JP2005139658A - 油圧作業機械の制御装置 - Google Patents
油圧作業機械の制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005139658A JP2005139658A JP2003375566A JP2003375566A JP2005139658A JP 2005139658 A JP2005139658 A JP 2005139658A JP 2003375566 A JP2003375566 A JP 2003375566A JP 2003375566 A JP2003375566 A JP 2003375566A JP 2005139658 A JP2005139658 A JP 2005139658A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- command value
- control
- state
- valve
- working machine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Operation Control Of Excavators (AREA)
- Fluid-Pressure Circuits (AREA)
Abstract
【課題】 作業用アクチュエータの起動時のショックを低減しつつ良好な加速性を得る。
【解決手段】 油圧シリンダが2停止した状態において、操作レバー4aを中立位置から急操作すると起動状態を判定する。起動状態においては、油圧ポンプ1から油圧シリンダ2への駆動圧油量の増加の割合が徐々に大きくなるように制御ユニット5が制御弁3を制御する。起動状態において、起動時カウンタnbが最終カウンタNbを計時すると、加速状態を判定する。加速状態においては、油圧シリンダ2への駆動圧油量の増加の割合が起動状態よりも大きくなるように制御弁3を制御する。
【選択図】図8
【解決手段】 油圧シリンダが2停止した状態において、操作レバー4aを中立位置から急操作すると起動状態を判定する。起動状態においては、油圧ポンプ1から油圧シリンダ2への駆動圧油量の増加の割合が徐々に大きくなるように制御ユニット5が制御弁3を制御する。起動状態において、起動時カウンタnbが最終カウンタNbを計時すると、加速状態を判定する。加速状態においては、油圧シリンダ2への駆動圧油量の増加の割合が起動状態よりも大きくなるように制御弁3を制御する。
【選択図】図8
Description
本発明は、操作指令に応じて作業用アクチュエータの駆動を制御する油圧作業機械の制御装置に関する。
従来より、油圧ショベルなどの建設機械において、操作レバーを急操作した際の機体のショックを和らげるため、操作レバーの操作状況、すなわち加速操作、減速操作、逆レバー等の操作状況に応じて作業用アクチュエータの速度変化量の最大値を制御するようにした装置が知られている(例えば特許文献1,2参照)。
ところで、一般に、アクチュエータが動作を開始する起動状態におけるショックは、起動後の加速状態におけるショックよりも大きい。したがって、操作レバーを急操作した際のショックを最適に緩和するためには、起動状態と加速状態を考慮してアクチュエータの駆動を制御する必要がある。しかしながら、上記特許文献1,2記載の装置は、起動状態と加速状態を考慮して速度変化量の最大値を制御するものではない。
本発明による油圧作業機械の制御装置は、油圧源からの圧油により駆動する作業用アクチュエータと、油圧源から前記作業用アクチュエータへの圧油の流れを制御する制御弁と、作業用アクチュエータの起動開始から所定時間が経過するまでの起動状態および起動状態終了後の加速状態を判別する判別手段と、起動状態における制御弁への指令値の増加の割合が加速状態における制御弁への指令値の増加の割合よりも小さくなるように、判別手段の判別結果に応じて制御弁を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
起動状態において制御弁への指令値の増加の割合が徐々に大きくなるように制御弁を制御することもできる。
油圧作業機械に作用する慣性モーメントと相関関係のある物理量を検出する慣性モーメント検出手段を有し、検出された慣性モーメントが大きいほど起動状態における制御弁への指令値の増加の割合が小さくなるように制御弁を制御することもできる。
検出された慣性モーメントが大きいほど起動状態を継続するための所定時間を長く設定することもできる。
起動状態において制御弁への指令値の増加の割合が徐々に大きくなるように制御弁を制御することもできる。
油圧作業機械に作用する慣性モーメントと相関関係のある物理量を検出する慣性モーメント検出手段を有し、検出された慣性モーメントが大きいほど起動状態における制御弁への指令値の増加の割合が小さくなるように制御弁を制御することもできる。
検出された慣性モーメントが大きいほど起動状態を継続するための所定時間を長く設定することもできる。
本発明によれば、作業用アクチュエータの起動状態と加速状態を判別し、起動状態における制御弁への指令値の増加の割合が加速状態における増加の割合よりも小さくなるようにしたので、起動時のショックを可及的に低減しつつ、作業用アクチュエータの良好な加速性を確保できる。
以下、図1〜図8を参照して本発明による油圧作業機械の制御装置の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による制御装置を油圧ショベル6に適用したものの概略構成を示す図である。油圧ショベル6は、ブーム、アーム、バケットなどのフロントアタッチメントを有し、これらはそれぞれブーム駆動用油圧シリンダ、アーム駆動用油圧シリンダ、バケット駆動用油圧シリンダの伸縮により回動される。以下では、制御装置によりブーム駆動用油圧シリンダ2の駆動を制御する例について説明する。
図1は、本発明による制御装置を油圧ショベル6に適用したものの概略構成を示す図である。油圧ショベル6は、ブーム、アーム、バケットなどのフロントアタッチメントを有し、これらはそれぞれブーム駆動用油圧シリンダ、アーム駆動用油圧シリンダ、バケット駆動用油圧シリンダの伸縮により回動される。以下では、制御装置によりブーム駆動用油圧シリンダ2の駆動を制御する例について説明する。
本実施の形態に係わる制御装置は、エンジンEにより駆動される油圧ポンプ1と、油圧ポンプ1からの圧油により伸縮されるブーム駆動用油圧シリンダ2と、油圧ポンプ1から油圧シリンダ2への圧油の流れ(流量および方向)を制御する電磁比例弁3と、操作レバー4aの操作量に応じた油圧シリンダ2の駆動指令を出力する操作レバー装置4と、油圧シリンダ2のボトム室,ロッド室に作用する圧油の圧力をそれぞれ検出する圧力検出器7a,7bと、圧力検出器7a,7bと操作レバー装置4からの信号に応じて電磁比例弁3のソレノイド3a,3bに制御信号を出力し、電磁比例弁3を切換制御する制御ユニット5とを有する。
制御ユニット5の構成を図2に示す。制御ユニット5は、制御プログラムを記憶するROMメモリ54と、ROMメモリ54に記憶されたプログラムに従い制御ユニット全体を制御するCPU53と、操作レバー装置4および圧力検出器7a,7bの信号入力を切り換えるマルチプレクサ(MPX)51と、MPX51に入力された信号をデジタル信号に変換するA/D変換器52と、制御演算途中の数値等を一時的に記憶するRAMメモリ55と、CPU53からの指令置をアナログ値に変換して出力するD/A変換器56と、D/A変換器56の出力する信号を増幅し、ソレノイド3a,3bに制御信号を出力する増幅器57a,57bにより構成される。
図3は、CPU53で実行される制御手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、例えばエンジンキースイッチのオンによりスタートし、まず、ステップS1で初期化処理を行う。初期化処理では、中立域決定カウンタnaの初期化(na=0)と、中立域決定フラグfaの初期化(fa=0)と、起動時カウンタnbの初期化(nb=0)と、起動時フラグfbの初期化(fb=0)を行う。なお、中立域決定フラグfaはシリンダ2が停止状態で1にセットされ、起動時フラグfbは後述する起動制御の開始時に1にセットされる。
次いで、ステップS2で操作レバー装置4からの操作信号θと圧力検出器7a,7bからの検出信号Pa,Pbを読み込み、次のステップS3で操作信号θをレバー指令置Xに変換する。レバー指令値Xは操作レバー4aの操作量に応じた電磁比例弁3のスプール位置指令値であり、予め定められた操作信号θとレバー指令値Xとの関係から一義的に求められる。なお、後述するバルブ指令置Yは本制御による電磁比例弁3のスプール位置指令値であり、バルブ指令値Yはレバー指令値Xを用いて後述する処理(ステップS20またはステップS50)により求められる。
ステップS4では、前回の処理(ステップS20またはステップS50)で演算したバルブ指令置Y(以下、これをY(t−1)で表す)、換言すれば現在出力しているバルブ指令値が所定値±α内にあるか否か、すなわち中立域にあるか否かを判定する。バルブ指令値Y(t−1)と、バルブ指令値Y(t−1)の出力により電磁比例弁3を流れる圧油流量qの関係、すなわち電磁比例弁3の特性を図4に示す。図4に示すようにバルブ指令値Y(t−1)が中立域(−α<Y<α)では流量qは0である。バルブ指令値Y(t−1)の絶対値が所定値αを越えると、その絶対値の増加に伴い流量qも増加する。なお、図4は電磁比例弁3の一般的特性を示すものであり、対象とするアクチュエータ毎に最適な特性が設定される。
ステップS4で、バルブ指令値Y(t−1)が中立域にあると判定されるとステップS5に進み、中立域決定カウンタnaの加算処理(na=na+1)を行う。次いで、ステップS6で加算処理後のカウンタnaが規定回数Na以上か否かを判定する。ステップS6が肯定されるとステップS7を経由してステップS20に進み、否定されるとステップS7をパスしてステップS20に進む。ステップS7では、カウンタnaを規定回数Naにセットするとともに中立域決定フラグfaを1にセットする。これは、電磁比例弁3が所定時間中立域にある状態であり、シリンダ2が停止状態にあることを示す。ステップS20では、バルブ指令値Y(t−1)が中立域にある場合のバルブ指令値Yの演算処理を行う。
図5は、ステップS20の演算処理を示すフローチャートである。まず、ステップS21において、ステップS3で演算したレバー指令値Xが中立域(−α<X<α)にあるか否かを判定する。ステップS21が肯定されるとステップS25に進む。この場合、バルブ指令値Y(t−1)とレバー指令値Xがともに中立域にあり、ステップS25ではバルブ指令値Yをレバー指令値Xに等しくする。
ステップS21でレバー指令値Xが中立域にないと判定されるとステップS22に進み、レバー指令値Xが0以上か否かによりレバー4aの操作方向を判定する。ステップS22でレバー指令値Xが0以上と判定されるとステップS23に進む。この場合、バルブ指令値Y(t−1)は中立域にあるがレバー指令値Xは所定値α以上であり(X≧α)、ステップS23ではバルブ指令値Yを所定値αにセットする。また、ステップS22でレバー指令値Xが0未満と判定されるとステップS24に進む。この場合、バルブ指令値Y(t−1)は中立域にあるがレバー指令値Xは所定値−α以下であり(X≦−α)、ステップS24ではバルブ指令値Yを所定値−αにセットする。すなわちステップS23,ステップS24では、中立域を設定する制限値α,−αにバルブ指令値Yをセットする。以上によりバルブ指令値Yを演算すると図3のステップS8に進む。
一方、ステップS4で、バルブ指令値Y(t−1)が中立域にないと判定されるとステップS50に進み、バルブ指令値Yの演算処理を行う。図6は、ステップS50の演算処理を示すフローチャートである。まず、ステップS51で、ステップS3で演算したレバー指令値Xとバルブ指令値Y(t−1)との差分ΔX(=X−Y(t−1))を演算する。次いで、ステップS52でブームシリンダ2の動作が起動状態または加速状態のいずれかにあるか否かを判定する。この場合、レバー指令値Xとバルブ指令値Y(t−1)の符号が一致し(sign(X)=sign(Y(t-1))、かつ、レバー指令値Xの絶対値がバルブ指令値Y(t−1)の絶対値より大きいとき、起動状態または加速状態と判定する。
ステップS52が肯定されるとステップS53に進み、ブームシリンダ2の動作が起動状態にあるか否かを判定する。中立域決定フラグfaが1、すなわち起動開始直後であるとき、または起動時フラグfbが1で、かつ起動時カウンタnbが最終カウンタNbに達していないとき、起動状態と判定されてステップS54に進む。ステップS54では起動時フラグfbを1にセットし、中立域決定フラグfaを0にセットし、起動時カウンタnbの加算処理を行う(nb=nb+1)。次のステップS55では、起動時カウンタが1か否か、すなわち起動制御の第一周期目にあたるか否かを判定する。
ステップS55が肯定されるとステップS56に進む。ステップS56では、起動時最大設定速度ΔYを演算するためのパラメータを以下のように決定する。すなわち、まず、ステップS2で読み込んだ圧力検出器7a,7bの検出信号Pa,Pbを用いて、ブームシリンダ2に作用する負荷Fを次式(I)により算出する。
F=Aa・Pa−Ab・Pb (I)
ここで、Aa,Abはシリンダ2のボトム室側,ロッド室側の受圧面積である。最終カウンタNbは負荷Fの関数であり、次式(II)により算出する。
Nb=F・γ+ζ (II)
ここで、γ,ζは予め最適に設定された定数である。
F=Aa・Pa−Ab・Pb (I)
ここで、Aa,Abはシリンダ2のボトム室側,ロッド室側の受圧面積である。最終カウンタNbは負荷Fの関数であり、次式(II)により算出する。
Nb=F・γ+ζ (II)
ここで、γ,ζは予め最適に設定された定数である。
ステップS57では、この最終カウンタNbを用いて起動時最大速度ΔYを次式(III)により算出する。
ΔY=(K/Nb2)・(2・nb+1) (III)
ここで、Kは予め最適に設定された定数である。式(III)より、起動時最大速度ΔYは起動時カウンタnbをパラメータとする一次式となる。これにより、起動時最大速度ΔYは、時間経過に伴い図7に示すように直線的に増加する。
ΔY=(K/Nb2)・(2・nb+1) (III)
ここで、Kは予め最適に設定された定数である。式(III)より、起動時最大速度ΔYは起動時カウンタnbをパラメータとする一次式となる。これにより、起動時最大速度ΔYは、時間経過に伴い図7に示すように直線的に増加する。
ステップS53で、起動状態ではない、すなわち加速状態と判定されるとステップS58に進む。ステップS58では中立域決定カウンタna,中立域決定フラグfa,起動時カウンタnb,および起動時フラグfbを全てリセットする(na=0,fa=0,nb=0,fb=0)。次いで、ステップS59で加速時の状況に応じた最大設定速度ΔYを演算する。この場合の最大設定速度ΔYは例えばレバー指令値Xの変化速度と等しい。また、ステップS52で、起動状態でも加速状態でもないと判定されるとステップS60に進み、中立域決定カウンタna,中立域決定フラグfa,起動時カウンタnb,および起動時フラグfbを全てリセットする(na=0,fa=0,nb=0,fb=0)。次いで、ステップS61で減速・停止時あるいは逆レバー時のそれぞれの状況に応じた最大設定速度ΔYを演算する。なお、ステップS59,ステップS61の処理内容の詳細な説明は省略する。
以上のように最大設定速度ΔYを演算するとステップ62に進む。ステップS62では、ステップS51で求めたΔXの絶対値と最大設定速度ΔYの絶対値の大小を判定する。ΔY<ΔX、すなわちレバー4aの急操作と判定されると、ステップS63に進む。ステップS63では、Y=Y(t−1)+ΔYによりバルブ指令値Yを演算する。一方、ステップS62でΔY≧ΔXと判定されると、ステップS64に進む。ステップS64では、Y=X(=Y(t−1)+ΔX)によりバルブ指令値Yを演算する。以上によりバルブ指令値Yを演算すると図3のステップS8へ進む。
ステップS8では、ステップS20またはステップS50で求めた演算値Yをバルブ指令値として更新し、メモリ55に記憶する。次いで、ステップS9でこのバルブ指令値Yを電磁比例弁3のソレノイド3a,3bに出力した後、ステップS2に戻り、同様な処理を繰り返す。
次に、本実施の形態に係わる制御装置の特徴的な動作を説明する。
図8は、操作レバー4aを中立位置から一定方向(指令値X,Yが正の方向)に急に最大操作したときのレバー指令値Xとバルブ指令値Yの関係を示すタイムチャートである。操作レバ4aーが中立状態に保持され、カウンタnaが規定回数Naをカウントすると、シリンダ2は停止状態にあり、フラグfa=1がセットされる(ステップS7)。この状態でレバー4aの起動操作を開始すると、レバー指令値Xが中立域にある間は(−α<X<α)、前述した処理(ステップS25)によりレバー指令値Xとバルブ指令値Yは等しい(時刻t0〜t1)。このとき、電磁比例弁3を流れる流量qは0であり(図3)、シリンダ2は駆動しない。
図8は、操作レバー4aを中立位置から一定方向(指令値X,Yが正の方向)に急に最大操作したときのレバー指令値Xとバルブ指令値Yの関係を示すタイムチャートである。操作レバ4aーが中立状態に保持され、カウンタnaが規定回数Naをカウントすると、シリンダ2は停止状態にあり、フラグfa=1がセットされる(ステップS7)。この状態でレバー4aの起動操作を開始すると、レバー指令値Xが中立域にある間は(−α<X<α)、前述した処理(ステップS25)によりレバー指令値Xとバルブ指令値Yは等しい(時刻t0〜t1)。このとき、電磁比例弁3を流れる流量qは0であり(図3)、シリンダ2は駆動しない。
レバー4aの急操作によりレバー指令値Xが中立域を超えると、その直後にバルブ指令値Yが所定値αとなり(ステップS23)、次いで前述したバルブ指令値演算処理(ステップS50)が開始される。バルブ指令値演算処理の第一周期目では、レバー指令値Xとバルブ指令値Y(t−1)の符号は等しく、かつ、レバー指令値Xがバルブ指令値Y(t−1)よりも大きく、かつ、フラグfa=1であるため、起動状態と判定され、負荷Fに応じて最終カウンタNbが演算される(ステップS56)。そして、以降の繰り返しの周期では、この最終カウンタNbをパラメータとして最大設定速度ΔYが演算される。
起動状態においては、カウンタnbが最終カウンタNbに達するまでバルブ指令値Yの増分が最大設定速度ΔYで制限される(ステップS63)。したがって、図8に示すようにバルブ指令値Y(一点鎖線)の増加の割合はレバー指令値X(実線)の増加の割合よりも小さい。これにより起動状態において、電磁比例弁3は中立位置からゆっくりと切り換わり、起動開始時にシリンダ2へ供給される圧油量は微少である。その結果、ブームはゆっくりと回動を開始し、ブーム起動時に機体に作用するショックを低減できる。
この場合、最大設定速度ΔYは、上式(III)よりカウンタnbの増加に伴い比例的に増加する(図7)。したがって、バルブ指令値Yは図8に示すように2次関数的に増加する。このときのバルブ指令値Yとカウンタnbの関係は次式(IV)の通りであり、この関係は上式(III)を積分することで得られる。
Y=(K/Nb2)・(nb)2+α (IV)
Y=(K/Nb2)・(nb)2+α (IV)
このようにブームの起動時にバルブ指令値Yが2次関数的に増加することで、シリンダ2への圧油量の増加の割合が徐々に大きくなる。これによりシリンダ2の駆動速度が徐々に速くなり、起動時のショックを低減しつつ、ブームを速やかに所定量回動させることができる。すなわち起動時には機械のガタや静摩擦係数から動摩擦係数への推移などの影響によりショックが大きくなりやすいが、バルブ指令値Yの立ち上がり(図8の特性の傾き)を徐々に大きくしたので、起動ショックを最小限に低減することができる。
カウンタnbが最終カウンタNbに達すると、バルブ指令値YはK+αになり、起動状態が終了する。ここで、最終カウンタNbは、上式(II)よりシリンダ2に作用する負荷Fが大きいほど大きな値となる。これにより負荷Fが大きいほど起動状態が長く設定され、電磁比例弁3を流れる流量qがゆっくりと増加し、起動時のショックを効率よく低減できる。起動状態が終了すると加速状態に移行し、最大設定速度ΔYが演算される(ステップS59)。加速状態においては、例えば図8に示すようにバルブ指令値Yの傾きがレバー指令値Xの傾きと等しくなり、時刻t2でレバー指令値Xが最大値に達した後、時刻t3でバルブ指令値Yが最大値に達する。なお、以上はレバー4aを急操作したときの動作である。レバー4aをゆっくりと操作した場合は、起動状態において上述したショックレス制御を行わず、バルブ指令値Yがレバー指令値Xと等しくなる(ステップS64)。
本実施の形態によれば以下のような効果を奏することができる。
(1)操作レバー4aが起動操作された際に、起動時カウンタnbが最終カウンタNbに達するまでの起動状態におけるバルブ指令値Yの増加の割合を、起動状態終了後の加速状態におけるバルブ指令値Yの増加の割合よりも小さくなるようにした(起動ショックレス制御)。これにより起動時に電磁比例弁3が中立位置からゆっくりと切り換わり、起動時のショックを低減することができる。また、加速状態におけるバルブ指令値Yの増加の割合が大きいため、ブームの動作を速やかに加速することができる。すなわち図8の時刻t2とt3の差は小さく、作業効率もよい。
(1)操作レバー4aが起動操作された際に、起動時カウンタnbが最終カウンタNbに達するまでの起動状態におけるバルブ指令値Yの増加の割合を、起動状態終了後の加速状態におけるバルブ指令値Yの増加の割合よりも小さくなるようにした(起動ショックレス制御)。これにより起動時に電磁比例弁3が中立位置からゆっくりと切り換わり、起動時のショックを低減することができる。また、加速状態におけるバルブ指令値Yの増加の割合が大きいため、ブームの動作を速やかに加速することができる。すなわち図8の時刻t2とt3の差は小さく、作業効率もよい。
(2)起動状態においてバルブ指令値Yの増加の割合が時間経過に伴い徐々に大きくなるようにしたので(式(IV))、起動時のショックを最小限に抑えつつ、良好な加速性を得ることができる。
(3)圧力検出器7a,7bにより油圧シリンダ2に作用する負荷を検出し、負荷が大きいほどバルブ指令値Yの増加の割合が小さくなるようにしたので(式(II),式(III))、負荷に応じてショックを十分に低減できる。
(4)油圧シリンダ2に作用する負荷が大きいほど最終カウンタNbを大きく設定し、起動ショックレス制御をより長時間実行するようにしたので、起動時のショックを効率よく低減できる。
(5)中立域決定カウンタnaが最終カウンタNaに到達した状態、すなわちとくに大きなショックを発生するシリンダ2の停止状態からの起動時にのみ起動ショックレス制御を行うようにしたので、大きなショックレス効果を実現できる。
(6)操作レバー4aが急操作されたときに起動ショックレス制御を行い、操作レバー4aが緩操作されたときは起動ショックレス制御を行わず、バルブ指令値Yをレバー指令値Xと等しくしたので、起動時のショックが発生しやすい状況下でショックレス制御が行われ、起動時のショックを効果的に低減できる。
(3)圧力検出器7a,7bにより油圧シリンダ2に作用する負荷を検出し、負荷が大きいほどバルブ指令値Yの増加の割合が小さくなるようにしたので(式(II),式(III))、負荷に応じてショックを十分に低減できる。
(4)油圧シリンダ2に作用する負荷が大きいほど最終カウンタNbを大きく設定し、起動ショックレス制御をより長時間実行するようにしたので、起動時のショックを効率よく低減できる。
(5)中立域決定カウンタnaが最終カウンタNaに到達した状態、すなわちとくに大きなショックを発生するシリンダ2の停止状態からの起動時にのみ起動ショックレス制御を行うようにしたので、大きなショックレス効果を実現できる。
(6)操作レバー4aが急操作されたときに起動ショックレス制御を行い、操作レバー4aが緩操作されたときは起動ショックレス制御を行わず、バルブ指令値Yをレバー指令値Xと等しくしたので、起動時のショックが発生しやすい状況下でショックレス制御が行われ、起動時のショックを効果的に低減できる。
なお、上記実施の形態では、式(III)のパラメータKを定数としたが、このKをアクチュエータの負荷Fや作業機の作業半径の関数としてもよい。この場合、負荷Fや作業半径が大きい場合には、作業機に作用する慣性モーメントが大きく、起動時のショックが大きくなりやすい。したがって、この場合にはバルブ指令値Yが比較的大きな値になるまでショックレス制御を行うのがよいので、Kの値を大きく設定すればよい。
最終カウンタNbを負荷Fの関数とし、負荷が大きいほど起動状態のバルブ指令値Yの増加の割合が小さくなるようにしたが、最終カウンタNbを作業半径の関数としてもよい。すなわち作業機に作用する慣性モーメントの大きさと相関関係を有する物理量に応じて最終カウンタNbを設定し、慣性モーメントが大きいほど起動状態におけるシリンダ2への圧油量の増加の割合が小さくなるのであれば、慣性モーメント検出手段が負荷以外Fを検出してもよい。
操作レバー4aの操作量に応じてシリンダ2の駆動指令(レバー指令値X)を出力するようにしたが、操作装置を起動スイッチなどで構成してもよい。この場合、起動スイッチが操作されると予め定められた特性にしたがってレバー指令値Xが増加し、このレバー指令値Xの増加に対してバルブ指令値Yを制御すればよい。
起動時のバルブ指令値Yの特性は上述したものに限らない。すなわち起動状態におけるバルブ指令値Y(制御弁への指令値)の増加の割合が加速状態におけるバルブ指令値Yの増加の割合より小さくなるように制御ユニット5が制御弁3を制御するのであれば、制御手段は上述した以外の構成を採用してもよい。また、起動操作時に最終カウンタNbの計時の有無により起動状態と加速状態を判別するようにしたが、判別手段として制御ユニット5の構成はこれに限らない。
以上では、起動ショックレス制御を行う作業用アクチュエータとしてブーム起伏用油圧シリンダ2を例に説明したが、他の作業用アクチュエータ(例えば油圧モータ)や他の油圧作業機械にも同様に適用できる。すなわち、本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態の制御装置に限定されない。
1 油圧ポンプ 2 油圧シリンダ
3 電磁比例弁 3a,3b ソレノイド
4 操作レバー装置 4a 操作レバー
5 制御ユニット 7a,7b 圧力検出器
3 電磁比例弁 3a,3b ソレノイド
4 操作レバー装置 4a 操作レバー
5 制御ユニット 7a,7b 圧力検出器
Claims (4)
- 油圧源からの圧油により駆動する作業用アクチュエータと、
前記油圧源から前記作業用アクチュエータへの圧油の流れを制御する制御弁と、
前記作業用アクチュエータの起動開始から所定時間が経過するまでの起動状態および起動状態終了後の加速状態を判別する判別手段と、
前記起動状態における前記制御弁への指令値の増加の割合が前記加速状態における前記制御弁への指令値の増加の割合よりも小さくなるように、前記判別手段の判別結果に応じて前記制御弁を制御する制御手段とを備えることを特徴とする油圧作業機械の制御装置。 - 請求項1に記載の油圧作業機械の制御装置において、
前記制御手段は、前記起動状態において前記制御弁への指令値の増加の割合が徐々に大きくなるように前記制御弁を制御することを特徴とする油圧作業機械の制御装置。 - 請求項1または2に記載の油圧作業機械の制御装置において、
油圧作業機械に作用する慣性モーメントと相関関係のある物理量を検出する慣性モーメント検出手段を有し、
前記制御手段は、前記検出された慣性モーメントが大きいほど前記起動状態における前記制御弁への指令値の増加の割合が小さくなるように前記制御弁を制御することを特徴とする油圧作業機械の制御装置。 - 請求項1または2に記載の油圧作業機械の制御装置において、
油圧作業機械に作用する慣性モーメントと相関関係のある物理量を検出する慣性モーメント検出手段を有し、
前記制御手段は、前記検出された慣性モーメントが大きいほど前記所定時間を長く設定することを特徴とする油圧作業機械の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003375566A JP2005139658A (ja) | 2003-11-05 | 2003-11-05 | 油圧作業機械の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003375566A JP2005139658A (ja) | 2003-11-05 | 2003-11-05 | 油圧作業機械の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005139658A true JP2005139658A (ja) | 2005-06-02 |
Family
ID=34686903
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003375566A Pending JP2005139658A (ja) | 2003-11-05 | 2003-11-05 | 油圧作業機械の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005139658A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007161396A (ja) * | 2005-12-13 | 2007-06-28 | Nissan Motor Co Ltd | フォークリフトの荷役制御装置および荷役制御方法 |
JP2009121127A (ja) * | 2007-11-14 | 2009-06-04 | Sumitomo (Shi) Construction Machinery Manufacturing Co Ltd | 旋回制御装置 |
KR101769485B1 (ko) * | 2010-07-30 | 2017-08-30 | 볼보 컨스트럭션 이큅먼트 에이비 | 건설기계용 선회유량 제어시스템 및 그 제어방법 |
-
2003
- 2003-11-05 JP JP2003375566A patent/JP2005139658A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007161396A (ja) * | 2005-12-13 | 2007-06-28 | Nissan Motor Co Ltd | フォークリフトの荷役制御装置および荷役制御方法 |
JP2009121127A (ja) * | 2007-11-14 | 2009-06-04 | Sumitomo (Shi) Construction Machinery Manufacturing Co Ltd | 旋回制御装置 |
KR101769485B1 (ko) * | 2010-07-30 | 2017-08-30 | 볼보 컨스트럭션 이큅먼트 에이비 | 건설기계용 선회유량 제어시스템 및 그 제어방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2318720B1 (en) | Velocity control of unbalanced hydraulic actuator subjected to over-center load conditions | |
JPH0826552B2 (ja) | 建設機械のポンプ吐出量制御システム | |
EP3158205B1 (en) | Method of controlling velocity of a hydraulic actuator in over-center linkage systems | |
JPS6115306B2 (ja) | ||
JP2006258291A (ja) | 交差機能再成を有する油圧制御システム | |
JP2007278504A (ja) | 速度に基づく制御システムのための油圧計量モードの移行技法 | |
JP2000027812A (ja) | 作業機の制御方法およびその制御装置 | |
US5197860A (en) | Hydraulic apparatus for construction machines | |
JPH07293690A (ja) | 油圧トランスミッションのモータ及びオーバースピード制御装置並びに可変容量油圧モータの制御方法 | |
EP1172488B1 (en) | Hydraulic circuit of working machine | |
KR100257852B1 (ko) | 유압식 건설기계의 엔진회전수 제어방법 | |
KR101057229B1 (ko) | 건설 기계의 엔진 랙 다운 억제 장치 | |
JP2005139658A (ja) | 油圧作業機械の制御装置 | |
US20210277630A1 (en) | Hydraulic drive apparatus for work machine | |
JP2966642B2 (ja) | 油圧作業機械における作業装置の振動抑制制御装置 | |
WO2001009440A1 (fr) | Dispositif de commande d'un circuit hydraulique d'un engin de construction | |
JP3730336B2 (ja) | 油圧アクチュエータの速度制御装置 | |
JP2006250219A (ja) | 油圧制御装置 | |
JP2005061298A (ja) | 建設機械 | |
JPH04353130A (ja) | 油圧作業機械における作業装置の振動抑制制御装置 | |
JP3195903B2 (ja) | 建設機械の制御装置 | |
JPH08296605A (ja) | 油圧シリンダ制御の方法 | |
JPH0560104A (ja) | 油圧作業機械における作業装置の振動抑制制御装置 | |
JP2847649B2 (ja) | 操作レバーの制御方法 | |
JPH0665602U (ja) | 建設機械におけるシリンダの制御回路 |