以下、本発明を液晶表示装置に適用した各実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態に係る液晶表示装置を図1〜図9に基づいて説明する。
図1は第1実施形態に係る液晶表示装置の駆動回路の電気的構成を概略的に示しており、図2は液晶表示パネルの電気的等価回路の一部を示している。
第1実施形態に係る液晶表示装置は、薄膜トランジスタ(TFT)などの3端子スイッチング素子を用いた3端子型アクティブマトリクス液晶表示装置である。この液晶表示装置では、マトリクス状に配置された複数の画素の各スイッチング素子を介して各画素に正極性のデータ信号と負極性のデータ信号を1フレームごとに交互に書き込むフレーム反転駆動を行うようになっている。
また、本実施形態および以下の各実施形態に係る液晶表示装置は、表示データが大きいほど明るい表示にしかつ液晶にかかる電圧が小さいほど明るい表示にする第1の条件(条件1a)の場合と、表示データが小さいほど明るい表示にしかつ液晶にかかる電圧が大きいほど明るい表示にする第2の条件(条件1b)により液晶を駆動する場合に適用される。
上記条件1aの場合は、ノーマリホワイト・モードの表示モードで、ビデオ信号などのデジタル階調データの階調度が大きいほど明るい表示にするように液晶を駆動する場合である。また、上記条件1bの場合は、ノーマリブラック・モードの表示モードで、ビデオ信号などのデジタル階調データの階調度が小さいほど明るい表示にするように液晶を駆動する場合である。
本実施形態の液晶表示装置は、図1に示す液晶表示パネル21を備える。この液晶表示パネル21は、図示を省略した素子基板と対向基板とを備え、これら2つの基板の間にTN(Twisted Nematic )型の液晶が封入されている。液晶表示パネル21は、図1及び図2に示すように、m行の走査線Y1〜Ymとn列の信号線X1〜Xnとの交差部に対応してマトリクス状に配置されたm×n個の画素25と、各画素25に設けたスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(以下、「TFT」という。)26とを備えている。
図1及び図2に示すように、各画素25のTFT26のゲートは走査線Y1〜Ymの1つに、そのソースは信号線X1〜Xnの一つに、そして、そのドレインは対応する1つの画素25の画素電極29にそれぞれ接続されている。各画素25の画素電極29は、対向基板側に設けた1つの共通電極30と液晶24を介してそれぞれ対向している。この共通電極30の電位(共通電極電位LCCOM)を1フレームごとに反転させて上記フレーム反転駆動を行うようになっている。また、各画素25は、矩形状の画素電極29と共通電極30の間の液晶24で構成される液晶容量31と、この液晶容量31と並列に接続され、同液晶容量からの電荷のリークによる電圧の降下を低減するための容量素子である蓄積
容量32とを備えている。各蓄積容量32のマイナス側端子は、容量配線41に接続されている。
そして、各画素25の画素回路は、TFT26がオン(導通状態)になると、ビデオ信号などのデジタル階調データがD/A変換されたデータ信号(電圧信号)がTFT26を介して液晶容量31と蓄積容量32とに書き込まれ、TFT26がオフ(非導通状態)になると、これらの容量に電荷が保持されるようになっている。
次に、液晶表示装置の液晶表示パネル21を駆動する駆動回路の電気的構成を図1及び図2に基づいて説明する。この駆動回路は、走査線Y1〜Ymを駆動するための走査線駆動回路33と、信号線X1〜Xnを駆動するための信号線駆動回路34と、走査線駆動回路33及び信号線駆動回路34を制御する制御回路35と、データ補正手段としてのデータ補正回路36とを備えている。
制御回路35には、表示データ、同期信号、及びクロック信号等が外部回路から入力されるようになっている。本実施形態及び以下の各実施形態では、表示データはビデオ信号などの8ビット(bit)のデジタル階調データであり、この階調データを以下の説明において単に「表示データ」といい、DATA[7..0]或いはDATA[]で表わす。同期信号は、垂直同期信号VSYNCと水平同期信号HSYNCである。クロック信号は、図3に示すクロック信号CY及び反転クロック信号/CYと、基本クロックDCKである。
制御回路35から走査線駆動回路33及び信号線駆動回路34には、フレーム反転駆動を行うための各種の信号が信号線37a及び37bをそれぞれ介して供給される。また、素子基板には、図示を省略してあるが、外部回路から各種信号が入力される入力端子などが形成されている。
また、上記駆動回路は、図3に示すように、共通電極電位LCCOMを低い電圧Vssと高い電圧Vddとの間で1フレームごとに反転させて、各画素25に正極性の上記データ信号と負極性の上記データ信号を交互に書き込むように構成されている。なお、「1フレーム」は、走査線Y1〜Ymを順に選択して全ての画素25の容量(液晶容量31および蓄積容量32)にデータ信号を書き込むことで1画面の表示がなされる期間をいう。
走査線駆動回路33は、図3に示すように、走査線Y1〜Ymを順に選択する垂直走査期間の最初に供給される転送開始信号DY、クロック信号CYおよび反転クロック信号/CYにより走査信号G1〜Gmを順に生成して出力することで、走査線Y1〜Ymを順に選択するようになっている。走査線Y1〜Ymが順に選択されて各走査線に走査信号G1〜Gmが供給されると、各走査線に接続された全てのTFT26がオン状態になるように構成されている。なお、本実施形態及び以下の各実施形態では、上記「垂直走査」を、走査線Y1〜Ymを上から、つまり走査線Y1側から順に選択するように行う。
図3に示すように、t1時点に共通電極電位LCCOMがVddからVssに反転した後、t2時点に転送開始信号DYが走査線駆動回路33に供給されると、走査線駆動回路33はt3時点からt4時点までの間で、走査信号G1〜Gmを順に生成して出力することで、走査線Y1〜Ymを順に選択する。走査信号Gmによる選択期間がt5時点で終了した後、t6時点に共通電極電位LCCOMがVssからVddに反転するようになっている。このような動作が繰り返される。
信号線駆動回路34は、図4に示すように、走査線Y1〜Ymが順次に選択される1水平走査期間(例えば図4のt4時点からt5時点までの期間)に、Hレベルのデータ選択信号S1〜Snを順次に出力するシフトレジスタ(図示省略)と、サンプルホールド回路
(図示省略)とを備えている。
サンプルホールド回路は、例えば、信号線X1〜Xnにそれぞれ設けられ、Hレベルのデータ選択信号S1〜Sn(図4参照)が順に入力されるとそれぞれ開く複数のトランスミッションゲートを備えている。各トランスミッションゲートは、Hレベルのデータ選択信号S1〜Snが入力されると開く2つのNチャンネル型TFTからなる。各トランスミッションゲートがHレベルのデータ選択信号S1〜Snにより順次に開くと、上記データ信号が、各トランスミッションゲートをそれぞれ介して信号線X1〜Xnに順次に供給される。各信号線X1〜Xnに順次に供給されるデータ信号は、選択された走査線に接続された各TFT26を介して各画素25に順次に書き込まれるようになっている。
こうして、各画素25に順次に書き込まれるデータ信号は、上記条件1aで液晶を駆動する場合には、上記表示データ(8ビットのデジタル階調データ)が大きいほど明るい表示にしかつ液晶にかかる電圧が小さいほど明るい表示にするために、表示データの階調度が大きいほど電圧値の低い信号となる。また、上記条件1bで液晶を駆動する場合には、表示データが小さいほど明るい表示にしかつ液晶にかかる電圧が大きいほど明るい表示にするために、表示データの階調度が小さいほど電圧値の高い信号となる。
本実施形態に係る液晶表示装置では、条件1aの場合には、上記フレーム反転駆動を行うことにより、図5に示すように、走査線Y1〜Ymのうちより遅く選択される走査線に接続された各画素ほど、つまりより下方に位置する画素ほど各画素電極で低下する電圧値が大きくなるので、より明るい表示となる。そこで、本実施形態に係る液晶表示装置は、条件1aの場合には、図5に示すように、下方に位置する画素ほど元の表示データをより小さくするように、データ補正回路36により、垂直走査開始側(本例では第1行目の走査線Y1側)から数えた走査線の位置を表わすY座標に応じて元の表示データを補正するように構成した点に特徴がある。ここでの補正は、図5に示すように、元の表示データから減算する表示データの補正量が、下方に位置する画素ほど大きくなるように行う。この構成により、下方の画素ほど元の表示データに対応する輝度よりも暗くなるので、上述したようにフレーム反転駆動を行うことにより発生する液晶表示パネル21の上下方向における輝度ムラが抑制される。
また、条件1bの場合には、図6に示すように、走査線Y1〜Ymのうちより遅く選択される走査線に接続された各画素ほど、つまりより下方に位置する画素ほど各画素電極で低下する電圧値が大きくなるので、より暗い表示となる。そこで、本実施形態に係る液晶表示装置は、条件1bの場合にも、図6に示すように、下方に位置する画素ほど、元の表示データをより小さくするように、データ補正回路36により、Y座標に応じて元の表示データを補正するように構成した点に特徴がある。ここでの補正は、図6に示すように、元の表示データから減算する表示データの補正量が、下方に位置する画素ほど大きくなるように行う。この構成により、下方の画素ほど元の表示データに対応する輝度よりも明るくなるので、液晶表示パネル21の上下方向における輝度ムラが抑制される。
このデータ補正回路36について、図7〜図9を参照して説明する。
データ補正回路36は、走査線Y1〜Ymを順に選択する垂直走査開始側(走査線Y1側)からの走査線の位置を表わすY座標に応じた補正量を作成し、その補正量を元の表示データDATA[]から減算して補正後の表示データを作成するようになっている。補正後の表示データを、DATAN[7..0]或いはDATAN[]で表わす。
データ補正回路36は、図7に示すように、第1カウンタ51と、第2カウンタ52と、減算器53とを備える。
第1カウンタ51は、垂直走査開始側(走査線Y1側)からの走査線の位置を表わすY
座標を計数する。この第1カウンタ51は、図8に示すように、垂直同期信号VSYNCでリセットされ(カウンタの値が「0」になり)、「0」から水平同期信号HSYNCのタイミングで「1」ずつ(走査線1行ごとに)カウントアップし、カウント値がLNO[7..0]=5と等しくなると、HSYNCのタイミングでリセットされる。また、カウント値がLNO[7..0]=5と等しくなると、HSYNCのタイミングで1基本クロックDCK分「H」レベルのENB信号を第2カウンタ52へ出力する。
ここで、LNO[7..0]は、走査線の何行ごとに表示データの補正量(本実施形態及び以下の実施形態では表示データの減算量)を「1」ずつ増やすかを設定するための駆動パラメータである。LNO[7..0]=5は、走査線の6行ごとに表示データの補正量(減算量)を「1」ずつ増やすことを意味する。この駆動パラメータを以下の説明で、略してLNO[]とも表わす。ENB信号は、第2カウンタ52のカウントENABLE信号である。また、上述したように、本実施形態及び以下の各実施形態では、8ビット(bit)のデジタル階調データである表示データDATA[7..0]を用いるので、駆動パラメータなどを8ビット(例えば、LNO[7..0])としている。
第2カウンタ52は、垂直同期信号VSYNCでリセットされ(カウンタの値が「0」になり)、ENB信号が「H」レベルになるごとに水平同期信号HSYNCのタイミングで「1」ずつカウントアップし、カウント値を補正データCD[7..0]として減算器53へ出力する。この補正データCD[7..0]を以下の説明で、略して補正データCD[]とも表わす。
減算器53は、元の表示データDATA[]から補正データCD[]を引いて、その結果を補正後の表示データDATAN[]として信号線駆動回路34へ出力する。また、減算器53は、補正後の表示データDATAN[]が負になった場合は、出力を「0」にするようになっている。
次に、本実施形態の液晶表示装置の動作を説明する。
ここでの駆動条件は、LNO[]=5、及び表示データDATA[]=127(液晶表示パネル21の全画面の表示データの階調度を127)とする。
データ補正回路36の第1カウンタ51は、カウント値がLNO[7..0]=5と等しくなるごとに、HSYNCのタイミングで「H」レベルのENB信号を第2カウンタ52へ出力する。つまり、垂直走査が走査線Y1から開始された後、6行分の走査線にそれぞれ接続された各画素へのデータ信号の書き込みが終了するごとに、「H」レベルのENB信号を出力する。
第2カウンタ52は、垂直同期信号VSYNCでリセットされ、「H」レベルのENB信号が入力されるごとに、水平同期信号HSYNCのタイミングで「1」ずつカウントアップし、カウント値を補正データCD[]として減算器53へ出力する。減算器53は、元の表示データDATA[]から補正データCD[]を引いてその結果を補正後の表示データDATAN[]として信号線駆動回路34へ出力する。
このようにして6行分の走査線にそれぞれ接続された各画素へのデータ信号の書き込みが終了するごとに、元の表示データを「1」ずつ減算して補正した補正後の表示データDATAN[]が減算器53から出力され、その表示データDATAN[]に応じた上記データ信号(電圧信号)が各画素に書き込まれる。
このような駆動方法により、図9に示すように、6行分の走査線にそれぞれ接続された各画素へのデータ信号の書き込みが終了するごとに、元の表示データDATA[]を「1」
ずつ小さくし、この補正後の表示データDATAN[]に基づき各画素へのデータ信号の書き込みを行う。
このような駆動方法で液晶表示パネル21を駆動することにより、上記条件1aの場合には、図5に示すように、下方に位置する画素ほど元の表示データから減算する表示データの補正量を大きくして、元の表示データをより小さくする。これにより、下方の画素ほど元の表示データに対応する輝度よりも暗くなるので、液晶表示パネル21の上下方向における輝度ムラが抑制される。
また、上記条件1bの場合には、上記条件1aの場合と同じ駆動方法で液晶表示パネル21を駆動することにより、図6に示すように、下方の画素ほど元の表示データから減算する表示データの補正量を大きくして、元の表示データをより小さくする。これにより、下方の画素ほど元の表示データに対応する輝度よりも明るくなるので、液晶表示パネル21の上下方向における輝度ムラが抑制される。
以上のように構成された第1実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
○垂直走査開始側から数えた走査線の位置を表わすY座標に応じて元の表示データを補正することで、液晶表示パネル21の上下方向における輝度ムラを抑制することができる。
○上記条件1aで、画面の上方側から垂直走査をする場合には、図5に示すように、下方に位置する画素ほど元の表示データから減算する表示データの補正量を大きくして、元の表示データをより小さくする。これにより、下方の画素ほど元の表示データに対応する輝度よりも暗くなるので、液晶表示パネル21の上下方向における輝度ムラを抑制することができる。
○上記条件1bの場合には、上記条件1aの場合と同じ駆動方法で液晶表示パネル21を駆動することにより、図6に示すように、下方の画素ほど元の表示データから減算する表示データの補正量を大きくして、元の表示データをより小さくする。これにより、下方の画素ほど元の表示データに対応する輝度よりも明るくなるので、液晶表示パネル21の上下方向における輝度ムラを抑制することができる。
○所定行分の走査線、例えば本例では6行分の走査線にそれぞれ接続された各画素へのデータ信号の書き込みが終了するごとに、Y座標に応じて元の表示データDATA[]を「1」ずつ小さくし、この補正後の表示データDATAN[]に基づき各画素へのデータ信号の書き込みを行う。このため、画面の上側と画面の下側とで輝度変化が抑制される。全画面を同じ階調度の表示データで表示した場合に、画面の上下方向での輝度変化が少なくなる。したがって、上下方向における輝度ムラを抑制することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る液晶表示装置を図10〜図12に基づいて説明する。
本実施形態では、上記第1実施形態において、補正量の変わる位置(図9の太い実線で示す位置)が横方向の筋となって見えるのを抑制するために、偶数列と奇数列で補正量の変わる位置を変更するように構成されている。すなわち、複数の走査線Y1〜Ymのうち、選択された走査線に対応する1行分の画素群を順に選択する水平走査開始側からの画素の位置を表わすX座標により、補正量の変わる位置を変更するように構成されている。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
本実施形態で用いるデータ補正回路36Aは、図10に示すように、第1カウンタ51Aと、偶数列用カウンタ54と、奇数列用カウンタ55と、減算器53Aとを備える。な
お、本実施形態では、図1および図12において、例えば、X1,X3,X5,・・・に対応する列を「奇数列」とし、X2,X4,X6,・・・に対応する列を「偶数列」とする。以下の各実施形態においても同様である。
第1カウンタ51Aは、偶数列における垂直走査開始側からの走査線の位置を表わすY座標と、奇数列におけるY座標とを計数する。この第1カウンタ51Aは、図11に示すように、垂直同期信号VSYNCでリセットされ、「0」から水平同期信号HSYNCのタイミングで「1」ずつカウントアップし、カウント値がLNO[7..0]=8と等しくなると、HSYNCのタイミングでリセットされる。また、カウント値がLNO[7..0]=8と等しくなると、HSYNCのタイミングで1DCK分「H」レベルの偶数列用ENBa信号を偶数列用カウンタ54へ出力する。そして、カウント値がW[7..0]=6と等しくなったときと、その後はカウント値がLNO[7..0]=8と等しくなるごとに、HSYNCのタイミングで1DCK分「H」レベルの奇数列用ENBb信号を奇数列用カウンタ55へ出力する。ここで、W[7..0]は駆動パラメータである。W[7..0]は、以下の説明で略してW[]とも表わす。
ここで、LNO[7..0]は、走査線の何行ごとに表示データの補正量(減算量)を「1」ずつ増やすかを設定するための駆動パラメータである。LNO[7..0]=8は、走査線の9行ごとに表示データの補正量を「1」ずつ増やすことを意味する。さらに、LNO[7..0]=8は、偶数列においては走査線の9行ごとに表示データの補正量を「1」ずつ増やすことを意味する。
また、W[7..0]は、奇数列において補正量を「1」ずつ増やす位置を設定するためのパラメータである。LNO[7..0]=8、W[7..0]=6は、奇数列において最初の7行目までは表示データの補正量を「0」にし、その後はそこから9行ごとに表示データの補正量を「1」ずつ増やすことを意味する。
偶数列用カウンタ54及び奇数列用カウンタ55は、図7の第2カウンタ52と同じ構成のもので、垂直同期信号VSYNCでリセットされ、「H」レベルのENBa信号及びENBb信号がそれぞれ入力されるごとに、水平同期信号HSYNCのタイミングで「1」ずつカウントアップする。偶数列用カウンタ54はカウント値を偶数列用補正データCDa[7..0]として減算器53Aへ出力し、奇数列用カウンタ55はカウント値を奇数列用補正データCDb[7..0]として減算器53Aへ出力する。
減算器53Aは、元の表示データDATA[]が偶数列のデータの場合はDATA[]から補正データCDa[7..0]を引いて、奇数列のデータの場合はDATA[]から補正データCDb[7..0]を引いて、その結果を補正後の表示データDATAN[]として信号線駆動回路34へ出力する。また、減算器53Aは、補正後の表示データDATAN[]が負になった場合は、出力を「0」にするようになっている。
次に、第2実施形態の液晶表示装置の動作を説明する。
ここでの駆動条件は、LNO[]=8、表示データDATA[]=127、及びW[]=6とする。
データ補正回路36Aの第1カウンタ51Aは、LNO[7..0]=8により、カウント値がLNO[7..0]=8と等しくなるごとに、HSYNCのタイミングで「H」レベルの偶数列用ENBa信号を偶数列用カウンタ54へ出力する。つまり、偶数列については、垂直走査が走査線Y1から開始された後、9行分のデータの書き込みが終了するごとに、「H」レベルのENBa信号を偶数列用カウンタ54へ出力する(図11参照)。なお、以下の説明では、「複数行分(例えば9行分)の走査線に接続された各画素へのデータ信号の
書き込み」を、「複数行分(例えば9行分)のデータの書き込み」という。
また、第1カウンタ51Aは、LNO[7..0]=8、W[7..0]=6により、カウント値がW[7..0]=6と等しくなると、HSYNCのタイミングで「H」レベルの奇数列用ENBb信号を出力し、その後はカウント値がLNO[7..0]=8と等しくなるごとに、同じタイミングで「H」レベルのENBb信号を出力する。つまり、奇数列については、垂直走査が走査線Y1から開始された後、最初は7行分のデータの書き込みが終了した後にHSYNCのタイミングで「H]レベルのENBb信号を出力し、その後はそこから9行分のデータの書き込みが終了するごとに、「H」レベルのENBb信号を出力する。
偶数列用カウンタ54は、VSYNCでリセットされ、「H」レベルのENBa信号が入力されるごとに、HSYNCのタイミングで「1」ずつカウントアップし、カウント値を偶数列用補正データCDa[]として減算器53Aへ出力する。奇数列用カウンタ55は、「H」レベルのENBb信号が入力されるごとに、HSYNCのタイミングで「1」ずつカウントアップし、カウント値を奇数列用補正データCDb[]として減算器53Aへ出力する。
減算器53Aは、偶数列用カウンタ54からCDa[7..0]が出力される場合には、元の表示データDATA[](偶数列のデータ)からCDa[]を引いて、その結果を補正後の表示データDATAN[]として信号線駆動回路34へ出力する。また、奇数列用カウンタ55からCDb[7 ..0]が出力される場合には、元の表示データDATA[](奇数列のデー
タ)からCDb[]を引いて、その結果を補正後の表示データDATAN[]として信号線駆動回路34へ出力する。
このようにして偶数列については9行分のデータの書き込みが終了するごとに、奇数列については最初の7行分のデータの書き込みが終了した後に、その後はそこから9行分のデータの書き込みが終了するごとに、それぞれ元の表示データを「1」ずつ減算して補正した補正後の表示データDATAN[]が減算器53Aから出力される。その表示データDATAN[]に応じた上記データ信号(電圧信号)が、上述したように各画素25(図2参照)に書き込まれる。
このような駆動方法により、図12に示すように、偶数列については9行分のデータの書き込みが終了するごとに、元の表示データDATA[]を「1」ずつ小さくする。また、奇数列については最初の7行分のデータの書き込みが終了した後に、その後はそこから9行分のデータの書き込みが終了するごとに、それぞれ元の表示データDATA[]を「1」ずつ小さくする。こうして元の表示データDATA[]を「1」ずつ小さくした補正後の表示データDATAN[]に基づき、各画素25へのデータ信号の書き込みを行う。
以上のように構成された第2実施形態によれば、上記第1実施形態の奏する作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
○偶数列と奇数列で補正量の変わる位置を変更しているので、表示データの補正によって生じる横方向の筋を見えにくくすることができる。
[第3実施形態]
第3実施形態に係る液晶表示装置を図13〜図16に基づいて説明する。
本実施形態では、上記第1実施形態において、補正量の変わる位置が横方向の筋となって見えるのを抑制するために、フレームごとに補正量の変わる位置を変更する(ずらす)ように構成されている。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
本実施形態で用いるデータ補正回路36Bは、図13に示すように、第1カウンタ51
Bと、第2カウンタ52Bと、減算器53Bとを備える。
第1カウンタ51Bは、図7の第1カウンタ51と同様に垂直走査開始側からの走査線の位置を表わすY座標を計数する。この第1カウンタ51Bは、図14に示すように、垂直同期信号VSYNCでリセットされ、「0」から水平同期信号HSYNCのタイミングで「1」ずつカウントアップし、カウント値がLNO[7..0]=8と等しくなると、HSYNCのタイミングでリセットされる。また、第1カウンタ51Bは、nフレーム目において、カウント値がLNO[7..0]=8と等しくなるごとに、HSYNCのタイミングで1DCK分「H」レベルのnフレーム目ENB信号を出力する。そして、第1カウンタ51Bは、(n+1)フレーム目において、カウント値がDF[7..0]=4と等しくなったときと、その後はカウント値がLNO[7..0]=8と等しくなるごとに、HSYNCのタイミングで1DCK分「H」レベルの(n+1)フレーム目ENB信号を出力するようになっている。
ここで、LNO[7..0]は、走査線の何行ごとに表示データの補正量(減算量)を「1」ずつ増やすかを設定するための駆動パラメータである。LNO[7..0]=8は、走査線の9行ごとに表示データの補正量を「1」ずつ増やすことを意味する。また、DF[7..0]は、(n+1)フレーム目において補正量(減算量)を「1」ずつ増やす位置を設定するための駆動パラメータである。LNO[7..0]=8、DF[7..0]=4は、(n+1)フレーム目において走査線の最初の5行目までは補正量を「0」とし、その後は走査線の9行ごとに表示データの補正量を「1」ずつ増やすことを意味する。DF[7..0]は、以下の説明で略してDF[]とも表わす。
第2カウンタ52Bは、図7の第2カウンタ52と同じ構成のもので、垂直同期信号VSYNCでリセットされ、「H」レベルのnフレーム目ENB及び(n+1)フレーム目ENB信号がそれぞれ入力されるごとに、水平同期信号HSYNCのタイミングで「1」ずつカウントアップする。そして、第2カウンタ52は、カウント値をnフレーム目補正データCD[]或いは(n+1)フレーム目補正データCD[]として減算器53Bへ出力する。
減算器53Bは、図7の減算器53と同じ構成のもので、元の表示データDATA[]からnフレーム目補正データCD[]或いは(n+1)フレーム目補正データCD[]を引いて、その結果を補正後の表示データDATAN[]として信号線駆動回路34へ出力する。また、減算器53Bは、補正後の表示データDATAN[]が負になった場合は、出力を「0」にするようになっている。
次に、第3実施形態の液晶表示装置の動作を説明する。
ここでの駆動条件は、LNO[]=8、表示データDATA[]=127、及びDF[]=4とする。
データ補正回路36Bの第1カウンタ51Bは、nフレーム目において、カウント値がLNO[7..0]=8と等しくなるごとに、HSYNCのタイミングで「H」レベルのnフレーム目ENB信号を第2カウンタ52Bへ出力する。つまり、nフレーム目では、垂直走査が走査線Y1から開始された後、9行分のデータの書き込みが終了するごとに、「H」レベルのENB信号を出力する。また、第1カウンタ51Bは、(n+1)フレーム目において、カウント値がDF[]=4と等しくなったときと、その後はカウント値がLNO[7..0]=8と等しくなるごとに、HSYNCのタイミングで「H」レベルの(n+1)フレーム目ENB信号を第2カウンタ52Bへ出力する。つまり、(n+1)フレーム目では、垂直走査が走査線Y1から開始された後、最初の5行分のデータの書き込みが終了した後に、その後はそこから9行分のデータの書き込みが終了するごとに、「H」レベルのENB信号を出力する。
第2カウンタ52Bは、垂直同期信号VSYNCでリセットされ、「H」レベルのnフレーム目ENB信号或いは(n+1)フレーム目ENB信号が入力されるごとに、水平同期信号HSYNCのタイミングで「1」ずつカウントアップする。そのカウント値を、nフレーム目補正データCD[]或いは(n+1)フレーム目補正データCD[]として減算器53Bへ出力する。
減算器53Bは、元の表示データDATA[]からnフレーム目補正データCD[]或いは(n+1)フレーム目補正データCD[]をそれぞれ引いて、その結果を補正後の表示データDATAN[](nフレーム目DATAN[]或いは(n+1)フレーム目DATAN[])として信号線駆動回路34へ出力する。
このようにして、nフレーム目では、9行分のデータの書き込みが終了するごとに、元の表示データを「1」ずつ減算して補正した補正後の表示データDATAN[](nフレーム目DATAN[])が減算器53Bから出力され、その表示データDATAN[]に応じたデータ信号が上述したように各画素25に書き込まれる。また、(n+1)フレーム目では、最初の5行分のデータの書き込みが終了した後に、その後はそこから9行分のデータの書き込みが終了するごとに、元の表示データを「1」ずつ減算して補正した補正後の表示データDATAN[]((n+1)フレーム目DATAN[])が減算器53Bから出力される。その表示データDATAN[]に応じたデータ信号が各画素25に書き込まれる。
このような駆動方法により、図15に示すように、nフレーム目では、9行分のデータの書き込みが終了するごとに、元の表示データDATA[]を「1」ずつ小さくし、この補正後の表示データDATAN[]に基づき各画素25へのデータ信号の書き込みを行う。また、図16に示すように、(n+1)フレーム目では、最初の5行分のデータの書き込みが終了した後に、その後はそこから9行分のデータの書き込みが終了するごとに、元の表示データDATA[]を「1」ずつ小さくし、この補正後の表示データDATAN[]に基づき各画素25へのデータ信号の書き込みを行う。
以上のように構成された第3実施形態によれば、上記第1実施形態の奏する作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
○フレームごとに補正量の変わる位置(図15及び図16の太い実線で示す位置)を変更しているので、表示データの補正によって生じる横方向の筋を見えにくくすることができる。
[第4実施形態]
第4実施形態に係る液晶表示装置を図17〜図20に基づいて説明する。
本実施形態では、上記第1実施形態において、補正量の変わる位置が横方向の筋となって見えるのを抑制するために、水平走査開始側からの画素の位置を表わすX座標により、補正量の変わる位置を変更するとともに、フレームごとに補正量の変わる位置を変更するように構成されている。すなわち、上記第1実施形態において、偶数列と奇数列で補正量の変わる位置を変更するとともに、補正量の変わる位置をフレームごとに変更する(ずらす)ように構成されている。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
本実施形態で用いるデータ補正回路36Cは、図17に示すように、第1カウンタ51Cと、偶数列用カウンタ54Cと、奇数列用カウンタ55Cと、減算器53Cとを備える。
第1カウンタ51Cは、偶数列における垂直走査開始側からの走査線の位置を表わすY座標と、奇数列におけるY座標とを計数する。この第1カウンタ51Cは、図18に示す
ように、垂直同期信号VSYNCでリセットされ、「0」から水平同期信号HSYNCのタイミングで「1」ずつカウントアップし、カウント値がLNO[7..0]=8と等しくなると、HSYNCのタイミングでリセットされる。
また、第1カウンタ51Cは、LNO[7..0]=8により、カウント値がLNO[7..0]=8と等しくなるごとに、HSYNCのタイミングで「H」レベルの偶数列用のnフレーム目ENBa信号を偶数列用カウンタ54Cへ出力する(図18参照)。
また、第1カウンタ51Cは、LNO[7..0]=8、W[7..0]=6により、カウント値がW[7..0]=6と等しくなると、HSYNCのタイミングで「H」レベルの奇数列用のnフレーム目ENBb信号を奇数列用カウンタ55Cへ出力する。その後は、カウント値がLNO[7..0]=8と等しくなるごとに、同じタイミングでnフレーム目ENBb信号を奇数列用カウンタ55Cへ出力する(図18参照)。
また、第1カウンタ51Cは、LNO[7..0]=8、DFa[7..0]=4により、カウント値がDFa[7..0]=4と等しくなると、HSYNCのタイミングで「H」レベルの偶数列用の(n+1)フレーム目ENBa信号を偶数列用カウンタ54Cへ出力する。その後は、カウント値がLNO[7..0]=8と等しくなるごとに、同じタイミングで「H」レベルの(n+1)フレーム目ENBa信号を出力する(図18参照)。
さらに、第1カウンタ51Cは、LNO[7..0]=8、DFb[7..0]=2により、カウント値がDFb[7..0]=2と等しくなると、HSYNCのタイミングで「H」レベルの奇数列用の(n+1)フレーム目ENBb信号を奇数列用カウンタ55Cへ出力する。その後は、カウント値がLNO[7..0]=8と等しくなるごとに、HSYNCのタイミングで「H」レベルの(n+1)フレーム目ENBb信号を出力する(図18参照)。
ここで、LNO[7..0]は、走査線の何行ごとに表示データの補正量(減算量)を「1」ずつ増やすかを設定するための駆動パラメータである。LNO[7..0]=8は、走査線の9行ごとに表示データの補正量を「1」ずつ増やすことを意味する。また、LNO[7..0]=8は、nフレーム目の偶数列において、走査線の9行ごとに表示データの補正量を「1」ずつ増やすことを意味する。
W[7..0]は、nフレーム目の奇数列において、補正量を「1」ずつ増やす位置を設定するためのパラメータである。LNO[7..0]=8、W[7..0]=6は、nフレーム目の奇数列において最初の7行目までは表示データの補正量を「0」にし、その後はそこから9行ごとに表示データの補正量を「1」ずつ増やすことを意味する。
DFa[7..0]は、(n+1)フレーム目の偶数列において、補正量を「1」ずつ増やす位置を設定するためのパラメータである。LNO[7..0]=8、DFa[7..0]=4は、(n+1)フレーム目の偶数列において、最初の5行目までは表示データの補正量を「0」にし、その後はそこから9行ごとに表示データの補正量を「1」ずつ増やすことを意味する。
また、DFb[7..0]は、(n+1)フレーム目の奇数列において、補正量を「1」ずつ増やす位置を設定するためのパラメータである。LNO[7..0]=8、DFb[7..0]=2は、(n+1)フレーム目の奇数列において、最初の3行目までは表示データの補正量を「0」にし、その後はそこから9行ごとに表示データの補正量を「1」ずつ増やすことを意味する。
偶数列用カウンタ54Cは、VSYNCでリセットされ、「H」レベルのENBa信号
が入力されるごとに、HSYNCのタイミングで「1」ずつカウントアップし、カウント値を補正データCDa[7..0](偶数列用のnフレーム目CDa[]或いは偶数列用の(n+1)フレーム目CDa[])として減算器53Cへ出力する。奇数列用カウンタ55Cは、「H」レベルのENBb信号が入力されるごとに、HSYNCのタイミングで「1」ずつカウントアップし、カウント値を補正データCDb[7..0](奇数列用のnフレーム目CDb[]或いは奇数列用の(n+1)フレーム目CDb[])として減算器53Cへ出力する。
減算器53Cは、偶数列用カウンタ54Cから上記補正データCDa[7..0]が出力される場合には、元の表示データDATA[7..0](偶数列のデータ)からCDa[7..0]を引く。その結果を、補正後の表示データDATAN[7..0](nフレーム目偶数列DATAN[]或いは(n+1)フレーム目偶数列DATAN[])として信号線駆動回路34へ出力する。また、減算器53Cは、奇数列用カウンタ55Cから上記補正データCDb[7..0]が出力される場合には、元の表示データDATA[7..0](奇数列のデータ)からCDb[7..0]を引く。その結果を、補正後の表示データDATAN[7..0](nフレーム目奇数列DATAN[]或いは(n+1)フレーム目奇数列DATAN[])として信号線駆動回路34へ出力する。また、減算器53Cは、補正後の表示データDATAN[]が負になった場合は、出力を「0」にするようになっている。
次に、第4実施形態の液晶表示装置の動作を説明する。
ここでの駆動条件は、LNO[]=8、表示データDATA[]=127、W[]=6、DFa[]=4、及びDFb[]=2とする。
第1カウンタ51Cは、nフレーム目の偶数列において、カウント値がLNO[7..0]=8と等しくなるごとにnフレーム目ENBa信号を偶数列用カウンタ54Cへ出力する。また、nフレーム目の奇数列において、カウント値がW[7..0]=6と等しくなるとnフレーム目ENBb信号を、その後はカウント値がLNO[7..0]=8と等しくなるごとにnフレーム目ENBb信号を、それぞれ奇数列用カウンタ55Cへ出力する(図18参照)。
また、第1カウンタ51Cは、(n+1)フレーム目の偶数列において、カウント値がDFa[7..0]=4と等しくなると(n+1)フレーム目ENBa信号を、その後はカウント値がLNO[7..0]=8と等しくなるごとに(n+1)フレーム目ENBa信号を、それぞれ偶数列用カウンタ54Cへ出力する(図18参照)。さらに、第1カウンタ51Cは、(n+1)フレーム目の奇数列において、カウント値がDFb[7..0]=2と等しくなると(n+1)フレーム目ENBb信号を、その後はカウント値がLNO[7..0]=8と等しくなるごとに(n+1)フレーム目ENBb信号を、それぞれ奇数列用カウンタ55Cへ出力する(図18参照)。
偶数列用カウンタ54Cは、「H」レベルのENBa信号が入力されるごとに「1」ずつカウントアップし、カウント値を偶数列用のnフレーム目CDa[]或いは偶数列用の(n+1)フレーム目CDa[]として減算器53Cへ出力する。奇数列用カウンタ55Cは、「H」レベルのENBb信号が入力されるごとに、「1」ずつカウントアップし、カウント値を奇数列用のnフレーム目CDb[]或いは奇数列用の(n+1)フレーム目CDb[]として減算器53Cへ出力する。
減算器53Cは、偶数列用カウンタ54CからCDa[7..0]が出力される場合には、元の表示データDATA[7..0](偶数列のデータ)からCDa[]を引く。その結果を、補正後の表示データDATAN[7..0](nフレーム目偶数列DATAN[]或いは(n+1)フレーム目偶数列DATAN[])として信号線駆動回路34へ出力する。また、減算器53Cは、奇数列用カウンタ55CからCDb[7..0]が出力される場合には、元の表示データDATA[7..0](奇数列のデータ)からCDb[]を引く。その結果を、補正後の表示デー
タDATAN[7..0](nフレーム目奇数列DATAN[]或いは(n+1)フレーム目奇数列DATAN[])として信号線駆動回路34へ出力する。
このようにして、nフレーム目の偶数列については、9行分のデータの書き込みが終了するごとに、元の表示データを「1」ずつ減算して補正した補正後の表示データDATAN[]が減算器53Cから出力される。また、nフレーム目の奇数列については、最初の7行分のデータの書き込みが終了した後に、その後はそこから9行分のデータの書き込みが終了するごとに、それぞれ元の表示データを「1」ずつ減算して補正した補正後の表示データDATAN[]が減算器53Cから出力される。その表示データDATAN[]に応じた上記データ信号(電圧信号)が各画素25に書き込まれる(図19参照)。
また、(n+1)フレーム目の偶数列については、最初の5行分のデータの書き込みが終了した後に、その後はそこから9行分のデータの書き込みが終了するごとに、それぞれ元の表示データを「1」ずつ減算して補正した補正後の表示データDATAN[]が減算器53Cから出力される。(n+1)フレーム目の奇数列については、最初の3行分のデータの書き込みが終了した後に、その後はそこから9行分のデータの書き込みが終了するごとに、それぞれ元の表示データを「1」ずつ減算して補正した補正後の表示データDATAN[]が減算器53Cから出力される(図20参照)。これらの表示データDATAN[]に応じた上記データ信号が各画素25に書き込まれる。
このような駆動方法により、図19に示すように、nフレーム目の偶数列では9行分のデータの書き込みが終了するごとに、元の表示データDATA[]を「1」ずつ小さくする。また、nフレーム目の奇数列では、最初の7行分のデータの書き込みが終了した後に、その後はそこから9行分のデータの書き込みが終了するごとに、それぞれ元の表示データDATA[]を「1」ずつ小さくする。こうして元の表示データを補正した補正後の表示データDATAN[]に基づき各画素25へのデータ信号の書き込みを行う。
また、図20に示すように、(n+1)フレーム目の偶数列では、最初の5行分のデータの書き込みが終了した後に、その後はそこから9行分のデータの書き込みが終了するごとに、それぞれ元の表示データDATA[]を「1」ずつ小さくする。また、(n+1)フレーム目の奇数列では、最初の3行分のデータの書き込みが終了した後に、その後はそこから9行分のデータの書き込みが終了するごとに、それぞれ元の表示データDATA[]を「1」ずつ小さくする。こうして元の表示データを補正した補正後の表示データDATAN[]に基づき各画素25へのデータ信号の書き込みを行う。
以上のように構成された第4実施形態によれば、上記第1実施形態の奏する作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
○偶数列と奇数列で補正量の変わる位置を変更するとともに、補正量の変わる位置をフレームごとに変更している(ずらしている)ので、表示データの補正によって生じる横方向の筋をさらに見えにくくすることができる。
[第5実施形態]
第5実施形態に係る液晶表示装置を図21〜図23に基づいて説明する。
本実施形態では、図13で説明した上記第3実施形態において、フレームごとに補正量の変わる位置を変更することで補正後の表示データが異なる領域において、「(偶数行、偶数列)または(奇数行、奇数列)」と「(偶数行、奇数列)または(奇数行、偶数列)」とで、各フレームにおいて表示データの補正量の変わる位置が逆になるように構成されている。その他の構成は上記第3実施形態と同様である。
本実施形態で用いるデータ補正回路36Dは、図21に示すように、第1カウンタ51
Dと、「(偶数行、偶数列)及び(奇数行、奇数列)」用カウンタ54Dと、「(偶数行、奇数列)または(奇数行、偶数列)」用カウンタ55Dと、減算器53Dとを備える。
第1カウンタ51Dは、図13の第1カウンタ51Bと同様に垂直走査開始側からの走査線の位置を表わすY座標を計数する。この第1カウンタ51Dは、垂直同期信号VSYNCでリセットされ、「0」から水平同期信号HSYNCのタイミングで「1」ずつカウントアップし、カウント値がLNO[7..0]=8と等しくなると、HSYNCのタイミングでリセットされる。また、第1カウンタ51Dは、nフレーム目において、カウント値がLNO[7..0]=8と等しくなるごとに、HSYNCのタイミングで1DCK分「H」レベルのENBa信号を出力する。また、(n+1)フレーム目において、カウント値がDF[7..0]=4と等しくなったときと、その後カウント値がLNO[7..0]=8と等しくなるごとに、HSYNCのタイミングで1DCK分「H」レベルのENBa信号を出力する。ここで、DF[7..0]は、ENBa信号の出力タイミングを設定する駆動パラメータである。
カウンタ54Dは、垂直同期信号VSYNCでリセットされ、「H」レベルのENB信号が入力されるごとに、水平同期信号HSYNCのタイミングで「1」ずつカウントアップし、カウント値を補正データCDa[]として減算器53Dへ出力する。
カウンタ55Dは、VSYNCでリセットされ、「H」レベルのENB信号が入力されるごとに、HSYNCのタイミングで「1」ずつカウントアップし、カウント値を補正データCDb[]として減算器53Dへ出力する。
減算器53Dは、「(偶数行、偶数列)及び(奇数行、奇数列)」の場合は、元の表示データDATA[]から補正データCDa[]を引いて、その結果を補正後の表示データDATAN[]として出力する。また、「(偶数行、奇数列)または(奇数行、偶数列)」の場合は、元の表示データDATA[]から補正データCDb[]を引いてその結果を補正後の表示データDATAN[]として信号線駆動回路34へ出力する。また、減算器53Dは、補正後の表示データDATAN[]が負になった場合は、出力を「0」にするようになっている。
次に、第5実施形態の液晶表示装置の動作を説明する。
ここでの駆動条件は、LNO[]=8、表示データDATA[]=127、及びDF[]=4とする。
図14に示す上記第4実施形態のタイミングチャートにおいて、nフレーム目ENBを、nフレーム目ENBa及び(n+1)フレーム目ENBbに、(n+1)フレーム目ENBを、nフレーム目ENBb及び(n+1)フレーム目ENBaにそれぞれ置き換える。
同タイミングチャートにおいて、nフレーム目CD[]を、nフレーム目CDa[]及び(n+1)フレーム目CDb[]に、(n+1)フレーム目CD[]を、nフレーム目CDb[]及び(n+1)フレーム目CDa[]にそれぞれ置き換える。
同タイミングチャートにおいて、nフレーム目DATAN[]を、nフレーム目「(偶数行、偶数列)及び(奇数行、奇数列)」のDATAN[]及び(n+1)フレーム目「(偶数行、奇数列)及び(奇数行、偶数列)」のDATAN[]にそれぞれ置き換える。
同タイミングチャートにおいて、(n+1)フレーム目DATAN[]を、nフレーム目「(偶数行、奇数列)及び(奇数行、偶数列)」のDATAN[]及び(n+1)フレーム目「(偶数行、偶数列)及び(奇数行、奇数列)」のDATAN[]にそれぞれ置き換える
。
以上のように構成された第5実施形態によれば、上記第3実施形態の奏する作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
○図22,図23に示すように、フレームごとに補正量の変わる位置を変更することで補正後の表示データが異なる領域において、「(偶数行、偶数列)または(奇数行、奇数列)」と「(偶数行、奇数列)または(奇数行、偶数列)」とで、各フレームにおいて上記表示データの補正量の変わる位置が逆になる。ここで、フレームごとに補正量の変わる位置を変更することで補正後の表示データが異なる領域は、図15及び図16に示す領域71〜74である。このため、表示データの補正によって生じるフリッカを見えにくくすることができる。
○図22に示す走査線Y6〜Y9に対応する画素領域と走査線Y15〜Y18に対応する画素領域において、「(偶数行、偶数列)または(奇数行、奇数列)」の各画素と「(偶数行、奇数列)または(奇数行、偶数列)」の各画素とで、各フレームにおいて補正後の表示データが「1」ずつ異なっている。ここで、図22に示す走査線Y6〜Y9に対応する画素領域は図15の領域71に、走査線Y15〜Y18に対応する画素領域は図15の領域73にそれぞれ相当する。また、図23に示す走査線Y6〜Y9に対応する画素領域(図16の領域72に相当する)と走査線Y15〜Y18に対応する画素領域(同図の領域74に相当する)においても、図22に示す走査線Y6〜Y9に対応する画素領域と走査線Y15〜Y18に対応する画素領域と同様になっている。
例えば、図22において、全画面で表示データを同じ輝度「127」とした場合、(偶数行、偶数列)の1画素(Y6,X2)の補正後の示データは「127」であり、(偶数行、奇数列)の1画素(Y6,X1)の補正後の表示データは「126」である。また、(奇数行、奇数列)の1画素(Y7,X1)の補正後の表示データは「127」であり、(奇数行、偶数列)の1画素(Y7,X2)の補正後の表示データは「126」である。その結果、図22及び図23に示す走査線Y6〜Y9に対応する画素領域及び走査線Y15〜Y18に対応する画素領域の互いに隣接する各画素では、輝度「1」だけ明るさの異なる表示となる。このため、表示データの補正によって生じるフリッカを見えにくくすることができる。
[第6実施形態]
第6実施形態に係る液晶表示装置を図24〜図26に基づいて説明する。
本実施形態では、図17で説明した上記第4実施形態において、フレームごとに補正量の変わる位置を変更することで補正後の表示データが異なる領域において、「(偶数行、偶数列)または(奇数行、奇数列)」と「(偶数行、奇数列)または(奇数行、偶数列)」とで、各フレームにおいて上記表示データの補正量の変わる位置が逆になるように構成されている。その他の構成は上記第4実施形態と同様である。
本実施形態で用いるデータ補正回路36Dを示す図24において、DFa[7..0]〜DFd[7..0]は、第1カウンタ51EのENBa〜ENBd信号の出力タイミングを設定する駆動パラメータである。
図24に示すように、データ補正回路36Eは、第1カウンタ51Eと、4つのカウンタ54E,55E,56E及び57Eと、減算器53Eとを備える。第1カウンタ54Eは(偶数行、偶数列)用カウンタ、カウンタ55Eは(偶数行、奇数列)用カウンタ、カウンタ55Eは(奇数行、偶数列)用カウンタ、そして、カウンタ56Eは(奇数行、奇数列)用カウンタである。
これらのカウンタ54E,55E,56E及び57Eはそれぞれ、垂直同期信号VSYNCでリセットされ、「H」レベルのENB信号が入力されるごとに、水平同期信号HSYNCのタイミングで「1」ずつカウントアップし、カウント値を補正データCDa[],CDb[],CDac]及びCDd[]として減算器53Eへ出力する。
減算器53Eは、(偶数行、偶数列)の場合は、元の表示データDATA[]から補正データCDa[]を引いてその結果を補正後の表示データDATAN[]として出力する。また、(偶数行、奇数列)の場合は、元の表示データDATA[]から補正データCDb[]を引いてその結果を補正後の表示データDATAN[]として出力する。また、(奇数行、偶数列)の場合は、元の表示データDATA[]から補正データCDc[]を引いてその結果を補正後の表示データDATAN[]として出力する。そして、(奇数行、奇数列)の場合は、元の表示データDATA[]から補正データCDd[]を引いてその結果を補正後の表示データDATAN[]として出力する。また、減算器53Eは、補正後の表示データDATAN[]が負になった場合は、出力を「0」にするようになっている。
次に、第6実施形態の液晶表示装置の動作を説明する。
ここでの駆動条件は、LNO[]=8、表示データDATA[]=127、W[]=6、DFa[]=4、及びDFb[]=2とする。
本実施形態のENBaは図18に示す上記第4実施形態のタイミングチャートのENBaと同様である。
ENBdは同タイミングチャートのENBbと同様である。
ENBbは、同タイミングチャートのENBaのnフレーム目と(n+1)フレーム目を入れ替えた信号と同様である。
ENBcは同タイミングチャートのENBbのnフレーム目と(n+1)フレーム目を入れ替えた信号と同様である。
本実施形態のCDa[]〜CDd[]も、ENBa〜ENBdと同様である。
本実施形態の表示データDATA[]は、図18のタイミングチャートのnフレーム目偶数列DATAN[]を、nフレーム目の(偶数行、偶数列)のDATAN[]及び(n+1)フレーム目の(奇数行、偶数列)のDATAN[]にそれぞれ置き換える。
本実施形態の表示データDATA[]は、同タイミングチャートの(n+1)フレーム目偶数列DATAN[]を、(n+1)フレーム目の(偶数行、偶数列)のDATAN[]及びnフレーム目の(奇数行、偶数列)のDATAN[]にそれぞれ置き換える。
本実施形態の表示データDATA[]は、同タイミングチャートのnフレーム目奇数列DATAN[]を、nフレーム目の(奇数行、奇数列)のDATAN[]及び(n+1)フレーム目の(偶数行、奇数列)のDATAN[]にそれぞれ置き換える。
本実施形態の表示データDATA[]は、同タイミングチャートの(n+1)フレーム目奇数列DATAN[]を、(n+1)フレーム目の(奇数行、奇数列)のDATAN[]及びnフレーム目の(偶数行、奇数列)のDATAN[]にそれぞれ置き換える。
以上のように構成された第6実施形態によれば、上記第4実施形態の奏する作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
○図25,図26に示すように、フレームごとに補正量の変わる位置を変更することで補正後の表示データが異なる領域において、「(偶数行、偶数列)または(奇数行、奇数列)」と「(偶数行、奇数列)または(奇数行、偶数列)」とで、各フレームにおいて上
記表示データの補正量の変わる位置が逆になる。ここで、フレームごとに補正量の変わる位置を変更することで補正後の表示データが異なる領域は、図19及び図20に示す領域81〜84である。このため、表示データの補正によって生じるフリッカを見えにくくすることができる。
○図25に示す走査線Y4〜Y9に対応する画素領域と走査線Y13〜Y18に対応する画素領域において、「(偶数行、偶数列)または(奇数行、奇数列)」の各画素と「(偶数行、奇数列)または(奇数行、偶数列)」の各画素とで、各フレームにおいて補正後の表示データが「1」ずつ異なっている。ここで、図25に示す走査線Y4〜Y9に対応する画素領域は図19の領域81に、走査線Y13〜Y18に対応する画素領域は図20の領域83にそれぞれ相当する。また、図26に示す走査線Y4〜Y9に対応する画素領域と走査線Y13〜Y18に対応する画素領域においても、図25に示す走査線Y4〜Y9に対応する画素領域と走査線Y13〜Y18に対応する画素領域と同様になっている。ここで、図26に示す走査線Y4〜Y9に対応する画素領域は図20の領域82に、走査線Y13〜Y18に対応する画素領域は図20の領域84にそれぞれ相当する。
例えば、図25において、全画面で表示データを同じ輝度「127」とした場合、(偶数行、偶数列)の1画素(Y6,X2)の補正後の示データは「126」であり、(偶数行、奇数列)の1画素(Y6,X1)の補正後の表示データは「127」である。また、(奇数行、奇数列)の1画素(Y7,X1)の補正後の表示データは「126」であり、(奇数行、偶数列)の1画素(Y7,X2)の補正後の表示データは「127」である。その結果、図25及び図26に示す走査線Y4〜Y9に対応する画素領域及び走査線Y13〜Y18に対応する画素領域の互いに隣接する各画素では、輝度「1」だけ明るさの異なる表示となる。このため、表示データの補正によって生じるフリッカを見えにくくすることができる。
[電子機器]
次に、上記各実施形態で説明した液晶表示装置の液晶表示パネル21を用いた電子機器について説明する。図1及び図2に示す液晶表示パネル21は、図27に示すような液晶プロジェクタなどの投射型表示装置110に適用できる。この投射型表示装置110は、R(赤)、G(緑)、B(青)の異なる色毎に透過型液晶ライトバルブ112,113,114を備えた3板式の投射型カラー表示装置である。これらの透過型液晶ライトバルブ112,113,114が、上記各実施形態で説明した液晶表示パネル21でそれぞれ構成されている。
図27に示すように、投射型表示装置110は、プロジェクタ本体111と、照明装置120と、色分離合成系130と、複数の投射レンズを有する投射装置としての投射光学系140とを備えている。プロジェクタ本体111内に、照明装置120及び色分離合成系130や、電源装置150等が内蔵されている。
照明装置120は、光源115と、2つのフライアイレンズ116,117と、偏光変換装置118とを有する。色分離合成系130は、2つのダイクロイックミラー121,122と、3つの反射ミラー123〜125と、3つのリレーレンズ126〜128と、3つの液晶ライトバルブ112〜114と、クロスダイクロイックプリズム129とを有する。
光源115は、高圧水銀ランプ或いはメタルハライドランプ等のランプ120aと、ランプ120aからの光L(以下、「光源光L」という。)を反射するリフレクタ120bとを有する。また、光源光Lの照度分布を液晶ライトバルブ112〜114において均一化させるために、2つのフライアイレンズ116,117が設けられている。各フライア
イレンズ116,117は、二次元に配置された複数個(例えば、6×8個)のレンズ116a,117aでそれぞれ構成されている。こうして、液晶ライトバルブ112〜114は、光源光Lでフライアイレンズ116,117によって均一な照度で照明されるようになっている。
偏光変換装置118は、フライアイレンズ117側に設けられた偏光ビームスプリッタアレイ(PBSアレイ)と、PBSアレイによって反射された偏光の偏光方向を変換する1/2波長板とを有し、光源光Lの光強度を損なうことなく光の偏光方向を一方向に揃えるようになっている。
ダイクロイックミラー121,122は、例えばガラス基板に所定の波長選択性を持つ誘電体多層膜を積層したものである。ダイクロイックミラー121は、光源光Lのうちの赤色光LRを透過させるとともに、緑色光LGと青色光LBを反射させるようになっている。また、ダイクロイックミラー122は、ダイクロイックミラー121で反射された緑色光LGと青色光LBのうち、緑色光LGを反射させるとともに、青色光LBを透過させるようになっている。
これにより、色分離合成系130では、照明装置120から入射する光源光Lのうち、赤色光LRは、ダイクロイックミラー121を透過した後、反射ミラー123で反射されて赤色光用の液晶ライトバルブ112に入射される。緑色光LGは、ダイクロイックミラー121で反射された後、ダイクロイックミラー122で反射されて緑色光用の液晶ライトバルブ112に入射される。青色光LBは、ダイクロイックミラー121で反射された後、ダイクロイックミラー122を透過し、3つのリレーレンズ126〜128と2つの反射ミラー124、125からなるリレー系を経て、青色光用の液晶ライトバルブ114に入射される。
光変調装置としての液晶ライトバルブ112〜114は、ビデオ信号などの上記表示データに基づいて図示を省略した駆動回路によりそれぞれ駆動されるようになっている。
クロスダイクロイックプリズム129は、直角プリズムが貼り合わされた構造となっており、十字状に直交する2つのミラー面の一方には、赤色光LRを反射させるとともに緑色光LGを透過させる誘電体多層膜が、その他方には、青色光LBを反射させるとともに緑色光LGを透過させる誘電体多層膜がそれぞれ形成されている。そして、赤色光LR、緑色光LG及び青色光LBの3つの色光が、クロスダイクロイックプリズム129によって合成されてカラー画像を表わす光が形成され、この光が投射光学系140によりスクリーン141上に拡大投射されるようになっている。
この投射型表示装置110によれば、各液晶ライトバルブ112,113,114の上下方向における輝度ムラが抑制された表示を実現することができる。
[変形例]
なお、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
・上記各実施形態では、一例として垂直走査開始側を第1行目の走査線Y1側としているが、垂直走査開始側を第m行目の走査線Ym側とする場合にも本発明は適用される。
・上記各実施形態では、図5に示す第1の条件(条件1a)の場合と、図6に示す第2の条件(条件1b)により液晶を駆動する場合を一例として説明したが、本発明は、図28に示す第3の条件(条件2a)の場合と、図29に示す第4の条件(条件2b)により液晶を駆動する場合にも同様に適用可能である。
条件2aは、表示データが大きいほど明るい表示にしかつ液晶にかかる電圧が大きいほど明るい表示にする場合である。条件2bは、表示データが小さいほど明るい表示にしか
つ液晶にかかる電圧が小さいほど明るい表示にする場合である。
条件2aの場合には、図28に示すように、走査線Y1〜Ymのうちより遅く選択される走査線に接続された各画素ほど、例えば画面の上方側から垂直走査をする場合には下方に位置する画素ほど各画素電極で低下する電圧値が大きくなるので、より暗い表示となる。そこで、条件2aで、画面の上方側から垂直走査をする場合には、図28に示すように、下方に位置する画素ほど元の表示データをより大きくするように、下方に位置する画素ほど元の表示データに加算する表示データの補正量を大きくする。これにより、下方の画素ほど元の表示データに対応する輝度よりも明るくなるので、液晶表示パネル21の上下方向における輝度ムラが抑制される。
また、条件2bの場合には、図29に示すように、より遅く選択される走査線に接続された各画素ほど、つまりより下方に位置する画素ほど各画素電極で低下する電圧値が大きくなるので、より明るい表示となる。そこで、条件2bの場合にも、画面の上方側から垂直走査をする場合には、図29に示すように、下方に位置する画素ほど元の表示データをより大きくするように、下方に位置する画素ほど元の表示データに加算する表示データの補正量を大きくする。これにより、下方の画素ほど元の表示データに対応する輝度よりも暗くなるので、液晶表示パネル21の上下方向における輝度ムラが抑制される。
・上記各実施形態では、元の表示データDATA[7..0]は8ビット(bit)のデジタル階調データとしているが、本発明で使用可能な表示データDATA[]は8ビットに限定されない。
・上記第1実施形態では、第1カウンタ51は、カウント値がLNO[7..0]=5と等しくなると、「H」レベルのENB信号を第2カウンタ52へ出力するように構成されているが、LNO[7..0]との比較ではなく他の値をレジスタ等で設定しても良い。第1実施形態以外の各実施形態においても同様である。
・上記各実施形態では、液晶を反転駆動するのに、共通電極電位LCCOMを1フレームごとに反転させるようにしているが、他の方法で液晶を反転駆動する場合にも本発明は適用可能である。
・上記各実施形態では、一例として1フレームごとに共通電極30の電位を反転させるようにしているが、1フレーム以外の所定期間ごとにその電位を反転させる場合にも本発明は適用可能である。
・上記各実施形態では、TN(Twisted Nematic )型の液晶24を用いているが本発明はこれに限定されない。液晶としては、スイッチング素子を介して各画素に正極性のデータ信号と負極性のデータ信号を所定期間ごと、例えば1フレームごとに交互に書き込むフレーム反転が可能なものであればよい。例えば、液晶として180°以上のねじれ配向を有するSTN(Super Twisted Nematic )型、BTN(Bi-stable Twisted Nematic )型、高分子分散型、ゲストホスト型等を含めて、周知なものを広く用いることができる。
・上記各実施形態では、各画素のスイッチング素子として3端子スイッチング素子であるTFTを用いているが、これに代えてTFD(Thin Film Diode)のような2端子スイ
ッチング素子を用いたアクティブマトリクス型液晶表示パネルにも本発明は適用可能である。なお、2端子スイッチング素子を用いる場合には、素子基板上にある各画素の画素電極と液晶を介して対向電極を対向基板側に設け、この対向電極を走査線ごと分割する。そして、素子基板上にあるデータ線と対向基板上にある対向電極(走査線)とが空間的に交差する個所に対応してTFDのような2端子スイッチング素子を素子基板側に配置する。
・液晶表示装置の液晶表示パネル21は、図27に示すような液晶プロジェクタなどの投射型表示装置110に限らず、パーソナルコンピュータ、携帯電話、デジタルカメラ等の各種の電子機器に適用できる。
・上記各実施形態では、電気光学装置を液晶表示装置として説明したが、本発明はこれに限るものではなく、液晶のように交流駆動される電気光学素子を用いた電気光学装置および該電気光学装置を備えた電子機器に対しても適用可能である。
Y1〜Ym…走査線、Vdd,Vss…電圧、S1〜Sn…データ選択信号、X1〜Xn…信号線、24…液晶、25…画素、33…走査線駆動回路、34…信号線駆動回路、36,36A,36B,36C,36D,36E…データ補正回路。