JP2005150625A - 半導体レーザ、半導体レーザの駆動方法および波長変換素子 - Google Patents

半導体レーザ、半導体レーザの駆動方法および波長変換素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 通常の製造方法下で安定でかつ高い発振周波数のセルフパルセーション動作を実現できる半導体レーザ、半導体レーザの駆動方法および波長変換素子を提供する。
【解決手段】 本発明の半導体レーザでは、前方DFB領域101の回折格子5が一部に位相シフト部分を有し、前方DFB領域101と後方DFB領域103との各々に電流を注入することによって生じる前方DFB領域101のストップバンド内のレーザ発振波長と前方DFB領域101のストップバンド端部のレーザ発振波長との両方が、後方DFB領域103により生じるストップバンド内の高反射率部に位置するように、後方DFB領域103の回折格子5が調整されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は光ファイバ通信、特に全光信号処理技術の分野で用いられる超高速光パルスを発生させる半導体レーザ、半導体レーザの駆動方法および波長変換素子に関する。
光ファイバ通信技術は、現代の情報化社会を支える重要なインフラストラクチャーである。従来、海底光ケーブルや都市間を結ぶ陸上幹線通信ネットワークを始めとして整備が進められ、光ファイバ通信技術は急速な発展を遂げてきた。現在では、幹線系の1チャネル当たりの通信速度は10〜40Gbpsに及び、将来的には80〜160Gbps以上の超高速・大容量通信の実現も期待されている。
現状のシステム構成では、ネットワークのノード部分において光信号が一旦電気信号に変換(E−O変換)されて、リタイミング、波形整形された後に、再度光信号に変換(O−E変換)されて送出されている。しかしながら、数10Gbpsを超えるような超高速光通信システムでは、このような電気信号を介した制御で光信号を処理することはもはや困難であった。すなわち、ノードにおける信号処理速度が次第にネットワーク全体の信号処理速度を制限するボトルネックになりつつあった。かかる問題点を解決し、超高速・大容量通信を実現するためのキー技術が全光信号処理である。
全光信号処理では、技術的および経済的観点からネットワークノードに送られてきた光信号を電気信号に変換することなく光信号のままで波形整形や増幅を行った後に送り出す処理が求められている。光−光制御方式を用いた場合の利点として、電気回路のCR時定数により動作速度が制限されないこと、超短パルスの発生が可能な光パルスが直接利用可能な点が挙げられる。
かかる全光信号処理の実現には各種光素子が必要となるが、特に短い光パルスを一定の周波数で持続させた光クロックパルスは必須であり、安定でジッタ、つまり時間軸での信号の揺らぎの少ない光クロックパルス発生素子の実現が求められている。半導体素子による光クロックパルスの発生は、ネットワークシステムの小型化や振動に対する堅牢さの観点からも重要である。
高速動作可能な光クロックパルスを発生させる従来の半導体素子として、米国特許第6215805号(特許文献1)あるいは米国特許第6122306号(特許文献2)に開示されたセルフパルセーティングDFBレーザ(self-pulsating distributed feedback laser)があった。米国特許第6215805号の図1に示すように、従来のセルフパルセーティングDFB(分布帰還型)レーザはリッジ導波路型構造で、少なくとも2つの電気的に分離された電極を有している。3電極構成の場合は、回折格子を設けた前方DFB領域および後方DFB領域の2つの活性領域が両者の間に設けられた位相制御領域を挟んで集積されている。各領域はエッチング溝で電気的に分離されており、独立に電流注入可能である。また、両端面には反射防止(AR)コーティングが施されている。
セルフパルセーティングDFBレーザの繰り返し周波数は、前方DFB領域、後方DFB領域への直流的な注入電流によって調整可能である。位相制御領域は前方DFB領域と後方DFB領域で構成された共振器中の光波の位相を調整してセルフパルセーションのオン・オフを制御し、セルフパルセーション動作を安定させるために設けられている。
次に、上述の米国特許第6215805号に開示された従来のセルフパルセーティングDFBレーザの駆動方法について説明する。素子の動作原理は未だ完全には解明されていないが、以下に説明する分散性自己Qスイッチング(dispersive self Q-switching)が提案されている。一般に、Qスイッチレーザでは、活性層内で強い励起による高い反転分布が生成されているが、初期状態では高い共振器損失が存在するため、レーザ動作が妨げられている。一旦共振器損失が打ち消されると、高いインパルス強度の短パルスが放出される。上記Qスイッチング動作を達成するには、外部に設けた共振器反射鏡の損失を高い状態から低い状態へ急激に変化させる方法、あるいは初期的に共振器中に内部損失を形成した後、その内部損失を取り除くようにする方法があった。
前方DFB領域はレーザ閾値電流を十分に上回るように強く励起し、後方DFB領域はレーザ閾値電流付近でほぼ透明の状態になる程度に弱く励起する。このとき、前方DFB領域はレーザとして機能し、後方DFB領域は分散性の強い、すなわち反射率の波長依存性が大きい、いわゆる反射ミラーとして機能する。前方DFB領域と後方DFB領域とのそれぞれのブラッグ(Bragg)波長は、当該領域内に注入されたキャリア密度に依存して変化する。前方DFB領域と後方DFB領域間で強く非対称励起すると、2つの領域のブラッグ波長がわずかにずれるデチューニング(離調)状態が発生する。ストップバンドの長波長側では、後方DFB領域からの光反射、つまりフィードバックによって光密度が増大するのでレーザ発振が生じやすい。
後方DFB領域の反射率が高いとレーザの閾値電流は低減し、逆に後方DFB領域の反射率が低いとレーザの閾値電流は上昇する。ストップバンドの長波長側では、分散性反射ミラーの急峻な反射ピークの裾付近のわずかな波長の変化により、レーザ閾値電流は非常に効率的に変調される。
例えば、後方DFB領域の反射率が低くて結果的にレーザ閾値電流が上昇すると、共振器内部のキャリア密度も増加して屈折率が低下するため、レーザ発振波長は短波長側にシフトする。そのとき、後方DFB領域の反射率は高くなり、レーザ閾値電流が急減する結果、Qスイッチレーザと同様に短パルスが出力される。レーザ発振によって消費された活性領域中のキャリアが再び電流注入で補充されるまでには時間遅れがあり、この間レーザ発振は停止する。このように後方DFB領域からのフィードバックの最小点付近では、キャリア密度の揺らぎによって後方DFB領域からのフィードバック、すなわち共振器のQ値が大きく変化する。以上の過程を繰り返すことにより、直流の励起電流を用いているにもかかわらずセルフパルセーション動作を持続させることができる。
従来のセルフパルセーティングDFBレーザでは、光クロックパルスを発生すると共に、発振周波数に近い入力信号に対して同期動作させて、光クロックパルスが再生されていた。入力信号が活性領域で吸収される際に、レーザ領域におけるキャリア密度変動が発生してセルフパルセーション動作が影響を受けるため、周波数の引き込みが生じた。この場合、活性領域を偏波依存性のない引張り歪みバルク結晶で構成しておけば、偏波無依存かつ入力波長とずれていても光クロック再生を行わせることが可能であった。
米国特許第6215805号 米国特許第6122306号
従来のセルフパルセーティングDFBレーザでギガヘルツ(GHz)オーダーの高い周波数の光パルスを安定に発生させるには、例えば、300cm-1以上の極めて高い回折格子結合係数(κ)が必要であった。分散性Qスイッチングの場合は、ミラー部分から強いフィードバックを受けた方がセルフパルセーションが起こりやすく、また、ビート型振動の場合は、回折格子結合係数κが高いと2つの領域のレーザがほぼ独立と見なせる状態になるからである。さらに、通常の回折格子結合係数κでは、高いセルフパルセーション周波数の光パルスを発生させることができないからである。しかしながら、高い結合係数を安定に実現するには回折格子を光導波層に極めて近接して作製する必要があり、これを実現するには超微細加工技術が必須となり、製造上多大な困難が伴った。よって、従来のセルフパルセーティングDFBレーザでは、安定なセルフパルセーション動作が実現できる条件の範囲が極めて狭く、100GHzを超えるセルフパルセーション動作も実験的には未だ報告されていなかった。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、通常の製造方法下で安定でかつ高い発振周波数のセルフパルセーション動作を実現できる半導体レーザ、半導体レーザの駆動方法および波長変換素子を提供することを目的とする。
本発明に係る半導体レーザは、第1導電型の半導体基板と、第1導電型クラッド層と、光導波層と、前方DFB領域と、後方DFBあるいはDBR領域と、第2導電型クラッド層とを備えている。第1導電型クラッド層は、半導体基板上に形成されている。光導波層は、第1導電型クラッド層に形成されている。前方DFB領域は、光導波層を一部に含みレーザ光出射方向に対して前方に位置し光導波層面に近接した回折格子を具備している。後方DFBあるいはDBR領域は、光導波層を一部に含みレーザ光出射方向に対して後方に位置し光導波層面に近接した回折格子を具備し、前方DFB領域とは電気的に分離されている。第2導電型クラッド層は、回折格子を埋め込むように形成されている。前方DFB領域の回折格子が一部に位相シフト部分を有している。前方DFB領域と後方DFBあるいはDBR領域との各々に電流を注入することによって生じる前方DFB領域のストップバンド内のレーザ発振波長と前方DFB領域のストップバンド端部のレーザ発振波長との両方が、後方DFBあるいはDBR領域により生じるストップバンド内の高反射率部に位置するように、後方DFBあるいはDBR領域の回折格子が調整されている。
本発明に係る半導体レーザでは、前方DFB領域と後方DFBあるいはDBR領域との各々に電流を注入することによって生じる前方DFB領域のストップバンド内のレーザ発振波長と前方DFB領域のストップバンド端部のレーザ発振波長との両方が、後方DFBあるいはDBR領域により生じるストップバンド内の高反射率部に位置するように、後方DFBあるいはDBR領域の回折格子が調整されているため、安定なセルフパルセーション動作を実現できる半導体レーザが得られる。
以下、この発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における半導体レーザの構成を示す概観図である。
図1を参照して、本実施の形態の半導体レーザでは、n型インジウム燐(InP)基板(第1導電型の半導体基板)1上にn型InPクラッド層(第1導電型InPクラッド層)2が形成されている。このn型InPクラッド層2にインジウムガリウム砒素燐(InGaAsP)光導波層3が形成されている。また、光導波層3上にp型InPクラッド層(第2導電型InPクラッド層)4が形成されている。このp型InPクラッド層4には回折格子5が埋め込まれるように設けられている。回折格子5の一部には位相シフト部分6が形成されている。p型InPクラッド層4上にはp型InGaAsPコンタクト層7が形成されている。光導波層3側面には電流を狭窄するための高抵抗InP電流閉じ込め層8が形成されている。エッチングによって形成された分離溝9a、9bによって各領域が電気的に分離されている。n型InP基板1の裏面側にはn型電極20が設けられている。p型InGaAsPコンタクト層7上にはp型電極21a、21b、21cのそれぞれが、分離溝9a、9bによって互いに隔てられかつ電気的に分離されるように設けられている。このように本実施の形態の半導体レーザは多電極構造のレーザである。
本実施の形態の半導体レーザでは、光導波層3として0.2%程度の引張歪みバルク結晶層を用いており、外部入力信号光に対して偏波無依存かつ広い波長範囲にわたって同期動作させることができるようにしている。
図2は、図1の半導体レーザの共振器方向の断面図(図1中のIIで表された面)である。
図2を参照して、半導体レーザの両端面の各々に低反射率(AR)膜30が形成されている。半導体レーザは、前方DFB領域101と、位相制御領域(前方−後方間位相制御領域)102と、後方DFB領域103とを有している。位相制御領域102は、前方DFB領域101と後方DFB領域103との間に位置し、かつ前方DFB領域101と後方DFB領域103との各々から電気的に分離されている。
前方DFB領域101および後方DFB領域103の各々では、光導波層3に近接し、かつp型InPクラッド層4に埋め込まれた回折格子5が設けられている。前方DFB領域101の回折格子5の一部には、2λ/9シフト部分6が形成されている。
前方DFB領域101と後方DFB領域103との間には、従来例と同様にセルフパルセーション動作のオン・オフを制御するための位相制御領域102が設けられている。ただし、前方DFB領域101と後方DFB領域103との間の位相シフト量を素子作製の段階で−λ/10〜λ/4の範囲に合わせることができるならば、位相制御領域102を省略して前方DFB領域101と後方DFB領域103のみの2電極構成にすることも可能である。
なお、前方DFB領域101の回折格子5の周期と後方DFB領域103の回折格子5の周期が異なっていてもよい。
次に、本実施の形態の半導体レーザの動作を説明する。
本実施の形態の半導体レーザは、上述したようにp型電極21a、21b、21cが分離溝9a、9bによって電気的に分離された3つの領域に分割され、前方DFB領域101、位相制御領域102および後方DFB領域103のそれぞれの光導波層3に独立に電流を注入できる構成を有している。すなわち、p型電極21aから前方DFB領域101へ、p型電極21bから位相制御領域102へ、p型電極21cから後方DFB領域103へそれぞれ独立に電流が注入される。
p型電極21aを介して前方DFB領域101へ電流を注入することにより前方DFB領域101の光導波層3で強い励起状態が生じる結果、前方DFB領域101では、導入した位相シフト6に起因する、単体DFBレーザの発振モードに近い性質の発振モードがストップバンド内波長に生じる。一方、前方DFB領域101のストップバンド端部では、位相制御領域102で与える位相の大きさを調整すると、前方DFB領域101と後方DFB領域103とが結合キャビティーを形成して、前記発振モードとは異なる発振モードが生じる。これら2種類の発振モードが同時に発振することにより、モードの波長差に相当する繰返し周波数でのセルフパルセーションが生じる。
次に、本実施の形態の半導体レーザの素子構造について、シミュレーション解析した結果を説明する。
回折格子5の結合係数を150cm-1程度、前方DFB領域101と後方DFB領域103との長さが共に300μmで、位相制御領域102での位相シフト量をλ/10に設定した半導体レーザにおいて、前方DFB領域101に位相シフトを導入した素子構造での、タイムドメイン解析による特性シミュレーションを実施した。
回折格子5を含み、利得を有する単一モード光導波路の中での前進波の複素電場F(t、z)と後退波の複素電場R(t、z)との関係は、一般に下記のような時間に依存する2つの結合波方程式で記述することができる。
Figure 2005150625
Figure 2005150625
ここで、vgは導波路中の光の群速度、κは回折格子の結合係数、gは電場利得、δは回折格子のブラッグ波長からのずれを表す量、ispは自然放出光からの寄与を表している。解析対象の素子を多数のセクションに分割し、各セクション内部でのキャリア密度と電場密度とを一様に近似すると共に、時間の刻み幅に応じた空間的な刻み幅を適切に選択して、前進波と後退波との複素電場の時間発展を数値計算し、最終的に出力光強度の時間変化を求めた。また、出力光強度のフーリエ変換を行い、発振スペクトルを求めた。
前方DFB領域101の中央にλ/4シフトを導入し、後方DFB領域103の回折格子5を前方DFB領域101の回折格子5よりも長波長側に2nmだけ離調させた構造の素子で、セルフパルセーション動作のシミュレーションを行って得られた出力光時間波形と、レーザ発振スペクトルと、前方DFB領域101および後方DFB領域103のそれぞれから計算される反射スペクトルとのそれぞれの計算結果の一例を、図3、図4、図5のそれぞれに示す。反射スペクトルは、素子の導波路屈折率の虚部をゼロとして、実部の効果のみを考慮して計算した値を示した。
図3を参照して、超高周波のセルフパルセーション波形が示されている。また、前述のように、発振スペクトルは図4に示すように2つの主な発振モードからなる。図4における短波長側の発振モード波長は、図5に示すように前方DFB領域101のストップバンド内に位置し、導入した位相シフト6に起因する単体DFBレーザの発振モードに近い性質を有する。これに対し、図4に示す長波長側の発振モード波長は、図5に示すように前方DFB領域101のストップバンド端部に位置し、前方DFB領域101と後方DFB領域103とが結合キャビティーを形成したことによって生じる発振モードである。これら2種類の発振モードが同時に発振することにより、モードの波長差に相当する繰返し周波数でのセルフパルセーションが生じる。
長波長側のモードの発振波長は、位相制御領域102で与える位相を可変することによりストップバンド端部の範囲内で調整できるので、2つのモードの波長差、つまり繰返し周波数が調整できる。これにより、本素子を所定の繰返し周波数近傍で動作させるようにしておけば、位相調整により最終的に所定の繰返し周波数で動作させることができる。たとえば、光ファイバ通信の搬送波周波数で本素子を動作させ、光注入同期をさせることにより、ノードにおけるクロック再生機能が実現できる。
前述の動作機構によるセルフパルセーションを安定に生じさせるために、図4に示す2つの発振モードの波長(前方DFB領域101のストップバンド内のレーザ発振波長とストップバンド端部のレーザ発振波長)の両方が、図5に示すように後方DFB領域103のストップバンド内の高反射率部に位置するように、後方DFB領域103の回折格子5のブラッグ波長があらかじめ設定され、素子駆動条件が調整されている。その理由は、発振モード波長が後方DFB領域103のストップバンド端部に位置する場合には、前述の動作機構とは異なり、分散Qスイッチ機構による繰返し20GHz程度の比較的低周波数のセルフパルセーションが生じ易くなり、また、後方DFB領域103の低反射率部に位置する場合には、前方DFB領域101への帰還が弱まり、単一モードで発振し易くなるからである。
また、位相シフト部6の導入により生じる前方DFB領域101のストップバンド内のレーザ発振波長が、同ストップバンドの端部波長に対して0.3nm以上5.5nm以下の所望の波長間隔となるように位相シフト量の大きさが調整されている。波長間隔を前方DFB領域のストップバンドの幅以上にすることには困難があるが、素子長や回折格子結合定数の仕様を最適化することにより、ストップバンド幅を5.5nm程度まで大きくすることが可能である。また、ビート型振動によるセルフパルセーションが安定して生じるためには、波長間隔が0.3nm以上であることが望ましい。
前述の動作機構によるセルフパルセーションの周波数は、前方DFB領域101の位相シフト量を変えることで大幅に変えることができる。図6に、前述の素子において位相シフトの大きさを変えた場合のパルセーション周波数の計算結果を示した。
図6を参照して、位相シフト量の値が増加するにしたがって、パルセーション周波数が増加することがわかる。これは、短波長側の発振モードが短波長化するためである。また、回折格子5の結合係数はストップバンド幅に影響するため、パルセーション周波数に影響を与える。このように、回折格子5の結合係数や位相シフト、DFB領域長、離調は素子の設計パラメータであり、かかるパラメータの設計値を変えることにより様々なセルフパルセーション波形が選択可能となる。たとえば、位相シフトλ/4の素子では、回折格子5の離調の値がたとえば0〜3nmの範囲にあり回折格子5の結合定数が100〜150cm-1程度にある場合、前述の動作機構によるセルフパルセーションが生じる。
また、前述のように位相制御領域102の位相により長波長側の発振モードの波長が調整できるが、可能な調整範囲を図6の長方形の領域で示した。たとえば、位相シフト量がλ/9ではパルセーション周波数が80±20GHz、位相シフト量が2λ/9ではパルセーション周波数が160±20GHz、位相シフト量が4λ/9ではパルセーション周波数が320±20GHz程度の値となり、超高速の時分割多重光通信における信号用パルス光源やクロック再生に適した素子として使用することができる。
なお、後方DFB領域103をレーザ発振波長で透明な光導波層により構成したDBR(Distributed Bragg Reflector:分布反射型)領域で置き換えた構造の素子でも、前述の機構によるセルフパルセーション動作を同様に生じさせることが可能である。また、位相制御領域102をレーザ発振波長で利得を有する活性層により形成した構造の素子においても、前述の機構によるセルフパルセーション動作を同様に起こすことが可能である。また、位相シフト6を導入する個数および位置は、単一および回折格子の中央に限定されるものではなく、導入個数と位置との調整により、レーザ発振波長やパルセーション周波数を調整することができる。
本実施の形態の半導体レーザは、光導波層3の共振器方向のストライプ形状をエッチングで形成した後に、光導波層3の両側面部分に電流閉じ込め層8を埋め込み結晶成長で形成して、電流狭窄を行う構成を有している。このため、光導波層3に効率良く電流を注入可能となることに加えて、共振器方向にわたって光導波層3内でレーザ発振に寄与する活性な領域と反射ミラーや位相調整等の非活性な領域との結合損失を顕著に低減する結果、低損失な光導波路を形成でき、高効率でセルフパルセーション動作を行うことが可能となる。
なお、本実施の形態の半導体レーザでは、活性領域の両側面部分を電流閉じ込め層8で埋め込み成長して電流狭窄を行う構成にしているが、従来の半導体レーザと同様にリッジ導波路の構成にしてもほぼ同様の効果が得られる。
また、本実施の形態の半導体レーザでは光導波層3として0.2%程度の引張歪みバルクを用いているが、外部入力信号光に対して応答可能な波長範囲が狭くなり、偏波依存性が生じることを許容すれば、光導波層3は多重量子井戸(MQW:multiple quantum well)で構成されてもよい。
以上、実施の形態1によれば、2つの発振モードの波長(前方DFB領域101のストップバンド内のレーザ発振波長とストップバンド端部のレーザ発振波長)の両方が、後方DFB領域103のストップバンド内の高反射率部に位置するように、後方DFB領域103の回折格子5が調整されているため、通常の製造方法によって作製可能で、かつ安定なセルフパルセーション動作を実現できる半導体レーザが得られる。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2における半導体レーザの構成を示す概略断面図である。
図7を参照して、本実施の形態の半導体レーザでは、前方DFB領域101の中央部分と後方DFB領域103の中央部分にそれぞれ2λ/9に相当する位相シフト6a、6bが設けられている。本実施の形態のその他の構造は、実施の形態1の構成と同じであるため、同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態1と同様のシミュレーションにより、発振スペクトルは前方DFB領域101のストップバンド内の発振モードと前方DFB領域101のストップバンド端部の発振モードとの2つの主な発振モードとからなり、各発振モードの性質も実施の形態1の場合と同様であることがわかる。これら2種類の発振モードが同時に発振することにより、モードの波長差に相当する繰返し周波数でのセルフパルセーションが生じる。本実施の形態でも、セルフパルセーションを安定に生じさせるためには、2つの発振モードの波長が、いずれも後方DFB領域103のストップバンド内の高反射率部に位置するように、後方DFB領域103の回折格子5のブラッグ波長をあらかじめ設定すること、および素子駆動条件を調整することが望ましい。
本実施の形態では、後方DFB領域103のストップバンドの形状が実施の形態1と異なるが、2種類の発振モード波長をいずれも後方DFB領域103のストップバンド内の高反射率部に位置するように調整することが、実施の形態1の場合と同様に可能である。位相シフト量を変化させることによるパルセーション周波数の可変範囲は、主に前方DFB領域101のストップバンド幅に対応しており、実施の形態1の場合と同様である。後方DFB領域103の回折格子5にも位相シフト6bを設けるようにしたことで後方DFB領域103の反射率を制御することができ、前述の機構でのセルフパルセーション動作を容易に得ることができる。
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3における半導体レーザの構成を示す概略断面図である。
図8を参照して、本実施の形態の半導体レーザでは、前方DFB領域101は、2箇所のDFB領域101a、101bと、それらの間に設けた位相制御領域(前方DFB用位相制御領域)102aとの3領域から構成されている。この位相制御領域102aは各領域から電気的に分離されている。本実施の形態の半導体レーザは、さらに、後方DFB領域103と、位相制御領域102bとを有しており、全体で5領域から構成されている。位相制御領域102bは、前方DFB領域101と後方DFB領域103との間に設けられている。
回折格子5の結合係数はそれぞれ150cm-1程度であり、後方DFB領域103の回折格子5は、前方DFB領域101の回折格子5より2nmだけ長波調側に離調させている。前方DFB領域101の2箇所のDFB領域101a、101bの長さは、各150μmであり、後方DFB領域103の長さは、300μmである。
前方DFB領域101の2箇所のDFB領域101a、101bを同程度の電流密度で駆動し、位相制御領域102aの駆動電流を可変して与える位相を可変することで、本実施の形態の前方DFB領域101を位相シフト量可変の単体DFB領域と同様に動作させることができる。つまり、実施の形態1で説明した前方DFB領域101の単体DFBレーザの発振モードに近い性質の発振モード波長をストップバンド内で可変させることができる。一方、実施の形態1の場合と同様に、前方DFB領域101のストップバンド端部では、位相制御領域で与える位相の大きさを調整すると、前方DFB領域101と後方DFB領域103とが結合キャビティーを形成して、前記発振モードとは異なる発振モードが生じる。これら2種類の発振モードが同時に発振することにより、モードの波長差に相当する繰返し周波数でのセルフパルセーションが生じる。
実施の形態1で説明したように、セルフパルセーション周波数は、前方DFB領域101の位相シフト量を変えることで大幅に変えることができる。本実施の形態では、前方DFB領域101に含まれる位相制御領域102aの位相シフト量を電気的に可変することにより、同一の素子で40〜400GHzの広い周波数範囲にわたってパルセーション周波数を変化させることができる。このような素子は、超高速の時分割多重光通信における信号用パルス光源やクロック再生に適した素子として使用することができる。
(実施の形態4)
図9は、本発明の実施の形態4における半導体レーザの共振器方向の構成を示す概略断面図である。
図9を参照して、本実施の形態の半導体レーザは、前方DFB領域101と、位相制御領域102と、後方DBR領域103とを有している。この後方DBR領域103および位相制御領域102における光導波層3aを構成する結晶のバンドギャップエネルギーが、前方DFB領域101における光導波層3を構成する結晶のバンドギャップエネルギーより大きい。本実施の形態のその他の構造は、実施の形態1の構成と同じであるため、同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態1の半導体レーザでは後方DFB領域103は前方DFB領域101と同じ光導波層3を有しており、発生したレーザ光の後方DFB領域103での光吸収や利得は完全に無視することはできない。そこで、本実施の形態の半導体レーザは、実施の形態1の半導体レーザにおける後方DFB領域103を、バンドギャップが大きく光吸収や利得が無視できる受動DBRミラーで置き換える構成とされている。
実施の形態4の半導体レーザの動作を以下に説明する。なお、半導体レーザの基本的な動作は実施の形態1の半導体レーザとほぼ同一なので、本実施の形態における特徴的な動作部分を説明する。
前方DFB領域101に対してレーザ発振閾値以上の動作電流Ilas1が流され、後方DBR領域103において屈折率制御用電流Ilas2が流される。この場合、前方DFB領域101はレーザとして機能する一方、後方DBR領域103は分散性の強い、すなわち反射率の波長依存性の大きい受動DBRミラーとして動作する。
また本実施の形態の半導体レーザでは、実施の形態1の半導体レーザにおける単一の結晶層で構成された光導波層3に対して、前方DFB領域101の光導波層3と位相制御領域102および後方DBR領域103の光導波層3aとがバットジョイント成長によって結晶成長され、位相制御領域102および後方DBR領域103における光導波層3aのバンドギャップエネルギーが前方DFB領域101のバンドギャップエネルギーより大きくなるような結晶で形成される、いわゆるバットジョイント構造が適用されても良い。バットジョイント構造の適用により、共振器方向にわたって活性領域と光導波領域の結合損失をほぼ無くし、低損失な光導波層3、3aを形成できる。さらに、光導波層3、3aの両者の領域界面での屈折率差による反射が低減されるので、高効率で半導体レーザを駆動することができる。
実施の形態4の半導体レーザでは、実施の形態1の半導体レーザの後方DFB領域を受動DBRミラーで置き換えたので、DFB領域とした場合に生じる予期しない光吸収によるキャリア密度の変動が抑えられ、より安定したセルフパルセーション動作の持続が可能となる。さらに、受動DBRミラーの適用により、より容易にセルフパルセーション周波数の調整ができる。後方DBR領域103は利得と屈折率が同時に変わることがないため位相調整が容易であり、また、後方DBR領域103は利得を持たないので、前方DFB領域101のレーザ発振波長や受動DBRミラーのストップバンド外でのレーザ発振が起こりにくいからである。
(実施の形態5)
図10は、本発明の実施の形態5における半導体レーザの構成を示す概略断面図である。
図10を参照して、本実施の形態の半導体レーザでは、前方DFB領域101の前部に隣接して半導体光増幅器(SOA)104が集積されている。前方DFB領域101、位相制御領域102および後方DFB領域103の構成は、実施の形態1の構成と同様である。SOA領域104の長さはたとえば900μmである。また、SOA活性層は、回折格子を設けていない点を除くと、前方DFB領域101と共通の仕様である。SOA領域104において、p型InPクラッド層4上にはp型InGaAsPコンタクト層7とp型電極21dが形成されている。このSOA領域104のp型InGaAsPコンタクト層7およびp型電極21dは、前方DFB領域101のp型InGaAsPコンタクト層7およびp型電極21aと分離溝9dにより分離されている。
SOAを集積しない場合、光注入同期によるクロック再生特性の注入光波長依存性は、たとえば、図11のようになる。図11において、縦軸は同期に必要な注入光強度であり、横軸は注入光波長である。注入光の偏光方向は、レーザ光の偏光と同じとした。レーザ発振波長と同じ注入光波長の場合、もっとも小さい強度で同期させることができる。注入光波長をレーザ発振波長から変える場合、ストップバンド幅程度以下の違いでは、必要な注入光強度が増大し、ストップバンド幅程度以上の違いになると減少する。このような振る舞いは、ストップバンド内の注入光波長では、ストップバンド外の波長に比べてDFB領域による反射率が大きくなり注入光がDFB領域内を十分伝搬できないため、光注入によるキャリア密度変化が生じにくくなるためである。他方、レーザ発振波長に近い注入光波長の場合は、ストップバンドによる反射が小さく、注入光が増倍されながらDFB領域内を伝搬するので、小さい光強度で同期させることができる。
本実施の形態では、SOA部への入射信号として、レーザ発振光に対して波長と偏光方向が同じである外部CW(continuous wave)光(連続光)とクロック再生用の信号パルス光とが入射される。SOAを伝搬する際に生じる相互利得変調の効果により、入射された外部CW光は信号パルス光による強度変調を受ける。変調を受けた外部CW光は、レーザ発振光に対して波長が同じであるため、DFB領域に到達した後、小さい光強度で注入同期を生じさせることができる。注入同期を生じさせるために必要な信号パルス光強度は、SOAの相互利得変調を利用する場合の方が、SOAを設けない場合よりも低減できる。そのため、SOAを設けたことにより注入同期を高感度に生じさせることができる。
また、信号パルス光の波長依存性に関しては、波長がSOAの利得波長帯域内にある場合には、前述のSOAでの相互利得変調が同様に生じるので、SOAの利得波長帯域に相当する30nm以上の広い波長範囲で注入同期を生じさせることができる。このように、SOAを設けたことにより、広い信号光波長範囲に対して、波長依存性が小さく、高感度に注入同期を生じさせることができる。
本実施の形態では、前方DFB領域101の前部にSOA部104を設けたが、図12に示すように、後方DFB領域103の後部にSOA部104を設けた場合でも、前記外部CW光と信号パルス光を後方側から入射させることで、上記と同様の注入同期動作をさせることができる。この場合、SOA活性層は、回折格子を設けていない点を除くと、後方DFB領域103と共通の仕様である。SOA領域104において、p型InPクラッド層4上にはp型InGaAsPコンタクト層7とp型電極21dが形成されている。このSOA領域104のp型InGaAsPコンタクト層7およびp型電極21dは、後方DFB領域103のp型InGaAsPコンタクト層7およびp型電極21cと分離溝9dにより分離されている。
また、実施の形態1、2、3および4で説明した本発明の半導体レーザとSOAを用いた他の組み合わせの素子でも、同様の注入同期動作をさせることができる。
また、図13(a)、図13(b)に示すように、本発明の素子を用いた波長変換素子を構成することができる。波長変換素子は、一端から信号光が入射される入射側光導波路202と、前記入射側光導波路に光学的に結合された入射側カプラ203および分岐光導波路と、SOA集積セルフパルセーティング半導体レーザ211の発振波長に一致した波長で発振する注入光発生用(注入同期用)半導体レーザ204とを主に有している。入射側光導波路202を伝搬した信号光と注入光発生用半導体レーザ204の出力光とを入射側カプラ203と分岐光導波路とを経由してSOAに入射できるように前記入射側光導波路と前記注入同期用半導体レーザとが配置されている。
図13(a)は、入力信号光の伝搬方向と逆方向に出力光を得るようにした構成例であり、図13(b)は、入力信号光の伝搬方向と同方向に出力光を得るようにした構成例である。注入光発生用半導体レーザ204には、SOA集積セルフパルセーティング半導体レーザ211の発振波長に一致した波長付近で発振するように設計された公知のλ/4位相シフト付DFBレーザや波長可変半導体レーザが使用される。波長可変半導体レーザの場合は、波長可変範囲が大きいので波長を容易に選択することができる。λ/4位相シフト付DFBレーザの場合は、素子駆動電流により発振波長が可変できる範囲内にSOA集積セルフパルセーティング半導体レーザ211の発振波長が入るように、λ/4位相シフト付DFBレーザが作製される。
注入光発生用半導体レーザ204からの入射光は、SOA部で相互位相変調され、素子の注入同期動作を生じさせる。クロック再生出力である波長変換光は、図13(a)の構成の場合は、出射側導波路202aを経由して入射光の伝搬方向と同じ方向に、得ることができる。図13(b)の場合は、入射側カプラ203を経由して入射側光導波路202から入射光の伝搬方向と逆方向に、クロック再生出力である波長変換光を取り出すことができ、波長フィルタや光サーキュレータを用いて出力光を分離することができる。このような注入光発生用半導体レーザを集積した素子を構成することにより、外部CW光やそれに付随する偏波調整機構および信号パルス光との結合用カプラが不要になるので、システム全体を小型にでき、簡便に注入同期動作を生じさせることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は光ファイバ通信、特に全光信号処理技術の分野で用いられる超高速光パルスを発生させる半導体レーザおよびその半導体レーザの駆動方法に有利に適用できる。
本発明の実施の形態1における半導体レーザの構成を示す概観図である。 図1の半導体レーザの共振器方向の断面図(図1中のIIで表された面)である。 実施の形態1の半導体レーザにおけるλ/4位相シフトを導入し、後方DFB領域の回折格子を前方DFB領域の回折格子よりも長波長側に2nmだけ離調させた構造の素子で、セルフパルセーション動作のシミュレーションを行って得られた出力光時間波形のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1の半導体レーザにおけるλ/4位相シフトを導入し、後方DFB領域の回折格子を前方DFB領域の回折格子よりも長波長側に2nmだけ離調させた構造の素子で、セルフパルセーション動作のシミュレーションを行って得られたレーザ発振スペクトルのシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1の半導体レーザにおけるλ/4位相シフトを導入し、後方DFB領域の回折格子を前方DFB領域の回折格子よりも長波長側に2nmだけ離調させた構造の素子で、セルフパルセーション動作のシミュレーションを行って得られた反射スペクトルのシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1の半導体レーザにおける位相シフトの大きさとパルセーション繰返し周波数の関係を示す図である。 本発明の実施の形態2における半導体レーザの構成を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態3における半導体レーザの構成を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態4における半導体レーザの構成を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態5における半導体レーザの構成を示す概略断面図である。 SOAを集積しない場合の光注入同期によるクロック再生特性の注入光波長依存性を示す図である。 後方DFB領域の後部にSOA部を設けた半導体レーザの構成を示す概略断面図である。 本発明の半導体レーザ(セルフパルセーティングDFBレーザ)とSOAと注入光発生用半導体レーザとを集積した波長変換素子の構成例を示す図であり、(a)は入射信号光の伝搬方向と逆方向に出力光を得るようにした構成例であり、(b)は入射信号光の伝搬方向と同方向に出力光を得るようにした構成例である。
符号の説明
1 n型InP基板、2 n型InPクラッド層、3 InGaAsP光導波層、4 p型InPクラッド層、5 回折格子、6,6a,6b 位相シフト部分、7 p型InGaAsPコンタクト層、8 高抵抗InP電流閉じ込め層、9a,9b 分離溝、20 n型電極、21,21a,21b,21c p型電極、30 低反射率(AR)膜、101,101a,101b 前方DFB領域、102,102a,102b 位相制御領域、103 後方DFB領域、104 半導体光増幅器、202 入射側光導波路、202a 出射側導波路、203 入射側カプラ、204 注入光発生用半導体レーザ、211 SOA集積セルフパルセーティング半導体レーザ。

Claims (12)

  1. 第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成された第1導電型クラッド層と、
    前記第1導電型クラッド層に形成された光導波層と、
    前記光導波層を一部に含みレーザ光出射方向に対して前方に位置し前記光導波層面に近接した回折格子を具備する前方DFB領域と、
    前記光導波層を一部に含み前記レーザ光出射方向に対して後方に位置し前記光導波層面に近接した回折格子を具備し、前記前方DFB領域とは電気的に分離された後方DFBあるいはDBR領域と、
    前記回折格子を埋め込むように形成された第2導電型クラッド層と、を備え、
    前記前方DFB領域の回折格子が一部に位相シフト部分を有し、
    前記前方DFB領域と前記後方DFBあるいはDBR領域との各々に電流を注入することによって生じる前記前方DFB領域のストップバンド内のレーザ発振波長と前記前方DFB領域の前記ストップバンド端部のレーザ発振波長との両方が、前記後方DFBあるいはDBR領域により生じるストップバンド内の高反射率部に位置するように、前記後方DFBあるいはDBR領域の前記回折格子が調整されていることを特徴とする、半導体レーザ。
  2. 前記前方DFB領域の前記ストップバンド内の前記レーザ発振波長が、前記前方DFB領域の前記ストップバンドの端部波長に対して0.3nm以上5.5nm以下の所望の波長間隔となるように前記位相シフト部分の大きさが調整されていることを特徴とする、請求項1に記載の半導体レーザ。
  3. 前記後方DFBまたはDBR領域の前記回折格子が位相シフト部分を有していることを特徴とする、請求項1または2に記載の半導体レーザ。
  4. 前記前方DFB領域が2箇所のDFB領域と前方DFB用位相制御領域とにより構成されており、前記前方DFB用位相制御領域は前記2箇所のDFB領域の間に設けられ、かつ前記2箇所のDFB領域の各々から電気的に分離されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の半導体レーザ。
  5. 前記前方DFB領域と前記後方DFBあるいはDBR領域との間に位置し、かつ前記前方DFB領域と前記後方DFBあるいはDBR領域との各々から電気的に分離された前方−後方間位相制御領域をさらに備えたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の半導体レーザ。
  6. 前記後方DFBあるいはDBR領域が後方DBR領域で構成されており、前記前方−後方間位相制御領域および前記後方DBR領域における前記光導波層を構成する結晶のバンドギャップエネルギーが、前記前方DFB領域における光導波層を構成する結晶のバンドギャップエネルギーより大きいことを特徴とする、請求項5に記載の半導体レーザ。
  7. 前記前方DFB領域の回折格子の周期と前記後方DFBあるいはDBR領域の回折格子の周期が異なることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の半導体レーザ。
  8. 前記光導波層の両側面に形成された電流閉じ込め層をさらに備えたことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の半導体レーザ。
  9. 前記電流閉じ込め層が埋め込み結晶成長によって形成されたものであることを特徴とする、請求項8に記載の半導体レーザ。
  10. 前記前方DFB領域の前部または前記後方DFBあるいはDBR領域の後部に隣接して集積された半導体光増幅器をさらに備えたことを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の半導体レーザ。
  11. 請求項10に記載の半導体レーザをセルフパルセーティング動作を行う多電極構造のレーザとして用いる駆動方法であって、入力信号光とレーザ発振波長の連続光とを前記半導体光増幅器に入射させてクロック再生動作させることを特徴とする、半導体レーザの駆動方法。
  12. 請求項10に記載の半導体レーザを備えた波長変換素子であって、
    一端から信号光が入射される入射側光導波路と、
    前記半導体レーザの発振波長に一致した波長で発振する注入同期用半導体レーザとを備え、
    前記入射側光導波路を伝搬した前記信号光と前記注入同期用半導体レーザの出力光とを前記半導体レーザの前記半導体光増幅器に入射できるように前記入射側光導波路と前記注入同期用半導体レーザとが配置されていることを特徴とする、波長変換素子。
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