JP2005146577A - 基礎杭用鉄筋籠およびそれを用いた拡底部拡大配筋方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】拡径のための特別な工程が不要で、構造も簡素化することのできる基礎杭用鉄筋籠およびそれを用いた拡底部拡大配筋方法を提供する。
【解決手段】直筒部主筋1と直筒部フープ筋2とからなる直筒部と、直筒部主筋1の下端に上部蝶番3によって回動自在に連結された拡開部主筋1−Kと、この拡開部主筋1−Kの中間部に結合され径が可変に形成された拡開部フープ筋6と、直筒部の直下に位置する孔底接地連動リング4と、この孔底接地連動リング4の周上に所定間隔で回動自在かつ放射状に結合された開閉伝達棒5と、この開閉伝達棒5の上端部と拡開部主筋1−Kの下端近傍との間を回動自在に連結する下部蝶番3−Tとを備えた基礎杭用鉄筋籠。孔底に着底する時の基礎杭用鉄筋籠10全体の自重により荷重を加えられた拡開部が傘の骨組みの動線のように拡大することにより、拡底部分に自動的に配筋が行われる。
【選択図】 図1
【解決手段】直筒部主筋1と直筒部フープ筋2とからなる直筒部と、直筒部主筋1の下端に上部蝶番3によって回動自在に連結された拡開部主筋1−Kと、この拡開部主筋1−Kの中間部に結合され径が可変に形成された拡開部フープ筋6と、直筒部の直下に位置する孔底接地連動リング4と、この孔底接地連動リング4の周上に所定間隔で回動自在かつ放射状に結合された開閉伝達棒5と、この開閉伝達棒5の上端部と拡開部主筋1−Kの下端近傍との間を回動自在に連結する下部蝶番3−Tとを備えた基礎杭用鉄筋籠。孔底に着底する時の基礎杭用鉄筋籠10全体の自重により荷重を加えられた拡開部が傘の骨組みの動線のように拡大することにより、拡底部分に自動的に配筋が行われる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、オールケーシング工法に用いられるケーシングチューブ等の円筒状ドリルの内部に設けられて周囲の地盤の掘削を行う拡開掘削装置および杭底拡大工法に関する。
従来、地盤の硬度が高い場合や、または逆に軟らかい地盤で孔壁の崩壊の心配があるときは、オールケーシング工法が用いられている。
オールケーシング工法は、まず、全周回転機と、ケーシングチューブとを用いて掘削孔の全長にわたって揺動、回転、押し込みを行いながらケーシングチューブ内の土砂をハンマーグラブによって掘削、排土し、所定の深さまで掘削した後に、孔底処理を行う。そして、鉄筋籠を建て込み、トレミーによりコンクリートを打ち込み、コンクリート打ち込みに伴いケーシングチューブおよびトレミーを引き抜き、回収することにより基礎杭を構築する工法である。
オールケーシング工法によって構築される基礎杭は、ケーシングチューブより一回り小さい円筒状で、全周回転機は、ケーシングチューブの外周を把持して回転させるため、ケーシングチューブのそれぞれの直径に対応して設けられている。
オールケーシング工法は、まず、全周回転機と、ケーシングチューブとを用いて掘削孔の全長にわたって揺動、回転、押し込みを行いながらケーシングチューブ内の土砂をハンマーグラブによって掘削、排土し、所定の深さまで掘削した後に、孔底処理を行う。そして、鉄筋籠を建て込み、トレミーによりコンクリートを打ち込み、コンクリート打ち込みに伴いケーシングチューブおよびトレミーを引き抜き、回収することにより基礎杭を構築する工法である。
オールケーシング工法によって構築される基礎杭は、ケーシングチューブより一回り小さい円筒状で、全周回転機は、ケーシングチューブの外周を把持して回転させるため、ケーシングチューブのそれぞれの直径に対応して設けられている。
基礎杭は、構築される建造物の大きさや地盤の状態によって必要な直径が異なるが、1つの現場に2種類の基礎杭を構築することは困難で、費用も増大する。ここで、基礎杭の下端部の直径を拡大して、支持強度を増大させる方法がある。また、円柱状の孔底を拡径するための装置も開発されている。
例えば、円筒状のケーソンの軸心に沿い、ケーソンの内部に投入されて、掘削刃を有して半径方向外側へ所要の開度にて拡開し、回転する拡開扉により穴底の土砂を掘削するドリリングバケットが開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、外周に拡開翼を設けた円筒状の掘削ケーシングを用いて、ケーシングの下部を拡開させる拡底工法も開発されている(例えば、特許文献2参照。)。ケーシングを正方向に回転させたときは、拡径翼が閉じて小径の孔部を形成することができ、逆方向に回転させたときは、拡径翼が開いて大径の孔部を形成することができる。
このようにして拡径した孔部には円筒状の鉄筋籠が建て込まれる。
このようにして拡径した孔部には円筒状の鉄筋籠が建て込まれる。
図7は従来の円筒状の鉄筋籠を建て込んだ拡底杭の底部の構造を示す断面図である。図において、21は杭壁、22は拡底部分、23は縦方向の主筋24と円形状のフープ筋25からなる鉄筋籠、26は杭軸、27は支持層、28は拡底幅、29は無筋部分、30は生コン被り厚、31は傾斜角を示す。
このように、従来では、拡底部分22については直の鉄筋籠23では無筋部分29が存在する。この拡底部分22の剪断力に対応するためには、拡底傾斜角31を緩やかにすることで剪断応力を分散していたが、鉄筋部分の強度には至らず、基礎杭の強度を高めるのに限界があった。
このように、従来では、拡底部分22については直の鉄筋籠23では無筋部分29が存在する。この拡底部分22の剪断力に対応するためには、拡底傾斜角31を緩やかにすることで剪断応力を分散していたが、鉄筋部分の強度には至らず、基礎杭の強度を高めるのに限界があった。
このような問題に対処するため、拡径した底部にも鉄筋を設ける工夫をしたものが各種提案されている。
例えば、特許文献3には、場所打鉄筋コンクリート拡底杭を構築するに当たり、杭拡幅部に位置する円筒状鉄筋籠に中空のリード管を井桁状に固設し、リード管に拡幅部鉄筋に固設したスライド鉄筋を摺動可能に遊挿した拡底杭用鉄筋籠を杭孔内に吊り降ろし、杭孔内で拡幅部鉄筋を拡開装置を用いて杭孔拡幅部に拡開した後、杭孔内にコンクリートを打設する方法が開示されている。
例えば、特許文献3には、場所打鉄筋コンクリート拡底杭を構築するに当たり、杭拡幅部に位置する円筒状鉄筋籠に中空のリード管を井桁状に固設し、リード管に拡幅部鉄筋に固設したスライド鉄筋を摺動可能に遊挿した拡底杭用鉄筋籠を杭孔内に吊り降ろし、杭孔内で拡幅部鉄筋を拡開装置を用いて杭孔拡幅部に拡開した後、杭孔内にコンクリートを打設する方法が開示されている。
また、特許文献4には、場所打鉄筋コンクリート拡底杭を構築するに当たり、杭拡幅部に位置する円筒状鉄筋籠に支持部材を放射状に固設するとともに同位置に拡幅部鉄筋を放射状に配設し、支持部材に拡幅部鉄筋の中央部に固設したスライド部材を摺動可能に遊挿した拡底杭用鉄筋籠を杭孔内に吊り降ろし、杭孔内で拡幅部鉄筋を拡開装置を用いて杭孔拡幅部に拡開した後、杭孔内にコンクリートを打設する方法が開示されている。
特許文献5には、上部に屈曲先端部を形成した逆L字形よりなる複数の拡翼筋の各上端から幾分距離を取った屈曲側に支点リングを溶着するとともに、各屈曲先端部が円筒鉄筋籠の内側に支点リングを溶着するとともに、各屈曲先端部が円筒鉄筋籠の内側に向く状態で各支点リングをベルト筋に遊嵌して各支点リングが円筒鉄筋籠の外周を等間隔で囲繞した状態でベルト筋を円筒鉄筋籠の下端から立ち上げた各縦筋の所定位置に溶着し、各翼筋の垂下端部のそれぞれと、円筒鉄筋籠の下方に配設した環状ベースプレートの周部に沿って枢設された複数の連結筋のそれぞれとを各底掘削孔の直孔の内周より長く環状に形成したワイヤーあるいはチェーンを介して回動可能に連結するとともに、拡翼筋と連結筋とを等間隔で連結した位置でワイヤーあるいはチェーンに対して連結部の両側を挟んだ状態で位置ずれ防止手段を固設した拡底基礎部拡長鉄筋が開示されている。
特許文献6には、既製杭の下端に、中間軸着部を介して屈伸可能に連結された下端にフックを有する上部鉄筋と上端にフックを有する下部鉄筋とからなる鉄筋と、鉄筋間を結ぶ円周上に鉄筋と直交して設けたリング筋を挿通する短いパイプ状ジベルと、上端を情報端板に固定し下端を自由端とした鉄筋よりも短い鋼鉄製の支柱とを有する鉄筋籠を取り付けて、杭の荷重により支柱の下端が下方端板へ当接することで鉄筋を孔底拡開部内へ屈曲拡大させるとともに、支柱により杭孔内へ挿入された杭の荷重を支持するようにした地中拡底杭が開示されている。
特許文献7には、本体部を構成する既製コンクリート杭の下部先端に、拡底部にセットされる支柱として本体部を構成する既製コンクリート杭よりも縮径されて拡底部の高さに等しい既製コンクリート杭を設け、支柱の外側に支柱が拡底部にセットされた後に拡径して拡底部に配筋される鉄筋籠を配した複合杭において、鉄筋籠が拡径状態で拡底部に合致するように複数の鉄筋を折り曲がり自在にピン結合するとともに上下端をそれぞれブラケットを介して支柱の上部と支柱の下端に配設する先端プレートにピン結合し、支柱の押し込みにより鉄筋籠が放射方向に拡径されるよう鉄筋籠を拡径させる部材を支柱に設けた複合杭が開示されている。
特許文献8には、筒状の鉄筋籠と、ほぼL字状の補強鉄筋とを有し、補強鉄筋を、屈曲部を下方にして鉄筋籠の側方に突出するようにその上部を鉄筋籠の下部に接合し、かつ、屈曲部側を鉄筋籠の側方から所定の突出位置または所定の後退位置までを変位自在に構成した拡底杭の先端部補強構造が開示されている。
特許文献9には、鉄筋籠の内部に配置して鉄筋籠の先端部を展開させる鉄筋籠の展開具であって、中心軸と、連結棒と、中心軸に沿って移動可能な係留筒とからなり、鉄筋籠の先端と係留筒とを連結棒によって接続した鉄筋籠の展開具が開示されている。
上述したように、これらの特許文献3〜9に開示された方法は、いずれも、拡径した孔部に鉄筋籠を建て込むときは底部の拡径部が縮径し、底部に届いた段階で拡大器具等を用いて拡径部を拡径するものであるため、拡径のための工程を必要とするとともに、構造が複雑化するという問題がある。
本発明は、拡径のための特別な工程が不要で、構造も簡素化することのできる基礎杭用鉄筋籠およびそれを用いた拡底部拡大配筋方法を提供することを目的とする。
本発明は、拡径のための特別な工程が不要で、構造も簡素化することのできる基礎杭用鉄筋籠およびそれを用いた拡底部拡大配筋方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の第1の構成は、直筒部主筋と直筒部フープ筋とからなる直筒部と、前記直筒部主筋の下端に上部蝶番によって回動自在に連結された拡開部主筋と、この拡開部主筋の中間部に結合され径が可変に形成された拡開部フープ筋と、前記直筒部の直下に位置する孔底接地連動リングと、この孔底接地連動リングの周上に所定間隔で回動自在かつ放射状に結合された開閉伝達棒と、この開閉伝達棒の上端部と前記拡開部主筋の下端近傍との間を回動自在に連結する下部蝶番とを備えたことを特徴とする基礎杭用鉄筋籠である。
この第1の構成では、孔底に着底する時の基礎杭用鉄筋籠全体の自重により荷重を加えられた拡開部が傘の骨組みの動線のように拡大することにより、拡底部分に自動的に配筋が行われる。
この第1の構成では、孔底に着底する時の基礎杭用鉄筋籠全体の自重により荷重を加えられた拡開部が傘の骨組みの動線のように拡大することにより、拡底部分に自動的に配筋が行われる。
本発明の第2の構成は、第1の構成において、拡開部フープ筋は、拡開部主筋に固定されたフープ仮固定金具で拡開部フープ筋の径が拡縮自在に結合されている基礎杭用鉄筋籠である。
この第2の構成では、拡開部主筋が広がるのと連動して拡開部フープ筋も径を大きくすることができる。
この第2の構成では、拡開部主筋が広がるのと連動して拡開部フープ筋も径を大きくすることができる。
本発明の第3の構成は、第1または第2の構成において、拡開部フープ筋の両開放端の重なり部がフープ筋ロック手段により移動自在に止着され、かつ、フープ筋ロック手段には、異形鉄筋で形成された拡開部フープ筋の凸条部に係合して縮径方向の移動を阻止する爪が形成されている基礎杭用鉄筋籠である。
この第3の構成では、一旦広がった拡開部フープ筋を爪で固定することにより、コンクリート打設時やその他の原因で鉄筋籠が上方に浮くような力が作用しても、拡開部フープ筋の径が縮まることがないため、拡開状態を安定に保持することができる。
この第3の構成では、一旦広がった拡開部フープ筋を爪で固定することにより、コンクリート打設時やその他の原因で鉄筋籠が上方に浮くような力が作用しても、拡開部フープ筋の径が縮まることがないため、拡開状態を安定に保持することができる。
本発明の第4の構成は、第1から第3の構成において、上部蝶番には、直筒部主筋と拡開部主筋との最大拡開角度を規制する角度固定手段を設けた基礎杭用鉄筋籠である。
この第4の構成では、角度固定手段を設けることで、設定した角度以上に拡開部が開くことがなく、設計通りの拡開部配筋を行うことができる。
この第4の構成では、角度固定手段を設けることで、設定した角度以上に拡開部が開くことがなく、設計通りの拡開部配筋を行うことができる。
本発明の第5の構成は、第1〜第4のいずれかの構成の基礎杭用鉄筋籠を用いた拡底部拡大配筋方法であって、予め拡底部分を形成した孔内に、基礎杭用鉄筋籠を拡開部を縮径した状態で、吊り下げ、孔底接地連動リングが孔底に着床したときに、基礎杭用鉄筋籠の自重が当該孔底接地連動リングに負荷されることにより上部蝶番と下部蝶番と開閉伝達棒の運動によって拡開部主筋および拡開部フープ筋を開かせ、拡開部主筋および拡開部フープ筋を拡底部分に配筋することを特徴とする拡底部拡大配筋方法である。
この第5の構成では、第1〜第4の構成の基礎杭用鉄筋籠を用いて、拡径のための特別な工程を要せず、拡底部に配筋を有する基礎杭が構築される。
この第5の構成では、第1〜第4の構成の基礎杭用鉄筋籠を用いて、拡径のための特別な工程を要せず、拡底部に配筋を有する基礎杭が構築される。
本発明によれば、直筒部の下部に、孔底接地連動リングによって拡径する拡開部を設けたことにより、拡径のための特別な工程が不要で、構造も簡素化することのできる拡底部拡大配筋を行うことができ、基礎杭の強度を向上することができる。
拡開部フープ筋を、拡開部主筋に固定されたフープ仮固定金具で径が拡縮自在に結合したことにより、拡開部主筋が広がるのと連動して拡開部フープ筋も径を大きくすることができる。
拡開部フープ筋を、拡開部主筋に固定されたフープ仮固定金具で径が拡縮自在に結合したことにより、拡開部主筋が広がるのと連動して拡開部フープ筋も径を大きくすることができる。
拡開部フープ筋の両開放端の重なり部をフープ筋ロック手段により移動自在に止着し、かつ、フープ筋ロック手段に、異形鉄筋で形成された拡開部フープ筋の凸条部に係合して縮径方向の移動を阻止する爪を形成したので、一旦広がった拡開部フープ筋を爪で固定することにより、コンクリート打設時やその他の原因で鉄筋籠が上方に浮くような力が作用しても、拡開部フープ筋の径が縮まることがないため、拡開状態を安定に保持することができる。
また、上部蝶番に、直筒部主筋と拡開部主筋との最大拡開角度を規制する角度固定手段を設けたことにより設定した角度以上に拡開部が開くことがなく、設計通りの拡開部配筋を行うことができる。
また、上部蝶番に、直筒部主筋と拡開部主筋との最大拡開角度を規制する角度固定手段を設けたことにより設定した角度以上に拡開部が開くことがなく、設計通りの拡開部配筋を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図6を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る基礎杭用鉄筋籠およびそれを用いた拡底部拡大配筋方法を示す工程図、図2は本実施の形態の基礎杭用鉄筋籠を用いて構築した拡底部の状態を示す断面図、図3〜図6は本実施の形態の基礎杭用鉄筋籠の各部の構成を示す要部拡大図である。
図1は本発明の実施の形態に係る基礎杭用鉄筋籠およびそれを用いた拡底部拡大配筋方法を示す工程図、図2は本実施の形態の基礎杭用鉄筋籠を用いて構築した拡底部の状態を示す断面図、図3〜図6は本実施の形態の基礎杭用鉄筋籠の各部の構成を示す要部拡大図である。
これらの図において、本実施の形態の基礎杭用鉄筋籠10は、直筒部主筋1と、直筒部フープ筋2と、拡開部主筋1−Kと、直筒部主筋1と拡開部主筋1−Kとを回動自在に連結する上部蝶番3と、孔底接地連動リング4と、孔底接地リング4の周囲に放射状に連結された開閉伝達棒5と、開閉伝達棒5の上部と拡開部主筋1−Kの下部近傍とを回動自在に連結する下部蝶番3−Tと、拡開部フープ筋6と、フープ筋ロック金具7とを備えており、基礎杭用鉄筋籠10の上部に取り付けられる吊り下げロープ8に吊り込みクレーンフック9を引っ掛けて吊り下げることで建て込み作業が行われる。
図3は拡開部主筋1−Kと拡開部フープ筋6との結合状態を示すもので、拡開部主筋1−Kと拡開部フープ筋6とは、フープ仮固定金具6aにより所定間隔で移動可能に取り付けられている。フープ仮固定金具6aには、拡開部フープ筋6の径よりも若干大きな径の輪が設けられていて、そこに拡開部フープ筋6が仮固定されている。フープ筋ロック金具7は、図4に示すように拡開部フープ筋6のリング状の両開放端を挿入して円形とするものであり、(b)に示すように爪7aが設けられており、異形鉄筋から成るフープ筋6に形成された凸条部に係合して、径が大きくなる方向には自由にフープ筋6が伸びるが、径が小さくなる方向には移動が阻止されるようにして戻りを防止している。
図5は、上部蝶番3の構成を示すもので、この上部蝶番3は、直筒部主筋1の下端を差し込む上部パイプ3aと、拡開部主筋1−Kの上端を受ける下部パイプ3bと、拡開部主筋1−Kの最大拡開角度を規定する角度固定受け3cとを備えている。
図6は、下部蝶番3−Tの構成を示すもので、拡開部主筋1−Kの下部近傍に取り付けられ、ボルト3dとナット3eによって開閉伝達棒5の上部を回動自在に取り付けるようになっている。
以上の構成の基礎杭用鉄筋籠10を用いた拡底部拡大配筋方法について説明する。
まず、図1(a)に示すように、地上で組み立てられた基礎杭用鉄筋籠10を、拡開部を孔壁20の径よりも縮径した状態で、吊り下げロープ8を用いてクレーンフック9で建て込む。孔底へ孔底接地連動リング4が接地すると、基礎杭用鉄筋籠10の重量が孔底接地連動リング4に負荷され、開閉伝達棒5に伝達され、拡開部主筋1−Kを開くような力が作用する。これにより、下部蝶番3−Tおよび上部蝶番3を支点として拡開部主筋1−Kが開く。また、拡開部フープ筋6は径が大きくなるような力を受け、フープ筋ロック金具7に止められていた拡開部フープ筋6が移動する。この状態を図1(b)に示す。最終的には、図1(c)に示すように、予め規定された最大の拡開角度で孔底の拡径部に拡開部主筋1−K、拡径部フープ筋6が配置されることになる。なお、上部蝶番3の角度固定受け3cにより、拡開部主筋1−Kの最大拡開角度が規制されるので、それ以上開くことはない。また、フープ筋ロック金具7には爪7aが設けられており、一旦拡開部フープ筋6が径が大きくなる方向に移動すると、異形鉄筋の凸部に係合するので、拡開部フープ筋6の戻り現象を抑えることができる。
まず、図1(a)に示すように、地上で組み立てられた基礎杭用鉄筋籠10を、拡開部を孔壁20の径よりも縮径した状態で、吊り下げロープ8を用いてクレーンフック9で建て込む。孔底へ孔底接地連動リング4が接地すると、基礎杭用鉄筋籠10の重量が孔底接地連動リング4に負荷され、開閉伝達棒5に伝達され、拡開部主筋1−Kを開くような力が作用する。これにより、下部蝶番3−Tおよび上部蝶番3を支点として拡開部主筋1−Kが開く。また、拡開部フープ筋6は径が大きくなるような力を受け、フープ筋ロック金具7に止められていた拡開部フープ筋6が移動する。この状態を図1(b)に示す。最終的には、図1(c)に示すように、予め規定された最大の拡開角度で孔底の拡径部に拡開部主筋1−K、拡径部フープ筋6が配置されることになる。なお、上部蝶番3の角度固定受け3cにより、拡開部主筋1−Kの最大拡開角度が規制されるので、それ以上開くことはない。また、フープ筋ロック金具7には爪7aが設けられており、一旦拡開部フープ筋6が径が大きくなる方向に移動すると、異形鉄筋の凸部に係合するので、拡開部フープ筋6の戻り現象を抑えることができる。
この状態で生コンクリートを打設すると、図2の状態となる。なお、図2において、22は拡底部分、26は杭軸、27は支持層、28は拡底幅、30は生コン被り厚、31は傾斜角である。図7の無筋部分29を有する従来例と比較すると、無筋部分にも配筋することができ、また拡底幅28を大きくすることができ、さらに傾斜角31も大きく取ることができる。
本発明は、拡径のための特別な工程が不要で、構造も簡素化することのできる基礎杭用鉄筋籠およびそれを用いた拡底部拡大配筋方法に利用することができる。
10 基礎杭用鉄筋籠
1 直筒部主筋
1−K 拡開部主筋
2 直筒部フープ筋
3 上部蝶番
3a 上部パイプ
3b 下部パイプ
3c 角度固定受け
3−T 下部蝶番
4 孔底接地連動リング
5 開閉伝達棒
6 拡開部フープ筋
6a フープ仮固定金具
7 フープ筋ロック金具
7a 爪
8 吊り下げロープ
9 クレーンフック
20 孔壁
1 直筒部主筋
1−K 拡開部主筋
2 直筒部フープ筋
3 上部蝶番
3a 上部パイプ
3b 下部パイプ
3c 角度固定受け
3−T 下部蝶番
4 孔底接地連動リング
5 開閉伝達棒
6 拡開部フープ筋
6a フープ仮固定金具
7 フープ筋ロック金具
7a 爪
8 吊り下げロープ
9 クレーンフック
20 孔壁
Claims (5)
- 直筒部主筋と直筒部フープ筋とからなる直筒部と、前記直筒部主筋の下端に上部蝶番によって回動自在に連結された拡開部主筋と、この拡開部主筋の中間部に結合され径が可変に形成された拡開部フープ筋と、前記直筒部の直下に位置する孔底接地連動リングと、この孔底接地連動リングの周上に所定間隔で回動自在かつ放射状に結合された開閉伝達棒と、この開閉伝達棒の上端部と前記拡開部主筋の下端近傍との間を回動自在に連結する下部蝶番とを備えたことを特徴とする基礎杭用鉄筋籠。
- 前記拡開部フープ筋は、前記拡開部主筋に固定されたフープ仮固定金具で前記拡開部フープ筋の径が拡縮自在に結合されている請求項1記載の基礎杭用鉄筋籠。
- 前記拡開部フープ筋の両開放端の重なり部がフープ筋ロック手段により移動自在に止着され、かつ、前記フープ筋ロック手段には、異形鉄筋で形成された前記拡開部フープ筋の凸条部に係合して縮径方向の移動を阻止する爪が形成されている請求項1または2記載の基礎杭用鉄筋籠。
- 前記上部蝶番には、直筒部主筋と拡開部主筋との最大拡開角度を規制する角度固定手段を設けた請求項1〜3のいずれかの項に記載の基礎杭用鉄筋籠。
- 請求項1〜4のいずれかの項に記載の基礎杭用鉄筋籠を用いた拡底部拡大配筋方法であって、
予め拡底部分を形成した孔内に、前記基礎杭用鉄筋籠を拡開部を縮径した状態で、吊り下げ、
前記孔底接地連動リングが孔底に着床したときに、前記基礎杭用鉄筋籠の自重が当該孔底接地連動リングに負荷されることにより前記上部蝶番と前記下部蝶番と前記開閉伝達棒の運動によって前記拡開部主筋および拡開部フープ筋を開かせ、
前記拡開部主筋および拡開部フープ筋を前記拡底部分に配筋することを特徴とする拡底部拡大配筋方法。
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