JP2008282664A - 燃料電池発電システム及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】通常運転時に均一加湿と溝閉塞の回避において特に優れている多孔質セパレータを用いることで、長期運転に伴うガス拡散不良をシステム運転を停止せずに解消可能な燃料電池発電システムを提供する。
【解決手段】制御装置14は、圧力調整弁7を調整することにより、水循環系統2を循環する冷却水の圧力を低下させ、さらに水循環ポンプ3の回転数を低下させることで燃料電池スタック1を介して流れる水流量を低減させる。その後、空気ブロワ11の回転数を上げるよう調整することで酸化剤ガスの流量を増加させる。そして、酸化剤流量を維持したまま水循環ポンプ3を調整することで冷却水流量を増加させ、元の流量に戻す。そして、酸化剤ガス流量を空気ブロワ11の回転数を減少させることで低減させ元の流量に戻し、さらに圧力調整弁7の開度を拡げることで負圧の冷却水の圧力を元に戻すよう制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、多孔質セパレータによる内部加湿セルを備えた燃料電池の発電システムに係り、長期運転に伴うガス拡散不良を解消するシステムに関する。
酸化剤(例えば空気)と燃料(例えば水素を含む混合ガス)とを電気化学的に反応させることで発電する燃料電池は、高効率かつ環境負荷を低減可能な発電装置として近年脚光を浴びており、性能向上、コスト削減や高耐久化のための研究が行われている。この燃料電池の適用が検討される分野は多岐にわたるが、開発が特に活発化している分野の一つに家庭用コジェネレーションプラントが挙がる。
ここで、当該分野に適用される燃料電池発電システムの一般的な構成を図16に示す。この家庭用コジェネレーションプラントは、発電ユニット30と熱利用ユニット40から構成され、そのユニット間が排熱回収に用いる温水循環ライン41により接続されている。
発電ユニット30は、一般的に電解質(例えば固体高分子膜)を酸化剤極(カソード)と燃料極(アノード)で挟持してなる単位セルから構成される直流発電デバイスの燃料電池スタック31を備えている(図17)。また、都市ガスやプロパンガス等原燃料ガスを改質することにより水素リッチガスを生成し、当該水素リッチガスを燃料電池スタック31内の燃料極に供給する燃料処理系32を備えている。
さらに、空気を燃料電池スタック31内の酸素極に供給する酸化剤供給系33と、電池や燃料処理系32からの排熱を回収し熱利用ユニット40に熱入力する熱管理システム34と、燃料電池スタック31において生成された直流出力を電力系統に連係可能な交流に変換する電力変換装置35等を備えている。
上記燃料電池スタック31において行われるエネルギー変換は、固体高分子形を例にとると[化1]に示される単位セルにおける電気化学反応に基づくものである。なお、固体高分子形用に低温(100度以下)で動作する燃料電池では、一般的に反応促進のために白金触媒又は白金を主体とする合金触媒が使用される。また、酸化剤極と燃料極のいずれもガスを透過する導電性の多孔質体を基材とし、その表面に当該触媒が多孔質層を成すよう保持されている。この触媒は他方で電解質と接触している。
[化1]
燃料極での反応:2H→4H+4e (1)
酸化剤極での反応:O+4H+4e →2HO (2)
全反応:2H+O→2HO (3)
ここで、上記電気化学反応による単位セルの発生電圧は、動作条件での電極における酸化還元反応のギブスエネルギーに規制され、理論上の上限で1.2V程度である。さらに、反応に伴う活性化分極、拡散分極、抵抗等の損失により、通常1V以下のセル電圧しか得られない。従って、燃料電池スタック31においては、所要の電圧を得るために多数の単位セルが電気的直列になるよう積層し、両端から締付けた積層電池として構成されている。すなわち、この積層電池に反応ガス、冷却水の取合い、電力の取出しタップや計装線等を取り付けたものを燃料電池スタック31(Cell Stack Assembly)と称している。
なお、積層電池を構成する各単位セル間には、酸化剤と水素リッチガスである燃料との直接混合を防止する隔離板(セパレータ)が挿入されている。このセパレータには、単位セルへ酸化剤と燃料を分配するための流路が通常設けられている。
上述した通り、単位セルは化学反応に伴うエネルギー落差(生成熱)を電気エネルギーに変換する変換デバイスであるため、電気エネルギーに変換されなかったエネルギー落差(例えば束縛エネルギー分、分極による損失エネルギー分)は熱として放出される。
ここで、当該単位セルにおける過熱を防止すると共に、放出される熱を回収してコジェネレーションプラント内で有効に活用するため、複数の単位セルからなる積層電池には冷却板が挿入されている。つまり、燃料電池スタック31を含む燃料電池発電システム内を、冷却板を通じて循環する冷却水により、セルにおける発生熱を回収している。なお、当該冷却板は、一般的に前記セパレータと一体化されている。
ところで、前記単位セルにて発生する電圧は分極により低下する。分極は、活性化分極、抵抗分極、拡散分極に大別される。これらの分極を制御して必要な電圧を確保することが、セル設計および運転制御の要諦である。特に固体高分子形燃料電池セルの場合には、後述するように、電解質である固体高分子膜を湿潤状態に維持し、抵抗分極を低く維持するための加湿が重要である。しかし一方で、加湿の方法がセル内部での反応ガスの拡散状態に大きく影響する。電解質膜が湿潤状態にある場合には電圧低下における拡散分極の寄与率が相対的に大きくなる。この拡散分極は、電気化学反応による反応ガスの消費速度が拡散速度に近づくにつれて顕著となるので、反応ガスの拡散を阻害する要因の制御が重要である。加湿方法と拡散阻害要因の制御は相互に関連し、以下に技術課題を説明する。
固体高分子形燃料電池システムにおいて、電解質である固体高分子膜の湿潤状態を維持することを目的とした、燃料電池セルを様々な方式で燃料電池スタック31外部、あるいはセル内部から加湿する方法が開発されている(特許文献1及び特許文献2参照)。
例えば、外部から加湿する典形的な構成例として図18が示されており、酸化剤供給系33から供給される酸化剤ガスは燃料電池スタック31の入口付近に設けられた加湿器42により加湿される。その後、この加湿された酸化剤ガスが電池スタック31に導入される。また、燃料ガスには燃料処理系32における改質反応等の過程ににおいて、導入又は生成された蒸気が混合され、燃料電池スタック31に供給される。
なお、この電池外部からの加湿に際しては、セル温度の露点に相当する蒸気圧を得る為のエネルギーを確保する必要があり、システム効率への影響を抑えながら加湿に必要なエネルギーを取得するため、燃料電池スタック31出口付近には排気又は電池入口ガスの熱交換を行う方式が採用されている(特許文献2参照)。
しかしながら、加湿に必要なエネルギーをシステム効率への影響を抑えつつ取得することができても、外部から加湿する方式では、加湿後の加湿水の凝縮や積層セル間の配分の均一化等に配慮しなければならない。また、燃料電池セル内部では加湿水だけではなく、酸化剤極内で発電に伴い生成された水や燃料極から酸化剤極に向かう水素イオンに伴って電解質膜内を通過する水(随伴水)の流れ、そして含水率の勾配にしたがって拡散する水の流れなどが存在する。
さらには、セルに導入される反応ガスとの熱交換によりセルから気相への蒸発や気相からセルへの凝縮が生じる。そのため、セル自身の発熱を踏まえると、セル内の水バランスと熱バランスとが相互に影響し合って複雑な挙動を示している(電池セル内の水と熱のマネージメントについては、非特許文献1参照)。
全体的な傾向としては、セルの入口部では乾燥傾向に、出口部分では水分過剰傾向となり、セル内の水バランスの結果としてセルの触媒層又はセパレータと接する両電極のガス拡散層に対し、適切な範囲を超えて水が滞留した場合にガス拡散阻害が顕著となる。このガス拡散阻害の傾向は、生成水と随伴水により水分が潤沢になる酸化剤極で主に発生する。また、酸素の拡散速度が水素の拡散速度よりも遅いことから酸素極の分極がセル全体の性能を左右することになる。
なお、上述した通り、セル内の凝縮に関して、加湿されたセル内の反応ガス中の水分はほぼ飽和湿度にあり、セル内の低温部分において当該反応ガス中の水分が凝縮する。この凝縮水は、生ずる部位により様々な影響を及ぼすが、最も影響の大きい部位がガス溝中に対するものであり、溝中への凝縮水が排除できない場合には、当該溝が閉塞し、閉塞部分下流において反応ガスの欠乏状態が生じてしまう。
反応ガスの欠乏状態が生じたセルでは、特性が急激に低下する恐れがあり、あるいはスパイク状に特性乱高下する等の状況が生じてしまう。そのため、安定したシステム運転が困難になるだけではなく、局所的な電流集中による局所過熱や炭素部材の腐食等によりセルやセパレータの永久的な損傷が生じる可能性がある。
上記の現象は酸化剤極及び燃料極のいずれにおいても重大な問題であって、直接内部加湿方式においてセル溝内への給水や蒸発のばらつきにより溝内に液滴が滞留した場合にも同様な現象が生じてしまう。
そこで、ガス溝に滞留した凝縮水を排除する方策として、重力や反応ガス流通時のガス溝内圧力差により生成水を押し出す方法が提案されている(特許文献3参照)。
しかし、重力による生成水の排除は確実性に欠け、また反応ガス流通時のガス溝内圧力差により生成水を押し出す方法では燃料電池スタック31内の圧力損失を大きくする結果、反応ガスの流通に要する動力の増加等によるシステム効率面の問題が生じてしまう。また、上記方法により凝縮水が偏在してしまうと排除が逆に困難になる。
ここで、上述したセル内の加湿不均一と水滴の滞留によるガス溝閉塞に対する有効な方策として、単位セル間に多孔質セパレータを設け、冷却水の一部を当該多孔質セパレータを介させることで反応ガスの加湿に用いる手段が提案されている(特許文献4参照)。
この方式を用いれば、冷却水を循環させる冷却系の圧力を反応ガスよりも低く(大気圧以下も含む)設定することにより、溝に滞留する水滴を当該冷却系に吸引することができ、溝閉塞に起因する諸問題を本質的に解決することが可能となる。さらに、本方式ではセル平面内の局所的な水バランスに応じて自律的に加湿・吸湿が行われるため、セル平面内で均一な加湿状態を溝閉塞のリスクを伴わずに実現することができる。
ところで、家庭用燃料電池発電システムを実用化するためには、コスト低減及び信頼性向上のためシステム簡素化を図りつつ、長期間に亘り燃料電池スタック31が安定した出力を出す必要がある。そのため、燃料電池スタック31内のセルに対して、短期的なセル特性の安定化と長期的なセル劣化防止の二つが視点からの開発が推奨されている。
セルの短期的な特性の安定性に影響を与える現象として、設計運転からの逸脱や高濃度不純物の流入等の事故的な事象以外に、白金酸化物生成による白金触媒活性低下や短期的な水管理不全による特性不安定等が挙がっている。この白金酸化物生成による特性低下に対しては回復操作が提案されており(特許文献5参照)、また短期的な水管理不全に関しては上述した多孔質セパレータによる加湿方式を採用することで当該問題を回避することができる。
一方、セルの長期的な特性劣化は、触媒の活性低下やセル構成部材の材料劣化など様々な要因で生じ、劣化状況も多岐に亘っている。長期的な特性低下の1つにセル内の水バランスの変化に起因する酸化剤極の触媒層及びガス拡散層における拡散分極の増大という問題がある。
ここで、上記拡散分極の増大に対し直接的に拡散制御を行うものではないが、ガス拡散層に堆積した水分を除去する手段として、システムの運転を停止した状況でドライガスをセル内に流通させることにより特性低下を回復させる方法が提案されている。この方法によれば、運転を停止した状態でドライガスを流通させるので、セルを乾燥させることによりガス拡散層に堆積した水を取り除いていた。
また、上記の他にも、システム運転中にセルの低下した特性の回復操作を実施する方法として、運転中のセルインピーダンスを測定し、算定される等価回路定数に基づいて診断を行うことにより、必要に応じて回復操作を行うシステムが提案されている(特許文献6参照)。
具体的には、等価回路定数が所定の範囲内にある際に、電極の濡れが進展していると判断した場合は一定時間空気の利用率を下げ、逆に電極が乾いていると判断した場合は一定時間空気の利用率を上げる、あるいは電極の温度の低下と判断し冷却水流量へ減らす方法が開示されている。
T.Fuller,J.Newman J.Electrochem Soc Vol.140,No.5 p1218 1993年 特開2001−176529号公報 特開2003−142134号公報 特開2001−176522号公報 特表平11−508726号公報 特表2003−536232号公報 特開2005−63946号公報
ところで、セルの長期的な特性劣化は、セル内の水バランスの変化に起因する酸化剤極の触媒層及びガス拡散層における拡散分極の増大が問題となるが、拡散分極増大の一例として、ガス拡散層における拡散低下について以下に説明する。
例えば、酸化剤極と燃料極を挟持するようセパレータとの間に設けられたガス拡散層の外側(セパレータ側)の酸素分圧をP2、酸素濃度C2、触媒層とガス拡散層の境界面での酸素濃度をP1、酸素濃度C1、ガス拡散層の有効厚さをδ、有効拡散係数をDeとすると、ガス拡散層における酸素拡散速度に起因するセル電圧の低下量、すなわち拡散分極ηdは電流密度i(電流を反応面積で除した値)において次のように示すことができる。
[数1]
ηd=−b×Ln(P1/P2)=−b×Ln(C1/C2)
=−b×Ln[1−i/(4F×De×C2/δ)] =−b×Ln[1−i/I
ここでLn は自然対数、bはターフェル勾配、Fはファラデー定数、Deは多孔質部材における酸素の有効拡散係数である。
電流密度iが限界電流密度I=4F×De×C2/δに近づくにつれて電圧低下量ηbは大きくなるため、同じ電流であっても、有効拡散係数Deが小さくなることによって特性が低下する。
なお、ガス拡散層の気孔率ε、屈曲度をτ、水により閉塞される空隙の割合である占積率をSとすると、酸素がガス拡散層を通過する際の有効拡散係数Deは、混合ガス中の酸素の拡散係数を近似的にDoとして、例えば[数2]のように表される。
[数2]
De=Do×(ε/τ)×(1−S)
また、ガス拡散層中の水の占積率Sの変化は、ガス拡散層への水の流入速度と、ガス拡散層からのガス溝及び多孔質セパレータへの水の流出速度と、の差が蓄積されることにより生ずる。つまり、ガス拡散層への水の蓄積速度(質量フラックス)をdΔm/dtとすると、Sの増加速度dS/dtは、ガス拡散層の見かけ体積をVとして以下のように表すことができる。
[数3]
dS/dt={dΔm/dt}/(ρ×ε×V)
[数4]
S(t)=S(0)+∫[{dΔm/dt}/(ρ×ε×V)]dt
従って、流入速度が流出速度よりも大きければ、即ちdΔm/dt>0であれば、それが僅かであっても長期の運転に伴って確実に占積率Sが増加するので、[数4]より拡散係数Deが小さくなり、拡散分極は増加して電圧が低下する。このことから、長期間に亘りセルの特性を安定させるためには、占積率Sを適切値として一定になるようバランスさせることが望ましいが、部材の劣化や運転条件のズレ等が生じることも考えられるため、数千時間以上の長期間における一定の維持は容易でないといった問題が生じる。
また、セルの特性低下を回復させる方法として、上記従来技術の通り、システムの運転を停止した状況でドライガスをセル内に流通させることによりガス拡散層に過剰に堆積した水を除去する手段では、当該システム内の運用機器を停止させて作業を実施していた。さらにドライガスを流通させるための機器などの常備が必要となり、コスト、スペース、保守及び稼動率確保の点で現実的に困難な状況にあった。
また、特許文献6に記載の、運転中のセルインピーダンスを測定し、算定される等価回路定数に基づいて診断を行うことにより、必要に応じて回復操作を行うシステムに関しては、特定の加湿方法についての記載はなく、さらには回復操作を行うにあたり、具体的な実施条件を提示するものではなかった。
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであり、通常運転時に均一加湿と溝閉塞の回避において特に優れている多孔質セパレータによる内部加湿セルを用いることで、長期運転に伴うガス拡散不良をシステム運転を停止せずに解消可能な燃料電池発電システムを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明は、電解質を、各々触媒と多孔質拡散領域を含む酸化剤極と燃料極により挟持した燃料電池単位セルを積層し、当該単位セル間に多孔質セパレータが挿入された燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックを介して冷却水を循環させる水循環系と、を備えた燃料電池発電システムにおいて、前記水循環系を流れる循環水の流量を調整する循環水流量調整手段と、前記水循環系を流れる循環水の圧力を調整する循環水圧力調整手段と、前記燃料電池スタックにおける電圧を検出する電圧検出手段と、を備え、前記循環水圧力調整手段は、前記燃料電池スタックに流入する循環水の圧力を負圧に調整し、前記電圧検出手段により前記燃料電池スタックの電圧低下を検出した場合には、前記循環水流量調整手段が前記水循環系を流れる循環水の流量を減少させ、所定時間後に当該流量を減少前の流量に戻すよう調整することを特徴とする。
また、前記電圧検出手段により前記燃料電池スタックの電圧低下を検出し、前記循環水流量調整手段が前記水循環系を流れる循環水の流量を減少させた場合に、以下の関係を具備する点も本発明の一態様である。
燃料電池スタック出口での循環水流量>0
かつ
燃料電池スタック入口での循環水流量>燃料電池スタック出口での循環水流量+1×生成水量
かつ
燃料電池スタック入口での循環水流量<燃料電池スタック出口での循環水流量+7×生成水量
なお、前記燃料電池スタックの酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス系と、当該酸化剤ガス系を流れる酸化剤ガスの流量を調整する酸化剤ガス流量調整手段と、を備え、前記酸化剤ガス流量調整手段は、前記循環水流量調整手段により前記水循環系を流れる循環水の流量を減少させた以降に、前記酸化剤ガスの流量を増加させ、所定時間後に前記循環水流量調整手段により前記循環水の流量を減少前の流量に戻した以降に当該酸化剤ガスの流量を減少させる点も特徴とする。
以上のような本発明によれば、多孔質セパレータを採用し、これにより両電極を挟持するので、ガス溝内の凝縮水が当該多孔質セパレータに吸収され、酸化剤ガスの流速が下がってもガス溝の閉塞が生じない場合は、酸化剤ガス流量を絞り込むことによりセル内部の酸素拡散について精度の高い診断が可能となり、インピーダンス測定のような複雑な構成も必要ない。
また、酸化剤ガスの流量増加を冷却水流量の絞込み後において行うことにより、セル温度が高温での保持時間を最小にしつつ、ガス拡散層全体に亘る効果的な水分除去を図ることができる。さらに、セル特性の回復操作後において、セルから排出する蒸気量と、流入する水流量、酸化剤極の生成水量、当該スタック出口の水流量とによる水バランスが維持されるため、長期的な水バランスのずれに起因するセルの特性低下を、運転を停止することなく解消することが可能となる。
[1.本実施形態]
[1.1.全体構成]
次に、本実施形態に係る燃料電池発電システムの全体構成について、図1を参照して以下に詳述する。図1は燃料電池発電システムのうち、本実施形態に関連する部位である、燃料電池スタック1、循環水系、酸化剤供給系、排熱処理系、計装・制御系を示したものである。なお、本発明に直接関係しないその他のシステムに関しては、図示せず説明は省略する。
図1の通り、燃料電池スタック1には当該スタック1内の電解質(例えば固体高分子膜)を酸化剤極(カソード)と燃料極(アノード)で挟持してなる単位セルを積層させてなる電池セルを冷却及び加湿するための水が流れる水循環系統2が接続されている。なお、燃料電池スタック1の具体的な構成は後述する。
また、この水循環系統2には、水を循環させる動力源となる水循環ポンプ3と、当該水循環ポンプ3の流量を調整するモータ可変速ドライブ4と、燃料電池スタック1における排熱を吸収した循環水を熱交換により除熱する除熱用熱交換器5と、循環する水を貯留する水タンク6と、燃料電池スタック1に流す水の流量を調整する圧力調整弁7とが設置されている。なお、水循環ポンプ3は燃料電池スタック1の下流に設置されている。
さらに、水循環系統2は、燃料電池スタック1の入口付近に、循環水の流量を把握するための循環水流量センサ8と、循環水の圧力を把握するための循環水圧力センサ9を設け、また電池スタック1の出口付近に循環水の温度を検知する循環水温度センサ10が設置されている。
また、燃料電池スタック1には、酸化剤ガスとして空気を当該スタック1に供給する空気ブロワ11が接続されている。この空気ブロワ11には、当該空気ブロワ11が供給する空気流量を調整するためのモータ可変速ドライブ12が接続されている。
なお、当該空気ブロワ11から供給される空気は、酸化剤として燃料電池スタック1に導入され、この導入後の空気のうち含有酸素の一部が燃料電池スタック1内の酸化剤極で消費される。そして、残りの含有酸素は、燃料電池スタック1の酸化剤ガス排気部に接続された凝縮器を兼ねる水タンク6内を通過して外部に排出される。
また、燃料電池スタック1から排出され水タンク6へ流入する酸化剤ガスの流路中に、酸化剤ガスの排気温度を計測する酸化剤ガス温度センサ13が設置されている。
なお、水循環系統2の循環水の状態量や燃料電池スタック1に供給する酸化剤ガスの流量等を制御する制御装置14が設けられている。具体的に、当該制御装置14には、水循環系統2内を流れる循環水の状態量を検知し循環水の流量を調整するため、前記循環水流量センサ8と、循環水圧力センサ9と、循環水温度センサ10と、圧力調整弁7が接続される。
さらに、燃料電池スタック1に供給された酸化剤ガスの排気温度を検知するため酸化剤ガス温度センサ13も接続される。なお、水循環系統2を循環する水の流量を調整する可変速ドライブ4と、酸化剤ガスの供給流量を調整するための記モータ可変速ドライブ12とにも接続されている。
また、図示しないが燃料電池スタック1内において生成されるセル電圧を検出するセル電圧検出手段と、セル内を流れる電流を検出するセル電流検出手段が前記制御装置14に接続されている。
[1.2.単位セルの構成(燃料電池スタック)]
次に、上記燃料電池スタック1を構成する電解質を酸化剤極と燃料極とで挟持した単位セルの具体的な構成について、図2を参照して説明する。なお、図2は単位セルの断面構造を示している。
図2の通り、単位セル15は、固体高分子電解質膜16を酸化剤極触媒層17と燃料極触媒層18が挟持した構造になっている。酸化剤極触媒層17と燃料極触媒層18のそれぞれに対し、固体高分子電解質膜16と逆側の面にカーボンペーパーからなるガス拡散層19a、19bが配置されている。なお、ここでは、ガス拡散層19a、19bが酸化剤極触媒層17と燃料極触媒層18を挟持したものを単位セルと称している。
また、前記単位セル15は冷却板を兼ねた多孔質セパレータ20に挟持されている。この多孔質セパレータは20は、単位セル15を挟んで燃料ガスや空気を遮断したり、ガス流路を設けて当該燃料ガスや空気をセル15に送り込む機能を有するものである。そのため、多孔質セパレータ20には、図2の通り、空気を送り込むための酸化剤ガス溝21と、冷却水を送り込むための水溝22と、燃料ガスを送り込むための燃料ガス溝23が設けられている。
ここで、燃料電池スタック1は、図1の通り、空気ブロワ11と水タンク6に接続されているため、空気ブロワ11から供給される空気は多孔質セパレータ20内の酸化剤ガス溝21を通過し、反応後は水タンク6に送られる。また、多孔質セパレータ20内の水溝22を流通する水は、水循環系統2を循環する水である。
なお、多孔質セパレータ20内の空隙は水で満たされており、水溝22を流通する水は多孔質セパレータ20内の空隙を通じて、ガス拡散層19a、19b、酸化剤ガス溝21、燃料ガス溝23と連通している。これにより、多孔質セパレータ20の毛管力によるシール性を保持している。
[1.3.作用]
次に、燃料電池発電システムにおいて本実施形態に係る基本的な作用を図3のフローチャートを参照して、以下に説明する。なお、本処理手順は大きく分けて、燃料電池スタック1内のセルの特性低下に対して、回復操作を実施するか否かの判定、回復操作の実行、回復操作実行後の効果検証の3動作からなり、全動作は制御装置14を介して指示される。すなわち、以下に説明する処理手順は当該制御装置14における制御である。
ここで、セルの特性低下に対して回復操作を行うか否かの判断に際し、まず、燃料電池発電システムが起動から所定の時間を経過した否かを判定する(STEP301)。これは、固体高分子形燃料電池の電圧低下には回復する部分と回復しない部分とがあり、特性の一部は起動・停止によって回復するため、起動から一定の連続運転がされているかを判断するものである。なお、具体的には、制御装置14等にタイマを設けておきシステムの駆動時間を記憶及び監視できるようにしておく。
そして、起動から所定の時間を経過している場合には(YES)、燃料電池スタック1内のセル電圧を電圧検出手段を通じて検知し、制御装置14において当該電圧の絶対値が所定値以下であるか、あるいは起動後の一定時間における電圧低下幅が基準値を超えているかを判断する(STEP302)。なお、STEP301において、システムの起動から一定時間連続運転がなされていない場合には(NO)、当該時間を経過するまで常時判定が行われる。
STEP302において、電圧検出手段により検出された電圧が所定値以下である、あるいは電圧低下幅が基準値を超えていると判断される場合には(YES)、後述する酸化剤流量の感度試験に先に立ち、前回行った特性の回復操作後から一定時間が経過しているか否かが判断される(STEP303)。ここで、以前に実施した回復操作からの経過時間が一定時間より短い場合は(NO)、セルの特性劣化が想定以上に進展している可能性があるため、制御装置14を介してアラーム#1を通知する(STEP304)。
経過時間が一定時間を超えている場合(YES)、又はSTEP304にてアラーム♯1を通知した場合においては、酸化剤極の拡散不良を想定して酸化剤流量感度試験を実施する(STEP305、306)。具体的な酸化剤流量感度試験の処理は後述するが、STEP305において酸化剤ガス流量の変化に基づく電圧勾配データを取得し、当該データに基づいてSTEP306によりセルの拡散不良を判断する。STEP306において拡散不良の進展が認められない場合は(NO)、想定外のモードによる劣化である可能性が高いため、アラーム#2を通知する(STEP307)。
一方、酸化剤流量感度試験の結果、拡散不良の進展が認められた場合は(YES)、セル特性の回復操作を実行する(STEP308)。この回復操作に関する具体的な処理も後述するが、当該回復操作の実施後、電圧検出手段により検出したセル電圧を制御装置14、あるいは別途設けることも可能である記憶部等に記録し(STEP309)、当該セル電圧が想定値以上に回復したかどうかが確認される(STEP310)。
セル電圧の想定値以上の回復が認められた場合は(YES)、セル特性が回復したものとしてシステム運転を継続する。一方、所定の特定回復が認められない場合は(NO)、アラーム#3を通知する(STEP311)。
上記のアラーム♯1〜3は、いずれも運転の継続に対して何らかの検討や制限が必要であることを示唆するものであり、アラーム♯2、3が通知された場合には、その対応として、遠隔操作や現地操作等で運転条件を調整する等の追加操作を行う(STEP312)。あるいは、運転状況によってはシステムの駆動を停止する(STEP313)。
[1.3.1.酸化剤流量感度試験]
次に、本実施形態に係る上記酸化剤流量感度試験の処理手順を図4及び5を参照して、以下に詳述する。図4は、酸化剤流量感度試験における、空気ブロワ11から供給される酸化剤ガスの流量と、セル内を流れる電流と、発生するセル電圧との推移を示したものである。
ここで、セル電圧は、燃料電池スタック1に設置される電位測定ピン等である電圧検出手段を介して検出された単位セル毎の電圧、複数セル毎の電圧、スタック全電圧データのうち、いずれかを代表するものとし、制御装置14において当該電圧値を管理している。なお、本試験は、図3のフローチャートにおいて検出されたセル電圧が所定値以下である、あるいはセル電圧の低下幅が基準値を超えている場合に、システム運転時の計画的な負荷変動が許容されるタイミングを選んで、酸化剤極の拡散不良を想定した酸化剤流量感度試験を実施している。
まず、図4の通り、電流検出手段により調整したセル内を流れる電流が一定、望ましくは定格電流の状況下において、A、B、C点に示されるように可速度ドライブ12を介して空気ブロワ11により酸化剤ガスの流量を増減させ、その際のセル電圧の変化を電圧検出手段を通じて測定する。ここで、A点における酸化剤ガス流量は、通常、セル電流から化学量論的に求められる酸素消費量を空気中の酸素濃度及び0.6で除した値、すなわち酸素利用率60%に相当する流量を用いている。
なお、上記の通り酸化剤ガスの流量は、制御装置14を通じて空気ブロワ11の回転数を制御することにより調整する。そのため、制御装置14により、A点の酸素利用率60%の酸化剤ガス流量を、空気ブロワ11の容量の範囲で望ましくは酸素利用率50%相当の流量であるB点まで増加させる。そして、この状態で一定時間、望ましくは5分以上保持した後、その間のセル電圧を電圧検出手段を通じて検出し、記録する。
その後、B点から空気ブロワ11を制御することによってガス流量を減少させ、望ましくは酸素利用率80%に相当する流量であるC点へと減少させる。そして、この状態で一定時間、望ましくは5分以上保持した後、その間のセル電圧を電圧検出手段を通じて検出し記録する。
なお、拡散不良が進展している場合において、C点の酸化剤ガス流量は特性が安定せず連続的に電圧が低下する可能性があるため、制御装置14により電圧検出手段を通じてセル電圧の絶対値を監視し、電圧が管理値を下回ると当該制御装置14が判断するときはセル電流を減少させる。その際の目標電流値は、C点での流量がA点における酸化剤ガス流量と比べて同等以下となるように設定する必要がある。
図4では、上記のような酸化剤ガス流量の変化に基づいた正常セルの電圧変化(a、b、c)と、拡散不良セルの電圧変化(a´、b´、c´及びc")の比較を示している。また、図5は、酸化剤ガス流量を横軸にとり、図4と同様に、正常セルの電圧変化(a、b、c)と、拡散不良セルの電圧変化(a´、b´、c´及びc")との比較を示している。
ここで、図4及び5を参照して、正常セルと拡散不良セルの両者を比較するにあたり、拡散不良の判定は、A点とB点での電圧の差をA点とB点での酸化剤ガス流量差で除した値によって判断される。すなわち、図5の通り、上記の電圧差を酸化剤ガス流量差で除した値は、正常セルではΔVbc/BC、拡散不良セルではΔVb´c´/BCとなる。
そして、制御装置14により、この拡散不良セルのΔVb´c´/BCの値が、閾値以上であるか否かが判定され、閾値以上である場合には拡散不良が進展していると判断される。また、c"点における電圧のように、安定せず連続的に電圧が低下する場合も拡散不良が進展していると判定する。
上記の判定に関して図3のフローチャートで言えば、上記の酸化剤ガス流量感度試験の実施手順は、まずSTEP305において、上記のA点とB点での電圧の差をA点とB点での酸化剤ガス流量で除した値であるΔVb´c´/BCを取得する。具体的には制御装置14が空気ブロワ11を介して酸化剤ガス流量を変化させることにより、電圧検出手段を通じてその間のセル電圧を検出しΔVb´c´/BCを算出する。
そして、STEP307において、当該取得したΔVb´c´/BCが所定の閾値以上であるかを制御装置14により判断し、閾値以上であった場合には(YES)、後述するセル特性の回復操作が実施される。一方、閾値よりも電圧勾配が小さい場合には、拡散不良でない別の要因の可能性があるとして、前述の通り、アラーム♯2が通知される(STEP307)。
[1.3.2.セル特性の回復処理]
次に、セルの拡散不良が進展していると判定された場合に制御装置14を通じて行うセルの回復操作に関して、図6及び7を参照して以下に説明する。なお、図6の通り、一連の操作の間、燃料電池スタック1を流れる電流、酸化剤ガス温度、燃料電池スタック1に流入する冷却水入口温度は一定に維持される。
すなわち、制御装置14は、電流検出手段を通じてセル内に流す電流を、また循環水温度センサ10を介して冷却水温度を、酸化剤ガス温度センサ13を介して酸化剤ガス温度を検知し、一定に制御している。
この状況下で、制御装置14は、まず圧力調整弁7を調整することにより、水循環系統2を循環する冷却水の圧力を低下させる。そして、水循環ポンプ3の回転数を低下させることで、燃料電池スタック1を介して流れる水の流量を定常運転時の10%以下にまで制御する。
それと共に、水の流量の低減に合わせて圧力調整弁7の開度を絞り、水循環系統2の負圧を維持するよう制御する。なお、酸化剤ガス温度センサ13を介して、燃料電池スタック1の酸化剤出口付近のガス温度を監視し、当該温度を85℃以下に維持する。
そして、当該ガス温度を監視しつつ所定の時間この状況を保持し、その後、制御装置14は空気ブロワ11の回転数を上げるよう調整することで酸化剤ガスの流量を増加させる。また、この際、酸化剤ガス温度センサ13を介して、燃料電池スタック1の酸化剤出口付近のガス温度を監視し、当該温度が80℃以下であるかを確認する。
そして、燃料電池スタック1の酸化剤出口付近のガス温度を監視しつつ所定の時間この状態を保持し、その後、空気ブロワ11を制御することにより酸化剤流量を維持したまま水循環ポンプ3を調整することで冷却水流量を増加させ、元の流量に戻す。なお、その際も、圧力調整弁7を調整することで、水循環系統2の負圧が維持されるよう制御する必要がある。
そして、一定に維持していた酸化剤ガス流量を空気ブロワ11の回転数を減少させることで低減させ元の流量に戻し、さらに圧力調整弁7の開度を拡げることにより負圧の冷却水の圧力を元に戻すよう制御する。
[1.4.原理と具体的な処理手順]
[1.4.1.酸化剤ガス流量感度試験]
次に酸化剤ガス流量感度試験の原理を以下に詳述する。なお、一例として、燃料電池スタック1内の酸化剤極のガス拡散層19a、bにおいて酸素の拡散不良が生じている場合を想定し、システムの運転を中止することなく当該感度試験を実施するケースを説明する。
上述した従来技術と同様に、ガス拡散層19a、bの外側の酸素分圧をP2、酸素濃度をC2、触媒層とガス拡散層19a、bの境界面での酸素分圧をP1、酸素濃度をC1、ガス拡散層の有効厚さをδ、有効拡散係数をDeとすると、ガス拡散層における酸素拡散速度に起因するセル電圧の低下量である拡散分極ηdは電流密度iにおいて次のように示すことができる。
[数1]
ηd=−b×Ln(P1/P2)=−b×Ln(C1/C2)
=−b×Ln[1−i/(4F×De×C2/δ)] =−b×Ln[1−i/I
すなわち、前記の通り、電流密度iが限界電流密度I=4F×De×C2/δに近づくに従って電圧低下量ηbは大きくなるため、同じ電流であっても、有効拡散係数Deが小さくなることによって特性が低下する。
ここで、上述のように図4に示す操作により、セル電流を一定にして酸化剤ガスの流量をA点、B点そしてC点と増減させることにより、ガス拡散層19a、bの外側の酸素分圧P2を増減させることができる。そのため、酸化剤ガスのモル流量Nとガス拡散層19a、bの外側での平均的な酸素分圧P2との関係は、セル入口での酸素分圧Pin、酸素濃度Cin、酸素利用率Uox、電流密度i、反応面積A、セル数n、ガス定数R、ガス温度Tとして以下の[数5]〜[数7]のように表される。
[数5] P2 =(Pin)×(−Uox)/Ln(1−Uox)
[数6] Uox=n×i×A/(4×F×Cin×N)
[数7] Cin=Pin/(R×T)
つまり、ガス温度Tと、酸素濃度Cinと、電流iが一定のもとでは、酸化剤ガス流量Nを増加させるとUoxが減少することでP2が増加してηdが小さくなり、逆に酸化剤流量Nを減少させることでUoxが増大し、P2が減少することによりηdが大きくなる。また、水閉塞等によりガス溝に凝縮水が溜まるとガスの供給が阻害されるため、前記Uoが増加する(図5)。これにより、酸化剤ガスの流量を増減させることで変化したセル電圧量である酸化剤ガス感度に基づき、過度の拡散不良が生じるケースかどうかを判定することができる。
[1.4.2.多孔質セパレータのメリット]
ここで、上記酸化剤ガス流量感度試験における本実施形態の特徴は、上述した構成例の通り、多孔質セパレータ20により単位セル15を挟持する点と、水循環系統2に設置した圧力調整弁7を絞ることで、燃料電池スタック1を介して循環する冷却水を負圧に維持している点である。この構成及び状況下により、上記の酸化剤ガス流量感度試験を行うことで、電圧検出手段を通じたセル電圧変化の検出感度の向上に寄与している。
仮に、上記従来技術で述べたような、多孔質セパレータを使用せずに固体高分子形燃料電池発電システムで一般的に採用されている酸化剤ガスを外部で加湿しセル内に導入する方式では、ガス溝内に凝縮する生成水を当該ガス溝に沿って排除する必要がある。その際には、ガス拡散層19a、bの拡散不良に関してセル内部の診断が必要となり、酸化剤ガスの流量Nを減少させなければならない。この場合、[数8]に示すように、酸化剤ガスの流量Nを減少させることで同時に酸化剤ガスの溝内流速も下がってしまい、溝が凝縮水で閉塞する恐れがある。
[数8]
v=22.4×10−3×N/(n×nch×Ach)×(T/T0)×(P0/P)
ここで、nchは単位セルの酸化剤パス当たりの酸化剤ガス溝の数、Achは溝一本あたりの断面積、Tはシステム運転温度[K]、Pはシステム運転圧力[K]、T0は標準状態の温度[K]、P0は標準圧力[Pa]である。
すなわち、凝縮水による溝の閉塞が生じるとセル内部の酸素拡散の良し悪しに関係なく閉塞部下流での酸素不足によりセル特性が大きく低下してしまう。あるいは、ガス溝の閉塞と凝縮水の排除を繰り返すことで、セル特性が上下するといった現象が生じる。こうした現象が発生した場合には、セル内部の拡散低下を精度よく判定することが困難となる(図5を参照)。
また、先行文献の一つとして前述した特許文献6は、セルの診断に際し、インピーダンス測定を採用するという複雑な構成をとり設備にもコストを要する。これに対し、本実施形態では、多孔質セパレータを採用し、これにより両電極を挟持するので、ガス溝内の凝縮水が当該多孔質セパレータに吸収される。そのため、酸化剤ガスの流速が下がってもガス溝の閉塞が生じない場合には、酸化剤ガス流量を絞り込むことによりセル内部の酸素拡散について精度の高い診断が可能となり、インピーダンス測定のような複雑な構成は必要なくなる。
[1.4.3.セル回復処理]
[基本原理]
次に、上述したセル特性回復操作の基本原理について以下に詳述する。本実施形態における回復操作の基本的な原理は、運転条件の操作により水蒸気分圧、飽和蒸気圧、蒸発面積を制御装置14を介して制御し、積極的にガス拡散層19a、b内に蓄積された過剰水分を除去することである。
なお、ガス拡散層19a、b内の過剰水分を除去することは、ガス溝に隣接する当該ガス拡散層19a、bにおける拡散の改善のみならず、触媒層内における水バランスの改善にもつながる。
ここで、本実施形態に係る回復操作の技術的特徴は、制御装置14が水循環ポンプ3を制御することにより多孔質セパレータ20内を循環する冷却水の圧力を大気圧未満(負圧)に維持した状態で、圧力調整弁7を通じて冷却水の流量を絞り込み、一時的にセルを潜熱冷却状態にすることにある。また、ガス拡散層19aに凝縮した余剰水の排出を強化するため、同時に酸化剤ガスの流量も増加させている。
基本的な処理手順は、上述した通りで、改めて酸化剤極17のガス拡散層19a内での水のバランス式を記すと次の通りとなる。
[数9]
(ρxεxV)x(dS/dt)={dΔm/dt}
=Mw×(i/2F)+Mw×(ξ×i/F)−Mw×Dw(∂Pw/∂×) −{ρ×K×KL(S)/μ}×∇PL−Mw×km×Aev×(Psat−Pw)
ここで、[数9]の右辺の第1項は酸化剤極17の触媒層での反応生成水を示しており、Mwは水の分子量である。また、第2項はプロトンの移動に伴って燃料極から移動してくる随伴水を示しており、ξはプロトン一個当たりに随伴される水分子の数である。
第3項は酸化剤極17と燃料極18の間の水蒸気分圧差により酸化剤極17から燃料極18へ逆拡散する量を表し、Dwは固体高分子膜中の水の拡散係数である。第4項はガス拡散層19a、b内部における液体水の流動を示している。ここでμは水の粘性係数、Kはガス拡散層での液体水の透過係数、KL(S)は占積率による透過係数の変化割合、∇PLは液体水の圧力勾配を表すものである。
第5項はガス拡散層19aにおける水の蒸発又は凝縮を示すものである。ここで、kmは物質移動係数、Aevは単位体積当たりの蒸発面積、Pwは酸化剤ガス中の水蒸気分圧、Psatは飽和蒸気圧を表している。なお、Pw>Psatでは凝縮(占積率の増加)を、Pw<Psatでは蒸発(占積率の減少)を示している。
さて、このような[数9]によれば、酸化剤極17のガス拡散層19a内に蓄積された余剰水分の除去に当たり、第3項の逆拡散と、第4項の液体水の流動と、第5項の水の蒸発が影響する。
この3項のうち、多孔質セパレータ20を採用している本発明の構成では、第3項の逆拡散量は自律的に定まるので外部からの操作は困難である。また、第4項の液体水の流動に関しては、水の占積率が下がるに連れて水の透過率が小さくなる性質があるため、水の占積率を下げながら透過水量を増加させることは困難と判断される。
つまり、運転条件の操作により積極的にガス拡散層19a内に蓄積された余剰水分を除去する際には、制御装置14による、第5項における水蒸気分圧Pw、飽和蒸気圧Psat、蒸発面積Aevの制御が重要となる。なお、水蒸気分圧はガス系統からの蒸気搬出量であるガス流量、飽和蒸気圧はシステム運転温度、蒸発面積は負圧度の制御によって決定される。
[具体的な回復操作]
次に、本実施形態に係るセル特性の回復操作の具体的な処理手順を、図6〜15を参照し、上述した作用に基づいて、以下に説明する。
(1)まず、回復操作では、制御装置14が圧力調整弁7を調整し、水循環系統2の冷却水圧力を下げる(負圧度を上げる)よう制御する。そして、この操作に伴い、多孔質セパレータ20からガス拡散層19a、bへの吸引圧が強くなる。
なお、吸引圧が増加するだけでは、ガス拡散層19a、b全体における水の占積率は大きく変化しないが、冷却水圧力が変動することにより、図8に示すように当該ガス拡散層19a、b内での水の配置が一時的に変化する。そして、ガス拡散層19a、bのガス溝に対応する部分において、このガス拡散層19a、b内の蒸発面積([数9]におけるAev)が増加し、水分の蒸発が促進する。
(2)なお、制御装置14は、圧力調整弁7を調整することで水循環系統2を流れる循環水流量を絞り込み、燃料電池スタック1からの除熱を水の顕熱変化主体から潜熱変化主体に切り替える。この操作により発熱と除熱の平衡温度が上昇するため、図9の通り、冷却水流量を減らすと共に電池セル温度が上昇する。
本実施形態の場合、セルの温度は最高で80℃程度にまで上昇する。このセル温度の上昇により、飽和蒸気圧が上昇し、水蒸気による水搬出が増加する([数9]におけるPsatが増加する)。
ここで、通常運転時の燃料電池スタック1周りの熱バランスであるセルの熱収支と、回復操作時における電池スタック1周りの熱バランスであるセルの熱収支を比較すると、図10に示す通りとなる。図10によれば、燃料電池スタック1へ流入する水の量が減ると同時に水蒸気として持ち去られる熱量が増加するため、圧力調整弁7を調整することにより水流量を大幅に絞り込んでも除熱が可能である。
そのため、本発明は、通常運転時の2%〜3%でも熱的にはバランスするが、燃料電池スタック1内の各セパレータへの水配分均一化の点から水循環流量は燃料電池スタック1入口において通常運転時の10%程度としている。
なお、本実施形態のように多孔質セパレータ20を用いた加湿方式では、セル内での熱バランスと水バランスの結果として燃料電池スタック1出口での水流量が増減する。水蒸気での水搬出の増加を酸化剤極17の回復操作として有効に生かすためには、セル全体の水バランスだけではなく、酸化剤極17における水バランスに対する配慮が必要である。
ここで、図11を参照して、通常運転状態におけるセル全体の水バランスと酸化剤極17における水バランスについて説明する。図11では、燃料電池スタック1入口と当該電池スタック1の出口における水流量の変化はほとんどなく、電池全体の水バランスとしては酸化剤極17での生成水とガス系統からの搬出蒸気量がほぼバランスしている。
燃料電池スタック1における水バランス式は、次のように表すことができる。
[数10]
燃料電池スタック1出口での循環水流量=燃料電池スタック1入口での循環水流量+生成水量−ガス系搬出水量
ここで、上記ガス系搬出水量は搬出する蒸気量であり、以下のような式に表すことが可能である。
[数11]
ガス系搬出水量=Mw×[ {P´wc/(P´c−P´wc)}×{1/(Co×Uo)−1}×{n×I/(4×F)}+{P´wa/(P´a−Pwa)}×{1/(Ch×Uh)−1}×{n×I/(2×F)}−{Pwc/(Pc−Pwc)}/(Co×Uo)×{n×I/(4×F)}−{Pwa/(Pa−Pwa)}/(Ch×Uh)×{n×I/(2×F)}]
ここで、生成水量=Mw×n×(i/2F)
Mw:水の分子量[g/mol]
Pc :電池スタック酸化剤極入口ガスの絶対圧力[Pa]
Pwc:電池スタック酸化剤極入口ガスの水蒸気分圧[Pa]
P´c:電池スタック酸化剤極出口ガスの絶対圧力 [Pa]
P´wc:電池スタック酸化剤極出口ガスの水蒸気分圧[Pa]
Co:電池スタック酸化剤極入口酸素モル分率
Uo:酸素利用率
Pa:電池スタック燃料極入口ガスの絶対圧力[Pa]
Pwa:電池スタック燃料極入口ガスの水蒸気分圧[Pa]
P´a:電池スタック燃料極出口ガスの絶対圧力[Pa]
P´wa:電池スタック燃料極出口ガスの水蒸気分圧[Pa]
Ch:電池スタック燃料極入口水素モル分率
Uh:水素酸素利用率
n:電池スタック積層セル数
F:ファラデー定数[C/mol]
I:電池スタック電流[A]
ここで、生成水量>0であるので、この状況下では下記の関係を満足していると言える。
[数12]
燃料電池スタック1出口での循環水流量>燃料電池スタック1入口での循環水流量−ガス系搬出水量
この状態における酸化剤極17に注目した場合、図11の右側に示す通り、水蒸気として搬出される水の量は、酸化剤極17で生成される水と燃料極18から酸化剤極17へ流入する水の量と総和に対して少ないと判断でき、過剰な水は多孔質セパレータ20を通じて自律的に吸収し水循環系統2の循環水に合流する。なお、合流した水の大部分は、多孔質セパレータ20を通じて燃料極18側に供給されるので、この状態により凝縮水によるガス溝21への閉塞は回避され、尚且つ燃料極18側の乾燥も防止されている。
そのため、燃料電池スタック1を低温で運転してもこの水バランス状態が維持されるので、ガス拡散層19aの占積率が適切に維持されている場合には好ましい運転条件と言うことができる。しかし、ガス拡散層19a、bにおいて、過剰水によりガス拡散不良が生じている場合には、水蒸気としての水搬出が少なくなるので、酸化剤極拡散層19aの占積率を下げることができない。
そこで、上述したように、制御装置14を通じて圧力調整弁7を調整し循環水量を絞り込むことにより、セル温度の上昇に伴って飽和蒸気圧が上昇し、水蒸気による水搬出が増加する。これにより、蒸気として搬出される熱量が燃料電池スタック1の発熱量とバランスする点で温度が安定する。なお、この時の燃料電池スタック1の酸化剤出口ガスからの搬出蒸気量は、ガス入口でのエンタルピ、燃料電池スタック1の放熱や燃料ガス出口におけるエンタルピに比較して圧倒的に大きいので、実質的に以下のような関係が成り立つと考えられる。
[数13]
[電池スタック1出口での酸化剤モル流量×出口水蒸気モル分率×水蒸気モル蒸発熱(出口温度)]>[電池スタック1での水素消費モル流量×水素のモル発熱量(HHV)]−[電池スタック1電流×電池スタック1電圧]
ここで、燃料電池スタック1での水素消費モル流量は、以下のように表すことができる。
燃料電池スタック1での水素消費モル流量[mol/s]=n×I/(2xF)
n:電池スタック積層セル数
F:ファラデー定数[C/mol]
I:電池スタック電流[A]
このように循環水の流量を絞り込んだ際は、図12の通り、水出口での流量が大幅に減少し、その代わりに蒸気として搬出される量が大幅に増加する。つまり、循環水の流量に関して、燃料電池スタック1の入口と出口との関係において、次のような式が成り立つ。
[数14]
燃料電池スタック1出口での循環水流量<燃料電池スタック1入口での循環水流量
上式によれば、水出口での流量が大幅に減少し、蒸気として搬出される量が大幅に増加することが伺える。なお、蒸気として搬出される水のうち生成水相当量以外は、多孔質セパレータ20を通じて循環水の一部として自律的に分岐・補給されるので、電解質膜16の不必要な乾燥が生じることはない。
以上のように、循環水量を絞り込むことにより、セル温度の上昇に伴って飽和蒸気圧が上昇し、水蒸気による水搬出を増加させると、温度平衡に至るセル内の温度上昇が冷却水側からではなく反応部から生じるため反応部直近の滞留水が蒸発する。これにより、ガス拡散層19aにおける占積率を効果的に下げることが可能である。また、この状態では酸化剤極17の生成水及び燃料極18からの随伴水のすべてが蒸発するので新たな滞留が発生せず、上記同様占積率の低下を促すことができる。
ここで、酸化剤極17の水バランスに注目すると、蒸気として搬出すべき水は生成水に加えて燃料極18からの流入水(随伴水−逆拡散)も含まれるため、当該酸化剤極17から蒸気として搬出される水の量は生成水よりも多い必要がある。すなわち、燃料電池スタック1の発熱と循環水の蒸発がバランスする温度において、水による液体水の移動機構に頼ることなく、酸化剤極17から蒸発により搬出される水の量が燃料極18からの流入水量を上回れば良いので、単位セル15当たりの水のモル量バランスは次のように示すことができる。
[数15]
(i/2F)+(ξ×i/F)−Dw(∂Pw/∂x)<{Ps(T)/(Pc−Ps(T)}×{1/(Co×Uo)−1}×{n×I/(4F)}
T:(回復操作時の)酸化剤極出口温度
Ps:温度Tでの飽和蒸気圧
ξ:固体高分子膜の中を通過するプロトン一個当たりに随伴される水分子の数
Dw:固体高分子膜中の水の拡散係数
ここで、左辺を次のように表すことが可能である。
[数16]
(i/2F)+(ξ×i/F)−Dw(∂Pw/∂x)⇒(1+2α)×(i/2F)
=(1+2α)×生成水量
ここで、酸化剤極17における水搬出量は、燃料電池スタック1出口において水循環系統2から失われる水とほぼ同量となることから、[数15]の右辺を次のように表すことができる。
[数17]
燃料電池スタック1入口での循環水流量>燃料電池スタック1出口での循環水流量+(1+2α)×生成水量
なお、本実施形態のように多孔質セパレータ20を使用した加湿では、燃料極18が均一に加湿されるので、運転状態はα>0である。また、固体電解質膜16が飽和蒸気と接している状態でξ≒1、液体水と接している場合でξ≒2〜3であるので、逆拡散を考慮するとα<3であると把握される。これにより、燃料電池スタック1全体で考えると、圧力調整弁7を調整し循環水量を絞り込んだ状態において、以下の式により示すことができる。
[数18]
燃料電池スタック1入口での循環水流量>燃料電池スタック1出口での循環水流量+1×生成水量
かつ
燃料電池スタック1入口での循環水流量<燃料電池スタック1出口での循環水流量+7×生成水量
なお、生成水量は、以下のように表される。
[数19]
生成水量[g/s]=Mw×n×I/(2×F)
Mw:水の分子量[g/mol]
n:電池スタック積層セル数
F:ファラデー定数[C/mol]
I:電池スタック電流[A]
一般に運転温度が高くなるほど固体電解質膜16の材料劣化が加速されることが知られているが、以上のことから本操作は間欠的に実施されるものであり、当該劣化の影響を最小限に留めることが可能となる。また、酸化剤極17の排気温度を酸化剤ガス温度センサ13を通じて監視することができるので、燃料電池スタック1の過熱を防止することができる。
さらに、酸化剤ガスの燃料電池スタック1からの酸化剤ガスの出口温度を酸化剤ガス温度センサ13を通じて参照することで、水循環量が低減し、あるいは不足する状態となっても正確に燃料電池スタック1の過熱を検出することができる。また、本発明は多孔質セパレータ20を採用し、水循環系統2を負圧に維持したまま水バランスの状況に応じて自律的に水排出と水供給を切り替えることが可能となるので、セル損傷のリスクを避けながら過剰水の除去操作を実施することができる。
なお、システム全体の水バランスとしては、燃料電池スタック1出口での循環水量が減少するため、燃料電池スタック1から水循環系統2を通じて水タンク6に戻る水は減少するものの、燃料電池スタック1の酸化剤出口ガス中の蒸気を水タンク6内で凝縮させることで水循環系統2から蒸気として失われた水の大部分は回収可能である。
(3)次に、制御装置14は、空気ブロワ11を介して燃料電池スタック1に供給する酸化剤ガス流量を増加させるよう制御する。すなわち、この操作により酸化剤ガスの流量が増加するので、セルにおける蒸発水の搬出を促進させることができる([数9]におけるPwが減少する)。
なお、本実施形態によれば、燃料電池スタック1に供給する酸化剤ガスを予熱していないため、セル温度が下がり飽和蒸気圧が低下するが、増加する蒸気の搬出流量が大きいのでその分をカバーすることができる(図12)。ここで、この際の熱量の搬出は、ほぼ酸化剤ガスによるものと考えることができるので以下の関係式が成立する。
[数20]
[電池スタック1出口での酸化剤モル流量×出口水蒸気モル分率×水蒸気モルエンタルピ(出口温度)]−[電池スタック1入口での酸化剤モル流量×入口水蒸気モル分率×水蒸気モルエンタルピ(入口温度)]
>[電池スタック1での水素消費モル流量×水素のモル発熱量(HHV)]−[電池スタック1電流×電池スタック1電圧]
ここで、電池スタック1における水素消費モル流量は次のように表される。
[数21]
電池スタック1での水素消費モル流量[mol/s]=n×I/(2×F)
n:電池スタック積層セル数
F:ファラデー定数[C/mol]
I:電池スタック電流[A]
以上のように、酸化剤ガスの流量増加を冷却水流量の絞込み後において行うことに本実施形態の特徴がある。つまり、冷却水の流量を絞り込むことでセル反応部における温度上昇を先行させ、そして反応部直近の滞留水を蒸発させた後、蒸気の搬出量の増加と運転温度上昇を抑制するために酸化剤ガス流量を増加させている。これにより、セル温度が高温での保持時間を最小にしつつ、ガス拡散層19a全体に亘る効果的な水分除去を図ることができる。
(4)次に、セル特性の回復操作の終了手順を以下に説明する。
制御装置14は、増加状態を維持していた酸化剤ガス流量の低減制御に先立ち、まず水循環ポンプ3の回転数を上げることにより、循環する冷却水量の増加を図る(元の状態に戻す復旧作業)。そして、この冷却水量の増加に伴い、セル温度は通常運転レベルまで低下する。
なお、酸化剤ガスの流量を高く維持した状況下において冷却水量を増加させるので、セル温度の低下を早めつつ、温度変化に伴う凝縮を回避することが可能となる。そして、空気ブロワ11の回転数を低下するよう制御することにより、酸化剤ガスの流量を低減させ、通常の流量状態に復旧させる。
以上のような、本実施形態の燃料電池発電システム及びその制御方法によれば、図13の通り、回復操作後において、燃料電池スタック1内のセルにおいて排出する蒸気量と、流入する水流量、酸化剤極17での生成水量、当該スタック1出口の水流量とによる水バランスが維持される。そのため、長期的な水バランスのずれに起因するセルの特性低下を、運転を停止することなく解消することが可能となる。
また、図14の通り、セル電圧の長期安定性に関して、上記実施形態による回復操作を行った場合には、回復操作前より格段にセル電圧の安定性が改善されることが把握される。このような本発明によれば、燃料電池スタック1内のセルの材料寿命を確保しつつ特性低下を抑えることができ、さらには燃料電池の商品価値の向上に大いに寄与する。さらに、図15によれば、時間軸を基準とした本発明による回復操作を周期的に実施した場合と不実施の場合のセル電圧低下を比較しているが、回復操作の実施後はセル電圧が急速に降下することもなくセル劣化の防止が顕著に確認される。
本実施形態に係る燃料電池発電システムを示す概略図 本実施形態に係る燃料電池セルの構成を示す断面図 本実施形態に係る燃料電池発電システムの処理手順を示すフローチャート 本実施形態に係る酸化剤ガス流量感度試験の処理フローを示す図 本実施形態に係る酸化剤ガス流量感度試験においてセルの電圧変化を示す図 本実施形態に係る酸化剤極回復操作の処理フローを示す全体図 本実施形態に係る酸化剤極回復操作の処理フローを示す部分図 本実施形態に係る冷却水圧力変動に対する蒸発面積の変動を示す図 本実施形態に係る回復操作におけるセル温度と潜熱冷却比を示す図 通常運転時及び本実施形態に係る回復操作時の燃料電池セル周りの熱バランスを示す図 通常運転時における燃料電池スタック周りおよび酸化剤極の水バランスを示す図 本実施形態に係る回復操作時における燃料電池スタック周り及び酸化剤極の水バランスを示す図(1) 本実施形態に係る回復操作時における燃料電池スタック周り及び酸化剤極の水バランスを示す図(2) 本実施形態に係る燃料電池セルの性能改善効果を示す図 本実施形態に係る燃料電池セルの経時劣化の改善効果を示す図 従来の家庭用燃料電池発電システムの構成を示す図 固体高分子形燃料電池セルの発電原理を示す断面図 一般的な固体高分子形燃料電池発電システムにおける燃料電池セルの加湿方法の一例を示す概略図
符号の説明
1…燃料電池スタック
2…水循環系統
3…水循環ポンプ
4…モータ可変速ドライブ
5…除熱用熱交換器
6…水タンク
7…圧力調整弁
8…循環水流量センサ
9…循環水圧力センサ
10…循環水温度センサ
11…空気ブロワ
12…モータ可変速ドライブ
13…酸化剤ガス温度センサ
14…制御装置
15…単位セル
16…電解質膜
17…酸化剤極
18…燃料極
19a、b…ガス拡散層
20…多孔質セパレータ
21…酸化剤ガス溝
22…水溝
23…燃料ガス溝
30…発電ユニット
31…燃料電池スタック
32…燃料処理系
33…酸化剤供給系
34…熱管理システム
35…電力変換装置
40…熱利用ユニット
41…温水循環ライン
42…加湿器

Claims (13)

  1. 電解質を、各々触媒と多孔質拡散領域を含む酸化剤極と燃料極により挟持した燃料電池単位セルを積層し、当該単位セル間に多孔質セパレータが挿入された燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックを介して冷却水を循環させる水循環系と、を備えた燃料電池発電システムにおいて、
    前記水循環系を流れる循環水の流量を調整する循環水流量調整手段と、
    前記水循環系を流れる循環水の圧力を調整する循環水圧力調整手段と、
    前記燃料電池スタックにおける電圧を検出する電圧検出手段と、を備え、
    前記循環水圧力調整手段は、前記燃料電池スタックに流入する循環水の圧力を負圧に調整し、前記電圧検出手段により前記燃料電池スタックの電圧低下を検出した場合には、前記循環水流量調整手段が前記水循環系を流れる循環水の流量を減少させ、所定時間後に当該流量を減少前の流量に戻すよう調整することを特徴とする燃料電池発電システム。
  2. 前記電圧検出手段により前記燃料電池スタックの電圧低下を検出し、前記循環水流量調整手段が前記水循環系を流れる循環水の流量を減少させた場合に、以下の関係を具備することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電システム。
    燃料電池スタック出口での循環水流量<燃料電池スタック入口での循環水流量
  3. 前記電圧検出手段により前記燃料電池スタックの電圧低下を検出し、前記循環水流量調整手段が前記水循環系を流れる循環水の流量を減少させた場合に、以下の関係を具備することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電システム。
    燃料電池スタック出口での循環水流量>0
    かつ
    燃料電池スタック入口での循環水流量>燃料電池スタック出口での循環水流量+1×生成水量
    かつ
    燃料電池スタック入口での循環水流量<燃料電池スタック出口での循環水流量+7×生成水量

    ここで、生成水量=Mw×n×(I/2F)
    Mw:水の分子量[g/mol]
    n:電池スタック積層セル数
    F:ファラデー定数[C/mol]
    I:電池スタック電流[A]
  4. 前記循環水流量調整手段が前記水循環系を流れる循環水の流量を減少させる以前に、前記燃料電池スタックにおいて以下の関係を具備することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池発電システム。
    燃料電池スタック出口での循環水流量=燃料電池スタック入口での循環水流量+生成水量−ガス系搬出水量

    ここで、
    ガス系搬出水量=Mw×[ {P´wc/(P´c−P´wc)}×{1/(Co×Uo)−1}×{n×I/(4×F)}+{P´wa/(P´a−Pwa)}×{1/(Ch×Uh)−1}×{n×I/(2×F)}−{Pwc/(Pc−Pwc)}/(Co×Uo)×{n×I/(4×F)}−{Pwa/(Pa−Pwa)}/(Ch×Uh)×{n×I/(2×F)}]
    生成水量=Mw×n×(i/2F)
    Mw:水の分子量[g/mol]
    Pc :電池スタック酸化剤極入口ガスの絶対圧力[Pa]
    Pwc:電池スタック酸化剤極入口ガスの水蒸気分圧[Pa]
    P´c:電池スタック酸化剤極出口ガスの絶対圧力 [Pa]
    P´wc:電池スタック酸化剤極出口ガスの水蒸気分圧[Pa]
    Co:電池スタック酸化剤極入口酸素モル分率
    Uo:酸素利用率
    Pa:電池スタック燃料極入口ガスの絶対圧力[Pa]
    Pwa:電池スタック燃料極入口ガスの水蒸気分圧[Pa]
    P´a:電池スタック燃料極出口ガスの絶対圧力[Pa]
    P´wa:電池スタック燃料極出口ガスの水蒸気分圧[Pa]
    Ch:電池スタック燃料極入口水素モル分率
    Uh:水素酸素利用率
    n:電池スタック積層セル数
    F:ファラデー定数[C/mol]
    I:電池スタック電流[A]
  5. 前記電圧検出手段により前記燃料電池スタックの電圧低下を検出し、前記循環水流量調整手段が前記水循環系を流れる循環水の流量を減少させた場合に、以下の関係を具備することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池発電システム。
    [電池スタック出口での酸化剤モル流量×出口水蒸気モル分率×水蒸気モル蒸発熱(出口温度)]>[電池スタックでの水素消費モル流量×水素のモル発熱量(HHV)]−[電池スタック電流×電池スタック電圧]

    ここで、燃料電池スタックでの水素消費モル流量[mol/s]=n×I/(2xF)
    n:電池スタック積層セル数
    F:ファラデー定数[C/mol]
    I:電池スタック電流[A]
  6. 前記循環水圧力調整手段は、前記循環水流量調整手段が前記水循環系を流れる循環水の流量を減少させ、所定時間後に当該流量を減少前の流量に戻した後に、負圧にした前記循環水の圧力を増加させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池発電システム。
  7. 前記燃料電池スタックの酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス系と、
    当該酸化剤ガス系を流れる酸化剤ガスの流量を調整する酸化剤ガス流量調整手段と、を備え、
    前記酸化剤ガス流量調整手段は、前記循環水流量調整手段により前記水循環系を流れる循環水の流量を減少させた以降に、前記酸化剤ガスの流量を増加させ、所定時間後に前記循環水流量調整手段により前記循環水の流量を減少前の流量に戻した以降に当該酸化剤ガスの流量を減少させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池発電システム。
  8. 前記循環水圧力調整手段は、
    前記循環水流量調整手段が前記水循環系を流れる循環水の流量を減少させ、所定時間後に当該流量を減少前の流量に戻した以降、
    かつ
    前記酸化剤ガス流量調整手段を通じて当該酸化剤ガスの流量を減少させた以降に、
    負圧にした前記循環水の圧力を増加させることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池発電システム。
  9. 前記燃料電池スタックから排出される酸化剤ガスの温度を検出する酸化剤ガス温度検出手段を備え、
    当該酸化剤ガス温度検出手段が前記燃料電池スタックの温度を監視し、所定の閾値を超えると判断する場合には、
    前記循環水流量調整手段が、前記水循環系に流れる循環水を流量を増加させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の燃料電池発電システム。
  10. 前記燃料電池スタックに流れる電量を検出し、制御する電流検出手段を備え、
    当該電流検出手段は、前記燃料電池スタックに流れる電流を一定に保持し、この状況下において前記電圧検出手段が前記燃料電池スタックの電圧を検出することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の燃料電池発電システム。
  11. 前記多孔質セパレータは、
    前記循環水が流れる水流路と、燃料極へ流れる燃料ガスのガス流路と、酸化剤ガス流路と、が多孔質部材上に形成され、
    かつ、前記酸化剤ガス流路が、前記酸化剤極の多孔質ガス拡散領域及び前記燃料ガス流路が前記燃料極の多孔質ガス拡散領域に各々接触していることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の燃料電池発電システム。
  12. 電解質を酸化剤極と燃料極により挟持した燃料電池単位セルを積層し、当該単位セル間に多孔質セパレータが挿入された燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックを介して冷却水を循環させる水循環系と、コンピュータを有する制御装置と、を備えた燃料電池発電システムの制御方法において、
    前記制御装置は、
    前記水循環系を流れる循環水の流量を調整する循環水流量調整ステップと、
    前記水循環系を流れる循環水の圧力を調整する循環水圧力調整ステップと、
    前記燃料電池スタックにおける電圧を検出する電圧検出ステップと、を実行し、
    前記循環水圧力調整ステップにより、前記燃料電池スタックに流入する循環水の圧力を負圧に調整し、前記電圧検出ステップで前記燃料電池スタックの電圧低下を検出した場合には、前記循環水流量調整ステップにより前記水循環系を流れる循環水の流量を減少させ、所定時間後に当該流量を減少前の流量に戻すよう調整することを特徴とする燃料電池発電システムの制御方法。
  13. 前記電圧検出ステップにより前記燃料電池スタックの電圧低下を検出し、前記循環水流量調整ステップで前記水循環系を流れる循環水の流量を減少させた場合に、以下の関係を具備することを特徴とする請求項12に記載の燃料電池発電システムの制御方法。
    燃料電池スタック出口での循環水流量>0
    かつ
    燃料電池スタック入口での循環水流量>燃料電池スタック出口での循環水流量+1×生成水量
    かつ
    燃料電池スタック入口での循環水流量<燃料電池スタック出口での循環水流量+7×生成水量

    ここで、生成水量=Mw×n×(I/2F)
    Mw:水の分子量[g/mol]
    n:電池スタック積層セル数
    F:ファラデー定数[C/mol]
    I:電池スタック電流[A]
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