JP2000208156A - 固体高分子型燃料電池システム - Google Patents

固体高分子型燃料電池システム

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JP2000208156A
JP2000208156A JP11005437A JP543799A JP2000208156A JP 2000208156 A JP2000208156 A JP 2000208156A JP 11005437 A JP11005437 A JP 11005437A JP 543799 A JP543799 A JP 543799A JP 2000208156 A JP2000208156 A JP 2000208156A
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gas
fuel cell
water
polymer electrolyte
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Taiji Kogami
泰司 小上
Kazuo Saito
和夫 齊藤
Soichiro Shimotori
宗一郎 霜鳥
Atsushi Oma
敦史 大間
Atsuo Muneuchi
篤夫 宗内
Michio Hori
美知郎 堀
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Original Assignee
Toshiba Corp
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    • H01M8/04Auxiliary arrangements, e.g. for control of pressure or for circulation of fluids
    • H01M8/04082Arrangements for control of reactant parameters, e.g. pressure or concentration
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    • H01M8/04119Arrangements for control of reactant parameters, e.g. pressure or concentration of gaseous reactants with simultaneous supply or evacuation of electrolyte; Humidifying or dehumidifying
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】不純物を含む加湿水を使用しても電池特性が低
下することがなく、また外気温が氷点下になるような環
境下に置かれた場合でも、システムにダメージを与えず
に短時間で起動することができ、さらにコンパクトで安
価とすること。 【解決手段】燃料極・酸化剤極間に固体高分子電解質膜
を挟持させてなる単電池101 を、燃料極・酸化剤極に燃
料ガス・酸化剤ガスを供給する燃料ガス供給通路105a・
酸化剤ガス供給通路106aを有するガス不透過性のセパレ
ータ105,106 を介して複数積層して成る固体高分子型燃
料電池スタックに、燃料ガス・酸化剤ガスを供給して両
者の電気化学的反応により発電を行う固体高分子型燃料
電池システムにおいて、水だけが選択的に透過する逆浸
透膜3と膜内に浸透した水が膜表面から蒸発する浸透気
化膜4とからなる複合膜8を介して、逆浸透膜3側に加
湿水を、浸透気化膜4側に反応ガスを夫々供給すること
により、反応ガスを加湿する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子膜を電
解質として用いた固体高分子型燃料電池スタックを備え
た固体高分子型燃料電池システムに係り、特に固体高分
子型燃料電池スタックに供給する反応ガスである燃料ガ
スおよび酸化剤ガスの加湿手段を改良した固体高分子型
燃料電池システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、燃料電池は、反応ガスである水
素等の燃料ガスと空気等の酸化剤ガスを電気化学的に反
応させることにより、燃料の持つ化学エネルギーを直接
電気エネルギーに変換する装置である。この燃料電池
は、電解質の違い等により様々なタイプのものに分類さ
れるが、その一つとして、電解質に固体高分子膜を用い
た固体高分子型燃料電池が知られている。
【0003】図8は、この種の固体高分子型燃料電池に
おける固体高分子型燃料電池スタックの基本構成(単位
電池構成)の一例を示す模式断面図である。
【0004】図8において、固体高分子型燃料電池は、
イオン導電性を有する固体高分子電解質膜(以下、固体
高分子膜と称する)102を挟んで配置した燃料極(以
下、アノード電極と称する)103、および酸化剤極
(以下、カソード電極と称する)104からなる単電池
101と、それぞれの電極に反応ガスである燃料ガスお
よび酸化剤ガスを供給するための燃料ガス供給通路10
5a、酸化剤ガス供給通路106aをそれぞれ設けた導
電性を有するガス不透過性の燃料ガス供給通路付きセパ
レータ105、酸化剤ガス供給通路付きセパレータ10
6とから基本的に構成されている。
【0005】ここで、アノ一ド電極103は、アノ一ド
触媒層103aとアノ一ド多孔質カーボン平板103b
とから、またカソード電極104は、カソード触媒層1
04aとカソード多孔質カーボン平板104bとからそ
れぞれ形成されている。
【0006】さらに、アノ一ド電極103側の反応ガス
供給通路付きセパレータ105の反応ガス供給通路の裏
面には、冷却媒体である冷却水が流通する冷却水流通路
105bが形成されている。
【0007】なお、各単位電池101毎に冷却をしない
場合には、ガス不透過性の反応ガス供給通路付きセパレ
ータとして、一方の面に酸化剤ガスを、他方の面に燃料
ガスをそれぞれ供給する溝を形成したものが用いられ
る。
【0008】アノ一ド電極に燃料ガスを、カソード極に
酸化剤ガスをそれぞれ供給すると、単位電池101の一
対の電極間で電気化学反応により起電力が生じる。通
常、燃料ガスとして水素、酸化剤ガスとして空気が使用
されている。
【0009】以上のような構成の固体高分子型燃料電池
スタックを備えた固体高分子型燃料電池において、アノ
一ド電極103に燃料ガスを、カソード電極104に酸
化剤ガスをそれぞれ供給すると、単電池101の一対の
電極間で電気化学反応により起電力が生じる。ここで、
通常、燃料ガスとして水素、酸化剤ガスとして空気がそ
れぞれ使用されている。
【0010】アノード電極103に水素、カソード電極
104に空気をそれぞれ供給すると、アノード電極10
3では、供給された水素はアノ一ド触媒層103aで水
素イオンと電子に解離し、水素イオンは固体高分子膜1
02を通って、電子は外部回路を通って、カソード電極
104にそれぞれ移動する。
【0011】一方、カソード電極104では、供給した
空気中の酸素と上記水素イオンと電子が、カソード触媒
層104aで反応して水を生成する。この時、外部回路
を通った電子は電流となり、電力を供給することができ
る。すなわち、アノ一ド電極103とカソード電極10
4では、それぞれ以下のような反応が進行する。なお、
生成した水は、未反応ガスと共に電池外に排出される。
【0012】アノード反応 : H2 →2H+ +2e- カソード反応 : 2H+ +1/2O2 +2e- → H
2 O 単位電池101の起電力は、1V以下と低いため、通常
は、上記セパレータ105,106を介して数十〜数百
枚の単位電池101を積層し、固体高分子型燃料電池ス
タックとして使用される。また、発電に伴なって固体高
分子型燃料電池スタックは発熱するが、冷却水流通路1
05bに供給する冷却水にて燃料電池スタックの温度コ
ントロールを行なっている。
【0013】一方、イオン導電性を有する固体高分子膜
102としては、例えばブロトン交換膜であるパーフル
オロロカーボンスルホン酸(ナフィオン:米国、デュ
ボン社)が知られている。
【0014】この固体高分子膜102は、分子中に水素
イオンの交換基を持ち、飽和含水することにより、イオ
ン導電性電解質として機能すると共に、燃料ガスと酸化
剤ガスとを分離する機能も有する。
【0015】逆に、固体高分子膜102の含水量が少な
くなると、イオン抵抗が高くなり、燃料ガスと酸化剤ガ
スとの混合(クロスオーバ)が発生し、電池での発電が
不可能となる。このため、高い電池性能を得るために
は、固体高分子型燃料電池では、固体高分子膜102を
常に飽和含水としておくことが望ましい。
【0016】一方、発電によりアノ一ド電極103で解
離した水素イオンが、固体高分子膜102を通りカソー
ド電極104に移動する時に、水も一緒に移動するた
め、アノ一ド電極103側では、固体高分子膜102は
乾燥傾向になる。
【0017】また、供給する燃料ガスまたは酸化剤ガス
である空気に含まれる水蒸気が少ないと、それぞれの反
応ガス入り口付近で固体高分子膜102は乾燥傾向にな
る。
【0018】以上のような理由から、固体高分子型燃料
電池を運転する時には、以下に示すような外部加湿方
式、または内部加湿方式により、反応ガスである燃料ガ
スおよび酸化剤ガスを加湿することが般的である。
【0019】外部加湿方式は、燃料電池に反応ガスを供
給する前に、あらかじめ加湿器により反応ガスを加湿す
る方法である。
【0020】加湿器の例としては、タンクに蓄えた加湿
水に反応ガスをバッブリングして加湿するバブラー加湿
方式や、反応ガスと加湿水とを水分透過膜を介して接さ
せて加湿する膜加湿方式(例えば、特開平3−2097
1号)等が上げられる。上記方法において、加湿水とし
て電池を冷却する冷却水や、反応ガスから凝縮回収した
生成水が使用されている。
【0021】内部加湿方式は、電池に接して形成した反
応ガス供給通路に、直接冷却水等を加湿水として直接供
給する方法である。
【0022】例えば、図8において、冷却水流通路10
5bと反応ガス流通溝105aとを多孔性の板または膜
で仕切り、冷却水を反応ガス供給通路に圧力差で押し出
すことにより、反応ガスを加湿する直接膜加湿方法等が
ある(例えば、特開平6ー68884号、特開平8−1
67417号)。この方法は、電池部で加湿水が蒸発す
るため、電池の発熱を潜熱冷却できるというメリットが
ある。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の加湿方法では、加湿水に不純物が含まれると、不
純物も加湿に伴なって反応ガス側に移動し、その不純物
が固体高分子膜や触媒層に吸着して電池特性を低下させ
る。このため、加湿水として不純物を含まない純水を使
用する必要がある。
【0024】一方、加湿水として純水を用いる固体高分
子型燃料電池システムでは、外気温が氷点下になるよう
な環境下に置かれた場合、運転を休止している間にシス
テム内部の水が凍結するといった問題がある。例えば、
バプラー式加湿方法では、タンク内に蓄えた加湿水が凍
結すると、反応ガスは流れなくなり、場合によっては、
タンク、配管の変形、さらには破壊といった問題が生じ
る恐れがある。
【0025】また、膜加湿方法、直接膜加湿方法では、
加湿水配管内および加湿膜に接する加湿水流通路内で加
湿水が凍結することにより、配管や加湿ユニットが破壊
されるという重大な問題が生じる恐れがある。
【0026】さらに、加湿水として冷却水を使用する場
合には、冷却水も必然的に純水を用いる必要があること
から、固体高分子型燃料電池スタック内の冷却水配管に
貯まった水が凍結する可能性があり、加湿ユニットの場
合と同様に、流路の閉塞、スタックの変形、破壊といっ
た致命的な問題に発展する恐れがある。
【0027】そこで、これらの問題を回避するために、
凍結の恐れのある箇所に加熱源を設けて、凍結の可能性
のある条件では常にシステムを加熱して凍結しないよう
にする手段の採用が考えられるが、この場合には、加熱
するためのエネルギーが膨大な量になり、省エネといっ
た観点から他のシステムに比べて非常に不利なシステム
になる。
【0028】また、システム内部のダクト内にある水を
空気等で吹き飛ばすといった方法も考えられるが、全部
の水を確実に吹き飛ばずことは困難であり、さらにシス
テム立ち上げに時間がかかったり、また制御が複雑化す
るといった問題がある。
【0029】本発明の目的は、不純物を含む加湿水を使
用しても電池特性が低下することがなく、また外気温が
氷点下になるような環境下に置かれた場合でも、システ
ムにダメージを与えずに短時間で起動することが可能な
コンパクトでかつ安価な固体高分子型燃料電池システム
を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、燃料極および酸化剤極から
なる一対のガス拡散電極間に固体高分子電解質膜を挟持
させてなる単電池を、燃料極および酸化剤極に反応ガス
である燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給するための燃料
ガス供給通路および酸化剤ガス供給通路を有するガス不
透過性のセパレータを介して複数積層して成る固体高分
子型燃料電池スタックを備え、固体高分子型燃料電池ス
タックに燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給して両者の電
気化学的反応により発電を行ない電気的出力を発生する
固体高分子型燃料電池システムにおいて、水だけが選択
的に透過する逆浸透膜または限外濾過膜と膜内に浸透し
た水が膜表面から蒸発する浸透気化膜とからなる複合膜
を介して、逆浸透膜または限外濾過膜側に加湿水を、浸
透気化膜側に反応ガスをそれぞれ供給することにより、
反応ガスを加湿するようにしている。
【0031】従って、請求項1の発明の固体高分子型燃
料電池システムにおいては、水だけが選択的に透過する
逆浸透膜または限外濾過膜と膜内に浸透した水が膜表面
から蒸発する浸透気化膜とからなる複合膜を介して、逆
浸透膜または限外濾過膜側に加湿水を、浸透気化膜側に
反応ガスをそれぞれ供給することで反応ガスを加湿する
ことにより、加湿水に不純物が混入しても、逆浸透膜ま
たは限外濾過膜によって不純物の透過を防止でき、水の
みを浸透気化膜に移動することができる。浸透気化膜に
移動した水は、反応ガス側で蒸発することにより、反応
ガスを加湿することができる。この時、反応ガスに蒸発
する水の量は、反応ガスの温度に応じた飽和水蒸気圧で
制限されるため、反応ガス側に過剰な水を押し出すこと
なく、適量に反応ガスを加湿することができる。なお、
複合膜を使用することにより、逆浸透膜または限外濾過
膜の厚さを限界まで薄くすることができ、水の透過性能
を向上することが可能となる。以上により、不純物を含
んだ加湿水を使用しても、不純物を含まず反応ガスを適
度に加湿することができるため、固体高分子電解質膜や
触媒層にダメージを与えることがない。
【0032】また、請求項2の発明では、上記請求項1
の発明の固体高分子型燃料電池システムにおいて、加湿
水として凝固点降下剤を混合した不凍液を供給して、反
応ガスを加湿するようにしている。
【0033】従って、請求項2の発明の固体高分子型燃
料電池システムにおいては、加湿水として凝固点降下剤
を混合した不凍液を供給して、反応ガスを加湿すること
により、加湿水に凝固点降下剤が含まれていても、不純
物(凝固点降下剤)を含まず、固体高分子電解質膜や触
媒層にダメージを与えることなしに、反応ガスを適度に
加湿することができる。また、加湿水として不凍液を供
給できると共に、不凍液から直接反応ガスを加湿できる
ため、反応ガスを加湿するための純水を貯めておく加湿
水タンクが不要となり、外気温が氷点下になるような環
境下に置かれた場合でも、システムの凍結によるダメー
ジを受けることはなく、短時間でシステムを起動するこ
とができる。
【0034】一方、燃料極および酸化剤極からなる一対
のガス拡散電極間に固体高分子電解質膜を挟持させてな
る単電池を、燃料極および酸化剤極に反応ガスである燃
料ガスおよび酸化剤ガスを供給するための燃料ガス供給
通路および酸化剤ガス供給通路を有するガス不透過性の
セパレータ、および冷却水が流通する冷却板を介して複
数積層して成る固体高分子型燃料電池スタックを備え、
固体高分子型燃料電池スタックに燃料ガスおよび酸化剤
ガスを供給して両者の電気化学的反応により発電を行な
い電気的出力を発生する固体高分子型燃料電池システム
において、請求項3の発明では、燃料ガス供給通路また
は酸化剤ガス供給通路のうちの少なくとも一方の反応ガ
ス供給通路と冷却板に形成された冷却水供給通路とを、
水だけが選択的に透過する逆浸透膜または限外濾過膜と
膜内に浸透した水が膜表面から蒸発する浸透気化膜とか
らなる複合膜により少なくとも隔離し、逆浸透膜または
限外濾過膜側に冷却水を、浸透気化膜側に反応ガスをそ
れぞれ供給することにより、反応ガスを加湿するように
している。
【0035】従って、請求項3の発明の固体高分子型燃
料電池システムにおいては、燃料ガス供給通路または酸
化剤ガス供給通路のうちの少なくとも一方の反応ガス供
給通路と冷却板に形成された冷却水供給通路とを、水だ
けが選択的に透過する逆浸透膜または限外濾過膜と膜内
に浸透した水が膜表面から蒸発する浸透気化膜とからな
る複合膜により少なくとも隔離し、逆浸透膜または限外
濾過膜側に冷却水を、浸透気化膜側に反応ガスをそれぞ
れ供給することで反応ガスを加湿することにより、加湿
水に不純物が混入しても、逆浸透膜または限外濾過膜に
よって不純物の透過を防止でき、水のみを浸透気化膜に
移動することができる。浸透気化膜に移動した水は、反
応ガス側で蒸発することにより、反応ガスを加湿するこ
とができる。この時、反応ガスに蒸発する水の量は、反
応ガスの温度に応じた飽和水蒸気圧で制限されるため、
反応ガス側に過剰な水を押し出すことなく、適量に反応
ガスを加湿することができる。なお、複合膜を使用する
ことにより、逆浸透膜または限外濾過膜の厚さを限界ま
で薄くすることができ、水の透過性能を向上することが
可能となる。以上により、不純物を含んだ加湿水を使用
しても、不純物を含まず反応ガスを適度に加湿すること
ができるため、固体高分子電解質膜や触媒層にダメージ
を与えることがない。さらに、反応ガス供給通路に冷却
水を蒸発させる加湿方法としていることにより、別個に
加湿器を必要としない。また、発電中に電池が発生する
熱を、潜熱冷却で電池面内を均一冷却することができ
る。
【0036】また、請求項4の発明では、燃料ガス供給
通路または酸化剤ガス供給通路のうちの少なくとも一方
の反応ガス供給通路と冷却板に形成された冷却水供給通
路とを、水だけが選択的に透過する逆浸透膜または限外
濾過膜と膜内に浸透した水が膜表面から蒸発する浸透気
化膜とからなる複合膜により少なくとも隔離し、逆浸透
膜または限外濾過膜側に冷却水を、浸透気化膜側に反応
ガスをそれぞれ供給すると共に、冷却水として凝固点降
下剤を混合した不凍液を供給することにより、反応ガス
を水蒸気加湿するようにしている。
【0037】従って、請求項4の発明の固体高分子型燃
料電池システムにおいては、上記請求項3の発明の固体
高分子型燃料電池システムに加えて、冷却水として凝固
点降下剤を混合した不凍液を供給することにより、冷却
水に凝固点降下剤が含まれていても、不純物(凝固点降
下剤)を含まず電池内で直接反応ガスを適度に加湿する
ことができるため、固体高分子電解質膜や触媒層にダメ
ージを与えることはない。また、冷却水として不凍液を
供給できると共に、不凍液から直接反応ガスを加湿でき
るため、反応ガスを加湿するための純水を貯めておく加
湿水タンクが不要となり、外気温が氷点下になるような
環境下に置かれた場合でも、システムの凍結によるダメ
ージを受けることはなく、短時間でシステムを起動する
ことができる。
【0038】一方、請求項5の発明では、上記請求項1
乃至請求項4のいずれか1項の発明の固体高分子型燃料
電池システムにおいて、水だけが選択的に透過する逆浸
透膜または限外濾過膜と膜内に浸透した水が膜表面から
蒸発する浸透気化膜とからなる複合膜を、浸透気化膜側
で撥水性の多孔質体に少なくとも支持するようにしてい
る。
【0039】従って、請求項5の発明の固体高分子型燃
料電池システムにおいては、上記複合膜の加湿性能は、
薄膜にするほど高くなり、薄くするほどその強度は低下
する難点があることから、複合膜を浸透気化膜側で撥水
性の多孔質体に少なくとも支持することにより、加湿水
または冷却水圧力と反応ガス圧力との差圧に対して、強
度を持たせることができる。また、多孔質体は撥水性で
あるため、浸透気化膜表面から蒸発した水蒸気は多孔質
体内部に滞留することなく、速やかに反応ガス側に移動
して反応ガスを加湿することができるため、加湿能力は
低下することはない。
【0040】また、請求項6の発明では、上記請求項1
乃至請求項4のいずれか1項の発明の固体高分子型燃料
電池システムにおいて、水だけが選択的に透過する逆浸
透膜または限外濾過膜と膜内に浸透した水が膜表面から
蒸発する浸透気化膜とからなる複合膜を、逆浸透膜また
は限外濾過膜側で親水性の多孔質体に少なくとも支持す
るようにしている。
【0041】従って、請求項6の発明の固体高分子型燃
料電池システムにおいては、複合膜を逆浸透膜または限
外濾過膜側で親水性の多孔質体に少なくとも支持するこ
とにより、加湿水または冷却水圧力と反応ガス圧力との
差圧に対して、強度を持たせることができる。また、多
孔質体は親水性であるため、逆浸透膜または限外濾過膜
の全面を加湿水または冷却水で覆うことができ、浸透気
化膜側への水の移動を阻害することはない。
【0042】一方、請求項7の発明では、燃料極および
酸化剤極からなる一対のガス拡散電極間に固体高分子電
解質膜を挟持させてなる単電池を、燃料極および酸化剤
極に反応ガスである燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給す
るための燃料ガス供給通路および酸化剤ガス供給通路を
有するガス不透過性のセパレータ、および冷却媒体が流
通する冷却板を介して複数積層して成る固体高分子型燃
料電池スタックを備え、燃料ガスとして水素または水素
を含有するガスを、酸化剤ガスとして空気を、冷却媒体
として凝固点降下剤を水に含有する不凍液をそれぞれ供
給して両者の電気化学的反応により発電を行ない電気的
出力を発生する固体高分子型燃料電池システムにおい
て、固体高分子型燃料電池スタック上流側の燃料ガス供
給経路または酸化剤ガス供給経路のうちの少なくとも一
方に反応ガス加湿ユニットを設け、反応ガス加湿ユニッ
トは、選択的に水分を透過する水分透過膜を介して冷却
媒体と燃料ガスまたは酸化剤ガスとを接触させている。
【0043】従って、請求項7の発明の固体高分子型燃
料電池システムにおいては、固体高分子型燃料電池スタ
ックを冷却する冷却媒体に不凍液を用い、この冷却媒体
によって反応ガスを直接加湿することにより、反応ガス
を加湿するための純水を貯蔵する加湿水タンクが不要と
なり、外気温が氷点下になるような環境下に置かれた場
合でも、システムの凍結によるダメージを受けることは
なく、短時間でシステムを起動することができる。
【0044】また、請求項8の発明では、上記請求項7
の発明の固体高分子型燃料電池システムにおいて、反応
ガス加湿ユニットは、固体高分子型燃料電池スタックに
一体化している。
【0045】従って、請求項8の発明の固体高分子型燃
料電池システムにおいては、固体高分子型燃料電池スタ
ックと反応ガス加湿ユニットとを一体化としていること
により、余分な配管は必要とせず、コンパクトなシステ
ムとすることができる。
【0046】さらに、請求項9の発明では、上記請求項
7の発明の固体高分子型燃料電池システムにおいて、冷
却媒体は、固体高分子型燃料電池スタックを通過した後
に反応ガス加湿ユニットヘ供給するようにしている。
【0047】従って、請求項9の発明の固体高分子型燃
料電池システムにおいては、冷却媒体を、固体高分子型
燃料電池スタックを通過させた後に反応ガス加湿ユニッ
トヘ供給することにより、固体高分子型燃料電池スタッ
クを通過した直後の冷却媒体は最も温度が高く、反応ガ
スとの熱および水蒸気交換の能力が最も高いことから、
より一層多くの水蒸気を反応ガスに供給することができ
る。
【0048】また、請求項10の発明では、上記請求項
7の発明の固体高分子型燃料電池システムにおいて、燃
料ガスの排出経路または酸化剤ガスの排出経路のうちの
少なくとも一方に、凝縮水をトラップする手段を設け、
凝縮水を冷却媒体に供給する手段を設けている。
【0049】従って、請求項10の発明の固体高分子型
燃料電池システムにおいては、冷却媒体によって反応ガ
スを加湿すると、冷却媒体中の水分が消費されて不凍液
濃度が高くなるため水を補給する必要があることから、
固体高分子型燃料電池スタックから排出される未反応の
燃料ガスまたは酸化剤ガスから水を凝縮して、これを冷
却媒体に直接供給することにより、純水を貯蔵するタン
クを必要とせず、不凍液の濃度を一定に保つことができ
る。
【0050】以上により、外気温が氷点下になるような
環境下に置かれた場合でも、システムの凍結によるダメ
ージを受けることはなく、短時間でシステムを起動する
ことができる。
【0051】さらに、請求項11の発明では、上記請求
項10の発明の固体高分子型燃料電池システムにおい
て、冷却媒体に含まれる凝固点降下剤の濃度が一定とな
るように、凝縮水の供給量を制御する手段を設けてい
る。
【0052】従って、請求項11の発明の固体高分子型
燃料電池システムにおいては、凝縮水の供給量を制御す
る手段を設けることにより、不凍液の濃度を常に一定レ
ベルに容易に維持することができる。
【0053】以上により、外気温が氷点下になるような
環境下に置かれた場合でも、システムの凍結によるダメ
ージを受けることはなく、短時間でシステムを起動する
ことができる。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0055】(第1の実施の形態:請求項1に対応)図
1は、本実施の形態による固体高分子型燃料電池システ
ムにおける加湿器の構成例を示す断面図である。
【0056】図1において、加湿器1は、サブストレー
ト2を支持体として、水だけが選択的に透過する逆浸透
膜3と膜内に浸透した水が膜表面から蒸発する浸透気化
膜4とからなる複合膜8を、反応ガス流通路を設けた反
応ガス流通セパレータ5と加湿水流通路を設けた加湿水
流通セパレータ6との間に挟持した構成としている。
【0057】また、サブストレート2側、すなわち逆浸
透膜3側に加湿水を、浸透気化膜4側に反応ガスをそれ
ぞれ供給することにより、反応ガスを加湿するようにし
ている。
【0058】次に、以上のように構成した本実施の形態
による加湿器1を備えた固体高分子型燃料電池システム
においては、水だけが選択的に透過する逆浸透膜3と膜
内に浸透した水が膜表面から蒸発する浸透気化膜4とか
らなる複合膜8を介して、逆浸透膜3側に加湿水を、浸
透気化膜4側に反応ガスをそれぞれ供給することで反応
ガスを加湿していることにより、加湿水に不純物が混入
しても、逆浸透膜3によって不純物の透過を防止でき、
水のみを浸透気化膜4に移動することができる。浸透気
化膜4に移動した水は、反応ガス側で蒸発することによ
り、反応ガスを加湿することができる。
【0059】この時、反応ガスに蒸発する水の量は、反
応ガスの温度に応じた飽和水蒸気圧で制限されるため、
反応ガス側に過剰な水を押し出すことなく、適量に反応
ガスを加湿することができる。
【0060】なお、複合膜8を使用することにより、逆
浸透膜3の厚さを限界まで薄くすることができ、水の透
過性能を向上することができる。
【0061】以上により、不純物を含んだ加湿水を使用
しても、不純物を含まず反応ガスを適度に加湿すること
ができるため、固体高分子電解質膜や触媒層にダメージ
を与えることがなく、電池性能が低下することがなく、
長期間安定して運転を行なうことが可能となる。
【0062】ここで、特に本実施の形態では、浸透気化
膜4として、平均細孔径1μm、厚さ100pmの多孔
質膜を使用する。
【0063】また、前記浸透気化膜4表面に、平均細孔
径0.005μm、厚さ1μmの逆浸透膜3を形成して
複合膜8とする。
【0064】さらに、サブストレート2は、厚さ350
pmのカーボン製の多孔質体とする。
【0065】一方、加湿水として、不純物の多く含む水
道水を80℃を使用し、反応ガス圧力に対して50kP
a程度高い圧力で、加湿水流通セパレータ6に供給す
る。反応ガス流通セパレータ5から排出される反応ガス
は80℃、相対湿度90%程度まで加湿されることを確
認した。また、反応ガスに蒸発した水蒸気に含まれる不
純物は、加湿水の不純物に対して1/20以下となって
いた。
【0066】図2は、本実施の形態の加湿器1の加湿原
理を模式的に示す図である。
【0067】すなわち、本実施の形態の加湿器1では、
加湿水に不純物が混入しても、逆浸透膜3により不純物
の透過を防止でき、水のみを浸透気化膜4に移動するこ
とができる。また、浸透気化膜4に移動した水は、反応
ガス側で蒸発することにより、反応ガスを加湿すること
ができる。
【0068】この時、浸透気化膜4の加湿水側の圧力
を、浸透気化膜4の気孔径から決定される水の毛細管圧
力(ΔP=2σCOSθ/r P:毛細管力 σ:表面
張力θ:接触角 r:細孔半径)よりも小さく設定する
ことにより、反応ガス側に過剰な水が押し出されること
なく、反応ガスの温度に応じた飽和水蒸気圧になるまで
水分を反応ガス中に蒸発させることができる。
【0069】なお、本実施の形態では、毛細管圧力は
0.22MPa程度である。
【0070】本実施の形態の加湿器1により加湿した反
応ガスを、固体高分子燃料電池スタックに供給して発電
試験を行なった。その結果、従来の多孔質体を介して加
湿水を反応ガスに押し出す加湿器では、2000時間程
度の運転で電池抵抗が徐々に増加するのに伴ない電池電
圧が低下するのに対して、本実施の形態の加湿器1で
は、2000時間を超えても電池電圧は低下せず、安定
して発電することができた。
【0071】なお、本実施の形態では、不純物を濾過す
る目的で逆浸透膜3を使用したが、不純物の分子が大き
い時には、平均細孔径の大きい限外濾過膜を逆浸透膜3
の代わりに使用するようにすることにより、加湿水の圧
力を低減することができる。
【0072】(第2の実施の形態:請求項2に対応)本
実施の形態では、前述した第1の実施の形態の加湿器1
において、加湿水として、水に凝固点降下剤であるエチ
レングリコールを20%混合した不凍液を供給して、反
応ガスを加湿するようにしている。
【0073】次に、以上のように構成した本実施の形態
による加湿器1を備えた固体高分子型燃料電池システム
においては、加湿水として、凝固点降下剤であるエチレ
ングリコールを混合した不凍液を供給して、反応ガスを
加湿していることにより、加湿水に凝固点降下剤が含ま
れていても、不純物(凝固点降下剤)を含まず、固体高
分子電解質膜や触媒層にダメージを与えることなしに、
反応ガスを適度に加湿することができる。
【0074】すなわち、前述した第1の実施の形態の加
湿器1において、反応ガスに加湿された蒸気の中には、
殆どエチレングリコールは含まれていなかったが、これ
は同実施の形態で説明したように、逆浸透膜3がエチレ
ングリコールの透過を抑制したためである。
【0075】本実施の形態では、加湿水にエチレングリ
コールが含まれていても、反応ガスにはメタノ一ルが含
まれず、固体高分子電解質膜や触媒層にダメージを与え
ることなしに、反応ガスを適度に加湿することができ
る。
【0076】また、加湿水として不凍液を供給できると
共に、不凍液から直接反応ガスを加湿できるため、反応
ガスを加湿するための純水を貯めておく加湿水タンクが
不要となり、外気温が氷点下になるような環境下に置か
れた場合でも、システムの凍結によるダメージを受ける
ことはなく、短時間でシステムを起動することが可能と
なる。
【0077】(第3の実施の形態:請求項3に対応)図
3は、本実施の形態による固体高分子型燃料電池システ
ムにおける直接内部加湿構造を有する固体高分子型燃料
電池スタックの基本構成例を示す模式断面図であり、図
1および図8と同一要素には同一符号を付して示してい
る。
【0078】図3において、固体高分子型燃料電池は、
イオン導電性を有する固体高分子電解質膜を、2枚のガ
ス拡散電極であるアノード電極およびカソード電極で挟
持してなる単位電池101を、燃料ガス供給通路105
aおよび酸化剤ガス供給通路106aをそれぞれ設けた
導電性を有するガス不透過性の燃料ガス供給通路付きセ
パレータ105および酸化剤ガス供給通路付きセパレー
タ106で挟み、さらに燃料ガス供給側のセパレータ1
05には、逆浸透膜3と浸透気化膜4との複合膜8をサ
ブストレート2に支持した加湿板を介して冷却水流通路
105bを形成した冷却水供給板7を配置した構成とし
ている。
【0079】ここで、燃料ガス供給通路付きセパレータ
105は、水蒸気が透過できる多孔質体で形成してい
る。
【0080】次に、以上のように構成した本実施の形態
の固体高分子型燃料電池スタックを備えた固体高分子型
燃料電池システムにおいては、燃料ガス供給通路105
aまたは酸化剤ガス供給通路106aのうちの少なくと
も一方の反応ガス供給通路と冷却水供給板7に形成され
た冷却水流通路105bとを、水だけが選択的に透過す
る逆浸透膜3と膜内に浸透した水が膜表面から蒸発する
浸透気化膜4とからなる複合膜8により隔離し、逆浸透
膜3側に冷却水を、浸透気化膜側4に反応ガスをそれぞ
れ供給することで反応ガスを加湿していることにより、
冷却水を循環方式として水の品質を管理しなくても、加
湿水に不純物が混入しても、逆浸透膜3によって不純物
の透過を防止でき、水のみを浸透気化膜4に移動するこ
とができるため、固体高分子電解質膜や触媒層への不純
物吸着を抑制でき、長期間安定した電池出力を得ること
ができる。
【0081】また、電池本体に供給する反応ガスをあら
かじめ加湿する必要がなく、冷却水の特別な水管理も必
要とせず、システムを簡素化、コンパクト化することが
でき、製造コストも低減することができる。
【0082】さらに、加湿水の圧力を制御する必要がな
いため、固体高分子型燃料電池発電システムの制御が容
易となり、しかも負荷変動に対しても安定した電池出力
を得ることができる。
【0083】さらにまた、電池本体内のそれぞれの単位
電池101近傍で水が蒸発するため、電池を潜熱冷却で
きるため、電池温度を均−に維持でき、長期間安定した
電池出力を得ることができる。
【0084】ここで、特に本実施の形態では、複合膜8
は、平均細孔径1μm、厚さ100pmの浸透気化膜4
の表面に、平均細孔径0.005μm、厚さ0.5μm
の逆浸透膜膜3を形成した膜とする。
【0085】また、サブストレート2は、厚さ180μ
mのカーボン製の多孔質体とする。
【0086】さらに、冷却水は、電池入口温度を80℃
とし、反応ガス圧力に対して30kPa程度高い圧力
で、冷却水供給板7に供給する。
【0087】なお、冷却水は循環方式として、冷却水循
環系統には濾過器等を設置せず水質確保を行なわない。
【0088】本実施の形態の固体高分子燃料電池スタッ
クの発電試験を行なった。その結果、従来の多孔質体を
介して冷却水を反応ガスに押し出す構造の燃料電池スタ
ックでは、2500時間程度の運転で電池抵抗が徐々に
増加するのに伴ない電池電圧が低下するのに対して、本
実施の形態の構成の燃料電池スタックでは、2500時
間を超えても電池電圧は低下せず、安定して発電するこ
とができた。
【0089】(第4の実施の形態:請求項4に対応)本
実施の形態では、前述した第3の実施の形態の固体高分
子型燃料電池システムにおいて、冷却水として、水に凝
固点降下剤であるエチレングリコールを20%混合した
不凍液を供給して、反応ガスを水蒸気加湿するようにし
ている。
【0090】次に、以上のように構成した本実施の形態
による加湿器1を備えた固体高分子型燃料電池システム
においては、冷却水として、凝固点降下剤であるエチレ
ングリコールを混合した不凍液を供給していることによ
り、冷却水に凝固点降下剤が含まれていても、不純物
(凝固点降下剤)を含まず、電池内で直接反応ガスを適
度に加湿することができるため、固体高分子電解質膜や
触媒層にダメージを与えることはない。
【0091】本実施の形態の固体高分子型燃料電池シス
テムにおいても、2500時間以上電池電圧は安定して
運転することができた。これは、冷却水にエチレングリ
コール(凝固点降下剤)が含まれていても、エチレング
リコールを含まず電池内で直接反応ガスを適度に加湿す
ることができることを示している。
【0092】以上により、冷却水として不凍液を使用で
きるため、外気温が氷点下になるような環境下に置かれ
た場合でも、冷却水配管内または冷却水流通路内の冷却
水は凍結することはない。
【0093】また、冷却水として不凍液を供給できると
共に、不凍液から直接反応ガスを加湿できるため、反応
ガスを加湿するための純水を貯めておく加湿水タンクが
不要となり、外気温が氷点下になるような環境下に置か
れた場合でも、システムの凍結によるダメージを受ける
ことはなく、短時間でシステムを起動することができ
る。
【0094】(第5の実施の形態:請求項5に対応)図
4は、本実施の形態による固体高分子型燃料電池システ
ムにおける加湿器の構成例を示す断面図であり、図1と
同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここ
では異なる部分についてのみ述べる。
【0095】すなわち、本実施の形態の加湿器1は、前
述した第1の実施の形態の加湿器1において、サブスト
レート2を複合膜8の浸透気化膜4側に配置した構成と
している。
【0096】ここで、複合膜8を浸透気化膜4側で支持
するサブストレート2を、例えばポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)にて撥水処理している。
【0097】次に、以上のように構成した本実施の形態
による加湿器1を備えた固体高分子型燃料電池システム
においては、複合膜8の加湿性能は、薄膜にするほど高
くなり、薄くするほどその強度は低下する難点があるこ
とから、複合膜8を浸透気化膜4側で撥水処理したサブ
ストレート2に支持していることにより、加湿能力の低
下を伴なわず、加湿水または冷却水圧力と反応ガス圧力
との差圧に対して強度を持たせる、すなわち耐差圧強度
を高くすることができる。
【0098】すなわち、撥水処理したサブストレート2
と撥水処理しないサブストレート2とで、加湿器1の加
湿能力を比較したところ、初期はいずれも同等であった
が、撥水処理をしないサブストレート2を備えた加湿器
1では、経時的に加湿能力が低下したのに対して、撥水
処理したサブストレート2を備えた本実施の形態の加湿
器1では、加湿能力の低下は見られなかった。
【0099】これは、撥水処理しないサブストレート2
では、浸透気化膜4から気化した水蒸気がサブストレー
ト2内で凝集するため、蒸発速度が遅くなることが原因
であると考えられる。
【0100】ー方、撥水処理したサブストレート2で
は、水蒸気がスムーズに蒸発するため、加湿能力が低下
しないものと考えられる。
【0101】(第6の実施の形態:請求項6に対応)本
実施の形態では、前述した第1の実施の形態の加湿器1
において、複合膜8を逆浸透膜4側でサブストレート2
に支持した構成としている。
【0102】ここで、複合膜8を逆浸透膜3側で支持す
るサブストレート2を、例えば0.01%の界面活性剤
の水溶液に浸潰して親水処理している。
【0103】次に、以上のように構成した本実施の形態
による加湿器1を備えた固体高分子型燃料電池システム
においては、親水処理したサブストレート2で複合膜8
の逆浸透膜4側を支持していることにより、加湿能力の
低下を伴なわず、加湿水または冷却水圧力と反応ガス圧
力との差圧に対して強度を持たせる、すなわち耐差圧強
度を高くすることができる。
【0104】すなわち、親水処理したサブストレート2
と親水処理しないサブストレート2とで、加湿器1の加
湿能力を比較したところ、親水処理したサブストレート
2を備えた本実施の形態の加湿器1の加湿能力は、親水
処理をしないサブストレート2を備えた加湿器1と比較
して20%程度高かった。
【0105】これは、親水処理したサブストレート2で
は、加湿水が十分サブストレート2内の気孔に浸透し
て、逆浸透膜3の有効面積が増加したことによると考え
られる。
【0106】また、サブストレート2は親水性であるた
め、逆浸透膜3の全面を加湿水または冷却水で覆うこと
ができ、浸透気化膜4側への水の移動を阻害することは
ない。
【0107】(第7の実施の形態:請求項7、請求項
9、請求項10、請求項11に対応)図5は、本実施の
形態による固体高分子型燃料電池スタックを備えた固体
高分子型燃料電池システムの構成例を示す模式図であ
る。
【0108】図5において、一対のガス拡散電極である
アノード電極およびカソード電極間に固体高分子電解質
膜を挟持させてなる単電池を、アノード電極およびカソ
ード電極に反応ガスである燃料ガスおよび酸化剤ガスを
供給するための燃料ガス供給通路および酸化剤ガス供給
通路を有するガス不透過性のセパレータ、および冷却媒
体が流通する冷却水供給板を介して複数積層して成る固
体高分子型燃料電池スタック(以下、燃料電池本体と称
する)11に対し、燃料ガスとして水素または水素を含
有するガスを、酸化剤ガスとして空気をそれぞれ供給す
る燃料ガス供給部12および空気供給部13を設けてい
る。
【0109】また、空気供給部13と燃料電池本体11
との間の配管途中には、反応ガスを加湿するための反応
ガス加湿ユニット14を設けている。
【0110】ここで、反応ガス加湿ユニット14には、
例えば図6に示すように、前述した第1の実施の形態に
示した選択的に水分を透過する複合膜(水分透過膜)1
4aがセットされており、この水分透過膜14aを介し
て冷却媒体と酸化剤ガスである空気とを接触させて、冷
却媒体の水分のみが空気に移動して加湿が行なわれるよ
うにしている。
【0111】一方、燃料電池本体11を冷却するため
に、凝固点降下剤であるエチレングリコールを20%水
に含有する不凍液を、冷却媒体として冷却ライン15を
循環させている。
【0112】また、冷却ライン15には、水ポンプ1
6、タンク17、熱交換器18を設けている。
【0113】ここで、燃料電池本体11から排出される
冷却媒体は、燃料電池本体11を通過した後に、反応ガ
ス加湿ユニット14ヘ供給するようにしている。
【0114】一方、酸化剤ガス排出経路である空気排ガ
スラインには、凝縮水をトラップする手段、および凝縮
水をタンク17に回収し冷却媒体として供給するライン
を設け、さらに冷却媒体に含まれる凝固点降下剤の濃度
が一定となるように、凝縮水の回収量をコントロールす
るバルブ19を設けている。
【0115】ここで、バルブ19のコントロールは、タ
ンク17の不凍液濃度を測定して、この濃度が20%一
定となるように、バルブ制御部20で設定するようにし
ている。
【0116】なお、図5では、本発明に直接関係のな
い、流量計、逆止弁、制御系等は、その図示および説明
を省略している。
【0117】次に、以上のように構成した本実施の形態
による固体高分子型燃料電池スタックを備えた固体高分
子型燃料電池システムにおいては、燃料電池本体11を
冷却する冷却媒体に不凍液を用い、燃料電池本体11出
口の冷却媒体によって反応ガスを直接加湿していること
により、反応ガスを加湿するための純水を貯蔵する加湿
水タンクが不要となり、システムを簡素化することがで
きる。
【0118】また、固体高分子型燃料電池システムの停
止中に、環境温度が氷点下になるような環境下に置かれ
た場合でも、冷却媒体は凍結せず配管の破損が起こら
ず、システムの凍結によるダメージを受けることはな
い。
【0119】さらに、氷点下からでも、システムを短時
間で速やかに起動することができる。
【0120】一方、冷却媒体を、燃料電池本体11を通
過させた後に反応ガス加湿ユニット14ヘ供給している
ことにより、燃料電池本体11を通過した直後の冷却媒
体は最も温度が高く、反応ガスとの熱および水蒸気交換
の能力が最も高いことから、より一層多くの水蒸気を反
応ガスに供給することができる。
【0121】また、冷却媒体によって反応ガスを加湿す
ると、冷却媒体中の水分が消費されて不凍液濃度が高く
なるため水を補給する必要があることから、燃料電池本
体11から排出される未反応の酸化剤ガスから水を凝縮
して、これを冷却媒体に直接供給していることにより、
純水を貯蔵するタンクを必要とせず、不凍液の濃度を一
定に保つことができる。
【0122】さらに、凝縮水の供給量を制御する手段1
9,20を設けていることにより、不凍液の濃度を常に
一定レベルに容易に維持することができる。
【0123】ここで、特に本実施の形態では、固体高分
子型燃料電池システムを−20℃の環境下で1日置きに
20回の起動/停止操作を行なったが、電池特性の低下
は見られなかった。また、冷却媒体の凍結は起こらず、
配管等の破損は確認されなかった。さらに、運転中は、
冷却水の不凍液濃度が一定値を維持するように凝縮水供
給用のバルブ19をコントロールできた。
【0124】なお、反応ガス加湿ユニット14に、燃料
電池本体11に供給する前の冷却媒体を供給するように
しても同様の効果は得られるが、燃料電池本体11出口
の冷却水奮加湿ユニットに供給することにより、より一
層大きな加湿能力を得ることができる。
【0125】(第8の実施の形態:請求項8に対応)図
7は、本実施の形態による固体高分子型燃料電池スタッ
クを備えた固体高分子型燃料電池システムの構成例を示
す模式図であり、図5と同一要素には同一符号を付して
その説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述
べる。
【0126】すなわち、本実施の形態の固体高分子型燃
料電池システムでは、前述した第7の実施の形態の反応
ガス加湿ユニット14を、燃料電池本体11に一体化し
た構成としている。
【0127】次に、以上のように構成した本実施の形態
による固体高分子型燃料電池スタックを備えた固体高分
子型燃料電池システムにおいては、燃料電池本体11と
反応ガス加湿ユニット14とを一体化としていることに
より、余分な接続配管およびその保温が不要となり、シ
ステムをコンパクト化することができる。
【0128】また、反応ガス加湿ユニット14が燃料電
池本体11の熱で保温されるため、反応ガス加湿ユニッ
ト14の能力を最大限に引き出すことができる。
【0129】ここで、特に本実施の形態では、固体高分
子型燃料電池システムを、前述した第7の実施の形態と
同様の評価を行ない、同様の効果を得ることができた。
【0130】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の固体高分
子型燃料電池システムによれば、不純物を含む加湿水で
反応ガスを加湿しても、反応ガスは不純物に汚染される
ことがないため、固体高分子電解質膜や触媒層にダメー
ジを与えることなしに反応ガスを適度に加湿することが
でき、電池性能を長期間安定して運転することが可能と
なる。
【0131】また、凝固点降下剤を水に含有する不凍液
を冷却媒体として使用し、この冷却媒体により反応ガス
を加湿するようにしているため、固体高分子型燃料電池
システムをコンパクトにすることが可能となる。
【0132】さらに、不凍液から直接反応ガスを加湿で
きるため、反応ガスを加湿するための純水を貯めておく
加湿水タンクが不要となり、外気温が氷点下になるよう
な環境下に置かれた場合でも、システム内の水分は凍結
することがないため、反応ガスの詰まり、配管の破裂等
システムにダメージを与えずに、システムを短時間で起
動することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による固体高分子型
燃料電池システムにおける加湿器の構成例を示す断面
図。
【図2】同第1の実施の形態による固体高分子型燃料電
池システムにおける加湿器の加湿原理を模式的に示す
図。
【図3】本発明の第3の実施の形態による固体高分子型
燃料電池システムにおける直接内部加湿構造を有する固
体高分子型燃料電池スタックの基本構成例を示す模式断
面図。
【図4】本発明の第5の実施の形態による固体高分子型
燃料電池システムにおける加湿器の構成例を示す断面
図。
【図5】本発明の第7の実施の形態による固体高分子型
燃料電池システムの構成例を示す模式図。
【図6】同第7の実施の形態による固体高分子型燃料電
池システムにおける反応ガス加湿ユニットの加湿原理を
模式的に示す図。
【図7】本発明の第8の実施の形態による固体高分子型
燃料電池システムの構成例を示す模式図。
【図8】従来の固体高分子型燃料電池における固体高分
子型燃料電池スタックの基本構成(単位電池構成)の一
例を示す模式断面図。
【符号の説明】
1…加湿器、 2…サブストレート、 3…逆浸透膜、 4…浸透気化膜、 5…反応ガス流通セパレータ、 6…加湿水流通セパレータ、 7…冷却水供給板、 8…複合膜、 11…固体高分子型燃料電池スタック(燃料電池本
体)、 12…燃料ガス供給部、 13…空気供給部、 14…反応ガス加湿ユニット、 14a…複合膜(水分透過膜)、 15…冷却ライン、 16…水ポンプ、 17…タンク、 18…熱交換器、 19…バルブ、 20…バルブ制御部、 101…単位電池、 102…固体高分子電解質膜、 103…アノ一ド電極、 103a…アノ一ド触媒層、 103b…アノ一ド多孔質カーボン平板、 104…カソード電極、 104a…カソード触媒層、 104b…カソード多孔質カーボン平板、 105…燃料ガス供給通路付きセパレータ、 105a…燃料ガス供給通路、 105b…冷却水流通路、 106…酸化剤ガス供給通路付きセパレータ、 106a…酸化剤ガス供給通路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 霜鳥 宗一郎 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 大間 敦史 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 宗内 篤夫 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 堀 美知郎 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 5H026 AA06 CX04 5H027 AA06 CC06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料極および酸化剤極からなる一対のガ
    ス拡散電極間に固体高分子電解質膜を挟持させてなる単
    電池を、前記燃料極および酸化剤極に反応ガスである燃
    料ガスおよび酸化剤ガスを供給するための燃料ガス供給
    通路および酸化剤ガス供給通路を有するガス不透過性の
    セパレータを介して複数積層して成る固体高分子型燃料
    電池スタックを備え、前記固体高分子型燃料電池スタッ
    クに燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給して両者の電気化
    学的反応により発電を行ない電気的出力を発生する固体
    高分子型燃料電池システムにおいて、 水だけが選択的に透過する逆浸透膜または限外濾過膜と
    膜内に浸透した水が膜表面から蒸発する浸透気化膜とか
    らなる複合膜を介して、前記逆浸透膜または限外濾過膜
    側に加湿水を、前記浸透気化膜側に反応ガスをそれぞれ
    供給することにより、反応ガスを加湿するようにしたこ
    とを特徴とする固体高分子型燃料電池システム。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の固体高分子型燃料
    電池システムにおいて、 前記加湿水として凝固点降下剤を混合した不凍液を供給
    して、反応ガスを加湿するようにしたことを特徴とする
    固体高分子型燃料電池システム。
  3. 【請求項3】 燃料極および酸化剤極からなる一対のガ
    ス拡散電極間に固体高分子電解質膜を挟持させてなる単
    電池を、前記燃料極および酸化剤極に反応ガスである燃
    料ガスおよび酸化剤ガスを供給するための燃料ガス供給
    通路および酸化剤ガス供給通路を有するガス不透過性の
    セパレータ、および冷却水が流通する冷却板を介して複
    数積層して成る固体高分子型燃料電池スタックを備え、
    前記固体高分子型燃料電池スタックに燃料ガスおよび酸
    化剤ガスを供給して両者の電気化学的反応により発電を
    行ない電気的出力を発生する固体高分子型燃料電池シス
    テムにおいて、 前記燃料ガス供給通路または酸化剤ガス供給通路のうち
    の少なくとも一方の反応ガス供給通路と前記冷却板に形
    成された冷却水供給通路とを、水だけが選択的に透過す
    る逆浸透膜または限外濾過膜と膜内に浸透した水が膜表
    面から蒸発する浸透気化膜とからなる複合膜により少な
    くとも隔離し、前記逆浸透膜または限外濾過膜側に冷却
    水を、前記浸透気化膜側に反応ガスをそれぞれ供給する
    ことにより、反応ガスを加湿するようにしたことを特徴
    とする固体高分子型燃料電池システム。
  4. 【請求項4】 燃料極および酸化剤極からなる一対のガ
    ス拡散電極間に固体高分子電解質膜を挟持させてなる単
    電池を、前記燃料極および酸化剤極に反応ガスである燃
    料ガスおよび酸化剤ガスを供給するための燃料ガス供給
    通路および酸化剤ガス供給通路を有するガス不透過性の
    セパレータ、および冷却水が流通する冷却板を介して複
    数積層して成る固体高分子型燃料電池スタックを備え、
    前記固体高分子型燃料電池スタックに燃料ガスおよび酸
    化剤ガスを供給して両者の電気化学的反応により発電を
    行ない電気的出力を発生する固体高分子型燃料電池シス
    テムにおいて、 前記燃料ガス供給通路または酸化剤ガス供給通路のうち
    の少なくとも一方の反応ガス供給通路と前記冷却板に形
    成された冷却水供給通路とを、水だけが選択的に透過す
    る逆浸透膜または限外濾過膜と膜内に浸透した水が膜表
    面から蒸発する浸透気化膜とからなる複合膜により少な
    くとも隔離し、前記逆浸透膜または限外濾過膜側に冷却
    水を、前記浸透気化膜側に反応ガスをそれぞれ供給する
    と共に、前記冷却水として凝固点降下剤を混合した不凍
    液を供給することにより、反応ガスを水蒸気加湿するよ
    うにしたことを特徴とする固体高分子型燃料電池システ
    ム。
  5. 【請求項5】 前記請求項1乃至請求項4のいずれか1
    項に記載の固体高分子型燃料電池システムにおいて、 前記水だけが選択的に透過する逆浸透膜または限外濾過
    膜と膜内に浸透した水が膜表面から蒸発する浸透気化膜
    とからなる複合膜を、前記浸透気化膜側で撥水性の多孔
    質体に少なくとも支持するようにしたことを特徴とする
    固体高分子型燃料電池システム。
  6. 【請求項6】 前記請求項1乃至請求項4のいずれか1
    項に記載の固体高分子型燃料電池システムにおいて、 前記水だけが選択的に透過する逆浸透膜または限外濾過
    膜と膜内に浸透した水が膜表面から蒸発する浸透気化膜
    とからなる複合膜を、前記逆浸透膜または限外濾過膜側
    で親水性の多孔質体に少なくとも支持するようにしたこ
    とを特徴とする固体高分子型燃料電池システム。
  7. 【請求項7】 燃料極および酸化剤極からなる一対のガ
    ス拡散電極間に固体高分子電解質膜を挟持させてなる単
    電池を、前記燃料極および酸化剤極に反応ガスである燃
    料ガスおよび酸化剤ガスを供給するための燃料ガス供給
    通路および酸化剤ガス供給通路を有するガス不透過性の
    セパレータ、および冷却媒体が流通する冷却板を介して
    複数積層して成る固体高分子型燃料電池スタックを備
    え、 前記燃料ガスとして水素または水素を含有するガスを、
    前記酸化剤ガスとして空気を、前記冷却媒体として凝固
    点降下剤を水に含有する不凍液をそれぞれ供給して両者
    の電気化学的反応により発電を行ない電気的出力を発生
    する固体高分子型燃料電池システムにおいて、 前記固体高分子型燃料電池スタック上流側の燃料ガス供
    給経路または酸化剤ガス供給経路のうちの少なくとも一
    方に反応ガス加湿ユニットを設け、 前記反応ガス加湿ユニットは、選択的に水分を透過する
    水分透過膜を介して前記冷却媒体と燃料ガスまたは酸化
    剤ガスとを接触させて成ることを特徴とする固体高分子
    型燃料電池システム。
  8. 【請求項8】 前記請求項7に記載の固体高分子型燃料
    電池システムにおいて、 前記反応ガス加湿ユニットは、前記固体高分子型燃料電
    池スタックに一体化していることを特徴とする固体高分
    子型燃料電池システム。
  9. 【請求項9】 前記請求項7に記載の固体高分子型燃料
    電池システムにおいて、 前記冷却媒体は、前記固体高分子型燃料電池スタックを
    通過した後に前記反応ガス加湿ユニットヘ供給するよう
    にしたことを特徴とする固体高分子型燃料電池システ
    ム。
  10. 【請求項10】 前記請求項7に記載の固体高分子型燃
    料電池システムにおいて、 前記燃料ガスの排出経路または酸化剤ガスの排出経路の
    うちの少なくとも一方に、凝縮水をトラップする手段を
    設け、 前記凝縮水を前記冷却媒体に供給する手段を設けたこと
    を特徴とする固体高分子型燃料電池システム。
  11. 【請求項11】 前記請求項10に記載の固体高分子型
    燃料電池システムにおいて、 前記冷却媒体に含まれる凝固点降下剤の濃度が一定とな
    るように、前記凝縮水の供給量を制御する手段を設けた
    ことを特徴とする固体高分子型燃料電池システム。
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