JP2005140893A - 回折光学素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 回折光学素子と共にその作製精度等をモニターする回折格子を同一基板上の回折光学素子の近傍に同じ方法で作製した回折光学素子とその製造方法。
【解決手段】 基板10上に微細構造を形成することによって作製されている回折光学素子11、12において、基板10上に回折光学素子11、12と並列してその近傍に同一タイプの微細構造からなる回折格子1が設けられている回折光学素子。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回折光学素子及びそ製造方法に関し、特に、半導体製品製造用位相シフトマスク、回折光学素子、その他光回折が可能な微細加工品とその製造方法に関するものである。
回折光学素子は、ビーム変形素子、偏光素子、光拡散板等に用いられるホログラム素子や、半導体露光用位相シフトフォトマスク、光ファイバーグレーティング用位相マスク、フレネルレンズ、マイクロレンズアレイ等のガラスエッチング品、フォトニック結晶、反射防止構造体、光導波路、光通信部材、微細構造を持った流路、MEMS製品等、多岐にわたるが、そのような回折光学素子の製造には、通常、フォトリソグラフィーの手法により基板表面のエッチングを繰り返すことによって、基板表面に微細な凹凸パターンを設けることにより作製される(例えば、特許文献1)。
従来は、このような回折光学素子を複数の製版工程を経て製造する場合は、フォトマスクにアライメント誤差測定用のパターン等をそれぞれ設け、設計からの誤差を計測している。また、エッチングの深さや幅はそれ専用のパターンを設けて機械的あるいは電子顕微鏡的に計測している。そして、作製された回折光学素子に実際に光を入射させて、その性能が設計通りのものであるかを確認している。
このように、従来は、回折光学素子の製造の過程や製造後にその性能を測定する手段は多くない。
特開2002−350623号公報
本発明は従来技術のこのような現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、回折光学素子と共にその作製精度等をモニターする回折格子を同一基板上の回折光学素子の近傍に同じ方法で作製した回折光学素子とその製造方法を提供することである。
上記目的を達成する本発明の回折光学素子は、基板上に微細構造を形成することによって作製されている回折光学素子において、前記基板上に前記回折光学素子と並列してその近傍に同一タイプの微細構造からなる回折格子が設けられていることを特徴とするものである。
この場合に、その微細構造のタイプとして二段階以上の多段階の位相型構造である場合もあり、その場合に、回折格子は例えばマルチステップ位相型ブレーズド回折格子から構成する。
また、その微細構造のタイプは、屈折率変調による位相型構造であっても、振幅型構造であってもよい。
本発明の回折光学素子の製造方法は、同一基板上に回折光学素子と並列してその近傍に回折格子を同じ製造工程を経て同時に作製することを特徴とする方法である。
この場合に、その製造工程は、例えば、基板表面にレジストの塗布、描画露光、現像の各処理を行う製版処理を施し、製版処理後のレジストの開口領域の全域あるいは所定域の基板表面をエッチング加工する一連の処理からなる、製版処理を伴なうエッチング加工工程を複数回段階的に繰り返す多段階のエッチング加工方法により、基板表面に階段部を形成してその回折光学素子及び回折格子を作製する工程からなるものであってよい。
本発明は、以上の回折光学素子を、その回折格子の光学特性を検査又は測定することにより検査する回折光学素子の検査方法を含むものである。
本発明の回折光学素子及びその製造方法によると、基板上に微細構造を形成することによって作製されている回折光学素子において、その基板上に回折光学素子と並列してその近傍に同一タイプの微細構造からなる回折格子が設けられているので、回折光学素子に測定光を実際に入射させて回折光学素子の特性を検査測定しなくても、検査パターンの回折格子に光を入射させてその光学特性を検査又は測定することにより、回折光学素子の光学特性や形状、構造を検査又は測定することができる。
本発明の回折光学素子の基本原理は、製造された回折光学素子近傍の同一基板上にその回折光学素子と同じ製造工程を経て同時に作製された回折格子を配置し、回折光学素子完成後にその回折格子の回折光強度、回折角度、散乱光強度、分光特性、偏光特性等を測定することにより、回折光学素子本体の加工形状や回折効率等が所定通りのものかどうかを把握できるようにすることである。
通常、ホログラム素子(ビーム変形素子、偏光素子、光拡散板等の光学素子)、位相シフトフォトマスク、フレネルレンズ、マイクロレンズアレイ、回折格子、フォトニック結晶、反射防止構造体、光回折構造体として取り扱える微細構造を持った流路、MEMS製品等の回折光学素子は、位相型の場合は、後記の実施例のように、基板表面へのレジストパターンの作製とそのレジストパターンの開口を通しての基板表面の選択的なエッチング工程の繰り返しにより、基板表面に微細な凹凸パターンを設けることにより作製される。また、振幅型の回折光学素子の場合は、基板表面へクロム膜等からなる不透明膜を形成し、その不透明膜上にレジストパターンを作製し、そのレジストパターンの開口を通して不透明膜の選択的なエッチングにより、不透明膜に微細な開口を設けることにより作製される。さらに、位相型と振幅型のハイブリット型の場合は、上記の両者の製造工程の組み合わせにより作製される。
このような回折光学素子の製造の際に、図1に例示するように、同一基板10上に目的とする回折光学素子11、12(図1では、フレネルレンズ11と計算機ホログラム12)の近傍に並列して、その回折光学素子11、12と同一の製造工程を経て回折格子1を作製すると、この回折格子1はその構造要素、具体的には、そのエッチングの深さや幅等は全て目的とする回折光学素子11、12と同一に作製されることになる。
したがって、同一基板10上に並列されて作製された回折格子1を検査パターンとして測定光を入射させてその回折光強度(回折効率)、回折角度、散乱光強度、分光特性(分光スペクトル)、偏光特性等を測定することにより、目的とする回折光学素子11、12が設計通りの形状となっているか否かを容易に検査することができる。
なお、図1においては、同一基板10上に作製されるフレネルレンズ11と計算機ホログラム12については、その拡大図を吹き出し線によって示し、また、回折格子1については、その拡大断面図を吹き出し線によって同一図中に示してある。
ここで、同一基板上に並列されて作製される回折格子としては、同時に同一基板上に作製される回折光学素子と同じタイプ、すなわち、位相型、振幅型、位相型と振幅型のハイブリット型からなるものであり、回折光学素子が二段階以上の多段階(マルチステップ)の位相型である場合には、同様に多段階位相型の回折格子となり、回折光学素子が屈折率変調位相型である場合には、同様に屈折率変調位相型の回折格子となり、回折光学素子が二段階以上の振幅型の場合には、同様に二段階以上の振幅型の回折格子となる。回折格子のピッチとしては、0.1μm〜0.1mm程度の周期構造を持つものであり、このような回折格子にレーザー、ランプ光源等からの単波長光、白色光等を入射し、分光スペクトル、回折光強度、回折角度、散乱光、光位相、偏光等を測定することにより、その結果より回折光学素子の製造誤差やその効率(回折効率、集光効率、拡散効率等)を測定することができ、また、その測定結果から、回折光学素子の形状や構造を解析することができる。
ここで回折格子として、後記の実施例のように、マルチステップの位相型の回折光学素子を作製する場合に、同時にマルチステップ位相型のブレーズド回折格子を並列させる場合を考える。マルチステップ位相型のブレーズド回折格子は矩形波を多段の階段状に近似してなる回折格子であり、単純な回折格子とは異なり、所望の一方向に高効率で光を回折するものであり、分光スペクトル、回折光強度等の計測が容易になるものである。目的の回折光学素子を作製する工程と同工程で作製が進行するため、エッチング深さの製造誤差、各段のエッチングマスクのアライメント誤差、エッチング開口径誤差、ピッチ誤差等の情報がそのまま検査パターンとしてのマルチステップ位相型ブレーズド回折格子の情報として組み込まれる。
図2は、具体例として、図1の回折格子1としてマルチステップ位相型のブレーズド回折格子を用いる場合に、エッチング深さに製造誤差があると、回折のピーク波長がどのように変化するかを例示する図である。回折格子1として、図1に断面図(検査パターン断面図)を示すように、8段の等間隔の深さを有するマルチステップ位相型のブレーズド回折格子を用い、基板10の屈折率をn=1.47、設計波長をλ=543.5nmとした場合、設計通りであると最大エッチング深さη=1012nmであるが、最大エッチング深さが深い方、例えばη=1383nmへずれると、回折効率のピーク波長はλ≒750nmと波長が長い方へずれ、最大エッチング深さが浅い方、例えばη=639nmへずれると、回折効率のピーク波長はλ≒350nmと波長が短い方へずれる。したがって、この回折格子1の分光スペクトル分布(図2)をとることにより、目的の回折光学素子11、12のエッチング深さの製造誤差を検査することができる。
同様に、回折格子1の回折波長と回折角の関係をとることにより、目的の回折光学素子11、12のピッチ誤差を検査することができる。
また、目的の回折光学素子11、12の各段のエッチングマスクのアライメント誤差、エッチング開口径誤差は、回折格子1の分光スペクトル分布の波形を解析することにより検査することができる。
また、後記の実施例のように、単純に回折格子1の1次回折光の角度位置での回折効率を測定することにより、目的の回折光学素子11、12の総合効率(集光効率、拡散効率)を検査することができる。
以下に、本発明の回折光学素子とその製造方法の実施例について説明する。
(実施例1)
特許文献1の請求項1に示された製造方法によって製造する。すなわち、特許文献1の請求項1に示された製造方法は、光屈折系の媒体からなる板状の加工用素材の表面に、レジストの塗布、描画露光、現像の各処理を行う製版処理を施し、製版処理後のレジストの開口領域の全域あるいは所定域の加工用素材をドライエッチング加工する、一連の処理からなる製版処理を伴なうドライエッチング加工工程を、複数回段階的に繰り返す、多段階のエッチング加工方法により、前記加工用素材の表面に階段部を形成して回折光学素子を作製する、回折光学素子の製造方法であって、順に、(A)製版処理を伴なうドライエッチング加工工程を所定数だけ繰り返し、作成する階段部の各段の境に、各階段部領域を狭める壁あるいは突起を残した形態に加工用素材を加工する、ドライエッチング加工処理と、(B)加工用素材の、壁あるいは突起が残っている側の面全体にウエットエッチングを施し、前記壁あるいは突起を除去するウエットエッチング処理とを行うことを特徴とする回折光学素子の製造方法である。
この製造方法の具体例を示す。図3はこの回折光学素子の製造方法の例の工程断面図で、図4は、図3に示す回折光学素子の製造方法において使用する描画用データを説明するための図であって、図4(a)は全ドライエッチング工程完了後の断面形状の図で、図4(b)〜図4(e)は使用する描画データを示したもので、図4(f)はウエットエッチング前の断面形状の図である。図3中、110は加工用素材、111はエッチング加工部(凹部ないしエッチング部とも言う。)、111a、111bはドライエッチング加工部(凹部ないしドライエッチング部とも言う。)、115は壁部、120はクロム膜、121は(クロム膜の)開口、130はレジスト、131は(レジストの)開口、135はレジスト、136は(レジストの)開口であり、図4中、800は加工用素材、800aは段部、601〜608は各段部の深さで、801〜804は使用する描画データである。
この回折光学素子の製造方法の例を図3に基づいて説明する。本例は、レジストの塗布、描画露光、現像の各処理を行う製版処理と、製版処理後のレジストの開口領域の加工用素材をドライエッチング加工する一連の処理からなるドライエッチング加工工程を、複数回段階的に繰り返す多段階のエッチング加工方法により、光屈折系の媒体からなる板状の加工用素材の表面に階段状の階段部を形成して回折光学素子を作製する回折光学素子の製造方法である。なお、ここでは、説明を簡単にするため、4段の階段状の回折光学素子の作製の工程としたが、段数はこれに限定はされない。
この回折光学素子の製造方法は、図4(a)に示す断面形状に形成しようとする場合、ドライエッチング加工工程を複数回行い、一旦図4(f)に示すように壁部(ないし突起部)800bを形成した後、さらに全面にウェットエッチングを施し、余分な壁部(ないし突起部)800bを除去して形成するものであるため、予め作製される階段部の設計サイズに合せて、各ドライエッチング加工工程毎に準備された描画露光用のデータを、各々規定量だけアンダーサイズするアンダーサイズデータ処理を施して、各々露光描画用デ一タを作成しておく。各ドライエッチング加工工程における描画露光用データの準備は、例えば、以下のように行う。各段部に対応した各段部の設計サイズの図形データに代え、その各図形データよりも規定量だけアンダーサイズした図形データ(図示していない)を準備し、かつ、各段部の予め決められた規定の深さを二進数化して二進数として表しておき、表された二進数の各桁が同一である全ての段部に対応する図形データを論理和図形演算して得た、図形データ801〜804を、それぞれ、各ドライエッチング加工工程毎に準備された描画露光用のデータとして用いる。なお、本例においては、予め想定される位置精度に合せて、段部の境に溝が発生することがないように、描画露光用の図形データのアンダーサイズ量を決める。このアンダーサイズ量は、ドライエッチング加工工程間の位置合せ精度より大とする。
一方、光屈折系の媒体からなる板状の加工用素材110の一方の表面クロム膜120をスパッタリング法、蒸着法等により成膜しておき、クロム膜120上に感光性のポジ型のレジストを形成しておく(図3(a))。加工用素材110としては、石英ガラス基板(合成石英基板も含む。)が通常用いられるが、これに限定はされない。ここでは、加工用素材110を石英ガラス基板とする。また、ここでは、描画露光を電子線描画装置で行う場合のチャージアップ防止のため、あるいは、加工用素材をドライエッチングする際のドライエッチング耐性、処理性等からクロム膜を用いているが、クロム膜を主体とし酸化クロム膜他をこれに積層したもの等でもよい。次いで、所定の描画露光用データを用いて、所定領域を露光し、現像し、所定領域に(レジストの)開口131を設ける(図3(b))。次いで、開口131を設けたレジスト130を耐エッチングマスクとして、開口131から露出したクロム膜120をエッチング除去し、レジストの開口131に対応してクロム膜の開口121を設ける(図3(c))。レジスト130としては、所定の解像性を有し、クロム膜をエッチングする際の耐エッチング性を有することが必要で、さらに、加工用素材をドライエッチングする際の耐ドライエッチング性を備えていることが好ましい。もちろん、処理性の良いものが好ましい。クロム膜のエッチングは、クロム膜を塩素系のガスを用いたドライエッチング、あるいは、過塩素酸と硝酸第二セリウムアンモンからなるエッチング液による湿式エッチングで行う。次いで、CF4 、CFH3 等のフッ素系のガスを用いて、所定領域を開口したクロム膜120あるいはクロム膜120とレジスト130を耐エッチングマスクとして、ドライエッチングを行い、所定の深さだけエッチングする(図3(d))。このように、1回目のドライエッチング加工工程が行われる。
次いで、レジスト130を除去し、ドライエッチング加工部111a側前面に再度レジスト135を配設した(図3(e))後、1回目のドライエッチング加工工程の場合とは別の所定の描画露光用データを用いて、所定領域を露光し、現像し、所定領域に(レジストの)開口136を設ける(図3(f))。次いで、開口136を設けたレジスト135を耐エッチングマスクとして、開口131から露出したクロム膜120をエッチング除去し、レジストの開口136に対応してクロム膜の開口121を設ける(図3(g))。レジスト135としては、所定の解像性を有し、クロム膜をエッチングする際の耐エッチング性、加工用素材をドライエッチングする際の耐ドライエッチング性を備えていることが必要である。そして、処理性の良いものが好ましい。ここでも、クロム膜のエッチングは、クロム膜を塩素系のガスを用いたドライエッチング、あるいは、過塩素酸と硝酸第二セリウムアンモンからなるエッチング液による湿式エッチングで行う。次いで、CF4 、CFH3 等のフッ素系のガスを用いて、所定領域を開口したクロム膜120あるいはクロム膜120とレジスト135を耐エッチングマスクとして、ドライエッチングを行い、所定の深さだけエッチングする(図3(h))。このように、2回目のドライエッチング加工工程が行われる。
先に述べたように、描画露光用データは、段部の境に溝が発生しないように、アンダーサイズされているため、この段階では、1回目のドライエッチング加工工程と2回目のドライエッチング加工工程との位置合せ精度により、基本的に各段の境には、壁部ないし突起部が形成される。本例では、壁部115が形成されるとして図3に図示されているが、場合によっては、突起部も形成される。次いで、レジスト135を除去し(図3(i)、残存するクロム膜120を除去した(図3(j))後、ドライエッチング加工部111b側全面にウエットエッチングを施し、壁部115を除去し、必要に応じ洗浄処理等を施し、目的とする回折光学素子を得る(図3(k))。ウエットエッチングは、フッ酸系のエッチング液、あるいは、高温のNaOH水溶液等アルカリ液等が用いられる。
このようにして、4段の階段状回折光学素子が形成されるが、5段以上についても、基本的には同様に、各段の境に一旦壁部ないし突起を形成した、階段部を形成し、階段部が形成された加工用素材面側を全面ウエットエッチングすることにより、目的とする階段状回折光学素子を作製できる。また、描画露光用のデータの組み合せも種々あり、できるだけ処理数を減らす方法の方が好ましい。
さて、本発明の実施例1に戻って、この実施例では、上記の特許文献1の請求項1に示された製造方法の(A)のドライエッチング処理は行うが、(B)のウエットエッチング処理は行わない。そのため、図3(j)あるいは図4(f)に示すように、余分な壁部115、800bが回折光学素子上に残っている。
この実施例においては、図1に示すように、検査パターンの回折格子1として、周期8μmのマルチステップ位相型のブレーズド回折格子(図1の検査パターン断面図参照)を使用した。この回折格子1と同じ基板10のガラス面には最小スケール1μmの8段のフレネルゾーンプレート(フレネルレンズ)11を作製した。また、同じ基板10のガラス面内には最小スケール1μmの8段で作製された計算機ホログラム(CGH)12からなる光拡散板を作製した。
(実施例2)
特許文献1の請求項1に示された製造方法によって製造する。ただし、この場合は、特許文献1の請求項1に示された製造方法の(A)のドライエッチング処理を行い、その後に(B)のウエットエッチング処理も行って、図3(k)に示すように、余分な壁部115が回折光学素子上に残らないようにしている。
この実施例においては、図1に示すように、検査パターンの回折格子1として、周期8μmのマルチステップ位相型のブレーズド回折格子(図1の検査パターン断面図参照)を使用した。この回折格子1と同じ基板10のガラス面には最小スケール1μmの8段のフレネルゾーンプレート(フレネルレンズ)11を作製した。また、同じ基板10のガラス面内には最小スケール1μmの8段で作製された計算機ホログラム(CGH)12からなる光拡散板を作製した。
以上の実施例1と2について、光効率の測定を行った。光効率の測定に関しては、検査パターン(回折格子)1については、図5に示すように、ヘリウムネオンレーザ20からの波長543.5nmの測定光21を偏光板22を介してマスク回転台24上に載置された基板10上の回折格子1に垂直に入射させて、回折角θ=4°における回折格子1の1次回折光の入射光に対する回折効率をパワーメータ回転台25に連結されたパワーメータ23により測定した。なお、図5において、回折格子1及びパワーメータ23の角度位置は、マスク回転台24及びパワーメータ回転台25に接続された座標表示計26を見ながら設定した。また、入射光及び1次回折光の強度はパワーメータ23に接続されたパワー表示計27により測定した。
フレネルゾーンプレート11については、図6(a)に示すように、回折格子1の場合と同様にして、ヘリウムネオンレーザ20からの波長543.5nmの測定光21をフレネルゾーンプレート11に垂直に入射させて、その光集光位置をビームプロファイルを測定できる装置を使用して求め、光軸方向にディテクター28を移動させ、その集光位置(設計では10mm後方)での光強度を測定し、入射光に対する集光効率を求めた。
また、光拡散板(CGH)12については、設計位置で所望の形状に拡散しているため、図6(b)に示すように、アパーチャー29を光拡散板(CGH)12の射出側に設置して、回折格子1の場合と同様にして、ヘリウムネオンレーザ20からの波長543.5nmの測定光21を光拡散板(CGH)12に垂直に入射させ、0次透過光30をアパーチャー29の遮蔽部でカットし、拡散光(回折光)31のみをアパーチャー29の開口部を通過させて、その背後に配置したパワーメータ32で拡散光の光強度を測定し、入射光に対する拡散効率を求めた。
上記実施例1及び2によって得られた検査パターン(回折格子)1、フレネルゾーンプレート11及び光拡散板(CGH)12のそれぞれ入射光に対する1次回折光の回折効率、集光効率、拡散効率は次の表の通りであった。
実施例1 実施例2
検査パターンの1次回折光の回折効率 60% 90%
フレネルゾーンプレートの集光効率 58% 89%
光拡散板の拡散効率 59% 88% 。
以上の結果から、同一基板上に回折格子と共に同じ製造工程を経て製造された回折光学素子は検査パターンである回折格子の回折効率を測定することによって、回折光学素子の種類によってその特性を測定するに必要な特別の装置、上記の例では、集光測定装置(フレネルゾーンプレート11に対して)やCGHの効率測定装置(光拡散板12に対して)を使用しなくても、回折光学素子の特性を把握、検査できることが分かる。
なお、以上の実施例は、目的とする回折光学素子が二段階以上の多段階(マルチステップ)の位相型であったが、屈折率変調位相型である場合には、基板にイオン拡散、イオン交換等の手段によって屈折率変調を与える同じ工程で目的とする回折光学素子と検査パターンの回折格子とを作製する。また、目的とする回折光学素子が二段階以上の振幅型の場合にも、回折光学素子と検査パターンの回折格子とは同じ作製方法で同時に同じ基板上に作製する。
本発明に基づいて作製された回折光学素子の構成を模式的に示す図である。 マルチステップ位相型のブレーズド回折格子のエッチング深さに製造誤差がある場合の回折のピーク波長の変化の様子を例示するための図である。 実施例1、2の回折光学素子の製造方法の例の工程断面図である。 図3に示す回折光学素子の製造方法において使用する描画用データを説明するための図である。 実施例1、2において回折格子の1次回折光の入射光に対する回折効率を測定するための配置を示す図である。 実施例1、2においてフレネルゾーンプレートの入射光に対する集光効率と光拡散板の入射光に対する拡散効率を測定するための配置を示す図である。
符号の説明
1…回折格子
10…基板
11…フレネルレンズ(フレネルゾーンプレート)
12…光拡散板(CGH)
20…ヘリウムネオンレーザ
21…測定光
22…偏光板
23…パワーメータ
24…マスク回転台
25…パワーメータ回転台
26…座標表示計
27…パワー表示計
28…ディテクター
29…アパーチャー
30…0次透過光
31…拡散光(回折光)
32…パワーメータ
110…加工用素材
111…エッチング加工部
111a、111b…ドライエッチング加工部
115…壁部
120…クロム膜
121…クロム膜の開口
130…レジスト
131…レジストの開口
135…レジスト
136…レジストの開口
601〜608…各段部の深さ
800…加工用素材
800a…段部
801〜804…描画データ
800b…壁部(突起部)

Claims (8)

  1. 基板上に微細構造を形成することによって作製されている回折光学素子において、前記基板上に前記回折光学素子と並列してその近傍に同一タイプの微細構造からなる回折格子が設けられていることを特徴とする回折光学素子。
  2. 前記微細構造のタイプが二段階以上の多段階の位相型構造であることを特徴とする請求項1記載の回折光学素子。
  3. 前記回折格子がマルチステップ位相型ブレーズド回折格子からなることを特徴とする請求項2記載の回折光学素子。
  4. 前記微細構造のタイプが屈折率変調による位相型構造であることを特徴とする請求項1記載の回折光学素子。
  5. 前記微細構造のタイプが振幅型構造であることを特徴とする請求項1記載の回折光学素子。
  6. 同一基板上に回折光学素子と並列してその近傍に回折格子を同じ製造工程を経て同時に作製することを特徴とする回折光学素子の製造方法。
  7. 前記製造工程が、基板表面にレジストの塗布、描画露光、現像の各処理を行う製版処理を施し、製版処理後のレジストの開口領域の全域あるいは所定域の基板表面をエッチング加工する一連の処理からなる、製版処理を伴なうエッチング加工工程を複数回段階的に繰り返す多段階のエッチング加工方法により、前記基板表面に階段部を形成して前記回折光学素子及び前記回折格子を作製する工程からなることを特徴とする請求項6記載の回折光学素子の製造方法。
  8. 請求項1から6の何れか1項記載の回折光学素子を、前記回折格子の光学特性を検査又は測定することにより検査することを特徴とする回折光学素子の検査方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015504237A (ja) * 2011-10-18 2015-02-05 コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ 屈折性または回折性光学装置を製造するための方法
US10831099B2 (en) 2019-01-24 2020-11-10 Nichia Corporation Method for manufacturing optical member

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