JP2005144484A - レーザ加工装置及びレーザ加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 加工物に対する物理的、熱的損傷を最小限にするとともに、加工に伴う材料のロスを少なくすることができるレーザ加工装置及びレーザ加工方法を提供する。
【解決手段】 レーザ光源20と、インゴット10を保持するインゴット保持部12と、保持部12に保持されたインゴット10の被加工部にレーザ光源20からのレーザ光を照射するレーザ照射部材34と、レーザ照射部材34とインゴット10とを相対的に移動させるモータ46と、レーザ照射部材34とインゴット10の被加工部との間の距離を調整するスライダ38とを備えた。レーザ照射部材34の照射側の端部34a及び入射側の端部34cは薄板状である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、レーザ加工装置及びレーザ加工方法に係り、特に半導体インゴットやガラス、セラミックスなどの脆性材料を切断するレーザ加工装置及びレーザ加工方法に関するものである。
従来から、シリコンインゴットなどの硬脆性材料を複数枚のウェハに切断(スライス)する加工装置として、ブレードソーを用いた加工装置が知られている。図1は、従来のブレードソー式加工装置を示す概略斜視図である。図1に示すように、ブレードソー式加工装置は、インゴット500を載置する支持台510と、ドーナツ状の薄板ブレード520とを備えており、このブレード520の内周には、ダイヤモンドなどの砥粒を固着した内周刃520aが形成されている。このようなブレードソー式加工装置においては、回転する520の内周刃520aによりインゴット500が切断され、1枚のウェハが切り出される。そして、支持台510をインゴット500の軸方向に移動させることで次のウェハが順次切り出される。
また、最近では、複数のウェハを一括して切断可能なワイヤソー式加工装置も用いられている。図2は、従来のワイヤソー式加工装置を示す概略斜視図である。図2に示すように、ワイヤソー式加工装置は、ダイヤモンドなどの砥粒を付着させた複数本の金属ワイヤ530を備えている。このようなワイヤソー式加工装置においては、ワイヤ530の上に配置されたインゴット500を下方に押し付けるとともにワイヤ530を連続的に移動させることで、複数のウェハを同時に切り出すことができる。
しかしながら、このような従来の加工装置は、硬脆性材料を機械的に切断するものであるため、切り出されたウェハには、機械的加工に伴う材料欠陥(例えば、歪みや結晶の転位などの物理的、熱的損傷)が生じてしまう。このため、従来の加工装置を用いてウェハを切り出した後には、上記欠陥が生じた部分(カーフロス)を研磨して除去する必要があり、この研磨除去によって材料のロスが多くなっていた。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、被加工物に対する物理的、熱的損傷を最小限にするとともに、加工に伴う材料のロスを少なくすることができるレーザ加工装置及びレーザ加工方法を提供することを目的とする。
このような従来技術における問題点を解決するために、本発明の第1の態様は、レーザ光源と、被加工物を保持する保持部と、上記保持部に保持された被加工物の被加工部に上記レーザ光源からのレーザ光を照射するレーザ照射部材と、上記レーザ照射部材と上記被加工物とを相対的に移動させる相対移動機構と、上記レーザ照射部材と上記被加工物の被加工部との間の距離を調整する距離調整機構とを備え、上記レーザ照射部材の照射側の端部は薄板状であることを特徴とするレーザ加工装置である。この場合において、上記レーザ照射部材の入射側の端部も薄板状であることがより好ましい。
本発明によれば、レーザ照射部材から高エネルギのレーザ光を被加工物の被加工部に照射することができる。このような高エネルギのレーザ光の照射により、被加工物の被加工部においてアブレーション(ablation)現象が生じ、このアブレーション現象によって被加工物の被加工部を切断することができる。このアブレーション現象は、従来の機械的加工とは異なり、被加工物に対する熱的影響も少なく、切断加工で生ずる被加工物に対する物理的、熱的損傷を大幅に低減することができる。また、レーザ光を用いるため、切断部分の幅を小さくすることができ、切断加工に伴う材料のロスを少なくすることができる。また、レーザ照射部材を薄板状にしているので、最小限の切断幅で被加工物を切断することができ、切断加工に伴う材料のロスを大幅に少なくすることができる。
本発明の第2の態様は、レーザ光源と、被加工物を保持する保持部と、上記保持部に保持された被加工物の被加工部に上記レーザ光源からのレーザ光を照射するレーザ照射部材と、上記レーザ照射部材と上記被加工物とを相対的に移動させる相対移動機構と、上記レーザ照射部材と上記被加工物の被加工部との間の距離を調整する距離調整機構とを備え、上記レーザ照射部材は、少なくとも1つの側板と、該側板に固定される導波材とを備え、上記レーザ照射部材の内部を通過するレーザ光は、上記導波材と該導波材の外部空間との界面において上記レーザ照射部材の厚さ方向に全反射しながら進行することを特徴としている。この場合において、上記レーザ照射部材を通過するレーザ光は、上記レーザ照射部材の厚さ方向と垂直な面内では平行光であることが好ましい。
また、上記レーザ光が全反射する導波材の表面の領域は上記側板に接触しないことが好ましい。更に、上記導波材の外部空間は、上記レーザ照射部材の厚さ方向に上記レーザ光の1波長以上の幅を有することが好ましい。
本発明の第3の態様は、レーザ光源と、被加工物を保持する保持部と、上記保持部に保持された被加工物の被加工部に上記レーザ光源からのレーザ光を照射するレーザ照射部材と、上記レーザ照射部材と上記被加工物とを相対的に移動させる相対移動機構と、上記レーザ照射部材と上記被加工物の被加工部との間の距離を調整する距離調整機構とを備え、上記レーザ照射部材は、少なくとも1つの側板と、該側板に固定される導波材とを備え、上記導波材の表面に流体を存在させることを特徴とするレーザ加工装置である。この場合において、上記流体は気体又は液体であることが好ましい。
加工に伴って発生する切り屑などの異物が導波材の表面に付着するとエネルギ集中が生じて導波材が割れてしまうことがあるが、上述のように、導波材の表面に気体又は液体を存在させることで、このような異物が導波材の表面に付着することが防止され、導波材の物理的損傷を防止することができる。
本発明の好ましい一態様は、上記レーザ照射部材の入射側の端部に気密空間を形成し、上記気密空間に上記流体を導入する流体導入管を接続し、上記気密空間の圧力を上記レーザ照射部材の照射側の端部の圧力よりも高くして上記流体を上記導波材の表面に存在させることを特徴としている。
本発明の第4の態様は、被加工物を保持部により保持し、上記保持部に保持された被加工物の被加工部にレーザ光源からのレーザ光をレーザ照射部材を介して照射し、上記レーザ照射部材の照射側の端部を薄板状とし、上記レーザ照射部材と上記被加工物の被加工部との間の距離を調整しつつ、上記レーザ照射部材と上記被加工物とを相対的に移動させて上記レーザ光により上記被加工物を加工することを特徴とするレーザ加工方法である。この場合において、上記レーザ照射部材の入射側の端部も薄板状とすることがより好ましい。
本発明の第5の態様は、被加工物を保持部により保持し、上記保持部に保持された被加工物の被加工部にレーザ光源からのレーザ光を、少なくとも1つの側板と該側板に固定された導波材とを有するレーザ照射部材を介して照射し、上記レーザ照射部材の内部を通過するレーザ光を、上記導波材と該導波材の外部空間との界面において上記レーザ照射部材の厚さ方向に全反射させながら進行させ、上記レーザ照射部材と上記被加工物の被加工部との間の距離を調整しつつ、上記レーザ照射部材と上記被加工物とを相対的に移動させて上記レーザ光により上記被加工物を加工することを特徴とするレーザ加工方法である。この場合において、上記レーザ照射部材を通過するレーザ光を、上記レーザ照射部材の厚さ方向と垂直な面内では平行光とすることが好ましい。
また、上記レーザ光が全反射する導波材の表面の領域を上記側板に接触させないことが好ましい。更に、上記導波材の外部空間は、上記レーザ照射部材の厚さ方向に上記レーザ光の1波長以上の幅を有することが好ましい。
本発明の第6の態様は、被加工物を保持部により保持し、上記保持部に保持された被加工物の被加工部にレーザ光源からのレーザ光を、少なくとも1つの側板と該側板に固定された導波材とを有するレーザ照射部材を介して照射し、上記レーザ照射部材と上記被加工物の被加工部との間の距離を調整しつつ、上記レーザ照射部材と上記被加工物とを相対的に移動させて上記レーザ光により上記被加工物を加工し、上記導波材の表面に流体を存在させることを特徴とするレーザ加工方法である。この場合において、上記流体は気体又は液体であることが好ましい。
本発明の好ましい一態様は、上記レーザ照射部材の入射側の端部に気密空間を形成し、上記気密空間に上記流体を導入する流体導入管を接続し、上記気密空間の圧力を上記レーザ照射部材の照射側の端部の圧力よりも高くして上記流体を上記導波材の表面に存在させることを特徴としている。
本発明によれば、レーザ照射部材から高エネルギのレーザ光を被加工物の被加工部に照射することができる。このような高エネルギのレーザ光の照射により、被加工物の被加工部においてアブレーション(ablation)現象が生じ、このアブレーション現象によって被加工物の被加工部を切断することができる。このアブレーション現象は、従来の機械的加工とは異なり、被加工物に対する熱的影響も少なく、切断加工で生ずる被加工物に対する物理的、熱的損傷を大幅に低減することができる。また、レーザ光を用いるため、切断部分の幅を小さくすることができ、切断加工に伴う材料のロスを少なくすることができる。また、レーザ照射部材を薄板状にしているので、最小限の切断幅で被加工物を切断することができ、切断加工に伴う材料のロスを大幅に少なくすることができる。
以下、本発明に係るレーザ加工装置の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図3乃至図35(c)において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図3は本発明の第1の実施形態におけるレーザ加工装置の全体構成を示す模式図、図4は図3のA方向から見た模式図である。図3に示すように、レーザ加工装置は、被加工物としてのGaPインゴット10を保持するインゴット保持部12と、所定の波長及びエネルギのレーザを発生するレーザ光源20とを備えている。レーザ光源20にはレーザ導入管22が接続されており、レーザ導入管22の内部にはビーム拡大器(エクスパンダ)24、ビーム減光器(アテネータ)26、及び反射鏡28が配置されている。反射鏡28の下方には、シリンダレンズ30と、シリンダレンズ30を通過したレーザ光を集光する集光レンズ32と、集光レンズ32を通過したレーザ光をインゴット保持部12に保持されたインゴット10の被加工部に照射するレーザ照射部材34とが配置されている。
レーザ照射部材34は、インゴット保持部12に保持されたインゴット10の上方に配置されており、上述したビーム拡大器24、ビーム減光器26、反射鏡28、シリンダレンズ30、集光レンズ32、及びレーザ照射部材34によって、レーザ光源20からのレーザ光をインゴット10の被加工部に導く光学系が形成されている。
図3に示すように、固定フレーム36には、スライダ38を介して上下動自在な可動フレーム40が取り付けられている。可動フレーム40は、レーザ照射部材34を保持する保持部材42と、内部にシリンダレンズ30及び集光レンズ32を収容する筒体44とを備えており、可動フレーム40が上下方向(Z方向)に移動することにより、シリンダレンズ30、集光レンズ32、及びレーザ照射部材34が一体となって上下動するようになっている。
また、インゴット保持部12はモータ46に連結されており、モータ46の回転に伴ってインゴット保持部12に保持されたインゴット10が回転するようになっている。また、このモータ46は、スライダ48を介して水平方向(X方向)に移動可能なモータ台49に載置されており、モータ台49がX方向に移動することによって、モータ46及びインゴット保持部12に保持されたインゴット10がX方向に移動するようになっている。
このような構成のレーザ加工装置において、モータ46によりインゴット10を所定の回転速度(例えば1〜2min−1)で回転させ、レーザ光源20からのレーザ光をレーザ照射部材34を通してインゴット10の被加工部に照射する。このレーザ光の照射によりインゴット10の被加工部においてアブレーション(ablation)現象が生じ、このアブレーション現象によってインゴット10の被加工部が除去されていく。この場合において、上記スライダ38により可動フレーム40をZ方向に移動させ、レーザ照射部材34の下端部(照射側の端部)とインゴット10の被加工部との間の距離が一定となるように、レーザ照射部材34をZ方向に移動させる。これにより、Z方向に沿ってレーザ光の照射による切断加工が進行し、最終的には1枚のウェハ10aが切り出される。1枚のウェハを切り出した後、レーザ照射部材34を上昇させ、スライダ48によりインゴット10をX方向に移動させ、次のウェハの切り出しが上述と同様に行われる。
本実施形態では、インゴット10を回転させるモータ46は、レーザ照射部材34とインゴット10とを相対的に移動させる相対移動機構を構成し、可動フレーム40及びレーザ照射部材34をZ方向に移動させるスライダ38は、インゴット10における加工の進行方向(Z方向)に沿って、レーザ照射部材34とインゴット10とを相対移動させ、レーザ照射部材34とインゴット10の被加工部との間の距離を調整する距離調整機構を構成するようになっている。
本実施形態においては、レーザ光源20として、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)レーザの第2高調波を用いている。このYAGレーザの第2高調波の波長は532nmである。ここで、レーザ照射部材34からインゴット10の被加工部に照射されるレーザ光は、レーザ光の照射によってインゴット10の被加工部が除去される限界以上のエネルギを有することが好ましい。YAGレーザの第2高調波を用いた場合には、インゴット10の被加工部に照射されるエネルギは1.5J/cm以上となる。このように、1.5J/cm以上のエネルギを有するレーザ光を被加工部に照射することで、シリコンや化合物半導体などの種々の脆性材料の切断を行うことができる。なお、上述したレーザ光源20は公知のものであるが、レーザ光源20としてYAGレーザ以外のものを用いてもよいことは言うまでもない。
次に、レーザ照射部材34について説明する。図5は、本実施形態におけるレーザ照射部材34の底面図である。図5に示すように、レーザ照射部材34は、ステンレス製の2枚の側板50,50と、これらの側板50,50の間に挟持される導波材としての石英ファイバ52とを備えている。この石英ファイバ52の厚さは例えば40μmであり、側板50の厚さは例えば30μmである。ここで、石英ファイバ52及び側板50の厚さとはそれぞれのX方向、すなわちインゴット10の長手方向(軸方向)の厚さを意味する。なお、本実施形態における石英ファイバ52の屈折率は約1.4である。集光レンズ32からのレーザ光は、この石英ファイバ52の内部を通過してインゴット10の被加工部に照射される。図5に示すように、2枚の側板50,50は同一形状を有しており、これらの側板50,50が互いに対向して配置される。なお、導波材としてはレーザ光を伝えることができるものであればよく、石英ファイバやその他のガラス体に限られるものではない。
図6は、図5のレーザ照射部材34の1つの側板50を示す斜視図である。側板50は、例えば厚さ30μmのステンレス薄板から形成されており、側板50の(Y方向の)中央部には石英ファイバ52を配置するための凹部54が形成されている。この凹部54には、Z方向に沿って互いに平行に延びる2つの支持部56,56が設けられており、上方に突出した支持部56,56の上面が石英ファイバ52の表面と接触するようになっている。
対向配置された側板50,50の凹部54に石英ファイバ52を配置し、側板50,50のY方向の両端部に形成された孔50a,50aにボルトを締結することにより、石英ファイバ52が側板50,50の間に挟み込まれて固定される。このとき、図5に示すように、側板50,50はX方向に撓んでおり、支持部56,56は石英ファイバ52の表面に対して垂直な方向に石英ファイバ52を押さえて支持するようになっている。この状態においては、図5に示すように、支持部56と凹部54の側壁54aとの間に空間58が形成され、石英ファイバ52のY方向端部が側板50に接触しないようになっている。このような構成により、石英ファイバ52の角(端部)が側板50に接触して破損してしまうことが防止される。
ここで、集光レンズ32からのレーザ光は、石英ファイバ52のY方向の中央部の例えば1.4〜3.2mmの領域60(図5参照)を通過するようになっている。この領域60の表面は、上述した側板50の支持部56に接触しないようになっており、2つの支持部56の間に形成された空間62(図5参照)に露出している。
本実施形態では、集光レンズ32によりレーザ光がX方向に集光され(図3参照)、例えば幅30μmの集光ビームとなってレーザ照射部材34の石英ファイバ52に入射する。このレーザ光は、図7(a)に示すように、石英ファイバ52と上述した空間62との界面においてX方向に全反射しながら進行する。上記空間62のX方向の幅Wは、レーザ光の1波長以上あることが好ましく、この空間62はNや空気などの気体又は水などの液体で満たされていることが好ましい。一方、X方向に垂直な面内においては、レーザ光は、例えば幅1.6mmの平行光として石英ファイバ52に入射し(図4参照)、図7(b)に示すように、石英ファイバ52内を平行光として進行する。
石英ファイバ52に入射したレーザ光はX方向に全反射しながら進行するため、石英ファイバ52内のレーザ光が通過する領域60の表面は他の物体と接触していないことが必要である。このため、本実施形態では、レーザ光が通過する領域60には支持部材56が接触しないようにしており、領域60以外の少なくとも一箇所において石英ファイバ52と側板50とが接触するようになっている。
ここで、X方向に全反射しながらレーザ照射部材34内を通過したレーザ光は、図8(a)に示すように、X方向に広がってインゴット10の被加工部に照射される。すなわち、インゴット10の被加工部に照射されるレーザ光のX方向の幅がレーザ照射部材34の厚さよりも広くなっており、レーザ照射部材34の幅よりも広い範囲で加工(切断)が行われるようになっている。このようにすることで、加工の進行とともに、レーザ照射部材34を加工進行方向(Z方向)に連続的に挿入していくことが可能となる。なお、図8(b)に示すように、レーザ照射部材34の照射側の端部34aにレンズ34bを埋め込み、レンズ34bにより集光した後のレーザ光をインゴット10の被加工部に照射してレーザ照射部材34の厚さよりも広い範囲で加工(切断)を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、図9(a)に示すように、レーザ照射部材34の照射側の端部34a及び入射側の端部34cがともにX方向に関して薄板状となっているが、図9(b)に示すように、レーザ照射部材34の照射側の端部34aのみ薄板状に形成してもよい。
次に、上述したレーザ照射部材34を保持部材42に取り付ける構造について説明する。図10は図5のレーザ照射部材34を保持部材42に取り付けた状態を示す正面図、図11は図10のB−B線断面図、図12は図10のC−C線断面図である。
図10に示すように、レーザ照射部材34のY方向の両端部には、ボルト70を介して第1の取付部材72aと第2の取付部材72bとが取り付けられている。上述したように、これらのボルト70の締結により、レーザ照射部材34の石英ファイバ52が側板50内に挟み込まれて固定されるようになっている。
図10及び図11に示すように、第1の取付部材72aには貫通孔74が形成されており、この貫通孔74には保持部材42に設けられたピン76が挿通される。このように、第1の取付部材72aは保持部材42に設けられたピン76を中心として回転自在に構成されている。なお、ピン76の上方には、ピン76を保持部材42に押し付けるための押付ボルト78が設けられている。
第2の取付部材72bは、Y方向に延びる突出軸80と2つ突出片82とを備えている。図12に示すように、保持部材42には、この突出片82を保持部材42に押し付けるための押付ボルト84が設けられており、この押付ボルト84により第2の取付部材72bを図10においてY方向に摺動可能に保持することができる。また、突出軸80の先端には係合部86が設けられており、この係合部86と保持部材42との間には突出軸80をY方向に付勢する圧縮ばね88が設けられている。また、保持部材42の石英ファイバ52の上方には、通光孔90が形成されており、集光レンズ32からのレーザ光が通光孔90を通って石英ファイバ52に導入されるようになっている。
このように、レーザ照射部材34は、ばね88によりY方向(レーザ光の光軸に垂直な方向)に引っ張られた状態で保持部材42に保持されるようになっている。すなわち、ばね88によりレーザ照射部材34のレーザ光の光軸と平行な2辺がこれと垂直な方向に引っ張られ、これによりレーザ照射部材34が保持部材42に安定した状態で保持され、またレーザ照射部材34内の石英ファイバ52も側板50,50の間に確実に固定されるようになっている。
上述した保持部材42の下部には、レーザ照射部材34とインゴット10の被加工部との間に高速水流を供給する供給ノズルが設けられている。図13は保持部材42に取り付けられた供給ノズル92を示す正面図、図14は図13の部分拡大底面図である。
図13に示すように、保持部材42に設けられた供給ノズル92は、レーザ照射部材34の下端面とインゴット10の被加工部との間に高速水流94をY方向に供給する。この供給ノズル92から供給される水流は、レーザ照射部材34から照射されるレーザ光の光軸と実質的に交差するようになっている。この場合において、レーザ照射部材34の厚さ方向(X方向)の中心面と水流94の中心軸とが交差することが好ましく、レーザ照射部材34の石英ファイバ52の厚さ方向(X方向)の中心面と水流94の中心軸とが交差することがより好ましい。
レーザ光を照射してインゴット10の被加工部を切断すると、切り屑などが被加工部の周囲に付着して加工を阻害することがある。上述したように、レーザ照射部材34の下端面とインゴット10の被加工部との間に高速水流94を供給すれば、このような加工に伴い生じた切り屑などを高速水流94により外部に排出することができ、切り屑などの付着により加工が阻害されることがない。また、高速水流94により被加工部を冷却することもでき、インゴット10に対するレーザ光の熱的損傷を抑えることができる。
なお、供給ノズル92から供給される水流94の断面形状は、円形や長円形、矩形のいずれであってもよく、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。また、水流94のノズル出口圧力は1MPa以上であることが好ましい。また、水以外の液体やNや空気などの気体を供給することとしてもよい。
図15は、図10のレーザ照射部材34及び保持部材42の近傍を示す側断面図である。図15に示すように、レーザ照射部材34の側板50,50の上部には枠体95が設けられており、上述した保持部材42は枠体95の内部に形成される気密空間96内に収容されている。枠体95には、この気密空間96に連通する流体導入管97が接続されており、この流体導入管97から枠体95の気密空間96にNや空気などの気体又は水などの液体が導入されるようになっている。この気密空間96は、上述したレーザ照射部材34内の空間58,62(図5参照)に連通している。
ここで、気密空間96内の圧力は、レーザ照射部材34内の空間58,62よりも高く設定されており、流体導入管97から気密空間96に導入された気体又は液体は、レーザ照射部材34内の空間58,62を通って照射側の端部34aから下方に噴出されるようになっている。加工に伴って発生する切り屑などの異物が石英ファイバ52の表面に付着するとエネルギ集中が生じて石英ファイバ52が割れてしまうことがあるが、上述したように、石英ファイバ52が面している空間58,62に気体又は液体を流通させることで、このような異物が石英ファイバ52の表面に付着することを防止して石英ファイバ52の物理的損傷を防止することができる。なお、本実施形態では、導波材としての石英ファイバ52の表面に気体又は液体を流通させる例を説明したが、気体又は液体を流通させずに、導波材の表面に気体又は液体を存在させるだけでもよい。本件発明者等の実験では、側板50又は石英ファイバ52の表面に予め水を垂らした後にレーザ照射部材34を組立ててレーザ照射部材34内に水を封じ込め、石英ファイバ52の表面に水を存在させただけでも、石英ファイバ52への異物の付着が防止できることが確認された。
ここで、図3に示すように、インゴット10の一端部はインゴット保持部12により保持されているが、インゴット10の被加工部側の他端部は、図16に示すように、真空チャック機構を有する吸着部100により吸着保持されている。この吸着部100は、多数の吸着孔102aが形成された吸着板102と、インゴット保持部12を回転させるモータ46と同期して回転するモータ104とを備えている。吸着板102の吸着孔102aは図示しない真空ポンプ等に接続されており、吸着板102の表面に切断加工中のウェハ10aの表面を吸着保持するようになっている。吸着板102を回転させるモータ104とインゴット10を回転させるモータ46とは互いに同期しているため、吸着板102はインゴット10と同一の回転速度で回転し、加工中の被加工部に無理な力が作用しないようになっている。
上述したように、レーザ照射部材34からレーザ光をインゴット10の被加工部に照射することによりウェハ10aが切り出されるが、このウェハ10aの切断が完了した後、図17に示すように、吸着部100は、ウェハ10aを吸着した状態で所定の離脱位置まで移動した後、この離脱位置でウェハ10aを離脱する。ウェハ10aを離脱させるのに支障のない場所に離脱位置を設定すれば、ウェハ10aに損傷を与えずにウェハ10aの離脱を行うことができる。ここで、ウェハ10aが切り出された後のインゴット10の表面は切断により粗くなっているので、吸着板102の表面は、加工により切断されたインゴット10の表面に密着する程度の柔軟性を有することが好ましい。
インゴット10の被加工部にレーザ光を照射して切断加工を行う場合、レーザ照射部材34と被加工部との間隔を一定に保つために現在の加工点位置を検出する必要がある。本実施形態では、図18に示すような加工点検出器110を用いて加工点の検出を行っている。この加工点検出器110は、支軸112を中心として回転可能な当接棒(当接部材)114と、当接棒114の一端を付勢して当接棒114をインゴット10の被加工面に当接させるばね116と、当接棒114の回転角(位置)を検知するセンサ118とを備えている。インゴット10は回転しているため、当接棒114が当接するインゴット10の被加工面は、加工深さに関して現在加工が行われている被加工部と同等の位置にあるといえる。したがって、このような加工点検出器110によれば、センサ118により検出された当接棒114の回転角に基づいて現在の加工点(加工深さ)を検出することができる。
また、光学的に加工点を検出することもできる。図19は、光学的に加工点を検出する加工点検出器120を示す模式図である。図19に示す加工点検出器120は、インゴット10に向けて測定光122を発する複数の投光素子を有する投光アレイ124と、投光アレイ124からの測定光122を受光する複数の受光素子を有する受光アレイ126とを備えている。このような加工点検出器120によれば、投光アレイ124から発された測定光122のうち、受光アレイ126で受光される測定光122を検出することで、現在の加工点(加工深さ)を検出することができる。
この場合において、図20に示すように、投光アレイ124をX方向(インゴット10の長手方向)に移動させて検出すべき加工点のX方向位置を決定することとしてもよい。すなわち、投光アレイ124をX方向に移動させると、受光アレイ126により測定される信号の大きさは図21に示すようなカーブを描く。このとき、図21において最大値を示す点Xが検出すべき加工点のX方向位置を示すこととなるので、この点Xにおいて加工点の検出を行う。
このようにして検出された加工深さとレーザ照射部材34の照射側の端部のZ方向位置とから、レーザ照射部材34とインゴット10の被加工部との間の距離を求めることができる。そして、この求められた距離に基づいて、モータ46によるインゴット10の回転速度やスライダ38によるレーザ照射部材34のZ方向への移動速度、あるいはレーザ光源20のエネルギ強度を調整すれば、加工条件を最適化することができる。
また、上述したレーザ照射部材34とインゴット10の被加工部との間の距離が所定の値(閾値)を超えるまではレーザ照射部材34をZ方向に移動させずに、上記距離が所定の値を超えたときに所定の距離だけレーザ照射部材34をZ方向に移動させて、レーザ照射部材34とインゴット10の被加工部との間の距離を小さくするように制御してもよい。この場合にレーザ照射部材34を移動させる距離は、上記閾値よりも小さくなるように設定する。
また、例えば、被加工物が実質的に透明な場合や、切断される被加工物が薄いために切断される被加工物に測定光を通過させることができる場合などにおいては、図22に示すように、光学式の加工点検出器128を切り出されるウェハ10a側に設置し、このウェハ10aに測定光を通過させてレーザ照射部材34の端部及び被加工部の位置を光学的に直接検知することができる。
上述の実施形態では、被加工物としてのインゴット10を相対移動機構としてのモータ46により回転させて加工を行った例を説明したが、相対移動は回転に限られるものではない。例えば、図23に示すように、被加工物10が矩形状の断面を有する場合には、被加工物10をY方向、すなわち加工の進行方向に対して垂直な方向に往復運動させる相対移動機構を用いることができる。
次に、上述したレーザ照射部材34の側板50の製造方法について図24(a)乃至図24(i)を参照して説明する。まず、厚さ30μmのステンレス薄板200を切り出し、表面を洗浄する(図24(a))。このステンレス薄板200の表面にレジスト202を塗布する(図24(b))。次に、レジスト202にマスキングを施して露光、現像することにより、上述した側板の凹部54に対応する位置のレジスト202を取り除く(図24(c))。そして、残ったレジスト202をマスクとしてエッチングを施し、ステンレス薄板200に例えば深さ10μmの凹部54を形成する(図24(d))。
上記レジスト202を剥離した後、再びレジスト204を塗布し、凹部54内の支持部56に対応する位置にレジスト204が残るように、レジスト204にマスキングを施して露光、現像する(図24(e))。そして、残ったレジスト204をマスクとして例えば10μmの深さまでエッチングを施し、凹部54内に支持部56を形成する(図24(f))。
上記レジスト204を剥離した後、再びレジスト206を塗布し、レジスト206にマスキングを施して露光、現像することにより、側板の両端部の孔50a及び不要部分に対応する位置のレジスト206を取り除く(図24(g))。そして、残ったレジスト206をマスクとしてエッチングを施し、側板の外形及び孔50aを形成する(図24(h))。その後、レジスト206を剥離することで、上述した側板50を容易に製造することができる(図24(i))。なお、このような製造工程は、一般的な半導体製造装置を用いて行うことが可能である。
なお、本実施形態においては、側板50をステンレス薄板で形成した例を説明したが、ステンレス以外の金属を用いてもよいことは言うまでもない。この場合において、側板50を、石英ファイバ52と熱膨張率が略同一の材料で形成すれば、レーザ照射部材34の温度変化によって部材に歪みが生じて導波材が割れてしまうことを防止することができる。例えば、側板50を、石英ファイバと略同一の熱膨張率を有するアンバー(インバー)材で形成してもよい。
ここで、図5に示す構造のレーザ照射部材34に代えて、図25に示す構造のレーザ照射部材134を用いることもできる。図25に示すレーザ照射部材134は、ステンレス製の2枚の平板状側板150,150と、これらの側板150,150の間に挟持されるステンレス製のスペーサ151,151とを備えている。側板150は、有機物からなる支持部156,156をその表面に有している。側板150,150の支持部156,156の間には導波材としての石英ファイバ52が挟持されている。この側板150の(X方向の)厚さは例えば10μmである。図25に示すように、2枚の側板150,150は同一形状を有しており、これらの側板150,150が互いに対向して配置される。
図26は、図25のレーザ照射部材134の1つの側板150を示す斜視図である。側板150は、例えば厚さ10μmのステンレス薄板から形成されている。この側板150の表面には、Z方向に沿って互いに平行に延びる2つの支持部156,156が設けられている。この支持部156,156の上面が石英ファイバ52の表面と接触するようになっている。
対向配置された側板150,150上の支持部156,156の間に石英ファイバ52を配置し、側板150,150のY方向の両端部に形成された孔150a,150aにボルトを締結することにより、石英ファイバ52が側板150,150上の支持部156,156の間に挟み込まれて固定される。このとき、図25に示すように、側板150,150はX方向に撓んでおり、側板150,150の支持部156,156は石英ファイバ52の表面に対して垂直な方向に石英ファイバ52を押さえて支持する。この状態においては、図25に示すように、スペーサ151と石英ファイバ52のY方向端部との間に空間158が形成され、石英ファイバ52のY方向端部がスペーサ151に接触しないようになっている。このような構成により、石英ファイバ52の角(端部)がスペーサ151に接触して破損してしまうことが防止される。
次に、上述したレーザ照射部材134の側板150の製造方法について図27(a)乃至図27(g)を参照して説明する。まず、両端に孔150aを形成した厚さ10μmのステンレス薄板300を用意する(図27(a))。この例では、半導体製造装置を用いて側板を製造するため、便宜上、ウェハ301上に粘着テープ302を用いて上記ステンレス薄板300を固定する(図27(b))。そして、このステンレス薄板300の表面に絶縁膜形成用のレジスト(有機物)304を塗布する(図27(c))。次に、マスキングテープ306で支持部156に対応する部分以外をマスキングし、露光する(図27(d))。その後、マスキングテープ306を取り除き(図27(e))、現像してレジスト304の未露光部分を除去すると、露光部分304aのみがステンレス薄板300上に残る(図27(f))。そして、粘着テープ302をはがしてステンレス薄板300をウェハ301上からはがすことで、有機物からなるレジスト304aを支持部156として有する側板150が完成する(図27(g))。このような方法により、肉厚の薄い側板150を容易に製造することができる。側板150の製造方法としては、上述した方法(フォトリソグラフィ法)以外に、印刷法がある。
図10に示す例では、側板50,50の間に石英ファイバ52を配置し、側板50,50を引っ張ることにより、レーザ照射部材34を保持しているが、このようにレーザ照射部材34を引っ張って保持した場合に、側板50の両面で圧力差が生じると、側板50が振動して加工の精度が悪くなってしまうことが考えられる。したがって、このような振動を防止するために、図28に示すように、側板50に振動を防止するための複数の孔50bを形成することが好ましい。また、この場合において、これらの複数の孔50bを引っ張り方向(図28の例ではY方向)に重ねて配置すると、この重なった部分に、引っ張り方向と垂直な方向のシワが生じるので、これらの複数の孔50bを引っ張り方向に重ならないように配置することが好ましい。
また、上述の実施形態では、Y方向にレーザ照射部材34を引っ張る例を説明したが、図29及び図30に示すように、Z方向にレーザ照射部材34を引っ張ることとしてもよい。すなわち、レーザ照射部材34のレーザ光の光軸と垂直な2辺をレーザ光の光軸の方向に引っ張ってもよい。図29及び図30に示す例では、図29のレーザ照射部材34の斜線で示した四隅を例えばクランプなどの治具310で把持してZ方向に引っ張っている。
また、石英ファイバ52を側板50,50の内部に固定する方法は、上述したものに限られない。例えば、図31に示すように、押圧部材312を介して側板50の外部から石英ファイバ52の表面と垂直な方向に押圧することにより、側板50,50の間に配置した石英ファイバ52を固定することもできる。このような構成により、石英ファイバ52の内部を通過するレーザ光の光軸のずれを防止することができる。また、石英ファイバ52を接着材により側板50,50の間に固定することもできる。この場合には、図32に示すように、側板50に接着材を溜める溜め部50cを形成することが好ましい。
また、図33に示すように、石英ファイバ52に係合溝52aを形成するとともに、側板50にこの係合溝52aに係合する突起50dを形成し、石英ファイバ52の係合溝52aに側板50の突起50dに係合させて石英ファイバ52を固定してもよい。更に、図34に示すように、側板50及び石英ファイバ52に貫通孔を形成し、この貫通孔にピン314を挿通させて石英ファイバ52を固定してもよい。これにより、石英ファイバ52のずれを防止することができる。
また、図5に示す例では、2枚の側板50,50の間に石英ファイバ52を挟み込んでいるが、これに限られるものではない。例えば、図35(a)に示すように、1枚の側板250と、側板250に固定される石英ファイバ52とによりレーザ照射部材234を形成することもできる。この場合において、図35(b)に示すように、接着材316を用いて石英ファイバ52を側板250に固定してもよく、あるいは図35(c)に示すように、ブラケット318を用いて石英ファイバ52を側板250に固定してもよい。また、ねじやピン、溶接などにより石英ファイバ52を側板250に固定することもできる。
上述した実施形態では、被加工物としてGaPインゴットを用いた例について説明したが、被加工物はこれに限られるものではなく、例えばSiインゴットやウェハを被加工物として用いることもできる。
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
従来のブレードソー式加工装置を示す概略斜視図である。 従来のワイヤソー式加工装置を示す概略斜視図である。 本発明の第1の実施形態におけるレーザ加工装置の全体構成を示す模式図である。 図3のA方向から見た模式図である。 本発明の第1の実施形態におけるレーザ加工装置のレーザ照射部材を示す底面図である。 図5のレーザ照射部材の側板を示す斜視図である。 図7(a)及び図7(b)は、図5のレーザ照射部材の石英ファイバの内部を通るレーザ光を示す模式図であり、図7(a)はX方向の断面図、図7(b)はY方向の断面図である。 図8(a)は図5のレーザ照射部材から照射されるレーザを示す模式図であり図8(b)は本発明の他の実施形態におけるレーザ照射部材から照射されるレーザを示す模式図である。 図9(a)は図5のレーザ照射部材の形状を示す模式図であり、図9(b)は本発明の他の実施形態におけるレーザ照射部材の形状を示す模式図である。 図5のレーザ照射部材を保持部材に取り付けた状態を示す正面図である。 図10のB−B線断面図である。 図10のC−C線断面図である。 図10の保持部材に取り付けられた供給ノズルを示す正面図である。 図13の部分拡大底面図である。 図10のレーザ照射部材及び保持部材の近傍を示す側断面図である。 本発明の第1の実施形態における吸着部を示す模式図である。 切断加工後における図16に示す吸着部を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態における加工点検出器を示す模式図である。 本発明の他の実施形態における加工点検出器を示す模式図である。 図19の加工点検出器を用いて検出すべき加工点を決定する方法を説明する模式図である。 測定される信号の大きさと図20におけるX方向位置との関係を示すグラフである。 本発明の他の実施形態における加工点検出器を示す模式図である。 本発明の他の実施形態における相対移動機構による相対移動を示す模式図である。 図24(a)乃至図24(i)は、図6に示す側板を製造する工程を示す模式図である。 図5のレーザ照射部材の変形例を示す底面図である。 図25のレーザ照射部材の側板を示す斜視図である。 図27(a)乃至図27(g)は、図26に示す側板を製造する工程を示す模式図である。 図10のレーザ照射部材の改良例を示す正面図である。 図10のレーザ照射部材の引っ張り方向を変えた例を示す正面図である。 図29の側面図である。 図5の石英ファイバを側板の間に固定する方法の変形例を示す斜視図である。 図6に示す側板の変形例を示す斜視図である。 図5のレーザ照射部材の変形例を示す断面図である。 図5のレーザ照射部材の他の変形例を示す斜視図である。 図35(a)は本発明の他の実施形態におけるレーザ照射部材を示す斜視図、図35(b)は図35(a)における側板と石英ファイバとの固定方法を示す断面図、図35(c)は図35(a)における側板と石英ファイバとの他の固定方法を示す断面図である。
符号の説明
10 インゴット
12 インゴット保持部
20 レーザ光源
22 レーザ導入管
24 ビーム拡大器(エクスパンダ)
26 ビーム減光器(アテネータ)
28 反射鏡
30 シリンダレンズ
32 集光レンズ
34,134,234 レーザ照射部材
36 固定フレーム
38,48 スライダ
40 可動フレーム
42 保持部材
44 筒体
46,104 モータ
49 モータ台
50,150,250 側板
50c 溜め部
50d 突起
52 石英ファイバ
52a 係合溝
54 凹部
56,156 支持部
70 ボルト
72a,72b 取付部材
74 貫通孔
76 ピン
78,84 押付ボルト
80 突出軸
82 突出片
86 係合部
88 圧縮ばね
90 通光孔
92 供給ノズル
94 水流
95 枠体
96 気密空間
97 流体導入管
100 吸着部
102 吸着板
110,120,128 加工点検出器
112 支軸
114 当接棒(当接部材)
116 ばね
118 センサ
122 測定光
124 投光アレイ
126 受光アレイ
151 スペーサ
200,300 ステンレス薄板
202,204,206,304 レジスト
301 ウェハ
302 粘着テープ
306 マスキングテープ
310 治具
312 押圧部材
314 ピン
316 接着材
318 ブラケット

Claims (18)

  1. レーザ光源と、
    被加工物を保持する保持部と、
    前記保持部に保持された被加工物の被加工部に前記レーザ光源からのレーザ光を照射するレーザ照射部材と、
    前記レーザ照射部材と前記被加工物とを相対的に移動させる相対移動機構と、
    前記レーザ照射部材と前記被加工物の被加工部との間の距離を調整する距離調整機構とを備え、
    前記レーザ照射部材の照射側の端部は薄板状であることを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 前記レーザ照射部材の入射側の端部は薄板状であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. レーザ光源と、
    被加工物を保持する保持部と、
    前記保持部に保持された被加工物の被加工部に前記レーザ光源からのレーザ光を照射するレーザ照射部材と、
    前記レーザ照射部材と前記被加工物とを相対的に移動させる相対移動機構と、
    前記レーザ照射部材と前記被加工物の被加工部との間の距離を調整する距離調整機構とを備え、
    前記レーザ照射部材は、少なくとも1つの側板と、該側板に固定される導波材とを備え、
    前記レーザ照射部材の内部を通過するレーザ光は、前記導波材と該導波材の外部空間との界面において前記レーザ照射部材の厚さ方向に全反射しながら進行することを特徴とするレーザ加工装置。
  4. 前記レーザ照射部材を通過するレーザ光は、前記レーザ照射部材の厚さ方向と垂直な面内では平行光であることを特徴とする請求項3に記載のレーザ加工装置。
  5. 前記レーザ光が全反射する導波材の表面の領域は前記側板に接触しないことを特徴とする請求項3又は4に記載のレーザ加工装置。
  6. 前記導波材の外部空間は、前記レーザ照射部材の厚さ方向に前記レーザ光の1波長以上の幅を有することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
  7. レーザ光源と、
    被加工物を保持する保持部と、
    前記保持部に保持された被加工物の被加工部に前記レーザ光源からのレーザ光を照射するレーザ照射部材と、
    前記レーザ照射部材と前記被加工物とを相対的に移動させる相対移動機構と、
    前記レーザ照射部材と前記被加工物の被加工部との間の距離を調整する距離調整機構とを備え、
    前記レーザ照射部材は、少なくとも1つの側板と、該側板に固定される導波材とを備え、
    前記導波材の表面に流体を存在させることを特徴とするレーザ加工装置。
  8. 前記レーザ照射部材の入射側の端部に気密空間を形成し、
    前記気密空間に前記流体を導入する流体導入管を接続し、
    前記気密空間の圧力を前記レーザ照射部材の照射側の端部の圧力よりも高くして前記流体を前記導波材の表面に存在させることを特徴とする請求項7に記載のレーザ加工装置。
  9. 前記流体は気体又は液体であることを特徴とする請求項7又は8に記載のレーザ加工装置。
  10. 被加工物を保持部により保持し、
    前記保持部に保持された被加工物の被加工部にレーザ光源からのレーザ光をレーザ照射部材を介して照射し、
    前記レーザ照射部材の照射側の端部を薄板状とし、
    前記レーザ照射部材と前記被加工物の被加工部との間の距離を調整しつつ、前記レーザ照射部材と前記被加工物とを相対的に移動させて前記レーザ光により前記被加工物を加工することを特徴とするレーザ加工方法。
  11. 前記レーザ照射部材の入射側の端部を薄板状としたことを特徴とする請求項10に記載のレーザ加工方法。
  12. 被加工物を保持部により保持し、
    前記保持部に保持された被加工物の被加工部にレーザ光源からのレーザ光を、少なくとも1つの側板と該側板に固定された導波材とを有するレーザ照射部材を介して照射し、
    前記レーザ照射部材の内部を通過するレーザ光を、前記導波材と該導波材の外部空間との界面において前記レーザ照射部材の厚さ方向に全反射させながら進行させ、
    前記レーザ照射部材と前記被加工物の被加工部との間の距離を調整しつつ、前記レーザ照射部材と前記被加工物とを相対的に移動させて前記レーザ光により前記被加工物を加工することを特徴とするレーザ加工方法。
  13. 前記レーザ照射部材を通過するレーザ光を、前記レーザ照射部材の厚さ方向と垂直な面内では平行光としたことを特徴とする請求項12に記載のレーザ加工方法。
  14. 前記レーザ光が全反射する導波材の表面の領域を前記側板に接触させないことを特徴とする請求項12又は13に記載のレーザ加工方法。
  15. 前記導波材の外部空間は、前記レーザ照射部材の厚さ方向に前記レーザ光の1波長以上の幅を有することを特徴とする請求項12乃至14のいずれか一項に記載のレーザ加工方法。
  16. 被加工物を保持部により保持し、
    前記保持部に保持された被加工物の被加工部にレーザ光源からのレーザ光を、少なくとも1つの側板と該側板に固定された導波材とを有するレーザ照射部材を介して照射し、
    前記レーザ照射部材と前記被加工物の被加工部との間の距離を調整しつつ、前記レーザ照射部材と前記被加工物とを相対的に移動させて前記レーザ光により前記被加工物を加工し、
    前記導波材の表面に流体を存在させることを特徴とするレーザ加工方法。
  17. 前記レーザ照射部材の入射側の端部に気密空間を形成し、
    前記気密空間に前記流体を導入する流体導入管を接続し、
    前記気密空間の圧力を前記レーザ照射部材の照射側の端部の圧力よりも高くして前記流体を前記導波材の表面に存在させることを特徴とする請求項16に記載のレーザ加工方法。
  18. 前記流体は気体又は液体であることを特徴とする請求項16又は17に記載のレーザ加工方法。
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