JP2005153355A - 液体吐出性能維持方法及び液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出性能維持方法及び液体吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 液体容器から液体吐出ヘッド内に供給された液体を液体吐出ノズルから吐出する液体吐出装置の液体吐出性能維持方法において、液体吐出ノズル内の液体が乾燥して増粘固化するのを防止する。
【解決手段】 インクタンクからインク16が供給され、ノズル面に形成されたインク吐出ノズル10からインク16を吐出するプリントヘッドのインク吐出ノズル10からのインク16の自然漏出を防止した状態で、インク吐出ノズル10内のインク16が乾燥して増粘固化するのを防止する液体吐出性能維持方法であって、インク吐出ノズル10からインクが吐出されていない時に、インク室14内のインク16の圧力を変化させ、インク吐出ノズル10近傍のインクを流動させるものである。したがって、インク吐出ノズル10近傍のインク16が攪拌されるので、インク16の乾燥を防止することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液体容器から液体吐出ヘッド内に供給された液体を液体吐出ノズルから吐出する液体吐出装置の液体吐出性能維持方法に関し、詳しくは、上記液体吐出ヘッド内の液体の圧力を変化させて液体吐出ノズル近傍の液体を流動させることによって、該液体吐出ノズル内の液体が乾燥して増粘固化するのを防止する液体吐出性能維持方法及び液体吐出装置に関するものである。
従来から、液体容器から液体吐出ヘッド内に供給された液体を該液体吐出ヘッドの液体吐出ノズルから吐出する液体吐出装置として、例えばインクジェットプリンタなどの記録装置が普及している。このようなインクジェットプリンタは、プリントヘッドの下面に多数個のインク吐出ノズルが配列されており、各ノズルに対応して設けられたインク室内には発熱素子や圧電素子などの駆動素子が形成されている。そして、このインク室内の駆動素子を駆動することによって、該インク室内のインクがノズルから吐出され、記録紙上にプリント画像を形成するようになっている。このとき、あるノズル近傍のインクが乾燥して増粘固化した場合には、その増粘固化したインクでノズルが目詰まりし、インクが吐出されなくなることがある。このような不具合を防止するため、プリントヘッドのノズル内のインクが乾燥して増粘固化するのを防止する方法が従来から採用されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
特公昭63−15911号公報 (第1〜3頁、第1図) 特開平6−336018号公報 (第2頁、第1図)
しかし、特許文献1に記載された技術においては、プリントヘッドが使用されていない状態のときに、プリントヘッドのノズル面にキャップを被せてノズル内のインクを外気と遮断するようになっているが、全てのノズルをキャップで完全に気密することが困難であったので、ノズル内のインクが乾燥して増粘固化することがあった。また、プリントヘッドにキャップを被せるときに、ノズル内に空気が押し込まれることもあり、そのノズルからインクが吐出されなくなることもあった。さらに、上記プリントヘッドに被せるキャップにはインクを吸引する機構が設けられているが、この吸引機構によって吸引されたインクは捨てられてしまうので、そのインクが無駄となり、ランニングコストがアップするという問題点もあった。
また、特許文献2に記載された技術においては、プリントヘッドにキャップを被せ、このプリントヘッドのノズル内のインクを加熱せずに、該キャップに接続された減圧室及び負圧発生手段によってキャップの内部を減圧することで、各ノズル内におけるインクのメニスカスを変形させ、インクの乾燥を防止するようになっている。しかし、この技術は、いわゆるシリアル型のプリントヘッドのインクジェットプリンタに適用されたものであって、いわゆるライン型のプリントヘッドのインクジェットプリンタに適用することは困難であった。すなわち、ライン型のプリントヘッドのインクジェットプリンタは、プリンタ本体部に固定されたプリントヘッドに対してヘッドキャップが移動するようになっているが、このヘッドキャップでプリントヘッドを被ったときに、全てのノズル内のインクを外気と完全に遮断させることが困難であるという問題点があった。また、ライン型のプリントヘッドに形成された各ノズル内のインクを吸引してそのメニスカスを変形させるためには、微妙な圧力調整が必要とされるが、その調整を行うことが難しいといった問題点もあった。
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、液体容器から液体吐出ヘッド内に供給された液体を液体吐出ノズルから吐出する液体吐出装置の液体吐出性能維持方法において、上記液体吐出ヘッド内の液体の圧力を変化させて液体吐出ノズル近傍の液体を流動させることによって、該液体吐出ノズル内の液体が乾燥して増粘固化するのを防止する液体吐出性能維持方法及び液体吐出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による液体吐出性能維持方法は、所定の液体を収容した液体容器から該液体が供給され、ノズル面に形成された液体吐出ノズルから所定の液体を吐出する液体吐出ヘッドの上記液体吐出ノズルからの液体の自然漏出を防止した状態で該液体吐出ノズル内の液体が乾燥して増粘固化するのを防止する液体吐出性能維持方法であって、上記液体吐出ヘッドの液体吐出ノズルから液体が吐出されていない時に、該液体吐出ヘッド内の液体の圧力を変化させ、上記液体吐出ノズル近傍の液体を流動さるものである。
また、本発明による液体吐出装置は、所定の液体を収容する液体容器と、この液体容器内に収容された液体の供給流路となる液体供給管と、この液体供給管により液体容器内の液体が供給され、ノズル面に形成された液体吐出ノズルからの液体の自然漏出を防止した状態で液室内の駆動素子を駆動して液体吐出ノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、を備えて成る液体吐出装置において、上記液体吐出ヘッド内の液体の圧力を変化させて上記液体吐出ノズル近傍の液体を流動させる圧力変化手段を備えたものである。
請求項1に係る液体吐出性能維持方法によれば、所定の液体を収容した液体容器から供給された液体を液体吐出ノズルから吐出する液体吐出ヘッドが液体吐出ノズルから液体を吐出していない時に、該液体吐出ヘッド内の液体の圧力を変化させ、上記液体吐出ノズル近傍の液体を流動させることができる。したがって、液体吐出ノズル近傍の液体が攪拌されるので、該液体が乾燥して増粘固化するのを防止し、液体吐出性能を維持することができる。また、液体吐出ノズル近傍の液体を定期的に流動させた場合には、液体の乾燥防止を効果的に行うことができるので、液体吐出ノズル内の液体の増粘固化を防止して液体吐出性能を維持することができる。この場合には、液体の空吐出の回数や量を減らすことができ、液体の無駄な消費を抑えることができる。
また、請求項2に係る発明によれば、上記液体吐出ヘッド内の液体の圧力は、該液体吐出ヘッドの液体吐出ノズル内にて凹状のメニスカスが形成された液体が凸状になる範囲で変化させることによって、液体吐出ノズル近傍の液体が繰り返し流動するようになり、液体吐出ノズル近傍の液体が攪拌される。したがって、液体吐出ノズル内の液体の増粘固化を防止してインク吐出性能を維持することができる。
さらに、請求項3に係る発明によれば、上記液体吐出ヘッド内の液体の圧力は、該液体吐出ヘッドの液体吐出ノズル内にて凹状のメニスカスが形成された液体が各液体吐出ノズルから溢れ出て隣接する液体吐出ノズルからの液体同士が結合してノズル面に付着維持される範囲で変化させることによって、液体吐出ノズル近傍の液体が繰り返し流動するようになり、液体吐出ノズル近傍の液体がさらによく攪拌される。したがって、液体吐出ノズル内の液体の増粘固化を効果的に防止してインク吐出性能を維持することができる。
また、請求項4に係る液体吐出装置によれば、液体吐出ヘッド内の液体の圧力を変化させて上記液体吐出ノズル近傍の液体を流動させる圧力変化手段によって、所定の液体を収容した液体容器から液体吐出ヘッド内に供給された液体の圧力を変化させ、該液体吐出ヘッドのノズル近傍の液体を流動させることができる。したがって、液体吐出ノズル近傍の液体が攪拌されるので、該液体が乾燥して増粘固化するのを防止し、液体吐出性能を維持することができる。また、上記圧力変化手段によって、液体吐出ヘッド内の液体に直接的に加圧することができるので、該液体吐出ヘッド内の液体の圧力を微妙に調整することができる。
また、請求項5に係る発明によれば、上記圧力変化手段は、上記液体吐出ヘッド内の液体に圧力を加える加圧ポンプと、この加圧ポンプの動作を制御する制御手段とから成ることにより、上記制御手段で加圧ポンプの動作を制御することによって、液体供給管内の液体に圧力を加え、液体吐出ヘッド内の液体の圧力を変化させることができる。したがって、液体吐出ノズル近傍の液体を攪拌し、液体吐出ノズル内の液体が乾燥して増粘固化するのを防止することができる。
さらに、請求項6に係る発明によれば、上記圧力変化手段は、上記液体供給管内の供給流路の断面積を変化さて液体を送り出すものであることにより、該供給流路内の液体が液体吐出ヘッド内に送られて該液体吐出ヘッド内の液体の圧力を変化させることができる。したがって、液体吐出ノズル近傍の液体を攪拌し、液体吐出ノズル内の液体が乾燥して増粘固化するのを防止することができる。
そして、請求項7に係る発明によれば、上記圧力変化手段は、上記液体吐出ヘッドよりも低い位置に液体容器を配置し、該液体容器を動かして両者の間に発生する水頭圧差を変化させる機構であることにより、この機構で液体吐出ヘッドよりも低い位置に配置された液体容器を動かすことによって、両者の間に発生する水頭圧差を変化させ、液体吐出ヘッド内の液体の圧力を変化させることができる。したがって、液体吐出ノズル近傍の液体を攪拌し、液体吐出ノズル内の液体が乾燥して増粘固化するのを防止することができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明による液体吐出性能維持方法の実施形態を示す説明図である。この液体吐出性能維持方法は、図3に示す液体吐出装置のインクタンク(液体容器)1内に収容されたインク(所定の液体)がインク供給管(液体供給管)2を介して供給され、図4に示すインク吐出ノズル(液体吐出ノズル)10から吐出するプリントヘッド(液体吐出ヘッド)3の液体吐出性能を維持する方法であって、図1に示すように、上記プリントヘッド3の下面のノズル面に形成されたインク吐出ノズル10からのインク16の自然漏出を防止した状態で該インク吐出ノズル10内のインク16が乾燥して増粘固化するのを防止するものである。ここで、本発明による液体吐出性能維持方法においては、上記プリントヘッド3のインク吐出ノズル10からインク16が吐出されていない時に、該プリントヘッド3内のインク16の圧力を変化させ、インク吐出ノズル10近傍のインク16を流動させるものである。
ここで、図1に示すインク室(液室)14内のインク16の圧力は、インク吐出ノズル10内にて凹状のメニスカス17が形成されたインク16が、図1(b)に示すように、凸状になる範囲で変化させるようにするものである。この小さな範囲でプリントヘッド3内のインク16の圧力を変化させることによって、インク吐出ノズル10近傍のインク16のメニスカス17の形状が、凹状(図1(a)参照)になったり、凸状(図1(b)参照)になったりする。これを繰り返し行うことで、インク室14内のインク16が流動するようになり、インク吐出ノズル10近傍のインク16が攪拌されるようになる。したがって、インク吐出ノズル10内のインク16の増粘固化を防止してインク吐出性能を維持することができる。また、以上の動作を定期的に行うことにより、インク吐出ノズル10内のインク16が増粘固化してインクが吐出されなくなるのを防止することができる。このとき、インク吐出ノズル10からインク16の空吐出を行わなくても、インク吐出ノズル10のインクの不良吐出又は不吐出を防止することができるので、インクを無駄に消費することがなく、ランニングコストを低減することができる。
図2は本発明による液体吐出性能維持方法の他の例を示す説明図である。この液体吐出性能維持方法においては、上記プリントヘッド3に設けられたインク室14内のインク16の圧力は、インク吐出ノズル10内にて凹状のメニスカス17が形成されたインク16が、図2(a)に示すように、各インク吐出ノズル10から溢れ出て隣接するインク吐出ノズル10からのインク16同士が結合してノズル面に付着維持される範囲で変化させるものである。この大きな範囲でプリントヘッド3内のインク16の圧力を変化させることによって、インク吐出ノズル10近傍のインク16が、インク吐出ノズル10から垂れない程度に溢れ出したり(図2(a)参照)、この溢れ出たインク16を各インク吐出ノズル10から吸引したりすることができる(図2(b)参照)。これを繰り返し行うことで、インク室14内のインク16が大きく流動するようになり、インク吐出ノズル10近傍のインク16がさらによく攪拌されるようになる。したがって、インク吐出ノズル10内のインク16の増粘固化を効果的に防止して、インク吐出性能を維持することができる。ただし、この場合においては、ノズル面に付着したゴミもインク吐出ノズル10から吸い込む不具合が懸念されるので、ブレード(図示省略)などでノズル面をワイプしてから行うことが望ましい。
図3は本発明による液体吐出性能維持方法の実施に直接使用する液体吐出装置としてのインクジェットプリンタの実施形態を示す概要図である。このインクジェットプリンタは、インクタンク1からインク供給管2を通ってプリントヘッド3内にインクが供給され、このインクを図4に示すインク吐出ノズル10から吐出するものであって、インクタンク1と、インク供給管2と、プリントヘッド3とを有し、さらに加圧ポンプ4と、ポンプ制御回路5とを備えて成るものである。
図3に示すインクタンク1は、インクを収容する液体容器となるもので、例えば樹脂材料等を射出成形してできており、箱状に形成されている。このインクタンク1の底面中央部には、インク供給管2が取り付けられている。このインク供給管2は、インクタンク1内に収容されたインクを後述するプリントヘッド3に供給する流路となるものであって、その途中にはインク調整弁6が設けられている。このインク調整弁6は、インクタンク1内からインク供給管2を通って流下してきたインクの流量を調整する手段となるもので、後述するプリントヘッド3内に供給されたインクが、図4(a)に示すように、インク吐出ノズル10から自然漏出しないようにするものである。
また、図3に示すように、インク供給管2の下端部には、プリントヘッド3が設けられている。このプリントヘッド3は、そのノズル面の長手方向に多数個のインク吐出ノズルが配列されたライン型のプリントヘッドとよばれるものであって、インクタンク1からインク供給管2を通って供給されたインクを、図4に示すインク吐出ノズル10から吐出するようになっている。このプリントヘッド3は、図3に示すように、ヘッド制御回路7と電気的に接続されており、このヘッド制御回路7からの制御信号を受けてインクの吐出動作を行うようになっている。
このプリントヘッド3のノズル面は、図4に示すように、基板部材11と、バリア層12と、ノズル部材13とを備えて成り、インク室14内には発熱素子(駆動素子)15が形成されている。この基板部材11は、インクタンク1から供給されたインクを充填しておくインク室14の上面を構成する部材であって、その下面側には発熱素子15が形成されている。この発熱素子15は、図3に示すヘッド制御回路7からの制御信号を受けて発熱するようになっている。また、この基板部材11の下面にはバリア層12が形成されている。このバリア層12は、インク室14の側面を構成するものであって、例えば露光硬化型のドライフィルムレジストを基板部材11の下面の全体に積層した後に、フォトリソプロセスによって不要な部分を除去することにより、所定の形状に形成されている。さらに、バリア層12の下面にはノズル部材13が接着されている。このノズル部材13は、インク室14の下面を構成するシート状の部材であって、インク16を吐出するためのインク吐出ノズル10が配列されている。このノズル部材13は、例えばニッケルの電鋳技術によって形成されており、インク吐出ノズル10の位置が発熱素子15の位置と合致するように、すなわちインク吐出ノズル10が発熱素子15に対向するようにバリア層12の下面に貼り合わされている。
これにより、図3に示すインクタンク1からインク供給管2を通ってプリントヘッド3内に供給されたインクは、図4に示すように、インク吐出ノズル10に対応して設けられたインク室14内に補充されるようになっている。そして、このインク室14内の発熱素子15は、図3に示すヘッド制御回路7からのパルス信号を受けて発熱すると、その熱でインク室14内のインク16を加熱してインク吐出ノズル10から液滴として吐出すようになっている。具体的には、図4(a)に示す発熱素子15に、例えば1〜3マイクロ秒程度の間だけパルス信号が供給されると、発熱素子15が急速に発熱する。この発熱素子15の発熱によりインク室14内のインク16が加熱され、図4(b)に示すように、発熱素子15の下面側のインク16内に気泡Bが発生する。そして、このインク室14内にて膨張する気泡Bによって、インク16が押し退けられ、図4(c)に示すように、インク吐出ノズル10からインク16の液滴を吐出することができる。
また、インク吐出ノズル10からインク16の液滴が吐出された後は、図4(a)に示すように、インク室14内にインク16が補充されるので、この補充されたインク16により発熱素子15が冷却されて気泡Bが消失し、再び吐出前の状態に戻る。すなわち、インク室14内のインク16に加えられた負圧によって、インク吐出ノズル10からインク16が自然漏出しないようになり、インク吐出ノズル10内のインク16には表面張力による凹状のメニスカス17が形成された状態となる。この状態で長時間待機状態が続いた場合には、たとえプリントヘッド3にヘッドキャップ(図示せず)を被せた場合でも、インク吐出ノズル10内のインク16が空気と触れることがあるため、図4(a)に示すように、該インク吐出ノズル10内におけるインク16のメニスカス17が乾燥して徐々に増粘、固化するようになる。そのため、プリンタの電源投入時や印刷開始前に、インク室14内のインク16に滞った空気(図示せず)を取り除く目的も含めて、インク吐出ノズル10からインク16の空吐出を行う。これにより、インク吐出ノズル10内で増粘、固化したインク16が廃棄される。
ここで、本発明においては、図3に示すように、インク供給管2の途中から分岐した分岐管20の末端部に加圧ポンプ4が設けられている。この加圧ポンプ4は、プリントヘッド3又はインク供給管2内のインクに圧力を加える手段となるものであって、該加圧ポンプ4の動作を制御するポンプ制御回路5と電気的に接続されている。このポンプ制御回路5で加圧ポンプ4を動作させることによって、インク供給管2内のインクに圧力を加えて、プリントヘッド3内のインクの圧力を変化させることができる。これにより、図1又は図2に示すように、インク吐出ノズル10内におけるインク16の圧力を変化させ、インク吐出ノズル10近傍のインク16を流動することができる。したがって、インク吐出ノズル10近傍のインク16が攪拌されるので、インク吐出ノズル10内のインク16が乾燥して増粘固化するのを防止し、そのインク吐出性能を維持することができる。
また、上述したように、インク吐出ノズル10近傍のインク16を定期的に流動させた場合には、インク16の乾燥防止を効果的に行うことができるので、インク吐出ノズル10内のインク16の増粘固化を防止して液体吐出性能を維持することができる。この場合には、インクの空吐出の回数や量を減らすことができ、インク16の無駄な消費を抑えることができる。なお、図3に示す加圧ポンプ4とポンプ制御回路5とで、プリントヘッド3内のインクの圧力を変化させてインク吐出ノズル10近傍のインク16を流動させる圧力変化手段を構成している。
また、上記加圧ポンプ4によって、インク供給管2内のインクを直接加圧して、プリントヘッド3内のインクの圧力を変化させることができるので、微妙な圧力調整を行うことができる。したがって、ライン型のプリントヘッドに形成された多数個のインク吐出ノズル10内のインク16を吸引して、インク吐出ノズル10近傍のインク16を流動させるための、圧力調整を容易に行うことができる。
図5は本発明による液体吐出装置の圧力変化手段としての加圧ポンプ4の具体的な実施例を示す説明図である。この加圧ポンプは、図3に示すインク供給管2から分岐した分岐管20の末端部に設けられたシリンダ21と、該シリンダ21のピストン22の後ろ側に設けられたカム23とからなる。このシリンダ21は、インク供給管2を通るインクをプリントヘッド3内に送り出して、このプリントヘッド3内のインクの圧力を変化させるもので、カム23を矢印C方向に回転させると、ピストン22が往復運動するようになっている。これにより、図5に示すように、カム23を矢印C方向に回転させてシリンダ21内の容積を変化させることで、該シリンダ21内のインクを分岐管20、及び図1に示すインク供給管2を通ってプリントヘッド3に送ることができる。したがって、プリントヘッド3内のインクの圧力を変化させることができ、図1又は図2に示すように、インク吐出ノズル10内におけるインク16のメニスカス17の形状を変動させることができる。これを繰り返すことで、インク吐出ノズル10内のインク16が流動してインク室14内のインク16が攪拌されるので、インク吐出ノズル10内のインク16の増粘固化を防止することができ、インクの不吐出を防止してインク吐出性能を維持することができる。
図6は本発明による液体吐出装置の圧力変化手段の第2の実施例を示す断面説明図である。この圧力変化手段は、図3に示すインク供給管2内の供給流路の断面積を変化させてインクをプリントヘッド3内に送り出すもので、柔軟性を有する材質でできたインク供給管2の途中に設けられた対向する一対の押圧部材24a,24bからなるものである。図6に示すように、この押圧部材24a,24bによって、インク供給管2の一部分を挟んで押しつぶし、その供給流路の断面積を変化させることによって、該供給流路内のインクがプリントヘッド3内に送り出されるので、該プリントヘッド3内のインクの圧力を変化させることができる。したがって、図1又は図2に示すように、インク吐出ノズル10近傍の液体を攪拌し、液体吐出ノズル内の液体が乾燥して増粘固化するのを防止することができる。これを繰り返すことで、インク吐出ノズル10内のインク16が流動してインク室14内のインク16が攪拌されるので、インク吐出ノズル10内のインク16の増粘固化を防止することができ、インクの不吐出を防止してインク吐出性能を維持することができる。なお、上記押圧部材24a,24bを設ける位置は、インク供給管2の途中に限られず、図1に示すインク供給管2から分岐した分岐管20の途中でもよい。
図7は本発明による液体吐出装置の圧力変化手段の第3の実施例を示す説明図である。この圧力変化手段は、プリントヘッド3よりも低い位置にインクタンク1を配置し、このインクタンク1を例えば上下方向に動かして、インクタンク1とプリントヘッド3との間に発生する水頭圧差を変化させて該プリントヘッド3内のインクの圧力を変化させるもので、例えばインクタンク1の一側面部にて高さ方向に設けられたラック25と、このラック25の歯と噛み合うピニオン26とから成る。これにより、ピニオン26を矢印D,Eのように正逆方向に回転させることによって、その回転運動をラック25に伝達し、インクタンク1を矢印F,Gのように上下方向に動かして、その高さを変化させることができる。したがって、インクタンク1とプリントヘッド3との間に発生する水頭圧差を変化させることができ、プリントヘッド3内のインクの圧力を変化させることができる。この場合においても、図3又は図4に示すように、インク吐出ノズル10内におけるインク16のメニスカス17の形状を変動させることができる。これを繰り返すことで、インク吐出ノズル10内のインク16が流動してインク室14内のインク16が攪拌されるので、インク吐出ノズル10内のインク16の増粘固化を防止することができ、インクの不吐出を防止してインク吐出性能を維持することができる。
なお、図3に示すプリントヘッド3内のインクの圧力を変化させる圧力変化手段は、図5〜図7に示すものに限られず、プリントヘッド3内のインクの圧力を変化させてインク吐出ノズル10近傍のインク16を流動させるものであれば、どのような手段によるものでもよい。例えば、インクタンク1を押圧してその容積を変化させる手段によって、プリントヘッド3内のインクの圧力を変化させるものでもよい。また、図示省略したが、プリントヘッド3よりも低い位置に配置されたインクタンク1(図7参照)の底面の一部にカムを設け、このカムを回転しながらその周辺でインクタンク1の底面に力を加えることにより、インクタンク1内のインクの液面を動かすようにしてもよい。
また、図1及び図2に示すように、プリントヘッド3のインク吐出ノズル10に対応して設けられたインク室14内には、インク16を加熱して吐出する発熱素子15が形成されているとして説明したが、本発明はこれに限られず、インク室14内のインク16を吐出する駆動素子として、例えば圧電素子等の電気機械変換素子を形成し、この圧電素子でインク室14内のインク16を押し出して吐出させるものでもよい。この場合には、インク室14に形成された圧電素子を個別に駆動することによって、各インク吐出ノズル10近傍のインク16を個別に流動させることができる。
さらに、本発明による液体吐出装置の液体吐出ヘッドは、ライン型のプリントヘッドに限られず、シリアル型のプリントヘッドに適用することもできる。
さらにまた、以上の説明においては、インクジェットプリンタに適用された例について述べたが、本発明はこれに限らず、液体吐出ヘッドの液室に収容された液体を液体吐出ノズルから液滴として吐出するものであればどのようなものでもよい。例えば、記録方式がインクジェット方式のファクシミリ装置や複写機等についても適用可能である。また、液体吐出装置の液体吐出ヘッドのノズルから吐出される液体はインクに限られず、液室内の液体を吐出してドット列又はドットを形成するものであれば、他の液体の吐出装置にも適用することができる。例えば、DNA鑑定などにおいてDNA含有溶液をパレット上に吐出するための液体吐出装置や、プリント配線基板の配線パターンを形成するための導電性粒子を含む液体を吐出する液体吐出装置にも適用することができる。
本発明による液体吐出性能維持方法を示す説明図である。 上記液体吐出性能維持方法の他の例を示す説明図である。 本発明による液体吐出装置の実施形態を示す概要図である。 図3に示す液体吐出装置のプリントヘッドのA−A線断面図であり、インク吐出ノズルからインクを吐出する動作を示す説明図である。 図3に示す加圧ポンプの具体的な実施例を示す説明図である。 上記液体吐出装置の圧力変化手段の第2の実施形態を示す断面説明図である。 上記圧力変化手段の第3の実施形態を示す説明図である。
符号の説明
1…インクタンク
2…インク供給管
3…プリントヘッド
4…加圧ポンプ
5…ポンプ制御回路
6…インク調整弁
7…ヘッド制御回路
10…インク吐出ノズル
14…インク室
15…発熱素子
16…インク
17…メニスカス
20…分岐管
21…シリンダ
22…ピストン
23…カム
24…押圧部材
25…ラック
26…ピニオン

Claims (7)

  1. 所定の液体を収容した液体容器から該液体が供給され、ノズル面に形成された液体吐出ノズルから所定の液体を吐出する液体吐出ヘッドの上記液体吐出ノズルからの液体の自然漏出を防止した状態で該液体吐出ノズル内の液体が乾燥して増粘固化するのを防止する液体吐出性能維持方法であって、
    上記液体吐出ヘッドの液体吐出ノズルから液体が吐出されていない時に、該液体吐出ヘッド内の液体の圧力を変化させ、上記液体吐出ノズル近傍の液体を流動させることを特徴とする液体吐出性能維持方法。
  2. 上記液体吐出ヘッド内の液体の圧力は、該液体吐出ヘッドの液体吐出ノズル内にて凹状のメニスカスが形成された液体が凸状になる範囲で変化させることを特徴とする請求項1記載の液体吐出性能維持方法。
  3. 上記液体吐出ヘッド内の液体の圧力は、該液体吐出ヘッドの液体吐出ノズル内にて凹状のメニスカスが形成された液体が各液体吐出ノズルから溢れ出て隣接する液体吐出ノズルからの液体同士が結合してノズル面に付着維持される範囲で変化させることを特徴とする請求項1の液体吐出性能維持方法。
  4. 所定の液体を収容する液体容器と、
    この液体容器内に収容された液体の供給流路となる液体供給管と、
    この液体供給管により液体容器内の液体が供給され、ノズル面に形成された液体吐出ノズルからの液体の自然漏出を防止した状態で液室内の駆動素子を駆動して液体吐出ノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    を備えて成る液体吐出装置において、
    上記液体吐出ヘッド内の液体の圧力を変化させて上記液体吐出ノズル近傍の液体を流動させる圧力変化手段を備えたことを特徴とする液体吐出装置。
  5. 上記圧力変化手段は、上記液体吐出ヘッド内の液体に圧力を加える加圧ポンプと、この加圧ポンプの動作を制御する制御手段とから成ることを特徴とする請求項4記載の液体吐出装置。
  6. 上記圧力変化手段は、上記液体供給管内の供給流路の断面積を変化させて液体を送り出すものであることを特徴とする請求項4記載の液体吐出装置。
  7. 上記圧力変化手段は、上記液体吐出ヘッドよりも低い位置に液体容器を配置し、該液体容器を動かして両者の間に発生する水頭圧差を変化させる機構であることを特徴とする請求項4記載の液体吐出装置。
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