JP2001176529A - 固体高分子型燃料電池本体および固体高分子型燃料電池発電システム - Google Patents

固体高分子型燃料電池本体および固体高分子型燃料電池発電システム

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JP2001176529A
JP2001176529A JP35946099A JP35946099A JP2001176529A JP 2001176529 A JP2001176529 A JP 2001176529A JP 35946099 A JP35946099 A JP 35946099A JP 35946099 A JP35946099 A JP 35946099A JP 2001176529 A JP2001176529 A JP 2001176529A
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fuel
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JP35946099A
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Taiji Kogami
泰司 小上
Atsushi Oma
敦史 大間
Akio Kano
昭雄 狩野
Atsuo Muneuchi
篤夫 宗内
Michio Hori
美知郎 堀
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】固体高分子型燃料電池および固体高分子型燃料
電池システムの簡素化、コンパクト化/軽量化、高信頼
性化、さらにはそれらによる低コスト化を図る。 【解決手段】固体高分子膜の両面に触媒層を有する燃料
極と触媒層を有する酸化剤極をそれぞれ配置した単位電
池を、両面に燃料ガス供給溝と酸化剤ガス供給溝をそれ
ぞれ設けた反応ガス供給セパレータを介して複数積層し
た固体高分子型燃料電池本体において、少なくとも前記
燃料極の触媒層と前記燃料ガス供給溝の間に設けた多孔
質性の撥水層と、前記反応ガス供給セパレータの少なく
とも片面に設けた前記の燃料ガス供給溝の燃料ガス導入
部に液状の水を供給する水供給手段と、前記燃料ガス導
入部に供給する水量を制御する手段を具備したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子膜を電
解質として用いた固体高分子型燃料電池本体および固体
高分子型燃料電池発電システムに関するものであり、特
に固体高分子型燃料電池発電システムのコンパクト化/
軽量化および低コスト化が可能であり、安定して運転す
るための固体高分子膜への水分補給方法および燃料電池
本体の冷却方法、ならびに固体高分子型燃料電池発電シ
ステムの運転制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は水素等の燃料ガスと空気等の
酸化剤ガスを電気化学的に反応させることにより、燃料
ガスのもつ化学的エネルギーを電気エネルギーに変換す
るものである。
【0003】図12は、この燃料電池の一例である従来
の固体高分子型燃料電池本体の一例を説明するための概
念断面図であり、燃料電池本体11は以下に述べる基本
構成01を複数機械的に積重ねて各々を電気的に直列接
続したものである。各基本構成01は、イオン導電性を
有する固体高分子膜1の対向する板面に、サブストレー
ト41と触媒層42からなる燃料極(電極)2及びサブ
ストレート43と触媒層44からなる酸化剤極(電極)
3を当設(触媒層42、43が固体高分子膜1に対向す
るように当設)してなる単位電池4と、燃料極2に反応
ガスを供給するための燃料ガス供給溝46が形成された
導電性を有するガス不透過性の燃料ガス供給セパレータ
5を当設し、燃料ガス供給セパレータ5に冷却水供給溝
47を設けた冷却水供給セパレータ7を当設し、また酸
化剤極3に反応ガスを供給するための酸化剤ガス供給溝
48が形成された導電性を有するガス不透過性の酸化剤
ガス供給セパレータ6を当設したものである。
【0004】ここで、ガス供給セパレータ5,6に設け
たガス供給溝46,48はlmmピッチ程度の複数の溝
からなる。このため、機械加工などによりガス供給溝4
6,48を形成すると極めて製造コストが高くなること
から、最近では膨張黒鉛等の比較的柔らかいカーボン板
をプレス成形することによりガス供給溝を形成する試み
がなされている。前記のプレス成形セパレータは量産に
適しており、将来の大幅な製造コスト低減になることが
期待されている。
【0005】さて、燃料極2に水素を主成分する燃料ガ
スを、酸化剤極3に空気などの酸化剤ガスをそれぞれ供
給すると単位電池4の一対の電極で下記の電気化学反応
が進行し、電極2,3間で起電力が生じる。
【0006】 燃料極2:2H→4H+4e (2)式 酸化剤極3:O+4H+4e→2HO (3)式 燃料極2の触媒層42では(2)式に示すように供給し
た水素は水素イオンと電子に解離する。水素イオンは固
体高分子膜1を通って、電子は外部回路を通って酸化剤
極3にそれぞれ移動する。
【0007】一方、酸化剤極3の触媒層44では(3)
式に示すように供給した酸化剤ガス中の酸素と上記の水
素イオンおよび電子が反応して水を生成する。このと
き、外部回路を通った電子は電流となり電力を供給する
ことができる。
【0008】なお、(2)式、(3)式の反応により生
成した水は電池で消費されなかったガス(既反応ガス)
と共に電池外に排出され、さらに(3)式の反応は発熱
反応であることから、燃料電池の発電に伴い燃料電池本
体11は発熱する。
【0009】このため通常、冷却水供給セパレータ7に
冷却水を流通するか、後に示す酸化剤極3での水の蒸発
を利用した潜熱冷却方式により燃料電池本体11の冷却
を行っている。なお、潜熱冷却方式では冷却水供給セパ
レータ7に供給する水量を低減できるか、または冷却水
供給セパレータ7が不要となる。
【0010】ところで、イオン導電性を有する固体高分
子膜1であるパーフルオロカーボンスルホン酸(ナフィ
オンR:米国、デュポン社)等で知られているが、この
固体高分子膜1は分子中に水素イオンの交換基を持ち、
飽和含水することによりイオン導電性電解質として機能
し、逆に膜の含水量が少なくなるとイオン抵抗が高くな
り電解質の機能が低下する特徴がある。このため、固体
高分子型燃料電池において、高い電池性能を得るために
は固体高分子膜1を常に飽和含水としておくことが必要
となる。
【0011】一方、固体高分子型燃料電池は通常80℃
程度で運転するため、反応ガスの飽和水蒸気分圧(0.
47kg/cm@80℃)は高く、乾燥した反応ガス
を供給すると反応により生じる生成水は水蒸気となり、
固体高分子膜1は乾燥傾向となる。
【0012】このことから、固体高分子型燃料電池を運
転するときは供給する反応ガスを予め加湿することが一
般的である。反応ガスを加湿する手段としては加湿器が
用いられる。
【0013】加湿器の例としては、タンクに蓄えた加湿
水に反応ガスをバブリングして加湿するバブラー加湿方
式や、燃料電池本体の冷却を終えた冷却水と反応ガスと
を水分透過膜を介して接させて加湿する膜加湿方式(特
開平3−20971号公報)等が挙げられる。上記の加
湿方法によれば、電池運転中でも固体高分子膜を湿潤状
態に維持でき、高い電池性能を得ることができる。
【0014】固体高分子膜を湿潤状態に維持する別の加
湿手段として、反応ガスと共に直接水を燃料電池本体に
供給する方法が、特開平1−140562号公報、特開
平1−309263号公報、特開平5−41230号公
報、特開平7−220746号公報に開示されている。
上記方法によれば、反応ガスと共に電池本体に供給した
水は固体高分子膜を直接濡らし、膜を湿潤状態に維持す
ることができる。
【0015】さらに、特開平1−140562号公報に
は、燃料極に供給した水が゛酸化剤極に移動水して反応
生成水と共に蒸発することで、その蒸発潜熱により燃料
電池本体を冷却できるため冷却水供給セパレータが不要
になることが公開されている。
【0016】次に、従来の固体高分子型燃料電池発電シ
ステムについて、図13の系統図を参照して説明する
が、図13は流体制御用のバルブ、温度や圧力の測定機
器は省略している。
【0017】以下にシステムの構成を説明する。発電の
ための燃料として、メタノ一ル等の炭化水素を使用する
場合は、改質器10にて炭化水素と水蒸気を反応させ水
素を主成分とする燃料ガスに変換する必要がある。改質
された燃料ガスは燃料電池本体11に供給され水素が電
池反応により消費される。消費されなかった水素、CO
等の不活性ガスおよび水蒸気は燃料電池本体11から
既反応ガスとして排出される。
【0018】既反応ガスは電池出口で冷却器15により
冷却され水分を回収された後に改質器10にて燃焼す
る。なお、燃料として純水素を使用する場合は直接燃料
電池に供給できるため、改質器10は不要となりシステ
ムは比較的簡素化する。
【0019】酸化剤としては通常、空気を例えばブロア
14により昇圧し、燃料電池本体11に供給する。但
し、先に記載したように燃料電池本体11に供給する空
気は予め加湿が必要となるため、酸化剤ガス供給ライン
には加湿器12を設けている。
【0020】燃料電池本体11内で酸素が消費された残
りの既反応ガス、生成水、燃料極側から移動した水蒸気
は既反応ガスとして燃料電池本体11外へ排出される。
既反応ガスは電池出口において冷却器15により冷却さ
れ、ドレインポット16により水分を回収された後大気
に放出される。
【0021】ー方、燃料電池本体11は発電に伴い反応
熱を生成するため、水供給システム13からの冷却水
を、加湿器12と、冷却板17(図1の冷却水供給セパ
レータ7に相当)を順次介して水供給システム13に循
環することにより燃料電池本体11を冷却している。既
反応ガスおよび冷却水で回収した熱は温水として給湯で
きる。
【0022】また、固体高分子型燃料電池発電システム
では水の自立が必要不可欠であることから、上記のシス
テムでは燃料電池本体11から排出される既反応ガスに
含まれる水分を回収して、燃料改質、空気加湿、燃料電
池本体の冷却にそれぞれ使用している。
【0023】なお、反応ガスと共に直接水を燃料電池本
体に供給する方法では、供給水の蒸発潜熱により燃料電
池本体を冷却できるため、冷却水量を少なくできるか、
冷却水の循環を不要とすることができる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】固体高分子型燃料電池
発電システムは以下の特徴から定置用電源、車載用電源
としての開発が期待されている。
【0025】(1)固体高分子型燃料電池は室温からの
起動が可能である。
【0026】(2)通常の動作温度が比較的低いため、
安価な材料が使用でき将来の低コスト化が期待できる。
【0027】(3)発電効率が高く、高出力密度化が可
能である。
【0028】ー方、燃料電池発電システムを実用化する
ために解決しなければいけない課題として発電システム
のコンパクト化/軽量化、低コスト化、高信頼性化が挙
げられる。特に、車載用電源として使用するためにはコ
ンパクト化、軽量化は必須条件となる。
【0029】しかし、これまでの従来の技術では以下の
理由から上記の課題解決は困難であった。
【0030】(イ)燃料電池本体に供給する反応ガスを
予め加湿するシステムでは、反応ガスを加湿するために
燃料電池の既反応ガスから回収した水を使用するが、加
湿器12にて多量の水を反応ガス中に蒸発させる必要が
あり、その分の熱量(蒸発潜熱)を水に与えなければな
らず、大きな加湿器12が必要となる。このことが、発
電システムのコンパクト化、軽量化の妨げとなってい
た。
【0031】(ロ)燃料電池本体11の動作温度を冷却
水の循環により制御するシステムでは、多量の冷却水を
循環し温度制御するための大きな水供給システム(ポン
プ、ドレインポット、制御装置等)が必要となる。ま
た、燃料電池本体11の構成部材として発電に寄与しな
い冷却水供給セパレータが必要となるため燃料電池本体
が大きくなる。これらのことが、発電システムのコンパ
クト化/軽量化および低コスト化の妨げとなっていた。
【0032】(ハ)反応ガスと共に直接水を燃料電池本
体11に供給する方法では、水を反応ガス中に予め蒸発
させる必要がなく、加湿器12が不要となる。また、供
給水の蒸発潜熱により燃料電池本体を冷却できるため、
冷却水量を少なくできるか冷却水の循環を不要とするこ
とができる。このため、燃料電池システムをコンパクト
化/軽量化および低コスト化することが可能となる。
【0033】一方、本方式では複数の単位電池を積層し
てなる燃料電池本体11において、各単位電池に水を均
等に供給すること、供給する水量を適切に制御すること
が極めて重要となる。各単位電池への水の供給量が不均
一になると、一部の電池では供給水量が不足し、別の一
部の電池では供給水量が過剰となることがある。供給水
量が不足した電池では水の蒸発潜熱量が少なくなり温度
が上昇するため、電池特性は低下する。逆に、供給水量
が過剰となった電池では触媒層に水が蓄積されることに
より反応ガスの拡散が不良(フラッディング現象)とな
り、電池特性は低下する。また、供給する水量が少なか
ったり、逆に過剰である場合は同様に各単位電池で電池
電圧は急激に低下する。
【0034】これまでに、水の供給方法に関していくつ
かの技術が公開されている。しかし、複数の単位電池を
積層してなる燃料電池本体の各単位電池への均一配流が
考慮されていないものや、電池特性が供給水量に依存し
その許容範囲が狭いために供給水量を制御しても電池特
性が不安定となり燃料電池発電プラントとして安定した
運転ができないことが多かった。
【0035】また、負荷変動時は供給水の過不足が生じ
ため電池特性が不安定となっていた。またこれまで、安
定した運転が可能な供給水量を決定し制御する手段がな
かった。さらに、各単位電池に水を供給するための手段
が複雑であり、製造が困難であるものや製造コストが高
くなるため汎用の発電プラントには使用できないものも
あった。
【0036】例えば、特開平1−140562号公報で
は、アスピレータ効果により霧状の水を燃料極に供給す
ること、供給する水量を制御すること、燃料極の触媒層
に乾燥剤を設けることにより、前記霧状の水を固体高分
子膜に供給すると共に燃料電池本体を潜熱冷却する方法
が開示されている。
【0037】本技術では液状の水を予め霧状の水として
燃料極に供給することにより、燃料極における水分の分
布を均一として燃料極での局部的なフラッディングを防
止している。また、燃料極に乾燥剤を設けることにより
固体高分子膜に霧状の水を送っており、全体的なフラッ
ディングを防止するために供給する水量を7倍以下に制
御している。なお、液状の水を供給した場合、燃料極に
おいてフラッディングが局部的に生じることから本発明
では霧状の水を供給することが重要であることも開示さ
れている。
【0038】しかし、液状の水を霧状の水にするために
はにアスピレータ等の噴霧器が必要となる。また、供給
水量が多くなると霧状の水は凝集し液滴となり配管壁に
付着する。このため、多数の電池を積層したスタックに
霧状の水を含むガスを供給する場合、供給水の均一配流
は困難となる場合がある。特に発熱量が大きくなる高負
荷電流においては、各電池への水の均一配流は難しくな
る。
【0039】また、燃料極に乾燥剤を設けているため過
剰(生成水の7倍程度以上)の水量を供給すると燃料極
が全面的にフラッディングするために、供給水量を狭い
流量範囲で制御しなければならず、負荷変動による供給
水の制御追随性が問題となる。例えば、車載用の場合、
負荷変動幅が10倍程度必要となるが、負荷が10倍と
なった場合は供給不足となり、逆に負荷が1/10とな
った場合は燃料極がフラッディング現象を起こす。
【0040】上記のことから、本発電システムでは燃料
電池本体とは別個にアスピレータ等の噴霧器が必要とな
り、その分の設置スペースおよび機器費用が必要とな
り、コンパクト化/軽量化、低コスト化の観点から好ま
しくない。また、高電流負荷時や負荷変動時に水の均一
配流が困難となり、電池特性が不安定になると予想され
る。
【0041】また、特開平1−309263号公報で
は、燃料極に配置した多孔質性のプレートに水を圧入す
ることにより、固体高分子膜に水を供給すると共に過剰
の水を燃料ガス中に蒸発させることにより、その潜熱に
より燃料電池本体を冷却する方法が開示されている。
【0042】しかしながら、燃料極へ供給した燃料ガス
は燃料電池本体内で消費されるため、燃料電池本体がら
排出される燃料排ガス量は少なくなることから、運転条
件によっては燃料極での潜熱冷却量では燃料電池本体を
十分に冷却することはできないため、場合によっては冷
却板が必要となる。
【0043】また、供給する水量は燃料ガスと供給水の
微細な圧力差を制御して調整する必要があるために、水
量の調整が難しくなり、電池特性が不安定になる要因と
なる。以上のことは、コンパクト化/軽量化、低コスト
化、高信頼性化の観点から好ましくない。
【0044】また、特開平5−41230号公報では、
燃料ガスが流通する溝を形成した燃料極(リブ付き電
極)のリブ部に水を供給することにより固体高分子膜に
水を供給する方法が開示されている。この方法ではリブ
付き電極の気孔部への水のウイッキング現象を利用して
いるため、比較的均一に水を配流することができる。
【0045】しかしながら、電池本体の発熱を潜熱冷却
できる程度の量の水をリブ部に供給する場合は、リブ付
き電極の多くの気孔部は水で満たされることとなる。本
来、燃料ガスはリブ付き電極の気孔部を通じて燃料極の
触媒層に拡散する必要が有るが、気孔部に水が満たされ
ている場合、燃料ガスの拡散が阻害されること(フラッ
ディング現象)により電池電圧は低下する。このため、
供給する水量を多くすると安定した運転が困難となる。
よって上記の方法では電池本体の潜熱冷却は期待できな
い。また、燃料ガスが流通する溝をガス不透過性のセパ
レータに形成した場合、上記の方法は適用できなくな
る。
【0046】また、特開平7−220746号公報で
は、反応ガス供給溝を設けたセパレータに加湿水供給用
へッダと加湿水注入管を設けることにより、反応ガスに
水を供給する方法が開示されている。上記の方式ではガ
ス供給溝に直接水を供給することからセパレータ面内に
おいて比較的均一に水を配流することができる。
【0047】しかし、多数の単位電池を積層した燃料電
池スタックにおける各単位電池への均一配流に関する技
術は開示されていない。また、マニホールドに加湿水供
給用へッダと加湿水注入管を設け、注入管と反応ガス供
給溝を連結するには高い位置合わせ精度が要求される。
さらに、製品の品質管理が容易ではない。このため、セ
パレータの製造コストは非常に高くなり、コスト低減は
極めて難しくなる。
【0048】そこで、本発明の第1の目的は、複数の単
位電池を積層してなる燃料電池本体において、各単位電
池の燃料極に水を均等に供給することにより、反応ガス
を予め加湿しないでも固体高分子膜の乾燥を防止でき、
しかも冷却水循環システムを必要とせず高負荷時や大き
な負荷変動時においても安定した発電が可能となる燃料
電池本体を提供することである。
【0049】本発明の第2の目的は、複数の単位電池を
積層してなる燃料電池本体において、各単位電池に水を
均等に供給する安価な燃料電池本体手段を提供すること
である。
【0050】本発明の第3の目的は、大きな負荷変動時
でも燃料電池本体に供給する適切な水量を決定し、供給
水量を制御することにより、負荷変動に対して潜熱冷却
ができ安定した発電が可能な燃料電池発電システムを提
供することである。
【0051】本発明では以上のような事情に基づいてな
されたもで、固体高分子型燃料電池および固体高分子型
燃料電池システムの簡素化、コンパクト化/軽量化、高
信頼性化、さらにはそれらによる低コスト化を目的とし
ている。
【0052】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためのものである。以下に請求項毎にその構成と作
用を説明する。
【0053】請求項1に対応する固体高分子型燃料電池
本体は、固体高分子膜の両面に触媒層を有する燃料極と
触媒層を有する酸化剤極をそれぞれ配置した単位電池
を、両面に燃料ガス供給溝と酸化剤ガス供給溝をそれぞ
れ設けた反応ガス供給セパレータを介して複数積層した
固体高分子型燃料電池本体において、少なくとも前記燃
料極の触媒層と前記燃料ガス供給溝の間に設けた多孔質
性の撥水層と、前記反応ガス供給セパレータの少なくと
も片面に設けた前記の燃料ガス供給溝の燃料ガス導入部
に液状の水を供給する水供給手段と、前記燃料ガス導入
部に供給する水量を制御する手段を具備した固体高分子
型燃料電池本体である。
【0054】請求項1に対応する本発明によれば、燃料
ガスと共に供給した水の一部は燃料ガス供給溝で水蒸気
となり、燃料極に形成した多孔質体を通過し触媒層に到
達する。燃料極の触媒層では燃料ガスの消費に伴い水蒸
気は凝集して水となり固体高分子膜を通過して酸化剤極
に移動して蒸発する。
【0055】このことにより、固体高分子膜は常に湿潤
状態に維持され、酸化剤ガスの加湿が不要となる。
【0056】ここで、燃料極に形成した多孔質体は重要
な役割を果たす。すなわち、多孔質体は水蒸気を容易に
通過させるが、液体としての水の通過を防止することが
できるため、燃料ガス供給溝に過剰の水を供給すること
により、酸化剤極で蒸発する十分な水量を供給でき、し
かも触媒層の過剰濡れによる電圧低下を防止することが
できる。このため、負荷変動時には予め供給する水量を
多めに設定できることから、大きな負荷変動時でも安定
した運転が可能となる。
【0057】一方、酸化剤極では燃料極からの移動水と
電池反応で生成した反応水が蒸発する。水が蒸発すると
きに539cal/g程度の蒸発潜熱を吸収するため、
酸化剤ガスは電池反応により発生した熱を吸収し、燃料
電池本体を潜熱冷却して電池本体外部に排出される。潜
熱による冷却能力は燃料電池本体内での水の蒸発量に依
存するため、燃料電池本体の温度が高いほど、燃料電池
本体の温度と供給する酸化剤ガスの露点温度差が大きい
ほど、また、酸化剤ガスの利用率が低いほど、水の蒸発
量が増し潜熱冷却能力は高くなる。
【0058】このため、供給する酸化剤ガスの露点温度
および酸化剤ガスの利用率が一定の時である場合、燃料
電池本体の温度が低い時に潜熱冷却量は小さく、燃料電
池本体の温度が上昇することになる。さらに、燃料電池
本体の温度が十分高くなると潜熱冷却量は大きくなり、
やがて燃料電池本体の発熱量と潜熱冷却量が釣り合い、
燃料電池本体の温度は一定となる。
【0059】また、酸化剤ガスの露点温度、負荷電流、
反応ガスの利用率、周囲の温度等の運転条件が変化した
場合でも、外部がらの温度制御をしないでも、発熱量と
潜熱冷却量が釣り合うまで燃料電池本体温度は変化して
安定する。このため、電池本体の温度を制御する手段を
必要としない。また、水の蒸発潜熱は水の顕熱と比較し
て非常に大きいこと、電池本体に供給する水の量は極め
て少ないことから、供給する水の温度制御も必要としな
い。
【0060】但し、発熱量を潜熱冷却するために必要十
分な水量が燃料電池本体に供給されないと、燃料電池本
体の温度は異常上昇することになる。このため、発熱量
を冷却するために必要な水を供給するための水量の制御
手段が重要となる。
【0061】以上のことから燃料電池システムを簡素化
でき、コンパクト化/軽量化、低コスト化が可能とな
る。また、本発明によれば、燃料ガス供給溝の燃料ガス
導入部に液状の水を供給する手段を前記反応ガス供給セ
パレータの少なくても片面を加工して設けることによ
り、以下の効果がある。
【0062】(1)燃料ガス、供給水をそれぞれ単位電
池に配流した後に燃料ガス供給溝でそれらを混合するこ
とから供給水および燃料ガスの配流を均一化できる。
【0063】(2)反応ガスセパレータにガス供給溝を
成形する時に水をガス供給溝に供給するための水供給溝
(水供給手段)も同時成形できるため、極めて低コスト
で前記の水供給手段を設けることができる。
【0064】上記のことから本発明の固体高分子型燃料
電池本体では複数の単位電池を積層してなる燃料電池本
体において、各単位電池の燃料極に水を均等に供給する
ことにより、反応ガスを予め加湿しないでも固体高分子
膜の乾燥を防止でき、しかも大きな冷却水循環システム
を必要とせず高負荷時や大きな負荷変動時においても安
定した発電が可能となる燃料電池本体を提供することが
できる。さらに、各単位電池に水を均等に供給する安価
な手段を提供することができる。また、大きな負荷変動
時でも燃料電池本体に適切な水量を制御供給することに
より、負荷変動が生じても発熱量に応じた潜熱冷却がで
き、安定した発電が可能な燃料電池発電システムを提供
することができる。
【0065】請求項2に対応する固体高分子型燃料電池
本体は、請求項1に記載の水供給手段を次のように構成
したものである。すなわち、少なくとも前記反応ガス供
給セパレータを貫通して配置した水マニホールドと、該
反応ガス供給セパレータの片面に形成した燃料ガス供給
溝と、前記反応ガス供給セパレータであって前記燃料ガ
ス供給溝の燃料ガス導入部に配置したへッダと、前記反
応ガス供給セパレータであって前記へッダと前記水マニ
ホールドをつなぐ水供給溝とで構成したものである。な
お、本発明の反応ガス供給セパレータは燃料ガス供給溝
を配置した面と反対の面に酸化剤ガス供給溝を配置して
もしなくてもよい。
【0066】請求項2に対応する発明によれば燃料電池
本体の外部から反応ガス供給セパレータを貫通して配置
した水マニホールドに供給された水は水供給溝を通り、
各単位電池の燃料ガス導入部に配置されたへッダにそれ
ぞれ供給される。へッダでは供給された燃料ガスと水が
混合され、燃料ガス供給溝に均一に配流される。上記の
ことから燃料電池本体に積層した単位電池の各燃料ガス
供給溝に水を均一に供給することができる。また、水を
供給する手段を反応ガス供給セパレータの少なくても片
面を加工して設けることにより、反応ガスセパレータに
ガス供給溝を成形する時に水をガス供給溝に供給するた
めの水供給溝(水供給手段)も同時成形できるため、極
めて低コストで前記の水供給手段を設けることができ
る。
【0067】請求項3に対応する固体高分子型燃料電池
本体は、請求項1に記載の水供給手段を次のように構成
したものである。すなわち、少なくとも前記反応ガス供
給セパレータを貫通して配置した水マニホールドと、該
反応ガス供給セパレータの片面に形成した燃料ガス供給
溝と、前記反応ガス供給セパレータであって前記燃料ガ
ス供給溝の燃料ガス導入部に配置したへッダと、前記反
応ガス供給セパレータであって前記へッダに配設した多
孔質体と、前記反応ガス供給セパレータであって前記へ
ッダと前記水マニホールドをつなぐ水供給溝とで構成し
たものである。なお、本発明の反応ガス供給セパレータ
は燃料ガス供給溝を配置した面と反対の面に酸化剤ガス
供給溝を配置してもしなくてもよい。
【0068】請求項3に対応する発明によれば、燃料電
池本体の外部から反応ガス供給セパレータを貫通して配
置した水マニホールドに供給された水は水供給溝を通
り、各単位電池の燃料ガス導人部に配置されたへッダに
それぞれ供給される。へッダでは供給された燃料ガスと
水が混合され、多孔質体を通過して燃料ガス供給溝に配
流される。ここで、燃料ガスと水の混合流が多孔質体を
通過するときの圧損により、混合流は流れと垂直方向に
広がり、均等に燃料ガス供給溝に配流される。
【0069】請求項4に対応する固体高分子型燃料電池
本体は、請求項1に記載の水供給手段を次のように構成
したものである。すなわち、少なくとも前記反応ガス供
給セパレータを貫通して配置した水マニホールドと、該
反応ガス供給セパレータの片面に形成した燃料ガス供給
溝と、前記反応ガス供給セパレータであって前記燃料ガ
ス供給溝の燃料ガス導入部に配置したへッダと、前記反
応ガス供給セパレータであって前記へッダと前記水マニ
ホールドをつなぐ水供給溝と、前記反応ガス供給セパレ
ータであって前記水供給溝に配設した多孔質体とで構成
したものである。なお、本発明の反応ガス供給セパレー
タは燃料ガス供給溝を配置した面と反対の面に酸化剤ガ
ス供給溝を配置してもしなくてもよい。
【0070】請求項4に対応する本発明によれば、燃料
電池本体の外部から反応ガス供給セパレータを貫通して
配置した水マニホールドに供給された水は水供給溝に配
置した多孔質体を通り、各単位電池の燃料ガス導入部に
配置されたへッダにそれぞれ供給される。ヘッダでは供
給された燃料ガスと水が混合され、燃料ガス供給溝に配
流される。
【0071】ここで、水マニホールドから水供給溝に配
置した多孔質体を通して水をヘッダに供給することによ
り、へッダで水を分散して燃料ガスと均等に混合でき、
燃料ガス供給溝に混合流を均等に供給することができ
る。また、多孔質体に水が流通するときに圧損が生じる
ため、燃料電池本体に積層した単位電池に水を均等に供
給することができる。
【0072】さらに、多孔質体の気孔径を選定すること
により、燃料ガスの圧力が供給水の圧力よりも高くなっ
ても、多孔質体の毛細管力により燃料ガスが供給水側に
漏れることを防止できる。
【0073】請求項5に対応する固体高分子型燃料電池
本体は、請求項1に記載の水供給手段を次のように構成
したものである。すなわち、少なくとも前記反応ガス供
給セパレータを貫通して配置した水マニホールドと、該
反応ガス供給セパレータの片面に形成した燃料ガス供給
溝と、前記反応ガス供給セパレータであって前記燃料ガ
ス供給溝が形成されている面に存在する燃料ガス導入部
とは反対側の裏面に形成し、前記水マニホールドと連通
する水供給溝と、前記反応ガス供給セパレータであって
前記燃料ガス導入部と前記水供給溝をつなぐ連通孔とで
構成したものである。なお、本発明の反応ガス供給セパ
レータは燃料ガス供給溝を配置した面と反対の面に酸化
剤ガス供給溝を配置してもしなくてもよい。
【0074】請求項5に対応する本発明によれば、燃料
電池本体の外部から反応ガス供給セパレータを貫通して
配置した水マニホールドに供給された水は水供給溝を通
り、各単位電池の燃料ガス導入部に配置された連通孔を
通過し燃料ガス導入部にそれぞれ供給される。燃料ガス
導入部では供給された燃料ガスと水が混合され、燃料ガ
ス供給溝に流通する。
【0075】ここで、連通孔を各燃料ガス供給溝に設け
ることにより、燃料ガス導入部に設けるへッダを小さく
でき、各燃料ガス供給溝に水を均等に供給することがで
きる。
【0076】請求項6に対応する固体高分子型燃料電池
本体は、請求項1に記載の水供給手段を次のように構成
したものである。すなわち、少なくとも前記反応ガス供
給セパレータを貫通して配置した水マニホールドと、該
反応ガス供給セパレータの片面に形成した燃料ガス供給
溝と、前記反応ガス供給セパレータであって前記燃料ガ
ス供給溝が形成されている面に存在する燃料ガス導入部
とは反対側の裏面に形成し、前記水マニホールドと連通
する水供給溝と、前記反応ガス供給セパレータであって
前記燃料ガス導入部と前記水供給溝をつなぐ連通孔と、
前記連通孔を覆うように配置した多孔質体とで構成した
ものである。
【0077】請求項6に対応する本発明によれば、請求
項5と同様に燃料ガス導入部に設けるへッダを小さくで
き、各燃料ガス供給溝に水を均等に供給することができ
る。また、多孔質体に水が流通するときに圧損が生じる
ため、燃料電池本体に積層した単位電池に水を均等に供
給することができる。さらに、多孔質体の気孔径を選定
することにより、燃料ガスの圧力が゛供給水の圧力より
も高くなっても、多孔質体の毛細管力によリ燃料ガスが
供給水側に漏れることを防止できる。
【0078】請求項7に対応する固体高分子型燃料電池
本体は、請求項4又は請求項6に記載の前記多孔質体の
平均気孔径を20μm以下(0を含まず)としたもので
ある。
【0079】請求項7に対応する本発明によれば、多孔
質体の平均気孔径を20μm以下とすることにより、多
孔質体の気孔に保持された水の毛細管力は5kPa以上
となり、5kPa以下の差圧において多孔質体はガスに
対してウエットシール効果を発揮する。
【0080】ところで、燃料電池本体において、燃料ガ
ス供給溝の圧損は小さいほど好ましいが、燃料供給溝を
燃料が通過する時に通常3kPa程度の圧損が生じる。
このため燃料ガス供給圧力はそれ以上に設定する必要が
ある。よって、水供給系のトラブルにより水の供給圧力
がなくなった場合、燃料ガスの圧力が供給水の圧力より
3kPa以上大きくなることがある。多孔質体の平均気
孔径を20μm以下とすることによリ、上記のようなト
ラブル発生時でも、燃料ガスが供給水側に漏れ込むこと
はない。
【0081】請求項8に対応する固体高分子型燃料電池
発電システムは、少なくとも燃料極に水を供給する手段
を設けた固体高分子型燃料電池本体と、前記燃料電池本
体より排出される燃料排ガスおよび酸化剤排ガスから水
を回収する水回収手段と、前記固体高分子型燃料電池本
体に前記水回収手段で回収された回収水を供給する水供
給手段と、前記水供給手段からの供給水量を制御する手
段を具備したものである。
【0082】請求項8に対応する本発明によれば、燃料
極に水を供給して潜熱冷却を行う固体高分子型燃料電池
本体より排出される燃料排ガスおよび酸化剤排ガスの両
方から水を回収し、燃料ガスとともに燃料電池本体の燃
料極に供給する。燃料極に水を供給して潜熱冷却を行う
固体高分子型燃料電池本体では、燃料排ガスに含まれる
水量は酸化剤排ガスに含まれる水量と同様に多いため、
両方の排ガスから水を回収することにより、必要となる
水をシステム内で確保する必要がある。
【0083】また、燃料極に供給する水の流量は電池本
体の発熱量に依存するため、過少であると十分な潜熱冷
却性能が得られないこと、また過剰であると余分な水を
供給することで、システム効率を低下させることから、
水の供給水量を制御することにより安定した高いシステ
ム効率を維持できる。
【0084】なお、本発明の発電システムでは(1)酸
化剤ガスの加湿器が不要となる。
【0085】(2)水の潜熱による冷却能は水の顕熱に
よる冷却能より高いため、従来の顕熱冷却で必要であっ
た燃料電池本体への冷却水供給量と比較して、極めて少
ない量の水供給で足りるため、水回収システム、水供給
システムをコンパクト化、軽量化できることから、発電
システム全体をコンパクト化・軽量化できる。
【0086】請求項9に対応する固体高分子型燃料電池
発電システムは、請求項8に記載の供給水量を制御する
手段を次のように構成したものである。すなわち、前記
供給水量を制御する手段は、固体高分子型燃料電池本体
の発電電圧および負荷電流から給水量を演算する演算手
段と、前記演算手段の演算結果の信号により回収水の供
給水量を制御する定量ポンプで構成したものである。
【0087】請求項9に対応する本発明によれば、発電
電圧および負荷電流から電池本体の発熱量を計算し、そ
の発熱量を潜熱冷却できる水量を定量ポンプにより燃料
電池本体に供給するようにした。このことから、負荷電
流など運転条件が変化しても常に最適量の水を燃料電池
本体に供給でき、大きな負荷変動時でも安定した発電が
可能となり、常に高いシステム効率を維持することがで
きる。
【0088】請求項10に対応する固体高分子型燃料電
池発電システムは、請求項8又は請求項9に記載の演算
手段及び供給水量を制御する手段を次のようにしたもの
である。すなわち、前記演算手段は、発電電圧V(V/
セル)、負荷電流I(A)、積層電池枚数C(セル)、
水の蒸発潜熱h(J/g)、電池反応により生成した水
が水蒸気になる生成エンタルピー変化ΔH(J/mo
l)、ファラデー定数F(C/mol)としたとき、
(4)式に基づき、供給水量W(g/min)を求める
ものであり、前記供給水量を制御する手段は該供給水量
の20倍量までの任意の水量を前記固体高分子型燃料電
池本体に供給制御を行うようにしたものである。
【0089】 W=30・I・C・(ΔH/F−2V)/h (4)式 請求項10に対応する発明によれば、燃料電池本体を潜
熱冷却するために必要な供給水量を上記の(4)式によ
り演算できる。(4)式は電池反応により生成した水が
すべて水蒸気になるとして発電電圧および負荷電流から
計算される発熱量(冷却すべき発熱量)に相当する蒸発
潜熱量を有する水量である。上記の式で演算した値以上
の水量を燃料電池本体に供給することにより、常に最大
の潜熱冷却能力を確保でき、高負荷時および大きな負荷
変動時でも安定した電池特性が得られる。また、演算し
た量の20倍量以上を供給すると各単位電池の電池電圧
にバラツキが生じる。これは過剰の水を供給することに
より、各単位電池に供給する水素ガスの配流にバラツキ
が生じるためである。通常の負荷電流変動幅(10%〜
100%)では供給水を10倍量以上の幅で制御すれば
安定した運転が可能となる。以上のことから、電池反応
により生成した水が゛すべて水蒸気になるとして発電電
圧および負荷電流から計算される発熱量(冷却すべき発
熱量)に相当する蒸発潜熱量を有する水量以上、その2
0倍量以下の水を燃料電池本体に供給するように制御す
ることにより、大きな負荷変動時でも安定した発電が可
能となり、常に高いシステム効率を維持することができ
る。
【0090】なお、上記の(4)式は以下の導入式によ
り導かれる。
【0091】導入式:負荷電流をI(A)とした時に電
池1枚に流れる電気量はI(C/sec)である。よっ
て、1分間に流れる電気量は60・I(C/min)と
なる。ここで、水素1mo1は消費されると2・F
(C)の電気量が得られる。但し、F(C/mol)は
ファラデー常数である。よって、負荷電流をI(A)と
した時に電池1枚で消費される水素量は(5)式により
計算できる。
【0092】 60・I/2F=30・I/F (5)式 よって、積層電池枚数C(セル)のスタックで消費され
る水素量M(mol/min)は、負荷電流I(A)、
積層電池枚数C(セル)およびファラデー常数F(C/
mol)により(6)式で計算できる。
【0093】 M=30・I・C/F (6)式 固体高分子型燃料電池本体で電池反応により生成した水
がすべて水蒸気になるとした(7)式の反応における生
成エンタルピー変化をΔH(J/mol)とすると、 H(g)+1/2O(g)→HO(g) (7)式 消費水素の総エネルギー変化U(J/min)は(8)
式で計算できる。
【0094】 U=ΔH・M=30・ΔH・I・C/F (8)式 電池本体の発熱量Q(J/min)は、消費水素の総エ
ネルギー変化U(J/min)から発電電力を減じた量
となることから、単位電池の電池電圧をV(V/セル)
とすると、発熱量は(9)式で計算できる。
【0095】 Q=U−60・I・V・C (9)式 (9)式に(8)式を代入すると、 Q=30・I・C・(ΔH/F−2・V) (10)式 よって、冷却すべき発熱量は(10)式で計算できる。
ここで、供給水の顕熱および供給する反応ガスの顕熱に
よる冷却量は小さいこと、実プラントにおいて燃料電池
本体は断熱されており、燃料電池本体表面からの放熱は
防止されていることから、上記の発熱量Qに相当する潜
熱冷却量を有する水量を少なくても燃料電池本体に供給
する必要がある。
【0096】供給水量をW(g/min)、水の蒸発潜
熱をh(J/g)とすると、 W=Q/h (11)式 (11)式に(10)式を代入すると、 W=30・I・C・(ΔH/F−2V)/h (12)式 ここで、C、Fは定数、ΔH、hは温度に依存するが、
ほぼ定数と見なすことができる。よって、(12)式よ
り、電池本体を潜熱冷却するのに必要な最低供給水量は
発電電圧と負荷電流により演算できる。
【0097】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。
【0098】<第1の実施形態(請求項1、請求項2、
請求項8、請求項9、請求項10に対応)>図1は、本
発明の固体高分子型燃料電池本体の第1の実施形態を説
明するための概念断面図であり、燃料電池本体11は以
下に述べる基本構成02を複数機械的に積重ねて各々を
電気的に直列接続したものである。なお、図1では積層
面の間のシール剤、各ガス供給溝に反応ガスを供給する
ためのガスマニホールド、水供給溝、水マニホールドお
よび積層端部の構成は省略している。
【0099】各基本構成02は、イオン導電性を有する
固体高分子膜1の一方の板面に、サブストレート41と
触媒層42の間に撥水層を形成する多孔質体50を設け
てなる燃料極(電極)2を配設し、固体高分子膜1の他
方の板面に、サブストレート43と触媒層44からなる
酸化剤極(電極)3を配設(触媒層42、43が固体高
分子膜1に対向するように当設)してなる単位電池4
と、燃料極2のサブストレート41に当設され板面に燃
料ガスを供給するための複数の燃料ガス供給溝22が形
成され、かつ該単位電池4とは異なる隣接の単位電池4
の酸化剤極3のサブストレート43に当設され板面に当
設され板面に酸化剤ガスを供給するための複数の酸化剤
ガス供給溝49が形成された反応ガス供給セパレータ8
とからなっている。
【0100】このような基本構成02を例えば50枚積
層した燃料電池本体11を得る。この場合、固体高分子
膜1として例えばデュポン社のナフィオンを、又サブス
トレート41、43は例えば気孔率80%のカーボンペ
ーパを使用した。また、燃料極2の多孔質体50は例え
ばカーボン粉末とポリデトラフルオロエチレンからなる
ペーストをサブストレート41に塗布した後、360℃
で熱処理することにより得られるものを使用した。触媒
層42、44は例えばカーボンに白金を40%担持した
触媒を使用した。反応ガス供給セパレータ8は例えばモ
ールド加工により溝を成形したカーボン板を使用した。
【0101】以上のように構成した本実施形態の燃料電
池本体では、冷却水供給セパレータを積層していないた
め、従来の燃料電池本体と比較して積層高さを25%小
さくすることができた。
【0102】以上述べた実施形態では、燃料極2にしか
多孔質体50を形成しなかったが、酸化剤極3にも多孔
質体を形成してもよい。
【0103】次に、反応ガス供給セパレータ8の構成に
ついて図2を参照して説明する。図2(a)はセパレー
タ8の概略を示す上面図であり、図2(b)は図2
(a)のA−B線に沿って切断し矢印方向に見た断面図
である。図2(a)に示すようにセパレータ8の一方の
板面(上面)の周縁部であって上方側に横方向で肉厚方
向に貫通するように、形成された複数の貫通孔からなる
燃料ガスマニホールド20が形成され、又セパレータ8
の周縁部であって側方側に縦方向で肉厚方向に貫通する
ように、形成された複数の貫通孔からなる水マニホール
ド21が形成され、セパレータ8の一方の板面(上面)
の中央部であって燃料ガスマニホールド20に対して所
定領域のガス導入部23だけ離れた位置から下方に向か
う複数の直線状の燃料ガス供給溝22がそれぞれ等間隔
に形成されている。
【0104】セパレータ8の一方の板面(上面)であっ
て燃料ガス導入部23に水平方向に、水マニホールド2
1を構成している貫通孔の一つ及び各燃料ガス供給溝2
2とそれぞれ連通する水供給溝28が形成されている。
さらに、セパレータ8の一方の板面(上面)であって燃
料ガス導入部23において、水供給溝28と各燃料ガス
供給溝22の上端間に、各燃料ガス供給溝22相互の中
心に対応して複数の突起25が形成されている。
【0105】図2(a)に示すようにセパレータ8の一
方の板面(上面)であって燃料ガスマニホールド20に
隣接して複数の隔壁24が形成されている。この場合、
各隔壁24は該マニホールドを構成する貫通孔相互間に
位置し、該マニホールドからの燃料ガスが各燃料ガス供
給溝22にそれぞれ例えば最短距離で導かれるようにな
っている。以上のようなセパレータ8は、例えばモール
ド加工により製作され、各隔壁24、各突起25、水供
給溝28、燃料ガス供給溝22はいずれもモールド加工
時に同時に形成される。
【0106】以上のように構成されたセパレータ8にお
いて、燃料ガスはセパレータ8を貫通して配置した燃料
ガスマニホールド20から分岐して燃料ガス導入部23
に配置したへッダ26に供給される。
【0107】また、水はセパレータ8を貫通して配置し
た水マニホールド21から分岐して水供給溝28からへ
ッダ26に供給される。へッダ26に供給された水は、
へッダ26で燃料ガス中に分散され、各燃料ガス供給溝
22に配流される。
【0108】前述した基本構成を積層した燃料電池本体
11では、燃料ガスおよび水を各セパレ一タ8にそれぞ
れ配流した後にへッダ26で混合され燃料ガス供給溝2
2に供給していることから、各セパレータ8への燃料ガ
スおよび水の配流が均一となる。
【0109】水供給溝28は燃料ガス供給溝22と同時
にモールド加工しているために、従来のセパレータと同
等の価格で製作が可能である。
【0110】図6は、図2の変形例を説明するための図
であり、図6(a)はセパレータ8の概略を示す上面図
であり、図6(b)は図6(a)のA−B線に沿って切
断し矢印方向に見た断面図である。この場合、水供給溝
28の数を多くし、へッダ26の領域を広くするため、
燃料ガスマニホールド20と水マニホールド21の形成
する位置を図2とは逆にし、水マニホールド21に隣接
して複数の隔壁29を形成したものである。このように
水供給溝28の数を多くし、へッダ26の領域を広くす
ることにより、燃料ガス中への水の分散がより均等とな
る。
【0111】なお、図2及び図6のセパレータ8は、一
枚のセパレータ構成板の対向する面に燃料ガス供給溝2
2及び酸化剤ガス供給溝をしてもよく、又従来の技術と
同様に片面に燃料ガス供給溝を形成した燃料ガス供給セ
パレータと、片面に酸化剤ガス供給溝を形成した酸化剤
ガス供給セパレータを背中同士で張り合わせて製作して
もよい。
【0112】次に、図1と図2又は図6の構成からなる
燃料電池本体を用いた本発明の固体高分子型燃料電池発
電システムの実施形態について、図3の系統図を参照し
て説明する。なお、図3には流体制御用のバルブ、温度
/圧力の測定機器、制御装置は省略している。
【0113】図3は、図13の従来の技術で説明した加
湿器12と、水供給システム13と、冷却器15と、冷
却板17を設けず、新たに以下に述べる熱回収システム
30と、演算・制御装置34と、ダイヤフラム式定量ポ
ンプ32と、スタック水供給ライン33を設けたもので
ある。
【0114】熱回収システム30は、本発明の水回収手
段を構成するもので、例えば燃料電池本体11の燃料極
2及び酸化剤極3とドレインポット16の配管経路に設
けるものであり、燃料電池本体11から排出される燃料
排ガス及び酸化剤排ガスから水を回収するものである。
【0115】演算・制御装置34は、本発明の水量制御
手段を構成するもので、例えば概略燃料電池本体11の
発電電圧及び負荷電流から給水量を演算するものであ
り、この詳細については後述する。
【0116】定量ポンプ32は、ドレインポット16と
改質器10をつなぐ改質水供給ライン18並びにドレイ
ンポット16と燃料電池本体11の燃料極2をつなぐス
タック水供給ライン33の途中に配設され、演算・制御
装置34の演算結果の信号により回収水の供給水量を制
御するものである。
【0117】図1〜図3、図6において、例えば水マニ
ホールド21と、燃料ガス供給溝22と、燃料ガス導入
部23と、ヘッダ26と、水供給溝28と、後述する多
孔質体50とで、本発明の水供給手段を構成する。
【0118】このような構成のものにおいて、燃料とし
てはメタノ一ルを使用し、改質器10にて水素ガスを主
成分とする燃料ガスに改質した後、燃料電池本体11に
供給し、又燃料電池本体11から排出された燃料排ガス
は熱回収システム30により冷却し水分を回収した後、
改質器10で燃焼してから大気に放出するようにしたも
のである。
【0119】一方、酸化剤ガスとして大気中の空気をブ
ロア14にて燃料電池本体11に直接供給した。燃料電
池本体11から排出された酸化剤排ガスは熱回収システ
ムにより冷却し水分を回収した後、大気放出とした。燃
料排ガスおよび酸化剤排ガスから回収した水は、ドレイ
ンポット16に回収し、定量ポンプ32により、燃料電
池本体11の燃料極2と改質器10にそれぞれ供給し
た。
【0120】電池本体11の燃料極2に供給する水量は
演算・制御装置34により制御した。演算・制御装置3
4では、測定した燃料電池本体11の発電電圧Vおよび
負荷電流Iから(13)式により、最低水供給流量Wを
演算し、その2倍量の水を電池本体に供給するようにダ
イヤフラムポンプの振動周期を制御している。
【0121】 W=30・I・C・(ΔH/F−2V)/h (13)式 最低水供給水量:W(g/min)、発電電圧:V(V
/セル)、負荷電流:I(A)積層電池枚数:C(セ
ル)、水の蒸発潜熱:h(J/g)生成した水がすべて
水蒸気になる生成エンタルピー変化:ΔH(J/mo
l)、ファラデー定数:F(C/mol)上記の燃料電
池発電システムを常温から起動した。燃料電池本体から
負荷電流を取り始めると、燃料電池本体の温度は徐々に
昇温して、負荷電流0.4A/cm(116A)、燃
料利用率70%、空気利用率40%の運転条件では77
℃程度で安定した。この時の電池電圧は0.7V/セル
であった。
【0122】上記の運転条件における最低水供給量W
は、(13)式からは85cc/minとなるので、水
供給量は170cc/minであった。同量の発熱量を
冷却水の顕熱で冷却する場合、温度差を3℃とすると1
5281cc/minの冷却水を供給する必要がある。
完全潜熱冷却では供給する水は極めて少量であることが
わかる。
【0123】さらに、供給する空気の露点温度、供給す
る水の温度、周囲の温度、負荷電流、空気利用率等の運
転条件変化に対し、燃料電池本体の温度は74℃〜80
℃の範囲で変化したが、何れの場合も電池本体は完全に
潜熱冷却されており安定して発電することができた。な
お、負荷電流が0.1A/cm(29A)〜1A/c
(290A)の範囲で変動した場合も、供給水量は
35cc/min〜542cc/minで変動し、電池
本体を完全に潜熱冷却することができた。
【0124】次に、潜熱冷却のメカニズムについて図4
を参照して説明する。燃料ガスと共に供給した水の一部
は燃料ガス供給溝22で水蒸気となり、燃料極2に形成
した撥水層である多孔質体50を通過し触媒層42に到
達する。燃料極2の触媒層42では燃料ガスの消費に伴
い水蒸気は凝集して水となり、固体高分子膜1を通過し
て酸化剤極3に移動して蒸発する。
【0125】このことにより、固体高分子膜1は常に湿
潤状態に維持され、酸化剤ガスの加湿が不要となる。こ
こで、燃料極2に形成した多孔質体50は重要な役割を
果たす。すなわち、多孔質体50は水蒸気を容易に通過
させるが、液体としての水の通過を防止することができ
るため、燃料ガス供給溝22に過剰の水を供給すること
により、酸化剤極3で蒸発する十分な水量を供給でき、
しかも触媒層42,44の過剰漏れによる電圧低下を防
止することができる。
【0126】なお、燃料極2に多孔質体50を形成しな
い場合は、運転時間経過に伴い電池電圧は徐々に低下す
る。これは供給した水により触媒層42,44が過剰に
濡れて分極が大きくなることが原因であると思われる。
【0127】ー方、酸化剤極3では移動水と電池反応で
生成した反応水が蒸発する。水が蒸発するときに539
ca1/gの蒸発潜熱を吸収するため、空気は電池反応
によリ発生した熱を吸収し、燃料電池本体11を潜熱冷
却して電池本体11外部に排出される。
【0128】潜熱による冷却能力は燃料電池本体11内
での水の蒸発量に依存するため、燃料電池本体11の温
度が高いほど、燃料電池本体11の温度と供給する空気
露点温度の差が大きいほど、空気利用率が低いほど、水
の蒸発量が増し潜熱冷却能力は高くなる。
【0129】このため、供給する空気露点温度および空
気利用率が一定の時である場合、燃料電池本体11の温
度が゛低い時に潜熱冷却量は小さく、燃料電池本体11
の温度が上昇することになる。逆に、燃料電池本体11
の温度が十分高くなると潜熱冷却量は大きくなり、やが
て燃料電池本体11の発熱量と潜熱冷却量が釣り合い、
燃料電池本体11の温度は一定となる。また、空気露点
温度、負荷電流、反応ガスの利用率、周囲の温度等の運
転条件が変化した場合でも、外部からの温度制御をしな
いでも、発熱量と潜熱冷却量が釣り合うまで燃料電池本
体11の温度は変化して安定する。
【0130】次に、燃料極2への供給水量と電池運転温
度および電池電圧の関係について、図5を参照して説明
する。燃料電池本体11で電池反応により生成した水が
すべて水蒸気になるとして発電電圧および負荷電流から
計算される発熱量に相当する蒸発潜熱量を有する水量W
を1として燃料極に供給する水の量を横軸に、そのとき
の電池本体の温度および電池電圧を縦軸にそれぞれ示し
ている。なお、本実施形態の運転条件においてWは85
cc/minであった。
【0131】図5から明らかなように、供給水量が1倍
量以下の場合に電池本体温度は急激に上昇した。これは
酸化剤極3での水の蒸発量が少なくなり、潜熱冷却量が
減少したためであると考えられる。この時、固体高分子
膜は乾燥傾向となり、電池抵抗が上昇し、電池電圧は急
激に低下した。
【0132】一方、供給水量が1倍量以上20倍量以下
の場合は、電池本体温度はほぼ一定であり、電池電圧も
安定している。これは、供給水量が1倍量以上の場合は
酸化剤極3の空気の飽和度が100%に近くなり、十分
な潜熱冷却量が得られていることにより、燃料電池本体
11は完全に潜熱冷却できていることを示している。
【0133】一方、供給水量が20倍量以上となった場
合は、電池電圧が急激に低下する傾向が見られた。過剰
の供給水が水素の拡散を阻害して、燃料極2側で分極が
増大したことが原因と考えられる。よって、燃料電池本
体11に供給する水量を、固体高分子型燃料電池本体で
電池反応により生成した水がすべて水蒸気になるとして
発電電圧および負荷電流から計算される発熱量に相当す
る蒸発潜熱量を有する水量以上かつその20倍量以下と
することにより、固体高分子膜1を湿潤状態に維持し、
また完全に電池本体11を完全に潜熱冷却で、安定した
発電出力を得ることができた。
【0134】本実施形態では燃料電池本体11の燃料極
2に既定量の水を供給することにより、従来の技術で必
要であった冷却水供給セパレータ7が不要となり、燃料
電池本体11をコンパクト化できること、固体高分子膜
1の湿潤状態を保ち燃料電池本体を完全に潜熱冷却がで
き、大きな負荷変動時においても安定して運転できるこ
とを確認した。また上記の燃料電池本体を使用した燃料
電池発電システムでは、空気の加湿器が不要となるこ
と、従来の顕熱冷却で必要であった冷却水供給量と比較
して、極めて少ない量の水供給で足りることから燃料発
電システムをコンパクト化・軽量化できることが分かっ
た。
【0135】<第2の実施形態(請求項3対応)>図7
は、本発明の第2の実施形態を説明するための図であ
り、図7(a)はセパレータ8の概略を示す上面図であ
り、図7(b)は図7(a)のA−B線に沿って切断し
矢印方向に見た断面図である。図7(a)に示すよう
に、反応ガス供給セパレータ8であってへッダ26に撥
水層を構成する多孔質体50を設けたものであり、これ
以外の点は図2と同一である。
【0136】この結果、燃料ガスはセパレータ8を貫通
して配置した燃料ガスマニホールド20から分岐して燃
料ガス導入部23に配置したへッダ26に供給される。
また、水はセパレータ8を貫通して配置した水マニホー
ルド21から分岐して水供給溝28からへッダ26に供
給される。供給した燃料ガスと水はへッダ26で混合流
となり、多孔質体50を通過して燃料ガス供給溝22に
配流される。なお、多孔質体50の平均気孔径は500
μmとしている。
【0137】本実施形態では、燃料ガスと水の混合流が
多孔質体50を通過するときの圧損により、混合流は流
れと垂直方向に広がり、セパレータ面内で均等に燃料ガ
ス供給溝22に配流されるようになった。また、燃料電
池本体11では負荷電流密度を1A/cm2とした燃料
ガスの流量が多い条件でも、水と燃料ガスを均等に混合
でき、安定した発電ができた。
【0138】<第3の実施形態(請求項4、請求項7対
応)>図8は、本発明の第3の実施形態を説明するため
の図であり、図8(a)はセパレータ8の概略を示す上
面図であり、図8(b)は図8(a)のA−B線に沿っ
て切断し矢印方向に見た断面図である。本実施形態は、
図8に示すように、概略図6において、反応ガス供給セ
パレータ8に形成されている各隔壁29をそれぞれ上下
方向中央部を切欠き、該各切欠き部並びに隔壁29相互
間に、連続するように、撥水層を構成する多孔質体50
を設けたものであり、これ以外の点は図6と同一であ
る。
【0139】このように構成することにより、燃料ガス
はセパレータ8を貫通して配置した燃料ガスマニホール
ド20から分岐して燃料ガス導入部23に配置したへッ
ダ26に供給される。また、水はセパレータ8を貫通し
て配置した水マニホールド21から分岐して水供給溝2
8からへッダ26に供給される。供給した燃料ガスと水
はへッダ26で混合流となり、多孔質体50を通過して
燃料ガス供給溝22に配流される。
【0140】本実施形態では、水マニホールド21から
水供給溝28に配置した多孔質体50を通して水をヘッ
ダ26に供給することにより、へッダ26で水の分散が
良好となり燃料ガスと均等に混合でき、燃料ガス供給溝
22に混合流を均等に供給することができた。
【0141】また、燃料電池本体11では負荷電流密度
を1A/cmとした燃料ガスの流量が多い条件でも、
水と燃料ガスは均等に混合でき、安定した発電ができ
た。
【0142】なお、水供給溝に配置した多孔質体の平均
気孔径を20μmとし、発電中のトラブルを想定して水
の供給を停止した。この時、燃料ガスマニホールド20
内の燃料ガス圧力は水マニホールド21のそれよりも5
kPa高くなったが、水マニホールド21への燃料ガス
の漏れ込みはなかった。
【0143】図9は、本発明の第3の実施形態の変形例
を説明するための図であり、図9(a)はセパレータ8
の概略を示す上面図であり、図9(b)は図9(a)の
A−B線に沿って切断し矢印方向に見た断面図である。
本実施形態は、図9に示すように、概略図6において、
反応ガス供給セパレータ8に形成されている各隔壁29
の相互間に撥水層を構成する多孔質体50を設けたもの
であり、これ以外の点は図6と同一である。図9のよう
に構成しても、図8と同様な作用効果が得られる。
【0144】<第4の実施形態(請求項5に対応)>図
10は、本発明の第4の実施形態を説明するための図で
あり、図10(a)はセパレータ8の概略を示す上面図
であり、図10(b)は図10(a)のA−B線に沿っ
て切断し矢印方向に見た断面図である。本実施形態は、
概略図2において、反応ガス供給セパレータ8に形成さ
れている複数の突起25を形成せず、この部分まで複数
の燃料ガス供給溝22をそれぞれ延長し、反応ガス供給
セパレータ8であって燃料ガス供給溝22が形成されて
いる面に存在する燃料ガス導入部23とは反対側の裏面
に、水マニホールド21と連通する水供給溝28を形成
し、燃料ガス導入部23と水供給溝28をつなぐ複数の
連通孔31を等間隔に形成したものである。各連通孔3
1は、各燃料ガス供給溝22に対応して1ヶずつ形成
し、この場合各連通孔31の直径を例えば0.5mmと
したものである。これ以外の構成は、図2と同一であ
る。
【0145】このように本実施形態では、各燃料ガス供
給溝22に水を直接供給することにより、燃料ガスと均
等に混合でき、燃料ガス供給溝22に混合流をセパレー
タ面内で均等に供給することができた。
【0146】また、負荷電流密度を1A/cmとした
燃料ガスの流量が多い条件でも、水と燃料ガスが均等に
混合され、安定した発電が可能であった。なお、連通孔
31の数および直径は実施形態に限らず任意に設定して
も同様の効果が得られる。
【0147】<第5の実施形態(請求項6、請求項7対
応)>図11は、本発明の第5の実施形態を説明するた
めの図であり、図11(a)はセパレータ8の概略を示
す上面図であり、図11(b)は図11(a)のA−B
線に沿って切断し矢印方向に見た断面図である。本実施
形態は、図10において、反応ガス供給セパレータ8で
あって燃料ガス供給溝22が形成されている面とは反対
側の裏面に形成した水供給溝28に、各連通孔31を覆
うように撥水層を構成する多孔質体50を設けたともの
である。
【0148】この場合、連通孔31の直径を9mmと
し、多孔質体50としては、平均気孔径は20μm以下
(0を含まず)、例えば平均気孔径が10μm、厚さ5
0μmのものを使用する。
【0149】このように構成することにより本実施形態
では、燃料ガスと均等に混合でき、燃料ガス供給溝に混
合流を均等に供給することができた。また、負荷電流密
度を1A/cmとした燃料ガスの流量が多い条件で
も、安定した発電が可能であった。次に、発電中のトラ
ブルを想定して燃料ガスマニホールド20内の燃料ガス
圧力を水マニホールド21のそれよりも8kPa高く設
定したが、水マニホールド21への燃料ガスの漏れ込み
はなかった。
【0150】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、次のよう
な作用効果が得られる。すなわち、本発明によれば、複
数の単位電池を積層してなる燃料電池本体において、燃
料ガス供給溝の燃料ガス導入部に液状の水を供給する水
供給手段を設けることにより、各単位電池に水を均等に
供給することができる。このことから反応ガスを予め加
湿しないでも固体高分子膜の乾燥を防止でき、しかも冷
却水循環システムを必要とせず高負荷時や大きな負荷変
動時においても安定した発電が可能となる燃料電池本体
を提供することが可能となり、以下の効果がある。
【0151】(1)燃料電池本体を冷却するために従来
必要であった冷却水供給セパレータを必要としないた
め、燃料電池本体をコンパクト化、軽量化できる。
【0152】(2)燃料電池本体を冷却するために従来
必要であった大きな冷却水循環システム必要としないた
め、水供給システムをコンパクト化、軽量化できる。
【0153】(3)酸化剤ガスを予め加湿しないでも固
体高分子膜は乾燥せず、従来必要であった大きな加湿器
を必要としない。
【0154】又、水供給手段を反応ガス供給セパレータ
の少なくとも片面を加工して設けたことにより、燃料電
池本体のコンパクト化/軽量化ができ、製造コストも大
幅にできる。
【0155】さらに、燃料極の触媒層と燃料ガス供給溝
の間に撥水層を構成する多孔質体を設けたことにより、
燃料極に過剰の水を供給しても燃料極でのフラッディン
グ現象による電圧低下は起こらず、供給水量許容幅が広
がった。また、適切な供給水量を発電電圧V(V/セ
ル)および負荷電流I(A)から演算し、電池本体に供
給する水量を制御することにより、大きな負荷変動時に
おいても供給水の過不足が生じず、安定した運転が可能
となる。
【0156】以上述べたことから本発明によれば、簡素
化、コンパクト化/軽量化、高信頼性化、さらにはそれ
らによる低コスト化が可能な固体高分子型燃料電池およ
び固体高分子型燃料電池システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る固体高分子型燃
料電池本体の構成を説明するための断面図。
【図2】図1の実施形態における反応ガス供給セパレー
タの燃料ガス導入部の構成を説明するための図。
【図3】図1の実施形態における固体高分子型燃料電池
発電システムを説明するための系統図。
【図4】本発明の潜熱冷却のメカニズムを説明するため
の図。
【図5】本発明の燃料極への供給水量と電池運転温度お
よび電池電圧の関係を説明するための図。
【図6】図1の実施形態における反応ガス供給セパレー
タの燃料ガス導入部の構成を説明するための図。
【図7】本発明の第2の実施形態における反応ガス供給
セパレータの燃料ガス導入部の構成を説明するための
図。
【図8】本発明の第3の実施形態における反応ガス供給
セパレータの燃料ガス導入部の構成を説明するための
図。
【図9】本発明の第3の実施形態における反応ガス供給
セパレータの燃料ガス導入部の構成を説明するための
図。
【図10】本発明の第4の実施形態における反応ガス供
給セパレータの燃料ガス導入部の構成を説明するための
図。
【図11】本発明の第5の実施形態における反応ガス供
給セパレータの燃料ガス導入部の構成を説明するための
図。
【図12】従来の固体高分子型燃料電池本体の基本構成
の一例を示す概念断面図。
【図13】従来の固体高分子型燃料電池発電システムを
示す系統図。
【符号の説明】
01…基本構成 1…固体高分子膜 2…燃料極 02…基本構成 3…酸化剤極 4…単位電池 5…燃料ガス供給セパレータ 6…酸化剤ガス供給セパレータ 7…冷却水供給セパレータ 8…反応ガス供給セパレータ 10…改質器 11…燃料電池本体 12…加湿器 32…定量ポンプ 13…水供給システム 14…ブロア 15…冷却器 16…ドレインポット 17…冷却板 18…改質水供給ライン 20…燃料ガスマニホールド 21…水マニホールド 22…燃料ガス供給溝 23…燃料ガス導入部 24…隔壁 25…突起 26…ヘッダ 28…水供給溝 29…隔壁 30…熱回収システム 31…連通孔 32…ダイヤフラム式定量ポンプ 32…定量ポンプ 33…スタック水供給ライン 34…演算・制御装置 41,43…サブストレート 42,44…触媒層 46…燃料ガス供給溝 47…冷却水供給溝 48…酸化剤ガス供給溝 49…酸化剤ガス供給溝 50…多孔質体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 8/24 H01M 8/24 R (72)発明者 狩野 昭雄 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 宗内 篤夫 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 堀 美知郎 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 5H018 AA06 AS02 EE03 EE19 HH04 5H026 AA06 CC03 CC08 EE19 HH04 5H027 AA06 BA01 BA09 CC06 KK54 KK56 MM16

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体高分子膜の両面に触媒層を有する燃
    料極と触媒層を有する酸化剤極をそれぞれ配置した単位
    電池を、両面に燃料ガス供給溝と酸化剤ガス供給溝をそ
    れぞれ設けた反応ガス供給セパレータを介して複数積層
    した固体高分子型燃料電池本体において、 少なくとも前記燃料極の触媒層と前記燃料ガス供給溝の
    間に設けた多孔質性の撥水層と、 前記反応ガス供給セパレータの少なくとも片面に設けた
    前記の燃料ガス供給溝の燃料ガス導入部に液状の水を供
    給する水供給手段と、 前記燃料ガス導入部に供給する水量を制御する手段と、
    を具備したことを特徴とする固体高分子型燃料電池本
    体。
  2. 【請求項2】 前記水供給手段は、少なくとも前記反応
    ガス供給セパレータを貫通して配置した水マニホールド
    と、該反応ガス供給セパレータの片面に形成した燃料ガ
    ス供給溝と、前記反応ガス供給セパレータであって前記
    燃料ガス供給溝の燃料ガス導入部に配置したへッダと、
    前記反応ガス供給セパレータであって前記へッダと前記
    水マニホールドをつなぐ水供給溝とで構成したことを特
    徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池本体。
  3. 【請求項3】 前記水供給手段は、少なくとも前記反応
    ガス供給セパレータを貫通して配置した水マニホールド
    と、該反応ガス供給セパレータの片面に形成した燃料ガ
    ス供給溝と、前記反応ガス供給セパレータであって前記
    燃料ガス供給溝の燃料ガス導入部に配置したへッダと、
    前記反応ガス供給セパレータであって前記へッダに配設
    した多孔質体と、前記反応ガス供給セパレータであって
    前記へッダと前記水マニホールドをつなぐ水供給溝とで
    構成したことを特徴とする請求項1に記載の固体高分子
    型燃料電池本体。
  4. 【請求項4】 前記水供給手段は、少なくとも前記反応
    ガス供給セパレータを貫通して配置した水マニホールド
    と、該反応ガス供給セパレータの片面に形成した燃料ガ
    ス供給溝と、前記反応ガス供給セパレータであって前記
    燃料ガス供給溝の燃料ガス導入部に配置したへッダと、
    前記反応ガス供給セパレータであって前記へッダと前記
    水マニホールドをつなぐ水供給溝と、前記反応ガス供給
    セパレータであって前記水供給溝に配設した多孔質体
    と、で構成したことを特徴とする請求項1に記載の固体
    高分子型燃料電池本体。
  5. 【請求項5】 前記水供給手段は、少なくとも前記反応
    ガス供給セパレータを貫通して配置した水マニホールド
    と、該反応ガス供給セパレータの片面に形成した燃料ガ
    ス供給溝と、前記反応ガス供給セパレータであって前記
    燃料ガス供給溝が形成されている面に存在する燃料ガス
    導入部とは反対側の裏面に形成し、前記水マニホールド
    と連通する水供給溝と、前記反応ガス供給セパレータで
    あって前記燃料ガス導入部と前記水供給溝をつなぐ連通
    孔と、で構成したことを特徴とする請求項1に記載の固
    体高分子型燃料電池本体。
  6. 【請求項6】 前記水供給手段は、少なくとも前記反応
    ガス供給セパレータを貫通して配置した水マニホールド
    と、該反応ガス供給セパレータの片面に形成した燃料ガ
    ス供給溝と、前記反応ガス供給セパレータであって前記
    燃料ガス供給溝が形成されている面に存在する燃料ガス
    導入部とは反対側の裏面に形成し、前記水マニホールド
    と連通する水供給溝と、前記反応ガス供給セパレータで
    あって前記燃料ガス導入部と前記水供給溝をつなぐ連通
    孔と、前記連通孔を覆うように配置した多孔質体と、で
    構成したことを特徴とする請求項1に記載の固体高分子
    型燃料電池本体。
  7. 【請求項7】 前記多孔質体の平均気孔径は20μm以
    下(0を含まず)であることを特徴とする請求項4又は
    請求項6に記載の固体高分子型燃料電池本体。
  8. 【請求項8】 少なくとも燃料極に水を供給する手段を
    設けた固体高分子型燃料電池本体と、 前記燃料電池本体より排出される燃料排ガスおよび酸化
    剤排ガスから水を回収する水回収手段と、 前記固体高分子型燃料電池本体に前記水回収手段で回収
    された回収水を供給する水供給手段と、 前記水供給手段からの供給水量を制御する手段と、 を具備したことを特徴とする固体高分子型燃料電池発電
    システム。
  9. 【請求項9】 前記供給水量を制御する手段は、固体高
    分子型燃料電池本体の発電電圧および負荷電流から給水
    量を演算する演算手段と、前記演算手段の演算結果の信
    号により回収水の供給水量を制御する定量ポンプと、 で構成したことを特徴とする請求項8に記載の固体高分
    子型燃料電池発電システム。
  10. 【請求項10】 前記演算手段は、発電電圧V(V/セ
    ル)、負荷電流I(A)、積層電池枚数C(セル)、水
    の蒸発潜熱h(J/g)、電池反応により生成した水が
    水蒸気になる生成エンタルピー変化ΔH(J/mo
    l)、ファラデー定数F(C/mol)としたとき、
    (1)式に基づき、供給水量W(g/min)を求める
    ものであり、前記供給水量を制御する手段は該供給水量
    の20倍量までの任意の水量を前記固体高分子型燃料電
    池本体に供給制御を行うことを特徴とする請求項8又は
    請求項9に記載の固体高分子型燃料電池発電システム。 W=30・I・C・(ΔH/F−2V)/h (1)式
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