JP2005153685A - 衝撃吸収式ステアリングコラム装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】二次衝突時に大きな衝撃吸収荷重または小さな衝撃吸収荷重が得られるようにした、安価で簡素な構造の衝撃吸収式ステアリングコラム装置を提供すること。
【解決手段】ステアリングコラム20の車両前方への移動により変形して衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収部材52は、車両後方に向けて開いたU字形状に形成されて、ホルダ51の縦壁(支承壁)51b,51c間に相対移動可能に配置されている。また、エネルギー吸収部材52は、中間部52aから一端部52b間での変形によって得られる衝撃吸収荷重と中間部52aから他端部52c間での変形によって得られる衝撃吸収荷重が異なる形状に形成されている。また、エネルギー吸収部材52は、各端部52b,52cが車体側に設けたアクチュエータ53によってロック・アンロック可能であり、ステアリングコラム側に設けた支柱(係合体)54により押動されて変形可能である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両の衝突時における乗員(運転者)の二次衝突エネルギー(以下、単に衝突エネルギーという)を吸収するエネルギー吸収部材を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置に関する。
この種の衝撃吸収式ステアリングコラム装置の一つとして、車体の一部に対するステアリングコラムの車両前方への移動により変形して衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収部材を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−225728号公報
上記した特許文献1に記載されている衝撃吸収式ステアリングコラム装置では、エネルギー吸収部材として、二枚のエネルギー吸収プレートが採用されていて、例えば、運転者の体重が大きい場合には、二次衝突時に二枚のエネルギー吸収プレートを曲げ変形させて衝撃吸収荷重を増大させる一方、運転者の体重が小さい場合には、一枚のエネルギー吸収プレートのみ曲げ変形させて衝撃吸収荷重を減少させ、ステアリングコラムの前進が適切に行われるようにしている。ところで、上記した特許文献1に記載されている衝撃吸収式ステアリングコラム装置では、二次衝突時に大きな衝撃吸収荷重または小さな衝撃吸収荷重が得られるように、二枚のエネルギー吸収プレートが採用されている。
本発明は、一つのエネルギー吸収部材を用いて二次衝突時に大きな衝撃吸収荷重または小さな衝撃吸収荷重が得られるようにした、安価で簡素な構造の衝撃吸収式ステアリングコラム装置を提供することを目的としている。
かかる目的を達成するために、本発明では、車体の一部に対するステアリングコラムの車両前方への移動により変形して衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収部材を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記エネルギー吸収部材は、車両後方または車両前方に向けて開いたU字形状に形成されて、車両前後方向に沿って延在する一対の支承壁間に相対移動可能に配置され、中間部から一端部間での変形によって得られる衝撃吸収荷重と中間部から他端部間での変形によって得られる衝撃吸収荷重は異なるように構成されており、車体側またはステアリングコラム側には、前記エネルギー吸収部材の各端部を相対移動不能にロックまたは相対移動可能にアンロックするアクチュエータが設けられ、ステアリングコラム側または車体側には、前記エネルギー吸収部材の一部に相対移動可能に係合する係合体が設けられていることに特徴がある。
この衝撃吸収式ステアリングコラム装置では、二次衝突時に、アクチュエータがエネルギー吸収部材の一端部を相対移動不能にロックし他端部を相対移動可能にアンロックした状態にて、ステアリングコラムが車体の一部に対して車両前方へ移動すると、エネルギー吸収部材の中間部から他端部間にてエネルギー吸収部材の変形が得られて、衝突エネルギーが吸収される。また、二次衝突時に、アクチュエータがエネルギー吸収部材の他端部を相対移動不能にロックし一端部を相対移動可能にアンロックした状態にて、ステアリングコラムが車体の一部に対して車両前方へ移動すると、エネルギー吸収部材の中間部から一端部間にてエネルギー吸収部材の変形が得られて、衝突エネルギーが吸収される。
ところで、上述したように変形して衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収部材は、中間部から一端部間での変形によって得られる衝撃吸収荷重と中間部から他端部間での変形によって得られる衝撃吸収荷重が異なるように構成されているため、上記した作動によって二次衝突時に大きな衝撃吸収荷重または小さな衝撃吸収荷重が得られる。したがって、この衝撃吸収式ステアリングコラム装置では、一つのエネルギー吸収部材を用いて二次衝突時に大きな衝撃吸収荷重または小さな衝撃吸収荷重を得ることが可能であり、当該衝撃吸収式ステアリングコラム装置を安価で簡素な構造とすることが可能である。
また、本発明の実施に際して、前記アクチュエータが前記エネルギー吸収部材の両端部をアンロック可能とすることも可能である。この場合には、二次衝突時に、アクチュエータがエネルギー吸収部材の両端部を相対移動可能にアンロックした状態とすることが可能であり、ステアリングコラムが車体の一部に対して車両前方へ移動したとき、エネルギー吸収部材の変形が得られないようにすることが可能である。したがって、この場合には、一つのエネルギー吸収部材を用いて、二次衝突時に、大きな衝撃吸収荷重または小さな衝撃吸収荷重での衝撃吸収パターン、あるいは衝撃吸収荷重なしの衝撃吸収パターンを選択することが可能となる。
また、本発明の実施に際して、前記エネルギー吸収部材、前記アクチュエータおよび前記係合体を備えた可変機構が複数個設けられていることも可能である。この場合には、各可変機構によって得られる各衝撃吸収パターンの組み合わせによって、選択可能な衝撃吸収パターンを増やすことが可能であり、二次衝突時の衝撃荷重に応じた最適な衝撃吸収荷重を選択することが可能である。
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明による衝撃吸収式ステアリングコラム装置を備えた車両を概略的に示していて、この衝撃吸収式ステアリングコラム装置においては、図1〜図3に示したように、ステアリングシャフト10が軸方向にて伸縮可能かつトルク伝達可能なアッパシャフト11とロアシャフト12を備える構成とされ、ステアリングシャフト10を回転自在に支持して軸方向にて伸縮可能なステアリングコラム20がアウターチューブ21とインナーチューブ22を備える構成とされている。
アッパシャフト11は、アウターチューブ21に対して軸受(図示省略)を介して回転自在かつ軸方向移動不能に支持されていて、図1右端の上端部にはエアバッグ装置Aを装着したステアリングホイール13が一体回転可能に組付けられている。一方、ロアシャフト12は、インナーチューブ22に軸受(図示省略)を介して回転自在に支持されていて、図1左端の下端部にて自在継手14を介して伸縮可能かつトルク伝達可能な中間軸15に連結されるようになっていて、中間軸15は自在継手16を介してステアリングギヤボックス17に連結されている。
アウターチューブ21は、図2に示したように、下端部にてインナーチューブ22の上端部に軸方向へ摺動可能に嵌合連結されていて、下端部に固着したブラケット21aにてチルトおよびテレスコピック調整可能な上方支持機構S1を介して車体の一部(図示省略)に固着される車体側ブラケット(ステアリングサポートブラケットともいわれる)31に組付けられている。一方、インナーチューブ22は、下端部に固着したブラケット22aにて回動可能な下方支持機構S2を介して車体側ブラケット32に傾動可能に組付けられている。
上方支持機構S1は、アウターチューブ21に固着したブラケット21aを上下方向にて傾動可能(チルト可能)に支持するブレークアウエイブラケット41を備えるとともに、ブレークアウエイブラケット41に対してアウターチューブ21に固着したブラケット21aを固定・解除可能なチルト機構と、アウターチューブ21をインナーチューブ22に対して固定・解除可能なテレスコピック機構を備えている。
チルト機構は、それ自体公知のものであり、ハンドル操作にて固定・解除可能であり、解除状態ではステアリングシャフト10とステアリングコラム20をブレークアウエイブラケット41に対して一体的に上下にチルト調整可能とする。テレスコピック機構は、それ自体公知のものであり、ハンドル操作にて固定・解除可能であり、解除状態ではアッパシャフト11とアウターチューブ21をロアシャフト12とインナーチューブ22に対してコラム軸方向にテレスコピック調整可能とする。
ブレークアウエイブラケット41は、左右に延びる一対のアーム41a,41bを有していて、図4にて示したように、各アーム41a,41bに設けた各スリット孔41a1,41b1にて、各樹脂カプセル42と各金属カラー43を介して、各ボルト44を用いて車体側ブラケット31に組付けられるようになっている。なお、各ボルト44は、車体側ブラケット31に予め固着した各ナット32に螺着固定されるようになっている。
ブレークアウエイブラケット41の各スリット孔41a1,41b1は、車両衝突時の二次衝突時にブレークアウエイブラケット41の前方への移動離脱を可能とするものであり、図3に破線で示したように、各アーム41a,41bの略中央から後端に延びて後端にて開口している。各樹脂カプセル42は、各スリット孔41a1,41b1内に嵌合する筒部42aを有していて、各アーム41a,41bの上面に添着固定されており、二次衝突時に所定の荷重にて剪断されるようになっている。各金属カラー43は、各樹脂カプセル42の筒部42aに圧入嵌合されていて、各ボルト44を用いて車体側ブラケット31に組付けられている状態では、二次衝突時に各樹脂カプセル42を剪断可能である。
下方支持機構S2は、ステアリングコラム20におけるインナーチューブ22を常に傾動(回動)可能に支持するものであり、インナーチューブ22の下端部に固着したブラケット22aに形成した取付孔22a1に回転自在に嵌合されるカラー(図示省略)と、このカラーを車体の一部(図示省略)に固定するボルトおよびナット(図示省略)等によって構成されている。
また、この実施形態においては、車体側ブラケット31とブレークアウエイブラケット41間に衝撃吸収荷重の可変機構Bが介装されている。可変機構Bは、二次衝突時の衝撃吸収荷重を大きな衝撃吸収荷重または小さな衝撃吸収荷重とし得るものであり、車体側ブラケット31に組付けられたホルダ51、エネルギー吸収部材52およびアクチュエータ53を備えるとともに、ブレークアウエイブラケット41に固着された支柱54を備えている。
ホルダ51は、図2〜図4に示したように、後端部を除いて底壁51aが無い形状で、左右一対の縦壁51b,51cと上壁51dを有していて、車両前後方向に沿って延在しており、後方部位にてエネルギー吸収部材52の前方部位とアクチュエータ53を収容するとともに支柱54の上方部位を収容している。また、ホルダ51は、前後一対のねじ55によりアクチュエータ53とともに車体側ブラケット31に固定されていて、二次衝突時にも車体側ブラケット31に対して移動しないように構成されている。
ホルダ51の各縦壁51b,51cは、エネルギー吸収部材52を摺動可能に支承する支承壁であり、二次衝突時においてブレークアウエイブラケット41が車体側ブラケット31から離脱して車両前方に移動するとき、エネルギー吸収部材52とブレークアウエイブラケット41に固着された支柱54の車両前方への移動をガイドするガイド機能も備えている。
エネルギー吸収部材52は、二次衝突時においてブレークアウエイブラケット41が車体側ブラケット31から離脱して車両前方に移動するとき、ホルダ51における左右一対の縦壁51b,51cと支柱54間にて変形して衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収プレートであり、車両後方に向けて開いたU字形状に形成されており、車両前後方向に沿って延在するホルダ51の左右一対の縦壁51b,51c間に相対移動可能に配置されている。
また、エネルギー吸収部材52は、図5に示したように、中間部52aから一端部52b間の幅W1が中間部52aから他端部52c間の幅W2に比して小さくされていて、中間部52aから一端部52b間での変形、すなわち細幅(W1)部分での変形によって得られる衝撃吸収荷重が中間部52aから他端部52c間での変形、すなわち広幅(W2)部分での変形によって得られる衝撃吸収荷重より小さくなるように構成されている。
アクチュエータ53は、エネルギー吸収部材52の各端部52b,52cをホルダ51に対して相対移動不能にロック(固定)または相対移動可能にアンロック(解除)するものであり、図4にて概略的に示したように、電気制御装置ECUによって通電・非通電を制御されるソレノイド53a,53bと、各ソレノイド53a,53bへの通電に応答して車両の左右方向に移動する連結ピン53cを備えている。
連結ピン53cは、両ソレノイド53a,53bが非通電とされているとき、中立保持機構(図示省略)により図4に示した中立位置(アンロック位置)に保持されてエネルギー吸収部材52に係合せず、エネルギー吸収部材52の両端部52b,52cをアンロックとしてホルダ51に対する前後方向の相対移動を可能として、エネルギー吸収部材52の変形を不能とする。
また、連結ピン53cは、一方のソレノイド53aが通電されたとき、図4の左方へ移動してエネルギー吸収部材52の細幅(W1)部分に設けた連結孔52b1に嵌合し、エネルギー吸収部材52の細幅(W1)部分をホルダ51に対して前後方向にて相対移動不能にロックして、エネルギー吸収部材52の広幅(W2)部分の変形を可能とする。また、他方のソレノイド53bが通電されたとき、図4の右方へ移動してエネルギー吸収部材52の広幅(W2)部分に設けた連結孔52c1に嵌合し、エネルギー吸収部材52の広幅(W2)部分をホルダ51に対して前後方向にて相対移動不能にロックして、エネルギー吸収部材52の細幅(W1)部分の変形を可能とする。
支柱54は、エネルギー吸収部材52の一部に相対移動可能に係合する円柱状の係合体であり、ブレークアウエイブラケット41から上方に突出してエネルギー吸収部材52の中間部52aに入り込んでいて、二次衝突時においてブレークアウエイブラケット41が車体側ブラケット31から離脱して車両前方に移動するとき、ホルダ51における左右一対の縦壁51b,51cと協働してエネルギー吸収部材52の細幅(W1)部分または広幅(W2)部分を押動して変形させる。
また、この実施形態においては、図1に示したように、シート60と車体との間にシートベルト装置Cが装備されている。シートベルト装置Cは、シートベルト71、タングプレート72、バックル73、ショルダーベルトアンカ74を備えるとともに、プリテンショナ機構およびフォースリミッタ機構を内蔵したリトラクタ75を備えていて、バックル73内のスイッチSWがタングプレート72の有無を検知することにより、運転者(Hf,HまたはHr)のシートベルト着用・非着用が検出されるようになっている。
なお、プリテンショナ機構は、車両の前面衝突時の初期にシートベルト71を瞬時に巻き取り、運転者(Hf,HまたはHr)の身体をしっかりと拘束する機構である。また、フォースリミッタ機構は、車両の衝突時に運転者(Hf,HまたはHr)が衝撃の反動で前方へ移動したときに、シートベルト71の拘束力を少し緩めて、運転者(Hf,HまたはHr)の胸部にかかる荷重を設定荷重に低減する機構である。
電気制御装置ECUは、エアバッグ装置Aと可変機構Bの作動を、車両の衝突時に運転者(Hf,HまたはHr)の体格と運転者(Hf,HまたはHr)のシートベルト着用・非着用に応じて制御するものであり、エアバッグ装置Aと可変機構Bに電気的に接続されるとともに、運転者(Hf,HまたはHr)のシートベルト着用・非着用を検出するバックル43内のスイッチSW、運転者(Hf,HまたはHr)の体格を検出する着座シート位置検出センサSpおよび車両の衝突を検知する衝突検知センサScにそれぞれ電気的に接続されている。
この電気制御装置ECUにおいては、車両の衝突時に、衝突検知センサScからの検出信号に基づいてエアバッグ装置Aを作動させる制御プログラムが実行されるとともに、衝突検知センサSc、着座シート位置検出センサSpおよびバックル43内のスイッチSWからの検出信号に基づいて可変機構Bの作動すなわちアクチュエータ53の作動を制御する制御プログラムが実行されるように構成されている。
アクチュエータ53の作動を制御する制御プログラムは、具体的には、大柄な運転者Hrがシートベルト71を装着して運転していて車両が衝突したとき、一方のソレノイド53aが通電されて、エネルギー吸収部材52の広幅(W2)部分の変形が可能となるように、また標準的な運転者Hがシートベルト71を装着して運転していて車両が衝突したとき、他方のソレノイド53bが通電されて、エネルギー吸収部材52の細幅(W1)部分の変形が可能となるように、また小柄な運転者Hfがシートベルト71を装着して運転していて車両が衝突したとき、両ソレノイド53a,53bが共に非通電に維持されて、エネルギー吸収部材52の変形が不能となるように設定されている。
また、大柄な運転者Hrまたは標準的な運転者Hがシートベルト71を装着しないで運転していて車両が衝突したとき、一方のソレノイド53aが通電されて、エネルギー吸収部材52の広幅(W2)部分の変形が可能となるように、また小柄な運転者Hfがシートベルト71を装着しないで運転していて車両が衝突したとき、他方のソレノイド53bが通電されて、エネルギー吸収部材52の細幅(W1)部分の変形が可能となるように設定されている。
上記のように構成したこの実施形態においては、車両の衝突時、電気制御装置ECUによって作動を制御されるエアバッグ装置Aが作動して運転者(Hf,HまたはHr)の二次衝突に備えるとともに、可変機構Bにおけるアクチュエータ53の各ソレノイド53a,53bが電気制御装置ECUによって通電・非通電を制御されて運転者(Hf,HまたはHr)の二次衝突に備える。
また、運転者(Hf,HまたはHr)の二次衝突時には、ブレークアウエイブラケット41が車体側ブラケット31に対して車両前方に所定荷重以上で移動離脱することにより、ブレークアウエイブラケット41の車両前方への移動に伴って可変機構Bにおけるエネルギー吸収部材52の中間部52aから一端部52b間または中間部52aから他端部52c間がホルダ51の左右一対の縦壁51b,51cと支柱54間にて変形可能となる。
ところで、大柄な運転者Hrがシートベルト71を装着して運転していて車両が衝突したときには、二次衝突に先立って一方のソレノイド53aが通電されて、エネルギー吸収部材52の広幅(W2)部分の変形が可能となるため、二次衝突時には、ブレークアウエイブラケット41の車両前方への移動に伴ってエネルギー吸収部材52の広幅(W2)部分が変形して大きな衝撃吸収荷重にて衝突エネルギーを吸収する。したがって、このときには、二次衝突時の衝突エネルギーがエアバッグ装置Aとシートベルト装置Cによって吸収されるとともに、エネルギー吸収部材52における広幅(W2)部分の変形によって吸収される。
また、標準的な運転者Hがシートベルト71を装着して運転していて車両が衝突したときには、二次衝突に先立って他方のソレノイド53bが通電されて、エネルギー吸収部材52の細幅(W1)部分の変形が可能となるため、その二次衝突時には、ブレークアウエイブラケット41の車両前方への移動に伴ってエネルギー吸収部材52の細幅(W1)部分が変形して小さな衝撃吸収荷重にて衝突エネルギーを吸収する。したがって、このときには、二次衝突時の衝突エネルギーがエアバッグ装置Aとシートベルト装置Cによって吸収されるとともに、エネルギー吸収部材52における細幅(W1)部分の変形によって吸収される。
また、小柄な運転者Hfがシートベルト71を装着して運転していて車両が衝突したときには、二次衝突に先立って両ソレノイド53a,53bが共に非通電に維持されて、エネルギー吸収部材52の変形が不能となる。このため、このときには、二次衝突時に、ブレークアウエイブラケット41が車体側ブラケット31に対して車両前方へ移動しても、エネルギー吸収部材52は変形しなくて衝突エネルギーを吸収しない。したがって、このときには、二次衝突時の衝突エネルギーがエアバッグ装置Aとシートベルト装置Cによって吸収される。
また、大柄な運転者Hrまたは標準的な運転者Hがシートベルト71を装着しないで運転していて車両が衝突したときには、二次衝突に先立って一方のソレノイド53aが通電されて、エネルギー吸収部材52の広幅(W2)部分の変形が可能となるため、二次衝突時には、ブレークアウエイブラケット41の車両前方への移動に伴ってエネルギー吸収部材52の広幅(W2)部分が変形して大きな衝撃吸収荷重にて衝突エネルギーを吸収する。したがって、このときには、二次衝突時の衝突エネルギーがエアバッグ装置Aによって吸収されるとともに、エネルギー吸収部材52における広幅(W2)部分の変形によって吸収される。
また、小柄な運転者Hfがシートベルト71を装着しないで運転していて車両が衝突したときには、二次衝突に先立って他方のソレノイド53bが通電されて、エネルギー吸収部材52の細幅(W1)部分の変形が可能となるため、二次衝突時には、ブレークアウエイブラケット41の車両前方への移動に伴ってエネルギー吸収部材52の細幅(W1)部分が変形して小さな衝撃吸収荷重にて衝突エネルギーを吸収する。したがって、このときには、二次衝突時の衝突エネルギーがエアバッグ装置Aによって吸収されるとともに、エネルギー吸収部材52における細幅(W1)部分の変形によって吸収される。
以上の説明から明らかなように、この実施形態においては、二次衝突時の衝突エネルギーを吸収可能なエネルギー吸収部材52が、中間部51aから一端部52b間での変形によって得られる衝撃吸収荷重と中間部52aから他端部52c間での変形によって得られる衝撃吸収荷重が異なるように構成されているため、上述したように二次衝突時において大きな衝撃吸収荷重または小さな衝撃吸収荷重が得られる。したがって、一つのエネルギー吸収部材52を用いて二次衝突時に大きな衝撃吸収荷重または小さな衝撃吸収荷重を得ることが可能であり、可変機構Bを備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置を安価で簡素な構造とすることが可能である。
また、この実施形態においては、アクチュエータ53がエネルギー吸収部材52の両端部52b,52cをアンロック可能であり、二次衝突時に、ブレークアウエイブラケット41が車体側ブラケット31に対して車両前方へ移動したとき、エネルギー吸収部材52の変形が得られないようにすることが可能である。したがって、一つのエネルギー吸収部材52を用いて、二次衝突時に、大きな衝撃吸収荷重または小さな衝撃吸収荷重での衝撃吸収パターン、あるいは衝撃吸収荷重なしの衝撃吸収パターンを選択することが可能である。
上記実施形態においては、図5に示した形状(板厚が同じで幅が部分的に異なる形状)のエネルギー吸収部材52を採用して、中間部52aから一端部52b間での変形によって得られる衝撃吸収荷重が中間部52aから他端部52c間での変形によって得られる衝撃吸収荷重より小さくなるようにしたが、例えば、図6に示した形状のエネルギー吸収部材152を採用して、中間部152aから一端部152b間での変形によって得られる衝撃吸収荷重が中間部152aから他端部152c間での変形によって得られる衝撃吸収荷重より小さくなるようにすることも可能である。
図6に示したエネルギー吸収部材152では、中間部152aから一端部152b間に、その変形強度を低くするための長孔152dを長手方向に沿って形成することにより、中間部152aから一端部152b間での変形によって得られる衝撃吸収荷重が中間部152aから他端部152c間での変形によって得られる衝撃吸収荷重より小さくなるようにされているが、長孔152dに代えて、中間部152aから一端部152b間の板厚を中間部152aから他端部152c間の板厚に比して薄くして実施することも可能である。
また、上記実施形態においては、エネルギー吸収部材52、アクチュエータ53および支柱(係合体)54を備えた可変機構Bを一つ採用して実施したが、本発明の実施に際しては、エネルギー吸収部材、係合体およびアクチュエータを備えた可変機構を複数個設けて実施することも可能である。この場合には、各可変機構によって得られる各衝撃吸収パターンの組み合わせによって、選択可能な衝撃吸収パターンを増やすことが可能であり、二次衝突時の衝撃荷重に応じた最適な衝撃吸収荷重を選択することが可能である。
また、上記実施形態においては、ホルダ51とアクチュエータ53を車体側ブラケット31に組付けるとともに、支柱(係合体)54をブレークアウエイブラケット41に固着し、エネルギー吸収部材52として車両後方に向けて開いたU字形状に形成されたものを採用して実施したが、本発明の実施に際しては、ホルダとアクチュエータをブレークアウエイブラケットに組付けるとともに、支柱(係合体)を車体側ブラケットに固着し、エネルギー吸収部材として車両前方に向けて開いたU字形状に形成されたものを採用して実施することも可能である。
また、上記実施形態においては、アクチュエータ53の連結ピン53cをロック位置に向けて駆動する駆動手段としてソレノイド53a,53bを採用した実施形態について説明したが、連結ピン53cをロック位置に向けて駆動する駆動手段は、電気モータやガスゼネレータを用いたものであってもよく、上記実施形態に限定されるものではない。
また、上記実施形態においては、ステアリングコラム20が車体の一部に対して上方支持機構S1と下方支持機構S2からなる支持機構によって支持される実施形態に本発明を実施したが、本発明はステアリングコラムが車体の一部に対して単一の支持機構によって支持される実施形態にも同様に実施することが可能である。
また、上記実施形態においては、ステアリングコラム20のアウターチューブ21とインナーチューブ22の軸方向収縮にて、車両の衝突時における運転者の衝突エネルギーを吸収可能な衝突エネルギー吸収機構を備えていないものに本発明を実施したが、同衝突エネルギー吸収機構を備えたものにも本発明は同様に実施することが可能である。
本発明による衝撃吸収式ステアリングコラム装置を備えた車両の一実施形態を概略的に示した側面図である。 図1に示した衝撃吸収式ステアリングコラム装置の拡大側面図である。 図1に示した衝撃吸収式ステアリングコラム装置の拡大平面図である。 図2に示した車体側ブラケット、ブレークアウエイブラケット、可変機構等の関係を示す部分破断拡大背面図である。 図2〜図4に示したエネルギー吸収部材の概略的な斜視図である。 エネルギー吸収部材の変形実施形態を概略的に示した斜視図である。
符号の説明
10…ステアリングシャフト、20…ステアリングコラム、31…車体側ブラケット、41…ブレークアウエイブラケット、51…ホルダ、51a…底壁、51b、51c…縦壁(支承壁)、51d…上壁、52…エネルギー吸収部材、52a…中間部、52b…一端部、52c…他端部、53…アクチュエータ、53a,53b…ソレノイド、53b…連結ピン、54…支柱(係合体)、A…エアバッグ装置、B…可変機構、C…シートベルト装置

Claims (3)

  1. 車体の一部に対するステアリングコラムの車両前方への移動により変形して衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収部材を備えた衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記エネルギー吸収部材は、車両後方または車両前方に向けて開いたU字形状に形成されて、車両前後方向に沿って延在する一対の支承壁間に相対移動可能に配置され、中間部から一端部間での変形によって得られる衝撃吸収荷重と中間部から他端部間での変形によって得られる衝撃吸収荷重は異なるように構成されており、車体側またはステアリングコラム側には、前記エネルギー吸収部材の各端部を相対移動不能にロックまたは相対移動可能にアンロックするアクチュエータが設けられ、ステアリングコラム側または車体側には、前記エネルギー吸収部材の一部に相対移動可能に係合する係合体が設けられていることを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  2. 請求項1に記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記アクチュエータは、前記エネルギー吸収部材の両端部をアンロック可能であることを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  3. 請求項1または2に記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記エネルギー吸収部材、前記アクチュエータおよび前記係合体を備えた可変機構は複数個設けられていることを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
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