JP2000097398A - ガス容器の内面処理方法 - Google Patents

ガス容器の内面処理方法

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JP2000097398A
JP2000097398A JP10270320A JP27032098A JP2000097398A JP 2000097398 A JP2000097398 A JP 2000097398A JP 10270320 A JP10270320 A JP 10270320A JP 27032098 A JP27032098 A JP 27032098A JP 2000097398 A JP2000097398 A JP 2000097398A
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JP10270320A
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Satoshi Hanesaka
智 羽坂
Hiroyuki Kato
博之 加藤
Ichihiro Kakigi
一大 柿木
Kazuhiro Kashiwagi
一浩 柏木
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体プロセスガス充填用の容器では、内面
の水分を完全に除去するための技術の開発が求められて
いた。 【解決手段】 筒状の胴体部の軸線方向両端にそれぞれ
開口部を有するガス容器8、若しくは、加熱されたパー
ジガスをガス容器8に導入することで、ガス容器8を1
00℃以上300℃以下に加熱昇温した状態にて、パー
ジガスを前記ガス容器8内に流通させることで、容器8
内面の水分を完全に除去できるガス容器の内面処理方法
を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス、特に、半導
体プロセスガス等が導入されるガス容器の内面処理方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体プロセスガスは、成膜の材料とし
て使用されるSiH4に代表される水素化物系ガスと、
成膜された材料をエッチングするHClに代表されるハ
ロゲン系ガスに大別され、そのプロセスの特性に応じ
て、150種類近くのガスが使用されている。これらの
ガスは、成膜プロセスにおいては、比較的低温で分解す
る特性を有しているために利用され、可燃性であったり
(中には、大気接触で自燃性のガスも存在する。)、毒
性を有していたりする。また、エッチングに使用される
ガスは、膜材料を容易に腐食し、かつ除去可能であるこ
とが重要であり、一般に、非常に高い腐食性を有してい
る。したがって、半導体プロセスガスは、この活性な特
性故に、酸素や水分などの微量不純物と容易に反応し、
自らが反応分解し、固体状のパーティクルや、酸素化合
物(ガス状も存在する)を生成したり、配管や混合器と
いった機器内面等の接ガス表面の構成材料を腐食し、腐
食生成物を形成する。特に、微量不純物として、水分の
低減が非常に困難で、接ガス表面からの水分の除去に関
する研究が近年、特に多く行われている。これら半導体
プロセスガスと微量不純物の反応によって形成された金
属不純物やパーティクルは、半導体プロセスガス配管の
構成部品であるレギュレータやマスフローコントローラ
の目詰まりや、制御障害を起こし、安全性が著しく低下
する。また、半導体プロセス装置にこれらの不純物が導
入されたり、半導体プロセス装置内でこれらの不純物が
形成されて、ウェハ上に導入されると、半導体デバイス
の電気的特性が劣化したり、デバイス構造を破壊するた
め、デバイスの歩留まりが著しく低下するということが
発生し、大きな問題となる。これら半導体プロセスガス
は、一般に、鋼製のガス容器に充填され、半導体工場内
に備えられたシリンダキャビネットで減圧され、流量制
御されて、半導体プロセス装置に導入される。デバイス
の歩留まりを向上させるためには、これら一連の半導体
プロセスガス製造、供給、並びに消費(プロセス装置で
の使用)における不純物を極限まで低減する必要があ
る。特に、ガス用機器の接ガス表面の水分を如何に低減
するかが重要となる。
【0003】従来、半導体プロセスガス用の容器内面の
水分を低減するために、Mn鋼やステンレス製容器内面
をRmaxで1μm以下に研磨することによって、水分の
吸着表面積を減らすことが可能となり、結果として、半
導体プロセスガス中に含まれる水分を低減させる方法が
用いられてきた。しかしながら、容器の開口部が一カ所
であるため、パージするという行為を考慮した場合、容
器の容量すべてがデッドスペースとなってしまい、真空
引きが不可欠である。従来、例えば、特開平6-342759に
示されるオイルフリーの高真空排気システムであるター
ボ分子ポンプを使用する方法、さらに、真空引きと水分
の沸点以上の温度(150〜250℃)で加熱するとい
う方法も用いられてきたが、容器弁が真空引きに対する
大きな抵抗となり、容器内圧力は十分に下がらず、1×
10-1〜1×10-2Torrレベルであるため、容器内面の
水分は、十分に除去できないという欠点を有している。
そのため、真空引きと容器加熱によって処理された直後
の水分濃度は、数10ppmと非常に高い値となる。した
がって、容器内面の水分を除去する工程の改良が必要で
ある。その問題を解決するために、特開平8-54098に示
される容器を80℃以上の温度に加熱し、真空引きとパ
ージガス充填の繰り返しを行うことによって、容器内の
水分を除去する方法も提案されている。この方法は、パ
ージによって、容器内の水分を含む大気成分を効率良く
置換できる反面、水分が容器内面から脱離するために十
分な温度(100℃)以上に加熱することができないた
め(おそらく、容器弁に装着されている破裂板の溶解温
度や容器弁のシートの軟化温度を考慮していると考えら
れる)、水分の容器内面への残留があり、半導体プロセ
スガス中の水分濃度が十分低減されないという欠点を有
している。
【0004】また、最近になって、半導体プロセスガス
用容器内面のパーティクルや有機物を除去洗浄するため
に、容器内面を純水で洗浄することが実施されており、
純水洗浄後の容器内面の水分の効率的な除去のためにエ
タノールやアセトン等の有機溶媒を使用する(特開平9-
302489)技術も提案されているが、結局、容器内面は大
気開放されてしまうので、真空引きや加熱が必要とな
り、容器内面から水分を除去するためには、根本的な解
決策にはなり得なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、通常の容器
は、開口部が一カ所しか無いため、容器内面の水分を除
去するためには、真空引きを長時間行う必要があり、容
器弁の介在によって、真空度は期待された程低くはなら
ず、容器内面の水分残留量は、非常に多かった。また、
真空引きと、パージガスとを繰り返し適用する方法も、
容器弁の耐熱性の問題から、水分を脱離させるために十
分な温度にできないため、容器内面の水分除去は、十分
でなかった。さらに、例えば、真空引きにおける容器弁
の介在を避けるために、容器弁を取り付ける前に、容器
内面の水分を完全に除去することも考えられるが、開口
部が一カ所しかない容器であると、容器弁を容器に付属
する時に、容器内面が大気に曝され、再び、容器内面に
水分が吸着することとなり、十分に水分除去された状態
を維持できない。また、容器内の真空度を更に向上させ
るために、容器弁のCV値を大きくとることも可能であ
るが、半導体プロセスガスの安全性を確保できる供給を
考慮すると、問題が大きい。
【0006】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、洗浄後のガス容器内面に残留している水分を効率
的に除去できるガス容器の内面処理方法を提供すること
を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体プロセ
スガス等の充填用ガス容器の、接ガス表面の水分を低減
するために行われる前処理方法に関して、新しい方法を
提案するものであり、ガス容器内面の水分除去を完全に
行うことができるものである。しかも、ガス容器内面の
水分除去状態を維持したまま、容器弁の取り付けをも可
能にするものである。すなわち、請求項1記載の発明
は、筒状の胴体部の軸線方向両端にそれぞれ開口部を有
するガス容器の内面処理方法であって、ガス容器を加熱
するか、若しくは、加熱されたパージガスを前記ガス容
器に導入することで、前記ガス容器を100℃以上30
0℃以下に昇温した状態にて、前記ガス容器内にパージ
ガスを流通させることを特徴とするガス容器の内面処理
方法を前記課題の解決手段とした。請求項2記載の発明
は、筒状の胴体部の軸方向両側にそれぞれ開口部を有す
るガス容器の内面処理方法であって、前記容器の開口部
にそれぞれアダプタを取り付けた後、加熱パージガスを
前記容器内へ導入するか若しくは加熱したガス容器内へ
パージガスを導入する第1パージ工程と、前記ガス容器
を冷却する工程と、前記ガス容器の一方の開口部に取り
付けられたアダプタを取り外し、容器弁を取り付けた
後、他方のアダプタからガス容器内へパージガスを導入
する第2のパージ工程とを経て、前記ガス容器の他方の
開口部からアダプタを取り外して容器弁を取り付けるこ
とを特徴とするガス容器の内面処理方法を前記課題の解
決手段とした。
【0008】請求項1記載の処理方法では、ガス容器を
直接、ヒータ等を用いて加熱するか、加熱されたパージ
ガスをガス容器内に導入して、ガス容器を水分の沸点以
上の温度に加熱した状態にて、パージガスによるパージ
がなされる。これにより、ガス容器内面から水分を完全
に除去することができる。請求項2記載の処理方法で
は、ガス容器からアダプタを取り外して容器弁を取り付
ける作業を、ガス容器の冷却工程後に行うので、第1の
パージ工程では、ガス容器やパージガスの加熱を十分に
行うことが可能である。一方、ガス容器からアダプタを
取り外して容器弁を取り付ける作業は、ガス容器の冷却
工程後であるから、加熱による容器弁の性能低下の心配
が無い。ガス容器の一方の開口部に容器弁を取り付ける
作業、および、ガス容器の他方の開口部に容器弁を取り
付ける作業は、いずれも、ガス容器にパージガスを継続
して流しつつ行うことがより好ましく、これにより、第
1のパージ工程にて水分除去されたガス容器内面に、水
分が再付着することを防止できる。また、第1のパージ
工程では、請求項1記載のように、ガス容器の加熱また
は加熱パージガスの導入によって、ガス容器を、水分の
沸点以上の温度に加熱昇温することを基本とし、好まし
くは、100℃以上300℃以下に加熱することが、ガ
ス容器等の材料強度の面で、より適切である。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明に使用されるガス容器
(以下、「容器」と略称する)は、容器弁が取り付けら
れる開口部を、胴体部の軸方向両端に有している。通
常、半導体プロセスガスを充填する容器は、シームレス
容器が使用されるが、充填される圧力が低い場合は、そ
の両端に鏡板やフランジを溶接したものも使用される。
その材質は、SUS鋼、CrMo鋼、炭素鋼、Mn鋼、
Al合金、Alライニング強化プラスチック等であり、
半導体プロセスガス(SiH4、Si26、AsH3、P
3、B26等の水素化物系ガス、SF6、NF3、C
4、C26、HF、HCl、HBr、F2、Cl2、B
Cl3、ClF3、SiF4、SiH4、SiH2Cl2、S
iHCl3、WF6等のハロゲン系ガス、Ar、N2、H
e、H2、O2等のキャリアガスや金属アルキル化合物、
金属アルコラート、金属アルコキシド、その他、C
4、C26、C38、CO2、CO、NH3、N2O、O
3等)が充填される。
【0010】容器の接ガス部表面は、水分等のガス分子
やパーティクルを低減する目的から、砥粒研磨、電解研
磨、複合電解研磨、化学研磨、複合化学研磨等を施すこ
ともでき、また、Niを無電解で若しくは電解でメッキ
することも可能である。さらに、Niをコーティングし
た表面には、フッ素によって不動態膜を形成することも
可能である。それらの容器内面粗度は、Rmaxで25μ
m以下が好適に使用され、12μm以下がさらに好まし
い。
【0011】通常、半導体プロセスガス用の容器は、耐
圧検査を受けた後、スチーム洗浄または純水洗浄され
る。この純水洗浄に使用される純水は、比抵抗値が16
MΩ以上である純度を持つものが使用され、さらに、比
抵抗値が18MΩ以上であることがより好ましい。ま
た、純水洗浄においては、純水中に界面活性剤を入れた
洗浄を予め実施し、最後に、純水リンスを行う方法も用
いられている。さらに、純水洗浄は、純水を40℃以上
に加温したり、容器内を1MPa以上に加圧して行われ
る場合もある。容器のスチーム洗浄若しくは純水洗浄後
は、粗乾燥され、続いて、本発明の工程に入って、容器
内面の水分を完全に除去する。
【0012】粗乾燥された容器の軸方向両端には、容器
内面乾燥用のAr、N2、He、H2などのパージガスを
導入可能なアダプタが取り付けられている。そして、パ
ージガスが、一方のアダプタから他方のアダプタへ、容
器内を通って流される。この時、真空引きを併用するこ
とも可能であるが、パージガスを導入することを基本と
する方が望ましい。そのパージの間、容器は、100℃
以上300℃以下の温度で加熱される。加熱方法は、容
器の外面に巻いたヒータによる加熱、炉内での加熱、外
面を断熱した容器内に棒状のヒータを挿入して行う加熱
等、各種方法が採用可能である。さらに、外面を断熱し
た容器内に、予め、加熱したパージガスを導入すること
によっても加熱可能である。この工程で、容器内に吸着
している水分は完全に除去され、その時の到達した水分
濃度は、パージガスの精製器の性能に影響されるが、
0.1ppm以下、望ましくは、0.01ppm以下であるこ
とが必要である。また、パージガスの導入時間は、容器
の大きさに依存するが、30min〜6時間程度必要であ
る。
【0013】パージガスは、半導体プロセスガス用容器
に導入される前に精製され、水分、酸素、ハイドロカー
ボン、CO、CO2が低減される。これら除去対象の成
分の濃度は、0.1ppm以下が好適に使用され、特に、
水分濃度は、0.01ppm以下であることがより好まし
い。パージガスは、常温吸着、低温吸着、触媒反応、ゲ
ッター、有機膜や金属膜を使用した分離によって精製さ
れる。パージガスの流量は、容器内面からの効率的な水
分除去を考慮すると、多量である程良いが、実用的な観
点から、1リットル/min〜100リットル/minの範囲
が好適に使用される。また、パージガスの圧力は、0.
5MPa以下が好適に使用され、好ましくは、0.3M
Pa以下である。
【0014】次に、水分濃度が、所定濃度以下、例え
ば、0.1ppm以下になった時点で、望ましくは80℃
以下に降温し、パージガスを流しながら容器後段(パー
ジガス流出側)のアダプタを外し、できるだけ素早く、
所定の容器弁を容器に取り付ける。この時、容器弁は、
閉の状態で取り付ける方が良い。この容器弁は、通常、
キープレート弁、若しくはダイヤフラム弁が使用されて
おり、ケレップシートとしては、PCTFE、PFA、
ポリイミド等からなるものが使用されている。
【0015】最後に、容器後段の容器弁が取り付けられ
た後、最初のパージガスの流量方向に対して逆の方向に
パージガスが流れるように配管を取り付け、パージガス
を流しながら、容器前段(最初のパージガスの導入側)
のアダプタを取り外す。この前段のバルブは、開の状態
で取り付ける方が良い。そして、逆方向へ流れるパージ
ガスによって、最終のパージがなされる。この時、パー
ジガス中の水分濃度は、前述同様0.1ppm以下、望ま
しくは、0.01ppm以下にすることが重要である。最
後に、容器の両端に取り付けられた容器弁を閉め、常温
まで降温後、容器を取り外す。
【0016】容器を通過したパージガスは、パージ途中
でアダプタを取り外して容器弁を取り付ける作業がある
場合以外は、逆止弁が備わったラインから大気放出した
方が、大気成分、特に水分の容器に対する逆拡散を抑え
られる。さらに、これらの工程を全て行うにあたって、
配管ラインを事前に組み立てておくことが重要であり、
ストップ弁や、デッドスペースを最小限にするためのV
CR等の高真空継手や高集積化ガス部品を使用すること
も可能であり、分岐弁、2連3方弁、3連3方弁、3連
4方弁、4連4方弁等が好適に使用され、そのバルブ構
造は、100℃以上の温度に曝される場合、オールメタ
ルダイヤフラム弁を使用しなければならない。また、こ
れらのバルブは、自動化を考慮して、ニューマチック弁
とすることも可能である。
【0017】これらのパージガス供給配管としては、3
04Lや316L等のステンレス鋼管が通常使用され
る。BA(ブライトアニール)管をそのまま使用するこ
とも可能であるが、いずれにしても、その内面に、砥粒
研磨、電解研磨、複合電解研磨、化学研磨、複合化学研
磨等が施された配管を使用することが好ましい。その研
磨後の表面粗度は、Rmaxで1μm以下を使用し、より
好ましくは、0.3μm以下が使用される。これら、配
管材、継手やガス部品は、鉄の酸化物若しくは、クロム
の酸化物が接ガス表面に形成された酸化不動態化処理さ
れたものを使用することもできる。
【0018】(実施例)使用した半導体プロセスガス容
器は、軸方向両端に開口部を有する、外径365mm、
長さ1600mmのMn鋼製筒状容器であり、内容積が
120リットル、SiH4を25kg充填可能な容器で
ある。この容器の内面は、機械研磨により、内面粗度が
Rmaxで5μm以下である。また、この内面は、比抵抗
が16.2MΩである純水を用い、圧力4MPa、温度
80℃で、15min間洗浄した後、窒素ガスにより粗乾
燥させている。本発明の乾燥方法を説明するために、内
面乾燥のための配管ラインを図1〜図3に示す。本配管
ライン並びにガス部品は、接ガス表面に吸着する水分を
低減するためステンレス316L電解研磨品を使用し
た。また、使用するガス部品は、可能な限り高集積化し
たガス部品を使用した。パージ用の窒素ガスは、低温吸
着方式の精製器によって精製され、その時の不純物濃度
は、APIMS(大気圧イオン化質量分析計)で評価さ
れ、その濃度を、表1に示す。
【表1】
【0019】図1に示すように、この容器8の軸方向両
側の開口部には、アダプタ9−1、9−2が取り付けら
れる。容器8は、所定位置に固定され、断熱ボックス1
0で覆われる。この容器8には、減圧弁1、マスフロー
コントローラ2、パージガス加熱用コイル3等を介して
パージ用窒素が導入される。使用したパージ用窒素の圧
力が15MPaであったため、減圧弁1を使用して0.
3MPaまで減圧して供給した。パージ用窒素の圧力が
十分に低い場合には、減圧弁1を省略しても良い。ま
た、供給されたパージ用窒素は、マスフローコントロー
ラ2で流量を12リットル/minに制御した。パージガ
ス用加熱コイル3に入ったパージ用窒素は、ヒータ5に
よって加熱され、温度指示制御システム4(図中、TI
C)によって160℃に維持される。加熱コイル3以降
の配管ラインは、図示しない保温手段により保温され、
この配管ライン内を流れるパージ用窒素は、160℃あ
るいはそれに近い温度を維持したまま、分岐弁6および
2連3方弁7−1を通って、容器8に供給される。容器
8内を通った窒素ガスは、3連4方弁12−1および逆
止弁13−1を通って大気中に放出される。3連4方弁
12−3は閉じられているから、容器8から流出した窒
素ガスは、ライン14や逆止弁13−2には流入しな
い。この時、容器8の温度が150℃に達する時間は、
約1時間を要した。
【0020】その後、窒素パージを継続することによっ
て、水分濃度の低下度合いを測定し、約4時間後に水分
濃度が10ppb以下になったため、温度指示制御システ
ム4の設定温度を70℃に変更し、容器8から断熱ボッ
クス10を外した。この間、ライン14をパージするた
め、パージ用窒素を、分岐弁6からライン14、3連4
方弁12−2、および逆止弁13−2を経由して大気放
出させた。その後、容器8が85℃に降温したところ
で、容器8にパージ用窒素ガスを流しながら、アダプタ
9−2を外し、可能な限り迅速に、ダイヤフラムタイプ
の容器弁16を取り付けた(図2参照)。取り付けた容
器弁16には、再び、ライン14を取り付け、パージ用
窒素を、30分間、3連4方弁12−3から、分岐弁1
1を経て、逆止弁13−3から大気放出した。
【0021】その後、図3に示すように、同じくダイヤ
フラムタイプの容器弁17を取り付けるため、分岐弁1
1と2連3方弁7−1とを閉じ、容器弁16を開にし
て、容器8内を逆パージしながらアダプタ9−1を取り
外し、可能な限り迅速に容器弁17を取り付け、容器弁
17に、再び、配管ラインを接続するとともに、2連3
方弁7−2を開にした。これにより、容器8から流出し
た逆パージの窒素ガスが、容器弁17を介して2連3方
弁7−2、ライン15を通って逆止弁13−4から放出
され、パージ用窒素ガスによって容器8内が逆パージさ
れる。この逆パージを継続し、30分後に測定したパー
ジ用窒素の水分濃度(容器8から排気されたパージ用窒
素の水分濃度)が10ppb以下になったところで、容器
弁16,17、並びに2連3方弁7−2、3連四方弁1
2−3を閉じて、容器8が常温まで降温するのを待った
後、容器8を取り外し、容器8の乾燥工程を終了した。
この容器8温度が降温する間は、容器8内外のガス流通
が無いため、容器8内面の水分濃度の上昇は無く、取り
外した容器8には、水分濃度が十分に低い接ガス面が確
実に得られる。
【0022】この内面処理方法では、容器8の洗浄後
に、この容器8の両側のアダプタ9−1、9−2を容器
弁16,17に交換する前(図1の状態)に、容器8に
100℃以上の温度のパージガスを流すため、このパー
ジガスを、容器弁16,17の影響を受けること無く、
容器8内に円滑に流通させることができ、容器8内面に
吸着している水分を非常に効率良く完全に除去すること
ができる。その後の容器弁16,17の取り付けにおい
ても、容器8内面を大気雰囲気に曝すことが無いので、
一度、脱離させた水分の再付着を抑えられ、非常に清浄
な容器8内面が得られる。その結果、この容器8に充填
された半導体プロセスガスの高純度化を実現でき、半導
体デバイスの歩留まり率の向上等に寄与することができ
る。
【0023】ところで、通常の容器は、一口容器である
ために、真空引き、パージガスの導入、真空排気等の度
にパージが必要であるが、一口であるが故に内部の圧力
を十分に低下させることが出来ないことが、容器内の完
全な水分除去の妨げになっていた。しかしながら、本発
明に係る二口の容器では、パージガスを、軸方向両端の
開口部間に流通させるようにして導入できるので、良好
なパージ効果が得られ、容器内面の水分除去効率を向上
できる。また、通常、容器弁では、プラスチック等から
なるシート部材が使用されており、加熱されると特性が
低下する恐れがあるため、この容器弁を取り付けた容器
や、容器に流すパージガスを、水分の蒸発に十分な温度
にまで昇温することが出来ない。しかしながら、本発明
では、容器に容器弁を取り付ける前に、アダプタを取り
付けた状態が存在することを利用して、容器の加熱や、
100℃以上の加熱パージガスの自由な流通を実現で
き、効果的な加熱パージを可能にするので、特に、容器
内面の乾燥処理を効果的に行うことができる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のガス容器
の内面処理方法では、ガス容器を100℃以上300℃
以下に昇温した状態にて、前記ガス容器内にパージガス
を流通させるので、ガス容器内面の水分を完全に除去す
ることができる。ガス容器の洗浄後に、容器弁を介在さ
せることなく、ガス容器に100℃以上の温度のパージ
ガスを流すことが可能であるため、容器内面に吸着して
いる水分を非常に効率良く完全に除去することができ
る。その後の容器弁の取り付けにおいても、容器内面を
大気雰囲気に曝すことが無いので、一度、脱離させた水
分の再付着を抑えられ、非常に清浄な容器内面が得られ
る。その結果、本処理容器に充填されたガスの高純度化
が実現できるといった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す図であって、ガス
容器を加熱しながらパージガスを通して、ガス容器内の
水分を除去する工程を示す工程図である。
【図2】 ガス容器温度を降温後、ガス容器の一方の開
口部からアダプタを取り外して、容器弁を取り付ける工
程を示す工程図である。
【図3】 ガス容器の他方の開口部からアダプタを取り
外して、容器弁を取り付ける工程を示す工程図である。
【符号の説明】
8…ガス容器、9−1,9−2…アダプタ、16,17
…容器弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柿木 一大 東京都港区西新橋1丁目16番7号 日本酸 素株式会社内 (72)発明者 柏木 一浩 東京都港区西新橋1丁目16番7号 日本酸 素株式会社内 Fターム(参考) 3E072 BA07 4K030 AA03 AA04 AA06 AA09 AA11 AA14 AA16 AA17 AA18 AA24 DA01 EA01 KA49 LA12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の胴体部の軸線方向両端にそれぞれ
    開口部を有するガス容器の内面処理方法であって、 ガス容器を加熱するか、若しくは、加熱されたパージガ
    スを前記ガス容器に導入することで、前記ガス容器を1
    00℃以上300℃以下に昇温した状態にて、前記ガス
    容器内にパージガスを流通させることを特徴とするガス
    容器の内面処理方法。
  2. 【請求項2】 筒状の胴体部の軸方向両側にそれぞれ開
    口部を有するガス容器の内面処理方法であって、 前記容器の開口部にそれぞれアダプタを取り付けた後、
    加熱パージガスを前記容器内へ導入するか若しくは加熱
    したガス容器内へパージガスを導入する第1パージ工程
    と、前記ガス容器を冷却する工程と、前記ガス容器の一
    方の開口部に取り付けられたアダプタを取り外し、容器
    弁を取り付けた後、他方のアダプタからガス容器内へパ
    ージガスを導入する第2のパージ工程とを経て、前記ガ
    ス容器の他方の開口部からアダプタを取り外して容器弁
    を取り付けることを特徴とするガス容器の内面処理方
    法。
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