JP2005145794A - 柱状ナノ結晶体の製造方法及びシリコン柱状ナノ結晶体 - Google Patents

柱状ナノ結晶体の製造方法及びシリコン柱状ナノ結晶体 Download PDF

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Abstract

【課題】 シリコン、ボロン、カーボン等のIIIB族又はIVB族元素からなるナノサイズの柱状結晶体を効率良くかつ確実に製造することが可能な方法を提供すること。
【解決手段】 IIIB族元素及びIVB族元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素を含有する材料からなるターゲットに照射強度が1015W/cm〜1021W/cmであるパルスレーザー光を照射して前記元素の飛散粒子を発生させ、前記元素の飛散粒子が結合してなる前記元素の柱状ナノ結晶体を形成せしめることを特徴とする柱状ナノ結晶体の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シリコン、ボロン、カーボン等からなるナノサイズの柱状結晶体の製造方法、並びに、シリコンからなるナノサイズの柱状結晶体に関する。
近年、電子材料や触媒材料等の幅広い分野に応用可能なナノサイズの材料としてカーボンナノチューブが注目されており、例えば特開2001−89117号公報にはレーザーアブレーション法を利用してカーボンナノチューブを製造する方法が開示されている。しかしながら、同公報に記載のような従来のレーザーアブレーション法を利用したカーボンナノチューブの製造方法においてはその工程において雰囲気を数百℃の高温に加熱する必要があり、より効率の良い製造方法の開発が望まれていた。
一方、カーボンナノチューブと同様に電子材料や触媒材料等への応用が可能なナノサイズの材料としてシリコンが考えられており、例えば特開平10−214995号公報にはレーザーアブレーション法を利用してシリコンからなる光電子材料を製造する方法が開示されている。しかしながら、同公報に記載のような従来のレーザーアブレーション法を利用した方法で製造可能なシリコン材料はいずれも球状の微結晶体であり、その他如何なる方法によっても従来はシリコンの柱状結晶体を得ることはできなかった。
特開2001−89117号公報 特開平10−214995号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、シリコン、ボロン、カーボン等のIIIB族又はIVB族元素からなるナノサイズの柱状結晶体を効率良くかつ確実に製造することが可能な方法、並びに、従来は得ることができなかったシリコンからなるナノサイズの柱状結晶体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、従来のレーザーアブレーション法で用いられていたレーザー光より遥かに照射強度の高いパルスレーザー光を用いると、驚くべきことにアブレートされた飛散粒子が結合する際に柱状に結晶成長し、シリコン、ボロン、カーボン等のIIIB族又はIVB族元素からなるナノサイズの柱状結晶が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の柱状ナノ結晶体の製造方法は、IIIB族元素及びIVB族元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素を含有する材料からなるターゲットに照射強度が1015W/cm〜1021W/cmであるパルスレーザー光を照射して前記元素の飛散粒子を発生させ、前記元素の飛散粒子が結合してなる前記元素の柱状ナノ結晶体を形成せしめることを特徴とする方法である。
また、本発明のシリコン柱状ナノ結晶体は、シリコンからなるナノサイズの柱状結晶体であって、平均直径が1〜20nmであり、かつ、平均アスペクト比が10以上であることを特徴とするものである。
このような本発明の柱状ナノ結晶体の製造方法において用いる前記パルスレーザー光は、パルス幅が1ピコ秒以下であり、波長が200nm〜1μmであり、フルエンスが10J/cm〜1011J/cmであることが好ましい。
また、本発明の柱状ナノ結晶体の製造方法において用いる前記ターゲットとしては、シリコン、ボロン及びカーボンからなる群から選択される少なくとも一つの元素からなるものが特に好ましい。
なお、上記本発明によってIIIB族又はIVB族元素の柱状ナノ結晶体が形成されるようになる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、IIIB族元素及びIVB族元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素を含有する材料からなるターゲットに照射強度が1015W/cm〜1021W/cmであるパルスレーザー光が照射されると、ターゲットを構成する材料がプラズマ化してIIIB族又はIVB族元素の中性原子及びイオンとなる。この時のプラズマ温度は従来のレーザーアブレーションの際に発生するプラズマの温度より10倍から1000倍以上高い100万℃を超える。このプラズマが膨張して冷却する過程で中性原子及びイオンのうちのいくつかが結合して形成されたクラスタが高いエネルギーをもって音速の数倍以上の高速で飛散する。そして、飛散時に高輝度のパルスレーザー光とターゲットを構成する材料との相互作用により発生するいわゆるウェーク場と呼ばれる電磁場の強さが、本発明においてはパルスレーザー光の照射強度が1015W/cm〜1021W/cmと極めて高いため10V/m〜1010V/m程度と高くなり、この電圧がイオン化した前記飛散粒子に負荷されることにより結晶成長の方向性が揃えられる。そのため、上記飛散粒子が結合する際に柱状結晶を形成するように結晶成長し、前記元素のナノサイズの柱状結晶体が形成されるものと本発明者らは推察する。
前記本発明の柱状ナノ結晶体の製造方法においては、容器内での10−3Torr以下の真空状態(特に好ましくは10−4Torr以下の真空状態)下において前記ターゲットに前記パルスレーザー光を照射することが好ましい。このように内部が10−3Torr以下の真空状態(特に好ましくは10−4Torr以下の真空状態)となっている容器を用いると、放電によるエネルギーの吸収が十分に抑制され、柱状ナノ結晶体がより効率良く得られるようになる傾向にある。
本発明によれば、製造装置内の雰囲気を特に加熱等することなく、シリコン、ボロン、カーボン等のIIIB族又はIVB族元素からなるナノサイズの柱状結晶体を効率良くかつ確実に製造することが可能となり、特に従来は得ることができなかったシリコンからなるナノサイズの柱状結晶体を得ることが可能となる。
以下、本発明の柱状ナノ結晶体の製造方法並びに本発明の柱状ナノ結晶体について、それらの好適な実施形態に即して詳細に説明する。
図1は、本発明に好適な柱状ナノ結晶体の製造装置の好適な一実施形態の基本構成を示す模式図であり、図1に示す柱状ナノ結晶体の製造装置はいわゆるレーザーアブレーション装置1として構成されている。すなわち、図1に示すレーザーアブレーション装置1はレーザー光源2を備えており、処理容器3の内部にレーザー光源2と、レーザー光源2から発せられたレーザー光Lが照射されるターゲット4と、得られた柱状ナノ結晶体5を捕集するための基板6とが配置されている。
レーザー光源2は、集光レンズ7等の光学系によって集光してターゲット4に対して照射強度が1015W/cm〜1021W/cm(より好ましくは1015W/cm〜1018W/cm)であるパルスレーザー光Lを照射することができるレーザー光発生装置であればよく、特に制限されないが、フェムト秒レーザー発振装置によって構成されることが好ましい。また、パルスレーザー光Lがターゲット4に照射された際にターゲット4の表面から飛散粒子(ターゲットを構成する材料の中性原子、イオン、クラスタ等)aが効率的に発生するように、パルスレーザー光Lの光路の途中に鏡8等の光学系を適宜配置してパルスレーザー光Lの照射角度が調整されている。
処理容器3は、上記の構成要素を内部に収容するための容器(例えばステンレス鋼製の容器)であり、処理容器3には真空ポンプ(例えば、ロータリーポンプやターボモレキュラーポンプ)9が配管10を介して接続されており、処理容器3の内部を所定圧力の真空状態に維持することが可能となっている。このように内部が真空状態となる処理容器3を用いると、放電によるエネルギーの吸収が十分に抑制され、柱状ナノ結晶体5がより効率良く得られるようになる。なお、容器3の内部を真空状態に維持する際の圧力としては、10−3Torr以下の真空状態となる圧力が好ましく、10−4Torr以下の真空状態となる圧力が特に好ましい。
ターゲット4は、前述のパルスレーザー光Lの照射によりIIIB族又はIVB族元素の飛散粒子(中性原子、イオン、クラスタ等)aを発生する材料(ターゲット材料)からなるものであればよく、IIIB族元素及びIVB族元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素を含有する材料からなるものである。このようなIIIB族元素とはボロン(ホウ素)、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウムであり、また、IVB族元素とはカーボン(炭素)、シリコン(ケイ素)、ゲルマニウム、スズ、鉛である。ターゲット4を構成する材料はこのようなIIIB族及びIVB族元素のうちの少なくとも一つの元素を含有するものであり、中でも光電子材料等への応用が期待でき、環境負荷を与えない等の観点からシリコン、ボロン及びカーボンからなる群から選択される少なくとも一つの元素を含有するものが好ましい。また、ターゲット4を構成する材料に含有される元素はIIIB族又はIVB族元素のうちの一種類であっても、複数種類であってもよく、前者の場合は単独元素の柱状ナノ結晶体が得られるようになり、後者の場合は複数元素が複合化した柱状ナノ結晶体が得られるようになる。さらに、ターゲット4を構成する材料はIIIB族又はIVB族元素(特に好ましくはシリコン、ボロン又はカーボン)のみからなるものであることが好ましいが、柱状ナノ結晶体の形成に影響を及ぼさない他の成分を含んでいてもよい。このような他の成分としてはリン、アンチモン等が挙げられ、このような他の成分を含む場合はその含有量は5重量%以下であることが好ましい。なお、ターゲット4の形状等は特に制限されず、板状、ロッド状等に成形された前記ターゲット材料からなるバルク材や、前記ターゲット材料をテープ上に塗布、蒸着、貼着等によって形成したテープ状ターゲット等を用いることができる。
基板6は、その表面及び/又は内部に得られた柱状ナノ結晶体5を捕集することができるものであればよく、特に制限されないが、例えばカーボンメッシュ、カーボンフィルム、シリコン基板、樹脂基板、無機結晶、金属板等が好適に用いられる。また、このような基板6の形状や大きさや厚さも特に制限されず、捕集しようとする柱状ナノ結晶体5等に応じてフィルム状、板状等のものが適宜選択される。
上述の基板6とターゲット4との位置的関係は特に限定されず、基板6の表面にターゲット4の表面から発生した飛散粒子a並びに柱状ナノ結晶体5が効率良く捕集されるようにターゲット4に対して基板6が適宜配置され、図1においてはレーザー光Lの照射方向に対する基板6の法線方向の角度Θが45°となる位置に基板6が配置されている。また、ターゲット4にはターゲット駆動装置(例えばターゲット回転台)11が接続され、レーザー光Lの照射位置にターゲットの新鮮な面(レーザー光未照射面)が順次繰り出されるようになっている。
以上、本発明に好適な柱状ナノ結晶体の製造装置の一実施形態について説明したが、本発明に好適な装置は上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、例えば、上記実施形態では製造装置の全ての構成要素が処理容器3の内部に配置されているが、処理容器3の外部に配置したレーザー光源2から窓(例えば石英製の窓)を介してレーザー光Lが容器3内に導入されるようにしてもよい。
更に、上記実施形態では前記角度Θが45°となる位置に基板6が配置されているが、このような位置関係に特に限定されるものではなく、角度Θが10°〜60°程度の範囲となる位置に基板6が配置されていてもよい。また、例えば基板6としてレーザー光Lを透過可能なものを用い、基板6を集光レンズ7とターゲット4との間にターゲット4に対して対向配置せしめ、基板6を透過したレーザー光Lがターゲット4に照射されるようにしてもよい。
次に、本発明の柱状ナノ結晶体の製造方法の好適な一実施形態、並びにそれによって得られる本発明の柱状ナノ結晶体の好適な一実施形態について、図1を参照しつつ説明する。
本発明の柱状ナノ結晶体の製造方法においては、前述のターゲット4に照射強度が1015W/cm〜1021W/cm(特に好ましくは1015W/cm〜1018W/cm)であるパルスレーザー光Lがレーザー光源2から照射される。すると、ターゲット4の表面に非常に高温のプラズマPが形成され、プラズマP中のIIIB族又はIVB族元素の中性原子、イオン、並びに前記の中性原子及びイオンのうちのいくつかが膨張・冷却時に結合して形成されたクラスタが高いエネルギーをもって非常に高速で飛散する。なお、ターゲット4に照射されるパルスレーザー光Lの照射強度が1015W/cm未満では、飛散粒子aが結合する際に球状の微結晶若しくはアモルファスとなってしまい、ナノサイズの柱状結晶体が得られない。他方、照射強度が1021W/cmを超えると、プラズマが強電磁場により発散し、結晶を構成すべき原子、イオンも分散して結晶を形成できなくなる。
また、上記本発明にかかるパルスレーザー光Lは、パルス幅が1ピコ秒以下(より好ましくは10フェムト秒〜500フェムト秒)であり、波長が200nm〜1μm(より好ましくは400nm〜800nm)であり、フルエンスが10J/cm〜1011J/cm(より好ましくは10J/cm〜10J/cm)であることが好ましい。前記パルス幅が1ピコ秒を超えるとプラズマの形成、加熱プロセスが遅延し、強電磁場が影響を受けにくくなってしまう傾向にある。また、前記波長が1μmを超えるとターゲットがレーザー光を吸収する効率が低くなり、プラズマの形成、加熱プロセスが遅延する傾向にあり、他方、200nm未満ではターゲットの最長面だけで吸収が起こり、結晶を形成するのに十分な密度のプラズマ量が得られない傾向にある。さらに、前記フルエンスが10J/cm未満では結晶を構成する原子の源となるプラズマが不足する傾向にあり、他方、1011J/cmを超えるとプラズマサイズが強電磁場の付与される領域よりも大きくなり過ぎ、異方性を有する結晶ができなくなる傾向にある。
そして、このようにパルスレーザー光Lの照射によりターゲット4の表面から発生した微細な飛散粒子(アブレータ)aは、高速で飛散している過程で他の飛散粒子aとの衝突を繰り返して柱状に結晶成長して柱状ナノ結晶体5が形成され、基板6の表面及び/又は内部に捕集される。また、基板6の表面及び/又は内部には飛散粒子aも捕集され、そこに堆積する際にも他の飛散粒子a又は柱状ナノ結晶体5と結合して柱状に結晶成長して柱状ナノ結晶体5が形成される。
なお、上述の本発明の柱状ナノ結晶体の製造方法においては、処理容器3内の雰囲気を特に高温に加熱する必要はなく、処理容器3内の温度は一般的には0〜30℃程度であればよい。
このようにして得られる柱状ナノ結晶体は、用いたターゲット材料に応じてIIIB族又はIVB族元素からなるナノサイズの柱状結晶体であり、前記本発明の製造方法によれば平均直径が1〜20nm(より好ましくは5〜15nm)でかつ平均アスペクト比が10以上というナノサイズの針状の結晶体を得ることも可能である。このような柱状ナノ結晶体は、ナノサイズで異方性を有しているため、電磁気特性、光特性等において従来の材料にない特性を有するものであり、電子材料、発光素子、光電素子、燃料電池の電極等の幅広い用途に対して非常に有望な材料である。
また、特にターゲット材料としてシリコンを用いて得たシリコンからなるナノサイズの柱状結晶体であって、平均直径が1〜20nm(より好ましくは5〜15nm)であり、かつ、平均アスペクト比が10以上であるものが本発明のシリコン柱状ナノ結晶体である。このような本発明のシリコン柱状ナノ結晶体は、以下に説明する発光素子や、光電素子、燃料電池の電極等の幅広い用途に対して非常に有望な材料である。すなわち、一般に金属表面に強い電界がかかると、金属内の自由電子が量子力学的トンネル効果で真空中に放出されることが知られており(電界電子放出)、電子顕微鏡等の分野に応用されている。そして、このような電界電子放出を生じさせるためには、1cm当たり数10MV(メガボルト)の高電界が必要であるが、このような高電界を発生させるためには非常に細い先端を持つ金属針が要求される。上記本発明のシリコン柱状ナノ結晶体は、その先端が1〜20nm(より好ましくは5〜15nm)と非常に小さいものであるため、上記の電界電子放出を生じさせるための針として非常に適しており、例えばこれを電極に使った発光素子では電子放出効率が向上して少しの電流量で強い発光を得ることが可能となる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
レーザー光源2としてフェムト秒レーザー発振装置(ピーク出力550TW、最短パルス幅33フェムト秒、日本原子力研究所関西研究所光量子科学研究センター所有)、処理容器3として真空容器(ステンレス鋼製、容量約100リットル)、ターゲット4としてシリコン板(直径3mm、厚さ0.1mm)、基板6としてカーボンフィルム(直径3mm、厚さ0.001mm)を用いて図1に示す柱状ナノ結晶体の製造装置を作製した。なお、基板6は角度Θが30°となる位置に配置し、基板6とターゲット4との間の距離(ターゲット4のレーザー光照射位置と基板6の中心との間の距離)は300mmとした。
次に、作製された装置を用い、処理容器3の内部を圧力が5.5×10−5Torrの真空状態とし、ターゲット4をX−Yテーブルにて平行移動させた状態で、レーザー光源2からターゲット4上のレーザー光照射面積がφ20μmとなるようにしてパルスレーザー光L{波長800nm、照射強度8.3×1016W/cm、パルス幅40フェムト秒、1パルスあたりのエネルギー10mJ、フルエンス10J/cm}をターゲット4にシングルショットで20回照射した。容器3内部が真空状態のためパルスレーザー光Lは放電によりエネルギーが吸収されることなくターゲット4に到達し、ターゲット4の表面には高温のプラズマPが形成され、ターゲット4の表面からシリコンの中性原子、イオン、クラスタ等の微細な飛散粒子(アブレータ)aが高速で飛散した。そして、飛散粒子aは、高速で飛散している過程で他の飛散粒子aとの衝突を繰り返して柱状に結晶成長して柱状ナノ結晶体5が形成され、基板6の表面及び内部に捕集された。また、基板6の表面及び内部に到達した飛散粒子aもそこで他の飛散粒子a又は柱状ナノ結晶体5と結合して柱状に結晶成長して柱状ナノ結晶体5が形成された。なお、照射時間は10秒とし、容器内温度は約25℃であった。
基板6に捕集された柱状ナノ結晶体5を透過型電子顕微鏡により観察したところ、図2に示すように直径が5〜15nm程度(平均直径約10nm)、長さが100〜1000nm程度(平均長さ約500nm)、平均アスペクト比が約50のナノサイズの柱状形状(針状)であることが確認された。
また、基板6に捕集された柱状ナノ結晶体5を電子線回折装置により撮影したところ、図3に示すように明瞭なリング状の回折が観察され、このことより柱状のシリコン組織が結晶化していることが確認された。
さらに、レーザー照射後のシリコンターゲット4の表面を光学顕微鏡で観察したところ、図4に示すようにφ20μmの照射痕が観察され、照射強度が目標とする値になっていることが確認され、さらに照射痕の近傍においても柱状ナノ結晶体が形成されていることが確認された。
(比較例1)
パルスレーザー光Lの照射条件を波長532nm、照射強度1×10W/cm、パルス幅7ナノ秒、1パルスあたりのエネルギー1J、フルエンス10J/cm、周波数10Hzとした以外は実施例1と同様にして試験を行なった。
基板6に捕集された物質を透過型電子顕微鏡により観察したところ、図5に示すように微小球状のアモルファスシリコンであった。
以上説明したように、本発明によれば、製造装置内の雰囲気を特に加熱等することなく、シリコン、ボロン、カーボン等のIIIB族又はIVB族元素からなるナノサイズの柱状結晶体を効率良くかつ確実に製造することが可能となり、特に従来は得ることができなかったシリコンからなるナノサイズの柱状結晶体を得ることが可能となる。
そして、本発明の製造方法により得られる柱状ナノ結晶体は電子材料、発光素子、光電素子、燃料電池の電極等の幅広い用途に対して非常に有望な材料であり、中でも本発明のシリコン柱状ナノ結晶体によれば発光素子の電子放出効率を向上させることが可能となる。
本発明に好適な柱状ナノ結晶体の製造装置の好適な一実施形態の基本構成を示す模式図である。 実施例1において得られた柱状ナノ結晶体の透過型電子顕微鏡写真である。 実施例1において得られた柱状ナノ結晶体を電子線回折装置により撮影した結晶構造を示す写真である。 実施例1において用いたレーザー照射後のシリコンターゲット表面の光学顕微鏡写真である。 比較例1において得られた物質の透過型電子顕微鏡写真である。
符号の説明
1…柱状ナノ結晶体の製造装置、2…レーザー光源、3…処理容器、4…ターゲット、5…柱状ナノ結晶体、6…基板、7…集光レンズ、8…鏡、9…真空ポンプ、10…配管、11…ターゲット駆動装置、L…パルスレーザー光、a…飛散粒子、P…プラズマ。

Claims (5)

  1. IIIB族元素及びIVB族元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素を含有する材料からなるターゲットに照射強度が1015W/cm〜1021W/cmであるパルスレーザー光を照射して前記元素の飛散粒子を発生させ、前記元素の飛散粒子が結合してなる前記元素の柱状ナノ結晶体を形成せしめることを特徴とする柱状ナノ結晶体の製造方法。
  2. 前記パルスレーザー光のパルス幅が1ピコ秒以下であり、波長が200nm〜1μmであり、フルエンスが10J/cm〜1011J/cmであることを特徴とする請求項1記載の柱状ナノ結晶体の製造方法。
  3. 前記ターゲットが、シリコン、ボロン及びカーボンからなる群から選択される少なくとも一つの元素からなるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の柱状ナノ結晶体の製造方法。
  4. 10−3Torr以下の真空状態において前記ターゲットに前記パルスレーザー光を照射することを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の柱状ナノ結晶体の製造方法。
  5. シリコンからなるナノサイズの柱状結晶体であって、平均直径が1〜20nmであり、かつ、平均アスペクト比が10以上であることを特徴とするシリコン柱状ナノ結晶体。
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