JP2005149880A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料電池内部のあらゆる領域において適度な水分量を保ち、燃料電池の高い出力密度の維持安定化を図る。
【解決手段】 高分子電解質膜3の一方側に燃料極4を、同他方側に酸化剤極5をそれぞれ設け、酸化剤極5の高分子電解質膜3と反対側には多孔質電導物質からなる酸化剤極集電板7を配置する。酸化剤極集電板7の酸化剤極5に対向する面には、複数の酸化剤ガス通路7aを設け、反対側の面には、酸化剤ガス通路7aに対して直交する方向に延びる複数の水通路7bを設ける。水通路7bを、酸化剤ガス通路7aの上流側から下流側に向けて第一水路群14,第二水路群17,第三水路群20の3つの水路群で構成し、これらを並列に配列する。酸化剤ガス通路7aの上流側に位置する第一水路群14には、酸化剤ガス通路7aの下流側に位置する第三水路群20に供給する水よりも高い圧力で水を供給する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料極と酸化剤極とにより挟持した高分子電解質膜に対し、多孔質電導物質で形成する集電板を通して加湿を行う燃料電池システムに関する。
近年、高効率の電力供給源として開発が進められている様々な燃料電池発電システムのうち、プロトン伝導性を有する高分子電解質膜を用い、燃料ガスおよび酸化剤ガスを燃料電池本体に供給する燃料電池システム(例えば、下記特許文献1参照)は、簡略な構造で高い出力密度が得られることから、特に自動車などの移動体用電源として注目されている。この中でも特に燃料極集電板および酸化剤極集電板に多孔質電導物質を用いた燃料電池は、燃料電池の内部において高分子膜の加湿および生成水の除去が可能なため、より高い出力を安定して取り出すことができる。
特開平9−259907号公報
ところで、燃料電池はその電気化学的な作動原理から出力に比例して内部に水が生成される。生成される水の総量は、燃料ガス通路および酸化剤ガス通路の上流側で少なく下流側で多くなる。水量がある一定量を超えると、ガス通路、特に酸化剤ガス通路において水による通路の閉塞が起こったり、燃料極および酸化剤極の表面が水に覆われることでガスの拡散が阻害されたりすること(フラッディング)により出力が低下するなどの問題が生じる。
このような問題を解決するために、現在最も一般的な吸水透湿性のない集電板を用いた燃料電池では、電気化学反応に必要な量以上、具体的には反応必要量の2倍を超える酸化剤ガスを供給しガス通路内の水を排出する手法を取っているが、これは酸化剤ガスを供給するコンプレッサが必要以上の仕事をしていることに他ならず、燃料電池システム全体の効率が低下するという新たな問題が生じる。
またこの方法では、酸化剤ガスの入口付近で高分子電解質膜の乾燥が促進されてしまうため、これを防止するために燃料電池の外部に大型の加湿器を設け、あらかじめ加湿された酸化剤ガスを供給する必要が生じ、燃料電池システムの装置全体が大型化するという、例えば自動車などの移動体にとっては極めて不都合な問題がある。
これに対して背景技術で述べた多孔質電導物質を集電板に用い、燃料電池内部において加湿および液水除去機能を有する燃料電池は、これらの問題の解決を図るものであるが、燃料電池内部の如何なる部分においてもその加湿および除水能力が一定であるため、今なおガス通路の上流側で水分が不足しガス通路の下流側で水分が過剰になる傾向があり、問題の解決には不充分な点が残されている。
そこで、この発明は、燃料電池内部のあらゆる領域において適度な水分量を保ち、燃料電池の高い出力密度の維持安定化を図ることを目的としている。
本発明は、燃料ガスが供給される燃料極と酸化剤ガスが供給される酸化剤極とにより挟持した高分子電解質膜と、一方の面に複数の燃料ガス通路が設けられ他方の面に前記燃料ガス通路に対して交差する方向に延びる複数の水通路が設けられた多孔質電導物質からなる燃料極集電板と、一方の面に複数の酸化剤ガス通路が設けられ他方の面に前記酸化剤ガス通路に対して交差する方向に延びる複数の水通路が設けられた多孔質電導物質からなる酸化剤極集電板とをそれぞれ有する燃料電池本体を備え、前記酸化剤極集電板の水通路を、複数並列に設けて一つの水路群を形成し、この水路群を、前記酸化剤ガス通路の上流側から下流側に向けて複数並列に配列し、前記酸化剤ガス通路の上流側に位置する前記水路群には、前記酸化剤ガス通路の下流側に位置する前記水路群に供給する水よりも高い圧力で水を供給することを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、酸化剤ガス通路の上流側に位置する水路群には、酸化剤ガス通路の下流側に位置する水路群に供給する水よりも高い圧力の水を供給するようにしたので、水分が不足する傾向にある酸化剤ガス通路の上流側で加湿能力が高まり、水分が過剰となる傾向にある酸化剤ガス通路の下流側で除水能力を高めることができ、燃料電池内部の酸化剤極側のあらゆる部分における水分量を適度に保て、高い出力を安定して得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる単セルの一部を示す分解斜視図で、図2はこの単セルを複数積層して構成する燃料電池本体1を備えた燃料電池システムの概要を示す全体構成図である。
図1に示すように、高分子電解質膜3の両表面上には、アノード側電極となる燃料極4とカソード側電極となる酸化剤極5とが一体に形成してある。酸化剤極5の高分子電解質膜3と反対側には、多孔質電導物質からなる酸化剤極集電板7を配置している。酸化剤極集電板7の高分子電解質膜3に対向する面には、酸化剤ガス例えば空気が流れる酸化剤ガス通路7aを、図1中で上下方向に複数並列に設けている。酸化剤極集電板7の酸化剤ガス通路7aと反対側の面には、水を通流させる水通路7bを、酸化剤ガス通路7aに対して交差する方向に設けている。
また、図1では省略してあるが、燃料極4の高分子電解質膜3と反対側には、酸化剤極5側と同様に、多孔質電導物質からなる燃料極集電板6(図3参照)を配置する。この燃料極集電板6の燃料極4に対向する面に燃料ガス通路を、燃料極4と反対側の面には燃料ガス通路と交差する方向に延びる水通路を、それぞれ形成する。
前記水通路7bに通流する水が燃料電池システムの冷却水系と独立して異なった系を成す場合、酸化剤極集電板7の高分子電解質膜3と反対側に、冷却水プレート22を配置する。一方、水通路7bに通流する水が燃料電池システムの冷却水を兼ねている場合は、冷却水プレート22に代えて絶縁板を配置する。
そして、これら高分子電解質膜3,燃料極4,酸化剤極5,酸化剤極集電板7および燃料極集電板6の積層体により単セルを構成し、この単セルを冷却水プレート22または電気絶縁板を介して複数直列に積層することにより、燃料電池本体1を構成する。
次に、酸化剤極集電板7における水通路7bの配列について説明するが、ここでは説明を簡略化するため、水通路7bが酸化剤ガス通路7aに対して90度の角度をなして交差し、3本の水通路をもって構成した水路群を3群設けた例を挙げる。
図1中で上部に位置する第一水路群14は、酸化剤ガス通路7aの最も上流側に位置し、水通路14a,14b,14cを互いに並列に接続することで構成する。第一水路群入口13から導入した水は水通路14a,14b,14cに分配され、それぞれの水通路14a,14b,14cの最下流部で再び合流した後、第一水路群出口15から燃料電池本体1の外へ排出される。
第二水路群17は、酸化剤ガス通路7aの中流付近に位置し、水通路17a,17b,17cを互いに並列に接続することで構成する。第二水路群入口16から導入した水は水通路17a,17b,17cに分配され、それぞれの水通路17a,17b,17cの最下流部で再び合流した後、第二水路群出口18から燃料電池本体1の外へ排出される。
第三水路群20は、酸化剤ガス通路7aの最も下流側に位置し、水通路20a,20b,20cを互いに並列に接続することで構成する。第三水路群入口19から導入した水は水通路20a,20b,20cに分配され、それぞれの水通路20a,20b,20cの最下流部で再び合流した後、第三水路群出口21から燃料電池本体1の外へ排出される。
ここでは一つの水路群を構成する水通路を3本として説明したが、これより多くても少なくてもかまわず任意の本数を選択できる。また各水路群における構成水通路本数は一定である必要はなく、各水路群ごとに任意の本数を選択できる。例えば第一水路群14で5本、第二水路群17で10本、第三水路群20で7本などとすることもできる。
また説明では水路群の数を3群としたが、この水路群の数も任意である。水路群の数を増やすほど高分子電解質膜3の各部においてより緻密に加湿状態をコントロールできるようになる。さらに説明では酸化剤ガス通路7aと水通路7bとの成す角度を90度としたが、これも任意の角度を選択できる。ただし、この角度を0度もしくは180度(酸化剤ガス通路7aと水通路7bとが互いに並行)に近い値とした場合には、ガスの上流側と下流側で加湿および除水能力を変化させるという本発明の目的にそぐわないものになってしまうことは言うまでもない。
続いて上述の単セル構造を複数有する燃料電池本体1を備えた燃料電池発電システムの概要について図2を用いて説明する。
燃料電池本体1の燃料極4へは、例えば炭化水素系の燃料を水蒸気改質反応により水素リッチな燃料ガスに改質する改質器などの燃料ガス供給手段9から、水素リッチな燃料ガスを供給し、酸化剤極5へは、コンプレッサ10から酸化剤ガスとしての空気を供給する。
なお、燃料極4から排出される未利用の燃料ガスは、エゼクタポンプ37を用いて再度燃料極4へ循環供給し、酸化剤極5から排出される未利用の空気は、そのまま大気中へ排出する。
燃料電池本体1の水通路7bの両端には、水循環管路23を接続している。水循環管路23には、水通路7bの出口(第一水路群出口15,第二水路群出口18,第三水路群出口21)側から、冷却水循環ポンプ11,冷却水に含まれる気体成分を分離除去するとともに冷却水を貯蔵する気液分離器24,冷却水を外気により冷却するラジエタ25を、この順に接続する。
燃料電池本体1と冷却水循環ポンプ11との間の水循環管路23には、冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段27を設け、気液分離器24とラジエタ25とを接続する冷却水循環管路23に、ラジエタ25をバイパスするバイパス管路29を通流する冷却水の流量を制御するバイパス弁30を設ける。
ラジエタ25と水通路7bの入口(第一水路群入口13,第二水路群入口16,第三水路群入口19)側とを各水路群14,17,20に対応して接続する冷却水分岐管路31a,31b,31cには、冷却水の圧力を制御する冷却水圧力レギュレータ12a,12b,12cをそれぞれ設ける。
各冷却水圧力レギュレータ12a,12b,12cの基準圧検知部に接続する検知圧管12a1,12b1,12c1および、気液分離器24の気層部に接続する気層管24aは、前記したコンプレッサ10と燃料電池本体1とを接続する空気供給管32に接続する。空気供給管32には、コンプレッサ10が供給する空気の圧力を検出する供給空気圧検出手段34を設ける。
前記冷却水温度検出手段27および供給空気圧検出手段34の出力信号は、制御装置35が取り込み、制御装置35は、ラジエタ冷却ファン36を回転駆動するモータM,冷却水循環ポンプ11およびバイパス弁30の制御を行う。
上記した制御装置35は、供給空気圧検出手段34が検出した空気圧に対応して設定される冷却水温度を保持するように、バイパス弁30およびラジエタ冷却ファン36を制御する。
図2における第一水路群14,第二水路群17,第三水路群20での水の流れと、燃料極4および酸化剤極5を流れるガスの流れの方向関係は、表記の都合上正確ではないため、これらの流体の流れ方向の関係を立体的に示した模式図として図3を補足しておく。なお、図3においては、簡略化のため燃料極4側の水通路を省略してある。
以上のように構成した本実施形態におよる燃料電池システムの実際の動作について説明する。
燃料電池は、その特性上発電に伴い内部で水が生成されることは前述した。よって反応が始まったばかりの燃料ガスおよび酸化剤ガス入口付近では、ほとんど水が生成されておらず高分子電解質膜3は乾燥する傾向にある。
ここで、第一水路群14に対応する冷却水圧力レギュレータ12aの設定圧力をコンプレッサ10による供給空気圧力に対し高く設定すると、その圧力差によって第一水路群14に属する水通路14a,14b,14cを通流する水は、酸化剤極集電板7の多孔質層を通過して酸化剤ガス通路7aへ移動し、付近を通流する酸化剤ガスおよび付近の高分子電解質膜3を加湿して乾燥状態を解消する。
一方燃料ガスおよび酸化剤ガス出口付近では、生成された水が蓄積され高分子電解質膜3は必要以上に湿潤し酸化剤ガス通路7aも閉塞するようになる。
ここで、第三水路群20に対応する冷却水圧力レギュレータ12cの設定圧力を、コンプレッサ10による供給空気圧力に対し低く設定すると、その圧力差によって酸化剤ガス通路7a内に滞留する水は酸化剤極集電板7の多孔質層を通過し、第三水路群20に属する水通路20a,20b,20cに吸収され適度な湿潤状態に保たれる。
図4は、第一水路群14,第二水路群17,第三水路群20の各水圧と、酸化剤ガス通路7aのガス圧との関係を、酸化剤ガス通路7aの流れに対応して示している。水圧は、酸化剤ガス通路7aの上流(入口側)に位置する第一水路群14で酸化剤ガスの圧力より高くなるよう最も高くし、酸化剤ガス通路の下流側(出口側)に位置する第三水路群20で酸化剤ガスの圧力より低くなるよう最も低くしている。
次に、本発明の第2の実施形態について図5を用いて説明する。
この実施形態は、第1の実施形態における圧力レギュレータ12a,12b,12cを、制御装置35に接続した圧力調整弁38a,38b,38cにそれぞれ置き換え、高分子電解質膜3の湿潤度を検出する湿潤度検出手段39a,39b,39cを各水路群14,17,20に対応する位置に追加設定した以外は、第1の実施形態と同一である。
高分子電解質膜3が乾燥状態にあるとき、湿潤度検出手段39a,39b,39cは制御装置35に高分子電解質膜3の乾燥を示す信号を送る。制御装置35は湿潤度検出手段39a,39b,39cの検出信号に基づいて、高分子電解質膜3の乾燥度合いを判断し、判断した乾燥度合いに応じて圧力調整弁38a,38b,38cに圧力を上昇させるよう信号を送る。
これらの一連の制御により高分子電解質膜3が乾燥すればするほど、水通路7bを通流する水の圧力を燃料電池に供給する空気の圧力より高く設定するので、この圧力差をもって水通路7b内の水が酸化剤極集電板7の多孔質層を通過し高分子電解質膜3を加湿する。
反対に高分子電解膜3が必要以上に湿潤している場合は、湿潤度検出手段39a,39b,39cは、制御装置35に高分子電解質膜3の過湿潤を示す信号を送る。制御装置35は、湿潤度検出手段39a,39b,39cの検出信号に基づいて、高分子電解質膜3の湿潤度合いを判断し、判断した湿潤度合いに応じて圧力調整弁38a,38b,38cに圧力を低下させるよう信号を送る。
これらの一連の制御により高分子電解質膜3が湿潤すればするほど、水通路7bを通流する水の圧力を燃料電池に供給する空気の圧力より低く設定するので、この圧力差をもって酸化剤ガス通路7a内の水が酸化剤極集電板7の多孔質層を通過して水通路7bに流れ、酸化剤ガス通路7aにおける過剰な水分が除去される。
ここで湿潤度検出手段39a,39b,39cは、各水路群14,17,20にそれぞれ対応しており、これらは互いに独立して制御に使用するため、高分子電解質膜3の面内の湿潤状態をより均一に保つことができる。
図6は、水通路7bの水圧と酸化剤ガス通路7aのガス圧との関係を、高分子電解質膜3の湿潤状態に対応して示している。すなわち、高分子電解質膜3が乾燥状態(DRY)にある加湿領域に対しては水圧を高く、高分子電解質膜3が水分過剰となる(WET)除水領域に対しては、水圧を低く設定している。
なお、湿潤度検出手段39a,39b,39cの代わりに、高分子電解質膜3の電気伝導度を検出する電気伝導度検出手段を設け、電気伝導度検出手段の検出信号に基づいて、高分子電解質膜3の湿潤状態を推定することもできる。この場合も、その制御は湿潤度を直接検出する場合と同様であるため詳細な説明は省略する。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態の構成は、第2の実施形態の構成に対し、高分子電解質膜3の湿潤状態を検出するために使用するる湿潤度検出手段もしくは電気伝導度検出手段を廃し、代わりに燃料電池本体1への出力要求値を検出する出力要求値検出手段と、燃料電池本体1からの出力電圧を検出する出力電圧検出手段とをそれぞれ設ける。
ここで燃料電池本体1からの出力電圧が、必要な燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給しているにも拘わらず、出力要求値を下回った場合には、水分が過剰であるために酸化剤極5におけるガス拡散が阻害されているか、あるいは酸化剤ガス通路7aが閉塞している(いわゆるフラッディング)状態にあると判断し、各水路群14,17,20に供給する水の圧力を低下させる。
これにより、酸化剤ガス通路7a側に存在する過剰な水は、酸化剤ガス通路7aと水通路7bとの間の圧力差から酸化剤極集電板7の多孔質層を通して水通路7b側に吸水されるため、過剰な水を排除でき、燃料電池本体1の出力電圧が正常に復帰する。
図7は、水通路7bの水圧と酸化剤ガス通路7aのガス圧との関係を、要求出力電圧に対する実出力電圧との比に対応して示している。すなわち、実出力電圧が要求出力電圧に対して低いほど、水分が過剰であるとして水圧力を低くしている。
なお、本発明においては、水路群の数量、水路群を構成する水通路の数量は燃料電池本体1の特性に合わせて任意に設定することができる。また水路群および水通路の形状、大きさはその効果において何ら制限を受けない。本発明の燃料電池システムは、酸化剤極5側に限らず燃料極4側にも同様に適用できる。また、水通路7bを通流する水が直接燃料電池本体1の冷却をまかなう形式でも、本発明を適用でき、上記した各実施形態と同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、酸化剤ガス通路の上流側に位置する水路群に、酸化剤ガスの供給圧力よりも高い圧力で水を供給するようにしたので、酸化剤ガス通路に充分な水分を供給することができ、高分子電解質膜が乾燥して出力が低下したり膜が損傷したりすることを防止できる。
前記酸化剤ガス通路の下流側に位置する水路群に、酸化剤ガスの供給圧力よりも低い圧力で水を供給するようにしたので、酸化剤ガス通路内に滞留する電気化学反応に伴う生成水を確実に除去することができ、酸化剤極が水に覆われてガス拡散が阻害されることに起因する出力の低下を防止できる。
前記燃料ガスの通路の上流側に位置する水路群には、燃料ガス通路の下流側に位置する前記水路群に供給する水よりも高い圧力で水を供給するようにしたので、水分が不足する傾向にある燃料ガス通路の上流側で加湿能力が高まり、水分が過剰となる傾向にある燃料ガス通路の下流側で除水能力を高めることができ、燃料電池内部の燃料極側のあらゆる部分における水分量を適度に保て、高い出力を安定して得ることができる。
前記燃料ガス通路の上流側に位置する水路群に、燃料ガスの供給圧力よりも高い圧力で水を供給するようにしたので、燃料ガス通路に充分な水分を供給することができ、高分子電解質膜が乾燥して出力が低下したり膜が損傷したりすることを防止できる。
前記燃料ガス通路の下流側に位置する水路群に、燃料ガスの供給圧力よりも低い圧力で水を供給するようにしたので、電気化学反応に伴い生成される酸化剤極側の水が逆拡散により燃料極側に移動し燃料ガス通路に滞留する水を確実に除去することができ、燃料極が水に覆われてガス拡散が阻害されることに起因する出力の低下を防止できる。
また、湿潤度検出手段が高分子電解質膜の湿潤度の低下を検出した場合、もしくは電気伝導度検出手段が高分子電解質膜の電気伝導度の低下を検出した場合の少なくともいずれか一方の場合には、高分子電解質膜が乾燥状態にあるとして、水通路への水の供給圧力を上昇させるようにしたので、加湿能力が高まり、あらゆる負荷領域において、高分子電解質膜の乾燥に伴う出力の低下や高分子電解質膜の損傷をより確実に防止できる。
前記湿潤度検出手段が高分子電解質膜の湿潤度の上昇を検出した場合、もしくは電気伝導度検出手段が高分子電解質膜の電気伝導度の上昇を検出した場合の少なくともいずれか一方の場合には、高分子電解質膜が水濡れ状態にあるとして、水通路への水の供給圧力を低下させるようにしたので、除水能力が高まり、あらゆる負荷領域において、高分子電解質膜の両極が水に覆われてガス拡散が阻害されることに起因する出力の低下をより確実に防止できる。
さらに、燃料電池本体からの出力電圧を出力電圧検出手段が検出し、この検出した出力電圧が燃料電池本体の出力要求値を下回った場合には、水通路への水の供給圧力を低下させるようにしたので、高分子電解質膜の両極が水に覆われてガス拡散が阻害されている(フラッディング)として、高分子電解質膜の状態を検出する特別な手段を備えずとも、あらゆる負荷領域においてより確実にフラッディングに起因する出力の低下を防止できる。
図2に示す本発明の第1の実施形態による燃料電池システムに使用する燃料電池本体を構成する単セルの一部を示す分解斜視図である。 第1の実施形態に係わる燃料電池システムの概要を示す全体構成図である。 図2の燃料電池システムにおける流体の流れ方向の関係を立体的に示した模式図である。 第1の実施形態における各水路群の水圧とガス通路のガス圧との関係を、ガス通路の流れに対応して示した説明図である。 本発明の第2の実施形態に係わる燃料電池システムの概要を示す全体構成図である。 第2の実施形態における水通路の水圧とガス通路のガス圧との関係を、高分子電解質膜の湿潤状態に対応して示した説明図である。 本発明の第3の実施形態における水通路の水圧とガス通路ガス圧との関係を、要求出力電圧に対する実出力電圧との比に対応して示した説明図である。
符号の説明
1 燃料電池本体
3 高分子電解質膜
4 燃料極
5 酸化剤極
6 燃料極集電板
7 酸化剤極集電板
7a 酸化剤ガス通路
7b 水通路
14 第一水路群
17 第二水路群
20 第三水路群
39a,39b,39c 湿潤度検出手段

Claims (9)

  1. 燃料ガスが供給される燃料極と酸化剤ガスが供給される酸化剤極とにより挟持した高分子電解質膜と、一方の面に複数の燃料ガス通路が設けられ他方の面に前記燃料ガス通路に対して交差する方向に延びる複数の水通路が設けられた多孔質電導物質からなる燃料極集電板と、一方の面に複数の酸化剤ガス通路が設けられ他方の面に前記酸化剤ガス通路に対して交差する方向に延びる複数の水通路が設けられた多孔質電導物質からなる酸化剤極集電板とをそれぞれ有する燃料電池本体を備え、前記酸化剤極集電板の水通路を、複数並列に設けて一つの水路群を形成し、この水路群を、前記酸化剤ガス通路の上流側から下流側に向けて複数並列に配列し、前記酸化剤ガス通路の上流側に位置する前記水路群には、前記酸化剤ガス通路の下流側に位置する前記水路群に供給する水よりも高い圧力で水を供給することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記酸化剤ガス通路の上流側に位置する前記水路群には、前記酸化剤ガスの供給圧力よりも高い圧力で水を供給することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記酸化剤ガス通路の下流側に位置する前記水路群には、前記酸化剤ガスの供給圧力よりも低い圧力で水を供給することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料極集電板の水通路を、複数並列に設けて一つの水路群を形成し、この水路群を、前記燃料ガス通路の上流側から下流側に向けて複数並列に配列し、前記燃料ガス通路の上流側に位置する前記水路群には、前記燃料ガス通路の下流側に位置する前記水路群に供給する水よりも高い圧力で水を供給することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料ガス通路の上流側に位置する前記水路群には、前記燃料ガスの供給圧力よりも高い圧力で水を供給することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料ガス通路の下流側に位置する前記水路群には、前記燃料ガスの供給圧力よりも低い圧力で水を供給することを特徴とする請求項4または5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記高分子電解質膜に、高分子電解質膜の湿潤度を検出する湿潤度検出手段と高分子電解質膜の電気伝導度を検出する電気伝導度検出手段との少なくともいずれか一方を設け、前記湿潤度検出手段が湿潤度の低下を検出した場合、もしくは前記電気伝導度検出手段が電気伝導度の低下を検出した場合の少なくともいずれか一方の場合には、前記水通路への水の供給圧力を上昇させることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記高分子電解質膜に、高分子電解質膜の湿潤度を検出する湿潤度検出手段と高分子電解質膜の電気伝導度を検出する電気伝導度検出手段との少なくともいずれか一方を設け、前記湿潤度検出手段が湿潤度の上昇を検出した場合、もしくは前記電気伝導度検出手段が電気伝導度の上昇を検出した場合の少なくともいずれか一方の場合には、前記水通路への水の供給圧力を低下させることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  9. 前記燃料電池本体からの出力電圧を検出する出力電圧検出手段を設け、この出力電圧検出手段が検出する出力電圧が、前記燃料電池本体の出力要求値を下回った場合には、前記水通路への水の供給圧力を低下させることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008282664A (ja) * 2007-05-10 2008-11-20 Toshiba Fuel Cell Power Systems Corp 燃料電池発電システム及びその制御方法
JP2012221890A (ja) * 2011-04-13 2012-11-12 Toyota Motor Corp 燃料電池の乾燥抑制方法
US10340532B2 (en) 2010-09-16 2019-07-02 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Separator for fuel cell, fuel cell and method of manufacturing fuel cell

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