JP2005150308A - 磁心 - Google Patents

磁心 Download PDF

Info

Publication number
JP2005150308A
JP2005150308A JP2003384160A JP2003384160A JP2005150308A JP 2005150308 A JP2005150308 A JP 2005150308A JP 2003384160 A JP2003384160 A JP 2003384160A JP 2003384160 A JP2003384160 A JP 2003384160A JP 2005150308 A JP2005150308 A JP 2005150308A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
flux density
core
magnetic flux
composite material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003384160A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4532095B2 (ja
Inventor
Masaki Sugiyama
昌揮 杉山
Hideshi Kishimoto
秀史 岸本
Kokuho Cho
国鋒 張
Shin Tajima
伸 田島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fine Sinter Co Ltd
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Fine Sinter Co Ltd
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fine Sinter Co Ltd, Toyota Motor Corp, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Fine Sinter Co Ltd
Priority to JP2003384160A priority Critical patent/JP4532095B2/ja
Publication of JP2005150308A publication Critical patent/JP2005150308A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4532095B2 publication Critical patent/JP4532095B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electromagnets (AREA)

Abstract

【課題】高磁束密度材料を使用して磁束密度が高い状態を維持させつつ、渦電流が発生しにくくすることにより、より磁束の切れを向上できる磁心を提供する。
【解決手段】磁路の一部の磁気回路を形成する磁心であって、磁性複合材料からなり少なくとも前記磁気回路の両端側に配設された磁性複合材料部と、前記磁性複合材料部より高磁束密度かつ低比抵抗である高磁束密度材料からなり前記磁気回路の磁路方向において前記磁性複合材料部に挟設された高磁束密度材料部と、からなることを特徴とする。すなわち、磁心の端側に、高磁束密度材料部を配設せずに磁性複合材料部を配設する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば電磁ソレノイド用コア等に用いられる磁心に関するものである。
従来、例えば、電磁ソレノイド用コア等に用いられる磁心として、特開2002−329626号公報に開示された技術がある(特許文献1参照)。当該公報には、絶縁性被膜で被覆した鉄系磁性粉末を高圧成形して生成された圧粉磁心(磁性複合材料)について記載されている。この磁性複合材料である圧粉磁心は、磁束密度が高くかつ比抵抗が大きい材料であることにより、吸引力が大きくかつ渦電流が生じにくい材料である。
ところで、上述した圧粉磁心のみにより電磁ソレノイド用コアを生成した場合には、機械的強度が低いために脆いという問題があることを解決するために、特開2002−235865号公報に開示された技術がある(特許文献2参照)。当該公報には、電磁ソレノイド用コアの先端側に、例えばFe−Co合金からなる磁性バルク体を配設したことが記載されている。これにより、コアの先端部分が強化されるというものである。
また、磁性複合材料のみによる磁束密度より高い磁束密度を必要とする場合には、例えば、特許第2557905号公報に開示された技術がある(特許文献3参照)。当該公報には、医療用核磁気共鳴診断装置(MRI)であって、空隙の磁路方向両端部に高透磁率磁性材料を配設したことが記載されている。これにより、より高い磁束密度を得ることができるというものである。
特開2002−329626号公報 特開2002−235865号公報 特許第2557905号公報
上述したように、特開2002−235865号公報及び特許第2557905号公報に開示された磁心は、何れも磁心の両端側(ギャップの両端側)の位置にFe−Co合金若しくは純鉄等の高磁束密度材料を配設している。確かに、圧粉磁心等の磁性複合材料の先端側にFe−Co合金等の高磁束密度材料を配設することにより、より高い磁束密度でかつ比抵抗が高い磁心を得ることができる。このように比抵抗が高い磁心であるので、渦電流の発生が抑制される。すなわち、コイルに流れる電流を解除した際に、磁心に発生する磁束の切れが良好となる。
そして、磁心に発生する磁束の切れは、例えば磁心をソレノイド用コアに用いた場合にソレノイドの開閉の応答性に影響を及ぼす。つまり、例えば、ソレノイドの開閉の応答性をさらに向上するためには、磁心に発生する磁束の切れをさらに向上する必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、高磁束密度材料を使用して磁束密度が高い状態を維持させつつ、渦電流が発生しにくくすることにより、より磁束の切れを向上できる磁心を提供することを目的とする。
そこで、本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、高磁束密度材料を磁心の両端部に配設しないことを思いつき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の磁心は、磁路の一部の磁気回路を形成する磁心であって、磁性複合材料からなり少なくとも前記磁気回路の両端側に配設された磁性複合材料部と、前記磁性複合材料部より高磁束密度かつ低比抵抗である高磁束密度材料からなり前記磁気回路の磁路方向において前記磁性複合材料部に挟設された高磁束密度材料部と、からなることを特徴とする。
本発明の磁心は、磁路の一部の磁気回路を形成するので、磁路の一部にはギャップが形成されていることになる。換言すると、当該磁心は、閉磁気回路を形成しておらず、いわゆる開磁気回路を形成している。例えば、当該磁心は、「コ」の字型形状や「I」字型形状からなる。もちろん、その他の複雑な形状からなるようにしてもよい。また、磁性複合材料部は、少なくとも磁気回路の両端側に配設されていればよく、両端側の他の部分に配設されていてもよい。なお、磁気回路の両端側とは、磁路のうち磁気回路を構成する磁心の端側である。換言すると、磁気回路の両端側とは、磁路中におけるギャップの両端側でもある。また、高磁束密度材料部は、磁性複合材料部に挟設されているので、磁心の両端側には配設されていないことになる。そして、この高磁束密度材料部は磁路方向において磁性複合材料部に挟設されているので、磁路方向において高磁束密度材料部と磁性複合材料部とが直列的に配設されていることになる。
本発明の磁心によれば、磁心の両端側に低比抵抗の材料からなる高磁束密度材料部が配設されていないことにより、磁心に発生させる電流を解除した際における磁束の切れが向上する。これは、以下の理由に基づくものである。従来のように磁心の両端側にFe−Co合金からなる溶製材等の比抵抗の低い材料を配設した場合には、磁心の磁極面(両端面)部分の渦電流が流れやすいため、磁心に磁束が残留する。その結果、例えば当該磁心をソレノイド用コアに用いた場合、ソレノイドの開閉時の高速応答性が得られにくい。特に、磁束密度を向上させるためにFe−Co合金からなる溶製材の体積を増加させた場合には、渦電流量が増加して、ソレノイドの開閉の応答性の低下を招く。
一方、本発明のように、磁心の両端側に比抵抗の高い材料である磁性複合材料部を配設することにより、磁心の磁極面(両端面)部分に渦電流が発生しなくなるため、磁心に磁束が残留しなくなる。その結果、例えば当該磁心をソレノイド用コアに用いた場合、ソレノイドの開閉時の高速応答性がさらに向上する。特に、高い電磁力を得るために高磁束密度で比抵抗の低い材料の割合を増加する際には有効である。なお、磁心に発生する磁束密度は、高磁束密度材料部が磁心の両端側に配設されていない場合であっても、高磁束密度材料部が磁心の両端側に配設されている場合と同様で、高磁束密度材料の体積比で一義的に決定する。すなわち、本発明の磁心によれば、高い磁束密度を確保することができる。
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
前記磁性複合材料は、絶縁性材料で被覆された鉄系磁性粉末を加圧成形した圧粉材料であるようにしてもよい。なお、磁性複合材料の磁束密度がFe−Coなどの高磁束密度材に比べてあまりに低いと磁気飽和などによる磁束漏れが生じる。その結果、十分な効果が得られなくなる。従来の圧粉磁心は高磁束密度ではなかったが、発明者らは既にこの問題を解決済みである。すなわち、特許文献2などで出願したように磁束密度B10Kで1.7Tの圧粉磁心を開発しており、本発明においてもこの圧粉磁心を使用すると効果的である。
このような圧粉材料により磁性複合材料部を形成することにより、高磁束密度で、かつ、高比抵抗の磁心とすることができる。具体的には、このような圧粉磁心として、10kA/mの磁場中における磁束密度B10kが1.6〜1.8Tで、比抵抗が2〜1000μΩmを開発済みである。そして、本発明によれば、高磁束密度でかつ渦電流が発生しにくい磁心を得ることができる。なお、絶縁性材料は、上述のリン酸塩以外に、酸化鉄、樹脂等も使用できる。
また、前記磁路方向において少なくとも2カ所の前記高磁束密度材料部を有するようにしてもよい。例えば、「コ」の字型形状の磁心の場合には、高磁束密度材料部を両端側に近い2カ所に配設したり、さらに磁路のほぼ中央付近に配設して3カ所としたりしてもよい。そして、高磁束密度材料部の磁心全体に対する体積比率により、磁心の磁束密度及び比抵抗が変化する。具体的には、高磁束密度材料部の磁心全体に対する体積比率を増加させると、磁心の磁束密度は増加するが比抵抗は減少する。一方、高磁束密度材料部の磁心全体に対する体積比率を減少させると、磁心の磁束密度は減少するが比抵抗は増加する。つまり、高磁束密度材料部の体積比率を変化させることにより、最適な磁束密度及び比抵抗となる磁心を生成することができる。
また、前記高磁束密度材料は、Fe−Co合金からなり溶製材としてもよいし高密度焼結材としてもよい。高密度焼結材とは、相対密度が95%以上の焼結材である。また、Fe−Co合金は、非常に高磁束密度の材料である。そして、Fe−Co合金の溶製材又は高密度焼結材であれば、10kA/mの磁場中における磁束密度B10kが約1.9〜2.3Tとなる。この材料を用いることにより、確実に高磁束密度の磁心とすることができる。例えば、上述した絶縁性材料で被覆された鉄系磁性粉末を加圧成形した圧粉材料からなる磁性複合材料部に比べても、当該高磁束密度材料部は磁束密度は高い。なお、Fe−Co合金とは、例えば、Fe−49Co−2V、Fe−27Co等である。
また、前記磁心は、前記高磁束密度材料部の体積割合が20〜80体積%で10kA/mの磁場中における磁束密度B10kが1.6〜2.3Tとすることができる。なお、当該磁心の磁束密度B10kは、1.6〜2.3Tに限られず、1.7〜2.3T、1.8〜2.3T、1.9〜2.3T、2.0〜2.3T、2.1〜2.3T等とすることができる。なお、磁性材料の特性値として比抵抗は重要であるが、本発明のようなマイクロサイズの複合材料では、測定方法,条件,位置により比抵抗が大きく変わり一義的に決定することは困難である。そのため高磁束密度材料の体積割合、圧粉磁心の比抵抗により本発明の範囲を定めることとして、直接、比抵抗は定義しないこととする。
また、前記磁心は、電磁ソレノイド用コアに用いられるようにしてもよい。さらに、自動車の噴射弁用の電磁ソレノイド用コアに用いられるようにしてもよい。この電磁ソレノイド用コアは、吸引力及び噴射弁等の開閉速度等のさらなる向上が要求されている。そこで、本発明を電磁ソレノイド用コアに用いることにより、吸引力及び噴射弁等の開閉応答性をより向上することができる。
次に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。本実施例においては、本発明の磁心をソレノイド用コアに適用した場合について説明する。このソレノイド用コアを用いたソレノイドの軸方向断面図を図1に示す。図1に示すように、ソノレイドは、ソレノイド用コア1と相手材2とから構成されている。ソレノイド用コア1は、略円筒形状をなしており、磁心11と、コイル12とから構成されている。相手材2は、磁性材である鋼材からなり、略円盤形状をなしている。そして、磁心11は、軸方向断面形状は略コの字型をなしており、磁路の一部の磁気回路を形成している。そして、略コの磁型の中央部分に、コイル12が巻回されている。そして、コイル12に電流を流すことにより発生する磁界の磁路は、磁心11の略コの字と磁心11の端側を結ぶ部分とにより形成される。すなわち、磁路は、コイル12を中心とした外回りに形成される。また、相手材2が、磁心11の略コの字型の端側に離着可能に配設されているので、この相手材2も磁気回路の一部を形成している。なお、本実施例におけるソレノイドは、コイル12に電流を供給することにより、ソレノイド用コア1が電磁石となり、相手材2をソレノイド用コア1側に吸引して、磁心11の端側に相手材2が接触する。一方、コイル12への電流供給を解除した場合には、ソレノイド用コア1は吸引力を失い、相手材2とソレノイド用コア1とは離れる。
次に、磁心11について詳述する。磁心11は、第1磁性複合材料部21と、第2磁性複合材料部22と、第3磁性複合材料部23と、第1高磁束密度材料部24と、第2高磁束密度材料部25とから構成されている。第1磁性複合材料部21は、磁心11の略コの字型のほぼ中央部分に配設されており、軸方向断面が略コの字型形状をなしている。第2磁性複合材料部22は、磁心11の略コの字型の先端側のうち外周側に配設されており、略円筒形状をなしている。第3磁性複合材料部23は、磁心11の略コの字型の先端側のうち内周側に配設されており、第2磁性複合材料部22より径の小さい略円筒形状をなしている。
第1高磁束密度材料部24は、第1磁性複合材料部21と第2磁性複合材料部22との間に配設されており、第2磁性複合材料22とほぼ同形状からなる略円筒形状をなしている。すなわち、第1高磁束密度材料部24は、第1磁性複合材料部21と第2磁性複合材料部22とにより挟設されている。第2高磁束密度材料部25は、第1磁性複合材料部21と第3磁性複合材料部23との間に配設されており、第3磁性複合材料部23とほぼ同形状からなる略円筒形状をなしている。すなわち、第2高磁束密度材料部25は、第1磁性複合材料部21と第3磁性複合材料部23とにより挟設されている。
第1磁性複合材料部21、第2磁性複合材料部22、及び第3磁性複合材料部23は、リン酸塩等の絶縁性材料により被覆された鉄粉を高圧成形されている。この磁性複合材料部21〜23は、10kA/mの磁場中における磁束密度B10kが約1.7Tで、比抵抗が10〜150μΩmである。
第1高磁束密度材料部24及び第2高磁束密度材料部25は、Fe−49Co−2Vの溶製材若しくは相対密度95%以上の高密度焼結材からなる。この高磁束密度材料部24,25は、10kA/mの磁場中における磁束密度B10kが約2.21Tで、比抵抗が0.3μΩmである。
このように磁性複合材料部21〜23と高磁束密度材料部24,25とが磁路方向に直列的に配設することにより、ソレノイド用コア1の磁束密度B10kを1.76〜2.21Tの間で適切な値に設定することができる。これは、磁性複合材料部21〜23と高磁束密度材料部24,25との割合により、適宜変更することができる。なお、高磁束密度材料部24,25の比抵抗は、磁性複合材料部21〜23の比抵抗に比べて非常に小さいので、磁性複合材料部21〜23の比抵抗が磁心の磁束の切れを決定することとなる。
ここで、磁性複合材料部21〜23と高磁束密度材料部24,25との割合を変更した場合における磁心の磁束密度の変化の解析結果について説明する。まず、磁束密度の変化を測定する磁心のモデル形状を図2に示すようなドーナツ形状とする。そして、ドーナツ形状からなる磁心を8等分割して、分割された部分を磁性複合材料部としたり高磁束密度材料部としたりしている。そして、図2において、磁性複合材料部は、上述したリン酸塩等の絶縁性材料により被覆された鉄粉を高圧成形されており、Feと示している。高磁束密度材料部は、Fe−49Co−2Vの溶製材からなり、Fe−Coと示している。
モデル形状について詳述する。図2に示すように、モデルNo.1の磁心は全て磁性複合材料部からなる。モデルNo.2の磁心は、8等分された部分のうち2カ所を高磁束密度材料部とし、この2カ所は対向する部分に配設している。モデルNo.3の磁心は、8等分された部分のうち4カ所を高磁束密度材料部とし、磁性複合材料部と高磁束密度材料部とが8分割された部分を交互に配設している。モデルNo.4の磁心は、8等分された部分のうち2カ所を磁性複合材料部とし、この2カ所は対向する部分に配設している。モデルNo.5の磁心は、全て高磁束密度材料部からなる。
モデルNo.6の磁心は、モデルNo.1と同様であり、全て磁性複合材料部からなる。モデルNo.7の磁心は、8等分された部分のうち何れか1カ所を高磁束密度材料部とする。モデルNo.8の磁心は、8等分された部分のうち隣接する2カ所を高磁束密度材料部とする。モデルNo.9の磁心は、8等分された部分のうち隣接する3カ所を高磁束密度材料部とする。モデルNo.10の磁心は、8等分された部分のうち隣接する4カ所を高磁束密度材料部とする。
各モデルについて、磁心全体における高磁束密度材料部の体積率に対する10kA/mの磁場中における磁束密度B10kについて図3に示す。図3に示すように、モデルNo.1及びモデルNo.6の磁心は、磁束密度B10kが1.76Tであった。モデルNo.2の磁心は、磁束密度B10kが1.80Tであった。モデルNo.3の磁心は、磁束密度B10kが1.92Tであった。モデルNo.4の磁心は、磁束密度B10kが2.02Tであった。モデルNo.5の磁心は、磁束密度B10kが2.21Tであった。モデルNo.7の磁心は、磁束密度B10kが1.80Tであった。モデルNo.8の磁心は、磁束密度B10kが1.83Tであった。モデルNo.9の磁心は、磁束密度B10kが1.86Tであった。モデルNo.10の磁心は、磁束密度B10kが1.95Tであった。すなわち、磁心全体における高磁束密度材料部の体積率が増加するにつれて、磁心の磁束密度B10kがほぼ線形的に増加している。これにより、Fe−Co合金からなる部分を磁路の一部に配設することで、鉄系の磁性複合材料部のみによる磁束密度に比べてより高い磁束密度からなる磁心を得ることができる。
つまり、例えば、図1に示すような鉄系の磁性複合材料部とFe−Co合金からなる高磁束密度材料部とを配設した磁心は、磁心全体におけるFe−Co合金の体積率に応じて磁束密度B10kを最大約2.2Tまで向上させることができる。すなわち、Fe−Co合金の体積率を増加させるほど、磁束密度を増加させることができる。一方、Fe−Co合金からなる高磁束密度材料部は鉄系の磁性複合材料部に比べて比抵抗が小さいため、Fe−Co合金の体積率を増加させるほど、比抵抗は減少する。
次に、コイル12の電流供給を遮断した場合における磁心11に発生する磁束の切れについて、本発明の磁心11,従来の磁心,及び全てをFe−Co合金からなる磁心の3種類を比較して説明する。この説明をするために、これら3種類の磁心のコイルに電流を供給して、2秒後にコイルへの電流供給を遮断した場合におけるソレノイドの吸引力について解析を行った。
ここで、本発明の磁心11は、図1に示す磁心であって、外径20mm、内径6mm、軸方向長10mmである。第2磁性複合材料部22は、外径20mm、内径15mm、軸方向長1mmである。第3磁性複合材料部23は、外径10mm、内径6mm、軸方向長1mmである。第1高磁束密度材料部24は、外径20mm、内径15mm、軸方向長3.5mmである。第2高磁束密度材料部25は、外径10mm、内径6mm、軸方向長3.5mmである。そして、コイル12に供給される電流は、2〜20Aとする。なお、本解析における本発明の磁心11は、Fe−49Co−2Vの高磁束密度材料部が約40体積%からなる磁心である。
従来の磁心は、図4に示す磁心であって、外径20mm、内径6mm、軸方向長10mmである。第1高磁束密度材料部は、外径20mm、内径15mm、軸方向長3.5mmである。第2高磁束密度材料部は、外径10mm、内径6mm、軸方向長3.5mmである。また、コイルに供給される電流は、本発明のものと同様である。なお、図6は、従来の磁心を用いたソレノイドの軸方向断面図を示す。また、本解析における従来の磁心は、Fe−49Co−2Vの高磁束密度材料部が約40体積%からなる磁心である。なお、従来の磁心と本発明の磁心11とは、高磁束密度材料部の配設位置が異なる。
全てがFe−Co合金からなる磁心は、図1又は図4に示す形状からなる磁心であって、これら全てがFe−49Co−2Vの高磁束密度材料部からなる。つまり、Fe−49Co−2Vの高磁束密度材料部が100体積%からなる磁心である。
この解析結果について説明する。図5に解析結果を示す。図5は、各磁心のコイルに電流を供給して、2秒後にコイルへの電流供給を遮断した場合において、コイルに電流を供給してからの経過時間[msec]に対する各ソレノイドの吸引力[N]について示す図である。なお、解析対象の全ての磁心を用いたソレノイドは、コイルへの電流供給を遮断する直前の吸引力は、約60〜80[N]としている。
図5に示すように、本発明の磁心11を用いたソレノイド用コア1は、電流遮断時から吸引力が10Nになるまでの応答時間が0.06msである。従来の磁心を用いたソレノイド用コアは、電流遮断時から吸引力が10Nになるまでの応答時間が0.14msである。また、全てがFe−Co合金からなる磁心を用いたソレノイド用コアは、電流遮断時から吸引力が10Nになるまでの応答時間が0.30msである。つまり、磁心の一部分に磁性複合材料部を含む本発明の磁心11及び従来の磁心は、磁性複合材料部を含まない全てがFe−Co合金からなる磁心に比べて、何れも応答性が良好であることが分かる。さらに、本発明の磁心11は、従来の磁心に比べて、応答性がさらに良好であることが分かる。
このように、端側に磁性複合材料部を配設した本発明の磁心11は、端側に磁性複合材料部を配設しない従来の磁心に比べて、応答性が良好になっていることが分かる。つまり、本発明の磁心は磁束の切れがより向上していると考えられる。これは、磁心の先端部側に比抵抗の高い材料である磁性複合材料を配設することにより、コイルへの電流供給を遮断した際に磁心に発生する渦電流が抑制されることによるものと考えられる。
本実施例におけるソレノイドの軸方向断面図を示す図である。 磁性複合材料部と高磁束密度材料部との割合に応じた磁束密度解析の磁心のモデル形状を示す図である。 磁束密度解析結果を示す図である。 従来の磁心を用いたソレノイドの軸方向断面図を示す図である。 本発明の磁心及び従来の磁心を用いたソレノイドの吸引力についての解析結果を示す図である。
符号の説明
1・・・ソレノイド用コア、 2・・・相手材、 11・・・磁心、 12・・・コイル、 21・・・第1磁性複合材料部、 22・・・第2磁性複合材料部、 23・・・第3磁性複合材料部、 24・・・第1高磁束密度材料部、 25・・・第2高磁束密度材料部

Claims (6)

  1. 磁路の一部の磁気回路を形成する磁心であって、
    磁性複合材料からなり少なくとも前記磁気回路の両端側に配設された磁性複合材料部と、
    前記磁性複合材料部より高磁束密度かつ低比抵抗である高磁束密度材料からなり前記磁気回路の磁路方向において前記磁性複合材料部に挟設された高磁束密度材料部と、
    からなることを特徴とする磁心。
  2. 前記磁性複合材料は、絶縁性材料で被覆された鉄系磁性粉末を加圧成形した圧粉材料であることを特徴とする請求項1記載の磁心。
  3. 前記磁路方向において少なくとも2カ所の前記高磁束密度材料部を有することを特徴とする請求項1記載の磁心。
  4. 前記高磁束密度材料は、Fe−Co合金からなる溶製材又は高密度焼結材であることを特徴とする請求項1記載の磁心。
  5. 前記磁心は、前記高磁束密度材料部の体積割合が20〜80体積%で10kA/mの磁場中における磁束密度B10kが1.6〜2.3Tであることを特徴とする請求項1記載の磁心。
  6. 前記磁心は電磁ソレノイド用コアに用いられることを特徴とする請求項1記載の磁心。
JP2003384160A 2003-11-13 2003-11-13 磁心 Expired - Fee Related JP4532095B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003384160A JP4532095B2 (ja) 2003-11-13 2003-11-13 磁心

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003384160A JP4532095B2 (ja) 2003-11-13 2003-11-13 磁心

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005150308A true JP2005150308A (ja) 2005-06-09
JP4532095B2 JP4532095B2 (ja) 2010-08-25

Family

ID=34692677

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003384160A Expired - Fee Related JP4532095B2 (ja) 2003-11-13 2003-11-13 磁心

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4532095B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009040891A1 (ja) 2007-09-26 2009-04-02 Mitsubishi Electric Corporation 電磁石アクチュエータ
KR20180134409A (ko) 2016-05-20 2018-12-18 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 자심

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5925072A (ja) * 1982-08-02 1984-02-08 Hitachi Ltd 燃料噴射用電磁弁
JPH03245505A (ja) * 1990-02-23 1991-11-01 Toshiba Corp 直流電磁石
JPH0515305U (ja) * 1991-07-30 1993-02-26 石川島播磨重工業株式会社 積層型偏向電磁石の鉄芯構造
JP2000243623A (ja) * 1999-02-18 2000-09-08 Fuji Heavy Ind Ltd 電磁アクチュエータ用ステータコアの製造方法及び動弁装置
JP2002235865A (ja) * 2001-02-13 2002-08-23 Isuzu Motors Ltd 電磁弁のソレノイドコア及びその製造方法
JP2002295329A (ja) * 2001-01-25 2002-10-09 Hitachi Ltd 電磁式燃料噴射弁及び燃料噴射装置
JP2002329626A (ja) * 2001-04-27 2002-11-15 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 圧粉磁心およびその製造方法
JP2003003202A (ja) * 2001-06-21 2003-01-08 Daido Steel Co Ltd Fe−Co系軟磁性合金からなる高密度焼結体の製造方法
JP2003082401A (ja) * 2001-06-13 2003-03-19 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 焼結軟磁性体とその製造方法
JP2003163116A (ja) * 2001-11-29 2003-06-06 Toyota Motor Corp 電磁アクチュエータ
JP2004063951A (ja) * 2002-07-31 2004-02-26 Jfe Steel Kk 電磁アクチュエータ用ハイブリッドコア

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5925072A (ja) * 1982-08-02 1984-02-08 Hitachi Ltd 燃料噴射用電磁弁
JPH03245505A (ja) * 1990-02-23 1991-11-01 Toshiba Corp 直流電磁石
JPH0515305U (ja) * 1991-07-30 1993-02-26 石川島播磨重工業株式会社 積層型偏向電磁石の鉄芯構造
JP2000243623A (ja) * 1999-02-18 2000-09-08 Fuji Heavy Ind Ltd 電磁アクチュエータ用ステータコアの製造方法及び動弁装置
JP2002295329A (ja) * 2001-01-25 2002-10-09 Hitachi Ltd 電磁式燃料噴射弁及び燃料噴射装置
JP2002235865A (ja) * 2001-02-13 2002-08-23 Isuzu Motors Ltd 電磁弁のソレノイドコア及びその製造方法
JP2002329626A (ja) * 2001-04-27 2002-11-15 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 圧粉磁心およびその製造方法
JP2003082401A (ja) * 2001-06-13 2003-03-19 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 焼結軟磁性体とその製造方法
JP2003003202A (ja) * 2001-06-21 2003-01-08 Daido Steel Co Ltd Fe−Co系軟磁性合金からなる高密度焼結体の製造方法
JP2003163116A (ja) * 2001-11-29 2003-06-06 Toyota Motor Corp 電磁アクチュエータ
JP2004063951A (ja) * 2002-07-31 2004-02-26 Jfe Steel Kk 電磁アクチュエータ用ハイブリッドコア

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009040891A1 (ja) 2007-09-26 2009-04-02 Mitsubishi Electric Corporation 電磁石アクチュエータ
US8305176B2 (en) 2007-09-26 2012-11-06 Mitsubishi Electric Corporation Electromagnetic actuator
KR20180134409A (ko) 2016-05-20 2018-12-18 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 자심
DE112017002576T5 (de) 2016-05-20 2019-02-28 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho (Kobe Steel, Ltd.) Magnetkern

Also Published As

Publication number Publication date
JP4532095B2 (ja) 2010-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006138325A (ja) 電磁石式に操作可能な弁
EP2850328B1 (en) Magnetic bearing and method for mounting a ferromagnetic structure around the core of a magnetic bearing
WO2006129596A1 (ja) ロング比例ストロークフォースモータ
US9046188B2 (en) Solenoid actuator with magnetic sleeving
JPH04254306A (ja) 磁気装置
KR101618756B1 (ko) 반경방향 힘을 감소시키는 분할형 전기자 부재를 구비한 솔레노이드 장치
JPH0737461A (ja) ソレノイドアクチュエータ
JP2012530380A (ja) ソレノイドコイル
JP4532095B2 (ja) 磁心
JP4291566B2 (ja) 複合コア
JPS6091854A (ja) 電磁ソレノイド装置
JPH09306731A (ja) 電磁石
JP2573574Y2 (ja) 電磁式燃料噴射弁
JP2001006925A (ja) 2方向性比例ソレノイド
KR101747988B1 (ko) 열 기관 인젝터용 밀폐 부재를 제어하는 전자기 액추에이터의 자기 회로를 치수 설계하는 방법 및 전자기 장치
JPH0684629A (ja) 磁束遮断部を備えた軟磁性・非磁性一体のヨーク部品および磁束遮断部を備えた軟磁性・非磁性一体のヨーク部品の製造方法
JP2000320716A (ja) 電磁弁
JP3635360B2 (ja) 電磁石及び電磁石の可動鉄心とその製造方法
JP2001087875A (ja) 中空複合磁性部材の製造方法
JP4482402B2 (ja) 電磁弁装置
JPH09213546A (ja) 直流リアクトル
WO2016002303A1 (ja) ソレノイド
JPH0246707A (ja) 電磁石
JP4197327B2 (ja) インダクタンス部品
JP2022190707A (ja) 磁石埋込型モータのロータ構造およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060426

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080925

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081125

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091001

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091222

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20100205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100603

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100610

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees