JP2005150427A - 電磁シールド膜およびそのメッシュ構造パターンの設計方法 - Google Patents

電磁シールド膜およびそのメッシュ構造パターンの設計方法 Download PDF

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Abstract

【課題】モワレフリンジが出ないメッシュ構造のパターンをコンピュータを利用して設計する方法を提供する。
【解決手段】入力部から演算部へ、数値a,bを入力し、x座標軸,y座標軸よりなる仮想座標を作成し、仮想座標上に、x座標軸に平行な直線とy座標軸に平行な直線とによって形成される、各辺の長さがa,bである仮想矩形よりなる仮想矩形群を作成し、仮想矩形を記憶部から読出された乱数を用いてx座標軸および/またはy座標軸方向に平行移動させ、平行移動された仮想矩形の各辺の長さを、記憶部から読出された乱数を用いて変更して、略矩形群を形成する。
【選択図】図7

Description

本発明は、フラットパネルディスプレイ分野で、特にPDP(プラズマディスプレイ)用に多く用いられる電磁シールド膜に関し、特に電磁シールド膜のメッシュ構造のパターンの設計方法に関する。
従来から、ディスプレイ装置には、その前面から漏洩する電磁波を遮蔽するための電磁シールド膜が前面板として装着されている。一方、大型の平面ディスプレイ装置として開発されているプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と称する。)は、その前面から漏洩する電磁波が従来からの冷陰極線管(CRT)と比較して大きいため、より有効に電磁波をシールドし得る電磁シールド膜の開発が望まれている。
電磁波を発生させる電子装置からの電磁波を除去するには、通常、導電性物質で周囲を覆い、電磁波を吸収させ、それをア−スによって地面へ流すことでシールド(遮蔽)する。PDP等のディスプレイでは、電磁波が直接人体へ所定以上当らないよう規格が定められている。また、ディスプレイでは、画像を映すという本質上、シールド方法は透明でなければならない。そのため、ITO等の透明導電性材料が検討されている。
例えば、導電性格子パターンと導電層とを積層して透明基板上に設けた電磁シールド膜が提案されているが(特開昭57−154898号公報)、かかる電磁シールド膜に用いられている導電層は、酸化インジウムと酸化スズとの複合酸化物(以下、「ITO」と称する。)層または金属層がそれぞれ単独で用いられているため、この電磁シールド膜をPDP用の前面板として用いた場合には、結果として可視光線の透過率が低下したり、反射率が大きくなる傾向にあった。また、導電性格子パターンと導電層とは透明基板の内部で接触した状態で積層されているため、電磁シールド膜の可視光線の表面反射を低減するには、電磁シールド膜の表面に別途、反射防止層などを設ける必要もあった。つまり、ITO等を厚く塗ると、光の透過性が悪くなるというジレンマがある。通常、光の透過量は90%以上が望まれているが、ITOでは60%以下となってしまう。また、ITO等の膜はスパッタリング法や蒸着法などの薄膜作製方法で作られるので高価であり、コスト面でも代替が望まれている。
その代替法として、金属メッシュ法がある。通常、金属メッシュ法では、プラスチックフィルム基板上に、無電解メッキや蒸着で全面に金属薄膜を形成し、ついで、フォトレジストを用いたフォトリソグラフィーを用いて金属薄膜の不要部をエッチングで除去する方法がとられる。銅などの金属薄膜をメッシュ状に形成すると、ITO等のベタ塗り法に比べて導電性が一桁以上大きいという長所がある。つまりシールド性は勝っている。しかし、金属メッシュ法でも光の透過率の確保は容易ではない。線幅を細くすることで、透過率を90%以上を確保している。
電磁波の波長によって、吸収されやすいメッシュパターンのピッチは異なってくる。一般にディスプレイから放出される波長幅は広いので、一定のピッチでは、充分に吸収できない波長帯が出てくる可能性がある。その意味でも、パターンのピッチはある程度の変化を付ける必要があると考えられる。
また、金属メッシュ法での最大の問題は、モワレフリンジの発生である。一般に、モワレフリンジの発生は、メッシュパターンがPDPの表示走査線と30度の角度をなすときが最小であるとはいわれているが、メッシュパターンが規則正しく、かつ直線状に並んでいるとき、特に際立ち不愉快なものである。
この問題に対して、特開平11−121978号公報では、図1に示すように、メッシュパターン1の縦線2,横線3の間隔を、ある乱れ度で配置している。しかし、この場合、縦線,横線は直線で構成されているので、現在の構造と本質は同じであり、モワレフリンジに対する効果は小さい。
特開平11−150388号公報には、図2のように、メッシュパターン4はL字型メッシュ5を組み合わせたもので、2個組み合わせれば、結局、規則正しい矩形メッシュになるのでモワレフリンジには効果がないと思われる。
特開2000−114773号公報には、図3に示すように、メッシュパターン6は、円形メッシュ7が組み合わされている。円形メッシュのエッジの並びは、縦方向および横方向に規則正しく直線状になっているので、モワレフリンジには大きな効果はないと思われる。また、円メッシュとその隙間の大きさの差が大きく、発光源を隠す要素が大きく、光透過量の減少を招く可能性がある。
特開昭57−154898号公報 特開平11−121978号公報 特開平11−150388号公報 特開2000−114773号公報
上記のように、従来のパターンのよるメッシュ構造を用いた場合、規則正しく並んだ発光源であるセルに対してモワレフリンジが出てしまう。それを避けるため、メッシュ構造を蛍光体セル列に対して45度傾けて、できるだけモワレフリンジが出ないようにはしているが、それでも方向,画像によってモワレフリンジが出てしまう問題点がある。
本発明の目的は、モワレフリンジが出ないメッシュ構造のパターンをコンピュータを利用して設計する方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、モワレフリンジが出ないメッシュ構造のパターンをコンピュータを利用して設計する場合に、コンピュータ上で実行されるプログラムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、モワレフリンジが出ないメッシュ構造のパターンを有する電磁シールド膜を提供することにある。
発明者は、互いに直交する直線状の銅線によるメッシュ構造が規則正しい構造をしていることからモワレフリンジが出るのであって、矩形のサイズあるいは配列を不規則にすることによって、各矩形の各辺が互いに直線状に並ばない乱れた略矩形群よりなるメッシュ構造を作れば、規則正しく並んだ発光源であるセルに対してモワレフリンジが現出することがなくなることを見出し、本発明をなすに至った。
このようなメッシュ構造の略矩形群は、各矩形を乱数を用いて上下,左右に平行移動させ、および/または、各矩形の各辺の長さを乱数を用いて変えることにより形成できる。本発明によれば、このようなメッシュ構造のパターンは、コンピュータにより演算で求める。
本発明の第1の態様は、メッシュ構造の電磁シールド膜である。この電磁シールド膜は、メッシュ構造が、互いに直交する2つの直線の方向に略矩形が配列された略矩形群よりなるパターンを有し、各略矩形の各辺が、2つの直線の方向に互いに直線状に並ばないことを特徴とする。
本発明の第2の態様は、ディスプレイ用装置の前面板として用いる電磁シールド膜のメッシュ構造のパターンを、コンピュータを用いて設計する方法である。この方法は、
入力部から演算部へ、数値a,bが入力されるステップと、
演算部で、x座標軸,y座標軸よりなる仮想座標を作成するステップと、
演算部で、前記仮想座標上に、x座標軸に平行な直線とy座標軸に平行な直線とによって形成される、各辺の長さがa,bである仮想矩形よりなる仮想矩形群を作成するステップと、
演算部で、前記仮想矩形を記憶部から読出された乱数を用いてx座標軸および/またはy座標軸方向に平行移動させるステップと、
演算部で、前記平行移動された仮想矩形の各辺の長さa,bを、記憶部から読出された乱数を用いて変更して、略矩形群を形成するステップとを含んでいる。
本発明の第3の態様は、ディスプレイ用装置の前面板として用いる電磁シールド膜のメッシュ構造のパターンを設計するためのプログラムである。
このプログラムの一例は、
数値a,bと、乱れ度RXmax,RYmax(1≧RXmax≧0,1≧RYmax≧0)、および、RAmax,RBmax(1≧RAmax≧0,1≧RBmax≧0)とを取込むステップと、
x座標軸,y座標軸よりなる仮想座標を作成するステップと、
前記仮想座標上に、x座標軸に平行な直線とy座標軸に平行な直線とによって形成される、各辺の長さがa,bである仮想矩形よりなる仮想矩形群を作成するステップと、
前記仮想座標のn行,m列に存在する仮想矩形(m,n)の中心位置を通過し、それぞれx座標方向,y座標方向に平行で、直交する2本の仮想中心線を導入し、1行,1列の仮想矩形(1,1)の仮想中心線の交点を原点として、仮想矩形(m,n)の中心位置を(X0 (m,n),Y0(m,n))と表すとき、仮想矩形(m,n)の中心位置を、
0 (m,n)=a×(m−1),Y0 (m,n)=b×(n−1)
で求めるステップと、
n行の各仮想矩形の位置を、前記乱れ度RXmaxに対して、RXmax≧|RX(n)|を満たす乱数RX(n)で、あるいは、m列の各仮想矩形の位置を、乱れ度RXmaxに対して、RXmax≧|RX(m)|を満たす乱数RX(m)で、x座標軸方向に平行移動させ、および/または、m列の各仮想矩形の位置を、乱れ度RYmaxに対して、RYmax≧|RY(m)|を満たす乱数RY(m)で、あるいは、n行の各仮想矩形の位置を、乱れ度RYmaxに対して、RYmax≧|RY(n)|を満たす乱数RY(n)でy座標軸に平行移動させ、移動された各仮想矩形(m,n)の中心位置(X0 ′(m,n)),(Y0 ′(m,n))を求めるステップと、
平行移動した仮想矩形(m,n)の互いに相対する1対の頂点E,Fの座標E(XE,YE),F(XF,YF)を、
XE=X0 ′(m,n)−a/2
YE=Y0 ′(m,n)−b/2
XF=X0 ′(m,n)+a/2
YF=Y0 ′(m,n)+b/2
で求めるステップと、
i1=n0 +2i+1,ni2=n0 +2i+2(ここで、n0 は0または任意の正の整数、i=0,1,2,3,…)、mj1=m0+2j+1,mj2=m0+2j+2(ここで、m0 は0または任意の正の整数、j=0,1,2,3,…)とするとき(nは、ni1またはni2を示し、mはmj1またはmj2を示す)、n=ni1行の奇数番目(m0 が偶数の場合)(あるいは偶数番目(m0 が奇数の場合))の列m=mj1列の仮想矩形(mj1,ni1)の各辺の長さを、前記乱れ度RAmax,RBmaxに対して、RAmax≧|RA(m,n)|,RBmax≧|RB(m,n)|を満たす乱数RA(m,n),RB(m,n)を用いて、(1+RA(mj1,ni1))×a,(1+RB(mj1,ni1))×bとなるように変更するステップと、
変更後の矩形の頂点E,Fの座標を、
XE=X0 ′(mj1,ni1)−(1+RA(mj1,ni1))×a/2
YE=Y0 ′(mj1,ni1)−(1+RB(mj1,ni1))×b/2
XF=X0 ′(mj1,ni1)+(1+RA(mj1,ni1))×a/2
YF=Y0 ′(mj1,ni1)+(1+RB(mj1,ni1))×b/2
で求めるステップと、
変更後の頂点E,Fの座標で定義される矩形を基準として、n=ni1行の、偶数番目列(m0 が偶数の場合)(あるいは奇数番目列(m0 が奇数の場合))であるm=mj2列の仮想矩形(mj2,ni1)において、仮想矩形の上下の辺のy座標のみを乱数RB(m,n)で変化させて、
YE=Y0 ′(mj2,ni1)−(1+RB(mj2,ni1))×b/2
YF=Y0 ′(mj2,ni1)+(1+RB(mj2,ni1))×b/2
を求めるステップと、
仮想矩形(mj2,ni1)の左辺のx座標は、左隣の矩形(mj1,ni1)のXFと同じとし、右辺のx座標は右隣の矩形(m(j+1)1,ni1)のXEと同じとするステップと、
n=ni2行の、偶数番目列あるいは奇数番目列であるm=mj1あるいはm=mj2列の仮想矩形(m,ni2)において、仮想矩形の左右の辺のx座標のみを乱数RA(m,n)で変化させて、
XE=X0 ′(m,ni2)−(1+RA(m,ni2))×a/2
XF=X0 ′(m,ni2)+(1+RA(m,ni2))×a/2
を求めるステップと、
仮想矩形(m,ni2)の左右の辺を上下に延長して、上下の行の矩形の横辺と交わるところをそれぞれのy座標であるYE,YFとすることによって略矩形を作成するステップと、
i,jのすべて整数について略矩形を作成し、略矩形群を作成するステップとを実行する。
本発明は、PDPを始めとするFED(電界放出ディスプレイ),CRTなどのディスプレイ装置の前面から漏洩する電磁波を遮蔽するため前面板に装着されている電磁シールド膜のメッシュ構造の、各仮想矩形を乱数に応じて上下,左右に平行移動させ、および/または、各仮想矩形の各辺の長さを乱数を用いて変形させることにより、矩形のサイズあるいは配列を不規則にすることによって、略矩形の各辺が互いに直線状に並ばない略矩形群よりなるパターンを有するメッシュ構造を作れば、規則正しく並んだ発光源であるセルに対してモワレフリンジが現出することがない電磁シールド膜を提供できる。
図4に、本発明の電磁シールド膜のメッシュ構造の設計方法を実施するコンピュータの基本構成を示す。コンピュータ10は、演算部(CPU)12と、記憶部14と、入力部16と、出力部18とから構成される。電磁シールド膜のメッシュ構造のパターンの形成は、記憶部に格納された乱数およびプログラムに基づいて、演算部で実行される。
図5は、演算部12の機能ブロック図である。演算部12は、仮想座標上に仮想矩形群を作成する仮想矩形群作成部20と、乱数発生部22と、仮想矩形を平行移動する平行移動処理部24と、仮想矩形の辺の長さを変更する長さ変更処理部26とから構成されている。
コンピュータでの処理を説明する前に、メッシュ構造のパターン設計についての要件を説明しておく。
(1)仮想座標の導入
メッシュ構造のパターンをコンピュータで設計する場合、x座標軸,y座標軸よりなる仮想座標を導入する。この仮想座標上に、x座標軸に平行な直線とy座標軸に平行な直線とによって、設計の元となる矩形を作成する。矩形のx座標軸方向の長さをa、y座標軸方向の長さをbとする。矩形は正方形(a=b)、あるいは長方形(a≠b)のいずれであってもよい。
以下、この明細書では、仮想座標上に作成された元となる矩形を、仮想矩形と言い、このような仮想矩形の集合を仮想矩形群と言うものとする。
仮想矩形群では、矩形は行(x座標軸方向)×列(y座標軸方向)マトリックス状に配列されており、n行,m列(n,mは正の整数)の仮想矩形を、矩形(m,n)と表すものとする。
以下の説明では、便宜上、横方向,縦方向という表現を用いるが、横方向はx座標軸方向を、縦方向はy座標軸方向を意味している。
(2)乱れ度の導入
本発明の設計方法では、仮想矩形を平行移動および/または辺の長さの変更を行うときに、乱数を用いて行う。このような乱数の絶対値の最大値を制限するものとして、乱れ度という概念を導入する。
本発明では、最大4種類の乱れ度を導入する。各仮想矩形の辺の長さの乱れ度RAmax,RBmaxは次のように定義される。仮想矩形の横辺の長さ(x座標軸方向の長さ)、縦辺の長さ(y座標軸方向の長さ)は、各々乱数RA(m,n),RB(m,n)で変更を受ける。ここで、1≧RAmax≧0,1≧RBmax≧0であり、
RAmax≧|RA(m,n)|,RBmax≧|RB(m,n)|
である。
また、仮想矩形の平行移動の乱れ度RXmax,RYmaxを定義する。ここで、1≧RXmax≧0,≧RYmax≧0であり、n行の矩形の左右(x座標軸方向)の平行移動を規定する乱数をRX(n)、m列の矩形の左右の平行移動を規定する乱数をRX(m)と表し、RXmax≧|RX(m)|,RXmax≧|RX(n)|とする。
また、n行の矩形の上下(y座標軸方向)の平行移動を規定する乱数をRY(n)と表し、m列の矩形の上下方向の平行移動を規定する乱数をRY(m)と表し、RYmax≧|RY(n)|,Ymax≧|RY(m)|とする。
ここで、RAmax=RBmax,RXmax=RYmaxとすれば、乱れ度を4種類から2種類に減らすこともできる。
乱数は、記憶部に格納されている乱数を用いる。同じ乱れ度でも異なる乱数列を用いれば、全く異なるパターンになりうるが、しかし、効果は乱れ度で決まるものであり、パターンは異なっても同じ効果が得られる。
(3)略矩形の定義
仮想座標上で仮想矩形を平行移動および/または辺の長さの変更を行うことによって、最終的にメッシュ構造のパターンを作成できる。メッシュ構造を構成する要素の形状は、平行移動および/または辺の長さの変更という処理によって、矩形または矩形でない形状となる。
図6は、矩形でない形状の例を示す。正確な矩形になっておらず、細かく見ると隣接する矩形が上に重なった形になっている。本明細書では、メッシュ構造を構成する矩形および矩形でないものを総称して、略矩形と言うものとする。すなわち、設計されたメッシュ構造のパターンは、略矩形の集合、すなわち略矩形群で構成される。
なお、本発明では、行を最初に指定して、行内の偶数列または奇数列に略矩形を作成し、これら略矩形の間に、略矩形を作成するという過程を経ているが、仮想座標上で行および列は直交する関係にある相対的なものであるから、行と列を入れ替える、すなわち、列を最初に指定して、列内の偶数行または奇数行に略矩形を作成し、これら略矩形の間に、略矩形を作成するという過程を経てもよい。あるいは、x座標とy座標を入れ替えた定義と考えても同じであるのは言うまでもない。
以下、コンピュータによるメッシュ構造のパターンの作成例について説明する。
(1)メッシュ構造の作成例1
作成例1は、本発明の設計方法の概略を説明するためのものである。
図7に、作成例1における演算部12での処理を説明するためのフローチャートを示す。
図4に示したコンピュータ10の記憶部14には、パターン作成のためのプログラム、および乱数が格納されている。入力部16からは、仮想矩形の各辺の長さa,bの値、および各仮想矩形の平行移動に対する乱れ度RXmax,RYmax(1≧RXmax≧0,1≧RYmax≧0)および各仮想矩形の辺の長さに対する乱れ度RAmax,RBmax(1≧RAmax≧0,1≧RBmax≧0)が演算部12に入力される(ステップS1)。
演算部12の仮想矩形群作成部20では、入力された矩形サイズa,bにより、図8に示すように、x座標軸方向の直線32およびy座標軸方向の直線34によって、横辺の長さa、縦辺の長さbの仮想矩形36よりなる仮想矩形群38を作成する(ステップS2)。図8では、a=bとする。
一方、演算部12の乱数発生部22では、入力された乱れ度により、RXmax≧|RX(m)|,RXmax≧|RX(n)|,RYmax≧|RY(n)|,RYmax≧|RY(m)|を満たす矩形(m,n)に作用する乱数RX(m),RX(n),RY(n),RY(m)が読出され、およびRAmax≧|RA(m,n)|,RBmax≧|RB(m,n)|を満たす矩形(m,n)に作用する乱数RA(m,n),RB(m,n)が読出される(ステップS3)。
演算部12の平行移動処理部24では、各m列の仮想矩形を乱数RX(m)で左右に平行移動させ、または各n行の仮想矩形を乱数RX(n)で左右に平行移動させ、および/または、各n行の仮想矩形を乱数RY(n)で上下に平行移動させ、または各m列の仮想矩形を乱数RY(m)で上下に平行移動させる(ステップS4)。
次に、演算部12の長さ変更処理部26では、乱数RA(m,n),RB(m,n)を用いて、平行移動された各仮想矩形の辺の長さを、(1+RA(m,n))×a、(1+RB(m,n))×bとなるように変更する(ステップS4)。以上のステップにより、略矩形群が形成される。このような略矩形群は、メッシュ構造のパターンを形成する。
以上の例では、平行移動および辺の長さの変更を行ったが、平行移動のみ、あるいは長さの変更のみを行って、略矩形群を作成することができる。
平行移動のみ行う場合には、RAmax=RBmax=0とすればよい。
また、辺の長さの変更のみ行う場合には、RXmax=RYmax=0とすればよい。
以下に説明する、作成例においても同様である。
(2)メッシュ構造の作成例2
作成例2では、作成例1よりも、より詳しく説明する。
図9に、作成例2における演算部12での処理を説明するためのフローチャートを示す。
仮想座標を作成し、仮想矩形群を作成し、乱数を発生させるまでの処理は、作成例1と同じである。
(a)仮想中心線の導入
図10に示すように、仮想座標上で仮想矩形(m,n)の中心位置を通過し、それぞれx座標軸方向,y座標軸方向に平行で、直交する2本の仮想中心線42,44を作成する(図9,ステップS4)。
まず、1行,1列の矩形(1,1)の仮想中心線の交点を原点として、仮想矩形(m,n)の中心座標(X0 (m,n),Y0 (m,n))を、
0 (m,n)=a×(m−1),Y0 (m,n)=b×(n−1)
により求める(ステップS5)。
以下の説明では、図10に示すように、座標E(XE,YE)を仮想矩形(m,n)の左上の頂点とし、F(XF,YF)を仮想矩形(m,n)の右下の頂点として説明するが、座標E(XE,YE)を仮想矩形(m,n)の左下の頂点とし、F(XF,YF)を仮想矩形(m,n)の右上の頂点としてもよい。
(b)矩形の平行移動
n行の各仮想矩形の位置をRXmax≧|RX(n)|を満たす乱数RX(n)で、あるいは、m列の各仮想矩形の位置をRXmax≧|RX(m)|を満たす乱数RX(m)で、左右に平行移動させ、および/または、m列の各矩形の位置をRYmax≧|RY(m)|を満たす乱数RY(m)で、あるいは、n行の各矩形の位置をRYmax≧|RY(n)|を満たす乱数RY(n)で上下に平行移動させる(ステップS6)。図11には、仮想矩形(m,n)を、平行移動した状態を示す。
平行移動された仮想矩形(m,n)の中心座標(X0 ′(m,n)、Y0 ′(m,n))を求める(ステップS7)。
左右への移動を各m列ごとに行い、上下の移動を各n行で行う場合、中心座標は、
0 ′(m,n)=a×(n−1)+RX(m)×a
0 ′(m,n)=b×(m−1)+RY(n)×b
と表すことができる。
また、左右の移動を各n行ごとに行い、上下方向の移動を各m列で行う場合、中心座標は、
0 ′(m,n)=a×(n−1)+RX(n)×a
0 ′(m,n)=b×(m−1)+RY(m)×b
と表される。左右移動と上下移動は、上記の行ごと、列ごと別の組み合わせも可能であることは、いうまでもない。
平行移動された仮想矩形(m,n)の互いに相対する1対の頂点の座標をE(XE,YE),F(XF,YF)とし、位置E点,F点の座標を、
E(X0 ′(m,n)−a/2,Y0 ′(m,n)−b/2)
F(X0 ′(m,n)+a/2,Y0 ′(m,n)+b/2)
により求める(ステップS8)。
(c)平行移動された仮想矩形の辺の長さの変更
乱数RA(m,n)、RB(m,n)を用いて、平行移動された仮想矩形(m,n)の横辺,縦辺の長さを変更し(ステップS9)、変更後のE点,F点の座標を、
E(X0 ′(m,n)−(1+RA(m,n))×a/2,Y0 ′(m,n)−(1+RB(m,n))×b/2)
F(X0 ′(m,n)+(1+RA(m,n))×a/2,Y0 ′(m,n)+(1+RB(m,n))×b/2)
により求める(ステップS10)。
以上の矩形の平行移動および矩形の辺の長さの変更を行うことによって、略矩形群を得ることができる。
これにより、各略矩形の各辺が互いに直線状に並ばないようメッシュ構造のパターンを作成できる。
(3)メッシュ構造の作成例3
作成例3は、具体的な一つの例である。
図12に、作成例3における演算部12での処理を説明するためのフローチャートを示す。
仮想座標を作成し、仮想矩形群を作成し、乱数を発生させ、仮想中心線を作成し、仮想矩形(m,n)の中心座標を求め、仮想矩形を平行移動させ、平行移動させた仮想矩形の中心座標を求め、E点,F点の座標を求めるまでの処理は、作成例2と同じである。
(a)辺の長さの変更
n,mを偶数または奇数として区別する。したがって、ni1=n0 +2i+1、ni2=n0 +2i+2(ここで、n0 は0または任意の正の整数、i=0,1,2,3,…)、mj1=m0 +2j+1、mj2=m0 +2j+2(ここで、m0 は0または任意の正の整数、j=0,1,2,3,…)とする。nは、ni1またはni2を示し、mはmj1またはmj2を示す。
n=ni1行の奇数番目(m0 が偶数の場合)(あるいは偶数番目(m0 が奇数の場合))の列m=mj1列の平行移動された仮想矩形(mj1,ni1)の辺の長さを、乱数RA(m,n),RB(m,n)を用いて変更し(ステップS9)、変更後のE点,F点の座標を、
XE=X0 ′(mj1,ni1)−(1+RA(mj1,ni1))×a/2
YE=Y0 ′(mj1,ni1)−(1+RB(mj1,ni1))×b/2
XF=X0 ′(mj1,ni1)+(1+RA(mj1,ni1))×a/2
YF=Y0 ′(mj1,ni1)+(1+RB(mj1,ni1))×b/2
により求め、これにより変更された略矩形(mj1,ni1)が作成される(ステップS10)。
i,jのすべてについて、略矩形(mj1,ni1)を作成する。図13には、作成された略矩形(mj1,ni1)を実線で示す。ただし、図をわかりやすくするため、仮想矩形を平行移動せず、辺の長さを変更した場合を示している。
以上のようにして作成された略矩形を基準として、
1)n=ni1行の、偶数番目列(m0 が偶数の場合)(あるいは奇数番目列(m0 が奇数の場合))であるm=mj2列の仮想矩形(mj2,ni1)において、図14に示すように、仮想矩形の上下の辺のy座標のみを乱数RB(m,n)で変更して、
YE=Y0 ′(mj2,ni1)−(1+RB(mj2,ni1))×b/2
YF=Y0 ′(mj2,ni1)+(1+RB(mj2,ni1))×b/2
を求める(ステップS11)。図14には、変更させた上下の辺を、太い実線で示している。
矩形(mj2,ni1)の左辺のx座標は、図15に示すように、左隣の略矩形(mj1,ni1)のXFと同じとし、右辺のx座標は右隣の略矩形(m(j+1)1,ni1)のXEと同じとする(ステップS12)。図15には、変更した左右の辺を、太い実線で示している。
以上の処理により、略矩形(mj2,ni1)が形成される。
2)次に、n=ni2行は、図16に示すように、偶数番目列(m0 が偶数の場合)(あるいは奇数番目列(m0 が奇数の場合))であるm=mj2列の矩形(mj2,ni2)に対して、仮想矩形の左右の辺のx座標のみを乱数RR(m,n)で変更して、
XE=X0 ′(mj2,ni2)−(1+RA(mj2,ni2))×a/2
XF=X0 ′(mj2、ni2)+(1+RA(mj2、ni2))×a/2
を求める(ステップS13)。図16には、変更した左右の辺を、太い実線で示している。
矩形(mj2,ni2)の左右の辺を、図16に示すように上下に延長して、上下の行の矩形の横辺と交わるところをそれぞれのy座標、YE,YFとする(ステップS14)。
以上の処理により、略矩形(mj2,ni2)が形成される。偶数番目の略矩形が形成されることにより、奇数番目列(mj1,ni2)の略矩形は自動的に定まる。この場合に、図16からもわかるように、一番端の奇数番目列の端部である左辺または右辺は定まらず、略矩形が作成されない。
実際には、作製された電磁シールド膜の端の部分は切り取って使用されるので、端部に略矩形が作成されなくても問題はない。
しかし、設計上、端部の略矩形を完成させる必要がある場合には、中心座標から−a/2または+a/2のx座標の位置で左辺または右辺を定めるとよい。
3)以下、i,jのすべて整数について略矩形を作成する(ステップS13)。
上記処理を行うことによって、各略矩形の各辺が互いに直線状に並ばないようメッシュ構造のパターンを作成することができる。
(7)メッシュ構造の作成例4
作成例4は、具体的な他の例である。
図17A,図17Bに、作成例4における演算部での処理を説明するためのフローチャートを示す。
仮想座標を作成し、仮想矩形群を作成し、乱数を発生させ、仮想中心線を作成し、仮想矩形(m,n)の中心座標を求め、仮想矩形を平行移動させ、平行移動させた仮想矩形の中心座標を求め、E点,F点の座標を求めるまでの処理は、作成例2と同じである。
(a)辺の長さの変更
nを4の倍数に対して1,2,3,4を加えたものとして区別し、mを偶数または奇数とする。したがって、ni1=n0+4i+1、ni2=n0+4i+2、ni3=n0+4i+3、ni4=n0+4i+4(ここで、n0 は0または任意の正の整数、i=0,1,2,3,…)、mj1=m0+2j+1、mj2=m0+2j+2(ここで、m0 は0または任意の正の整数、j=0,1,2,3,…)とする。nは、ni1,ni2,ni3またはni4を示し、mはmj1またはmj2を示す。
n=ni1行の奇数番目列(m0 が偶数の場合)(あるいは偶数番目列(m0 が奇数の場合))であるm=mj1列の矩形(mj1,ni1)の辺の長さを、乱数RA(m,n),RB(m,n)を用いて、図18に示すように変更し(ステップS9)、変更後のE点,F点の座標を、
XE=X0 ′(mj1,ni1)−(1+RA(mj1,ni1))×a/2
YE=Y0 ′(mj1,ni1)−(1+RB(mj1,ni1))×b/2
XF=X0 ′(mj1,ni1)+(1+RA(mj1,ni1))×a/2
YF=Y0 ′(mj1,ni1)+(1+RB(mj1,ni1))×b/2
より求め、これにより変更された略矩形(mj1,ni1)が作成される(ステップS10)。図18には、作成された略矩形(mj1,ni1)を実線で示す。ただし、図をわかりやすくするため、仮想矩形を平行移動せず、辺の長さを変更した場合を示している。
以上のようにして作成された略矩形を基準として、
1)n=ni1行において、偶数番目列(m0 が偶数の場合)(あるいは奇数番目列(m0 が奇数の場合))であるm=mj2列の矩形(mj2,ni1)に対して、図19に示すように、仮想矩形の上下の辺のy座標のみを乱数RB(m,n)で変化させて、
YE=Y0 ′(mj2,ni1)−(1+RB(mj2, ni1))×b/2
YF=Y0 ′(mj2,ni1)+(1+RB(mj2,ni1))×b/2
を求める(ステップS11)。図19には、変更した上下の辺を、太い実線で示している。
さらに、図20に示すように、矩形(mj2,ni1)左辺のx座標は、左隣の略矩形(mj1,ni1)のXFと同じとし、右辺のx座標は右隣の略矩形(m(j+1)1,ni1)のXEと同じとする(ステップS12)。図20は、変更した左右の辺を、太い実線で示している。
以上の処理により、略矩形(mj2,ni1)が形成される。
2)次に、n=ni3行の偶数番目列(m0 が偶数の場合)(あるいは奇数番目列(m0 が奇数の場合))であるm=mj2列の矩形(mj2,ni3)の辺の長さを、図21に示すように、乱数RA(m,n),RB(m,n)を用いて変更し(ステップS13)、変更後のE点,F点の座標を、
XE=X0 ′(mj2,ni3)−(1+RA(mj2,ni3))×a/2
YE=Y0 ′(mj2,ni3)−(1+RB(mj2,ni3))×b/2
XF=X0 ′(mj2,ni3)+(1+RA(mj2,ni3))×a/2
YF=Y0 ′(mj2,ni3)+(1+RB(mj2,ni3))×b/2
により求め、これにより変更された略矩形(mj2,ni3)が作成される(ステップS14)。図21には、作成された略矩形(mj2,ni3)を実線で示す。ただし、図をわかりやすくするため、仮想矩形を平行移動せず、辺の長さを変更した場合を示している。
以上のようにして作成された略矩形を基準として、
3)n=ni3行において、奇数番目列(m0 が偶数の場合)(あるいは偶数番目列(m0 が奇数の場合))であるm=mj1列の矩形(mj1,ni3)に対して、図22に示すように、矩形の上下の辺のy座標のみを乱数RB(m,n)で変化させて、
YE=Y0 ′(mj1,ni3)−(1+RB(mj1, ni3))×b/2
YF=Y0 ′(mj1,ni3)+(1+RB(mj1,ni3))×b/2
を求める(ステップS15)。図22には、変更した上下の辺を、太い実線で示している。
さらに、図23に示すように、矩形(mj1,ni3)の左辺のx座標は、左隣の矩形(m(j-1)2,ni3)のXFと同じとし、右辺のx座標は右隣の略矩形(mj2,ni3)のXEと同じとする(ステップS16)。図23には、変更した左右の辺を、太い実線で示している。この場合において、一番端の矩形を完成させる必要がある場合には、中心座標から−a/2または+a/2のx座標の位置で左辺または右辺を定めるとよい。
以上の処理により、略矩形(mj1,ni3)が形成される。
4)ni2行とni4行については、各行の偶数番目列あるいは奇数番目列であるm=mj1列あるいはm=mj2列の仮想矩形(m,ni2),(m,ni4)に対して、図24に示すように、仮想矩形の左右の辺のx座標のみを乱数RA(m,n)で変更して、仮想矩形(m,ni2)については
XE=X0 ′(m,ni2)−(1+RA(m,ni2))×a/2
XF=X0 ′(m,ni2)+(1+RA(m,ni2))×a/2
を求め、仮想矩形(m,ni4)については
XE=X0 ′(m,ni4)−(1+RA(m,ni4))×a/2
XF=X0 ′(m,ni4)+(1+RA(m,ni4))×a/2
を求める(ステップS17)。図24には、変更した左右の辺を、太い実線で示している。
矩形(mj2,ni2),(mj2,ni4)の左右の辺を上下に延長して、上下の行の矩形の横辺と交わるところをそれぞれのy座標、YE,YFとする(ステップS18)。
以上の偶数番目列の矩形の処理により、略矩形(mj2,ni2),(mj2,ni4)が形成される。偶数番目の略矩形が形成されることにより、奇数番目列(mj1,ni2),(mj1,ni4)の略矩形は自動的に定まる。
5)以下、i,jのすべて整数について略矩形を作成する(ステップS19)。
上記処理を行うことによって、各略矩形の各辺が互いに直線状に並ばないようメッシュ構造のパターンを作成することができる。
作成例4に従って、メッシュ構造のパタ−ンを作成した例を図25に示す。ここで使用した乱れ度は、
RXmax=0.7,RYmax=0.7
RAmax=0.3,RBmax=0.3
である。図25からわかるように、x座標軸方向,y座標軸方向どちらから見ても、略矩形は直線状に並んでおらず、また各略矩形のサイズもあるばらつき度で様々なものがあることがわかる。
本作成例では、行を最初に指定して、行内の偶数列または奇数列に略矩形を作成し、これら略矩形の間に、略矩形を作成するという過程を経ているが、仮想座標上で行および列は直交する関係にある相対的なものであるから、行と列を入れ替える、すなわち、列を最初に指定して、列内の偶数行または奇数行に略矩形を作成し、これら略矩形の間に、略矩形を作成するという過程を経てもよい。
実施例の説明を行う前に、電磁シールド膜の一般的な作製方法を説明しておく。
電磁シールド膜の作製方法には以下のように大きくわけて、電着法(メッキ)とエッチング法の2種類あり、さらに、それぞれ、直接法と転写法がある。
1)電着法−直接法
この方法では、以下の手順で電着を行う。
(i)透明導電性基板の上にレジスト等で、本発明により作成された電磁シールド膜のメッシュ構造の所望のパターンを作る。
(ii)電磁シールド膜に使用する金属の電解液に浸漬して電着により導電性パターンを作る。この導電性パターンは、電磁シールド膜のメッシュ構造を形成する。
(iii )電子シールド膜の表面が金属光沢が残っていると画面の目視中に視認性が悪くなるので、金属の表面を黒化処理する。
2)電着法−転写法
この方法については、図26に示す。
(i)導電性基板60の上に絶縁性レジスト62で、本発明により作成された電磁シールド膜のメッシュ構造の所望のパターンを作る。
(ii)電磁シールド膜に使用する金属の電解液に浸漬して電着により金属パターン64を作る。
(iii )透明接着材66を一方の面に塗った導電性基板を、電着を行った透明導電性基板68に接着させる。ここで、透明接着材66は、金属にはよく接着するが、レジストには接着性の悪いものを選ぶことが好ましい。
(iv)その後、図26に示すように、金属パターン64を透明導電性基板68の側に接着させた状態で、透明導電性基板68を、導電性基板60から剥離させる。
以上の工程により、電磁シールド膜が形成される。
3)エッチング法−直接法
この方法については、図27に示す。
(i)透明絶縁性基板70(例えば、ガラス基板)の上に、金属層72をメッキで全面に積層する。
(ii)金属層72の上に、エッチングレジストパターン74を形成する。このパターンは、本発明により作成されたメッシュ構造のパターンである。
(iii )レジストで保護されていない金属層部分のみをエッチングで除去する。
(iv)透明な硬化性のアクリル系樹脂を塗布し硬化させ、保護膜76とする。レジストパターンは必ずしも除去する必要はない。レジストパターンにあらかじめ、カーボンブラック等を含めておけば、金属光沢を消す効果がある。
以上の工程により、電磁シールド膜が形成される。
4)エッチング法−転写法
この方法については、図28に示す。
(i)導電性基板80の上に金属層82を接着する。
(ii)エッチングレジスト84で本発明により作成されたメッシュ構造のパターンを作る。
(iii )金属層82をエッチングし、金属パターンを形成する。
(iv)パターンに接着材86を流し込む。
(v)接着材の上に透明導電性膜88を成膜する。
(vi)金属パターン82と接着材86の層とを導電性基板80からはがす。
(vii )表面に透明保護膜90を成膜する。
以上の工程により、電磁シールド膜が形成される。
(実施例1)
乱れ度とモワレフリンジの関係を調べるために、以下の方法で電磁シールド膜サンプルを作製した。
電磁シールド膜サンプルは、エッチング法−直接法で作製した。ガラス基板(有効領域300mm×300mm)の上に銅の金属膜をスパッタリング法により約0.1μmほど積層したのち、メッキ法によって20μm積層した試料を多数作り、各種乱れ度に応じて銅パターンを作製した。銅パターン作製は、通常のフォトレジスト法によりエッチングレジストを作り、レジストのない部分を塩化第2鉄エッチング液で銅を除去することにより行った。線幅は、すべて20μmとした。金属パターンの上に、アクリル系の保護層をつけた。レジストは、市販のネガ型フォトレジスト(東京応化株式会社 商品名 KOR)を用いた。
以上のようにして作製された電磁シールド膜を、ディスプレイ、例えば、43型PDPに取り付けた。このPDPの規格を示す。
・画面サイズ:952mm×536mm
・1280(横)×768(縦)画素
・0.930mm(横)×0.698mm(縦)の画素ピッチ
モワレフリンジの判定は目視によって行った。
1)電磁シールド膜のメッシュ構造が、矩形の位置のみを乱数で変化させ、矩形の辺の長さを変えないものであるとき、すなわち、乱れ度R1=RAmax=RBmax=0であり、RXmax,RYmaxのみを変化させたものであるとき。
(a)電磁シールド膜の矩形の各辺の向きが、PDPの画素列の向きに同じであるとき。
R2=RXmax=RYmaxとしたとき、R2<0.2では、モワレフリンジが確認できたが、R2≧0.4では、この画素と矩形の配置の場合は、モワレフリンジは確認できなかった。また0.2≦R2<0.4では、モワレフリンジの存在は不明確であった。画像の種類によってモワレフリンジの発現は依存する範囲であると考えられた。
(b)メッシュ構造の矩形の各辺の向きが、PDPの画素列の向きに対して、30度の傾きがあるとき。
R2=RXmax=RYmaxとしたとき、R2<0.2では、わずかにモワレフリンジが確認できたが、R2≧0.3では、モワレフリンジは見えなかった。
2)電磁シールド膜のメッシュ構造が、矩形の位置を変化させず、矩形の辺の長さを変更したものであるとき、すなわちR2=RXmax=RYmax=0であり、RAmax,RBmaxのみを変化させたものであるとき。
R1=RAmax=RBmaxとして、電磁シールド膜の矩形の辺がPDPの画素列と平行のとき、R1<0.1では、モワレフリンジが確認できたが、R1≧0.1であると、電磁シールド膜の矩形の辺がPDPの画素列に平行であろうが、角度30度をなしていようが、モワレフリンジは確認できなかった。
3)電磁シールド膜のメッシュ構造が、矩形の位置を変化させ、かつ、矩形の辺の長さを変更したものであるとき。
R1=RAmax=RBmax,R2=RXmax=RYmaxであって、R1≧0.1,R2≧0.1であれば、モワレフリンジは確認できなかった。
4)乱れ度とモワレフリンジ
上記の測定によって得られた結果を、乱れ度(R1,R2)とモアレフリンジとの関係として、図29に示す。
点々を付した領域がモワレフリンジの確認できない領域である。特に、R1≒0.3、R2≒0.5付近では、どのような画面でもモワレフリンジは確認できなかった。
図29から、R1/2+R2/4>0.075、かつ、R1<0.9
の範囲にある乱れ度R1,R2を用いて作成された略矩形群からなるメッシュ構造は、モワレフリンジが出ないことがわかる。
(実施例2)
乱れ度:R1=RAmax=RBmax=0,R2=RXmax=RYmax=0.4のメッシュ構造パターンを有する電磁シールド膜を、エッチング法−直接法で作製した。ガラス基板のサイズや評価に用いたPDPも実施例1と同様とした。作製した電磁シールド膜のパターンを図30に示す。
これで、PDPを利用して目視でモワレフリンジを観測したところ、長いレンジにわたるものは観測されなかった。
(実施例3)
乱れ度:R1=RAmax=RBmax=0,R2=RXmax=RYmax=0.8のメッシュ構造パターンを有する電磁シールド膜を作製した。
得られたメッシュ構造のパターンは図31に示す通りであった。この場合は、モワレフリンジはまったく観測されなかった。メッシュ構造の略矩形の辺とPDPの画素列との角度は無関係であった。R1=0の場合は、各略矩形の面積はほぼ等しいので、透過光量に関しては、乱れ度がないときと同じであった。
(実施例4)
乱れ度:R1=RAmax=RBmax=0.4,R2=RXmax=RYmax=0のメッシュ構造パターンを有する電磁シールド膜を作製した。得られたパターンは図32に示す通りであった。
この条件では、各略矩形の辺の長さが変化するので、モワレフリンジが発現しにくさは、R1=0の時よりも効果があった。この場合、各略矩形の中心はx座標軸,y座標軸に平行に並んでいる。
(実施例5)
乱れ度:R1=1.0,R2=0のメッシュ構造パターンを有する電磁シールド膜を作製した。得られたパターンは図33に示す通りであった。
図33に見られるように、大きい略矩形と小さい略矩形が混在しているため、特に小さい矩形のかたまって存在しているところがあり、それが、実際の画像では黒点のように見えるところはあったが、モワレフリンジについては確認できなかった。
(実施例6)
R1,R2を同時に変化させ、R1=0.3,R2=0.5のメッシュ構造パターンの電磁シールド膜を作製した。得られたパターンは図34に示す通りであった。
略矩形のサイズのばらつき、位置のばらつきもちょうど良く、モワレフリンジも見えないし、黒点も確認できなかった。
(実施例7)
R1=R2=0.6のメッシュ構造パターンを有する電磁シールド膜を作製した。得られたパターンは図35の通りであった。
このパターンは、略矩形のサイズ、位置ともに最も相関がないように見える配置となっており、モワレフリンジも見えないし、黒点も確認できなかった。
従来の電磁シールド膜のメッシュ構造のパターンを示す図である。 従来の電磁シールド膜のメッシュ構造のパターンを示す図である。 従来の電磁シールド膜のメッシュ構造のパターンを示す図である。 コンピュータの基本構成を示す図である。 演算部の機能ブロック図である。 略矩形の一例を示す図である。 作成例1における演算部での処理を説明するためのフローチャートを示す図である。 仮想矩形群を示す図である。 作成例2における演算部での処理を説明するためのフローチャートを示す図である。 仮想中心線を説明する図である。 仮想矩形(m,n)を、平行移動した状態を示す図である。 作成例3における演算部での処理を説明するためのフローチャートを示す図である。 基準となる略矩形を示す図である。 略矩形の作成の過程を示す図である。 略矩形の作成の過程を示す図である。 略矩形の作成の過程を示す図である。 作成例4における演算部での処理を説明するためのフローチャートを示す図である。 作成例4における演算部での処理を説明するためのフローチャートを示す図である。 基準となる略矩形を示す図である。 略矩形の作成の過程を示す図である。 略矩形の作成の過程を示す図である。 略矩形の作成の過程を示す図である。 略矩形の作成の過程を示す図である。 略矩形の作成の過程を示す図である。 略矩形の作成の過程を示す図である。 作成例4に従って作成されたメッシュ構造のパターンを示す図である。 電着−転写法による電磁シールド膜の作製を説明するための図である。 エッチング法−直接法による電磁シールド膜の作製を説明するための図である。 エッチング法−転写法による電磁シールド膜の作製を説明するための図である。 モワレフリンジの出なかったR1,R2領域を示す図である。 本発明の方法により作成されたメッシュ構造のパターンを示す図である。 本発明の方法により作成されたメッシュ構造のパターンを示す図である。 本発明の方法により作成されたメッシュ構造のパターンを示す図である。 本発明の方法により作成されたメッシュ構造のパターンを示す図である。 本発明の方法により作成されたメッシュ構造のパターンを示す図である。 本発明の方法により作成されたメッシュ構造のパターンを示す図である。
符号の説明
1,4,6 メッシュ構造パターン
10 コンピュータ
12 演算部(CPU)
14 記憶部
16 入力部
18 出力部
20 仮想矩形群作成部
22 乱数発生部
24 平行移動処理部
26 長さ変更処理部
32 x座標軸方向の直線
34 y座標軸方向の直線
38 仮想矩形群
42,44 仮想中心線

Claims (17)

  1. ディスプレイ用装置の前面板として用いる電磁シールド膜のメッシュ構造のパターンを、コンピュータを用いて設計する方法であって、
    入力部から演算部へ、数値a,bが入力されるステップと、
    演算部で、x座標軸,y座標軸よりなる仮想座標を作成するステップと、
    演算部で、前記仮想座標上に、x座標軸に平行な直線とy座標軸に平行な直線とによって形成される、各辺の長さがa,bである仮想矩形よりなる仮想矩形群を作成するステップと、
    演算部で、前記仮想矩形を記憶部から読出された乱数を用いてx座標軸および/またはy座標軸方向に平行移動させるステップと、
    演算部で、前記平行移動された仮想矩形の各辺の長さa,bを、記憶部から読出された乱数を用いて変更して、略矩形群を形成するステップとを含み、
    前記仮想座標上で、前記略矩形群の各略矩形の各辺がx座標軸およびy座標軸方向に互いに直線状に並ばないメッシュ構造のパターンを作成する設計方法。
  2. 前記各仮想矩形を乱数を用いてx座標軸,y座標軸方向に平行移動させるステップは、
    入力部から演算部へ乱れ度RXmax,RYmax(1≧RXmax≧0,1≧R
    Ymax≧0)が入力されるステップと、
    各m列の矩形を、RXmax≧|RX(m)|を満たす乱数RX(m)でx座標軸
    方向に平行移動させるか、あるいは、各n行の略矩形を、RXmax≧|RX(n)
    |を満たす乱数RX(n)でx座標軸方向に平行移動させるか、および/または、各
    n行の略矩形を、RYmax≧|RY(n)|を満たす乱数RY(n)を用いてy座
    標軸方向に平行移動させるか、あるいは、各m列の略矩形を、RYmax≧|RY(
    m)|を満たす乱数RY(m)を用いてy座標軸方向に平行移動させるステップとを
    含み、
    前記各矩形の各辺の長さを乱数を用いて変更するステップは、
    入力部から演算部へ乱れ度RAmax,RBmax(1≧RAmax≧0,1≧R
    Bmax≧0)が入力されるステップと、
    演算部で、前記仮想座標上でn行,m列に存在する仮想矩形(m,n)(m,nは
    正の整数)の各辺の長さa,bを、RAmax≧|RA(m,n)|,RBmax≧
    |RB(m,n)|を満たす乱数RA(m,n),RB(m,n)を用いて、(1+
    RA(m,n))×a,(1+RB(m,n))×bとなるように変更するステッ
    プとを含む、
    請求項1に記載の設計方法。
  3. ディスプレイ用装置の前面板として用いる電磁シールド膜のメッシュ構造のパターンを、コンピュータを用いて設計する方法であって、
    入力部から演算部へ、数値a,bと、乱れ度RXmax,RYmax(1≧RXmax≧0,1≧RYmax≧0)、および、RAmax,RBmax(1≧RAmax≧0,1≧RBmax≧0)とが入力されるステップと、
    演算部で、x座標軸,y座標軸よりなる仮想座標を作成するステップと、
    演算部で、前記仮想座標上に、x座標軸に平行な直線とy座標軸に平行な直線とによって形成される、各辺の長さがa,bである仮想矩形よりなる仮想矩形群を作成するステップと、
    演算部で、前記仮想座標のn行,m列に存在する仮想矩形(m,n)の中心位置を通過し、それぞれx座標方向,y座標方向に平行で、直交する2本の仮想中心線を導入し、1行,1列の仮想矩形(1,1)の仮想中心線の交点を原点として、仮想矩形(m,n)の中心位置を(X0 (m,n),Y0(m,n))と表すとき、仮想矩形(m,n)の中心位置を、
    0 (m,n)=a×(m−1),Y0 (m,n)=b×(n−1)
    で求めるステップと、
    演算部で、n行の各仮想矩形の位置を、前記乱れ度RXmaxに対して、RXmax≧|RX(n)|を満たす乱数RX(n)で、あるいは、m列の各仮想矩形の位置を、乱れ度RXmaxに対して、RXmax≧|RX(m)|を満たす乱数RX(m)で、x座標軸方向に平行移動させ、および/または、m列の各仮想矩形の位置を、乱れ度RYmaxに対して、RYmax≧|RY(m)|を満たす乱数RY(m)で、あるいは、n行の各仮想矩形の位置を、乱れ度RYmaxに対して、RYmax≧|RY(n)|を満たす乱数RY(n)でy座標軸に平行移動させ、移動された各仮想矩形(m,n)の中心位置(X0 ′(m,n)),(Y0 ′(m,n))を求めるステップと、
    演算部で、平行移動した仮想矩形(m,n)の互いに相対する1対の頂点E,Fの座標E(XE,YE),F(XF,YF)を、
    XE=X0 ′(m,n)−a/2,YE=Y0 ′(m,n)−b/2
    XF=X0 ′(m,n)+a/2,YF=Y0 ′(m,n)+b/2
    で求めるステップと、
    演算部で、平行移動した仮想矩形(m,n)の各辺の長さa,bを、前記乱れ度RAmax,RBmaxに対して、RAmax≧|RA(m,n)|,RBmax≧|RB(m,n)|を満たす乱数RA(m,n),RB(m,n)を用いて、(1+RA(m,n))×a,(1+RB(m,n))×bとなるように変更するステップと、
    演算部で、変更後の矩形の頂点E,Fの座標を、
    XE=X0 ′(m,n)−(1+RA(m,n))×a/2,
    YE=Y0 ′(m,n)−(1+RB(m,n))×b/2
    XF=X0 ′(m,n)+(1+RA(m,n))×a/2,
    YF=Y0 ′(m,n)+(1+RB(m,n))×b/2
    で求めるステップとを含み、
    前記仮想座標上で、前記略矩形群の各略矩形の各辺がx座標軸およびy座標軸方向に互いに直線状に並ばないメッシュ構造のパターンを作成する設計方法。
  4. ディスプレイ用装置の前面板として用いる電磁シールド膜のメッシュ構造のパターンを、コンピュータを用いて設計する方法であって、
    入力部から演算部へ、数値a,bと、乱れ度RXmax,RYmax(1≧RXmax≧0,1≧RYmax≧0)、および、RAmax,RBmax(1≧RAmax≧0,1≧RBmax≧0)とが入力されるステップと、
    演算部で、x座標軸,y座標軸よりなる仮想座標を作成するステップと、
    演算部で、前記仮想座標上に、x座標軸に平行な直線とy座標軸に平行な直線とによって形成される、各辺の長さがa,bである仮想矩形よりなる仮想矩形群を作成するステップと、
    演算部で、前記仮想座標のn行,m列に存在する仮想矩形(m,n)の中心位置を通過し、それぞれx座標方向,y座標方向に平行で、直交する2本の仮想中心線を導入し、1行,1列の仮想矩形(1,1)の仮想中心線の交点を原点として、仮想矩形(m,n)の中心位置を(X0 (m,n),Y0(m,n))と表すとき、仮想矩形(m,n)の中心位置を、
    0 (m,n)=a×(m−1),Y0 (m,n)=b×(n−1)
    で求めるステップと、
    演算部で、n行の各仮想矩形の位置を、前記乱れ度RXmaxに対して、RXmax≧|RX(n)|を満たす乱数RX(n)で、あるいは、m列の各仮想矩形の位置を、乱れ度RXmaxに対して、RXmax≧|RX(m)|を満たす乱数RX(m)で、x座標軸方向に平行移動させ、および/または、m列の各仮想矩形の位置を、乱れ度RYmaxに対して、RYmax≧|RY(m)|を満たす乱数RY(m)で、あるいは、n行の各仮想矩形の位置を、乱れ度RYmaxに対して、RYmax≧|RY(n)|を満たす乱数RY(n)でy座標軸に平行移動させ、移動された各仮想矩形(m,n)の中心位置(X0 ′(m,n)),(Y0 ′(m,n))を求めるステップと、
    演算部で、平行移動した仮想矩形(m,n)の互いに相対する1対の頂点E,Fの座標E(XE,YE),F(XF,YF)を、
    XE=X0 ′(m,n)−a/2
    YE=Y0 ′(m,n)−b/2
    XF=X0 ′(m,n)+a/2
    YF=Y0 ′(m,n)+b/2
    で求めるステップと、
    演算部で、ni1=n0 +2i+1,ni2=n0 +2i+2(ここで、n0 は0または任意の正の整数、i=0,1,2,3,…)、mj1=m0+2j+1,mj2=m0+2j+2(ここで、m0 は0または任意の正の整数、j=0,1,2,3,…)とするとき(nは、ni1またはni2を示し、mはmj1またはmj2を示す)、n=ni1行の奇数番目(m0 が偶数の場合)(あるいは偶数番目(m0 が奇数の場合))の列m=mj1列の仮想矩形(mj1,ni1)の各辺の長さを、前記乱れ度RAmax,RBmaxに対して、RAmax≧|RA(m,n)|,RBmax≧|RB(m,n)|を満たす乱数RA(m,n),RB(m,n)を用いて、(1+RA(mj1,ni1))×a,(1+RB(mj1,ni1))×bとなるように変更するステップと、
    演算部で、変更後の矩形の頂点E,Fの座標を、
    XE=X0 ′(mj1,ni1)−(1+RA(mj1,ni1))×a/2
    YE=Y0 ′(mj1,ni1)−(1+RB(mj1,ni1))×b/2
    XF=X0 ′(mj1,ni1)+(1+RA(mj1,ni1))×a/2
    YF=Y0 ′(mj1,ni1)+(1+RB(mj1,ni1))×b/2
    で求めるステップと、
    演算部で、変更後の頂点E,Fの座標で定義される矩形を基準として、n=ni1行の、偶数番目列(m0 が偶数の場合)(あるいは奇数番目列(m0 が奇数の場合))であるm=mj2列の仮想矩形(mj2,ni1)において、仮想矩形の上下の辺のy座標のみを乱数RB(m,n)で変化させて、
    YE=Y0 ′(mj2,ni1)−(1+RB(mj2,ni1))×b/2
    YF=Y0 ′(mj2,ni1)+(1+RB(mj2,ni1))×b/2
    を求めるステップと、
    演算部で、仮想矩形(mj2,ni1)の左辺のx座標は、左隣の矩形(mj1,ni1)のXFと同じとし、右辺のx座標は右隣の矩形(m(j+1)1,ni1)のXEと同じとするステップと、
    演算部で、n=ni2行の、偶数番目列あるいは奇数番目列であるm=mj1あるいはm=mj2列の仮想矩形(m,ni2)において、仮想矩形の左右の辺のx座標のみを乱数RA(m,n)で変化させて、
    XE=X0 ′(m,ni2)−(1+RA(m,ni2))×a/2
    XF=X0 ′(m,ni2)+(1+RA(m,ni2))×a/2
    を求めるステップと、
    演算部で、仮想矩形(m,ni2)の左右の辺を上下に延長して、上下の行の矩形の横辺と交わるところをそれぞれのy座標であるYE,YFとすることによって略矩形を作成するステップと、
    演算部で、i,jのすべて整数について略矩形を作成し、略矩形群を作成するステップとを含み、
    前記仮想座標上で、前記略矩形群の各略矩形の各辺がx座標軸およびy座標軸方向に互いに直線状に並ばないメッシュ構造のパターンを作成する設計方法。
  5. ディスプレイ用装置の前面板として用いる電磁シールド膜のメッシュ構造のパターンを、コンピュータを用いて設計する方法であって、
    入力部から演算部へ、数値a,bと、乱れ度RXmax,RYmax(1≧RXmax≧0,1≧RYmax≧0)、および、RAmax,RBmax(1≧RAmax≧0,1≧RBmax≧0)とが入力されるステップと、
    演算部で、x座標軸,y座標軸よりなる仮想座標を作成するステップと、
    演算部で、前記仮想座標上に、x座標軸に平行な直線とy座標軸に平行な直線とによって形成される、各辺の長さがa,bである仮想矩形よりなる仮想矩形群を作成するステップと、
    演算部で、前記仮想座標のn行,m列に存在する仮想矩形(m,n)の中心位置を通過し、それぞれx座標方向,y座標方向に平行で、直交する2本の仮想中心線を導入し、1行,1列の仮想矩形(1,1)の仮想中心線の交点を原点として、仮想矩形(m,n)の中心位置を(X0 (m,n),Y0(m,n))と表すとき、仮想矩形(m,n)の中心位置を、
    0 (m,n)=a×(m−1),Y0 (m,n)=b×(n−1)
    で求めるステップと、
    演算部で、n行の各仮想矩形の位置を、前記乱れ度RXmaxに対して、RXmax≧|RX(n)|を満たす乱数RX(n)で、あるいは、m列の各仮想矩形の位置を、乱れ度RXmaxに対して、RXmax≧|RX(m)|を満たす乱数RX(m)で、x座標軸方向に平行移動させ、および/または、m列の各仮想矩形の位置を、乱れ度RYmaxに対して、RYmax≧|RY(m)|を満たす乱数RY(m)で、あるいは、n行の各仮想矩形の位置を、乱れ度RYmaxに対して、RYmax≧|RY(n)|を満たす乱数RY(n)でy座標軸に平行移動させ、移動された各仮想矩形(m,n)の中心位置(X0 ′(m,n)),(Y0 ′(m,n))を求めるステップと、
    演算部で、平行移動した仮想矩形(m,n)の互いに相対する1対の頂点E,Fの座標E(XE,YE),F(XF,YF)を、
    XE=X0 ′(m,n)−a/2
    YE=Y0 ′(m,n)−b/2
    XF=X0 ′(m,n)+a/2
    YF=Y0 ′(m,n)+b/2
    で求めるステップと、
    演算部で、ni1=n0 +4i+1,ni2=n0 +4i+2,ni3=n0 +4i+3,ni4=n0 +4i+4(ここで、n0 は0または正の整数、i=0,1,2,3,…)、mj1=m0 +2j+1,mj2=m0 +2j+2(ここで、m0 は0または正の整数、j=0,1,2,3,…)とするとき(nは、ni1、ni2、ni3またはni4を示し、mはmj1またはmj2を示す)、n=ni1行の、奇数番目列(m0 が偶数の場合)(あるいは偶数番目列(m0 が奇数の場合))であるm=mj1列の仮想矩形(mj1,ni1)の各辺の長さを、前記乱れ度RAmax,RBmaxに対して、RAmax≧|RA(m,n)|,RBmax≧|RB(m,n)|を満たす乱数RA(m,n),RB(m,n)を用いて、(1+RA(mj1,ni1))×a,(1+RB(mj1,ni1))×bとなるように変更するステップと、
    演算部で、変更後の矩形の頂点E,Fの座標を、
    XE=X0 ′(mj1,ni1)−(1+RA(mj1,ni1))×a/2
    YE=Y0 ′(mj1,ni1)−(1+RB(mj1,ni1))×b/2
    XF=X0 ′(mj1,ni1)+(1+RA(mj1,ni1))×a/2
    YF=Y0 ′(mj1,ni1)+(1+RB(mj1,ni1))×b/2
    で求めるステップと、
    演算部で、変更後の頂点E,Fの座標で定義される矩形を基準として、n=ni1行において、偶数番目列(m0 が偶数の場合)(あるいは偶数番目列(m0が奇数の場合))であるm=mj2列の矩形(mj2,ni1)において、仮想矩形の上下の辺のy座標のみを乱数RB(m,n)で変化させて、
    YE=Y0 ′(mj2,ni1)−(1+RB(mj2, ni1))×b/2
    YF=Y0 ′(mj2,ni1)+(1+RB(mj2,ni1))×b/2
    を求めるステップと、
    演算部で、仮想矩形(mj2,ni1)の左辺のx座標は、左隣の矩形(mj1,ni1)のXFと同じとし、右辺のx座標は右隣の矩形(m(j+1)1,ni1)のXEと同じとするステップと、
    演算部で、n=ni3行の、偶数番目列(m0 が偶数の場合)(あるいは奇数番目列(m0 が奇数の場合))であるm=mj2列の仮想矩形(mj2,ni3)の各辺の長さを、前記乱れ度RAmax,RBmaxに対して、RAmax≧|RA(m,n)|,RBmax≧|RB(m,n)|を満たす乱数RA(m,n),RB(m,n)を用いて、(1+RA(mj2,ni3))×a,(1+RB(mj2,ni3))×bとなるように変更するステップと、
    演算部で、変更後の矩形の頂点E,Fの座標を、
    XE=X0 ′(mj2,ni3)−(1+RA(mj2,ni3))×a/2
    YE=Y0 ′(mj2,ni3)−(1+RB(mj2,ni3))×b/2
    XF=X0 ′(mj2,ni3)+(1+RA(mj2,ni3))×a/2
    YF=Y0 ′(mj2,ni3)+(1+RB(mj2,ni3))×b/2
    で求めるステップと、
    演算部で、変更後の頂点E,Fの座標で定義される矩形を基準として、n=ni3行の奇数番目列(m0 が偶数の場合)(あるいは偶数番目列(m0 が奇数の場合))であるm=mj1列の仮想矩形(mj1,ni3)において、仮想矩形の上下の辺のy座標のみを乱数RB(m,n)で変化させて、
    YE=Y0 ′(mj1,ni3)−(1+RB(mj1, ni3))×b/2
    YF=Y0 ′(mj1,ni3)+(1+RB(mj1,ni3))×b/2
    を求めるステップと、
    演算部で、仮想矩形(mj1,ni3)の左辺のx座標は、左隣の矩形(m(j-1)2,ni3)のXFと同じとし、右辺のx座標は右隣の矩形(mj2,ni3)のXEと同じとするステップと、
    演算部で、ni2行とni4行については、各行の偶数番目列あるいは奇数番目列であるm=mj1列あるいはm=mj2列の仮想矩形(m,ni2),(m,ni4)において、仮想矩形の左右の辺のx座標のみを乱数RA(m,n)で変化させて、
    矩形(m,ni2)については
    XE=X0 ′(m,ni2)−(1+RA(m,ni2))×a/2
    XF=X0 ′(m,ni2)+(1+RA(m,ni2))×a/2
    矩形(m,ni4)については
    XE=X0 ′(m,ni4)−(1+RA(m,ni4))×a/2
    XF=X0 ′(m,ni4)+(1+RA(m,ni4))×a/2
    を求めるステップと、
    演算部で、仮想矩形(mj2,ni2),(mj2,ni4)の左右の辺を上下に延長して、上下の行の矩形の横辺と交わるところをそれぞれのy座標であるYE,YFとすることによって略矩形を作成するステップと、
    i,jのすべて整数について略矩形を作成し、略矩形群を作成するステップとを含み、
    前記仮想座標上で、前記略矩形群の各略矩形の各辺がx座標軸およびy座標軸方向に互いに直線状に並ばないメッシュ構造のパターンを作成する設計方法。
  6. RXmax=0,RYmax=0である、請求項2〜5のいずれかに記載の設計方法。
  7. RAmax=0,RBmax=0である、請求項2〜5のいずれかに記載の設計方法。
  8. 入力部から演算部へ入力される乱れ度が、
    R1=RAmax=RBmax,R2=RXmax=RYmax
    である場合に、R1,R2は、
    R1/2+R2/4>0.075、かつ、R1<0.9であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の設計方法。
  9. ディスプレイ用装置の前面板として用いる電磁シールド膜のメッシュ構造のパターンを設計するためのプログラムであって、
    数値a,bと、乱れ度RXmax,RYmax(1≧RXmax≧0,1≧RYmax≧0)、および、RAmax,RBmax(1≧RAmax≧0,1≧RBmax≧0)とを取込むステップと、
    x座標軸,y座標軸よりなる仮想座標を作成するステップと、
    前記仮想座標上に、x座標軸に平行な直線とy座標軸に平行な直線とによって形成される、各辺の長さがa,bである仮想矩形よりなる仮想矩形群を作成するステップと、
    前記仮想座標のn行,m列に存在する仮想矩形(m,n)の中心位置を通過し、それぞれx座標方向,y座標方向に平行で、直交する2本の仮想中心線を導入し、1行,1列の仮想矩形(1,1)の仮想中心線の交点を原点として、仮想矩形(m,n)の中心位置を(X0 (m,n),Y0(m,n))と表すとき、仮想矩形(m,n)の中心位置を、
    0 (m,n)=a×(m−1),Y0 (m,n)=b×(n−1)
    で求めるステップと、
    n行の各仮想矩形の位置を、前記乱れ度RXmaxに対して、RXmax≧|RX(n)|を満たす乱数RX(n)で、あるいは、m列の各仮想矩形の位置を、乱れ度RXmaxに対して、RXmax≧|RX(m)|を満たす乱数RX(m)で、x座標軸方向に平行移動させ、および/または、m列の各仮想矩形の位置を、乱れ度RYmaxに対して、RYmax≧|RY(m)|を満たす乱数RY(m)で、あるいは、n行の各仮想矩形の位置を、乱れ度RYmaxに対して、RYmax≧|RY(n)|を満たす乱数RY(n)でy座標軸に平行移動させ、移動された各仮想矩形(m,n)の中心位置(X0 ′(m,n)),(Y0 ′(m,n))を求めるステップと、
    平行移動した仮想矩形(m,n)の互いに相対する1対の頂点E,Fの座標E(XE,YE),F(XF,YF)を、
    XE=X0 ′(m,n)−a/2
    YE=Y0 ′(m,n)−b/2
    XF=X0 ′(m,n)+a/2
    YF=Y0 ′(m,n)+b/2
    で求めるステップと、
    i1=n0 +2i+1,ni2=n0 +2i+2(ここで、n0 は0または任意の正の整数、i=0,1,2,3,…)、mj1=m0+2j+1,mj2=m0+2j+2(ここで、m0 は0または任意の正の整数、j=0,1,2,3,…)とするとき(nは、ni1またはni2を示し、mはmj1またはmj2を示す)、n=ni1行の奇数番目(m0 が偶数の場合)(あるいは偶数番目(m0 が奇数の場合))の列m=mj1列の仮想矩形(mj1,ni1)の各辺の長さを、前記乱れ度RAmax,RBmaxに対して、RAmax≧|RA(m,n)|,RBmax≧|RB(m,n)|を満たす乱数RA(m,n),RB(m,n)を用いて、(1+RA(mj1,ni1))×a,(1+RB(mj1,ni1))×bとなるように変更するステップと、
    変更後の矩形の頂点E,Fの座標を、
    XE=X0 ′(mj1,ni1)−(1+RA(mj1,ni1))×a/2
    YE=Y0 ′(mj1,ni1)−(1+RB(mj1,ni1))×b/2
    XF=X0 ′(mj1,ni1)+(1+RA(mj1,ni1))×a/2
    YF=Y0 ′(mj1,ni1)+(1+RB(mj1,ni1))×b/2
    で求めるステップと、
    変更後の頂点E,Fの座標で定義される矩形を基準として、n=ni1行の、偶数番目列(m0 が偶数の場合)(あるいは奇数番目列(m0 が奇数の場合))であるm=mj2列の仮想矩形(mj2,ni1)において、仮想矩形の上下の辺のy座標のみを乱数RB(m,n)で変化させて、
    YE=Y0 ′(mj2,ni1)−(1+RB(mj2,ni1))×b/2
    YF=Y0 ′(mj2,ni1)+(1+RB(mj2,ni1))×b/2
    を求めるステップと、
    仮想矩形(mj2,ni1)の左辺のx座標は、左隣の矩形(mj1,ni1)のXFと同じとし、右辺のx座標は右隣の矩形(m(j+1)1,ni1)のXEと同じとするステップと、
    n=ni2行の、偶数番目列あるいは奇数番目列であるm=mj1あるいはm=mj2列の仮想矩形(m,ni2)において、仮想矩形の左右の辺のx座標のみを乱数RA(m,n)で変化させて、
    XE=X0 ′(m,ni2)−(1+RA(m,ni2))×a/2
    XF=X0 ′(m,ni2)+(1+RA(m,ni2))×a/2
    を求めるステップと、
    仮想矩形(m,ni2)の左右の辺を上下に延長して、上下の行の矩形の横辺と交わるところをそれぞれのy座標であるYE,YFとすることによって略矩形を作成するステップと、
    i,jのすべて整数について略矩形を作成し、略矩形群を作成するステップと、
    を実行するプログラム。
  10. ディスプレイ用装置の前面板として用いる電磁シールド膜のメッシュ構造のパターンを設計するプログラムであって、
    数値a,bと、乱れ度RXmax,RYmax(1≧RXmax≧0,1≧RYmax≧0)、および、RAmax,RBmax(1≧RAmax≧0,1≧RBmax≧0)とを取込むステップと、
    x座標軸,y座標軸よりなる仮想座標を作成するステップと、
    前記仮想座標上に、x座標軸に平行な直線とy座標軸に平行な直線とによって形成される、各辺の長さがa,bである仮想矩形よりなる仮想矩形群を作成するステップと、
    前記仮想座標のn行,m列に存在する仮想矩形(m,n)の中心位置を通過し、それぞれx座標方向,y座標方向に平行で、直交する2本の仮想中心線を導入し、1行,1列の仮想矩形(1,1)の仮想中心線の交点を原点として、仮想矩形(m,n)の中心位置を(X0 (m,n),Y0(m,n))と表すとき、仮想矩形(m,n)の中心位置を、
    0 (m,n)=a×(m−1),Y0 (m,n)=b×(n−1)
    で求めるステップと、
    n行の各仮想矩形の位置を、前記乱れ度RXmaxに対して、RXmax≧|RX(n)|を満たす乱数RX(n)で、あるいは、m列の各仮想矩形の位置を、乱れ度RXmaxに対して、RXmax≧|RX(m)|を満たす乱数RX(m)で、x座標軸方向に平行移動させ、および/または、m列の各仮想矩形の位置を、乱れ度RYmaxに対して、RYmax≧|RY(m)|を満たす乱数RY(m)で、あるいは、n行の各仮想矩形の位置を、乱れ度RYmaxに対して、RYmax≧|RY(n)|を満たす乱数RY(n)でy座標軸に平行移動させ、移動された各仮想矩形(m,n)の中心位置(X0 ′(m,n)),(Y0 ′(m,n))を求めるステップと、
    平行移動した仮想矩形(m,n)の互いに相対する1対の頂点E,Fの座標E(XE,YE),F(XF,YF)を、
    XE=X0 ′(m,n)−a/2
    YE=Y0 ′(m,n)−b/2
    XF=X0 ′(m,n)+a/2
    YF=Y0 ′(m,n)+b/2
    で求めるステップと、
    i1=n0 +4i+1,ni2=n0 +4i+2,ni3=n0 +4i+3,ni4=n0 +4i+4(ここで、n0 は0または任意の正の整数、i=0,1,2,3,…)、mj1=m0 +2j+1,mj2=m0 +2j+2(ここで、m0 は0または任意の正の整数、j=0,1,2,3,…)とするとき(nは、ni1、ni2、ni3またはni4を示し、mはmj1またはmj2を示す)、n=ni1行の、奇数番目列(m0 が偶数の場合)(あるいは偶数番目列(m0 が奇数の場合))であるm=mj1列の仮想矩形(mj1,ni1)の各辺の長さを、前記乱れ度RAmax,RBmaxに対して、RAmax≧|RA(m,n)|、RBmax≧|RB(m,n)|を満たす乱数RA(m,n),RB(m,n)を用いて、(1+RA(mj1,ni1))×a,(1+RB(mj1,ni1))×bとなるように変更するステップと、
    変更後の矩形の頂点E,Fの座標を、
    XE=X0 ′(mj1,ni1)−(1+RA(mj1,ni1))×a/2
    YE=Y0 ′(mj1,ni1)−(1+RB(mj1,ni1))×b/2
    XF=X0 ′(mj1,ni1)+(1+RA(mj1,ni1))×a/2
    YF=Y0 ′(mj1,ni1)+(1+RB(mj1,ni1))×b/2
    で求めるステップと、
    変更後の頂点E,Fの座標で定義される矩形を基準として、n=ni1行において、偶数番目列(m0 が偶数の場合)(あるいは偶数番目列(m0が奇数の場合))であるm=mj2列の矩形(mj2,ni1)において、仮想矩形の上下の辺のy座標のみを乱数RB(m,n)で変化させて、
    YE=Y0 ′(mj2,ni1)−(1+RB(mj2, ni1))×b/2
    YF=Y0 ′(mj2,ni1)+(1+RB(mj2,ni1))×b/2
    を求めるステップと、
    仮想矩形(mj2,ni1)の左辺のx座標は、左隣の矩形(mj1,ni1)のXFと同じとし、右辺のx座標は右隣の矩形(m(j+1)1,ni1)のXEと同じとするステップと、
    n=ni3行の、偶数番目列(m0 が偶数の場合)(あるいは奇数番目列(m0 が奇数の場合))であるm=mj2列の仮想矩形(mj2,ni3)の各辺の長さを、前記乱れ度RAmax,RBmaxに対して、RAmax≧|RA(m,n)|,RBmax≧|RB(m,n)|を満たす乱数RA(m,n),RB(m,n)を用いて、(1+RA(mj2,ni3))×a,(1+RB(mj2,ni3))×bとなるように変更するステップと、
    変更後の矩形の頂点E,Fの座標を、
    XE=X0 ′(mj2,ni3)−(1+RA(mj2,ni3))×a/2
    YE=Y0 ′(mj2,ni3)−(1+RB(mj2,ni3))×b/2
    XF=X0 ′(mj2,ni3)+(1+RA(mj2,ni3))×a/2
    YF=Y0 ′(mj2,ni3)+(1+RB(mj2,ni3))×b/2
    で求めるステップと、
    変更後の頂点E,Fの座標で定義される矩形を基準として、n=ni3行の奇数番目列(m0 が偶数の場合)(あるいは偶数番目列(m0 が奇数の場合))であるm=mj1列の仮想矩形(mj1,ni3)において、仮想矩形の上下の辺のy座標のみを乱数RB(m,n)で変化させて、
    YE=Y0 ′(mj1,ni3)−(1+RB(mj1, ni3))×b/2
    YF=Y0 ′(mj1,ni3)+(1+RB(mj1,ni3))×b/2
    を求めるステップと、
    仮想矩形(mj1,ni3)の左辺のx座標は、左隣の矩形(m(j-1)2,ni3)のXFと同じとし、右辺のx座標は右隣の矩形(mj2,ni3)のXEと同じとするステップと、
    i2行とni4行については、各行の偶数番目列あるいは奇数番目列であるm=mj1列あるいはm=mj2列の仮想矩形(m,ni2),(m,ni4)において、仮想矩形の左右の辺のx座標のみを乱数RA(m,n)で変化させて、
    矩形(m,ni2)については
    XE=X0 ′(m,ni2)−(1+RA(m,ni2))×a/2
    XF=X0 ′(m,ni2)+(1+RA(m,ni2))×a/2
    矩形(m,ni4)については
    XE=X0 ′(m,ni4)−(1+RA(m,ni4))×a/2
    XF=X0 ′(m,ni4)+(1+RA(m,ni4))×a/2
    を求めるステップと、
    仮想矩形(mj2,ni2),(mj2,ni4)の左右の辺を上下に延長して、上下の行の矩形の横辺と交わるところをそれぞれのy座標であるYE,YFとすることによって略矩形を作成するステップと、
    i,jのすべて整数について略矩形を作成し、略矩形群を作成するステップと、
    を実行するプログラム。
  11. RXmax=0,RYmax=0である、請求項9または10に記載のプログラム。
  12. RAmax=0,RBmax=0である、請求項9または10に記載のプログラム。
  13. R1=RAmax=RBmax,R2=RXmax=RYmax
    である場合に、R1,R2は、
    R1/2+R2/4>0.075、かつ、R1<0.9であることを特徴とする請求項9または10に記載のプログラム。
  14. メッシュ構造の電磁シールド膜において、
    メッシュ構造が、互いに直交する2つの直線の方向に略矩形が配列された略矩形群よりなるパターンを有し、各略矩形の各辺が、前記2つの直線の方向に互いに直線状に並ばないことを特徴とする電磁シールド膜。
  15. メッシュ構造が、アルミ,銅,銀,金,ニッケルから選ばれた一種、あるいはそれらの合金からなる電磁シールド用導電体で形成されていることを特徴とする請求項14に記載の電磁シールド膜。
  16. 電磁波を放出する表示器用に用いられることを特徴とする請求項14または15に記載の電磁シールド膜。
  17. 前記表示器がFED,PDP,CRTであることを特徴とする請求項16に記載の電磁シールド膜。
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