JP2005147625A - ループ型ヒートパイプ - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱輸送能力の高いループ型ヒートパイプを提供する。
【解決手段】 蒸発部容器15に連通させられた蒸気管6が凝縮部3,4に連通させられるとともに、前記蒸発部容器15に連通させられた液戻り管5が前記凝縮部3,4に連通させられて全体として環状の流路が形成され、かつその環状の流路の内部に凝縮性の作動流体が封入され、さらに前記蒸発部容器15の内部に、前記作動流体13を浸透させて毛細管圧力を生じさせるウイック構造体が配置されたループ型ヒートパイプにおいて、前記蒸発部容器15の内部に、前記蒸気管6が連通される蒸気流路19と、液戻り管5が連通される液流路17とが熱交換可能な隔壁15aを介して隣接して形成され、前記蒸気流路19と前記液流路17とが前記蒸発部容器15の内部において接続されている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、潜熱として熱を輸送する作動流体を蒸発させる蒸発部と、その作動流体蒸気を凝縮させる凝縮部とが、循環管路によって連結されたループ型のヒートパイプ(あるいは熱輸送ループ)に関するものである。
密閉した容器や管路の内部に封入した流体を、外部から供給した熱によって蒸発させ、その蒸気を低温かつ低圧の箇所に流動させた後放熱させ、その結果凝縮した流体を、外部から熱の入力される蒸発部に還流させることにより、前記流体の潜熱として熱を輸送する装置が、従来、知られている。この種の最も一般的な構成は、パイプ状のコンテナの内部に、作動温度では凝縮することのない空気などのガスを脱気した後、水やアルコール、アンモニアなどの凝縮性の流体を封入したヒートパイプである。
いわゆるサーモサイホンと称されるヒートパイプは、凝縮した液相の作動流体を重力によって下方の蒸発部に還流させるように構成されているので、毛細管圧力をポンプ力として発生するウイックは設けられていないが、一般的なヒートパイプは、外部から入熱のある蒸発部が必ずしも下側となるボトムヒートモードで使用されるわけではないので、液相の作動流体を蒸発部に貫流させるためのポンプ作用を生じるウイックを設けている。
ウイックは、毛細管圧力を生じるものであるから、開口部に生じるメニスカスでの実効毛細管半径が可及的に小径となる構造のものであることが好ましく、従来では、作動流体を封入したコンテナ(容器)の内面に形成した細溝やメッシュ材、結束した極細線、多孔質材などが使用されている。このウイックにおける蒸発部側の部分において、作動流体の蒸発に伴うメニスカスの低下が生じ、それに伴って毛細管圧力が生じるので、液相の作動流体はウイックの内部を蒸発部側に向けて還流することになる。これに対して作動流体の蒸気は、蒸発部側から作動流体の凝縮の生じる凝縮部に向けて流動するので、ウイックに沿って還流する液相作動流体の流動方向と作動流体蒸気の流動方向とが互いに反対となる。そのために、ウイックの表面において液相の作動流体が作動流体蒸気によって吹き飛ばされ、あるいは吹き戻され、これがいわゆる飛散限界となってヒートパイプの熱輸送能力が制限されることがある。
従来、このような不都合を解消できるヒートパイプとしてループ型のものが開発されている。これは、外部から入熱のある蒸発部と作動流体が放熱して凝縮する凝縮部とを分離して構成し、かつこれらの液相の作動流体が蒸発部に向けて貫流する液流管と作動流体蒸気の流動する蒸気流管とによって環状(ループ状)に連結した構造のヒートパイプである。このような構造であれば、液相作動流体と作動流体蒸気とが同一箇所を流れることがないので、上述した飛散限界などによる熱輸送能力の制約がなくなる。
この種のループ型のヒートパイプの一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されたヒートパイプは、液管と蒸気管とが接続された蒸発器を備えており、その蒸発器を構成している容器の内面に軸線方向に向けた直線状の多数の溝が形成され、かつその溝の形成された内面に、多孔質セラミックが密着状態に嵌合させられている。
したがって上記の公報に記載されたヒートパイプでは、蒸発器の外周面に伝達された熱によって、その容器の内周面に接している作動流体が加熱されて蒸発し、その蒸気は容器の内周面に形成された溝を通って軸線方向に流れ、蒸気管を介して蒸発器から送り出される。一方、液相の作動流体は、液管から多孔質セラミックすなわちウイックに供給され、そのウイックが容器の内面に接触しているので、ウイックの外面で毛細管圧力が生じ、その結果、液相の作動流体はウイックの外面すなわち前記容器の内面に供給される。そして、その液相作動流体が加熱蒸発して蒸気管を経て凝縮部に流動するので、作動流体の潜熱として熱を輸送することができる。
特開平10−246583号公報 (段落(0040)〜(0049)、図1、図2)
上述したループ型ヒートパイプでは、各部分が分離した構造となっているため飛散限界などによる熱輸送能力の制約がなくなる。その結果、効率よく蒸発部から凝縮部まで熱を輸送できるので、ヒートパイプ全体としての熱輸送能力を向上することができる。しかしながら、前記ループ型ヒートパイプは、ヒートパイプ全体の構造を改良したものであり、前記分離した各部分には、さらに熱輸送能力を向上させるための改良の余地があった。
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、熱輸送能力の高いループ型ヒートパイプを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、蒸発部容器に連通させられた蒸気管が凝縮部に連通させられるとともに、前記蒸発部容器に連通させられた液戻り管が前記凝縮部に連通させられて全体として環状の流路が形成され、かつその環状の流路の内部に凝縮性の作動流体が封入され、さらに前記蒸発部容器の内部に、前記作動流体を浸透させて毛細管圧力を生じさせるウイック構造体が配置されたループ型ヒートパイプにおいて、前記蒸発部容器の内部に、前記蒸気管が連通される蒸気流路と、液戻り管が連通される液流路とが熱交換可能な隔壁を介して隣接して形成され、前記蒸気流路と前記液流路とが前記蒸発部容器の内部において接続されていることを特徴とするループ型ヒートパイプである。
したがって、請求項1の発明では、液戻り管を介して蒸発部容器の内部の液流路に入った液相の作動流体がウイック構造体に浸透し、そのウイック構造体で生じる毛細管圧力によって流動する。一方、蒸発部容器の内部には、前記液流路に隣接し、かつ前記液流路と接続された蒸気流路が形成されており、作動流体が循環する際に、液流路を通過する液相の作動流体と、蒸気流路を通過する気相の作動流体との間で熱交換が行われる。そのため、液相の作動流体の温度が、飽和温度に近い温度にまで上昇する。したがって、前記蒸発部に熱が伝達されると、液相の作動流体が効率よく蒸発する。
また、請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記ウイック構造体が、高さが1mm以下で、かつ幅が200μmから300μmの細溝であるマイクロチャンネルを表面に形成した板状体と多孔質体とのいずれかであることを特徴とするループ型ヒートパイプである。
したがって、請求項2の発明では、前記ウイック構造体が、高さが1mm以下で、かつ幅が200μmから300μmの細溝であるマイクロチャンネルが形成された板状体、あるいは多孔質体とされている。そのため、作動流体が蒸発すると、その蒸気は、蒸発部容器の蒸気流路を介して蒸気管に至り、もしくは直接蒸気管に流入する。さらにその作動流体蒸気は、凝縮部において放熱して凝縮し、その後、液化した作動流体は、前記マイクロチャンネルに生じる毛細管圧力によって流動し、さらに液戻り管を介して蒸発部容器の内部に還流する。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の構成に加えて、前記蒸気流路の内部に、蒸気を分配する分配器が設けられていることを特徴とするループ型ヒートパイプである。
したがって、請求項3の発明では、気相の作動流体が、前記蒸気流路の内部に設けられた分配部によって分配される。したがって、蒸気流路部の内部で気相の作動流体が均一に流動する。
また、請求項4の発明は、蒸発部容器に連通させられた蒸気管が凝縮部に連通させられるとともに、前記蒸発部容器に連通させられた液戻り管が前記凝縮部に連通させられて全体として環状の流路が形成され、かつその環状の流路の内部に凝縮性の作動流体が封入され、さらに前記蒸発部容器の内部に、前記作動流体を浸透させて毛細管圧力を生じさせるウイック構造体が配置されたループ型ヒートパイプにおいて、前記液戻り管の所定の箇所に、気液分離器が設けられていることを特徴とするループ型ヒートパイプである。
したがって、請求項4の発明では、ループ型ヒートパイプの液戻り管の所定の箇所に、気液分離器が取り付けられているので、凝縮部によって凝縮された作動流体が前記気液分離器によって気相と液相とに分離される。
また、請求項5の発明は、請求項4の構成に加えて、前記気液分離器が、前記作動流体を貯留するリザーバとされていることを特徴とするループ型ヒートパイプである。
したがって、請求項5の発明では、前記凝縮された作動流体がリザーバに一旦貯留される。リザーバの内部では、上方に気相の作動流体が貯留され、下方に液相の作動流体が貯留される。その結果、前記作動流体が気液分離される。
また、請求項6の発明は、請求項4の構成に加えて、前記気液分離器と前記凝縮部とを連通している前記液戻り管の所定の箇所に、前記凝縮部から前記蒸発部に作動流体を還流させる還流用ポンプが配置されていることを特徴とするループ型ヒートパイプである。
したがって、請求項6の発明では、気液分離された液相の作動流体が効率よく還流用ポンプに送られる。そのため、ループ型ヒートパイプの環状の流路に作動流体を必要に応じて補充できる。
請求項1の発明によれば、前記蒸発部容器の内部で液相の作動流体の温度を飽和温度に近い温度にまで上昇できる。したがって、前記蒸発部に熱が伝達されると、液相の作動流体が効率よく蒸発する。そのため、気相の作動流体の流動が円滑になり、その結果、作動流体全体による熱輸送量が増大し、ループ型ヒートパイプの熱輸送能力を向上できる。
また、請求項2の発明によれば、前記蒸発部容器の内部に、マイクロチャンネルが形成されているので、前記蒸発部容器と作動流体との熱交換面積を増加できる。したがって、効率よく作動流体に対して熱を伝達することができる。その結果、ループ型ヒートパイプの熱輸送能力を向上できる。
また、請求項3の発明によれば、気相の作動流体が、前記蒸気流路部の内部に設けられた分配部によって分配される。したがって、蒸気流路部の内部で気相の作動流体が均一に流動する。その結果、気相の作動流体の流動がさらに円滑になり、ループ型ヒートパイプの熱輸送能力が向上する。
また、請求項4の発明によれば、ループ型ヒートパイプの凝縮部によって凝縮された作動流体が気液分離器によって気相と液相とに分離され、液相の作動流体が効率よく蒸発部に送られる。そのため、蒸発部における熱抵抗が低減され、外部から蒸発部に入熱があった場合、作動流体が効率よく蒸発する。その結果、ループ型ヒートパイプ全体の作動流体の流動性が向上し、熱輸送能力を向上できる。
また、請求項5の発明によれば、単純な構造であるリザーバによって、前記凝縮された作動流体が気液分離される。そのため、ループ型ヒートパイプの構造が簡略化される。その結果、ヒートパイプを故障が少なく小型軽量なものとすることができる。
また、請求項6の発明によれば、蒸発部容器と凝縮部とに連通させられた液戻り管の適宜の箇所に、還流用ポンプが接続されていることによって、ループ型ヒートパイプの環状の流路に作動流体を必要に応じて補充できる。その結果、前記作動流体が効率よくループ型ヒートパイプの内部を循環するので、ループ型ヒートパイプの熱輸送能力を向上することができる。
以下、本発明を実施した最良の形態について説明する。この発明によるループ型ヒートパイプ1は、図1に簡略的に示すように、蒸発部2と、凝縮部3と凝縮部4とが、液戻り管5と、蒸気管6とによって連通され、全体として密閉された環状に形成されている。蒸発部2には、電子部品7が取り付けられている。また、凝縮部3は、ファン8の吐き出し口9に対向して配置されている。一方、凝縮部4は、ファン8の吐き出し口10に対向して配置されている。凝縮部3および凝縮部4には、薄板状の放熱フィン11が設けられている。液戻り管5の流入口と蒸気管6の流出口とは、凝縮部4の端部から突出しており、接続管12によって接続されている。図2に示すように、蒸気管6の下方に液戻り管5が平行に配置されている。このヒートパイプ1の内部は、ほぼ完全に脱気された後に、水やアルコールなどの凝縮性の流体が作動流体13として封入されている。なお、作動流体13を必要に応じて補充するために、前記液戻り管5の適宜の箇所に、ポンプ14が接続されている。ポンプ14は、この例では、作動流体13を循環させるために、図示しないギヤケース内で二つの歯車が噛み合って回転し、その回転による吸引力で作動流体を吸込口から取込んで吐出口へ吐出する、いわゆるギヤポンプとされている。なお、この発明の還流用ポンプには、この他に、渦巻きポンプ、軸流ポンプ、プランジャポンプ、ピストンポンプ、ベーンポンプなどを使用することもできる。
蒸発部2の一例を図3ないし図6に示してある。ここに示す蒸発部2は、内部で熱交換を行う熱交換器になっている。この蒸発部2は、そのコンテナ15の内部に、飽和温度よりも低い液相作動流体16が流通する複数の液流路17が設けられ、その複数の液流路17の間に、熱交換可能な隔壁15aを介して隣接して、作動流体蒸気18が流通する蒸気流路19が配置されている。また、コンテナ15の端部で液流路17と蒸気流路19とが接続されている。この蒸発部2のコンテナ15の内面には、多数の「マイクロチャンネル」と称する細溝20が形成されている。この「マイクロチャンネル」とは、例えば、幅数20μm(ミクロン)、深さ1mm程度の複数の微小フィンによって形成されるチャンネル(通路)のことである。これらの細溝20は、コンテナ15の内面の面積を増大するように機能し、また後述するように作動流体13の流路となるものであって、コンテナ15の長手方向に沿って形成されている。このコンテナ15の内面は多孔質体によって形成されている。この多孔質体は、セラミックあるいは金属粉末を原料としたものであって、例えばそれらの原料粉末を圧縮成形した後に焼結することにより製造されている。なお、この発明の「マイクロチャンネル」は、コンテナ内部に配置された板状体の表面に形成されてもよい。
具体的には、コンテナ15の内部は、図4ないし6に示すように軸線方向に沿って3つの部分に分けられている。すなわち、導入部21、熱交換部22、分配部23の3つの部分である。導入部21は、図4に示すように、作動流体蒸気18が通過する蒸発部2が液流路17よりも比較的に大きく形成されている。
また、熱交換部22は、図5に示すように、蒸気流路19に細溝20が所定範囲に亘って形成されている。その結果、コンテナ15と作動流体13との熱交換面積が広くなっている。
そして、分配部23には、図6に示すように、ゲート24が設けられている。このゲート24には、複数の貫通孔25が、コンテナ15の軸線方向に直角に所定の間隔を開けて互いに平行に配置されている。
上述の蒸発部2によると、蒸発部2がそのコンテナ15の内部に複数の液流路17が設けられ、その複数の液流路17の間に隔壁15aを介して蒸気流路19が配置されているので、コンテナ15の内部で作動流体13が循環する際に、液流路17を通過する液相作動流体16と、蒸気流路19を通過する作動流体蒸気18との間で熱交換が行われる。そのため、液相作動流体16の温度が、飽和温度に近い温度にまで上昇する。したがって、電子部品7から熱が伝達されると、液相作動流体16が効率よく蒸発する。その結果、作動流体蒸気18の流動が円滑になり、その結果、作動流体13による熱輸送量が増大し、ひいてはヒートパイプ1全体としての熱輸送能力が向上する。
また、熱交換部22に細溝20が設けられているので、細溝20の開口端にメニスカスが生じて、毛細管圧力によるポンプ力が生じる。そのため、前記ポンプ力によって、コンテナ15全体に作動流体13が供給されるので、蒸発部2における実質的な入熱面積を広くすることができる。
さらに、蒸発部2に分配部23が設けられているので、作動流体蒸気18が複数の貫通孔25によって分配される。したがって、蒸気流路19の軸線方向に作動流体蒸気18を均一に流動させることができる。その結果、作動流体蒸気18の流動が円滑になり、その結果、作動流体13による熱輸送量が増大し、ひいてはヒートパイプ1全体としての熱輸送能力が向上する。
また、液戻り管5の適宜の箇所に、ポンプ14が接続されていることによって、ヒートパイプ1全体に作動流体13を必要に応じて補充できる。さらにポンプ14が単純な構造であるギヤポンプとされている。したがって、ヒートパイプ1を故障が少なく小型軽量なものとすることができる。その結果、ヒートパイプ1の製造コストを低減することができる。
また、凝縮部3および凝縮部4にフィン11が設けられているので、放熱面積が増加する。また、凝縮部3と吐き出し口9とが対向して配置され、凝縮部4と吐き出し口10とが対向して配置されている。そのため、ファン8によって凝縮部3および凝縮部4が強制冷却される。したがって、作動流体13が効率よく凝縮する。その結果、作動流体13の流動性が向上し、ループ型ヒートパイプ1の熱輸送量が増大する。
図7および図8に、ループ型ヒートパイプ1の蒸発部の他の例を示す。この蒸発部26のコンテナ27の内面には、上述の多数の「マイクロチャンネル」と称する細溝20が、コンテナ27の長手方向に沿って形成されている。このコンテナ27の内面は多孔質体によって形成されている。この多孔質体は、セラミックあるいは金属粉末を原料としたものであって、例えばそれらの原料粉末を圧縮成形した後に焼結することにより製造されたものであり、好ましくは気孔率が50%以上で、気孔の平均開口径が10μm程度の多孔質体である。なお、コンテナ27の内面に、金網が設けられていてもよい。
上記のループ型ヒートパイプ1は、重力のある環境および無重力環境のいずれでも使用できる。すなわち、蒸発部26のコンテナ27の内部には液相作動流体16が供給されていて細溝20が作動流体13で湿潤した状態となっている。この状態で蒸発部26に対して電子部品7から熱が伝達されると、コンテナ27の内部の液相作動流体16が加熱されて蒸発する。その場合、前記コンテナ27の内面に細溝20が形成されているので、コンテナ27と作動流体13との熱交換面積が広く、したがって効率よく作動流体13に対して熱を伝達することができる。
コンテナ27の内部において作動流体13の蒸発が生じることによって、細溝20の開口端にメニスカスが生じて、毛細管圧力によるポンプ力が生じる。したがって、液相作動流体16が細溝20の間に形成される間隙を通って、コンテナ27全体に分散するように供給される。その結果、前記コンテナ27の内面のほぼ全体に対して液相作動流体16が供給され、蒸発部26における実質的な入熱面積を広くすることができる。
図9にループ型ヒートパイプ1のさらに他の例を示す。ここに示すループ型ヒートパイプ1には、液戻り管5とポンプ14との間に作動流体13を貯留しているリザーバー28が接続されている。リザーバー28は、液戻り管5よりも内径が太くなっている。
液戻り管5を流通している作動流体13は、いわゆるサブクール沸騰等によって、気相、液相が混合した状態となっている。一方、リザーバー28では、液戻り管5から流出された作動流体13を一旦貯留できる。そのため、液戻り管5から流出した作動流体13がリザーバー28に流入することによって気液分離が行われる。したがって、液相作動流体16が効率よくポンプ14に流入し、その後、ポンプ14から送りだされる。その結果、ループ型ヒートパイプ1を作動流体13が効率よく循環し、作動流体13による熱輸送量が増大するので、ヒートパイプ1全体としての熱輸送能力が向上する。
単純な構造であるリザーバ28によって、前記凝縮された作動流体13が気液分離される。そのため、ループ型ヒートパイプ1の構造が簡略化される。その結果、ヒートパイプ1を故障が少なく小型軽量なものとすることができる。
なお、上述の具体例では、分配部23が、ゲート24に形成された複数の貫通孔25によって構成されたが、この発明のループ型ヒートパイプにおける分配部の構成は、ゲートに形成された複数の貫通孔に限定されない。要は、整流機能を有するものであればよく、例えば、焼結銅や金網等をコンテナ内部に設けてもよい。
この発明のループ型ヒートパイプの一具体例を簡略的に示す平面図である。 図1の凝縮部を示す正面図である。 図1のループ型ヒートパイプの蒸発部を示す平面図である。 図3をIV−IV線で切断した断面図である。 図3をV−V線で切断した断面図である。 図3をVI−VI線で切断した断面図である。 この発明のループ型ヒートパイプの蒸発部の他の例を示す平面図である。 図7をVIII−VIII線で切断した断面図である。 この発明のループ型ヒートパイプの他の具体例を簡略的に示す平面図である。
符号の説明
1…ループ型ヒートパイプ、 2,26…蒸発部、 3,4…凝縮部、 5…液戻り管、 6…蒸発管、 8…ファン、 9,10…吐き出し口、 13,16,18…作動流体、 14…ポンプ、 15,27…コンテナ、 15a…隔壁、 17…液流路部、 19…蒸気流路、 20…細溝、 23…分配部、 28…リザーバ。

Claims (6)

  1. 蒸発部容器に連通させられた蒸気管が凝縮部に連通させられるとともに、前記蒸発部容器に連通させられた液戻り管が前記凝縮部に連通させられて全体として環状の流路が形成され、かつその環状の流路の内部に凝縮性の作動流体が封入され、さらに前記蒸発部容器の内部に、前記作動流体を浸透させて毛細管圧力を生じさせるウイック構造体が配置されたループ型ヒートパイプにおいて、
    前記蒸発部容器の内部に、前記蒸気管が連通される蒸気流路と、液戻り管が連通される液流路とが熱交換可能な隔壁を介して隣接して形成され、前記蒸気流路と前記液流路とが前記蒸発部容器の内部において接続されていることを特徴とするループ型ヒートパイプ。
  2. 前記ウイック構造体が、高さが1mm以下で、かつ幅が200μmから300μmの細溝であるマイクロチャンネルを表面に形成した板状体と多孔質体とのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のループ型ヒートパイプ。
  3. 前記蒸気流路の内部に、蒸気を分配する分配器が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のループ型ヒートパイプ。
  4. 蒸発部容器に連通させられた蒸気管が凝縮部に連通させられるとともに、前記蒸発部容器に連通させられた液戻り管が前記凝縮部に連通させられて全体として環状の流路が形成され、かつその環状の流路の内部に凝縮性の作動流体が封入され、さらに前記蒸発部容器の内部に、前記作動流体を浸透させて毛細管圧力を生じさせるウイック構造体が配置されたループ型ヒートパイプにおいて、
    前記液戻り管の所定の箇所に、気液分離器が設けられていることを特徴とするループ型ヒートパイプ。
  5. 前記気液分離器が、前記作動流体を貯留するリザーバとされていることを特徴とする請求項4に記載のループ型ヒートパイプ。
  6. 前記気液分離器と前記凝縮部とを連通している前記液戻り管の所定の箇所に、前記凝縮部から前記蒸発部に作動流体を還流させる還流用ポンプが配置されていることを特徴とする請求項4に記載のループ型ヒートパイプ。
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