JP2005148251A - 電子写真用転写用紙 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パルプ繊維を含む基材と、該基材の少なくとも片面に、顔料および接着剤を主成分とする塗被層とを有し、JIS P−8124に基づき測定される坪量が40g/m2以上95g/m2以下の電子写真用転写用紙において、前記基材が前記パルプ繊維間の結合を阻害する結合阻害剤を含有し、且つ、CD方向の引張弾性率が5000MPa以上であることを特徴とする電子写真用転写用紙。
【選択図】 なし
Description
その中でも、特にオンデマンド性を要求されるカタログあるいは小冊子の本文用紙、チラシ、リーフレットには、軽くて嵩張らず、且つ、高白紙光沢を有する塗被紙を使用したいという要求が高まってきている。
一方、通常、フルカラー複写機あるいはプリンターは、定着部でトナーを溶融して画像を定着させるが、この際に用紙自体も加熱されることで用紙内の水分、更に詳細に述べると、パルプ繊維内および繊維間に存在する水分が蒸発する。そのため、繊維および繊維間の収縮が起こり、上述したようなカールが発生する。
また、一般に、塗被紙は、顔料を多く含む塗被層を有するために、主としてパルプで構成された非塗被紙に比べ、熱容量が小さい。さらに、軽量の塗被紙は、塗被紙の中でも軽量であるため熱容量が小さく、定着時に用紙内の温度が上昇し、上述したような水分蒸発が顕著に起こり、定着後に大きなカールを生じることになる。
また、通常、商業印刷用の高白紙光沢の塗被紙は、白紙光沢を付与させるために、塗被後にカレンダー掛けによる表面の平滑化を行う。このため、非塗被紙あるいは白紙光沢の低い用紙に比べ、嵩が低く、用紙の強度および腰が低下しており、上記の走行トラブルが発生しやすくなる。
さらに、カレンダー時の加圧により用紙がつぶされ、透気性が低下することから、定着時にトナー画像部の表面に微細な空隙(所謂ブリスター)が発生しやすくなる。ブリスターは、用紙内部の水分が定着時の加熱により水蒸気となった場合に、用紙の透気性が低い場合にはこの水蒸気が用紙外へと排出されないため用紙内の水蒸気圧が大きくなり、最終的には、トナー層を突き破って排出されることにより発生するものである。
したがって、これまで白紙部の光沢が高く、走行性に優れた信頼性を有し、且つ、定着時のブリスターの発生がなく、さらに用紙内の水分量変化による用紙の伸縮性(特に定着後カール)に優れる間接乾式電子写真方式を利用したフルカラー複写機およびプリンターに用いられる塗被層を有する特に軽量で嵩張らない電子写真用転写用紙は提供されていなかった。
<1> パルプ繊維を含む基材と、該基材の少なくとも片面に、顔料および接着剤を主成分とする塗被層とを有し、JIS P−8124に基づき測定される坪量が40g/m2以上95g/m2以下の電子写真用転写用紙において、
前記基材が前記パルプ繊維間の結合を阻害する結合阻害剤を含有し、且つ、CD方向の引張弾性率が5000MPa以上であることを特徴とする電子写真用転写用紙である。
従って、本発明の電子写真用転写用紙は、間接乾式電子写真方式を利用して画像を形成しても、ブリスターおよびカールの発生を抑制することができると共に、走行性および収納性を両立させることができる。
パルプ繊維が、用紙内の水分量低下により収縮した場合、これに隣接するパルプ繊維は繊維間距離を保とうとするため、収縮したパルプ繊維に引張られることとなる。この際、このような収縮の伝播が用紙全体に起こることでカールが大きくなることが考えられる。このため、このような収縮の伝播が起こらないように、収縮の伝播作用を途中で切断あるいは緩和するように、用紙内の構造を構築する必要がある。
低密度化剤あるいは嵩高剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤などの界面活性剤の如くパルプ繊維に吸着するための親水基と、水分子あるいはパルプ繊維の水素結合形成を阻害する疎水基とを分子内に有するものが挙げられる。このような界面活性剤としては、花王(株)製のKB−08W(非イオン系界面活性剤)あるいは、KB−115(非イオン系界面活性剤)、東邦化学工業(株)製のバルカップMO−500(アニオン系界面活性剤)、日新化学研究所(株)製のPEA−100(カチオン系界面活性剤)、PEA−200(非イオン系界面活性剤)、PEA−300(カチオン系界面活性剤)、理研グリーン(株)製のプロソフト230(カチオン系界面活性剤)、プロソフト1003(カチオン系界面活性剤)等が挙げられる。
このような柔軟剤は具体例としては、例えば、上記にあげた界面活性剤の他、ポリエチレンワックス等のワックスエマルジョン、ジメチルポリシロキサン,カチオン変性シリコーン,エポキシ変性シリコーン等のシリコーン系化合物、ウレタン系高分子、グリセリン、脂肪酸エステル類、パラフィン乳化物、第4級アンモニウム塩、イソプロピルアルコール、尿素、ポリエチレングリコール、脂肪酸ポリアミドポリアミン、多価アルコール等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
結合阻害剤の添加量(塗布量)が0.1重量部(0.1g/m2)に満たない場合は、塗被紙の定着後のカールが大きくなる場合がある。また、5.0重量部(5.0g/m2)を超える場合には、塗被紙の強度が弱くなりすぎて、走行トラブルが発生する。なお、更に好ましい添加量(塗布量)の範囲は、0.3重量部以上3.0重量部以下(0.5g/m2以上4.0g/m2以下)がより好ましく、0.4重量部以上2重量部以下(1.0g/m2以上3.0g/m2以下)が更に好ましい。
本発明者等は、結合阻害剤を用いた軽量の塗被紙におけるジレンマを解決するためにさらに鋭意検討を重ねた。その結果、塗被紙のCD方向の引張弾性率を5000MPa以上とすることで、画像形成装置の転写部あるいは定着部で、良好な用紙走行性を得ることができることを見出した。これにより、厚みが薄くても良好な走行性を得ることができるようになるため、塗被紙の薄厚化が可能であり走行性と収納性とを高いレベルで両立させることが容易である。
なお、上記CD方向とは、基材となる紙類の製造に際して、パルプ繊維の流れ方向(即ち、抄紙方向)をMD(Machine Direction)方向とした時、これに垂直な方向(CD(Cross Direction))として規定される方向を意味する。
用紙の坪量が、40g/m2未満の場合には、坪量が小さすぎるために、用紙の厚みが薄くなり過ぎてしまい、走行不良が発生してしまう。また、95g/m2を超える場合には、塗被紙を薄くすることができず、収納性が低下してしまう。
なお、より好ましい用紙密度は、1.05g/cm3以上であり、さらに好ましい用紙密度は1.10g/cm3以上である。
さらに、近年の環境問題を考えると、上質系および中質系の古紙パルプを添加することが望ましく、その配合量は用途に応じて決定されるが、全パルプ繊維中10%以上、好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上である。
また、この他にも、染料、pH調整剤等、通常の塗被紙用基紙に配合される各種助剤が適宜使用される。
合成接着剤としては、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合及びポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等が挙げられる。これらの合成接着剤の中で目的に応じて、1種類以上を使用することができる。これらの接着剤は顔料100重量%当たり5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%程度の範囲で使用されることが好ましい。
また、天然系接着剤として、酸化デンプン、エステル化デンプン、酵素変性デンプンやそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性デンプン、カゼイン、大豆たんぱく等の一般に知られた接着剤が挙げられる。これらの接着剤も顔料100重量%当たり0.1〜50重量%、より好ましくは2〜30重量%程度の範囲で使用される。
また必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等、通常の塗被紙用顔料に配合される各種助剤が適宜使用される。
この場合、包装を破って開封した直後の塗被紙の水分率が、好ましくは3〜6.5%、より好ましくは、4.5〜5.5%になるように抄紙機、コータのドライヤーおよびカレンダー工程等で調整されていることが好ましい。
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)100重量部のパルプスラリーをナイヤガラビータ(熊谷理機工業社製)で叩解して得られたろ水度250mlのパルプスラリーに、パルプ繊維固形分100重量部に対し、軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121、奥多摩工業(株)製)8量部、硫酸アルミニウム0.5重量部、カチオン化デンプン(商品名:MS4600 日本食品化学工業(株)製)0.5重量部、アルケニル無水コハク酸(ファイブラン81、王子ナショナル(株)製)0.09重量部および嵩高剤(商品名:KB−08W、花王(株)製)0.5重量部を添加し、これらの混合物を白水で希釈し、固形分濃度0.3重量%のパルプスラリーを調製した。
続いて、この塗被組成物を基材の両面に、片面当り乾燥重量で10g/m2となるようにブレードコータにより塗被し、乾燥後、ロール温度50℃のスーパーカレンダーで密度1.16g/cm3、白紙光沢が62%になるように平滑化処理を行い、坪量80g/m2の電子写真用転写紙を得た。
LBKP100重量部のパルプスラリーをナイヤガラビータ(熊谷理機工業社製)で叩解して得られたろ水度200mlのパルプスラリーに、パルプ繊維固形分100重量部に対し、軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121、奥多摩工業(株)製)8量部、硫酸アルミニウム0.5重量部、カチオン化デンプン(商品名:MS4600 日本食品化学工業(株)製)0.5重量部、アルケニル無水コハク酸(ファイブラン81、王子ナショナル(株)製)0.09重量部および嵩高剤(商品名:KB−08W、花王(株)製)2.0重量部を添加し、これらの混合物を白水で希釈し、固形分濃度0.3%のパルプスラリーを調製した。
続いて、この塗被組成物を基材の両面に、片面当り乾燥重量で10g/m2となるようにブレードコータにより塗被し、乾燥後、ロール温度50℃のスーパーカレンダーで密度1.10g/cm3、白紙光沢が53%になるように平滑化処理を行い、坪量80g/m2の電子写真用転写紙を得た。
LBKP80重量部のパルプスラリーをナイヤガラビータ(熊谷理機工業社製)で叩解して得られたろ水度200mlのパルプスラリーとNBKP20重量部のパルプスラリーをナイヤガラビータ(熊谷理機工業社製)で叩解して得られたろ水度400mlのパルプスラリーを混合したパルプスラリーに、パルプ繊維固形分100重量部に対し、軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121、奥多摩工業(株)製)10量部、硫酸アルミニウム0.5重量部、カチオン化デンプン(商品名:MS4600 日本食品化学工業(株)製)0.5重量部、アルケニル無水コハク酸(ファイブラン81、王子ナショナル(株)製)0.09重量部および嵩高剤(東邦化学工業(株)製、商品名:バルカップMO−500)1.5重量部を添加し、これらの混合物を白水で希釈し、固形分濃度0.3%のパルプスラリーを調製した。
続いて、この塗被組成物を基材の両面に、片面当り乾燥重量で9g/m2となるようにブレードコータにより塗被し、乾燥後、ロール温度50℃のスーパーカレンダーで密度1.13g/cm3、白紙光沢が61%になるように平滑化処理を行い、坪量80g/m2の電子写真用転写紙を得た。
LBKP100重量部のパルプスラリーをナイヤガラビータ(熊谷理機工業社製)で叩解して得られたろ水度370mlのパルプスラリーに、パルプ繊維固形分100重量部に対し、軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121、奥多摩工業(株)製)8量部、硫酸アルミニウム0.5重量部、カチオン化デンプン(商品名:MS4600 日本食品化学工業(株)製)0.5重量部、アルケニル無水コハク酸(ファイブラン81、王子ナショナル(株)製)0.09重量部を添加し、これらの混合物を白水で希釈し、固形分濃度0.3%のパルプスラリーを調製した。
続いて、この塗被組成物を基材の両面に、片面当り乾燥重量で11g/m2となるようにブレードコータにより塗被し、乾燥後、ロール温度50℃のスーパーカレンダーで密度1.19g/cm3、白紙光沢が65%になるように平滑化処理を行い、坪量80g/m2の電子写真用転写紙を得た。
嵩高剤(商品名:KB−08W、花王(株)製)をアニオン系柔軟剤(商品名:ファインソフト70、第一工業製薬(株)製)にして配合量を0.5重量部を0.7重量部に変更する以外は、実施例1と同様にして、密度1.15g/cm3、白紙光沢が63%、坪量を80g/m2の電子写真用転写紙を得た。
嵩高剤(商品名:KB−08W、花王(株)製)をカチオン系柔軟剤(商品名:ソフノンSSK−15、東邦化学工業(株)製)にして配合量を0.5重量部を0.9重量部に変更する以外は、実施例1と同様にして、密度1.12g/cm3、白紙光沢が62%、坪量を80g/m2の電子写真用転写紙を得た。
LBKP100重量部のパルプスラリーをナイヤガラビータ(熊谷理機工業社製)で叩解して得られたろ水度370mlのパルプスラリーに、パルプ繊維固形分100重量部に対し、軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121、奥多摩工業(株)製)8量部、硫酸アルミニウム0.5重量部、カチオン化デンプン(商品名:MS4600 日本食品化学工業(株)製)0.5重量部、アルケニル無水コハク酸(ファイブラン81、王子ナショナル(株)製)0.09重量部を添加し、これらの混合物を白水で希釈し、固形分濃度0.3%のパルプスラリーを調製した。
続いて、この塗被組成物を基材の両面に、片面当り乾燥重量で11g/m2となるようにブレードコータにより塗被し、乾燥後、ロール温度50℃のスーパーカレンダーで密度1.18g/cm3、白紙光沢が63%になるように平滑化処理を行い、坪量80g/m2の電子写真用転写紙を得た。
製紙用パルプとして広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)100重量部のパルプスラリーをナイアガラビータ(熊谷理機工業社製)で叩解して得られたろ水度350mlのパルプスラリーに、パルプ繊維固形分100重量部に対し、軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121、奥多摩工業(株)製)12部、パルプの繊維間結合阻害剤として多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物(KB−110、花王株式会社製)を0.3部を添加し、これらの混合物を白水で希釈し、固形分濃度0.3重量%のパルプスラリーを調製した。
このパルプスラリーを2時間攪拌した後、オリエンテッドシートフォーマー(熊谷理機工業社製)を用いて抄紙し、乾燥後、マシンカレンダーにより王研式平滑度が30秒になるように平滑化処理し、坪量52g/m2の基材を得た。
次に塗被層形成用の塗被液として、顔料成分100重量%〔ブラジル産カオリン(リオカピム社製、カピムDG、)80重量%、重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製、FMT−90)10重量%、プラスチックピグメント(Rohm & Haas Company社製、HP−1055、中空球形型、)10重量%〕に対して分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.1重量%(アロンT−40、東亜合成(株)製、バインダーとしてカルボキシ変性スチレンブタジエンラテックス(LX407H、日本ゼオン(株)製)を15重量%、燐酸エステル化澱粉(エースP−130、王子コーンスターチ(株)製)を3部加え、さらに水を加えて固形分濃度59%に調整した塗工液を、塗工量が片面あたり14g/m2となるように、ブレードコータで両面塗被・乾燥を行った後、スーパーカレンダー仕上げをして、密度0.98g/cm3、白紙光沢が67%、坪量を80g/m2の電子写真用転写紙を得た。
なお、この電子写真用転写紙は、基材の坪量を52g/m2としたこと以外は、特開2003−171893号公報の実施例1に記載する方法と同様にして作製したものである。
使用したLBKPのろ水度を370mlとし、基材への酸化デンプンの塗布量を乾燥重量で1.5g/m2になるようにすることのほかは、実施例2と同様にして、密度1.10g/cm3、白紙光沢が67%、坪量を80g/m2の電子写真用転写紙を得た。
使用したLBKPのろ水度を250mlとすること以外は、比較例1と同様にして、密度1.18g/cm3、白紙光沢が64%、坪量を80g/m2の電子写真用転写紙を得た。
市販の印刷用コート紙であるOKトップコートN84.9g/m2(王子製紙(株)製)を用いた。
製紙用パルプとして広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)100重量部のパルプスラリーをナイアガラビータ(熊谷理機工業社製)で叩解して得られたろ水度350mlのパルプスラリーに、パルプ繊維固形分100重量部に対し、軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121、奥多摩工業(株)製)12部、パルプの繊維間結合阻害剤として多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物(KB−110、花王株式会社製)を0.3部を添加し、これらの混合物を白水で希釈し、固形分濃度0.3重量%のパルプスラリーを調製した。
このパルプスラリーを2時間攪拌した後、オリエンテッドシートフォーマー(熊谷理機工業社製)を用いて抄紙し、乾燥後、マシンカレンダーにより王研式平滑度が30秒になるように平滑化処理し、坪量72g/m2の基材を得た。
次に塗被層形成用の塗被液として、顔料成分100重量%〔ブラジル産カオリン(リオカピム社製、カピムDG、)80重量%、重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製、FMT−90)10重量%、プラスチックピグメント(Rohm & Haas Company社製、HP−1055、中空球形型、)10重量%〕に対して分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.1重量%(アロンT−40、東亜合成(株)製、バインダーとしてカルボキシ変性スチレンブタジエンラテックス(LX407H、日本ゼオン(株)製)を15重量%、燐酸エステル化澱粉(エースP−130、王子コーンスターチ(株)製)を3部加え、さらに水を加えて固形分濃度59%に調整した塗工液を、塗工量が片面あたり14g/m2となるように、ブレードコータで両面塗被・乾燥を行った後、スーパーカレンダー仕上げをして、密度0.98g/cm3、白紙光沢が66.7%、坪量が97.5g/m2の電子写真用転写紙を得た。
なお、この電子写真用転写紙は、特開2003−171893号公報の実施例1に記載する方法と同様にして作製したものである。
なお、表1中に示す各種項目の測定・評価方向および評価基準は以下の通りである。
(1)坪量
JIS P−8124の方法により測定した。
(2)白紙光沢度
JIS P−8142に従い入射角度75度で測定した。
(3)透気度
J Tappi No.5の方法により測定した。
(4)用紙の厚み、密度
JIS P−8118の方法により測定した。
JIS P−8111の方法により、長辺方向がCD方向となるように切断した試料(幅15mm、長さ150mm)を標準状態(温度:23℃、湿度:50%)に放置して調湿した後、これを、CD方向に対して引張速度が5mm/minとなるようにして評価し、得られた値から算出した。
塗被紙の走行テストは、富士ゼロックス製の乾式間接電子写真方式のデジタルカラー複写機DocuColor1250CPを用いて実施した。走行テストに際しては、塗被紙のサイズをA4サイズ(210×297mm)縦目用紙とし、長辺を先端として走行させた。また、各実施例および比較例で得られた塗被紙についてそれぞれ100枚ずつ走行させ、転写部および定着部での走行トラブル枚数を確認した。転写部で走行トラブル発生した用紙は、定着部を通過しないため、定着部走行枚数は不良走行枚数(=100―転写部走行枚数)としてカウントした。
塗被紙のブリスター評価は、富士ゼロックス製の乾式間接電子写真方式のデジタルカラー複写機Docucolor1250CPを用いて実施した。コピー原稿は、シアン色、マゼンタ色、イエロー色の3色の網点面積率100%のものを用い、片面プリント時および両面プリント時の画像が用紙の表裏の同じ位置になるようにし、記録テストを行った。給紙サンプルは、包装開封直後のものを用い、両面プリントを実施した。評価基準は、以下の4段階とした。
◎:全くブリスターの発生していないもの
○:発生しているが、目視では確認できないもの
△:目視で確認でき、画像を乱すもの
×:触感で確認でき、画像光沢を低下させているもの
DocuColor1250CPでISO/JIS−SCIDサンプル(日本規格協会発行)の画像識別番号N3(画像名称 果物かご)を出力し、23℃50%RH環境下に10分間放置した際の、カールについて、下記の評価基準で評価した。
◎:ほとんどカールしない
○:少しカールするが許容できる
△:かなりカールし、許容できない
×:カールが大きく場合によっては、円筒となる。
A4サイズのOKトップコートN(坪量84.9g/m2)が丁度100枚入る蓋付きの箱を作製し、この箱に、各々の実施例および比較例で得た塗被紙を100枚収納した際の収納性を以下の基準で確認した。
◎:蓋を閉じる時に力を必要とせず、きれいに閉じる。
○:蓋が閉じるときに抑える力を必要とする。
×:蓋が閉じられない。
表1から明らかなように、本発明の電子写真用転写紙は、転写部および定着性での走行トラブルがなく、且つ、ブリスターの発生がなく、カールが小さく、さらに嵩が低く、収納性にも優れていた。
それに対して、比較例1は、転写部および定着部では走行トラブルが発生し、また、定着後カールも非常に大きく、実用に耐えることができないレベルであった。比較例2、6は、引張弾性率が低く、転写部および定着部で走行トラブルを起こし、また、収納性が悪く、商品価値が著しく劣った。また、比較例3も、引張弾性率が小さく、転写部および定着部の走行トラブルが発生し、また、ブリスターも顕著に発生した。さらに、比較例4は、転写部および転写部での走行トラブルは発生しにくい傾向にあるが、定着後カールが非常に大きく実用に耐えることのできないレベルであった。また、ブリスターも発生した。比較例5に示した印刷用塗被紙は、転写部および定着部で走行トラブルを起こし、且つ、ブリスターおよび定着後カールが顕著に発生した。
Claims (4)
- パルプ繊維を含む基材と、該基材の少なくとも片面に、顔料および接着剤を主成分とする塗被層とを有し、JIS P−8124に基づき測定される坪量が40g/m2以上95g/m2以下の電子写真用転写用紙において、
前記基材が前記パルプ繊維間の結合を阻害する結合阻害剤を含有し、且つ、CD方向の引張弾性率が5000MPa以上であることを特徴とする電子写真用転写用紙。 - JIS P−8118に基づき測定される密度が1.00g/cm3以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用転写用紙。
- JIS P−8142に基づき測定される白紙光沢度が30%以上である事を特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用転写用紙。
- J Tappi No.5に基づき測定される透気度が7000秒以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真用転写用紙。
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