましくは4,4'−ジアルキルアミノベンゾフェノンである。
光増感剤(e)を含有する場合、この含有量(重量%)は、紫外線重合開始剤(d)の重量に基づいて、5〜100が好ましく、さらに好ましくは10〜80、特に好ましくは20〜50である。すなわち、この場合、(e)の含有量(重量%)の下限は、紫外線重合開始剤(d)の重量に基づいて、5が好ましく、さらに好ましくは10、特に好ましくは20であり、また同様に上限は、100が好ましく、さらに好ましくは80、特に好ましくは50である。この範囲であると、放射線硬化性組成物の硬化性がさらに良好となる。
本発明の放射線硬化性組成物には、耐候性を向上させる目的で、紫外線吸収剤(光安定剤を含む)(f)を含有することができる。
紫外線吸収剤(f)としては、ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤(f1)、ヒンダードアミン紫外線吸収剤(f2)、ベンゾフェノン紫外線吸収剤(f3)、サリチル酸紫外線吸収剤(f4)及びトリアジン紫外線吸収剤(f5)等が含まれる。
ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤(f1)としては、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール及び2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
ヒンダードアミン紫外線吸収剤(f2)としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート及びビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等が挙げられる。
ベンゾフェノン紫外線吸収剤(f3)としては、2,4−ジヒドロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン及び2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
サリチル酸紫外線吸収剤(f4)としては、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート及びp−オクチルフェニルサリシレート等が挙げられる。
トリアジン紫外線吸収剤(f5)としては、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン及び2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシフェニル−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤は単独で用いてもよいし、また2種類以上を併用してもよく、2種以上併用する場合、ヒンダードアミン紫外線吸収剤(f2)とトリアジン紫外線吸収剤(f5)との併用が好ましい。
これらの紫外線吸収剤(f)のうち、ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤(f1)、ヒンダードアミン紫外線吸収剤(f2)及びトリアジン紫外線吸収剤(f5)が好ましく、さらに好ましくはヒンダードアミン紫外線吸収剤(f2)及びトリアジン紫外線吸収剤(f5)である。
紫外線吸収剤(f)を含有する場合、この含有量(重量%)は、(メタ)アクリレート(b)及び(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)の合計重量に基づいて、0.1〜10が好ましく、さらに好ましくは0.3〜8、特に好ましくは0.5〜5である。すなわち、この場合、(f)の含有量(重量%)の下限は、(メタ)アクリレート(b)及び(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)の合計重量に基づいて、0.1が好ましく、さらに好ましくは0.3、特に好ましくは0.5であり、また同様に上限は、10が好ましく、さらに好ましくは8、特に好ましくは5である。
本発明の放射線硬化性組成物には、帯電防止性を向上させる目的で必要により更に帯電防止剤(g)を含有することができる。帯電防止剤(g)としては、無機帯電防止剤(g1)及び有機帯電防止剤(g2)等が含まれる。
無機帯電防止剤(g1)としては、ニ酸化スズ、五酸化アンチモン、スズドープ酸化インジウム、アンチモンドープニ酸化スズ及びアンチモン酸亜鉛等が挙げられる。
無機帯電防止剤(g1)は、1〜100nmの1次粒子径(体積平均粒子径)を持つことが好ましい。なお、1次粒子径は、体積平均粒子経が1nm〜100nmの場合、動的光散乱式粒度分布計(例えば、堀場製作所製LB−550)により測定さる。
有機帯電防止剤(g2)としては、ポリエチレングリコール(数平均分子量:200〜600)、グリセリンモノ脂肪酸エステル、スルホン酸塩、燐酸塩及びアンモニウム塩等が挙げられる。なお、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより、分子既知のポリエチレングリコールを標準物質として測定される。
これらの帯電防止剤は単独で用いてもよいし、また2種類以上を併用してもよい。
これらの帯電防止剤(g)のうち、無機帯電防止剤(g1)が好ましく、さらに好ましくは五酸化アンチモンである。
帯電防止剤(g)を含有する場合、この含有量(重量%)は、(メタ)アクリレート(b)及び(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)の合計重量に基づいて、0.5〜20が好ましく、さらに好ましくは1〜10、特に好ましくは3〜8である。すなわち、この場合、(g)の含有量(重量%)の下限は、(メタ)アクリレート(b)及び(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)の合計重量に基づいて、0.5が好ましく、さらに好ましくは1、特に好ましくは3であり、また同様に上限は、20が好ましく、さらに好ましくは10、特に好ましくは8である。
本発明の放射線硬化性組成物には、塗工適正や擦り傷防止を向上させる目的で必要により更にフィラー(h)を含有することができる。フィラー(h)としては、無機フィラー(h1)及び有機フィラー(h2)等が含まれる。
無機フィラー(h1)としては、シリカ、酸化チタン、タルク、クレー、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、珪藻土シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、酸化ジルコニウム及び水酸化ジルコニウム等が挙げられる。
有機フィラー(h2)としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、メラミン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド及びポリビニルピロリドン等が挙げられる。
これらのフィラーは単独で用いてもよいし、また2種類以上を併用してもよい。
これらのフィラー(h)のうち、無機フィラー(h1)が好ましく、さらに好ましくは酸化チタン及びシリカ、特に好ましくはシリカである。
フィラー(h)を含有する場合、この含有量(重量%)は、(メタ)アクリレート(b)及び(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)の合計重量に基づいて、1〜30が好ましく、さらに好ましくは3〜20、特に好ましくは5〜15である。すなわち、この場合、(h)の含有量(重量%)の下限は、(メタ)アクリレート(b)及び(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)の合計重量に基づいて、1が好ましく、さらに好ましくは3、特に好ましくは5であり、また同様に上限は、30が好ましく、さらに好ましくは20、特に好ましくは15である。
本発明の放射線硬化性組成物に無機帯電防止剤(g1)及び/又は無機フィラー(h1)を含有する場合、さらに公知の分散剤(i)を含有することが好ましい。
分散剤(i)としては、カチオン界面活性剤(i1)、アニオン界面活性剤(i2)、ノニオン界面活性剤(i3)及び両性界面活性剤(i4)等が含まれる。
これらの分散剤(i)のうち、両性界面活性剤(i4)が好ましく、市場から入手できる両性界面活性剤としては、商品名として、ソルスパース20000(ゼネカ製)、ソルスパース32500(ゼネカ製)及びソルスパース32550(ゼネカ製)等が挙げられる。
分散剤(i)を含有する場合、分散剤(i)の含有量(mg/m2)は、無機帯電防止剤(g1)及び/又は無機フィラー(h1)の比表面積(m2)に基づいて、0.1〜15が好ましく、さらに好ましくは0.5〜10、特に好ましくは1〜5である。すなわち、この場合、(i)の含有量(mg/m2)の下限は、(g1)及び/又は(h1)の比表面積(m2)に基づいて、0.1が好ましく、さらに好ましくは0.5、特に好ましくは1であり、また同様に上限は、15が好ましく、さらに好ましくは10、特に好ましくは5である。
なお、無機帯電防止剤(g1)及び/又は無機フィラー(h1)の比表面積は、窒素ガスによる気体吸着法{JIS R 1626(1996)}によって測定される。
本発明の放射線硬化性組成物には、塗工適性を向上させる目的で必要によりさらに溶剤(j)を含有することができる。溶剤(j)としては、アルコール(j1)、ケトン(j2)、エステル(j3)、エーテル(j4)、芳香族炭化水素(j5)、脂環式炭化水素(j6)及び脂肪族炭化水素(j7)等が含まれる。
アルコール(j1)としては、炭素数1〜10のアルコール等が使用でき、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル及びプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
ケトン(j2)としては、炭素数3〜6のケトン等が使用でき、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等が挙げられる。
エステル(j3)としては、炭素数4〜10のエステル等が使用でき、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
エーテル(j4)としては、炭素数4〜10のエーテル等が使用でき、エチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル及び1,4−ジオキサン等が挙げられる。
芳香族炭化水素(j5)としては、炭素数6〜9の芳香族炭化水素等が使用でき、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン及びトリメチルベンゼン等が挙げられる。
脂環式炭化水素(j6)としては、炭素数5〜10の脂環式炭化水素等が使用でき、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロペプタン、シクロオクタン、シクロノナン及びシクロデカン等が挙げられる。
脂肪族炭化水素(j7)としては、炭素数5〜10の脂肪族炭化水素等が使用でき、ペンタン、ヘキサン、ペプタン、オクタン、ノナン及びデカン等が挙げられる。
以上の他に、石油エーテル及び石油ナフサ等も使用できる。
これらの溶剤(j)のうち、アルコール(j1)、ケトン(j2)及びエーテル(j4)が好ましく、さらに好ましくはアルコール(j1)及びケトン(j2)、特に好ましくはアルコール(j1)である。
これらの溶剤は単独で用いてもよいし、また2種類以上を併用してもよい。併用する場合はアルコール(j1)とケトン(j2)との併用が好ましい。
なお、溶剤(j)を含有する場合、この含有量は放射線硬化性組成物の粘度等によって適宜決定される。
本発明の放射線硬化性組成物には、さらに添加剤(k){消泡剤、保存安定化剤、着色剤、抗菌剤、増粘剤及び/又は粘弾性調整剤等}を添加し、これらの機能を付与することができる。消泡剤を添加する場合、この含有量(重量%)は、本発明の放射線硬化性組成物の重量に基づいて、0.05〜5が好ましく、さらに好ましくは0.1〜2、特に好ましくは0.5〜1である。すなわち、この場合、消泡剤の含有量(重量%)の下限は、本発明の放射線硬化性組成物の重量に基づいて、0.05が好ましく、さらに好ましくは0.1、特に好ましくは0.5であり、また同様に上限、5が好ましく、さらに好ましくは2、特に好ましくは1である。保存安定化剤を添加する場合、この含有量(重量%)は、(メタ)アクリレート(b)及び(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)の合計量に基づいて、0.005〜1が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5、特に好ましくは0.03〜0.1である。すなわち、この場合、保存安定化剤の含有量(重量%)の下限は、(メタ)アクリレート(b)及び(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)の合計量に基づいて、0.005が好ましく、さらに好ましくは0.01、特に好ましくは0.03であり、また同様に上限は、1が好ましく、さらに好ましくは0.5、特に好ましくは0.1である。着色剤を添加する場合、この含有量(重量%)は、本発明の放射線硬化性組成物の重量に基づいて、0.01〜5が好ましく、さらに好ましくは0.03〜2、特に好ましくは0.05〜1である。すなわち、この場合、着色剤の含有量(重量%)の下限は、本発明の放射線硬化性組成物の重量に基づいて、0.01が好ましく、さらに好ましくは0.03、特に好ましくは0.05であり、また同様に上限は、5が好ましく、さらに好ましくは2、特に好ましくは1である。抗菌剤を添加する場合、この含有量(重量%)は、本発明の放射線硬化性組成物の重量に基づいて、0.1〜15が好ましく、さらに好ましくは0.5〜10、特に好ましくは1〜5である。すなわち、この場合、抗菌剤の含有量(重量%)の下限は、本発明の放射線硬化性組成物の重量に基づいて、0.1が好ましく、さらに好ましくは0.5、特に好ましくは1であり、また同様に上限は、15が好ましく、さらに好ましくは10、特に好ましくは5である。増粘剤及び/又は粘弾性調整剤を添加する場合、これらの含有量は放射線硬化性組成物の粘度等によって適宜決定される。
本発明の放射線硬化型組成物は、シリコーン(a)、(メタ)アクリレート(b)、(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)、紫外線重合開始剤(d)、光増感剤(e)、紫外線吸収剤(f)、帯電防止剤(g)、フィラー(h)、分散剤(i)、溶剤(j)及び添加剤(k)を通常の方法により撹拌混合することにより得ることができる。
(a)〜(k)の撹拌混合する順番には特に制限がなく、均一に撹拌混合できればよい。
撹拌混合温度(℃)としては均一撹拌混合できれば特に制限はないが、25〜60が好ましく、さらに好ましくは30〜50、特に好ましくは35〜45である。
撹拌混合時間(時間)としては均一撹拌混合できれば特に制限はないが、0.5〜4が好ましく、さらに好ましくは0.75〜3、特に好ましくは1〜2である。
本発明の放射線硬化性組成物は、公知の塗工方法によりコーティングでき、ディップ塗工、スプレー塗工、バーコーター塗工、ロールコーター塗工、メイヤーバー塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、リバースグラビア塗工及びスピンコーター塗工等によりコーティングされる。
本発明の放射線硬化性組成物をコーテイングする場合、コーティング層の厚さは、2〜100μm程度が好ましい。また、接着剤としてコーティングする場合、コーティング層の厚さは10〜400μm程度が好ましい。なお、溶剤(j)を用いた場合は、乾燥後にこの厚さになることが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されない。
表1に示す配合量の各組成を、攪拌羽、モーター付ステンレス製配合槽に仕込み、空気雰囲気下40℃に昇温し、この温度で1時間攪拌混合して、本発明の放射線硬化性組成物(実施例1〜11)及び比較用の放射線硬化性組成物(比較例1〜2)を得た。なお、表中の数値は重量部を表し、表1で記載する略号の意味は次の通りである。
A1:オクタメチルシクロテトラシロキサン(n=4)
A2:デカメチルシクロペンタシロキサン(n=5)
A3:ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(n=6)
A4:ディスパロンAQ−7120(アクリルシリコン系平滑剤,楠本化成製)
B :ジペンタエリスリトールテトラアクリレート
C :NKオリゴU−15HA(新中村化学製)
D :1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
J :プロピレングリコールモノメチルエーテル
平滑性及びリコート性について評価し、これらの評価結果を表1に示した。なお、評価用試料は、次のように調整した。
<評価用試料の調整>
アクリル樹脂板(アクリサンデー製、品番01101、厚み1mm)を30cm(縦)×15cm(横)角にアクリルカッターにて切り出し、表面の保護フィルムを剥がし、塗工面をイソプロピルアルコールで拭き取り乾燥して被塗工板を用意した。
次いで、JIS K5400(1990)「3.3試験片の作成(7.5)バーコーター塗り」に記載されたバーコーターNo.18と同等のバーコーターを用いて、放射線硬化性組成物をアクリル樹脂板に縦方向に塗工し、塗工面が縦方向に垂直になるようにして被塗工板を吊るして22℃で5分間で放置し、さらに50℃の乾燥機内で5分間放置した後、塗工面に紫外線(高圧水銀灯,500mJ/cm2)を垂直に照射することによって放射線硬化性組成物を硬化して、評価用試料を調整した。
<平滑性>
評価用試料の塗工面の平滑性を目視により判定した。ブラッシング(縦方向への刷毛目)、柚肌(柚の皮膜状)及びハジキのそれぞれについて、実用上問題はないが一部かすかに観察されたものには1点、一部はっきり観察される又は全体に観察されるものには2点、観察されなかったものには0点として、合計点数を平滑性としした。平滑性の最大値は6点であり、合計点数が少ないほど平滑性に優れる。実用性において問題のないものについては○(平滑性が1点以下)、問題のあるものについては×(平滑性が2点以上)で示す。
<リコート性>
ゼブラ製ハイマッキー(油性マーカー、6mm巾、4色;黒、赤、青及び黄色)を用いて、評価用試料の塗工面に直線を5cmの長さ、約1.5cm間隔で各色4本引き、各4色の直線それぞれについて、はじきがないものを0点、1〜2ヶ所にはじきが確認できたものを1点、3ヶ所以上のはじき又は線の端の一部欠けている状態には2点、線の端が全て欠けているものには3点、線として残っていない状態には4点として、評価をおこない合計点数をリコート性とした。リコート性の最大値は16点であり、合計点数が少ないほどリコート性に優れる。実用性において問題のないものについては○(リコート性が2点以下)、問題のあるものについては×(リコート性が3点以上)で示す。
本発明の放射線硬化性組成物(実施例1〜11)は、比較例の放射線硬化性組成物に比較して、極めてリコート性に優れており、平滑性についても実用的には問題はない。
中でも、実施例3〜5((a)の含有量が紫外線硬化性組成物の重量に基づいて0.5〜5重量%且つn=4)の場合、平滑性及びリコート性に極めて優れている。
本発明の放射線硬化性組成物は、木材、石、ガラス、コンクリート、金属、プラスチック及び金属蒸着プラスチック等のコーティング剤又は接着剤等として使用することができる。さらに、3次元造形用放射線硬化性組成物として成型体にすることもできる。
これらのうち、プラスチック及び金属蒸着プラスチック等のコーティング剤又は接着剤等として好適であり、特にプラスチックのコーティング剤として好適である。プラスチックのコーティング剤のうち、プラスチック成型体のハードコーティング剤(特に傷防止用のハードコーティング剤)として最適である。
プラスチックとしては、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、スチレン−メタクリル樹脂、トリアセチルセルロース、、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリサルホン及びポリアクリロニトリル等が挙げられる。これらのうち、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート及びスチレン−メタクリル樹脂等の透明性の高いプラスチックに好適である。
プラスッチック成型体としては、家電製品用成型体、車両用成型体及び建築材料用成型体等が含まれる。
家電製品用成型体としては、オーディオ又は携帯電話の外装材及び液晶等の保護板等が挙げられる。
車両用成型体としては、ヘッドランプレンズ、ウインカーレンズ、サンルーフ、メーターカバー、バイクの風防及びヘルメットシールド等が挙げられる。
建築材料用成型体としては、高速道路防音壁、間仕切り板及び採光窓等が挙げられる。
これらの他に、額縁用プラスチック板、展示用パネル、光学レンズ、プラスチック容器及び装飾品等にも適用できる。

Claims (6)

  1. 一般式(1)で表されるシリコーン(a)を含有してなることを特徴とする放射線硬化性組成物。
    1及びR2は、それぞれ独立して水素原子、メチル基又はエチル基を示し、nは3〜6の整数を意味する。
  2. シリコーン(a)の含有量が、放射線硬化性樹脂組成物の重量に基づいて0.05〜15重量%である請求項1に記載の放射線硬化性組成物。
  3. (メタ)アクリレート(b)及び/又は(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(c)を含有してなる請求項1又は2に記載の放射線硬化型組成物。
  4. (メタ)アクリレート(b)が、水酸基を含有する(メタ)アクリレート(b1)及び/又は水酸基を含有しない(メタ)アクリレート(b2)である請求項3に記載の放射線硬化性組成物。
  5. プラスチック成型体のハードコーティング用である請求項1〜4のいずれかに記載の放射線硬化性組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の放射線硬化性組成物をコーティングしてなるプラスチック成型体。
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