JP2005147072A - 車両用電子制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エンジン停止後に車両状態の検出・診断を行う電子制御装置において、エンジン停止中のバッテリ消耗を回避する。
【解決手段】 エンジン停止後に行う車両状態の検出・診断に用いない回路A,Bの電源ラインに通電遮断回路34a,34bを介装し、イグニッションキーがOFFされると回路A,Bへの通電を遮断する。そして、車両状態の検出・診断を、CPU32及び回路Cを用いて行わせる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両用電子制御装置に関し、詳しくは、エンジン停止後に車両状態の検出・診断を行う車両用電子制御装置に関する。
従来から、エンジン(内燃機関)の燃料を貯留する燃料タンクにて発生する燃料蒸気を捕集して処理する蒸発燃料処理装置において、燃料蒸気管路におけるリークの有無を診断する装置として、特許文献1に開示されるようなものがあった。
このものは、エンジン停止後に燃料蒸気管路をバルブで閉鎖し、該閉鎖空間内にエアポンプで空気を供給して加圧したときのエアポンプの駆動負荷に基づいて、燃料蒸気管路におけるリークの有無を診断する構成である。
特開2003−013810号公報
ところで、前記リーク診断のための加圧中に燃料蒸気が発生すると、閉鎖空間内の圧力が前記燃料蒸気に影響され、診断精度が低下する。
このため、エンジン停止後から燃料蒸気の発生が収束するまで待ってから前記リーク診断を行わせることが好ましい。
しかし、エンジン停止中はエンジン駆動される発電機が停止しているため、リーク診断を開始させるまでの待機時間及びリーク診断時間が長くなると、リーク診断を含む各種エンジン制御を行う電子制御装置による消費電力によってバッテリが消耗し、次回のエンジン始動が困難になる惧れがあった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、エンジン停止中のバッテリ消耗を回避しつつ、エンジン停止後に車両状態の検出・診断を行える車両用電子制御装置を提供することを目的とする。
そのため請求項1記載の発明では、エンジン停止から車両状態の検出・診断終了までの間において、電子制御装置に含まれる回路への通電を選択的に停止する通電遮断回路を設ける構成とした。
かかる構成によると、エンジン停止後に車両状態の検出・診断が行われるが、エンジン停止から前記検出・診断が終了するまでの間において、前記電子制御装置に含まれる回路全てに対して通常に通電するのではなく、選択的に通電を停止させる。
従って、前記電子制御装置に含まれる回路全てに対して通常に通電させる場合に比べ、通電停止される回路の分だけ消費電力を抑制でき、エンジン停止中のバッテリ消耗を回避することが可能になる。
請求項2記載の発明では、前記通電遮断回路が、前記車両状態の検出・診断に不要な回路への通電を選択的に停止する構成とした。
かかる構成によると、エンジン停止後に行われる車両状態の検出・診断に不要な回路、即ち、エンジン運転中に必要であってもエンジン停止後に使用しない回路への通電を停止させる構成とした。
従って、車両状態の検出・診断に必要な回路への通電を確保しつつ、エンジン停止から車両状態の検出・診断終了までの間における消費電力を抑制できる。
請求項3記載の発明では、車両状態の検出・診断が、エンジン停止から所定期間経過後に開始される構成であり、エンジン停止時に前記検出・診断に用いる回路及び前記検出・診断に用いない回路への通電を遮断し、前記所定期間が経過した時点で前記検出・診断に用いる回路に対してのみ通電を再開させる構成とした。
かかる構成によると、エンジン停止から車両状態の検出・診断を開始させるまでに待ち時間があり、該待ち時間においては、前記検出・診断に用いる回路への通電も必要ないので、前記検出・診断に用いる回路及び前記検出・診断に用いない回路への通電を遮断し、待ち時間が経過した時点で前記検出・診断に用いる回路に対してのみ通電を再開させて、車両状態の検出・診断を行わせる。
従って、エンジン停止から車両状態の検出・診断を開始させるまでに長い待ち時間が要求される場合であっても、該待ち時間における消費電力を最小限にでき、更に、検出・診断の開始後も、検出・診断に必要な回路に対してのみ通電させることで、消費電力を抑制できる。
図1は、実施形態における内燃機関のシステム構成図である。
この図1において、内燃機関(エンジン)1は、図示省略した車両に搭載されるガソリン機関である。
前記内燃機関1の吸気系には、スロットル弁2が設けられていて、これにより機関1の吸入空気量が制御される。
また、スロットル弁2下流の吸気管3のマニホールド部には、気筒毎に電磁式の燃料噴射弁4が設けられている。
前記燃料噴射弁4は、マイクロコンピュータを内蔵するエンジンコントロールユニット(ECU)20(電子制御装置)から、機関回転に同期して出力される噴射パルス信号により開弁して燃料噴射を行い、噴射された燃料は機関1の燃焼室内で燃焼する。
また、内燃機関1には、蒸発燃料処理装置が設けられている。
前記蒸発燃料処理装置は、燃料タンク5において発生した蒸発燃料を、蒸発燃料導入通路6を介してキャニスタ7に吸着捕集させ、該キャニスタ7に吸着捕集された蒸発燃料を機関1に供給して燃焼させるものである。
前記キャニスタ7は、容器内に活性炭などの吸着材8を充填したものである。
また、前記キャニスタ7には、新気導入口9が形成されると共に、パージ通路10が導出されている。
前記パージ通路10は、常閉型のパージ制御弁11を介して、スロットル弁2下流の吸気管3に接続されている。
前記パージ制御弁11は、前記ECU20から出力されるパージ制御信号により開弁するようになっている。
機関1の運転中に所定のパージ許可条件が成立すると、パージ制御弁11が開制御され、機関1の吸入負圧がキャニスタ7に作用する結果、新気導入口9から導入される新気によってキャニスタ7に吸着されていた蒸発燃料が脱離される。
そして、この脱離した蒸発燃料を含むパージガスがパージ通路10を通って吸気管3内に吸入され、その後、機関1の燃焼室内で燃焼処理される。
前記ECU20は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インターフェイス等を含んで構成されるマイクロコンピュータを備え、各種センサから信号が入力される。
前記各種センサとしては、機関1の回転に同期してクランク角信号を出力するクランク角センサ21、機関1の吸入空気量を計測するエアフローメータ22、車速を検出する車速センサ23、燃料タンク内5の圧力を検出する圧力センサ24、燃料タンク5内の燃料残量を検出するタンク残量センサ(燃料計)25が設けられている。
ここで、前記ECU20は、前記蒸発燃料処理装置における燃料蒸気管路(エバポパージライン)のリーク診断を機関1の停止後に行うようになっている。
前記リーク診断のために、前記新気導入口9を開閉する常開型電磁弁であるドレインカットバルブ12が設けられると共に、蒸発燃料導入通路6内に空気を送り込んで加圧するためのエアポンプ13が設けられている。
尚、エアポンプ13によって燃料蒸気管路(エバポパージライン)を減圧してリーク診断を行わせる構成であっても良い。また、機関停止直前までに高められた燃料蒸気圧が減圧する過程を診断する構成でも良い。
前記エアポンプ13の吐出口と前記蒸発燃料導入通路6とは、空気供給管14を介して接続され、前記空気供給管14の途中には、チェックバルブ15が介装される。
また、前記エアポンプ13の吸い込み口側には、エアクリーナ17が設けられている。
前記ECU20は、機関停止後に所定の診断条件が成立すると、前記パージ制御弁11及びドレインカットバルブ12を閉制御することで、燃料タンク5,蒸発燃料導入通路6,キャニスタ7,パージ制御弁11下流のパージ通路10を閉鎖空間とする。
次いで、前記閉鎖空間に対してエアポンプ13で空気を供給することで加圧し、該加圧時におけるタンク内圧(又はポンプ駆動負荷)を検出し、該検出結果に基づいて前記閉鎖空間におけるリークの有無を診断する。
尚、加圧時の圧力変化及び/又は閉鎖空間を加圧した後の圧力漏れからリークの有無を診断する構成であっても良く、リーク診断の詳細を上記構成に限定するものではない。
図2は、前記ECU20の回路構成を示す。
前記ECU20は、車両に搭載されるバッテリ31を電源として作動する。
前記バッテリ31は、内燃機関1によって駆動されるオルタネータ(図示省略)によって充電される。
前記ECU20に含まれるCPU32やその他の各種回路A〜Cには、バッテリ電源が直接或いは内部電源回路33を介して供給される。
図示した回路A〜Cのうち、回路A,Bは前記リーク診断に不要な回路であるのに対し、回路Cは例えば圧力センサ24で検出される燃料タンク内5の圧力をモニタするための回路などの、CPU32と共にリーク診断に必要とされる回路である。
ここで、前記回路A及び回路Bの電源ラインには、回路A,Bに対する電源供給を遮断するための通電遮断回路34a,34bが介装されている。
前記通電遮断回路34a,34bは、図3に示すように、CPU32でON・OFF制御されるトランジスタTrを含んで構成される。
前記CPU32には、イグニッションキーの信号が入力されるようになっており、イグニッションキーがOFFされ機関1が停止すると、前記通電遮断回路34a,34bを制御して前記回路A,Bに対する電源供給を遮断する。
即ち、機関1の停止後に、リーク診断(車両状態の検出・診断)を行うが、前記リーク診断においては、回路A,Bを使用しないので、ECU20を構成する回路のうち前記回路A,Bへの電源供給を停止することで、無用な電力消費を抑え、機関1の停止中におけるバッテリ31の消耗を回避する。
図4のフローチャートは、前記通電遮断回路34a,34bの制御及びリーク診断の様子を示すものであり、ステップS1では、イグニッションキーがOFFされ機関1が停止したか否かを判別する。
イグニッションキーがOFFされ機関1が停止すると、ステップS2へ進み、前記通電遮断回路34a,34bを制御して前記回路A,Bに対する電源供給を遮断する。
次のステップS3では、リーク診断の開始条件が成立しているか否かを判別する。
前記リーク診断の開始条件には、ドレインカットバルブ12,エアポンプ13が正常であること、機関1の停止後から所定の待ち時間が経過していて燃料タンク5内の燃料の蒸発が収束していることなどが含まれる。
但し、機関1の停止後直ちにリーク診断を行う構成であっても良い。
診断開始条件が成立すると、ステップS4へ進んで、リーク診断を行わせる。
前記リーク診断は、前記パージ制御弁11及びドレインカットバルブ12を閉制御することで、燃料タンク5,蒸発燃料導入通路6,キャニスタ7,パージ制御弁11下流のパージ通路10を閉鎖空間とした後、該閉鎖空間に対してエアポンプ13で空気を供給することで加圧し、該加圧時及び/又は加圧停止後にタンク内圧(又はポンプ駆動負荷)を周期的に検出して行われる。
リーク診断が終了すると、ステップS5へ進み、ECU20が電源供給を自己遮断する。
図5は、前記ECU20の回路構成の第2実施形態を示す。
図5に示す回路構成では、CPU32及びリーク診断に必要とされる回路である回路Cの電源ラインにタイマ回路36a,36bを追加してある。
前記CPU32は、イグニッションキーがOFFされ機関1が停止すると、通電遮断回路34a,34bを制御して、診断に用いない回路A,Bに対する電源供給を遮断する一方、タイマ回路36a,36bにCPU32及び回路Cを再起動させる待ち時間(診断開始までの所定期間)をセットし、一旦CPU32及び回路Cに対する電源供給を停止させる。
前記タイマ回路36a,36bは、前記セットされた待ち時間を計測し、待ち時間が経過すると、CPU32及び回路Cに対する電源供給を再開させる。
電源供給が再開されたCPU32は、回路Cを用いてリーク診断を行い、リーク診断が終了すると、ECU20全体に対する電源供給を自己遮断する。
上記構成によると、機関1の停止からリーク診断(車両状態の検出・診断)を開始させるまでの待ち時間が長い場合であっても、待ち時間においてタイマ回路36a,36bのみが動作し、消費電力が比較的多いCPU32及び回路A〜Cへの通電が停止されるから、待ち時間における電力消費が抑制され、バッテリ31の消耗が回避される。
尚、前記タイマ回路36a,36bに代えて、低消費電力のマイクロコンピュータを設け、該低消費電力のマイクロコンピュータによって待ち時間の計測や、CPU32及び回路Cに対する電源供給の再開制御を行わせるようにしても良い。
図6のフローチャートは、前記通電遮断回路34a,34b、タイマ回路36a,36bの制御及びリーク診断の様子を示すものであり、ステップS11では、イグニッションキーがOFFされ機関1が停止したか否かを判別する。
イグニッションキーがOFFされ機関1が停止すると、ステップS12へ進み、前記通電遮断回路34a,34bを制御して前記回路A,Bに対する電源供給を遮断する。
次のステップS13では、リーク診断開始までの待ち時間を前記タイマ回路36a,36bにセットし、CPU32及び回路Cへの通電を一旦停止させる。
尚、前記待ち時間は、予め設定された固定時間であっても良いし、機関停止時の燃料温度条件,停止直前の機関運転条件などから可変に設定しても良い。
ステップS14では、前記タイマ回路36a,36bにより前記待ち時間の経過が計時されるまで待機させ、前記待ち時間が経過すると、ステップS15へ進む。
ステップS15では、前記CPU32及び回路Cへの通電を再開させ、次のステップS16では、リーク診断を行う。
そして、リーク診断が終了すると、ステップS17へ進み、ECU20が電源供給を自己遮断する。
尚、上記実施形態では、機関1の停止後に行う車両状態の検出・診断を、エバポパージラインのリーク診断としたが、リーク診断に限定されるものではないことは明らかである。
ここで、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用電子制御装置において、
エンジンに蒸発燃料処理装置が備えられ、前記車両状態の検出・診断が、前記蒸発燃料処理装置におけるエバポパージラインのリーク診断であることを特徴とする車両用電子制御装置。
かかる構成によると、エバポパージラインのリーク診断をエンジン停止後に行わせる場合に、診断開始までの待ち時間や診断時間が長くなっても、回路への通電を選択的に停止させることで電力消費を抑制でき、以って、バッテリの消耗を回避することができる。
(ロ)請求項3記載の車両用電子制御装置において、
前記所定期間の経過を検出するタイマ回路を設け、エンジン停止から前記所定期間が経過するまでの間、前記タイマ回路のみに通電し、前記タイマ回路によって前記所定期間の経過が検出されたときに、前記車両状態の検出・診断に用いる回路に対してのみ通電を再開させることを特徴とする車両用電子制御装置。
かかる構成によると、車両状態の検出・診断を開始させるまでの待ち時間において、一般的に電力消費の少ないタイマ回路のみに通電させることで、待ち時間が長くなっても、バッテリの消耗を回避できる。
(ハ)請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用電子制御装置において、
前記通電遮断回路が、イグニッションキーのON・OFFに基づいて通電遮断を行うことを特徴とする車両用電子制御装置。
かかる構成によると、イグニッションキーのON・OFFに基づき、不要回路への通電を選択的に停止させることができ、簡便な構成で消費電力の抑制を図れる。
実施形態における内燃機関のシステム構成図。 第1の実施形態におけるECUの回路構成図。 第1の実施形態における通電遮断回路の構成を示す回路図。 第1の実施形態における通電制御及びリーク診断制御を示すフローチャート。 第2の実施形態におけるECUの回路構成図。 第2の実施形態における通電制御及びリーク診断制御を示すフローチャート。
符号の説明
1…内燃機関,2…スロットル弁,3…吸気管,4…燃料噴射弁,5…燃料タンク,6…蒸発燃料導入通路,7…キャニスタ,8…吸着材,9…新気導入口,10…パージ通路,11…パージ制御弁,12…ドレインカットバルブ,13…エアポンプ,14…空気供給管,15…チェックバルブ,20…エンジンコントロールユニット(ECU),21…クランク角センサ,22…エアフローメータ,23…車速センサ,24…圧力センサ,25…タンク残量センサ,31…バッテリ,32…CPU,34a,34b…通電遮断回路,36a,36b…タイマ回路,A〜C…回路

Claims (3)

  1. 車両のバッテリを電源とする電子制御装置であって、エンジン停止後に車両状態の検出・診断を行う車両用電子制御装置において、
    エンジン停止から前記検出・診断終了までの間において、前記電子制御装置に含まれる回路への通電を選択的に停止する通電遮断回路を設けたことを特徴とする車両用電子制御装置。
  2. 前記通電遮断回路が、前記車両状態の検出・診断に不要な回路への通電を選択的に停止することを特徴とする請求項1記載の車両用電子制御装置。
  3. 前記車両状態の検出・診断が、エンジン停止から所定期間経過後に開始される構成であり、エンジン停止時に前記検出・診断に用いる回路及び前記検出・診断に用いない回路への通電を遮断し、前記所定期間が経過した時点で前記検出・診断に用いる回路に対してのみ通電を再開させることを特徴とする請求項1記載の車両用電子制御装置。
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