JP4626797B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システムに関し、詳しくは、燃料電池と、燃料電池を冷却する燃料電池冷却手段と、燃料電池に供給されるガスを加湿する供給ガス加湿手段とを備えた燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスの電気化学反応により電気を発生させる燃料電池は、発電効率が高く、排出されるガスがクリーンで環境に対する影響が極めて少ないことから、近年、発電用、低公害の自動車用電源等、種々の用途が期待されている。燃料電池は、その電解質により分類することができ、例えば、リン酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、固体酸化物型燃料電池、固体高分子型燃料電池等が知られている。
【0003】
なかでも、固体高分子型燃料電池は、80℃程度の低温で作動させることができるため、取扱いが比較的容易であり、また、出力密度が極めて大きいことから、その利用が期待される。固体高分子型燃料電池は、通常、プロトン導電性のある高分子膜を電解質とする。電解質となる高分子膜の両側にそれぞれ燃料極、酸素極となる一対の電極が設けられ電極接合体が構成される。電極接合体をセパレータで挟持した単セルが発電単位となる。そして、水素や炭化水素等の燃料ガスを燃料極に、酸素や空気等の酸化剤ガスを酸素極にそれぞれ供給し、ガスと電解質と電極との三相界面において電気化学反応を進行させることにより電気を取り出す。
【0004】
固体高分子型燃料電池の電解質である高分子膜は、水を含有した状態でプロトン導電性を有する。高分子膜のプロトン導電性を維持するため、適当な量の水を高分子膜に供給する必要がある。このため、一般には、燃料ガスや酸化剤ガスを加湿して、各々の電極に供給している。加湿に用いられる水は、燃料ガス等とともに電極へ供給されるため、電解質や電極触媒を汚染しないよう、純水に近いものであることが要求される。加湿用の水は、通常、タンクに貯留されている。しかし、冬期の低温下では、タンク内の水が凍結してしまうという問題がある。
【0005】
一方、燃料電池は発電の際に発熱する。そのため、燃料電池を長期間安定して運転するためには、発電の際の発熱を緩和して、燃料電池内部の温度を所定の運転温度に保持することが求められる。通常、空冷や液冷により、燃料電池の温度が調整される。液冷の場合には、低温下での稼働による冷媒の凍結を防止する必要がある。そのため、冷媒には、水に不凍剤(凝固点降下剤)を添加した不凍液が用いられる。燃料電池に供給された不凍液は、燃料電池内部の冷媒水路を流れ、熱交換により昇温される。昇温された不凍液は、燃料電池の外へ排出され、熱交換器によって冷却された後、再び燃料電池へ供給される。
【0006】
このように、燃料電池を冷却する手段と、燃料電池に供給されるガスを加湿する手段とを備えた燃料電池システムの一例として、不凍液を循環させて燃料電池を冷却する冷却手段と、水素を含む燃料ガスを加湿するガス加湿手段と、不凍液から水を精製分離する分離手段と、不凍液から分離した水を燃料ガスの加湿水として供給する加湿水供給手段とを備える燃料電池システムがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−185877号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載されているように、水の凍結を防止する不凍剤には、通常、エチレングリコールが用いられる。また、上記特許文献1に記載された燃料電池システムでは、不凍液からの水の分離に限外ろ過膜が使用されている。しかし、エチレングリコールの分子径は小さいため、エチレングリコール分子を透過させないためには、限外ろ過膜の孔径を小さくする必要がある。したがって、水の透過速度が小さく、ガスの加湿量を多くしたい場合には、充分に加湿することができない。また、水分子とエチレングリコール分子とでは、分子径の差が小さいため、限外ろ過膜による透過純度が充分ではない。すなわち、両分子の分子径の差が小さいため、水とともにエチレングリコールも透過してしまい、分離された水の中に、エチレングリコールが混入するおそれがある。不凍液から分離された水は、燃料ガスを加湿する加湿水として用いられる。したがって、分離された水に混入したエチレングリコールは、燃料ガスとともに燃料電池へ供給され、電解質を汚染したり、電極触媒を被毒する。その結果、電池性能が低下する。
【0009】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、燃料電池を冷却する手段と、燃料電池に供給されるガスを加湿する手段とを備えた燃料電池システムにおいて、ガスを加湿するための水を、燃料電池を冷却する不凍液から効率良くかつ高純度で分離することにより、充分な加湿を行うことができることに加え、低温下での加湿水の凍結が回避され、電池性能の低下が抑制された燃料電池システムを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料電池システムは、水素を含む燃料ガスが供給される燃料極と、酸素を含む酸化剤ガスが供給される酸素極と、該燃料極と該酸素極との間に挟装された電解質とからなる電極接合体がセパレータを介して複数個積層されて構成された燃料電池と、
イオン性の水溶性高分子を水に溶解した不凍液を前記燃料電池に供給し、該燃料電池を冷却する燃料電池冷却手段と、
前記不凍液から水を分離し、その分離された水により、前記燃料電池に供給される前記燃料ガスおよび前記酸化剤ガスの少なくとも一方を加湿する供給ガス加湿手段と
を備えることを特徴とする。
または、水素を含む燃料ガスが供給される燃料極と、酸素を含む酸化剤ガスが供給される酸素極と、該燃料極と該酸素極との間に挟装された電解質と、からなる電極接合体がセパレータを介して複数個積層されて構成された燃料電池と、
キレートタイプの水溶性高分子を水に溶解した不凍液を前記燃料電池に供給し、該燃料電池を冷却する燃料電池冷却手段と、
前記不凍液から水を分離し、その分離された水により、前記燃料電池に供給される前記燃料ガスおよび前記酸化剤ガスの少なくとも一方を加湿する供給ガス加湿手段と、
を備える。
あるいは、水素を含む燃料ガスが供給される燃料極と、酸素を含む酸化剤ガスが供給される酸素極と、該燃料極と該酸素極との間に挟装された電解質と、からなる電極接合体がセパレータを介して複数個積層されて構成された燃料電池と、
側鎖に疎水基を有する水溶性高分子を水に溶解した不凍液を前記燃料電池に供給し、該燃料電池を冷却する燃料電池冷却手段と、
前記不凍液から水を分離し、その分離された水により、前記燃料電池に供給される前記燃料ガスおよび前記酸化剤ガスの少なくとも一方を加湿する供給ガス加湿手段と、
を備える。
【0011】
すなわち、本発明の燃料電池システムでは、燃料電池を冷却するために循環させている不凍液から、燃料ガス等を加湿するための水を調達する。つまり、燃料ガス等の加湿用に、別途、純水を貯留しておくタンクを設置する必要はない。したがって、低温下での稼働における純水タンクや配管等の凍結は問題にはならず、タンクへの純水の補給作業も不要となる。
【0012】
また、本発明の燃料電池システムでは、不凍剤として水溶性高分子を使用する。つまり、水溶性高分子は、水に溶解して水の凝固点を降下させる役割を果たす。水溶性高分子は、比較的分子径が大きい。そのため、水から分離し易い。つまり、不凍液から水のみを容易に、純度良く分離することができる。また、エチレングリコール等の低分子のものと比較して、侵食の問題が少ない。さらに、水溶性高分子の種類によっては、より優れた効果を発揮する。例えば、水溶性高分子として、キレートタイプ等の水溶性高分子を用いた場合には、その水溶性高分子により水に含まれる金属イオン等の不純物が除去される。そのため、分離された水の純度が向上する。その結果、電池性能の低下が抑制される。
【0013】
本発明の燃料電池システムは、供給ガス加湿手段を、前記不凍液が供給される不凍液室と、加湿されるガスが供給される加湿ガス室と、該不凍液室と該加湿ガス室とを仕切る透湿膜とを備え、該不凍液中の水を該透湿膜を透過させることにより該ガスの加湿を行う加湿器とする態様が望ましい。本態様では、水溶性高分子の分子径と、水分子の分子径との差を利用して、不凍液から水のみを分離する。つまり、透湿膜の孔径よりも分子径が大きな水溶性高分子を用いることにより、不凍液中の水分子のみが透湿膜を透過し分離される。そして、水溶性高分子として、分子径が比較的大きなものを採用した場合には、透過膜の孔径も大きくすることができるため、水の透過速度をより大きくすることができる。さらに、水溶性高分子の分子径が大きい場合には、水のみを純度良く透過させることができるため、分離された水、すなわち加湿水の純度が向上する。その結果、電解質の汚染や電極触媒の被毒が抑制され、電池性能の低下が抑制される。また、本態様では、不凍液から透湿膜を介して分離された水は、ただちに供給ガスの加湿に使われる。つまり、不凍液から分離された水は、透湿膜内のみに存在する。そのため、分離した水を貯留するタンクやそれに付随する配管は不要となる。また、透湿膜中の水は、凍結し難い。したがって、低温下での稼働による凍結の問題も生じ難い。さらに、本態様では、燃料電池システムの構造をシンプルにすることができ、燃料電池システム全体を小型化することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燃料電池システムについて詳細に説明する。説明する実施形態は一実施形態にすぎず、本発明の燃料電池システムは、下記の実施形態に限定されるものではない。本発明の燃料電池システムは、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
【0015】
本発明の燃料電池システムは、上述したように、燃料電池と、燃料電池冷却手段と、供給ガス加湿手段とを備える。燃料電池は、水素を含む燃料ガスが供給される燃料極と、酸素を含む酸化剤ガスが供給される酸素極と、該燃料極と該酸素極との間に挟装された電解質とからなる電極接合体がセパレータを介して複数個積層されて構成される。燃料電池は、燃料極および酸素極からなる一対の電極と電解質とセパレータとを備えるという点で、一般に知られている燃料電池の構成に従うものである。燃料電池は、その種類が特に限定されるものではない。ここでは、固体高分子型燃料電池を一例として説明する。
【0016】
固体高分子型燃料電池における燃料極および酸素極は、それぞれ、白金等をカーボン粒子に担持させた触媒および電解質を含む触媒層と、カーボンクロス等のガスが拡散可能な多孔質材料からなる拡散層との二層から構成される。この場合、後述する電解質膜の両表面に触媒層と拡散層とを形成して電極接合体とすればよい。例えば、各電極の触媒を、電解質膜を構成する高分子を含む液に分散し、その分散液を電解質膜の両表面に塗布、乾燥等して触媒層を形成する。そして、形成した各触媒層の表面に、カーボンクロス等を圧着等することで拡散層を形成し、電極接合体とすればよい。
【0017】
電解質には、通常、イオン導電性のある高分子膜が用いられる。高分子膜の種類は、特に限定されるものではなく、例えば、全フッ素系スルホン酸膜、全フッ素系ホスホン酸膜、全フッ素系カルボン酸膜や、含フッ素炭化水素系グラフト膜、全炭化水素系グラフト膜、全芳香族膜等の炭化水素系電解質膜等を用いることができる。特に、耐久性等を考慮した場合には、全フッ素系の高分子膜を用いることが望ましい。なかでも、電解質としての性能が高いという理由から、全フッ素系スルホン酸膜を用いることが望ましい。全フッ素系スルホン酸膜の一例として、「ナフィオン」(登録商標、デュポン社製)の商品名で知られる、スルホン酸基を有するパーフルオロビニルエーテルとテトラフルオロエチレンとの共重合体膜が挙げられる。
【0018】
上記一対の電極および電解質膜からなる電極接合体を挟持するセパレータとしては、集電性能が高く、酸化水蒸気雰囲気下でも比較的安定な焼成カーボン、成形カーボンや、ステンレス材料の表面に貴金属や炭素材料を被覆したもの等を用いればよい。
【0019】
本発明の燃料電池システムにおける燃料電池冷却手段は、水溶性高分子を水に溶解した不凍液を燃料電池に供給し、燃料電池を冷却する。不凍液を構成する水溶性高分子は、水に溶解するものであれば特に限定されるものではない。例えば、イオン性の水溶性高分子として、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルホスホン酸、ポリビニルカルボン酸、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸、およびこれらのアルカリ金属塩等が挙げられる。これらの一種あるいは二種以上を適宜選択して用いればよい。
【0020】
水溶性高分子の濃度が変化しても粘度の変化が比較的小さいという理由から、イオン性の水溶性高分子を用いることが望ましい。また、側鎖に疎水基を有する水溶性高分子も同様の理由で好適である。側鎖に疎水基を有する水溶性高分子としては、例えば、アルキル基等の疎水基を有するモノマーと、酸基やアルコール等の親水基を有するモノマーとの共重合体が挙げられる。疎水基を有する二種以上のモノマーと、親水基を有する二種以上のモノマーとの共重合体であってもよい。例えば、メチルメタクリルヒドロキシエチル−メチルメタクリルアルキル共重合体、ビニルカルボン酸−メチルメタクリルアルキル共重合体、ビニルアルコール−メチルメタクリルアルキル共重合体、ビニルスルホン酸−メチルメタクリルアルキル共重合体等がある。ここで、アルキル基は、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクタン、ノナン、デカンのいずれでもよい。なお、疎水基を有するモノマーであるメチルメタクリルアルキルを、アクリルアルキル、ビニルアルキル、ビニルアルキルエーテル等に置き換えても構わない。具体的に示せば、メチルメタクリルヒドロキシエチル−メタクリルアルキル共重合体、ビニルカルボン酸−メタクリルアルキル共重合体、ビニルアルコール−メタクリルアルキル共重合体、ビニルスルホン酸−メタクリルアルキル共重合体、メチルメタクリルヒドロキシエチル−ビニルアルキル共重合体、ビニルカルボン酸−ビニルアルキル共重合体、ビニルアルコール−ビニルアルキル共重合体、ビニルスルホン酸−ビニルアルキル共重合体、メチルメタクリルヒドロキシエチル−ビニルアルキルエーテル共重合体、ビニルカルボン酸−ビニルアルキルエーテル共重合体、ビニルアルコール−ビニルアルキルエーテル共重合体、ビニルスルホン酸−ビニルアルキルエーテル共重合体等である。また、長鎖アルキル基を末端に有するブロック型ポリオキシエチレンやポリオキシメチレン、側鎖にアルキル基を有するポリオキシエチレンやポリオキシメチレン等を用いることもできる。この場合も、アルキル基は、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクタン、ノナン、デカンのいずれでもよい。
【0021】
上記水溶性高分子のなかでも、安価であり、水中での安定性も良好であるという観点から、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルホスホン酸、ポリビニルカルボン酸から選ばれる少なくとも一種を用いることが望ましい。また、水中の金属イオン等の不純物を除去し、電池性能の低下をより抑制するという観点から、キレートタイプの水溶性高分子を用いることが望ましい。キレートタイプの水溶性高分子としては、ポリビニルホスホン酸、ポリビニルイミノビス(メチレンホスホン酸)、ポリビニルカルボン酸、ポリビニルイミノビス(メチレンカルボン酸)、アミノ基を有する高分子等が挙げられる。
【0022】
また、不凍液の粘度や凝固点降下の程度等を考慮すると、水溶性高分子として、数平均分子量が100以上100万以下のものを用いることが望ましい。数平均分子量が100未満の水溶性高分子は、その分子径が小さいため、水と分離し難くなる。また、水との分離に透湿膜を使用した場合には、水とともに水溶性高分子も透湿膜を透過し易くなり、分離された水の中に水溶性高分子が混入し易くなる。数平均分子量が500以上のものを用いるとより好適である。反対に、数平均分子量が100万を超えるものを用いた場合には、不凍液の粘度が高くなり、流動性が低下する。また、凝固点降下の効果も充分とはいえない。数平均分子量が1万以下のものを用いるとより好適である。
【0023】
水溶性高分子の分子量の測定は、通常の分子量測定方法に従えばよく、例えば、光散乱法、浸透圧法、GPC(Gel Permeation Chromatography)等により測定すればよい。本明細書では、GPCにて測定した値を採用する。
【0024】
水溶性高分子を溶解する水は、燃料電池を冷却する冷媒としての役割と、供給ガス加湿手段にて不凍液から分離され、燃料電池に供給される燃料ガス等を加湿する加湿水の役割を果たす。したがって、電池性能を低下させる一因となる金属イオンや塩化物イオン等の不純物が少ないことが要求される。このため、水溶性高分子を溶解する水は、イオン交換水等の純水であることが望ましい。
【0025】
不凍液中の水溶性高分子の濃度は、特に限定されるものではない。しかし、不凍液の粘度や凝固点降下の程度等を考慮すると、水溶性高分子の濃度は、不凍液の質量を100wt%とした場合の0.1wt%以上50wt%以下とすることが望ましい。水溶性高分子の構造や分子量にもよるが、水溶性高分子の濃度が0.1wt%未満の場合には、水溶性高分子を溶解したことによる凝固点降下の効果を充分得ることができない。水溶性高分子の濃度を5wt%以上とするとより好適である。一方、水溶性高分子の濃度が50wt%を超えると、不凍液の粘度が高くなり流動性が低下する。水溶性高分子の濃度を30wt%以下とするとより好適である。
【0026】
燃料電池冷却手段は、上記不凍液を燃料電池に供給し、燃料電池を冷却することができれば、その構成が特に限定されるものではない。例えば、燃料電池冷却手段を、燃料電池へ供給するための不凍液を貯留する不凍液タンクと、燃料電池から排出された不凍液の熱交換を行う熱交換器とを含むよう構成すればよい。そして、燃料電池と不凍液タンクと熱交換器との間で不凍液を循環させればよい。
【0027】
本発明の燃料電池システムにおける供給ガス加湿手段は、不凍液から水を分離し、その分離された水により燃料電池に供給される燃料ガスおよび酸化剤ガスの少なくとも一方を加湿する。供給ガス加湿手段は、燃料電池に供給されるガスのうち、燃料ガスおよび酸化剤ガスのいずれか一方のみを加湿するものでもよく、両方を加湿するものでもよい。
【0028】
不凍液から水を分離して供給ガスを加湿する方法は、特に限定されるものではない。例えば、上記燃料電池冷却手段を構成する不凍液タンクから供給ガスの加湿用として不凍液を分岐し、その不凍液を加熱し水を蒸発させる。そして、水蒸気を透過するガス拡散膜を介して供給ガスを加湿することができる。また、蒸発した水を凝縮させ、凝縮水中に供給ガスをバブリングさせて加湿してもよい。さらに、供給ガス加湿用として分岐した不凍液から、透湿膜を介して水を分離し、その水を用いて供給ガスを加湿してもよい。この場合、供給ガス加湿手段は、不凍液が供給される不凍液室と、加湿されるガスが供給される加湿ガス室と、不凍液室と加湿ガス室とを仕切る透湿膜とを備え、不凍液中の水を透湿膜を透過させることによりガスの加湿を行う加湿器である態様が望ましい。本態様を採用すれば、水溶性高分子の分子径と、水分子の分子径との差を利用して、容易に水溶性高分子と水とを分離することができる。そして、適切な水溶性高分子を用いることにより、水の透過速度を大きくすることができ、分離された水の純度も高くすることができる。また、不凍液から分離された水は、そのまま供給ガスの加湿に使われる。つまり、一つの加湿器で、不凍液からの水の分離、および供給ガスの加湿を行うことができるため、燃料電池システムをシンプルな構造にすることができ、かつ燃料電池システム全体を小型化することができる。
【0029】
上記加湿器は、さらに、不凍液を冷却するための冷媒が供給される冷却室と、加湿されるガスを加熱するための熱媒が供給される加熱室とを備える態様とすると好適である。上記加湿器では、透湿膜の両側における水蒸気分圧の差が、水の透過の推力となる。冷媒により不凍液が冷却されると、不凍液と接する透湿膜の界面では、水蒸気分圧がより高くなる。また、熱媒によりガスが加熱されると、ガスと接する透湿膜の界面では、水蒸気分圧がより低くなる。つまり、透湿膜の両側における水蒸気分圧の差が大きくなる。よって、不凍液からの水の透過が促進される。また、加湿ガス室におけるガスの温度が高いため、透過した水の気化も促進される。
【0030】
加湿器に用いられる透湿膜は、その種類が特に限定されるものではない。例えば、限外ろ過膜、逆浸透膜、イオン交換膜、および血液透析膜等を用いればよい。限外ろ過膜としては、高分子電解質複合体、芳香族スルホン、アセチルセルロース、ポリイミド、アクリロニトリル共重合体、およびポリオレフィン置換体等から形成された膜が挙げられる。逆浸透膜としては、アセチルセルロースや芳香族ナイロン等から形成された膜が挙げられる。イオン交換膜としては、「ナフィオン」(登録商標、デュポン社製)、「フレミオン」(登録商標、旭硝子社製)等の商品の他、ポリスチレンスルホン酸系のグラフト膜や全芳香族スルホン酸膜等が挙げられる。血液透析膜としては、セルロースやアクリロニトリル共重合体等から形成された膜が挙げられる。特に、透水速度と透過された水の純度とのバランスを考慮すると、限外ろ過膜を用いることが望ましい。これらの透湿膜から、不凍液に用いる水溶性高分子の分子径に応じて、好適な孔径を有するものを採用すればよい。すなわち、透湿膜を介して不凍液から水のみを分離するためには、水溶性高分子の分子径(Rg)が、透湿膜の孔径(Rm)より大きいことが必要となる。
【0031】
水溶性高分子の分子径(Rg)は、光散乱法やフィルター法等、分子径の測定に通常用いられる方法により測定すればよい。光散乱法は、種々の濃度の水溶性高分子水溶液に対し種々の角度から光を照射して、その光散乱強度を測定、解析することにより、分子径を求める方法である。また、フィルター法は、水溶性高分子水溶液と純水とを、既知の孔径の透湿膜により二つに分けられた容器内へ別々に入れ、純水側へ透過した水溶性高分子の有無と、用いた透湿膜の孔径とから分子径を求める方法である。フィルター法によれば、透湿膜を透過した水溶性高分子の有無により、水溶性高分子の分子径と透湿膜の孔径との大小が判断できる。このため、用いる水溶性高分子との組み合わせにおいて、好適な透湿膜の孔径を容易に決定することができる。本明細書では、フィルター法にて測定した値を採用する。なお、不凍液中の水溶性高分子の分子径は、不凍液の温度により若干変化すると考えられる。また、透湿膜の孔径も、水で膨潤することにより変化する。したがって、それらが実際に使用される条件を考慮して、水溶性高分子および透湿膜の種類等を決定することが望ましい。
【0032】
また、本発明の燃料電池システムは、供給ガス加湿手段により水が分離され水溶性高分子の濃度が上昇した不凍液に水を補給して、該不凍液中の水溶性高分子の濃度を調整する態様を採用することができる。上述したように、燃料電池冷却手段により燃料電池に供給される不凍液は、その一部が供給ガスの加湿のために使用される。加湿に用いられた不凍液は、供給ガス加湿手段により水が分離されて液量が少なくなり、水溶性高分子の濃度も高くなっている。よって、本態様により、加湿に用いられた後の不凍液に水を補給すれば、不凍液の液量を保持し、水溶性高分子の濃度の変動を抑制することができる。不凍液への水の補給手段は、特に限定されるものではない。例えば、水を貯留するタンクを別途設置し、その水タンクから水溶性高分子の濃度が上昇した不凍液へ、適宜水を補給すればよい。
【0033】
しかしながら、補給用の水を貯留しておく上記態様では、低温下で稼働させる際に、水を補給するためのポンプの障害や、水タンクや配管が凍結する等の不具合が生ずるおそれがある。したがって、上記不凍液再生手段は、水溶性高分子の濃度が上昇した不凍液が供給される不凍液室と、水を含んだガスが供給される含水ガス室と、不凍液室と含水ガス室とを仕切る透湿膜とを備え、ガス中の水を透湿膜を透過させることにより不凍液に水を補給する水回収器である態様を採用することが望ましい。本態様における水回収器では、上述した供給ガス加湿手段としての加湿器と同様、透湿膜を介して水を分離する。水回収器における透湿膜は、上記加湿器における透湿膜に準ずればよい。水回収器では、水を含んだガスから水分子が透湿膜を透過して、水溶性高分子の濃度が上昇した不凍液に移動する。そのため、水を補給するためのタンク等は必要ない。よって、上記不具合が生じるおそれはない。ここで、水を含んだガスは、燃料電池システム外から適宜供給することができる。しかし、燃料電池システム内には、燃料極から排出されたガス、酸素極から排出されたガス、および燃料極から排出されたガスを燃焼させたガス等、水を含んだガスが多く存在する。したがって、それらのガスを利用することが望ましい。燃料電池システム内のガスから水を取り出すことにより、エネルギを有効に利用することができ、燃料電池システム全体のエネルギ効率を向上させることができる。
【0034】
上記水回収器は、さらに、水を含んだガスを冷却するための冷媒が供給される冷却室を備える態様とすると好適である。上記水回収器では、上述した供給ガス加湿手段としての加湿器と同様、透湿膜の両側における水蒸気分圧の差が、水の透過の推力となる。冷媒により、水を含んだガスが冷却されると、水を含んだガスと接する透湿膜の界面では、水蒸気分圧がより高くなる。その結果、水を含んだガスからの水の透過が促進される。
【0035】
以下に、本発明の一実施形態である燃料電池システムの構成を説明する。図1に、本発明の一実施形態である燃料電池システムの概略を示す。図1に示すように、燃料電池システム1は、燃料電池2と、燃料電池冷却手段3と、燃料ガス加湿器4と、酸化剤ガス加湿器5と、水回収器6とを備える。
【0036】
燃料電池2は、固体高分子型燃料電池であり、電極接合体がセパレータを介して複数個積層されて構成されている。電極接合体は、電解質とその両側に設けられた燃料極および酸素極とからなる。セパレータには、不凍液の流路が形成されている。
【0037】
燃料電池冷却手段3は、不凍液タンク31と熱交換器32とを備える。不凍液タンク31には、参考例として水溶性高分子であるポリエチレングリコール(分子量1500)が純水に溶解した不凍液が貯留されている。不凍液は、不凍液ポンプを介して、燃料電池2、燃料ガス加湿器4および酸化剤ガス加湿器5に供給される。熱交換器32は、燃料電池2の下流側に設けられている。燃料電池2から排出された不凍液は、熱交換器32により冷却され、不凍液タンク31に戻される。
【0038】
燃料電池2の上流側には、燃料ガス加湿器4および酸化剤ガス加湿器5が設けられている。燃料ガス加湿器4および酸化剤ガス加湿器5は、供給ガス加湿手段である。燃料ガス加湿器4は、燃料ガスとしての水素ガスを加湿する。酸化剤ガス加湿器5は、酸化剤ガスとしての空気を加湿する。燃料ガス加湿器4および酸化剤ガス加湿器5は、加湿されるガスが異なる以外は、同じ構成である。そのため、ここでは燃料ガス加湿器4について説明する。図2に、燃料ガス加湿器4の流路構造の斜視図を示す。なお、図2では、流路構造の一部のみを拡大して示している。つまり、燃料ガス加湿器4では、図2に示す加熱室44a→加湿ガス室42a→不凍液室41a→冷却室43→不凍液室41b→加湿ガス室42b→再び加熱室44bという積層構造が上下方向に繰り返される。
【0039】
図2に示すように、燃料ガス加湿器4は、不凍液室41a、41bと、加湿ガス室42a、42bと、冷却室43と加熱室44a、44bとを備える。不凍液室41aと加湿ガス室42aとは、透湿膜である限外ろ過膜(Spectrum社製、分画分子量1000のセルロース膜)45aで仕切られている。同様に、不凍液室41bと加湿ガス室42bとは、限外ろ過膜(Spectrum社製、分画分子量1000のセルロース膜)45bで仕切られている。なお、加湿ガス室42aと加熱室44a、加湿ガス室42bと加熱室44b、および不凍液室41a、41bと冷却室43とは、それぞれ仕切壁により仕切られている。不凍液室41a、41b、加湿ガス室42a、42b、冷却室43、および加熱室44a、44bは、流体の流れ方向にのびる多数の隔壁により区画されている。つまり、燃料ガス加湿器4は、いわゆるマイクロチャンネル構造を有する。
【0040】
図3に、燃料ガス加湿器4における各々の流体の流れを模式的に示す。図3に示すように、不凍液室41a、41bには、不凍液タンク31より供給される不凍液が流れている。加湿ガス室42a、42bには、水素送風機8により供給された水素ガスが流れている。冷却室43には、冷媒として、空気送風機9の上流で分岐された低温の空気が流れている。加熱室44a、44bには、熱媒として、燃料電池2の燃料極から排出されたガスを燃焼させた高温のガスが流れている。不凍液室41a、41bを流れる不凍液中の水は、それぞれ限外ろ過膜45a、45bを介して、加湿ガス室42a、42bを流れる水素ガスへ移動する。つまり、不凍液中の水が、限外ろ過膜45a、45bを透過することで、不凍液から水が分離される。そして、分離された水により水素ガスが加湿される。
【0041】
ここで、上記燃料ガス加湿器4における水および熱の移動について説明する。図4に、上記図2に示した燃料ガス加湿器4の断面の一部(図2中、Aの部分)を拡大して示す。なお、図4中、白色の矢印は水の流れを、黒色の矢印は熱の流れを示す。図4に示すように、不凍液室41a、41bを流れる不凍液から、それぞれ限外ろ過膜45a、45bを介して、加湿ガス室42a、42bを流れる水素ガスへ水が移動している。また、加熱室44a、44bから、それぞれ仕切壁を介して隣り合う加湿ガス室42a、42bへ熱が移動している。つまり、加湿ガス室42a、42bを流れる水素ガスは加熱される。そのため、水素ガスの水蒸気分圧は低くなる。一方、不凍液室41a、41bから、それぞれ仕切壁を介して隣り合う冷却室43へ熱が移動している。つまり、不凍液室41a、41bを流れる不凍液は、冷却される。そのため、不凍液の水蒸気分圧は高くなる。このように、限外ろ過膜45a、45bの両側における水蒸気分圧の差が大きいため、水の透過が促進されている。
【0042】
水素送風機8および空気送風機9は、それぞれ、水素ガスおよび空気を燃料電池2へ供給し、燃料電池2を作動させる役割を果たす。水素送風機8により駆動された水素ガスは、燃料ガス加湿器4により加湿された後、燃料電池2の燃料極に供給される。同様に、空気送風機9により駆動された空気は、酸化剤ガス加湿器5により加湿された後、燃料電池2の酸素極に供給される。燃料電池2は、水素ガスと空気との電気化学反応により発電する。
【0043】
燃料ガス燃焼器7は、燃料電池2の下流側に設置されている。燃料ガス燃焼器7には、燃料極で反応に使用されなかった水素ガスと、酸素極で反応に使用されなかった空気とが供給される。燃料ガス燃焼器7は、触媒として白金系触媒を有する。燃料ガス燃焼器7では、燃料極で反応に使用されなかった水素ガスが空気との反応により燃焼され、その結果、水を含んだガスが生成される。
【0044】
不凍液再生手段である水回収器6は、燃料ガス加湿器4および酸化剤ガス加湿器5の下流側に設けられている。燃料ガス加湿器4および酸化剤ガス加湿器5から排出された不凍液は、水が分離された結果、水溶性高分子の濃度が上昇している。水回収器6では、燃料ガス加湿器4および酸化剤ガス加湿器5から排出された不凍液へ水が補給される。水が補給された不凍液は、不凍液タンク31へ戻される。以下に、水回収器6の構成を説明する。図5に、水回収器の流路構造の斜視図を示す。なお、図5では、流路構造の一部のみを拡大して示している。つまり、水回収器6では、図5に示す冷却室63a→含水ガス室62a→不凍液室61→含水ガス室62b→再び冷却室63bという積層構造が上下方向に繰り返される。
【0045】
図5に示すように、水回収器6は、不凍液室61と、含水ガス室62a、62bと、冷却室63a、63bとを備える。不凍液室61と含水ガス室62a、62bとは、それぞれ透湿膜である限外ろ過膜64a、64b(Spectrum社製、分画分子量1000のセルロース膜)で仕切られている。含水ガス室62aと冷却室63a、および含水ガス室62bと冷却室63bとは仕切壁により仕切られている。不凍液室61、含水ガス室62a、62b、および冷却室63a、63bは、流体の流れ方向にのびる多数の隔壁により区画されている。つまり、水回収器6は、いわゆるマイクロチャンネル構造を有する。
【0046】
図6に、水回収器6における各々の流体の流れを模式的に示す。図6に示すように、不凍液室61には、燃料ガス加湿器4および酸化剤ガス加湿器5から排出された水溶性高分子濃度の上昇した不凍液が流れている。含水ガス室62a、62bには、燃料ガス燃焼器7から排出された水を含んだガスが流れている。冷却室63a、63bには、冷媒として、空気送風機9の上流で分岐された低温の空気が流れている。含水ガス室62a、62bを流れるガス中の水は、それぞれ限外ろ過膜64a、64bを介して、不凍液室61を流れる不凍液へ移動する。つまり、ガス中の水が、限外ろ過膜62a、62bを透過することで分離され、不凍液へ補給される。
【0047】
ここで、上記水回収器6における水および熱の移動について説明する。図7に、上記図5に示した水回収器6の断面の一部(図5中、Bの部分)を拡大して示す。なお、図7中、白色の矢印は水の流れを、黒色の矢印は熱の流れを示す。図7に示すように、含水ガス室62a、62bを流れるガスから、それぞれ限外ろ過膜64a、64bを介して、不凍液室61を流れる不凍液へ水が移動している。含水ガス室62a、62bから、それぞれ仕切壁を介して隣り合う冷却室63a、63bへ熱が移動している。つまり、含水ガス室62a、62bを流れるガスは、冷却される。そのため、水を含んだガスの水蒸気分圧は高くなる。このように、限外ろ過膜62a、62bの両側における水蒸気分圧の差が大きいため、水の透過が促進されている。
【0048】
次に、上記本発明の燃料電池システムの動作を説明する。まず、供給される水素ガスおよび空気の流れについて述べる。水素送風機8により駆動された水素ガスは、燃料ガス加湿器4に供給される。水素ガスは、燃料ガス加湿器4にて加湿された後、燃料電池2の燃料極に供給される。また、空気送風機9により駆動された空気は、酸化剤ガス加湿器5に供給される。空気は、酸化剤ガス加湿器5にて加湿された後、燃料電池2の酸素極に供給される。燃料電池2では、供給された水素ガスと空気との電気化学反応が進行する。反応により生じた生成水は燃料電池2から排出される(図略)。
【0049】
空気送風機9の上流にて分岐された空気は、燃料ガス加湿器4、酸化剤ガス加湿器5、および水回収器6へ導かれ、各々の冷媒として使用される。なお、冷媒として使用された空気は、系外へ排出される。
【0050】
次に、不凍液の流れについて述べる。不凍液は、不凍液タンク31に貯留されている。不凍液は、燃料電池2の冷却および供給ガスの加湿に用いられる。不凍液は、不凍液タンク31から不凍液ポンプを介して燃料電池2に供給される。燃料電池2から排出された不凍液は、熱交換器32により冷却されて不凍液タンク31に戻される。また、不凍液の一部は、不凍液ポンプの下流側で分岐され、上述した燃料ガス加湿器4および酸化剤ガス加湿器5へ供給される。燃料ガス加湿器4では、供給された不凍液から水が分離され水素ガスが加湿される。酸化剤ガス加湿器5では、供給された不凍液から水が分離され空気が加湿される。燃料ガス加湿器4および酸化剤ガス加湿器5から排出された不凍液は、後述する水回収器6を経て不凍液タンク31に戻される。
【0051】
燃料電池2における反応に使用されなかった水素ガスおよび空気は、燃料電池2の下流側に設けられた燃料ガス燃焼器7へ導かれる。燃料ガス燃焼器7から排出されたガスは、一部を除いて水回収器6へ供給される。燃料ガス燃焼器7から排出されたガスの一部は、燃料ガス加湿器4および酸化剤ガス加湿器5へ導かれ、各々の熱媒として使用される。なお、熱媒として使用されたガスは系外へ排出される。
【0052】
水回収器6には、燃料ガス燃焼器7から排出された水を含んだガスと、燃料ガス加湿器4および酸化剤ガス加湿器5から排出された水溶性高分子濃度の上昇した不凍液とが供給される。水回収器6では、水を含んだガスから水が分離され、分離された水が不凍液に補給される。水回収器6により水が補給された不凍液は、不凍液タンク31に戻される。一方、水回収器6により水が分離されたガスおよび冷媒は、ともに系外へ排出される。
【0053】
本実施形態では、燃料電池として固体高分子型燃料電池を採用した。しかし、燃料電池の種類は固体高分子型燃料電池に限定されるものではない。リン酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、固体酸化物型燃料電池等、種々の燃料電池を採用することができる。また、本実施形態において不凍液を構成する水溶性高分子に採用した分子量1500のポリエチレングリコールは参考例であって、水溶性高分子も既に説明したイオン性の水溶性高分子、キレートタイプの水溶性高分子および側鎖に疎水基を有する水溶性高分子から、燃料電池の種類や、供給ガス加湿手段の態様に応じて、好適な水溶性高分子を選択すればよい。
【0054】
本実施形態では、燃料ガスおよび酸化剤ガスの両方を加湿する態様を採用した。しかし、燃料ガスおよび酸化剤ガスのいずれか一方を加湿する態様としてもよい。本実施形態では、供給ガス加湿手段を、透湿膜を備える加湿器とした。しかし、加湿器の構造は、上記態様に限定されるものではない。例えば、透湿膜として、イオン交換膜等の種々の膜を採用することができる。また、熱媒には、燃料ガス燃焼器から排出されたガスの他、空気送風機の冷却に用いられ、高温となった媒体等を使用することができる。冷媒には、空気送風機の上流にて分岐された空気の他、他の電装品を冷却するための冷媒等を使用することができる。なお、熱媒や冷媒を使用しない態様としてもよい。
【0055】
本実施形態では、不凍液再生手段である水回収器を備えて燃料電池システムを構成した。しかし、本発明の燃料電池システムは、不凍液再生手段を含まない態様で実施してもよい。また、不凍液再生手段も、特に限定するものではない。本実施形態では、不凍液再生手段を、透湿膜を備える水回収器とした。しかし、水回収器の構造は、上記態様に限定されるものではない。例えば、透湿膜として、上記加湿器と同様、イオン交換膜等の種々の膜を採用することができる。また、水を含んだガスには、燃料ガス燃焼器から排出されたガスの他、燃料極から排出されたガスや酸素極から排出されたガスを単独で使用してもよい。冷媒には、空気送風機の上流にて分岐された空気の他、他の電装品を冷却するための冷媒等を使用することができる。なお、冷媒を使用しない態様としてもよい。
【0056】
水回収器の設置場所も、特に限定されるものではない。本実施形態では、燃料ガス加湿器および酸化剤ガス加湿器の下流側に水回収器を設置した。しかしながら、例えば、図8(図1と対応する部位については同じ符号で示す。)に示すように、不凍液タンク31と水回収器6とからなる循環系を、別途設けてもよい。すなわち、燃料ガス加湿器4および酸化剤ガス加湿器5から排出された不凍液は、そのまま不凍液タンク31へ送られる。そして、不凍液タンク31から水回収器6へ不凍液が供給される。なお、燃料ガス燃焼器7から排出された水を含んだガス、および空気送風機9の上流にて分岐された冷媒としての空気は、上記本実施形態と同様に水回収器6へ供給される。水回収器6では、水を含んだガスから水が分離され、分離された水が不凍液に補給される。水回収器6により水が補給された不凍液は、不凍液タンク31に戻される。水回収器6により水が分離されたガスおよび冷媒は、ともに系外へ排出される。このように、不凍液タンク31と水回収器6との間で不凍液を循環させることで、不凍液における水溶性高分子の濃度が調整される。
【0057】
【発明の効果】
本発明の燃料電池システムでは、燃料電池を冷却するための冷媒として、水溶性高分子を水に溶解した不凍液を使用する。そして、その不凍液から、燃料電池への供給ガスを加湿するための水を調達する。水溶性高分子は、水から分離し易いため、不凍液から水のみを容易に、純度良く分離することができる。また、水溶性高分子として、キレートタイプ等の水溶性高分子を用いた場合には、その水溶性高分子により水に含まれる金属イオン等の不純物が除去される。そのため、分離された水の純度が向上する。その結果、電池性能の低下が抑制される。このように、本発明の燃料電池システムによれば、燃料電池に供給されるガスを効率よく加湿でき、稼働による電池性能の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態である燃料電池システムの概略を示す。
【図2】 燃料ガス加湿器の流路構造の斜視図を示す。
【図3】 燃料ガス加湿器における各々の流体の流れを模式的に示す。
【図4】 図2中Aの部分の拡大図を示す。
【図5】 水回収器の流路構造の斜視図を示す。
【図6】 水回収器における各々の流体の流れを模式的に示す。
【図7】 図5中Bの部分の拡大図を示す。
【図8】 本発明の他の実施形態である燃料電池システムの概略を示す。
【符号の説明】
1:燃料電池システム 2:燃料電池
3:燃料電池冷却手段
31:不凍液タンク 32:熱交換器
4:燃料ガス加湿器(供給ガス加湿手段)
41a、41b:不凍液室 42a、42b:加湿ガス室
43:冷却室 44a、44b:加熱室
45a、45b:限外ろ過膜
5:酸化剤ガス加湿器(供給ガス加湿手段)
6:水回収器
61:不凍液室 62a、62b:含水ガス室
63a、63b:冷却室 64a、64b:限外ろ過膜
7:燃料ガス燃焼器 8:水素送風機 9:空気送風機

Claims (12)

  1. 水素を含む燃料ガスが供給される燃料極と、酸素を含む酸化剤ガスが供給される酸素極と、該燃料極と該酸素極との間に挟装された電解質とからなる電極接合体がセパレータを介して複数個積層されて構成された燃料電池と、
    イオン性の水溶性高分子を水に溶解した不凍液を前記燃料電池に供給し、該燃料電池を冷却する燃料電池冷却手段と、
    前記不凍液から水を分離し、その分離された水により、前記燃料電池に供給される前記燃料ガスおよび前記酸化剤ガスの少なくとも一方を加湿する供給ガス加湿手段と
    を備える燃料電池システム。
  2. 前記イオン性の水溶性高分子は、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルホスホン酸、ポリビニルカルボン酸、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸、およびこれらのアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも一種を含む請求項に記載の燃料電池システム。
  3. 水素を含む燃料ガスが供給される燃料極と、酸素を含む酸化剤ガスが供給される酸素極と、該燃料極と該酸素極との間に挟装された電解質と、からなる電極接合体がセパレータを介して複数個積層されて構成された燃料電池と、
    キレートタイプの水溶性高分子を水に溶解した不凍液を前記燃料電池に供給し、該燃料電池を冷却する燃料電池冷却手段と、
    前記不凍液から水を分離し、その分離された水により、前記燃料電池に供給される前記燃料ガスおよび前記酸化剤ガスの少なくとも一方を加湿する供給ガス加湿手段と、
    を備える燃料電池システム。
  4. 前記キレートタイプの水溶性高分子は、ポリビニルホスホン酸、ポリビニルイミノビス(メチレンホスホン酸)、ポリビニルカルボン酸、ポリビニルイミノビス(メチレンカルボン酸)から選ばれる少なくとも一種を含む請求項に記載の燃料電池システム。
  5. 水素を含む燃料ガスが供給される燃料極と、酸素を含む酸化剤ガスが供給される酸素極と、該燃料極と該酸素極との間に挟装された電解質と、からなる電極接合体がセパレータを介して複数個積層されて構成された燃料電池と、
    側鎖に疎水基を有する水溶性高分子を水に溶解した不凍液を前記燃料電池に供給し、該燃料電池を冷却する燃料電池冷却手段と、
    前記不凍液から水を分離し、その分離された水により、前記燃料電池に供給される前記燃料ガスおよび前記酸化剤ガスの少なくとも一方を加湿する供給ガス加湿手段と、
    を備える燃料電池システム。
  6. 前記側鎖に疎水基を有する水溶性高分子は、メチルメタクリルヒドロキシエチル−メチルメタクリルアルキル共重合体、ビニルカルボン酸−メチルメタクリルアルキル共重合体、ビニルアルコール−メチルメタクリルアルキル共重合体、ビニルスルホン酸−メチルメタクリルアルキル共重合体、メチルメタクリルヒドロキシエチル−メタクリルアルキル共重合体、ビニルカルボン酸−メタクリルアルキル共重合体、ビニルアルコール−メタクリルアルキル共重合体、ビニルスルホン酸−メタクリルアルキル共重合体、メチルメタクリルヒドロキシエチル−ビニルアルキル共重合体、ビニルカルボン酸−ビニルアルキル共重合体、ビニルアルコール−ビニルアルキル共重合体、ビニルスルホン酸−ビニルアルキル共重合体、メチルメタクリルヒドロキシエチル−ビニルアルキルエーテル共重合体、ビニルカルボン酸−ビニルアルキルエーテル共重合体、ビニルアルコール−ビニルアルキルエーテル共重合体、ビニルスルホン酸−ビニルアルキルエーテル共重合体から選ばれる少なくとも一種を含む請求項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記水溶性高分子は、数平均分子量が500以上100万以下のものである請求項1〜6のいずれかに記載の燃料電池システム。
  8. 前記供給ガス加湿手段は、前記不凍液が供給される不凍液室と、加湿されるガスが供給される加湿ガス室と、該不凍液室と該加湿ガス室とを仕切る透湿膜とを備え、該不凍液中の水を該透湿膜を透過させることにより該ガスの加湿を行う加湿器である請求項1〜6のいずれかに記載の燃料電池システム。
  9. 前記透湿膜は、限外ろ過膜、逆浸透膜、イオン交換膜のいずれかである請求項に記載の燃料電池システム。
  10. 前記不凍液における前記水溶性高分子の分子径(Rg)は、前記透湿膜の孔径(Rm)より大きい請求項に記載の燃料電池システム。
  11. 前記供給ガス加湿手段により水が分離され水溶性高分子の濃度が上昇した不凍液に水を補給して、該不凍液中の水溶性高分子の濃度を調整する不凍液再生手段を備える請求項1〜6のいずれかに記載の燃料電池システム。
  12. 前記不凍液再生手段は、水溶性高分子の濃度が上昇した前記不凍液が供給される不凍液室と、水を含んだガスが供給される含水ガス室と、該不凍液室と該含水ガス室とを仕切る透湿膜とを備え、該ガス中の水を該透湿膜を透過させることにより該不凍液に水を補給する水回収器である請求項11に記載の燃料電池システム。
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