JP2005142239A - 希ガス保有設備及び希ガス回収供給装置並びに希ガス保有設備における構成部品の交換方法 - Google Patents

希ガス保有設備及び希ガス回収供給装置並びに希ガス保有設備における構成部品の交換方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 系内に希ガスを保有する設備の構成部品を交換する際の希ガスの損失を抑える。
【解決手段】 複数の構成部品を配管で接続した系内に希ガスを保有する希ガス保有設備であって、前記複数の構成部品の中で、少なくとも定期的な交換が必要な構成部品に接続した希ガス配管Rに、該構成部品を他の構成部品から切り離すために該希ガス配管を閉止するための閉止弁Sと、該閉止弁よりも前記構成部品側で該構成部品を希ガス配管から着脱するための接続部Jと、前記希ガス配管から分岐した分岐配管Dと、該分岐配管を閉止するための閉止弁Bと、該閉止弁の反希ガス配管側に設けられた継手部Cとを設けている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、希ガス保有設備及び希ガス回収供給装置並びに希ガス保有設備における構成部品の交換方法に関し、詳しくは、系内に付加価値の高い希ガス、例えば、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等を保有する設備に設けられている各種構成部品を、該構成部品内や該構成部品に接続する希ガス配管内に存在する希ガスの損失を最小限に抑えて構成部品を交換することが可能な構造を有する希ガス保有設備と、該希ガス保有設備の構成部品を交換する際に、該構成部品内や該構成部品に接続する希ガス配管内に存在する希ガスを効率よく回収できるとともに、構成部品を交換した後に回収した希ガスを新たな構成部品に無駄なく供給することができる希ガス回収供給装置と、前記希ガス保有設備の構成部品を希ガスの損失を最小限に抑えながら交換する方法とに関する。
これまでの半導体、平板ディスプレイ、太陽電池又は磁性体薄板等の半導体製品の生産方式は、DRAM等のメモリ製造に代表される少品種大量生産方式が主であった。そして、これらで用いられる半導体製品の製造装置は単機能で、機能(プロセス)に応じて複数台導入する一括投資によって構築された方式である。すなわち、それぞれのプロセス装置の生産効率が異なるため、生産効率の高い装置は小数台導入する一方、生産効率の低い装置は大量に導入してプロセス毎の生産能力を同等とすることにより、工場全体として最大限の能力を発揮できるように考案されていた。
一方、ディジタルネットワーク対応情報家電用のシステムLSI(SoC:System on Chip)生産では、多品種少量生産が強く望まれている。しかし、現状の少品種大量生産方式のために製作された、1プロセスチャンバで1プロセスしか行えない単機能な製造装置では、多品種少量生産方式に対応することは困難である。
これは、前述した通り、現在の半導体製造装置は、単機能であると同時にプロセス装置によって生産効率が大幅に異なるためである。例えば、イオン注入装置やステッパーの生産効率は約100枚/時であるのに対し、スパッタやCVD等の生産効率は10枚/時に過ぎない。そのため、生産効率の低い装置の導入台数を増やさざるを得ず、必然的に装置台数が多くなり、小規模生産ラインを構築することが困難な状況にある。
一台の半導体製造装置で複数のプロセスを処理し、かつ、それぞれの補完が可能なように、複数種存在するプロセス方式を一つにまとめた低電子温度プラズマプロセスとすることによって小規模生産ラインを実現することが提案されている。この低電子温度プラズマプロセスであれば、SoC需要に応じた段階投資による少量生産が可能である。
低電子温度プラズマの生成のためには、プラズマ電子温度の低いプラズマ発生機構の構築が必要である。プラズマ電子温度の低いプラズマ発生機構としては、既に種々考案されており、例えば、ラジアルラインスロットルアンテナをマイクロ波放射源に用いたマイクロ波励起高密度プラズマ装置がある。この装置によれば、ウェハの設置される位置でのプラズマの電子温度は約1eVである。
また、同じプラズマ発生機構でも、プラズマを発生させるガスを電子の衝突断面積の大きなガスに変えることによって、よりプラズマ電子温度を低くする方法が提案されている。ここで用いられるガスは、クリプトン、キセノン等の希ガスであり、例えば、前述のマイクロ波励起高密度プラズマ装置にクリプトンやキセノンを用いた場合のプラズマ電子温度は、それぞれ、0.7eV、0.5eVである。
複数のプロセスを低電子温度プラズマ装置で行う場合、クリプトン又はキセノンでプラズマを発生させた一つのチャンバ内に次から次へと複数種のガスを切り替えて導入する。例えば、化学気相堆積(CVD)の場合、解離性の高いCVD用水素化物系ガスを導入する。これらCVDガスは、僅かなエネルギーの付与で容易に分解して吸着しやすい副生成物となることが知られている。一方、反応性イオンエッチング(RIE)の場合は、エッチング用のガス、例えば、ハロゲン系ガスを導入する。これらのガスは易吸着性ガスが多く、したがって、CVDやRIEプロセスの終了時には、クリーニング用のガス、例えばフッ素系ガスを導入する必要があった。
しかしながら、ガスクリーニングを行ってもチャンバ及び排気配管系の内面に吸着/付着した生成物を完全に除去することは困難であるから、ある周期でチャンバ及び排気配管系を開放してその除去作業(開放メンテナンス)を実施していた。
なお、今まで、チャンバや排気配管系について説明したが、これらのガスの導入又は排気・回収のためのガス供給系部材(バルブ,流量制御器等)、真空排気ポンプ,排気ガス除害・回収装置についても同様に、ガスの吸着/付着、分解等により所定の性能を発揮できない場合がしばしば発生し、プロセス装置全体の効率を引き下げる要因の一つとなっていた。
さらに、ネットワーク対応システムLSIは、動作速度がGHz帯にまで到達している。LSIの動作速度がGHzクロック以上になり、なおかつ低消費電力化を実現しようとすると、電流駆動能力の大きいトランジスタ、すなわち、高誘電率ゲート絶縁膜、金属ゲート電極構造MOSトランジスタが要求される。さらに、埋め込み絶縁膜に隣接して数μm厚さの金属層を有する、基板抵抗が低い金属層導入SOI基板の導入が要求される。
現在の半導体製造装置や製造プロセスでは、このようなデバイス構造を有するLSIの製造は困難である。これは、現状のトランジスタ周りの製造プロセスが、1000℃前後の高温工程による分子反応ベースだからであり、金属基板導入のためには、全てプロセスを、望ましくは500℃程度以下で行う必要があるためである。この結果、これまでの熱プロセスに替わり、プラズマプロセスを主体としたラジカル反応ベースの製造工程が必要とされている。
クリプトンやキセノンは、空気中の存在比自体が極めて小さいこと及び分離工程が複雑なことから極めて高価である。したがって、このようなガスを使用するプロセスでは、使用済みのガスを回収して精製し、高効率で循環使用することを前提として初めて経済性を持つ。さらに、回収したクリプトンやキセノンは、不純物濃度が少なくとも100ppm以下の高純度下で使用される。
各種原料ガスから目的とするガスを分離回収する方法として、圧力変動吸着分離(PSA)法がよく知られている。例えば、空気を原料として酸素を製品として得ようとする場合、ゼオライトを吸着剤として用いて加圧下で空気を流通させることにより、易吸着成分である窒素が吸着剤側に固定し、難吸着成分である酸素が吸着剤層から流出する。次いで、吸着剤層を空気の流通工程より十分に低い圧力条件下におけば、吸着剤に固定されていた窒素が脱離する。相対的に高い圧力での吸着操作と相対的に低い圧力での再生操作を繰り返すPSA操作は、短時間での吸着−再生の切り替えが可能なため、吸着剤当たりの製品発生量を高めやすく、装置をコンパクトにしやすいという利点を持つ。
なお、この場合、目的とするガス成分は酸素ガスであるが、PSA法を用いて半導体装置の製造装置から排出されるガス中の希ガス成分を分離精製する方法も考案されている。この方法は、半導体装置の製造装置から大気圧で排出されるガスを圧縮機により圧縮・回収して一旦バッファタンクに貯留し、さらに、別途設置された圧縮機により所定の圧力まで圧縮した加圧ガスを吸着剤を充填した筒内に加圧下で流通させることにより、希ガスを高純度で分離精製して再び半導体装置の製造装置へ還流させる閉ループを形成するとともに、前記吸着剤とは特性の異なる吸着剤を充填した筒内に加圧下で前記加圧ガスを流通させることにより、希ガス成分をほとんど含まないガス成分を分離精製して系外に排出するものである(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−164720号公報
特許文献1に記載された方法によれば、希ガス成分は系外に排出されるガスに僅かに含まれる分だけであるので、高回収率で希ガスを回収することが可能である反面、その系内には多くの希ガス成分を保有することになる。なお、このような希ガスの保有設備は、長時間の運転により、たとえ僅かであっても閉ループ内の保有希ガス量が減少するため、別途設けられた希ガス容器から減少した分の希ガスをバッファタンクに添加する必要がある。また、この方法で用いられる圧縮機は、その安定運転のため、例えば、年に1回程度の点検修理が必要であり、圧縮機を取り外す必要がある。さらに、圧縮機以外にも、分離精製した希ガスの純度を計測するためのモニターや、前記希ガスの容器も取り外して交換する必要がある。
また、この方法は、高効率で希ガスを回収することができるものである。例えば、クリプトンガスを回収する場合、回収率は大略99.9%程度であり、1L/分(ガスの体積は、特記されたもの以外は0℃、1気圧の換算値で表している。)の希ガス流量の場合、系外に排出されるクリプトンガスの流量はわずか0.1cc/分となる。一方、例えば、希ガス容器とバッファタンクとを接続する配管の内容積は80ccである。ここで、この配管内に希ガスが0.2MPaの圧力で封入されているとすると、封入されている希ガス総量は160ccとなる。希ガスを用いない場合、前記配管内に存在するガス量は、半導体装置又は表示装置の製造装置にとっては無視しえる程度に僅かな量であるが、希ガスを高回収率で回収する回収装置では、プロセス時間として1600分に相当するほどの量になってしまう。したがって、交換を要するガス容器、圧縮機等の取り外しの際は、極めて慎重な取り外しを行うとともに、希ガスを系外に捨てないようにする必要がある。また、不測の事態によって意図しない部品を交換する際にも、同様に希ガスを系外に排出しない工夫が必要である。
さらに、少量多品種生産のために構築された生産ラインでは、1台の製造装置の停止時間が製造ライン全体の生産性に大きく影響するため、可能な限り短時間で必要部品の交換作業を行う必要がある。最短時間での装置の再起動を可能とするためには、交換の際に系内に混入する大気成分を極限まで低減する工夫、すなわち、大気を巻き込まない工夫が重要である。
そこで、本発明は、構成部品内や該構成部品に接続する希ガス配管内に存在する希ガスの損失を最小限に抑えて構成部品を交換することが可能な構造を有する希ガス保有設備と、希ガス保有設備の構成部品を交換する際に、該構成部品内や該構成部品に接続する希ガス配管内に存在する希ガスを効率よく回収できるとともに、構成部品を交換した後に回収した希ガスを新たな構成部品に無駄なく供給することができる希ガス回収供給装置と、前記希ガス保有設備の構成部品を希ガスの損失を最小限に抑えながら交換するための希ガス保有設備における構成部品の交換方法とを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の希ガス保有設備は、複数の構成部品を配管で接続した系内に希ガスを保有する希ガス保有設備であって、前記複数の構成部品の中で、少なくとも定期的な交換が必要な構成部品に接続した希ガス配管に、該構成部品を他の構成部品から切り離すために該希ガス配管を閉止するための閉止弁と、該閉止弁よりも前記構成部品側で該構成部品を希ガス配管から着脱するための接続部と、前記希ガス配管から分岐した分岐配管と、該分岐配管を閉止するための閉止弁と、該閉止弁の反希ガス配管側に設けられた継手部とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の希ガス回収供給装置は、前記構成の希ガス保有設備の前記構成部品を交換する際に、該構成部品や該構成部品に接続した希ガス配管内に存在する希ガスを回収して貯留し、前記構成部品を交換した後に、貯留した希ガスを元の位置に供給するための希ガス回収供給装置であって、前記分岐配管に設けられた前記継手部に、希ガス回収供給装置側の配管を接続するための継手部と、該継手部から少なくとも一つの閉止弁及びガス圧縮機を有する希ガス回収配管を介して接続した希ガス貯留容器と、該希ガス貯留容器から少なくとも一つの閉止弁及びガス圧縮機を有する希ガス供給配管を介して前記継手部に接続した希ガス供給配管と、ガス圧縮機、希ガス貯留容器を含む配管系内をパージするためのパージ系統とを備えていることを特徴としている。
さらに、本発明の希ガス回収供給装置は、前記分岐配管に設けられた前記継手部に接続する継手部から第1閉止弁、第2閉止弁、ガス圧縮機及び第3閉止弁を含む希ガス回収配管を介して接続した希ガス貯留容器と、該希ガス貯留容器から第4閉止弁、第5閉止弁、ガス圧縮機及び第6閉止弁を含む希ガス供給配管を介して前記継手部に接続した希ガス供給配管と、ガス圧縮機、希ガス貯留容器を含む配管系内をパージするためのパージ系統とを備え、前記希ガス回収配管の第1閉止弁の二次側と、前記希ガス供給配管の第4閉止弁の二次側とが、前記ガス圧縮機の吸引側に設けられた前記第2閉止弁と前記第5閉止弁とを兼用する圧縮機入口弁の一次側で合流し、前記第1閉止弁及び前記第4閉止弁のいずれか一方を開弁することによって回収ガス又は供給ガスをガス圧縮機が吸引する状態となるように形成されるとともに、ガス圧縮機の吐出側は、前記第3閉止弁の一次側に向かう希ガス回収配管と前記第6閉止弁の一次側に向かう希ガス供給配管とが分岐し、前記第3閉止弁及び第6閉止弁のいずれか一方を開弁することによって回収ガスを前記希ガス貯留容器へ、又は、供給ガスを前記継手部を介して前記希ガス保有設備に供給する状態となるように形成され、1台のガス圧縮機をガス回収用とガス供給用との双方に使用可能な状態に形成したことを特徴としている。
また、本発明の希ガス保有設備における構成部品の交換方法は、前記構成の希ガス保有設備に設けられている前記構成部品を交換する方法であって、交換する構成部品に接続する希ガス配管に設けられた前記閉止弁を閉止し、該構成部品及び/又は希ガス配管の内部の希ガスを吸引して回収し、該構成部品を新たな構成部品に交換して該新たな構成部品及び/又は希ガス配管の内部を減圧し、前記閉止弁を開いて該構成部品及び/又は希ガス配管の内部に希ガスを導入することを特徴としている。
さらに、本発明の希ガス保有設備における構成部品の交換方法は、前記構成の希ガス保有設備に設けられている前記構成部品を、前記構成の希ガス回収供給装置を使用して交換する方法であって、交換する構成部品に接続する希ガス配管に設けられた前記閉止弁を閉止して該構成部品を他の構成部品から切り離すとともに、該構成部品に接続する前記分岐配管に設けられた前記継手部に前記希ガス回収供給装置の前記継手部を接続し、該継手部から前記第2閉止弁までの希ガス回収配管内の大気成分をパージし、前記ガス圧縮機により前記構成部品及び/又は希ガス配管の内部の希ガスを吸引して前記ガス貯留容器に回収し、該構成部品を新たな構成部品に交換して該新たな構成部品及び/又は希ガス配管の内部を減圧し、前記ガス圧縮機によりガス貯留容器内の希ガスを新たな構成部品及び/又は希ガス配管の内部に希ガスを導入し、前記閉止弁を開いて新たな構成部品を他の構成部品と連通させた状態とすることを特徴としている。
本発明によれば、付加価値の高いヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等の希ガスを保有する希ガス保有設備における構成部品の交換を、希ガスの損失を最小限に抑えて行うことができる。
図1は本発明の希ガス保有設備の一形態例を示す系統図、図2は本発明の希ガス回収供給装置の一形態例を示す系統図、図3乃至図4は、希ガス回収供給装置で希ガスを回収、供給する操作を説明するための説明図である。
まず、図1に示す希ガス保有設備11は、半導体製品及び表示装置の製造装置に用いられる希ガスをその場で回収して精製し、前記製造装置に再び供給するための希ガス循環供給設備であって、この希ガス循環供給設備は、希ガスとして、例えばクリプトンを使用するプラズマ装置の真空排気装置から排出される排ガス、例えば、窒素とクリプトンとを含む排ガスを希ガス回収経路12を介して回収し、PSA装置13で精製した後の希ガス(クリプトン)を希ガス導出経路14からプラズマ装置に再び供給するための閉ループを形成している。
この希ガス循環供給設備は、回収弁15を介して回収した排ガスを所定の圧力まで圧縮する第1圧縮機16と、排ガス中の水分を除去する水分除去器17と、圧縮された排ガス中の希ガスの濃度を均一化し、かつ、PSA装置13からの再生ガスを貯留するための低圧貯留タンク18と、低圧貯留タンク18内のガスを圧縮する第2圧縮機19と、該圧縮ガスを貯留するための高圧貯留タンク20と、窒素及び希ガスに対してそれぞれ異なった吸着特性を持つ吸着剤を充填した吸着筒13a,13bによって構成された前記PSA装置13と、精製した希ガスを貯留する製品貯留タンク21aと、窒素を主成分とした排ガスを貯留する排ガス貯留タンク21bと、前記低圧貯留タンク18に流量制御装置22を介して新たな希ガスを導入する希ガス容器23と、PSA装置13で精製した希ガス中に残留する不純物を検出するための不純物計測装置24と、希ガス中から前記不純物を除去するための希ガス精製装置25とを備えている。
前記PSA装置13には、各吸着筒13a,13bの吸着工程で高圧貯留タンク20内のガスを吸着筒に導入するための入口弁26a,26bと、吸着工程で各吸着筒から導出する難吸着成分ガスあるいは再生工程で各吸着筒に導入する難吸着成分ガスの流量を制御する流量制御弁27a,27bと、再生工程で各吸着筒から再生回収ガスを導出するための再生出口弁28a,28bと、均圧弁29とが設けられている。また、排ガス貯留タンク21bには、排ガスを系外に排出するための排出経路30と、排ガスの一部又は全量を必要に応じて低圧貯留タンク18に循環導入する排ガス循環経路31と、排出経路30及び循環経路31のガス流量を制御するための調節弁32,33とが設けられている。
製品貯留タンク21aと希ガス精製装置25との間の希ガス供給経路34からは、不純物計測装置24に希ガスの一部を導入するための分析経路35が分岐しており、不純物計測装置24には、計測終了後の希ガスを低圧貯留タンク18に戻す希ガス返送経路36が設けられている。さらに、希ガス供給経路34からは、希ガスの一部を必要に応じて低圧貯留タンク18に循環導入する希ガス循環経路37も分岐しており、調節弁38によって希ガスの循環量を調節できるようにしている。
この希ガス循環供給設備は、通常の運転状態では、次に説明する手順でプラズマ装置から排出された排ガス中の希ガス(クリプトン)を精製してプラズマ装置に供給する。プラズマ装置から排出された窒素及びクリプトンを含む排ガスは、希ガス回収経路12から回収弁15を通り、第1圧縮機16によって低圧貯留タンク18内に送り込まれ、該低圧貯留タンク18内に一旦貯留される。このとき、排ガスに含まれる水分は、水分除去器17によって除去される。また、低圧貯留タンク18は、例えば、容積可変式を用いて内圧を常時大気圧に保持するようにしている。
低圧貯留タンク18において、前記排ガスは、PSA装置13から循環する再生ガスと混合するとともに、ガス組成の均一化が図られる。低圧貯留タンク18内のガスは、第2圧縮機19に吸入されて圧縮され、高圧貯留タンク20を介してPSA装置13に送られる。PSA装置13では、一方の吸着筒13aには、窒素を易吸着成分とする吸着剤が充填されており、難吸着成分であるクリプトンが製品貯留タンク21aに導出される。他方の吸着筒13bには、クリプトンを易吸着成分とする吸着剤が充填されており、難吸着成分である窒素が排ガス貯留タンク21bに導出される。
製品貯留タンク21a内のクリプトンは、希ガス供給経路34を通って希ガス精製装置25に導入され、ここで残留微量不純物が除去されて高純度のクリプトンとなり、希ガス導出経路14からプラズマ装置に再び供給される。また、一部のクリプトンは、希ガス供給経路34から分析経路35に分岐し、不純物計測装置24で不純物濃度を計測された後、希ガス返送経路36を通って低圧貯留タンク18に戻される。さらに、必要に応じて一部のクリプトンが希ガス循環経路37を通って低圧貯留タンク18に導入される。排ガス貯留タンク21b内の窒素は、排出経路30から排出され、必要に応じて一部の窒素が希ガス循環経路37を通って低圧貯留タンク18に導入される。
前記低圧貯留タンク18では、希ガス回収経路12から導入されるプラズマ装置からの排ガス、PSA装置13から循環する再生ガス、希ガス返送経路36から返送されるクリプトン、希ガス循環経路37を通って循環するクリプトン及び希ガス循環経路37を通って循環する窒素により、運転中は略一定のガス組成を維持するようになっており、排出経路30から窒素と共に排出される少量のクリプトン量に対応した量のクリプトンが流量制御装置22で流量制御されて希ガス容器23から低圧貯留タンク18に導入される。
このように構成した希ガス保有設備11(希ガス循環供給設備)における各構成部品の中で、第1圧縮機16及び第2圧縮機19は、その安定運転のため、例えば、年に1回程度の点検、修理が必要であり、このときには圧縮機を前後の希ガス配管から取り外す必要がある。さらに、圧縮機以外にも分離精製した希ガスの純度を計測するための不純物計測装置24も、定期的に点検、交換する必要がある。また、水分除去器17を吸着式とした場合、水分を吸着しても希ガスを吸着しない吸着剤、例えば13X型モレキュラーシーブスを使用した場合は、所定量の水分を吸着した吸着剤は新たに水分を吸着しなくなるため、定期的に吸着剤を再生あるいは交換する必要である。希ガス容器23も、容器内の希ガス量が減少したときには、新たな希ガス容器に交換しなければならない。その他の構成部品においても、異常発生時には交換や修理が必要となる。
これらの構成部品の点検や交換を、希ガスの損失を抑えながら行うための構成として、例えば、第1圧縮機16及び水分除去器17に接続する希ガス配管Rには、これらを他の構成部品、例えば低圧貯留タンク18やプラズマ装置の真空排気装置(希ガス回収経路12)から切り離すための一対の閉止弁S(一方は回収弁15が兼用)と、該閉止弁Sよりも第1圧縮機16及び水分除去器17側で、該第1圧縮機16及び水分除去器17を希ガス配管Rから着脱するための接続部Jと、前記希ガス配管Rから分岐した分岐配管Dと、該分岐配管Dを閉止するための閉止弁Bと、該閉止弁Bの反希ガス配管側に設けられた継手部Cとが設けられている。
他の定期的に点検や交換を必要とする構成部品、すなわち、第2圧縮機19、希ガス容器23、不純物計測装置24に接続する各希ガス配管Rにも、同様の閉止弁S、接続部J、分岐配管D、閉止弁B及び継手部Cがそれぞれ設けられている。さらに、これらの構成部品以外の構成部品、例えば、低圧貯留タンク18や希ガス精製装置25に接続する各希ガス配管Rにも、同様の閉止弁S、接続部J、分岐配管D、閉止弁B及び継手部Cをそれぞれ設けている。継手部Cは、閉止弁Bの反分岐配管D側に一体に設けてもよく、閉止弁Bに配管を介して継手部材を設けるようにしてもよい。ここで、継手には、減圧から高圧まで洩れを生じないものであれば、その種類・形状を問うものではないが、金属ガスケットを用いたものが望ましい。
なお、低圧貯留タンク18には、分岐配管Dを接続部Jを介して直接接続するようにしているが、該低圧貯留タンク18に接続する複数の希ガス配管Rの任意の配管から分岐させることもできる。さらに、隣接する構成部品間に接続する希ガス配管Rに設ける閉止弁Sは、両構成部品用に兼用させることができ、構成部品に閉止弁Sとして使用可能な弁、例えば、希ガス容器23の容器元弁23aは、これを閉止弁Sとして使用することができ、前述のように、回収弁15を閉止弁Sとして用いることができる。また、希ガス回収経路12から分岐している配管39及びこの配管39に設けられている弁40は、プラズマ装置のパージ用配管及びパージ弁である。
ここで、各構成部品を交換する際に、希ガスの損失を抑えるために構成部品や希ガス配管から回収するガスは、該構成部品や希ガス配管の位置によって組成が異なり、例えば、希ガス容器23に接続した希ガス配管から回収するガスは高純度の希ガスであるが、第1圧縮機16や水分除去器17から回収するガスの組成は、プラズマ装置からの排ガスの組成となっている。すなわち、本明細書でいう希ガスの回収は、希ガスのみを回収することを意味するものではなく、希ガスを含む混合ガスを回収することも含んでいる。
例えば、希ガス容器23を交換する場合、該希ガス容器23は、希ガス容器23に付属している容器元弁23aの接続部J(23J)を外すことによって希ガス配管R(23R)から切り離される。このとき、該希ガス容器23に接続した希ガス配管R(23R)の閉止弁S(23S)を閉止して系内から希ガスが放出されないようにするが、閉止弁S(23S)を閉止しただけで接続部J(23J)を外すと、希ガス配管R(23R)内の希ガスが大気に放出されて損失となる。
この希ガス配管R(23R)内の希ガスの損失を抑えるため、希ガス容器23の交換は、以下の手順によって行われる。まず、希ガス容器23の容器元弁23aを閉止した後、希ガス配管R(23R)内の希ガスを低圧貯留タンク18に回収する。この低圧貯留タンク18への希ガスの回収は、希ガス保有設備11の運転を停止して全ての弁(閉止弁S,Bを含む)を閉じた後、容器元弁23aから低圧貯留タンク18及び第2圧縮機19を通って高圧貯留タンク20に至る各希ガス配管Rの各閉止弁Sを開いた状態で第2圧縮機19を運転し、容器元弁23aに接続した希ガス配管R(23R)から低圧貯留タンク18内及び該低圧貯留タンク18に接続した各希ガス配管R内の希ガスを第2圧縮機19により、減圧状態、例えば300Torr(約40kPa)程度になるまで吸引して高圧貯留タンク20に導入する、これにより、希ガス容器23に接続した希ガス配管R(23R)内の希ガスが、分岐配管D(23D)内の希ガスを含めて高圧貯留タンク20に回収されたことになる。
次に、各閉止弁Sを閉じるとともに第2圧縮機19を停止した後、容器元弁23aの接続部J(23J)を外し、希ガス配管R(23R)から希ガス容器23を取り外して新しい希ガス容器23に交換する。このとき、希ガス配管R(23R)が大気に開放されて該配管内の希ガスが大気に放出されるが、容器元弁23aから閉止弁S(23S)までの希ガス配管R(23R)の内容積が2ccだとすると、圧力が約40kPa程度まで減圧されているから、大気に放出された希ガス量は、内容積と圧力とから約0.8ccとなる。
希ガス容器23を交換し、容器元弁23aの接続部J(23J)を希ガス配管R(23R)に接続した後、分岐配管D(23D)に設けられた閉止弁B(23B)に、継手部C(23C)を介してヘリウムリークディテクタを接続し、ヘリウムリークディテクタを運転して閉止弁B(23B)を開き、希ガス配管R(23R)内の圧力を1Pa程度に減圧した状態で、容器元弁23aの接続部J(23J)にヘリウムを吹き掛けて漏れ検査を行う。この漏れ検査を行うことにより、希ガス配管R(23R)内に侵入した大気成分を真空排気することができるとともに、接続部J(23J)の接続状態を確実に確認することができる。漏れ検査で漏れがないことを確認した後、閉止弁B(23B)を閉じてヘリウムリークディテクタを取り外すとともに、希ガス容器23の交換に際して閉じた各閉止弁Sや容器元弁23aをそれぞれ開くことにより、希ガス循環供給設備が運転可能な状態となる。
このように、交換する構成部品である希ガス容器23に接続する希ガス配管R(23R)に設けられた一方の閉止弁(容器元弁23a)を閉止し、希ガス配管R(23R)の内部の希ガスを吸引して回収し、他方の閉止弁S(23S)を閉じてから希ガス容器23を新たな希ガス容器23に交換し、希ガス配管R(23R)の内部を減圧して内部に侵入した大気成分を排出した後、容器元弁23a及び閉止弁S(23S)を開いて希ガス配管R(23R)の内部に希ガスを導入することにより、希ガスの損失を低減することができる。
また、第1圧縮機16及び水分除去器17を交換する場合は、それぞれに接続されている希ガス配管Rに設けられている閉止弁Sを閉じることによって系内から切り離すことができる。第1圧縮機16及び水分除去器17を取り外す前に、これらの構成部品及び希ガス配管内の希ガスを回収する操作を行う。まず、第1圧縮機16の一次側(吸引側)の閉止弁S(回収弁15)を閉じた状態で第1圧縮機16を運転し、圧縮機一次側の希ガス配管R内及び第1圧縮機16内の希ガスを水分除去器17側に押し出す。また、前記同様に、第2圧縮機19を使用して低圧貯留タンク18内を減圧状態にしておくことにより、第1圧縮機16及び水分除去器17やその前後の希ガス配管Rの内部から希ガスを回収する。この後、水分除去器17側の閉止弁Sを閉止し、第1圧縮機16及び水分除去器17を他の構成部品から切り離した後、これらに設けられている接続部Jを外して希ガス配管からこれらを取り外す。
第1圧縮機16及び水分除去器17を交換した後、分岐配管Dの閉止弁Bに継手部Cを介して真空排気装置を接続し、閉止弁Bを介して第1圧縮機16、水分除去器17及び前後の希ガス配管Rの内部を真空吸引して系内から大気成分を排気する。また、希ガス回収経路12には、プラズマ装置のプロセスチャンバーから窒素を2L/分で導入してパージ弁40から排気することにより、プロセスチャンバーからから希ガス回収経路12に至るプラズマ装置系内のパージを行う。
次に、閉止弁Bを閉じて真空排気を終了し、継手部Cから真空排気装置を取り外した状態で、パージ弁40を閉じるとともに回収弁15を開き、第1圧縮機16を運転して導入されたガス(窒素)を、例えば0.3MPaまで圧縮してから回収弁15を閉じる。これにより、第1圧縮機16、水分除去器17及び前後の希ガス配管R(分岐配管Dも含む)の内部に高圧の窒素が封入された状態となり、接続部J等の気密試験を行うことができる。気密試験終了後、回収弁15及び閉止弁Bを開き、希ガス回収経路12から所定流量、例えば2L/分で導入される窒素により、第1圧縮機16、水分除去器17及び前後の希ガス配管Rの内部を通気パージし、これらの内部から大気成分を排出する。この通気パージ操作は、閉止弁Bから排出されるガス中の酸素濃度が所定濃度以下、例えば10ppb以下になるまで行うようにする。なお、パージ操作は、通気パージだけでなく、充圧と減圧とを繰り返すバッチ操作等でも行うことができ、構成部品の形状や容積等の条件に応じて適当なパージ操作を選択することができる。
第1圧縮機16、水分除去器17及び前後の希ガス配管Rの内部のパージが完了した後、プロセスチャンバーからの窒素導入を停止するとともに、閉止弁Bを閉じて各閉止弁Sをそれぞれ開き、第1圧縮機16、水分除去器17及び前後の希ガス配管Rの内部に希ガスあるいは希ガスと窒素との混合ガスを導入することにより、希ガス循環供給設備が運転可能な状態となる。
この第1圧縮機16及び水分除去器17の交換に際して、第1圧縮機16、水分除去器17及び前後の希ガス配管Rの内容積が20cc程度、減圧時の圧力が約40kPaとすると、これらの交換で大気に放出された希ガスの量は、プラズマ装置からの排ガス組成、内容積及び圧力から約4ccとなる。
上記両構成部品、すなわち、希ガス容器23や、第1圧縮機16及び水分除去器17の交換に際しては、これらの構成部品や希ガス配管内からの希ガスの回収を、第2圧縮機19を利用して行うことができるが、希ガスの回収を第2圧縮機19を利用して行えない構成部品、例えば第2圧縮機19を交換する場合等には、本発明の希ガス回収供給装置を使用して希ガスを回収し、構成部品交換後に回収した希ガスを元に戻す操作を行えばよい。
図2に示す希ガス回収供給装置51は、前記希ガス保有設備11における分岐配管Dの継手部Cに接続可能な継手部52と、希ガス保有設備に対して希ガスの回収及び供給を行うためのガス圧縮機53と、希ガスを貯留するための希ガス貯留容器54と、これらを接続する配管及び閉止弁と、系内をパージするためのパージ系統とを備えている。
配管及び閉止弁としては、前記継手部52を有する第1配管61を閉止する第1閉止弁71と、該第1閉止弁71と前記ガス圧縮機53の吸入側とを接続する第2配管62に設けられた第2閉止弁72と、前記ガス圧縮機53の吐出側と前記希ガス貯留容器54の流入側とを接続する第3配管63に設けられた第3閉止弁73と、前記第1閉止弁71と第2閉止弁72との間の第2配管62から分岐して前記希ガス貯留容器54の流出側に接続する第4配管64に設けられた第4閉止弁74と、前記継手部52と第1閉止弁71との間の第1配管61から分岐して前記ガス圧縮機53の吐出側と第3閉止弁73との間の第3配管63に接続する第5配管65に設けられた第5閉止弁75a,75bと、前記第4閉止弁74の反希ガス貯留容器側の第4配管64から分岐したパージガス導入用の第6配管66に設けられた第6閉止弁76と、前記第1閉止弁71と第2閉止弁72との間の第2配管62から分岐したパージガス導出用の第7配管67に設けられた第7閉止弁77とを備えている。
前記ガス圧縮機53には、希ガス保有設備11側を減圧状態にして希ガスを回収することから、一次側を減圧まで吸引できる構造を有していればよく、例えば、ダイヤフラム式やベローズ式圧縮機を用いることができる。また、希ガス貯留容器54は、ガス圧縮機53の設定圧縮圧力に耐えればよく、その容積は、吸引するガス量によって適宜設計すればよい。さらに、この希ガス回収供給装置51は、希ガスを一時的に貯留し、そのガスを再び希ガス保有設備に供給するものであるから、外部リークが極力ないことが望ましく、少なくとも全体で10−9Pa・m/s以下のリーク量であることが好ましい。また、同様に、装置内表面からの脱ガスも極力低減することが望ましく、内表面にクロム酸化不動態膜、アルミ酸化不動態膜等を施したものを使用することが好ましい。
図3は、希ガス回収供給装置51の継手部52を、希ガス保有設備11の前記分岐配管Dの閉止弁Bに設けられた継手部Cに接続した後に行われるパージ操作の一例を示している。なお、以下の説明図において、黒塗りの弁は閉であり、配管の太線は、対象となるガスが流通又は流入している部分を示している。
パージ操作では、パージ系統を構成する第6閉止弁76及び第7閉止弁77を開くとともに第1閉止弁71を開き、第6配管66からパージガス、例えば高純度窒素を導入し、第7配管67から排出することにより、第2閉止弁72、第4閉止弁74,第5閉止弁75aから継手部52に至る太線で示した配管系内から大気成分をパージする。
なお、この希ガス回収供給装置51を使用する際には、前もってガス圧縮機53や希ガス貯留容器54及びこれらに接続する配管内を真空排気しておくことが望ましい。また、上記パージ操作において、必要に応じて各閉止弁を適宜開閉することによって、系内全体をパージすることも可能である。さらに、パージ方法も、各配管や弁の位置、構造に応じて適宜選択することができ、通気パージで十分な場合もあるが、系内にパージガスを充填する操作と、系内からパージガスを吸引排気する操作とを繰り返すバッチパージを行うことが好ましい。
パージ操作が終了したら、全ての閉止弁を閉じた状態で希ガス保有設備11の前記閉止弁Bを開き、次いで、図4に示すように、第1閉止弁71、第2閉止弁72及び第3閉止弁73を開くとともに、ガス圧縮機53を運転することにより、希ガス保有設備11からの希ガスを、継手部52、第1配管61、第2配管62を介してガス圧縮機53で吸引し、第3配管63から希ガス貯留容器54に導入する。この後、全ての閉止弁を閉じて希ガス保有設備11の構成部品の交換が終わるまで待機する。
希ガス保有設備11の構成部品の交換が終了したら、第7配管67にヘリウムリークディテクタを接続し、第1閉止弁71及び第7閉止弁77を開いてヘリウムリークディテクタを運転し、構成部品や希ガス配管内の大気成分を吸引排気するとともに、前述のようにして構成部品における接続部Jにヘリウムを吹き掛けて漏れ検査を行う。このとき、接続部Jに洩れがあっても、希ガス回収供給装置51に流入した大気成分やヘリウムは第7閉止弁77を通ってヘリウムリークディテクタ側に排気されるため、希ガス貯留容器54に貯留している希ガスにこれらが混入することはない。なお、構成部品や希ガス配管内の大気成分の吸引排気は、ヘリウムリークディテクタとは別に設けた真空排気手段によって行うこともできる。
漏れ検査の終了後は、再び全ての閉止弁を閉じた後、図5に示すように、第2閉止弁72、第4閉止弁74、第5閉止弁75a,75bを開くとともにガス圧縮機53を運転する。これにより、希ガス貯留容器54に貯留されている希ガスは、第4配管64、第2配管62、第3配管63から分岐した第5配管65及び第1配管61を通り、継手部52、継手部C、閉止弁B、分岐配管Dを通って交換後の構成部品や希ガス配管内に供給される。これにより、構成部品交換前と略同じガス組成及び容積で希ガスを戻すことができるので、希少資源である希ガスを系外にほとんど放出することがなくなり、かつ、希ガス保有設備11の立ち下げ前と略同条件で希ガスを供給することができるので、希ガス保有設備11の立上げがも容易に行うことができる。
このような希ガス回収供給装置51を用いることにより、希ガス保有設備11の各構成部品に接続する各希ガス配管Rの所定位置に前記閉止弁S、接続部J、分岐配管D、閉止弁B及び継手部Cを設けておくだけで、希ガスの損失を抑えながら各構成部品を交換することが可能となる。
例えば、希ガス保有設備11の運転中に、低圧貯留タンク18に微小な洩れが発生したと推定され、低圧貯留タンク18を交換する必要が生じた場合は、希ガス保有設備11の運転を停止するとともに、全ての閉止弁Sを閉止する(閉止弁Bは運転中は閉止状態)。次に、希ガス回収供給装置51の継手部52を、低圧貯留タンク18に接続した分岐配管Dの継手部Cに接続する。
そして、前述のようにして希ガス回収供給装置51を運転し、低圧貯留タンク18及びこれに接続する各希ガス配管の内部の希ガスを希ガス貯留容器54に回収し(図4)、低圧貯留タンク18を交換した後、希ガス貯留容器54内の希ガスを低圧貯留タンク18内に供給する(図5)。
このとき、低圧貯留タンク18から希ガス貯留容器54に希ガスを回収する際に、第7配管67にガスクロマト式分析計を接続して回収する希ガスの成分、特に酸素濃度を測定することにより、低圧貯留タンク18の洩れで侵入した大気量を確認することができるので、大気が大量に混入して酸素濃度が高い場合には、希ガスの回収操作を中止して低圧貯留タンク18内のガスを大気中に放出した後、低圧貯留タンク18を交換することができる。また、酸素濃度が十分に低く、希ガス精製装置25で確実に除去可能な場合、例えば、1%未満の場合には、希ガスの回収操作を継続し、交換後の低圧貯留タンク18に希ガスを戻すようにすればよい。
希ガスの回収操作は、低圧貯留タンク18内の圧力が、例えば1Torr(約133.3Pa)で一定となったことを確認して終了し、閉止弁Bを閉じてから各接続部Jを外して低圧貯留タンク18を取り外す。このとき、約133.3Paに減圧された低圧貯留タンク18及び各希ガス配管R内から大気中に放出された希ガスの量は、低圧貯留タンク18の内容積が100L程度の場合で6.5cc程度である。
新たな低圧貯留タンク18を設置して各接続部Jを接続した後、希ガス回収供給装置51の第7配管67にヘリウムリークディテクタを接続し、前述のように閉止弁B、閉止弁71、閉止弁77を開いて低圧貯留タンク18や希ガス配管Rの内部の大気成分を真空排気するとともに、各接続部Jの漏れ検査を行う。このとき、閉止弁Bから閉止弁71及び閉止弁75aまでの間の配管の内容積が約20ccの場合、この配管内に残存してヘリウムリークディテクタから排気された希ガスの量は、0.02cc程度となる、
漏れ検査で漏れがないことを確認した後、各閉止弁を一旦閉じた後、図5に示す状態として希ガス貯留容器54内の希ガスを低圧貯留タンク18に供給する。このとき、第2圧縮機19によって吸引しながら希ガスを供給することも可能である。
このようにして低圧貯留タンク18を交換することにより、従来は内容積が100L程度の低圧貯留タンク18で、内部の希ガス濃度が約50%の場合、約50Lの希ガスが大気中に放出されていたのに対し、大気中に放出する希ガス量を数十cc程度にまで低減することができるので、従来に比べて大気中に放出する希ガス量を最低でも1/2000以下にすることができる。
なお、本形態例に示した希ガス回収供給装置51では、第5配管65に2個の第5閉止弁75a,75bを設けているが、配管の長さによってはいずれか一方の第5閉止弁のみを設けることができる。また、継手部52と希ガス貯留容器54とは、逆方向に設置することも可能である。さらに、本形態例では、1台のガス圧縮機53を希ガス回収用と希ガス供給用とに兼用させることができる配管構成としているが、希ガス回収用と希ガス供給用とに別個のガス圧縮機を設置して希ガス回収用と希ガス供給用とに専用の配管をそれぞれ設け、各配管に切り換え開閉する閉止弁をそれぞれ設けた構成とすることも可能である。
加えて、本形態例では、希ガス保有設備11として希ガス循環供給設備を例示したが、他の希ガス保有設備にも適用が可能であり、各構成部品に、前述のような閉止弁S、接続部J、分岐配管D、閉止弁B及び継手部Cを希ガス配管Rにそれぞれ設けておくことにより、各構成部品を交換する際の希ガスの損失を抑えることができる。そして、設備内部に圧縮機や真空ポンプを持たない設備、あるいは、これらを有していてもこれらで希ガスを回収できない構成部品を交換する際に、前述のような希ガス回収供給装置51を使用することによって高価な希ガスの損失を抑えることができる。
本発明は、系内に付加価値の高い希ガスを保有する設備、例えば、半導体製造装置等から排出される排ガス中の希ガスを分離して再供給するの希ガス循環供給設備に利用することができる。
本発明の希ガス保有設備の一形態例を示す系統図である。 本発明の希ガス回収供給装置の一形態例を示す系統図である。 希ガス回収供給装置のパージ操作においてパージする部分を説明する説明図である。 希ガス回収供給装置に希ガスを回収する操作を説明する説明図である。 希ガス回収供給装置から希ガスを供給する操作を説明する説明図である。
符号の説明
11…希ガス保有設備、12…希ガス回収経路、13…PSA装置、13a,13b…吸着筒、14…希ガス導出経路、15…回収弁、16…第1圧縮機、17…水分除去器、18…低圧貯留タンク、19…第2圧縮機、20…高圧貯留タンク、21a…製品貯留タンク、21b…排ガス貯留タンク、22…流量制御装置、23…希ガス容器、24…不純物計測装置、25…希ガス精製装置、26a,26b…入口弁、27a,27b…流量制御弁、28a,28b…再生出口弁、29…均圧弁、30…排出経路、31…排ガス循環経路、32,33…調節弁、34…希ガス供給経路、35…分析経路、36…希ガス返送経路、37…希ガス循環経路、38…調節弁、51…希ガス回収供給装置、52…継手部、53…ガス圧縮機、54…希ガス貯留容器、61…第1配管、62…第2配管、63…第3配管、64…第4配管、65…第5配管、66…第6配管、67…第7配管、71…第1閉止弁、72…第2閉止弁、73…第3閉止弁、74…第4閉止弁、75a,75b…第5閉止弁、76…第6閉止弁、77…第7閉止弁、B…閉止弁、C…継手部、D…分岐配管、J…接続部、R…希ガス配管、S…閉止弁

Claims (5)

  1. 複数の構成部品を配管で接続した系内に希ガスを保有する希ガス保有設備であって、前記複数の構成部品の中で、少なくとも定期的な交換が必要な構成部品に接続した希ガス配管に、該構成部品を他の構成部品から切り離すために該希ガス配管を閉止するための閉止弁と、該閉止弁よりも前記構成部品側で該構成部品を希ガス配管から着脱するための接続部と、前記希ガス配管から分岐した分岐配管と、該分岐配管を閉止するための閉止弁と、該閉止弁の反希ガス配管側に設けられた継手部とを備えていることを特徴とする希ガス保有設備。
  2. 請求項1記載の希ガス保有設備の前記構成部品を交換する際に、該構成部品や該構成部品に接続した希ガス配管内に存在する希ガスを回収して貯留し、前記構成部品を交換した後に、貯留した希ガスを元の位置に供給するための希ガス回収供給装置であって、前記分岐配管に設けられた前記継手部に、希ガス回収供給装置側の配管を接続するための継手部と、該継手部から少なくとも一つの閉止弁及びガス圧縮機を有する希ガス回収配管を介して接続した希ガス貯留容器と、該希ガス貯留容器から少なくとも一つの閉止弁及びガス圧縮機を有する希ガス供給配管を介して前記継手部に接続した希ガス供給配管と、ガス圧縮機、希ガス貯留容器を含む配管系内をパージするためのパージ系統とを備えていることを特徴とする希ガス回収供給装置。
  3. 前記分岐配管に設けられた前記継手部に接続する継手部から第1閉止弁、第2閉止弁、ガス圧縮機及び第3閉止弁を含む希ガス回収配管を介して接続した希ガス貯留容器と、該希ガス貯留容器から第4閉止弁、第5閉止弁、ガス圧縮機及び第6閉止弁を含む希ガス供給配管を介して前記継手部に接続した希ガス供給配管と、ガス圧縮機、希ガス貯留容器を含む配管系内をパージするためのパージ系統とを備え、前記希ガス回収配管の第1閉止弁の二次側と、前記希ガス供給配管の第4閉止弁の二次側とが、前記ガス圧縮機の吸引側に設けられた前記第2閉止弁と前記第5閉止弁とを兼用する圧縮機入口弁の一次側で合流し、前記第1閉止弁及び前記第4閉止弁のいずれか一方を開弁することによって回収ガス又は供給ガスをガス圧縮機が吸引する状態となるように形成されるとともに、ガス圧縮機の吐出側は、前記第3閉止弁の一次側に向かう希ガス回収配管と前記第6閉止弁の一次側に向かう希ガス供給配管とが分岐し、前記第3閉止弁及び第6閉止弁のいずれか一方を開弁することによって回収ガスを前記希ガス貯留容器へ、又は、供給ガスを前記継手部を介して前記希ガス保有設備に供給する状態となるように形成され、1台のガス圧縮機をガス回収用とガス供給用との双方に使用可能な状態に形成したことを特徴とする請求項2記載の希ガス回収供給装置。
  4. 請求項1記載の希ガス保有設備の前記構成部品を交換する方法であって、交換する構成部品に接続する希ガス配管に設けられた前記閉止弁を閉止し、該構成部品及び/又は希ガス配管の内部の希ガスを吸引して回収し、該構成部品を新たな構成部品に交換して該新たな構成部品及び/又は希ガス配管の内部を減圧し、前記閉止弁を開いて該構成部品及び/又は希ガス配管の内部に希ガスを導入することを特徴とする希ガス保有設備における構成部品の交換方法。
  5. 請求項1記載の希ガス保有設備の前記構成部品を、請求項2又は3記載の希ガス回収供給装置を使用して交換する方法であって、交換する構成部品に接続する希ガス配管に設けられた前記閉止弁を閉止して該構成部品を他の構成部品から切り離すとともに、該構成部品に接続する前記分岐配管に設けられた前記継手部に前記希ガス回収供給装置の前記継手部を接続し、該継手部から前記第2閉止弁までの希ガス回収配管内の大気成分をパージし、前記ガス圧縮機により前記構成部品及び/又は希ガス配管の内部の希ガスを吸引して前記ガス貯留容器に回収し、該構成部品を新たな構成部品に交換して該新たな構成部品及び/又は希ガス配管の内部を減圧し、前記ガス圧縮機によりガス貯留容器内の希ガスを新たな構成部品及び/又は希ガス配管の内部に希ガスを導入し、前記閉止弁を開いて新たな構成部品を他の構成部品と連通させた状態とすることを特徴とする希ガス保有設備における構成部品の交換方法。
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