JP2005146095A - エステル化合物を含有する油剤、並びに該油剤を含有する塗料及びインキ - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、光沢性、経時安定性に優れた塗料及びインキの添加剤として、油剤を提供する。
本発明は、光沢性、延展性、経時安定性に優れた塗料及びインキを得るための油剤を提供する。
本発明は、上記油剤を含有する塗料及びインキを提供する。
【解決手段】
一般式(1)で示されるエステル化合物を1種以上含有することを特徴とする油剤。
【化1】
一般式(1)
〔一般式(1)中、R1〜R4は、水素原子、炭素数3〜28の分岐脂肪酸残基、または一般式(2)で表される安息香酸類のアシル基であり、R1〜R4の少なくとも1つ以上は安息香酸類のアシル基である。〕
【化2】
一般式(2)
〔一般式(2)中、Xは水素、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基を表し、mは1〜3の整数を表す。〕
【選択図】なし
本発明は、光沢性、経時安定性に優れた塗料及びインキの添加剤として、油剤を提供する。
本発明は、光沢性、延展性、経時安定性に優れた塗料及びインキを得るための油剤を提供する。
本発明は、上記油剤を含有する塗料及びインキを提供する。
【解決手段】
一般式(1)で示されるエステル化合物を1種以上含有することを特徴とする油剤。
【化1】
一般式(1)
〔一般式(1)中、R1〜R4は、水素原子、炭素数3〜28の分岐脂肪酸残基、または一般式(2)で表される安息香酸類のアシル基であり、R1〜R4の少なくとも1つ以上は安息香酸類のアシル基である。〕
【化2】
一般式(2)
〔一般式(2)中、Xは水素、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基を表し、mは1〜3の整数を表す。〕
【選択図】なし
Description
本発明は、ペンタエリスリトールと、安息香酸類、及び炭素数3〜28の分岐脂肪酸とから構成されるエステル化合物を含有する油剤、並びに該油剤を含有する塗料及びインキに関するものである。詳しくは、光沢性、延展性、保存安定性に優れた塗料及びインキを得るための油剤、並びに該油剤を配合した塗料及びインキに関するものである。
塗料は物体を保護したり、美観を与える目的で物体表面を皮膜するのに用いられる。この為、塗料には様々な構成要素が組み込まれており、それらの複合体として機能を向上させている。
塗料の構成要素としては塗膜形成要素、塗膜形成副要素、顔料、塗膜形成助要素、ビヒクルがあり、このうち塗膜形成副要素は塗料の状態や塗膜の性能を向上させる目的で添加剤として添加されている。
例えば添加剤としては展延性向上のためのゲル化剤として多糖類安息香酸エステルが加えられ(特許文献1)、さらに密着性向上のためにエチレンと不飽和カルボン酸の共重合体組成物が使用されている(特許文献2)。
しかし、これらの添加剤は展延性、成膜性については向上させるものの、光沢性、安定性を満足するものではなかった。
従って、塗料、インキの展延性、成膜性を損なうことなく光沢性を向上させることができる、高い安定性を有する添加剤の開発が望まれていた。
特開2002−155265号公報
特開2003−183564号公報
本発明は、光沢性、保存安定性に優れた塗料及びインキの添加剤として、油剤を提供する。
本発明は、光沢性、延展性、経時安定性に優れた塗料及びインキを得るための油剤を提供する。
本発明は、上記油剤を含有する塗料及びインキを提供する。
本発明は、光沢性、延展性、経時安定性に優れた塗料及びインキを得るための油剤を提供する。
本発明は、上記油剤を含有する塗料及びインキを提供する。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ペンタエリスリトールと、安息香酸類、及び炭素数3〜28の分岐脂肪酸とから構成されるエステル化合物を含有する油剤を塗料及びインキに含有させることで、光沢性、延展性、経時安定性に優れた塗料及びインキが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明は、一般式(1)で示されるエステル化合物を1種以上含有することを特徴とする油剤である。
〔一般式(1)中、R1〜R4は、水素原子、炭素数3〜28の分岐脂肪酸残基、または一般式(2)で表される安息香酸類のアシル基であり、R1〜R4の少なくとも1つ以上は安息香酸類のアシル基である。〕
本発明の第2の発明は、アシル基が、安息香酸残基であることを特徴とする第1の発明に記載の油剤である。
本発明の第3の発明は、炭素数3〜28の分岐脂肪酸残基が、イソオクチル酸残基であることを特徴とする第1の発明又は第2の発明に記載の油剤である。
本発明の第4の発明は、第1の発明から第3の発明の何れか1つの発明に記載の油剤を含有することを特徴とする塗料である。
本発明の第5の発明は、第1の発明から第3の発明の何れか1つの発明に記載の油剤を含有することを特徴とするインキである。
本発明によれば、光沢性、保存安定性に優れた塗料及びインキの添加剤として、油剤が提供される。
本発明によれば、光沢性、延展性、経時安定性に優れた塗料及びインキを得るための油剤が提供される。
本発明によれば、光沢性、延展性、経時安定性に優れた塗料及びインキが提供される。
本発明によれば、光沢性、延展性、経時安定性に優れた塗料及びインキを得るための油剤が提供される。
本発明によれば、光沢性、延展性、経時安定性に優れた塗料及びインキが提供される。
本発明で対象とする前記一般式(1)で表されるエステル化合物を構成するためのアルコールとしては、ペンタエリスリトールを用いる。
本発明で対象とする前記一般式(1)で表されるエステル化合物を構成するための酸としては、前記一般式(2)で表される安息香酸類を用いる。
本発明で対象とする前記一般式(1)で表されるエステル化合物を構成するための前記一般式(2)で表される安息香酸類のXは、置換基を表しており、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基等が例示できる。
本発明で対象とする前記一般式(1)で表されるエステル化合物を構成するための前記一般式(2)で表される安息香酸類のmは、置換基の数を表しており、置換基の数は1〜3である。また、これらの置換基の置換位置は、特に限定されない。
前記炭素数1〜10のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ペンチル基などの直鎖状又は分岐状アルキル基が例示できる。
前記炭素数3〜10のシクロアルキル基としては、具体的にはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロペンチル基などが例示できる。
前記炭素数1〜10のアルコキシ基としては、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i―プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基などの直鎖状又は分岐状アルコキシ基が例示できる。
本発明において、上記一般式(2)で表される安息香酸類とは、安息香酸又はその誘導体のことを示す。安息香酸類の具体例としては、安息香酸、2−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、4−メチル安息香酸、2−エチル安息香酸、4−エチル安息香酸、4−n−プロピル安息香酸、4−t−ブチル安息香酸、4−シクロヘキシル安息香酸、4−フェニル安息香酸、2−メトキシ安息香酸、4−メトキシ安息香酸、4−エトキシ安息香酸、4−t−ブトキシ安息香酸、3,4−ジメチル安息香酸、2,6−ジメチル安息香酸、3,5−ジメチル安息香酸、2,4,6−トリメチル安息香酸、2,3,4−トリメチル安息香酸、3,4,5−トリメチル安息香酸などが挙げられる。
本発明で対象とする前記一般式(1)で表されるエステル化合物を構成するための脂肪酸としては、炭素数3〜28の分岐脂肪酸が好ましく、炭素数8〜18の分岐脂肪酸がさらに好ましい。炭素数3〜28の分岐脂肪酸の具体例としては、2−メチルプロパン酸、3−メチルブタン酸、ピバリン酸、イソヘプタン酸、4−エチルペンタン酸、イソオクチル酸、2−エチルヘキサン酸、4,5−ジメチルヘキサン酸、4−プロピルペンタン酸、イソノニル酸(イソノナン酸)、2−エチルヘプタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、イソデカン酸、イソドデカン酸、2−メチルデカン酸、3−メチルデカン酸、4−メチルデカン酸、5−メチルデカン酸、6−メチルデカン酸、7−メチルデカン酸、9−メチルデカン酸、6−エチルノナン酸、5−プロピルオクタン酸、イソラウリン酸、3−メチルヘンデカン酸、6−プロピルノナン酸、イソトリデカン酸、2−メチルドデカン酸、3−メチルドデカン酸、4−メチルドデカン酸、5−メチルドデカン酸、11−メチルドデカン酸、7−プロピルデカン酸、イソミリスチン酸、2−メチルトリデカン酸、12−メチルトリデカン酸、イソパルミチン酸、2−ヘキシルデカン酸、14−メチルペンタデカン酸、2−エチルテトラデカン酸、イソステアリン酸、メチル分岐型イソステアリン酸、2−へプチルウンデカン酸、2−イソへプチルイソウンデカン酸、2−エチルヘキサデカン酸、14−エチルヘキサデカン酸、14−メチルヘプタデカン酸、15−メチルヘプタデカン酸、16−メチルヘプタデカン酸、2−ブチルテトラデカン酸、イソアラキン酸、3−メチルノナデカン酸、2−エチルオクタデカン酸、イソヘキサコ酸、24−メチルヘプタコサン酸、2−エチルテトラコサン酸、2−ブチルドコサン酸、2−ヘキシルイコサン酸、2−オクチルオクタデカン酸、2−デシルヘキサデカン酸などが挙げられ、それらの1種又は2種以上を用いることができる。炭素数8〜18の分岐脂肪酸の具体例としては、イソオクチル酸(さらに好ましくは、2-エチルヘキサン酸及び4,5−ジメチルヘキサン酸)、イソノナン酸(さらに好ましくは、2-エチルヘプタン酸及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸)、イソトリデカン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸(さらに好ましくは、メチル分岐型イソステアリン酸、2-ヘプチルウンデカン酸及び2-イソヘプチルイソウンデカン酸)などが挙げられ、それらの1種又は2種以上を用いることができる。
本発明で対象とする前記一般式(1)で表されるエステル化合物のR1〜R4は、水素原子、炭素数3〜28の分岐脂肪酸残基、または一般式(2)で表される安息香酸類のアシル基であり、R1〜R4の少なくとも1つ以上は安息香酸類のアシル基である。
本発明で対象とする前記一般式(1)で表されるエステル化合物は、ペンタエリスリトール1モルに対し、安息香酸類を1モル〜4モル、炭素数3〜28の分岐脂肪酸0モル〜3モルを原料として、エステル化したものが好ましい。本発明の目的である光沢性、安定性を満足させるためには、ペンタエリスリトール1モルに対し、安息香酸類を2モル以上、炭素数8〜18の分岐脂肪酸0モル〜2モルを原料として、ペンタエリスリトールの水酸基を全てエステル化したものがより好ましく、さらにペンタエリスリトール1モルに対し、安息香酸3モル、イソオクチル酸1モルを原料として、ペンタエリスリトールの水酸基を全てエステル化したものが最も好ましい。
本発明で対象とする前記一般式(1)で表されるエステル化合物は、モノエステル、ジエステル、トリエステル又はテトラエステルであってもよく、本発明の油剤は、それらの1種又は2種以上の混合物であってもよい。
本発明で対象とする前記一般式(1)で表されるエステル化合物の製造法について説明する。前記原料を適当な反応容器に仕込み、酸、アルカリ、その他金属触媒の存在下または非存在下、好ましくは該反応に不活性な有機溶媒または/及び気体中で150℃〜250℃において数時間〜30時間程度まで、副生する水を除去しながら反応を行う。なお反応時に加えるペンタエリスリトール、安息香酸類、分岐脂肪酸の種類、順序は特に限定はない。触媒を用いる場合には、酸触媒またはアルカリ土類金属のアルコキシド等を反応原料の重量に対し0.001〜1.0%加える。前記反応経過は、反応経過中の酸価を測定することにより評価できる。
反応終了後、未反応物を含むことがあり、これらを水洗、アルカリ脱酸、吸着処理等の公知の方法で分離除去し、更に脱色、脱臭処理を施し精製する。
反応終了後、未反応物を含むことがあり、これらを水洗、アルカリ脱酸、吸着処理等の公知の方法で分離除去し、更に脱色、脱臭処理を施し精製する。
本発明の油剤の塗料又はインキに対する含有量は、エステル化合物の組成及び種類により異なるが、最終の塗料又はインキの総量に対し、1〜40質量%添加するのが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はそれらによって限定されるものではない。
実施例1
〔ペンタエリスリトール(1モル)と、安息香酸(2モル)及び、2−エチルヘキサン酸(2モル)とのエステル化合物を含有する油剤の調製〕
撹拌機、温度計、窒素ガス吹き込み管および水分離器を備えた4つ口フラスコにペンタエリスリトール〔セラニーズ社製、ペンタエリスリトール〕59.8g(1.0モル)、安息香酸〔DSM社製、PuroxB〕107.3g(2.0モル)、2−エチルヘキサン酸[チッソ社製、オクチル酸]126.9g(2.0モル)を加え、触媒として塩化スズ0.6gを添加し、窒素気流下180℃〜200℃で約15時間反応させた。反応終了後常法にて精製し、ペンタエリスリトールと、安息香酸及び、2−エチルヘキサン酸とのエステル化合物を含有する油剤215.6gを得た。得られた油剤のけん化価は、370であった。
〔ペンタエリスリトール(1モル)と、安息香酸(2モル)及び、2−エチルヘキサン酸(2モル)とのエステル化合物を含有する油剤の調製〕
撹拌機、温度計、窒素ガス吹き込み管および水分離器を備えた4つ口フラスコにペンタエリスリトール〔セラニーズ社製、ペンタエリスリトール〕59.8g(1.0モル)、安息香酸〔DSM社製、PuroxB〕107.3g(2.0モル)、2−エチルヘキサン酸[チッソ社製、オクチル酸]126.9g(2.0モル)を加え、触媒として塩化スズ0.6gを添加し、窒素気流下180℃〜200℃で約15時間反応させた。反応終了後常法にて精製し、ペンタエリスリトールと、安息香酸及び、2−エチルヘキサン酸とのエステル化合物を含有する油剤215.6gを得た。得られた油剤のけん化価は、370であった。
実施例2
〔ペンタエリスリトール(1モル)と、安息香酸(3モル)及び、2−エチルヘキサン酸(1モル)とのエステル化合物を含有する油剤の調製〕
撹拌機、温度計、窒素ガス吹き込み管および水分離器を備えた4つ口フラスコにペンタエリスリトール〔セラニーズ社製、ペンタエリスリトール〕56.8g(1.0モル)、安息香酸〔DSM社製、PuroxB〕152.9g(3.0モル)、2−エチルヘキサン酸[チッソ社製、オクチル酸]60.3g(1.0モル)を加え、触媒として塩化スズ0.6gを添加し、窒素気流下180℃〜200℃で約15時間反応させた。反応終了後常法にて精製し、ペンタエリスリトールと、安息香酸及び、2−エチルヘキサン酸とのエステル化合物を含有する油剤192.8gを得た。得られた油剤のけん化価は、392であった。
〔ペンタエリスリトール(1モル)と、安息香酸(3モル)及び、2−エチルヘキサン酸(1モル)とのエステル化合物を含有する油剤の調製〕
撹拌機、温度計、窒素ガス吹き込み管および水分離器を備えた4つ口フラスコにペンタエリスリトール〔セラニーズ社製、ペンタエリスリトール〕56.8g(1.0モル)、安息香酸〔DSM社製、PuroxB〕152.9g(3.0モル)、2−エチルヘキサン酸[チッソ社製、オクチル酸]60.3g(1.0モル)を加え、触媒として塩化スズ0.6gを添加し、窒素気流下180℃〜200℃で約15時間反応させた。反応終了後常法にて精製し、ペンタエリスリトールと、安息香酸及び、2−エチルヘキサン酸とのエステル化合物を含有する油剤192.8gを得た。得られた油剤のけん化価は、392であった。
実施例3
〔ペンタエリスリトール(1モル)と、安息香酸(2モル)及び、イソステアリン酸(2モル)とのエステル化合物を含有する油剤の調製〕
撹拌機、温度計、窒素ガス吹き込み管および水分離器を備えた4つ口フラスコにペンタエリスリトール〔セラニーズ社製、ペンタエリスリトール〕56.8g(1.0モル)、安息香酸〔DSM社製、PuroxB〕102.0g(2.0モル)、イソステアリン酸[ユニケマ社製、PRISORINE3505]244.1g(2.0モル)を加え、触媒として塩化スズ0.6gを添加し、窒素気流下180℃〜200℃で約15時間反応させた。反応終了後常法にて精製し、ペンタエリスリトールと、安息香酸及び、イソステアリン酸とのエステル化合物を含有する油剤285.7gを得た。得られた油剤のけん化価は、314であった。
〔ペンタエリスリトール(1モル)と、安息香酸(2モル)及び、イソステアリン酸(2モル)とのエステル化合物を含有する油剤の調製〕
撹拌機、温度計、窒素ガス吹き込み管および水分離器を備えた4つ口フラスコにペンタエリスリトール〔セラニーズ社製、ペンタエリスリトール〕56.8g(1.0モル)、安息香酸〔DSM社製、PuroxB〕102.0g(2.0モル)、イソステアリン酸[ユニケマ社製、PRISORINE3505]244.1g(2.0モル)を加え、触媒として塩化スズ0.6gを添加し、窒素気流下180℃〜200℃で約15時間反応させた。反応終了後常法にて精製し、ペンタエリスリトールと、安息香酸及び、イソステアリン酸とのエステル化合物を含有する油剤285.7gを得た。得られた油剤のけん化価は、314であった。
このようにして得られた実施例1〜3の油剤の屈折率及び酸化安定性試験を以下に示すの方法で測定した。
比較例として、艶の良い油剤として知られている液状ラノリン[日本精化社製、YOFCOラノリンSS](以下、比較例1とする)、及びリンゴ酸ジイソステアリル[日清オイリオ社製、コスモール222](以下、比較例2とする)を用いた。
〔油剤の屈折率測定〕
実施例1〜3及び比較例1、2の油剤の屈折率を測定し、光沢性の評価を行った。屈折率が高いほど、光沢性が高いことを示す。屈折率はアツベ屈折計Model:ER-98(エルマ販売(株)社)を用いて25℃の温度条件下で測定した。結果を表1に示す。
実施例1〜3及び比較例1、2の油剤の屈折率を測定し、光沢性の評価を行った。屈折率が高いほど、光沢性が高いことを示す。屈折率はアツベ屈折計Model:ER-98(エルマ販売(株)社)を用いて25℃の温度条件下で測定した。結果を表1に示す。
表1からもわかるように、実施例1〜3の油剤は、比較例1、2の油剤と比べて、より高い屈折率を示し、より光沢性に優れていることが明らかとなった。
〔油剤の酸化安定性試験〕
基準油脂分析法(日本油化学会)のCDM試験により、実施例1〜3及び比較例1、2の酸化安定性を測定した。試料を120℃に加熱しながら、清浄空気を送り込み、酸化により生成した揮発性分解物を水中に捕集し、揮発性分解物生成による水の伝導率の変化を経時的に測定した。水の伝導率の変化が大きいほど、酸化安定性が悪いことを示す。具体的には自動油脂安定性試験装置[ランシマット743、メトローム社製]を用い、実施例1〜3及び比較例1、2の油剤の伝導率の変化を測定した。結果を図1に示す。
基準油脂分析法(日本油化学会)のCDM試験により、実施例1〜3及び比較例1、2の酸化安定性を測定した。試料を120℃に加熱しながら、清浄空気を送り込み、酸化により生成した揮発性分解物を水中に捕集し、揮発性分解物生成による水の伝導率の変化を経時的に測定した。水の伝導率の変化が大きいほど、酸化安定性が悪いことを示す。具体的には自動油脂安定性試験装置[ランシマット743、メトローム社製]を用い、実施例1〜3及び比較例1、2の油剤の伝導率の変化を測定した。結果を図1に示す。
図1からもわかるように、実施例1〜3の油剤は、比較例1、2の油剤と比べて、より高い安定性を示した。
実施例1〜3及び比較例1,2の油剤を含有させた金属用油性白色塗料及び油性顔料インキの光沢度、展延性及び保存安定性を以下に示す方法により評価した。
〔塗料及びインキの光沢度試験〕
JIS K 5400に準拠して、VZ−2000(商品名、日本電色社製)を用いて、光源の入射角を60度として、金属用油性白色塗料及び油性顔料インキの光沢値(%)を測定した。
JIS K 5400に準拠して、VZ−2000(商品名、日本電色社製)を用いて、光源の入射角を60度として、金属用油性白色塗料及び油性顔料インキの光沢値(%)を測定した。
〔塗料及びインキの展延性の評価〕
金属用油性白色塗料及び油性顔料インキについて、実際に塗布したときの伸びについて以下に示す4段階判定基準で評価した。◎:非常によく伸びる、○:よく伸びる、△:あまり伸びない、×:伸びが悪い
金属用油性白色塗料及び油性顔料インキについて、実際に塗布したときの伸びについて以下に示す4段階判定基準で評価した。◎:非常によく伸びる、○:よく伸びる、△:あまり伸びない、×:伸びが悪い
〔塗料及びインキの保存安定性試験〕
金属用油性白色塗料及び油性顔料インキについて、50℃で1ヶ月保存し、保存後の粒子の凝集や沈降を以下に示す4段階判定基準で評価し評価結果を表2に記載した。◎:非常に安定性が良い、○:安定性が良い、△:安定性があまり良くない、×:非常に安定性が悪い
金属用油性白色塗料及び油性顔料インキについて、50℃で1ヶ月保存し、保存後の粒子の凝集や沈降を以下に示す4段階判定基準で評価し評価結果を表2に記載した。◎:非常に安定性が良い、○:安定性が良い、△:安定性があまり良くない、×:非常に安定性が悪い
実施例4〜6、比較例3、4
〔金属用油性白色塗料〕
実施例1〜3で得られた油剤及び比較例1、2の油剤を用いて、表2に示す配合の金属用油性白色塗料を、以下の製法で製造した。
成分1と成分4を80℃にて加熱溶解し、成分3、成分2、成分5を順次加えた後、常温でよく練り合わせて金属用油性白色塗料を製造した。得られた塗料の光沢性、展延性及び保存安定性を評価した。評価結果を表3に示す。
〔金属用油性白色塗料〕
実施例1〜3で得られた油剤及び比較例1、2の油剤を用いて、表2に示す配合の金属用油性白色塗料を、以下の製法で製造した。
成分1と成分4を80℃にて加熱溶解し、成分3、成分2、成分5を順次加えた後、常温でよく練り合わせて金属用油性白色塗料を製造した。得られた塗料の光沢性、展延性及び保存安定性を評価した。評価結果を表3に示す。
表3の結果に示されるように、本発明の実施例1〜3の油剤を用いた実施例4〜6の金属用油性白色塗料は、いずれも光沢性、展延性、保存安定性に優れたものであった。一方、比較例1、2の油剤を用いた比較例3,4の金属用油性白色塗料は光沢性、展延性、保存安定性すべてにおいて満足いくものではなかった。
実施例7〜9、比較例5、6
〔油性顔料インキ〕
実施例1〜3で得られた油剤及び比較例1、2の油剤を用いて、表4に示す配合の油性顔料インキを、以下の製法で製造した。
成分1〜成分6を加熱溶解し、ローラにて混練後容器に入れ冷却してインキを得た。得られたインキの光沢性、展延性及び保存安定性を評価した。評価結果を表5に示す。
〔油性顔料インキ〕
実施例1〜3で得られた油剤及び比較例1、2の油剤を用いて、表4に示す配合の油性顔料インキを、以下の製法で製造した。
成分1〜成分6を加熱溶解し、ローラにて混練後容器に入れ冷却してインキを得た。得られたインキの光沢性、展延性及び保存安定性を評価した。評価結果を表5に示す。
表5の結果に示されるように、本発明の実施例1〜3の油剤を用いた実施例7〜9の油性顔料インキは、いずれも光沢性、展延性、保存安定性に優れたものであった。一方、比較例1、2の油剤を用いた比較例5,6の油性顔料インキは光沢性、展延性、保存安定性すべてにおいて満足いくものではなかった。
Claims (5)
- アシル基が、安息香酸残基であることを特徴とする請求項1に記載の油剤。
- 炭素数3〜28の分岐脂肪酸残基が、イソオクチル酸残基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の油剤。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の油剤を含有することを特徴とする塗料。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の油剤を含有することを特徴とするイン
キ。
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JP2003384579A JP2005146095A (ja) | 2003-11-14 | 2003-11-14 | エステル化合物を含有する油剤、並びに該油剤を含有する塗料及びインキ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006033231A1 (ja) * | 2004-09-21 | 2006-03-30 | The Nisshin Oillio Group, Ltd. | 安息香酸エステルを含有する化粧料用原料、及び該化粧料用原料を含有する化粧料 |
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2003
- 2003-11-14 JP JP2003384579A patent/JP2005146095A/ja active Pending
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WO2006033231A1 (ja) * | 2004-09-21 | 2006-03-30 | The Nisshin Oillio Group, Ltd. | 安息香酸エステルを含有する化粧料用原料、及び該化粧料用原料を含有する化粧料 |
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