JP2005141051A - 熱現像感光材料及び画像形成方法 - Google Patents

熱現像感光材料及び画像形成方法 Download PDF

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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

【課題】 印刷製版用のスキャナー、イメージセッター用として、残色が少なく生試料の保存安定性に優れ(カブリ上昇少ない、感度変動小さい)、かつ、現像処理時の湿度依存性が小さい熱現像感光材料及びその画像形成方法を提供する。
【解決手段】 支持体上に非感光性有機銀塩、該有機銀塩の還元剤、感光性ハロゲン化銀、およびバインダーを含有する画像形成層と該画像形成層の上層に該画像形成層を保護する非感光性層を少なくとも各々1層有する熱現像感光材料において、該画像形成層を有する面および該画像形成層を有する面と支持体を介して反対側の面から選ばれる少なくとも1面に防湿層を少なくとも1層有し、かつ500nm以下に感光極大を有することを特徴とする熱現像感光材料及び画像形成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱現像感光材料及び画像形成方法に関する。
従来印刷製版や医療の分野では、画像形成材料の湿式処理に伴う廃液が、作業性の上で問題となっており、近年では環境保全、省スペースの観点からも処理液管理からの解放、作業環境のドライ化が強く望まれている。そこで、レーザーイメージセッターにより効率的な露光が可能で、高解像度で鮮明な黒色画像を形成することができる写真用途の光熱写真材料に関する技術が必要とされている。この技術として、例えば、支持体上に有機酸銀塩、感光性ハロゲン化銀粒子、還元剤及びバインダーを含有する熱現像感光材料(例えば、特許文献1,2、非特許文献1参照。)が知られている。
これらの熱現像感光材料は、熱現像処理にて写真画像を形成するもので、還元可能な銀源(有機酸銀塩)、感光性ハロゲン化銀、還元剤及び必要に応じて銀の色調を抑制する色調剤を通常(有機)バインダーマトリックス中に分散した状態で含有している。上記熱現像感光材料は常温で安定であるが、露光後高温(例えば、80℃〜140℃)に加熱することで現像される。加熱することで有機酸銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸化還元反応は露光でハロゲン化銀粒子に発生した潜像の触媒作用によって促進される。露光領域中の有機酸銀塩の反応によって生成した銀は黒色画像を提供し、これは非露光領域と対照をなし、画像の形成がなされる。この反応過程は、外部から水等の処理液を供給することなしで進行する。
このような熱現像感光材料は、マイクロ感材やレントゲンに使われてきたが、印刷感材としては一部で使われているのみである。それは、得られる画像のDmaxが低く、階調が軟調なために、印刷感材としては画質が著しく悪いからであった。そこで、例えば上記熱現像感光材料にヒドラジン誘導体等の硬調化剤を含有させて硬調な網点画像を得るための努力がなされているが未だ満足できるレベルに達していない。一般に、上記硬調化剤は網点露光後の感光材料の熱現像を促進して硬調化させる際、網点が一気に太る傾向がある。このため網点の中点から大点にかけて所望の網点より太り過ぎとなり、網点画像のリニアリティが劣化するという問題が生じる。
一方、上記レーザーイメージセッターとしては、通常500〜600nmに発光を有する緑色レーザーや、近赤外部に発光波長を有する長波長レーザー等のコヒーレント光が用いられており、従ってまた、用いられる熱現像感光材料には上記光に感光する増感色素が用いられる。一般に上記増感色素は熱現像感光材料を現像処理を行った後も、網点画像上に残色し、網点画質やリニアリティを低下せしめる、いわゆる残色劣化を生ずるという問題があった。
特に、近赤外部に感光極大を有する感光材料においては、生試料の保存安定性が悪い、現像処理時の湿度依存性が大きい、という問題があった。生試料の保存安定性に関しては赤外増感色素の不安定さに起因するもであり、これらを改良する方法として、350〜450nmの波長領域に感光極大を持たせて赤外増感色素を使用しない方法が開示されて(例えば、特許文献3参照。)いる。また、一方、現像処理時の湿度依存性に関しては、支持体の両面に防湿層を設置することで改良しようとする手段が開示されて(例えば、特許文献4参照。)いる。しかし、どちらにおいても、生試料の保存安定性と現像処理時の湿度依存性は充分満足がいくものではなく、更なる改良が望まれていた。
米国特許第3,152,904号明細書 米国特許第3,487,075号明細書 D.Morgan:Dry Silver Photographic Materials:Handbook of Imaging Materials, Marcel Dekker,Inc.第48頁,1991 特開2002−196450号公報 (第2〜23頁) 特開2002−287298号公報 (第5〜21頁)
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、特に印刷製版用のスキャナー、イメージセッター用として、残色が少なく生試料の保存安定性に優れ(カブリ上昇少ない、感度変動小さい)、かつ、現像処理時の湿度依存性が小さい熱現像感光材料を提供すること及びその画像形成方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
(請求項1)
支持体上に非感光性有機銀塩、該有機銀塩の還元剤、感光性ハロゲン化銀、およびバインダーを含有する画像形成層と
該画像形成層の上層に該画像形成層を保護する非感光性層を少なくとも各々1層有する熱現像感光材料において、該画像形成層を有する面および該画像形成層を有する面と支持体を介して反対側の面から選ばれる少なくとも1面に防湿層を少なくとも1層有し、かつ500nm以下に感光極大を有することを特徴とする熱現像感光材料。
(請求項2)
前記非感光性層の何れかの層に下記一般式〔I〕〜〔III〕で表される化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱現像感光材料。
Figure 2005141051
〔式中、R1〜R4はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールアミノ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、スルホ基、アルキルチオ基またはアリールチオ基を表す。またR1とR2およびR3とR4はそれぞれ連結して環を形成してもよい。また、R1〜R4はさらに任意の置換基で置換されていてもよい。〕
Figure 2005141051
〔式中、R5、R6はそれぞれ水素原子、アルキル基またはアシル基を表し、Xは−CO−あるいは−COO−を表し、n、m、pは1〜4の整数を表す。また、R5、R6はさらに任意の置換基で置換されていてもよい。〕
Figure 2005141051
〔式中、A、B、Cは各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基または複素環基を表す。但し、A、B、Cのうち少なくとも1つは下記一般式〔IV〕を表す。〕
Figure 2005141051
〔式中、R7、R8は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表す。〕
(請求項3)
請求項1または2に記載の熱現像感光材料を、350〜450nmに発光波長域を有する光源の光を用いて露光することを特徴とする画像形成方法。
(請求項4)
請求項1または2に記載の熱現像感光材料を、熱現像部の前にプレヒート部を有し、該プレヒート部の温度が80〜120℃である熱現像自現機を用いて処理することを特徴とする画像形成方法。
(請求項5)
請求項1または2に記載の熱現像感光材料を、350〜450nmに発光波長域を有する光源の光を用いて露光した後に、熱現像部の前にプレヒート部を有し、該プレヒート部の温度が80〜120℃である熱現像自現機を用いて処理することを特徴とする画像形成方法。
本発明により、印刷製版用のスキャナー、イメージセッター用として、残色が少なく生試料の保存安定性に優れ(カブリ上昇少ない、感度変動小さい)、かつ、現像処理時の湿度依存性が小さい熱現像感光材料及びその画像形成方法を提供することができた。
本発明の熱現像感光材料及び画像形成方法について詳細に説明する。尚、本明細書において、「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
〔熱現像感光材料〕
本発明の熱現像感光材料(以下、単に感光材料ともいう)はハロゲン化銀感光層又は非感光性層に後述する親水性又は疎水性バインダー、有機酸銀塩、ハロゲン化銀粒子、還元剤、硬調化剤等が含有され、有機溶媒または水の何れか、好ましくは主溶媒としての有機溶媒に溶解又は分散され、例えばPET等の支持体上に塗布加工して得られる。また、本発明の感光材料には好ましくは後述する紫外線吸収剤が含有される。
〈バインダー〉
本発明の感光材料のハロゲン化銀感光層又非感光性層に好適に用いられるなバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリマーや合成モノポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。本発明の感光材料に用いられるバインダーは、親水性バインダーでも、疎水性バインダーでもよいが、熱現像後のカブリを低減させるために、疎水性透明バインダーを使用することが好ましい。好ましいバインダーとしては、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタンなどがあげられる。その中でもポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステルが特に好ましく用いられる。上記のように疎水性透明バインダーを使用することが好ましいが、必要により、水可溶性樹脂又は水分散系樹脂(ラテックス)を適量併用することができる。
上記疎水性透明バインダーを溶解または分散するための主溶媒としては、有機溶媒が主として用いられ、例えばアルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブ等が好ましく用いられ、必要に応じて、好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下の水が含有されてもよい。
〈有機酸銀塩〉
本発明の感光材料のハロゲン化銀感光層に含有される有機酸銀塩は還元可能な銀源であり、還元可能な銀イオン源を含有する有機酸及びヘテロ有機酸の銀塩、特に長鎖(10〜30、好ましくは5〜25の炭素原子数)の脂肪族カルボン酸及び含窒素複素環カルボン酸が好ましい。配位子が、4.0〜10.0の銀イオンに対する総安定定数を有する有機又は無機の銀塩錯体も有用である。好適な銀塩の例は、Research Disclosure第17029及び29963に記載されており、次のものがある:有機酸の塩(例えば、没食子酸、シュウ酸、ベヘン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の塩);銀のカルボキシアルキルチオ尿素塩(例えば、1−(3−カルボキシプロピル)チオ尿素、1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジメチルチオ尿素等);アルデヒドとヒドロキシ置換芳香族カルボン酸とのポリマー反応生成物の銀錯体(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒドのようなアルデヒド類とサリチル酸、ベンジル酸3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5,5−チオジサリチル酸のようなヒドロキシ置換酸類);チオン類の銀塩又は錯体(例えば、3−(2−カルボキシエチル)−4−ヒドロキシメチル−4−チアゾリン−2−チオン及び3−カルボキシメチル−4−メチル−4−チアゾリン−2−チオン);イミダゾール、ピラゾール、ウラゾール、1,2,4−チアゾール及び1H−テトラゾール、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−トリアゾール及びベンゾトリアゾールから選択される窒素酸と銀との錯体または塩;サッカリン、5−クロロサリチルアルドキシム等の銀塩;メルカプチド類の銀塩等が挙げられる。好ましい銀源はベヘン酸銀、アラキジン酸銀および/またはステアリン酸銀である。
有機酸銀塩は、水溶性銀化合物と銀と錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−127643号公報に記載されている様なコントロールドダブルジェット法等が好ましく用いられる。例えば、有機酸にアルカリ金属塩(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)を加えて有機酸アルカリ金属塩ソープ(例えば、ベヘン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウムなど)を作製した後に、コントロールドダブルジェットにより、前記ソープと硝酸銀などを添加して有機銀塩の結晶を作製する。その際にハロゲン化銀粒子を混在させてもよい。
〈ハロゲン化銀粒子〉
本発明の感光材料のハロゲン化銀感光層に含有されるハロゲン化銀粒子は光センサーとして機能するものである。本発明においては、画像形成後の白濁を低く抑えるため、および良好な画質を得るために平均粒子サイズが小さい方が好ましく、平均粒子サイズが好ましくは0.03μm以下、より好ましくは0.01〜0.03μmの範囲である。なお、本発明の感光材料のハロゲン化銀粒子は前記有機酸銀塩調製時に同時に作製されるか、または前記有機銀酸塩調製時に該ハロゲン化銀粒子を混在させて調製することにより、有機酸銀塩に融着した状態でハロゲン化銀粒子を形成させて微小粒子のいわゆるin situ銀とするのが好ましい。なお、上記ハロゲン化銀粒子の平均粒子径の測定方法は、電子顕微鏡により50000倍で撮影し、それぞれのハロゲン化銀粒子の長辺と短辺を実測し、100個の粒子を測定し、平均したものを平均粒径とする。
ここで、上記粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が立方体或いは八面体のいわゆる正常晶である場合には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。又、正常晶でない場合、例えば、球状、棒状、或いは平板状の粒子の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をいう。またハロゲン化銀粒子は単分散であることが好ましい。ここでいう単分散とは、下記式で求められる単分散度が40%以下をいう。更に好ましくは30%以下であり、特に好ましくは0.1〜20%となる粒子である。
単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100
本発明において、ハロゲン化銀粒子は平均粒径0.01〜0.03μmで、かつ単分散粒子であることがより好ましく、この範囲にすることで画像の粒状性も向上する。
ハロゲン化銀粒子の形状については、特に制限はないが、ミラー指数〔100〕面の占める割合が高いことが好ましく、この割合が50%以上、更には70%以上、特に80%以上であることが好ましい。ミラー指数〔100〕面の比率は、増感色素の吸着における〔111〕面と〔100〕面との吸着依存性を利用したT.Tani;J.Imaging Sci.,29,165(1985)により求めることができる。
またもう一つの好ましいハロゲン化銀粒子の形状は、平板粒子である。ここでいう平板粒子とは、投影面積の平方根を粒径rμmとして、垂直方向の厚みをhμmとした場合のアスペクト比=r/hが3以上のものをいう。その中でも好ましくは、アスペクト比が3以上、50以下である。また粒径は0.03μm以下であることが好ましく、さらに0.01〜0.03μmが好ましい。これらの製法は米国特許第5,264,337号、同5,314,798号、同5,320,958号等の各明細書に記載されており、容易に目的の平板状粒子を得ることができる。本発明においてこれらの平板状粒子を用いた場合、さらに画像の鮮鋭性も向上する。
ハロゲン化銀粒子の組成としては特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀のいずれであってもよい。本発明に用いられる写真乳剤は、P.Glafkides著Chimie et Physique Photographique(Paul Montel社刊、1967年)、G.F.Duffin著 Photographic Emulsion Chemistry(The Focal Press刊、1966年)、V.L.Zelikman et al著Making and Coating Photographic Emulsion(The Focal Press刊、1964年)等に記載された方法を用いて調製することができる。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子には、照度不軌改良や改良調整のために、元素周期律表の6族から10族に属する金属のイオン又は錯体イオンを含有することが好ましい。上記の金属としては、W、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、Auが好ましい。
ハロゲン化銀粒子は、ヌードル法、フロキュレーション法等、当業界で知られている方法の水洗により脱塩することができるが、本発明においては脱塩してもしなくてもよい。
本発明におけるハロゲン化銀粒子は、化学増感されていることが好ましい。好ましい化学増感法としては、当業界でよく知られているように硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法、金化合物や白金、パラジウム、イリジウム化合物等の貴金属増感法や還元増感法を用いることができる。
本発明においては感光材料の失透を防ぐためには、ハロゲン化銀粒子及び有機銀塩の総量は、銀量に換算して1m2当たり0.3〜2.2gであり、0.5g〜1.5gがより好ましい。この範囲にすることで硬調な画像が得られる。また銀総量に対するハロゲン化銀の量は、質量比で50%以下、好ましくは25%以下、更に好ましくは0.1〜15%の間である。
本発明におけるハロゲン化銀粒子は350〜450μmに光の極大吸収を有し、特に増感色素を有してなくてもよいが、必要に応じて含有させてもよい。
〈還元剤〉
本発明の感光材料のハロゲン化銀感光層または非感光性層に含有される好適な還元剤の例は、米国特許第3,770,448号、同3,773,512号、同3,593,863号等の各明細書及びResearch Disclosure第17029及び29963に記載されており、次のものが挙げられる。
アミノヒドロキシシクロアルケノン化合物(例えば、2−ヒドロキシ−3−ピペリジノ−2−シクロヘキセノン);還元剤の前駆体としてアミノレダクトン類(reductones)エステル(例えば、ピペリジノヘキソースレダクトンモノアセテート);N−ヒドロキシ尿素誘導体(例えば、N−p−メチルフェニル−N−ヒドロキシ尿素);アルデヒド又はケトンのヒドラゾン類(例えば、アントラセンアルデヒドフェニルヒドラゾン);ホスファーアミドフェノール類;ホスファーアミドアニリン類;ポリヒドロキシベンゼン類(例えば、ヒドロキノン、t−ブチル−ヒドロキノン、イソプロピルヒドロキノン及び(2,5−ジヒドロキシ−フェニル)メチルスルホン);スルフヒドロキサム酸類(例えば、ベンゼンスルフヒドロキサム酸);スルホンアミドアニリン類(例えば、4−(N−メタンスルホンアミド)アニリン);2−テトラゾリルチオヒドロキノン類(例えば、2−メチル−5−(1−フェニル−5−テトラゾリルチオ)ヒドロキノン);テトラヒドロキノキサリン類(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン);アミドオキシム類;アジン類;脂肪族カルボン酸アリールヒドラザイド類とアスコルビン酸の組み合わせ;ポリヒドロキシベンゼンとヒドロキシルアミンの組み合わせ;レダクトン及び/又はヒドラジン;ヒドロキサン酸類;アジン類とスルホンアミドフェノール類の組み合わせ;α−シアノフェニル酢酸誘導体;ビス−β−ナフトールと1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体の組み合わせ;5−ピラゾロン類;スルホンアミドフェノール還元剤;2−フェニルインダン−1,3−ジオン等;クロマン;1,4−ジヒドロピリジン類(例えば、2,6−ジメトキシ−3,5−ジカルボエトキシ−1,4−ジヒドロピリジン);ビスフェノール類(例えば、ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(6−ヒドロキシ−m−トリ)メシトール(mesitol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,4−エチリデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチルフェノール))、紫外線感応性アスコルビン酸誘導体;ヒンダードフェノール類;3−ピラゾリドン類。中でも特に好ましい還元剤は、ヒンダードフェノール類である。ヒンダードフェノール類としては、下記一般式(A)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2005141051
式中、Rは水素原子、又は炭素原子数1〜10のアルキル基(例えば、−C49、2,4,4−トリメチルペンチル)を表し、R′及びR″は炭素原子数1〜5のアルキル基(例えば、メチル、エチル、t−ブチル)を表す。
一般式(A)で表される化合物の具体例を以下に示す。ただし、本発明は、以下の化合物に限定されるものではない。
Figure 2005141051
Figure 2005141051
前記一般式(A)で表される化合物を始めとする還元剤の使用量は、好ましくは銀1モル当り1×10-2〜10モル、特に1×10-2〜1.5モルである。
本発明の熱現像感光材料には必要に応じて、硬調化剤を添加しても良い。
〈硬調化剤〉
本発明の感光材料のハロゲン化銀感光層または非感光性層に用いられる硬調化剤としてのヒドラジン化合物としては、Research Disclosure Item 23515(1983年11月号、P.346)及びそこに引用された文献の他、米国特許第4,080,207号、同第4,269,929号、同第4,276,364号、同第4,278,748号、同第4,385,108号、同第4,459,347号、同第4,478,928号、同第4,560,638号、同第4,686,167号、同第4,912,016号、同第4,988,604号、同第4,994,365号、同第5,041,355号、同第5,104,769号、英国特許第2,011,391B号、欧州特許第217,310号、同第301,799号、同第356,898号、特開昭60−179734号、同61−170733号、同61−270744号、同62−178246号、同62−270948号、同63−29751号、同63−32538号、同63−104047号、同63−121838号、同63−129337号、同63−223744号、同63−234244号、同63−234245号、同63−234246号、同63−294552号、同63−306438号、同64−10233号、特開平1−90439号、同1−100530号、同1−105941号、同1−105943号、同1−276128号、同1−280747号、同1−283548号、同1−283549号、同1−285940号、同2−2541号、同2−77057号、同2−139538号、同2−196234号、同2−196235号、同2−198440号、同2−198441号、同2−198442号、同2−220042号、同2−221953号、同2−221954号、同2−285342号、同2−285343号、同2−289843号、同2−302750号、同2−304550号、同3−37642号、同3−54549号、同3−125134号、同3−184039号、同3−240036号、同3−240037号、同3−259240号、同3−280038号、同3−282536号、同4−51143号、同4−56842号、同4−84134号、同2−230233号、同4−96053号、同4−216544号、同5−45761号、同5−45762号、同5−45763号、同5−45764号、同5−45765号、同6−289524号、同9−160164号等の各公報に記載されたものを挙げることができる。
この他にも、特公平6−77138号公報に記載の(化1)で表される化合物で、具体的には同公報3頁、4頁に記載された化合物、特公平6−93082号公報に記載された一般式(1)で表される化合物で具体的には同公報8頁〜18頁に記載の1〜38の化合物、特開平6−23049号公報に記載の一般式(4)、(5)及び(6)で表される化合物で、具体的には同公報25頁、26頁に記載の化合物4−1〜4−10、28頁〜36頁に記載の化合物5−1〜5−42、及び39頁、40頁に記載の化合物6−1〜6−7、特開平6−289520号公報に記載の一般式(1)及び(2)で表される化合物で、具体的には同公報5頁から7頁に記載の化合物1−1)〜1−17)及び2−1)、特開平6−313936号公報に記載の(化2)及び(化3)で表される化合物で具体的には同公報6頁から19頁に記載の化合物、特開平6−313951号公報に記載の(化1)で表される化合物で、具体的には同公報3頁から5頁に記載された化合物、特開平7−5610号公報に記載の一般式(I)で表される化合物で、具体的には同公報の5頁から10頁に記載の化合物I−1〜I−38、特開平7−77783号公報に記載の一般式(II)で表される化合物で、具体的には同公報10頁〜27頁に記載の化合物II−1〜II−102、特開平7−104426号公報に記載の一般式(H)及び一般式(Ha)で表される化合物で、具体的には同公報8頁〜15頁に記載の化合物H−1〜H−44に記載されたもの等を用いることができる。
さらに本発明に用いられるその他の硬調化剤としては特開平11−316437号公報の33頁から53頁に記載の化合物であり、さらに好ましくは特開平12−298327号公報の21頁から14頁に記載の下記化合物である。
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〈紫外線吸収剤〉
本発明の感光材料のハロゲン化銀感光層又は非感光性層に含有される前記一般式〔I〕、一般式〔II〕、一般式〔III〕の紫外線吸収剤としての化合物についてさらに具体的に説明する。
まず、一般式〔I〕において、R1〜R4はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、スルホ基、アルキルチオ基またはアリールチオ基を表す。またR1とR2およびR3とR4はそれぞれ連結して環を形成してもよい。また、一般式〔II〕においてR5、R6はそれぞれ水素原子、アルキル基またはアシル基を表し、Xは−CO−あるいは−COO−を表し、nは1〜4の整数である。一般式〔I〕または〔II〕のこれらの置換基は更に任意の置換基で置換されたものも含む。本発明で用いる一般式〔I〕で表される2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は常温で固体のものでも液体のものでもよい。液体の具体例は、特公昭55−36984号、同55−12587号や特開昭58−214152号等の各公報に記載されている。一般式〔I〕で表される紫外線吸収剤のR1〜R4で表される原子や基についての詳細は、特開昭58−221844号、同59−46646号、同59−109055号、特公昭36−10466号、同42−26187号、同48−5496号、同48−41572号等の各公報、米国特許3,754,919号、同4,220,711号等の各明細書に記載されている。一般式〔II〕で表されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤のR5およびR6で表される基の詳細は特公昭48−30493号公報(米国特許3,698,907号明細書)や同48−31255号公報等に記載されている。
一般式〔III〕中、A、B、Cは各々独立に置換もしくは無置換の、炭素数が好ましくは1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、もしくは、複素環基(例えばピリジル)を表す。置換基としては水酸基、ハロゲン原子(例えば、弗素原子、塩素原子、臭素原子等)、炭素数1〜12のアルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシオクチル、エポキシメチルなど)、炭素数1〜18のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ、ベンジルオキシなど)、炭素数6〜18のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ、m−メチルフェノキシなど)、アルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル、2−メトキシエトキシカルボニルなど)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル、p−メチルフェノキシカルボニルなど)、炭素数1〜18のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ、ブチルチオなど)、カルバモイル基(例えばメチルカルバモイル、ブチルカルバモイルなど)などを表す。A、B、Cの基のうち、前記の一般式〔IV〕の基以外の基としては、置換もしくは無置換の、アリール基またはアルコキシ基が好ましい。
一般式〔IV〕中のR7、R8は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子(例えば、弗素原子、塩素原子、臭素原子など)、炭素原子1〜18の置換もしくは無置換のアルキル基(例えば、メチル、トリフルオロメチル、シクロヘキシル、グリシジルなど)、炭素数6〜18の置換もしくは無置換のアリール基(例えば、フェニル、トリルなど)、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ、ブトキシ、2−ブトキシエトキシ、3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシなど)、炭素数6〜18の置換もしくは無置換のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ、p−メチルフェノキシなど)を表す。R7、R8の好ましいものは炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシ基であり、置換位置としてはトリアジン環に結合している炭素原子のパラ位が好ましい。
本発明の一般式〔III〕の化合物は、特開昭46−3335号公報やヨーロッパ特許第520938A1号明細書に記載された方法に準じて合成できる。以下に、本発明に用いられる紫外線吸収剤の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
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上記本発明の紫外線吸収剤は感光材料の非感光性層に添加するのが好ましく、特に好ましくは支持体から最も遠いハロゲン化銀感光層の上層に添加するのがこのましい。一般式〔I〕、〔II〕または〔III〕の化合物は、単独でも他の構造の紫外線吸収剤と併用してもよいが、好ましくはそれらの構造式から選ばれる化合物を2種以上、より好ましくは3種以上混合して用いるのが好ましく、そのうち少なくとも1種が常温で液体であることがさらに好ましい。また、上記本発明のの紫外線吸収剤が疎水性又は親水性バインダーに分散含有される場合には、該バインダーが、紫外線吸収剤に対して好ましくは5〜100質量%、より好ましくは5〜50質量%である。また、上記本発明のの紫外線吸収剤の塗布量は360nmにおける吸光度が好ましくは0.6以上、より好ましくは1.0以上、さらに好ましくは1.5以上である。また、上記本発明のの紫外線吸収剤をバインダーに分散する場合には、さらにワックス等の高沸点溶媒を用いるのが好ましい。
〈紫外線吸収剤の消色剤〉
上記本発明の紫外線吸収剤を含む感光材料において、該紫外線吸収剤が感光材料の熱現像後においても熱分解せずに残留すると、次工程において、紫外線によるPS版への焼き付け作業が非効率となる恐れがある。そこで上記紫外線吸収剤の消色に効果のある下記消色剤を該紫外線吸収剤を含む層又はその隣接する層に含有させることが好ましい。
上記紫外線吸収剤の消色剤の具体例としては、ビスフェノールの酸化アルキレン付加物、融点110℃以上のメチロールアミドおよびビスアミド、長鎖1,2−グリコール、テレフタル酸の酸化エチレン付加物、特公昭50−17865号公報に記載のステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、1,8−オクタンジオール等の固形アルコール、特公昭50−17867号および特公昭50−17868号等の各公報に記載のポリエチレンオキシド、ソルビタンモノステアレート、オキシエチレンアルキルアミンなどのポリエーテルまたはポリエチレングリコール誘導体、特公昭51−19991号公報に記載のアセトアミド、ステアロアミド、フタロニトリル、m−ニトロアニリン、β−ナフチルアミン等、特公昭51−29024号公報に記載のグアニジン誘導体、特公昭50−18048号公報に記載のヘキサデシルアミン、トリベンジルアミン、2−アミノベンゾオキサゾール、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリドなどのアミンまたは第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤の消色剤の使用量は0.05〜8g/m2の範囲が好ましい。
本発明においては、熱現像の速度を速めるためにハロゲン化銀感光層のバインダー量が1.5〜10g/m2であることが好ましい。さらに好ましくは1.7〜8g/m2である。1.5g/m2未満では未露光部の濃度が大幅に上昇し、使用に耐えない場合がある。
本発明においては、ハロゲン化銀感光層側にマット剤を含有することが好ましく、また熱現像後の画像の傷つき防止のためには、感光材料の表面にマット剤を配することが好ましく、そのマット剤をハロゲン化銀感光層の全バインダーに対し、質量比で0.5〜30%含有することが好ましい。また、支持体をはさみハロゲン化銀感光層の反対側に非感光性層を設ける場合は、非感光性層側の少なくとも1層中にマット剤を含有することが好ましく、感光材料のすべり性や指紋付着防止のためにも感光材料の表面にマット剤を配することが好ましく、そのマット剤をハロゲン化銀感光層側の反対側の層の全バインダーに対し、質量比で0.5〜40%含有することが好ましい。
マット剤の形状は、定形、不定形どちらでも良いが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられる。
本発明の感光材料はハロゲン化銀感光層に通過する光の量又は波長分布を制御するために該ハロゲン化銀感光層と同じ側にフィルター染料層および/又は反対側にアンチハレーション染料層、いわゆるバッキング層を形成しても良いし、ハロゲン化銀感光層に染料又は顔料を含ませても良い。
本発明の感光材料の非感光性層には前記のバインダーやマット剤とともに、さらにポリシロキサン化合物やワックスや流動パラフィンのようなスベリ剤を含有してもよい。
また、本発明の感光材料には、塗布助剤として各種の界面活性剤が用いられ、中でもフッ素系界面活性剤が、帯電特性を改良したり、斑点状の塗布故障を防ぐために好ましく用いられる。
本発明の感光材料のハロゲン化銀感光層は複数層にしても良く、また階調の調節のためハロゲン化銀感光層の構成として高感度層/低感度層又は低感度層/高感度層にしても良い。
また、本発明に用いられる好適な色調剤の例はResearch Disclosure第17029号に開示されている。
本発明の感光材料には熱現像を抑制あるいは促進させ熱現像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させることができる。
本発明の感光材料にはかぶり防止剤が用いられてもよく、これらの添加剤はハロゲン化銀感光層、非感光性層、又はその他の形成層の何れに添加してもいい。
本発明の感光材料には例えば、界面活性剤、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、被覆助剤等を用いても良い。これらの添加剤及び上述したその他の添加剤はResearch Disclosure Item17029(1978年6月p.9〜15)に記載されている化合物を好ましく用いることができる。
本発明で用いられる支持体は、現像処理後に所定の光学濃度を得るため及び現像処理後の画像の変形を防ぐために、プラスチックフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ナイロン、セルローストリアセテート、ポリエチレンナフタレート)であることが好ましい。
その中でも好ましい支持体としては、ポリエチレンテレフタレート及びシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体を含むプラスチックの支持体が挙げられる。支持体の厚みとしては50〜300μm程度、好ましくは70〜180μmである。
また熱処理したプラスチック支持体を用いることもできる。採用するプラスチックとしては、前記のプラスチックが挙げられる。支持体の熱処理とはこれらの支持体を製膜後、ハロゲン化銀感光層、非感光性層、又はその他の形成層が塗布されるまでの間に、支持体のガラス転移点より30℃以上高い温度で、好ましくは35℃以上高い温度で、更に好ましくは40℃以上高い温度で加熱することがよい。但し、支持体の融点を超えた温度に加熱することは支持体の強度の均一性を損い、好ましくない。
本発明においては帯電性を改良するために金属酸化物および/または導電性ポリマーなどの導電性化合物を構成層中に含ませることができる。これらはいずれの層に含有させてもよいが、好ましくは下引層、バッキング層、ハロゲン化銀感光層と下引の間の層などである。
本発明の熱現像画像記録材料には防湿層が形成されている。防湿層は、バインダーとして塩化ビニリデン樹脂を含むことが好ましい。塩化ビニリデン樹脂の含有量は、防湿層のバインダー総質量の70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。塩化ビニリデン樹脂以外の防湿層の成分については、通常の防湿層に用いられている成分の中から適宜選択して用いることができる。
〔防湿層〕
本発明の防湿層は、塩化ビニリデン樹脂を用いることが好ましい。防湿層に使用する塩化ビニリデン樹脂は、塩化ビニリデン単量体の繰り返し単位を70質量%以上含有する塩化ビニリデン共重合体であることが好ましい。そのような塩化ビニリデン共重合体として、特開昭64−20544号公報、特開平1−180537号公報、特開平1−209443号公報、特開平1−285939号公報、特開平1−296243号公報、特開平2−24649号公報、特開平2−24648号公報、特開平2−184844号公報、特開平3−109545号公報、特開平3−137637号公報、特開平3−141346号公報、特開平3−141347号公報、特開平4−96055号公報、米国特許第4,645,731号明細書、特開平4−68344号公報、特許登録第2,557,641号公報2頁右欄20行目〜3頁右欄30行目、特開平12−39684号公報の段落番号0020〜0037に記載されているような塩化ビニリデン共重合体を例示することができる。
塩化ビニリデン単量体が70質量%未満の場合は、十分な防湿性が得られず、熱現像後の時間経過に伴う寸法変化が大きくなってしまう。また、塩化ビニリデン共重合体は、塩化ビニリデン単量体の以外の構成繰り返し単位としてカルボキシル基含有ビニル単量体の繰り返し単位を含むことが好ましい。カルボキシル基含有ビニル単量体の繰り返し単位を含ませることが好ましい理由は、塩化ビニリデン単量体のみでは、重合体(ポリマー)が結晶化してしまい、防湿層を塗設する際に均一な膜を作り難くなることと、カルボキシル基含有ビニル単量体が重合体の安定化のために効果的に寄与するためである。カルボキシル基含有ビニル単量体の繰り返し単位の含有量は、1〜30質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましい。カルボキシル基含有ビニル単量体としては、アクリル酸やメタクリル酸を挙げることができる。本発明で用いる塩化ビニリデン共重合体の分子量は、質量平均分子量で60,000以下、さらには10,000〜45,000が好ましい。
本発明で用いる塩化ビニリデン共重合体の含有量は、塩化ビニリデン共重合体を含有する防湿層の片面当たりの合計膜厚として0.3μm以上であり、好ましくは0.3〜4μmの範囲である。
なお、本発明の熱現像画像記録材料における防湿層は、通常は片面ごとに1層ずつ設けられるが、場合によっては2層以上設けてもよい。2層以上の多層構成とするときは、塩化ビニリデン共重合体量が合計で上記の範囲となるようにすればよい。防湿層には塩化ビニリデン共重合体のほか、架橋剤やマット剤、界面活性剤などを含有させるのが好ましい。特に、含フッ素界面活性剤は、塗布性を良化させる上で有効である。また、層の強度を高めるために架橋剤を使用することが好ましい。
〔画像形成方法〕
本発明の画像形成方法は、従来の600〜800nmの近赤外光に代えて500nm以下、好ましくは350〜450nm、より好ましくは370〜420nmに発光波長域を有する短波の光源を用いて、前記本発明の感光材料に露光して網点画像を形成する点に特徴がある。この波長領域に感光材料の分光感度を持たせることで、還元能の高い(HOMO準位が高い)近赤外の分光増感色素を使用する必要性が無くなり、本発明の効果のひとつである保存安定性を向上させることができる。また、本発明の感光材料の非感光性層には、前記したように紫外線吸収剤を含有させるのが好ましく、それによって熱現像後の感光材料中の紫外線吸収剤の残色が排除され、次工程での紫外線によるPS版への焼付け作業の効率化が得られる。
以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
実施例1
〈下引済みPET支持体の作製〉
帝人(株)製の2軸延伸熱固定済みの厚さ125μmのPETフィルムの両面に下記に示す条件でプラズマ処理1を施し、次いで一方の面に下記下引塗布液a−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて下引層A−1とし、また反対側の面に下記帯電防止用の下引塗布液b−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて帯電防止加工下引層B−1とした。ついで、それぞれの下引き層表面に下記に示す条件でプラズマ処理2を施した。
《プラズマ処理条件》
バッチ式の大気圧プラズマ処理装置(イーシー化学(株)製、AP−I−H−340)を用いて、高周波出力が4.5kW、周波数が5kHz、処理時間が5秒及びガス条件としてアルゴン、窒素及び水素の体積比をそれぞれ90%、5%及び5%で、プラズマ処理1及びプラズマ処理2を行った。
《下引塗布液a−1》
ブチルアクリレート(30質量%)
t−ブチルアクリレート(20質量%)
スチレン(25質量%)
2−ヒドロキシエチルアクリレート(25質量%)
の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
ポリスチレン微粒子(平均粒径3μm) 0.05g
コロイダルシリカ(平均粒径90μm) 0.1g
水で1リットルに仕上げる
《下引塗布液b−1》
酸化錫(インジウムを0.1質量%ドープした平均粒子径36nm)g/m2になる量 0.26g
ブチルアクリレート(30質量%)
スチレン(20質量%)
グリシジルアクリレート(40質量%)の共重合体ラテックス液(固形分30%)
270g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
水で1リットルに仕上げる
《支持体の熱処理》
上記の下引済み支持体の下引乾燥工程において、支持体を140℃で加熱し、その後徐々に冷却した。その際に1×105Paの張力で搬送した。
〈バック層面側塗布〉
以下の組成のバック層塗布液3とバック保護層塗布液4を、それぞれ塗布前に準絶対濾過精度20μmのフィルタを用いて濾過した後、押し出しコーターで前記作製した支持体の帯電防止加工した下引層B−1面上に、合計ウェット膜厚が30μmになるよう、毎分120mの速度で同時重層塗布し、60℃で4分間乾燥を行った。
《バック層塗布液3》
メチルエチルケトン 16.4g/m2
ポリエステル樹脂(Bostic社製、Vitel PE2200B)
106mg/m2
セルロースアセテートプロピレート(Eastman Chemical社製、CAP504−0.2) 1.0g/m2
セルロースアセテートブチレート(Eastman Chemical社製、CAB381−20) 1.0g/m2
《バック保護層塗布液4》
メチルエチルケトン 22g/m2
ポリエステル樹脂(Bostic社製、Vitel PE2200B)
106mg/m2
帯電防止剤;(CH33SiO−〔(CH32SiO〕20−〔CH3SiO{CH2CH2CH2O(CH2CH2O)10(CH2CH2CH2O)15CH3}〕30−Si(CH33
22mg/m2
フッ素系界面活性剤F−1:C817SO3Li 10mg/m2
セルロースアセテートプロピレート(Eastman Chemical社製、CAP504−0.2) 1.0g/m2
セルロースアセテートブチレート(Eastman Chemical社製、CAB381−20) 1.0g/m2
マット剤(富士デビソン社製、サイロイド74;平均粒子サイズ7μmのシリカ)
17mg/m2
〈感光層の作製〉
《感光性ハロゲン化銀乳剤Bの調製》
A1
フェニルカルバモイルゼラチン 88.3g
化合物(A)(10%メタノール溶液) 10ml
臭化カリウム 0.32g
水で5429mlに仕上げる
B1
0.67M/L硝酸銀水溶液 2635ml
C1
臭化カリウム 51.55g
沃化カリウム 1.47g
水で660mlに仕上げる
D1
臭化カリウム 154.9g
沃化カリウム 4.41g
塩化イリジウム(1%溶液) 0.93ml
E1
0.4M/L臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量
F1
56%酢酸水溶液 16.0ml
G1
無水炭酸ナトリウム 1.72g
水で151mlに仕上げる
化合物(A):
HO(CH2CH2O)n−[CH(CH3)CH2O]17−(CH2CH2O)m
m+n=5〜7
特公昭58−58288号、同58−58289号の各公報に示される混合撹拌機を用いて溶液A1に溶液B1の1/4量及び溶液C1全量を45℃、pAg8.09に制御しながら、同時混合法により4分45秒を要して添加し、核形成を行った。
7分間経過後、溶液B1の残り及び溶液D1の全量を、温度45℃、pAg8.09に制御しながら、同時混合法により14分15秒かけて添加した。混合中、反応溶液のpHは5.6であった。
5分間撹拌した後、40℃に降温し、溶液F1を全量添加し、ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分2000mlを残し上澄み液を取り除き、水を10L加え、撹拌後、再度ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分1500mlを残し、上澄み液を取り除き、更に水を10L加え、撹拌後、ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分1500mlを残し、上澄み液を取り除いた後、溶液G1を加え、60℃に昇温し、更に120分撹拌した。最後にpHが5.8になるように調整し、銀量1モル当たり1161gになるように水を添加して感光性ハロゲン化銀乳剤Bを得た。得られた感光性ハロゲン化銀乳剤Bのハロゲン化銀粒子は平均粒子サイズが0.058μm、粒子サイズの変動係数が12%、[100]面比率が92%の立方体沃臭化銀粒子であった。
《粉末有機銀塩Bの調製》
4720mlの純水にベヘン酸130.8g、アラキジン酸67.7g、ステアリン酸43.6g、パルミチン酸2.3gを80℃で溶解した。次に1.5M/Lの水酸化ナトリウム水溶液540.2mlを添加し濃硝酸6.9mlを加えた後、55℃に冷却して脂肪酸ナトリウム溶液を得た。上記の脂肪酸ナトリウム溶液の温度を55℃に保ったまま、31.7gの上記の感光性ハロゲン化銀乳剤Bと純水465mlを添加し5分間攪拌した。
次に1M/Lの硝酸銀溶液702.6mlを2分間かけて添加し、10分間攪拌し有機銀塩分散物を得た。その後、得られた有機銀塩分散物を水洗容器に移し、脱イオン水を加えて攪拌後、静置させて有機銀塩分散物を浮上分離させ、下方の水溶性塩類を除去した。その後、排水の電導度が2μS/cmになるまで脱イオン水による水洗、排水を繰り返し、遠心脱水を実施した後、気流式乾燥機フラッシュジェットドライヤー(株式会社セイシン企業製)を用いて、乾燥機入口熱風温度75℃の運転条件により含水率が0.1%になるまで乾燥して粉末有機銀塩Bを得た。この時、乾燥熱風は大気中の空気を電気ヒーターで加熱したものを使用した。なお、粉末有機銀塩Bの含水率測定には赤外線水分計を使用した。
《予備分散液Bの調製》
ポリビニルブチラール粉末「Butvar B−79」(Monsanto社製)14.57gをメチルエチルケトン(以下MEKと略す)1457gに溶解し、VMA−GETZMANN社製「ディゾルバDISPERMAT CA−40M型攪拌機」により攪拌しながら粉末有機銀塩Bの500gを徐々に添加して十分に混合することにより予備分散液Bを調製した。
《感光性乳剤分散液Bの調製》
予備分散液Bをポンプを用いてミル内滞留時間が10分間となるように、0.5mm径のジルコニアビーズ(東レ製トレセラム)を内容積の80%充填したメディア型分散機DISPERMAT SL−C12EX型(VMA−GETZMANN社製)に供給し、ミル周速13m/sにて分散を行なうことにより感光性乳剤分散液Bを調製した。
《溶液dの調製》
下記化合物Pの0.1g、化合物Qの0.1gをメタノール10.1gに溶解し溶液dを作製した。
《増感色素液aの調製》
29mgの増感色素1、4.5gの2−クロロ−安息香酸、8.4gの溶液dおよび280mgの5−メチル−2−メルカプトベンズイミダゾールを77.2mlのMEKに暗所にて溶解し増感色素液aを調製した。
《感色素液bの調製》
29mgの増感色素2、4.5gの2−クロロ−安息香酸、8.4gの溶液dおよび280mgの5−メチル−2−メルカプトベンズイミダゾールを77.2mlのMEKに暗所にて溶解し増感色素液bを調製した。
《増感色素液cの調製》
29mgの増感色素3、4.5gの2−クロロ−安息香酸、8.4gの溶液dおよび280mgの5−メチル−2−メルカプトベンズイミダゾールを77.2mlのMEKに暗所にて溶解し増感色素液cを調製した。
《添加液aの調製》
107gの還元剤(例示化合物A−4)および4.8gの4−メチルフタル酸をMEK261gに溶解し添加液aとした。
《添加液bの調製》
11.6gのかぶり防止剤2をMEK137gに溶解し添加液bとした。
《添加液cの調製》
21.7gのアルコキシシラン化合物:C65−NH−(CH2)−Si−(OCH33と45gのかぶり防止剤3を159gのMEKに溶解し添加液cとした。
《感光層塗布液aの調製》
前記感光性乳剤分散液B(1641g)およびMEKの506gを攪拌しながら21℃に保温し、かぶり防止剤1(11.2%メタノール溶液)10.75gを加え、1時間攪拌した。さらに臭化カルシウム(11.2%メタノール溶液)13.6gを添加して20分攪拌した。続いて、溶液dの1.3gを添加して10分間攪拌した後、増感色素液aを添加して1時間攪拌した。その後、温度を13℃まで降温してさらに30分攪拌した。13℃に保温したまま、ポリビニルブチラール「Butvar B−79」(Monsanto社製)349.6gを添加して30分攪拌した後、5−メチル−2−メルカプトベンズイミダゾール95mgとテトラクロロフタル酸3.5gを添加して30分間攪拌した。その後1.2gの5−ニトロインダゾール、0.4gの5−ニトロベンズイミダゾール、1.2gの硬調化剤V−1(ビニル化合物)、19gの硬調化剤H−2(ヒドラジン誘導体)およびMEK225gを添加した。更に撹拌を続けながら、添加液a、添加液bをそれぞれ148.6gづつ、添加液cを225g順次添加し撹拌することにより感光層塗布液aを得た。
《感光層塗布液bの調製》
増感色素液aを増感色素液bに変えただけで、それ以外は上記感光層塗布液aの調製と同様に行い、感光層塗布液bを得た。
《感光層塗布液cの調製》
増感色素液aを増感色素液cに変えただけで、それ以外は上記感光層塗布液aの調製と同様に行い、感光層塗布液cを得た。
《感光層塗布液dの調製》
増感色素液aは添加せず、それ以外は上記感光層塗布液aの調製と同様に行い、感光層塗布液dを得た。
《マット剤分散液の調製》
1m2あたり1.7gのMEKに平均粒径3.5μmの単分散シリカ50mgを添加し、ディゾルバ型ホモジナイザにて8000rpmで30分間分散しマット剤分散液を調製した。
《添加液dの調製》
1m2あたり0.17gになる量のフタラジンを1m2あたり2.73gになる量のMEKに溶解し添加液dとした。
《表面保護層塗布液の調製》
1m2あたりMEK15.9gを攪拌しながら、セルロースアセテートブチレート(Eastman Chemical社製、CAB171−15):1.8g、ポリメチルメタクリル酸(ローム&ハース社製、パラロイドA−21):85mg、ベンゾトリアゾール:20mg、フッ素系界面活性剤F−1:C817SO3Liの13mg、フッ素系界面活性剤F−2:C817(CH2CH2O)22817の50mgを添加し溶解した。次にマット剤分散液1.75gを添加して攪拌し、表面保護層塗布液を調製した。
Figure 2005141051
Figure 2005141051
《防湿層塗布液》
ラテックス−A 280g
KOH 0.5g
ポリスチレン微粒子(平均粒径:2μm、平均粒径の変動係数7%) 0.03g
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン 1.8g
フッ素系界面活性剤F−1:C817SO3Li 0.06g
蒸留水 合計量が1000gとなる量
ラテックス−A
コア部90質量%、シェル部10質量%のコアシェルタイプのラテックス
コア部;塩化ビニリデン/メチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリロニトリル/アクリル酸=93/3/3/0.9/0.1(質量%)
シェル部;塩化ビニリデン/メチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリロニトリル/アクリル酸=88/3/3/3/3(質量%)質量平均分子量38,000
この防湿層を表1に示す構成で塗布し、試料No.1〜7を得た。尚、防湿層の塗布は防湿層単層塗布で9.6ml/m2となるように塗布し、乾燥条件は125℃で30秒間で行った。
(評価)
上記試料No.1〜7に対して、以下の様に残色、生試料保存安定性、処理湿度依存性の評価を行った。得られた結果を表1.に示す。
(露光)
自作の外面円筒形のイメージセッターを用いて上記7種類の試料に感度極大に合わせてそれぞれ露光を行った。表1に記載の露光波長780nmは赤外LD、660nmは赤色LED、488nm、410nmは半導体レーザーを用いて露光した。
(熱現像処理)
露光済みの熱現像感光材料を熱現像機を用いて、熱現像処理を行った。熱現像は25℃、相対湿度50%の環境下で行った。熱現像処理部のローラー表面材質はシリコンゴム、平滑面はテフロン(R)不織布にして、搬送のラインスピードは150cm/minに設定した。熱現像処理部120℃(熱現像感光材料面温度)で17.2秒、徐冷部13.6秒で熱現像処理を行った。なお、幅方向の温度精度は±0.5℃であった。各ローラー温度の設定は熱現像感光材料の幅(例えば幅61cm)よりも両側それぞれ5cm長くして、その部分にも温度をかけて、温度精度が出るようにした。なお、各ローラーの両端部分は温度低下が激しいので、熱現像感光材料の幅よりも5cm長くした部分はローラー中央部よりも1〜3℃温度が高くなるように設定し、熱現像感光材料(例えば幅61cmの中で)の画像濃度が均質な仕上がりになるように留意した。また、低温低湿度下での性能を評価するため、熱現像感光材料を遮光して20℃、相対湿度20%の環境下で24時間放置した後、そのままの環境で上記と同様に露光、熱現像処理を行った。さらに、現像処理前の経時保存による性能変化を評価するため、熱現像感光材料を遮光して50℃、相対湿度50%の環境下で3日間放置した後、25℃、相対湿度50%の環境に2時間放置してからそのままの環境で同様に露光、熱現像処理を行った。
(残色の測定)
処理後の未露光部を目視評価した。0〜5までで評価し、5.0は全く残色として認識できないレベル、4.0はわずかに残色が確認できるレベル、3.0は実用上は問題ないがユーザーから指摘されるレベル、2.0は多くのユーザーから指摘されるレベル、1.0は実用上問題レベル。
(生試料保存性)
23℃相対湿度80%雰囲気下に3日間放置した試料と同じ期間冷蔵保存した試料の写真性能の内、最小濃度Dmin(カブリ)の評価を冷蔵保存品に対する変動幅Δで評価した。尚、Dminの評価は、マクベスTD904濃度計(可視濃度)により行った。
Figure 2005141051
表1の結果から明らかなように、本発明の試料No.4〜7は残色、生試料保存性、処理湿度依存性共に良好であり、優れた性能を有することが判る。
実施例2
実施例1で作製した試料No.4〜7に本発明の紫外線吸収剤(例示化合物I−1)を乳剤保護層に添加して実施例1と同様の評価を実施した結果、同様に良好な結果を得た。
実施例3
実施例1で作製した試料No.1〜7を熱現像部の前にプレヒート部を有する熱現像自現機を用いて、プレヒート部の設定温度を100℃にして熱現像処理する以外は実施例1と同様の評価を行った。その結果、実施例1の結果同様に、本発明試料No.4〜7は良好な結果を得た。

Claims (5)

  1. 支持体上に非感光性有機銀塩、該有機銀塩の還元剤、感光性ハロゲン化銀、およびバインダーを含有する画像形成層と該画像形成層の上層に該画像形成層を保護する非感光性層を少なくとも各々1層有する熱現像感光材料において、該画像形成層を有する面および該画像形成層を有する面と支持体を介して反対側の面から選ばれる少なくとも1面に防湿層を少なくとも1層有し、かつ500nm以下に感光極大を有することを特徴とする熱現像感光材料。
  2. 前記非感光性層の何れかの層に下記一般式〔I〕〜〔III〕で表される化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱現像感光材料。
    Figure 2005141051
    〔式中、R1〜R4はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールアミノ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、スルホ基、アルキルチオ基またはアリールチオ基を表す。またR1とR2およびR3とR4はそれぞれ連結して環を形成してもよい。また、R1〜R4はさらに任意の置換基で置換されていてもよい。〕
    Figure 2005141051
    〔式中、R5、R6はそれぞれ水素原子、アルキル基またはアシル基を表し、Xは−CO−あるいは−COO−を表し、n、m、pは1〜4の整数を表す。また、R5、R6はさらに任意の置換基で置換されていてもよい。〕
    Figure 2005141051
    〔式中、A、B、Cは各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基または複素環基を表す。但し、A、B、Cのうち少なくとも1つは下記一般式〔IV〕を表す。〕
    Figure 2005141051
    〔式中、R7、R8は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表す。〕
  3. 請求項1または2に記載の熱現像感光材料を、350〜450nmに発光波長域を有する光源の光を用いて露光することを特徴とする画像形成方法。
  4. 請求項1または2に記載の熱現像感光材料を、熱現像部の前にプレヒート部を有し、該プレヒート部の温度が80〜120℃である熱現像自現機を用いて処理することを特徴とする画像形成方法。
  5. 請求項1または2に記載の熱現像感光材料を、350〜450nmに発光波長域を有する光源の光を用いて露光した後に、熱現像部の前にプレヒート部を有し、該プレヒート部の温度が80〜120℃である熱現像自現機を用いて処理することを特徴とする画像形成方法。
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